JPH10130456A - 水系分散体 - Google Patents
水系分散体Info
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- JPH10130456A JPH10130456A JP8305525A JP30552596A JPH10130456A JP H10130456 A JPH10130456 A JP H10130456A JP 8305525 A JP8305525 A JP 8305525A JP 30552596 A JP30552596 A JP 30552596A JP H10130456 A JPH10130456 A JP H10130456A
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Abstract
し、かつ高温多湿の条件下で長時間紫外線暴露後もこれ
らの性能が低下することのない水系分散体を提供する。 【解決手段】 水系分散体は、(a)分子中にベンゾト
リアゾール系紫外線吸収性官能基を有するエチレン性不
飽和単量体1〜70重量%、(b)分子中にカルボニル
基を有するエチレン性不飽和単量体0.1〜20重量
%、および(c)他の共重合可能なエチレン性不飽和単
量体10〜98.9重量%からなる単量体混合物(但
し、(a)+(b)+(c)=100重量%)を重合し
て得られる平均粒子径250nm以下の重合体粒子
(A)と、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有
する多官能性ヒドラジン誘導体(B)とを、カルボニル
基とヒドラジノ基との当量比が1:0.1〜5の範囲で
含有する。
Description
外線吸収性の塗膜を形成し、かつ高温多湿の条件下で長
時間紫外線を暴露してもこれらの性能が低下することの
ない水系分散体に関する。
ら、コーティング材の無公害化が強く要望されており、
従来の溶剤型コーティング材の水系化が進められている
が、その結果水系コーティング材の用途も拡大され、そ
れに伴って水系コーティング材への要求性能がますます
高度になっている。従来の水系コーティング材として
は、(メタ)アクリレート系重合体の水系分散体が優れ
た透明性、造膜性を有することから、広く使用されてい
る。しかし、通常の(メタ)アクリレート系重合体は3
00〜400nmの波長範囲の紫外線をほとんど吸収し
ないため、プラスチック等の基材の黄変を防止すること
ができない。一方、コーティング材に紫外線吸収性を付
与する方法としては、例えば、特公昭55−12441
号公報に開示されているように、紫外線吸収剤を添加す
る方法があるが、このような方法では、紫外線吸収剤が
経時的に塗膜からブリードアウトし、紫外線吸収性が次
第に低下するという欠点がある。これを改善する方法と
して、特開昭47−560号公報に、紫外線吸収性官能
基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合する方法が
提案されており、紫外線吸収剤を添加する方法に比べ
て、紫外線吸収性の経時的低下が少ないものの、高温多
湿の条件下で長時間紫外線を暴露した場合、その性能低
下が避けられないという問題点がある。
のもとになされたもので、その課題は、透明で高強度な
紫外線吸収性の塗膜を形成し、かつ高温多湿の条件下で
長時間紫外線を暴露してもこれらの性能が低下すること
のない水系分散体を提供することにある。
を解決するために鋭意検討した結果、特定の紫外線吸収
性の重合性単量体と特定の架橋系を組み合わせることに
より、特異的に、高温多湿の条件下でも、透明性、強
度、紫外線吸収性等の性能が長期にわたり劣化すること
のない塗膜を形成しうることを見い出し、本発明をなす
に至った。即ち、本発明の要旨は、(a)分子中にベン
ゾトリアゾール構造に基づく紫外線吸収性官能基を有す
るエチレン性不飽和単量体1〜70重量%、(b)分子
中にアルド基あるいはケト基に基づくカルボニル基を有
するエチレン性不飽和単量体0.1〜20重量%、およ
び(c)他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体10
〜98.9重量%からなる単量体混合物(但し、(a)
+(b)+(c)=100重量%)を重合して得られる
平均粒子径250nm以下の重合体粒子(A)と、分子
中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有する多官能性ヒ
ドラジン誘導体(B)とを、前記重合体粒子(A)中の
カルボニル基と前記多官能性ヒドラジン誘導体(B)中
のヒドラジノ基との当量比((A):(B))が1:
0.1〜5の範囲で含有することを特徴とする水系分散
体、からなる。
ンゾトリアゾール構造に基づく紫外線吸収性官能基を有
するエチレン性不飽和単量体(以下、「ベンゾトリアゾ
ール単量体」という。)と、(b)分子中にアルド基あ
るいはケト基に基づくカルボニル基を有するエチレン性
不飽和単量体(以下、「カルボニル単量体」という。)
とを必須成分として含むエチレン性不飽和単量体混合物
(以下、「単量体混合物」と略記する。)を重合するこ
とにより製造される。 〈ベンゾトリアゾール単量体〉本発明で用いられるベン
ゾトリアゾール単量体としては、例えば、2−(2’−
ヒドロキシ−3’−メタクリロイルオキシフェニル)−
2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
4’−メタクリロイルオキシフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタク
リロイルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシフェニル)−5−メタクリ
ロイルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−3’−メタクリロイルオキシ−5’−メ
チルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシ−
3’−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチルフェニル)−5
−メタクリロイルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5
−メタクリロイルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−メタクリロイルオキシ
−5’−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイル
オキシ−3’−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチ
ルフェニル)−5−メタクリロイルオキシ−2H−ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−
ブチルフェニル)−5−メタクリロイルオキシ−2H−
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−
メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−メタク
リロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイ
ルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシフェニル)−5−メタクリ
ロイルオキシエチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−メタクリロイルオキシエチ
ル−5’−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオ
キシエチル−3’−メチルフェニル)−2H−ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチルフ
ェニル)−5−メタクリロイルオキシエチル−2H−ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルフェニル)−5−メタクリロイルオキシエチル−2
H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−メタクリロイルオキシエチル−5’−t−ブチル
フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチル−3’
−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)
−5−メタクリロイルオキシエチル−2H−ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチル
フェニル)−5−メタクリロイルオキシエチル−2H−
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−
メタクリロイルアミノフェニル)−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−メタクリロイ
ルアミノフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルアミノフェ
ニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシフェニル)−5−メタクリロイルアミノ−2H−
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−
メタクリロイルアミノ−5’−メチルフェニル)−2H
−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’
−メタクリロイルアミノ−3’−メチルフェニル)−2
H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−メチルフェニル)−5−メタクリロイルアミノ−
2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)−5−メタクリロイルアミノ−
2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−メタクリロイルアミノ−5’−t−ブチルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メタクリロイルアミノ−3’−t−ブチル
フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)−5−メタク
リロイルアミノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5
−メタクリロイルアミノ−2H−ベンゾトリアゾール等
を挙げることができる。これらのベンゾトリアゾール単
量体うち、特に紫外線暴露による紫外線吸収性の劣化の
少ない2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイル
オキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシ
エチル−3’−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾト
リアゾール等が好ましい。前記ベンゾトリアゾール単量
体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することが
できる。本発明における単量体混合物中のベンゾトリア
ゾール単量体の含有量は、単量体混合物の合計を100
重量%としたとき、1〜70重量%、好ましくは2〜6
0重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。この
場合、ベンゾトリアゾール単量体の含有量が1重量%未
満では、塗膜の紫外線吸収性が不十分であり、一方70
重量%を超えると、塗膜強度に劣る。
カルボニル単量体のうち、アルド基を有するエチレン性
不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクロレイ
ン、クロトンアルデヒド、ホルミルスチレン、ホルミル
−α−メチルスチレン、ジアセトンアクリルアミド、
(メタ)アクリルアミドピバリンアルデヒド、3−(メ
タ)アクリルアミドメチル−アニスアルデヒドや、下記
式(1)で表されるβ−(メタ)アクリロイルオキシ−
α,α−ジアルキルプロパナール類等を挙げることがで
きる。
はメチル基、R2 は水素原子または炭素数1〜3のアル
キル基、R3 は炭素数1〜3のアルキル基、R4 は炭素
数1〜4のアルキル基を示す。〕 式(1)で表されるβ−(メタ)アクリロイルオキシ−
α,α−ジアルキルプロパナール類の具体例としては、
β−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α−ジメチルプ
ロパナール(即ち、β−(メタ)アクリロイルオキシピ
バリンアルデヒド)、β−(メタ)アクリロイルオキシ
−α,α−ジエチルプロパナール、β−(メタ)アクリ
ロイルオキシ−α,α−ジプロピルプロパナール、β−
(メタ)アクリロイルオキシ−α−メチル−α−ブチル
プロパナール、β−(メタ)アクリロイルオキシ−α,
α,β−トリメチルプロパナール等を挙げることができ
る。また、ケト基を有するエチレン性不飽和単量体とし
ては、例えば、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、炭
素数4〜7のビニルアルキルケトン類(例えば、ビニル
メチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニル−n−プロ
ピルケトン、ビニル−i−プロピルケトン、ビニル−n
−ブチルケトン、ビニル−i−ブチルケトン、ビニル−
t−ブチルケトン等)、ビニルフェニルケトン、ビニル
ベンジルケトン、ジビニルケトン、ジアセトン(メタ)
アクリレート、アセトニトリル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート−アセチ
ルアセテート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート−アセチルアセテート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、3−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート−アセチルアセテー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート−アセ
チルアセテート、ブタンジオール−1,4−(メタ)ア
クリレート−アセチルアセテート等を挙げることができ
る。これらカルボニル単量体のうち、特にアクロレイ
ン、ジアセトンアクリルアミド、ビニルメチルケトン等
が好ましい。前記カルボニル単量体は、単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。本発明におけ
る単量体混合物中のカルボニル単量体の含有量は、単量
体混合物の合計を100重量%としたとき、0.1〜2
0重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に好まし
くは1〜8重量%である。この場合、カルボニル単量体
の含有量が0.1重量%未満では、紫外線暴露後の塗膜
強度、紫外線吸収性が低下し、一方20重量%を超える
と、塗膜の透明性が低下する
おいてベンゾトリアゾール単量体およびカルボニル単量
体と共に用いられる他のエチレン性不飽和単量体(以
下、「他の単量体」と略記する。)としては、ベンゾト
リアゾール単量体およびカルボニル単量体と共重合可能
である限り特に限定されるものではなく、例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル
(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレー
ト、n−アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メ
タ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オ
クチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート等の(シクロ)アルキル(メタ)アクリレ
ート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2
−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシ
プロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)ア
クリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、p−メ
トキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルコ
キシ(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート類;パー
フルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプ
ロピル(メタ)アクリレート、ペンタデカフルオロオク
チル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メ
タ)アクリレート類;2−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類;
2−(ジメチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリ
レート、2−(ジエチルアミノエトキシ)エチル(メ
タ)アクリレート、2−(ジメチルアミノエトキシ)プ
ロピル(メタ)アクリレート、3−(ジメチルアミノエ
トキシ)プロピル(メタ)アクリレート等のアミノアル
コキシアルキル(メタ)アクリレート類;エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、2,2’−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピオキシフェニル〕プロパン、2,2’−ビス〔4
−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル〕プ
ロパン、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能性
(メタ)アクリレート類;1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)ア
クリレート等の光安定性官能基を有する(メタ)アクリ
レート類;スチレン、α−メチルスチレン、2−メチル
スチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、
4−エチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、3,4
−ジメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−エト
キシスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレ
ン、4−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、
2,6−ジクロロスチレン、4−クロロ−3−メチルス
チレン、ジビニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2
−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等の芳香族ビニ
ル化合物;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イ
タコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、ヘキサヒ
ドロフタル酸モノ−2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チル、マレインアミド酸等のカルボキシル基含有不飽和
単量体あるいはその無水物類;(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、
N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−
プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−i−プ
ロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメトキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレンビ
ス(メタ)アクリルアミド、N,N−エチレンビス(メ
タ)アクリルアミド、マレインアミド、マレイミド等の
不飽和カルボン酸のアミドあるいはイミド類;(メタ)
アクリロニトリル、クロトンニトリル、2−シアノエチ
ル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル(メタ)
アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)アクリレー
ト、けい皮酸ニトリル等のシアノ基含有不飽和単量体
類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル
化合物;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジ
エン類;γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、チッソ(株)製のサイラプレーンFM
0711(商品名)等の重合性シリコーン類等のほか、
ば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5
−ヒドロキシアミル(メタ)アクリレート、6−ヒドロ
キシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コール(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(シクロ)
アルキルモノ(メタ)アクリレート類;3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アミ
ノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の
置換ヒドロキシ(シクロ)アルキル(メタ)アクリレー
ト類;グリセリンのモノ−またはジ−(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパンのモノ−またはジ−(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールのモノ−、ジ
−またはトリ−(メタ)アクリレート等の3価以上の多
価アルコールの遊離水酸基含有(メタ)アクリレート
類;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチロール(メタ)アクリルアミド等のN−メチロー
ル置換不飽和カルボン酸アミド類;水酸基に変換しうる
基を有する他の単量体として、例えば、アリルグリシジ
ルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、メチル
グリシジル(メタ)アクリレート、エポキシ化シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート等のの不飽和エポキシ化合
物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸
ビニル等のビニルエステル類等を挙げることができる。
これらの他の単量体のうち、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリル酸、1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート等のほか、前
記水酸基を有する単量体、スチレン、α−メチルスチレ
ン、(メタ)アクリロニトリル等が好ましい。前記他の
単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。本発明における単量体混合物中の他の単量
体の含有量は、単量体混合物の合計を100重量%とし
たとき、10〜98.9重量%である。
ゾール単量体、カルボニル単量体および他の単量体から
なる単量体混合物を重合する方法としては、所要の平均
粒子径を有する重合体粒子(A)を製造しうる如何なる
方法でもよいが、好ましくは乳化重合法である。また、
単量体混合物の組成により乳化重合が困難である場合
は、溶液重合後、得られた重合体を水系媒質中に強制乳
化または自己乳化させる方法(以下、「溶液重合/乳化
法」という。)が好ましい。以下、これらの方法につい
て説明する。 (イ)乳化重合法による重合体粒子(A)の製造 前記乳化重合は通常の方法で実施することができ、例え
ば、水性媒体中に、単量体混合物、ラジカル重合開始
剤、乳化剤のほか、必要に応じて連鎖移動剤(分子量調
製剤)、キレート化剤等を添加し、例えば、常温〜10
0℃の温度で1〜30時間程度重合する。前記ラジカル
重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキ
サイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、パラメンタンハイドロパーオキサイド等の有機ハイ
ドロパーオキサイド類からなる酸化剤と、含糖ピロリン
酸鉄処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン酸鉄/
スルホキシレート混合処方等の還元剤との組み合わせか
らなるレドックス系開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’− アゾビ
ス−シクロヘキサン−1− カルボニトリル等のアゾ化
合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;過酸
化水素等を挙げることができ、好ましくはレドックス系
開始剤、過硫酸塩である。これらのラジカル重合開始剤
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体混合物1
00重量部当たり、通常、0.05〜5重量部、好まし
くは0.1〜2重量部程度である。前記乳化剤として
は、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、陽イオン性
乳化剤、両性乳化剤等を挙げることができるが、特に、
分子中に共重合性のエチレン性不飽和結合を有する反応
性乳化剤が好ましい。陰イオン性乳化剤としては、例え
ば、高級アルコール硫酸エステルのアルカリ金属塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、コハク酸
ジアルキルエステルスルホン酸のアルカリ金属塩、アル
キルジフェニルエーテルジスルホン酸のアルカリ金属
塩、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルフェ
ニル)エーテルの硫酸エステル塩等のほか、反応性乳化
剤として、オレイルアルコールのスルホこはく酸ジエス
テルアンモニウム塩(商品名ラテムルS−180A、花
王(株)製)、α−スルホ−ω−〔1−(ノニルフェノ
キシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ
−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)〕アンモニウ
ム塩(商品名アデカリアソープSE−1025N、旭電
化工業(株)製)や、以下商品名で、エレミノールJS
−2(三洋化成(株)製)、アクアロンHS−10(第
一工業製薬(株)製)、Antox MS−60(日本
乳化剤(株))等を挙げることができる。非イオン性乳
化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
等のほか、以下商品名で、アクアロンRS−20(第一
工業製薬(株)製)、アデカリアソープNE−20(旭
電化工業(株)製)等の反応性乳化剤を挙げることがで
きる。陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキ
ルピリジニルクロライド、アルキルアンモニウムクロラ
イド等を挙げることができ、また両性乳化剤としては、
ラウリルベタインが適当である。これらの乳化剤は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
乳化剤の使用量は、単量体混合物100重量部当たり、
通常、5重量部以下である。前記連鎖移動剤としては、
例えば、クロロホルム、ブロモホルム等のハロゲン化炭
化水素類;n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメ
ルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−オクチル
チオグリコール等のメルカプタン類;ジメチルキサント
ゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサ
ルファイド等のキサントゲン類;ジペンテン、ターピノ
ーレン等のテルペン類;9,10−ジヒドロアントラセ
ン、1,4−ジヒドロナフタレン、インデン、1,4−
シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;キ
サンテン、2,5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環
状化合物;α−メチルスチレンダイマー等を挙げること
ができる。これらの連鎖移動剤は、単独でまたは2種以
上を混合して使用することができる。連鎖移動剤の使用
量は、単量体混合物100重量部当たり、通常、5重量
部以下であるまた、前記キレート化剤としては、例え
ば、グリシン、アラニン、エチレンジアミン四酢酸等が
用いられる。これらのキレート化剤は、単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。キレート化剤
の使用量は、単量体混合物100重量部当たり、通常、
0.1重量部以下である。
化剤のほか、必要に応じ──鎖移動剤、キレート化剤等
を併用して、単量体混合物100重量部当たり、通常、
水を100〜500重量部と重合開始剤および乳化剤を
前記範囲内の量で使用し、重合温度5〜100℃、好ま
しくは50〜90℃、重合時間0.1〜10時間の条件
で実施される。その際の重合方式としては、バッチ方
式、少なくとも一部の単量体を分割または連続して添加
する方式、少なくとも一部の単量体のプレエマルジョン
を分割または連続して添加する方式、またはこれらの方
式を段階的に組み合わせた方式等を採用することができ
るが、特に、水溶性の低い単量体を使用する場合は、高
圧ホモジナイザーや超音波分散機を用いて予め単量体混
合物、水、乳化剤等を強制乳化させてプレエマルジョン
を調製してから、バッチ重合方式、分割または連続して
添加する方式等により重合することが好ましい。また、
重合転化率は、99.5重量%以上であることが好まし
い。なお、前記乳化重合に際しては、作業性、防災安全
性、環境安全性および製造安全性を損なわない範囲内
で、必要に応じて少量の溶剤を用いることができる。前
記溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、アセト
ン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルイソブチル
ケトン、ジメチルスルホキサイド、トルエン、ジブチル
フタレート、メチルピロリドン、酢酸エチル等のほか、
アルコール類、セロソルブ類、カルビトール類等の1種
以上が用いられる。溶剤の使用量は、単量体混合物10
0重量部当たり、通常、10重量部以下である。
(A)の製造 溶液重合/乳化法における溶液重合は通常の方法で実施
することができ、例えば、有機溶剤中に、単量体混合
物、ラジカル重合開始剤のほか、必要に応じて連鎖移動
剤(分子量調製剤)等を添加し、例えば、常温〜100
℃の温度で1〜30時間程度重合する。前記有機溶剤と
しては、例えば、トルエン、キシレン、ジブチルフタレ
ート、メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジメチ
ルホルムアミド、酢酸エチル、乳酸エチル等のほか、ア
ルコール類、セロソルブ類、カルビトール類等が用いら
れ、好ましくはトルエン、酢酸エチル、エタノール等で
ある。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。前記ラジカル重合開始剤
としては、例えば、前記(イ)の方法について例示した
ものが用いられるが、好ましくはアゾ化合物、有機過酸
化物である。ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体混
合物100重量部当たり、通常、0.5〜10重量部、
好ましくは1〜5重量部程度である。前記連鎖移動剤と
しては、例えば、前記(イ)の方法について例示したも
のが用いられる。連鎖移動剤の使用量は、単量体混合物
100重量部当たり、通常、5重量部以下である。溶液
重合は、前記ラジカル重合開始剤のほか、必要に応じて
連鎖移動剤を併用して、全単量体成分100重量部当た
り、通常、有機溶剤を100〜500重量部と重合開始
剤を前記範囲内の量で使用し、重合温度5〜100℃、
好ましくは50〜90℃、重合時間0.1〜10時間の
条件で実施される。その際の重合方式としては、バッチ
方式、少なくとも一部の単量体を分割または連続して添
加する方式、またはこれらの方式を段階的に組み合わせ
た方式等を採用することができる。また、重合転化率
は、80重量%以上であることが好ましい。このように
して得られた重合体の有機溶剤溶液を、水と必要に応じ
て乳化剤を併用し、公知の方法で強制乳化または自己乳
化させることにより、重合体粒子(A)を製造すること
ができる。その後、作業性、防災安全性、環境安全性等
の観点から、公知の方法で脱溶剤を行うことが好まし
い。
る他の成分〉本発明における重合体粒子(A)は、本発
明の所期の効果、即ち塗膜の透明性、強度等を損なわな
い範囲内で、必要に応じて他の成分を粒子中に含有する
こともできる。このような他の成分としては、例えば、
シロキサン成分を挙げることができる。前記シロキサン
成分は、加水分解性シラン化合物を使用し、その少なく
とも一部を、水系媒質中に分散した重合体の粒子に吸収
させたのち、吸収された該シラン化合物の縮合反応を行
うことにより、重合体粒子(A)中に含有させることが
できる。前記加水分解性シラン化合物としては、例え
ば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシ
シラン、テトラ−n−ブトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピ
ルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラ
ン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルト
リエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n
−ブチルトリエトキシシラン、i−ブチルトリメトキシ
シラン、i−ブチルトリエトキシシラン、3−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエ
トキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3
−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロ
キシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセト
キシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメト
キシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3
−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルエチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメト
キシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルトリク
ロロシラン、トリメチルクロロシラン、アミノシラン等
を挙げることができる。これらの加水分解性シラン化合
物うち、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、i−ブチルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン等が好ましい。前記加
水分解性シラン化合物は、単独でまたは2種以上を混合
して使用することができ、またチタン、アルミニウム等
の他の金属のアルコキシドや、公知のシランカップリン
グ剤と併用することもできる。加水分解性シラン化合物
の使用量は、重合体の粒子100重量部当たり、0.1
〜10重量部が好ましい。本発明の水系分散体からから
形成される塗膜は、シロキサン成分を含有することによ
って、耐候性等の塗膜性能をより向上させることができ
る。
して得られる重合体粒子(A)の平均粒子径は、250
nm以下、好ましくは10〜150nm、さらに好まし
くは10〜100nmである。この場合、重合体粒子
(A)の平均粒子径が250nmを超えると、塗膜強
度、透明性等が低下する。重合体粒子(A)の平均粒子
径は、乳化重合の場合、使用される乳化剤の量、単量体
相の粘性、攪拌条件等を調節することにより、また溶液
重合/乳化法の場合は、重合体の親水性や分子量、乳化
条件等を調節することにより、調整することができる。
重合体粒子(A)を構成する前記単量体混合物からなる
重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、通常、
5,000〜1,000,000、好ましくは10,0
00〜700,000であり、また該重合体のガラス転
移温度は、通常、−50〜+100℃である。本発明に
おいて、重合体粒子(A)は、単独でまたは2種以上を
混合して使用することができる。
は、例えば、しゅう酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラ
ジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジ
ド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジ
ド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジ
ド、テレフタル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジ
ド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等
の合計炭素数2〜10、特に合計炭素数4〜6のジカル
ボン酸ジヒドラジド類;クエン酸トリヒドラジド、ニト
リロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン
酸トリヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒド
ラジド等の3官能以上のヒドラジド類;エチレン−1,
2−ジヒドラジン、プロピレン−1,2−ジヒドラジ
ン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−
1,2−ジヒドラジン、ブチレン−1,3−ジヒドラジ
ン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン、ブチレン−2,
3−ジヒドラジン等の合計炭素数2〜4の脂肪族ジヒド
ラジン類等の水溶性ジヒドラジンが好ましい。さらに、
多官能性ヒドラジン誘導体(B)として、前記水溶性ジ
ヒドラジンの少なくとも一部のヒドラジノ基を、アセト
アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒ
ド、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、
メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジアセト
ンアルコール等のカルボニル化合物と反応させることに
よりブロック化した化合物(以下、「ブロック化多官能
性ヒドラジン誘導体」という。)、例えば、アジピン酸
ジヒドラジドモノアセトンヒドラゾン、アジピン酸ジヒ
ドラジドジアセトンヒドラゾン等も使用することができ
る。このようなブロック化多官能性ヒドラジン誘導体を
使用することにより、本発明の水系分散体の架橋反応の
進行を適度に抑えることができるため、再分散性をより
向上させることができる。これらの多官能性ヒドラジン
誘導体(B)のうち、アジピン酸ジヒドラジド、セバシ
ン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピ
ン酸ジヒドラジドジアセトンヒドラゾン等が好ましい。
前記多官能性ヒドラジン誘導体(B)は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。多官能性ヒ
ドラジン誘導体(B)の使用量は、重合体粒子(A)中
のカルボニル基と多官能性ヒドラジン誘導体(B)中の
ヒドラジノ基との当量比((A):(B))が、1:
0.1〜5、好ましくは1:0.5〜1.5、さらに好
ましくは1:0.7〜1.2となる量である。この場
合、ヒドラジノ基がカルボニル基1当量に対して、0.
1当量未満であると、紫外線に暴露後の塗膜強度、紫外
線吸収性等が低下し、一方5当量を超えると、塗膜の透
明性等が低下する。但し、多官能性ヒドラジン誘導体
(B)として、ブロック化多官能性ヒドラジン誘導体を
使用する場合の前記当量比は、カルボニル基とブロック
化する前の多官能性ヒドラジン誘導体(B)中のヒドラ
ジノ基との当量比によるものとする。多官能性ヒドラジ
ン誘導体(B)は、本発明の水系分散体を調製する適宜
の工程で配合することができるが、重合体粒子(A)の
製造時における凝固物の発生を抑え、重合安定性を維持
するためには、その全量を、該粒子の製造後に配合する
ことが望ましい。多官能性ヒドラジン誘導体(B)は、
本発明の水系分散体の塗工後の乾燥過程で、そのヒドラ
ジノ基が重合体粒子(A)中のカルボニル基と反応して
網目構造を生成し、塗膜を架橋させる作用を有するもの
である。この架橋反応は、通常触媒を用いなくても常温
で進行するが、必要に応じて硫酸亜鉛、硫酸マンガン、
硫酸コバルト等の水溶性金属塩等の触媒を添加したり、
あるいは加熱乾燥することにより、架橋反応を促進させ
ることもできる。
ル基と多官能性ヒドラジン誘導体(B)中の(ブロック
化)ヒドラジノ基との反応による架橋性を有するもので
あるが、使用目的に応じて架橋剤をさらに配合すること
ができる。 このような架橋剤としては、例えば、アミ
ノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹
脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂や、イソシア
ネート化合物、ブロック化イソシアネート化合物、多価
アルコール、アジリジン化合物等の有機系架橋剤;金属
または金属化合物等の無機系架橋剤を挙げることができ
る。これらの架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合し
て使用することができる。架橋剤の使用量は、水系分散
体の固形分100重量部当たり、好ましくは0.01〜
50重量部、さらに好ましくは0.1〜20重量部であ
る。また、本発明の水系分散体には、使用目的に応じて
各種の他の添加剤を配合することができる。このような
他の添加剤としては、成膜性や濡れ性を改良する有機溶
剤、界面活性剤、樹脂状添加剤、紫外線吸収性をさらに
向上させる紫外線吸収剤、光安定化剤等を挙げることが
できる。前記有機溶剤としては、例えば、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i
−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブ
チルアルコール、n−アミルアルコール、n−ヘキシル
アルコール等のアルコール類や、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、
エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−
プロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、トリブトキシメチルフォスフェート等を
挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独でまた
は2種以上を混合して使用することができる。有機溶剤
の使用量は、水系分散体100重量部当たり、好ましく
は0.1〜50重量部、さらに好ましくは1〜20重量
部である。前記界面活性剤としては、フッ素系界面活性
剤が好ましい。フッ素系界面活性剤としては、例えば、
パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩、パーフルオ
ロアルキル基含有硫酸エステル塩、パーフルオロアルキ
ル基含有スルホン酸塩、パーフルオロアルキル基含有ス
ルホこはく酸塩、パーフルオロアルキル基含有リン酸エ
ステル塩、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニ
ウム塩、パーフルオロアルキルポリオキシエチレン、パ
ーフルオロアルキルベタイン等を挙げることができる。
これらのフッ素系界面活性剤中のパーフルオロアルキル
基の炭素数は、通常、4〜20、好ましくは6〜18で
ある。前記フッ素系界面活性剤は、単独でまたは2種以
上を混合して使用することができる。界面活性剤の使用
量は、水系分散体100重量部当たり、好ましくは0.
001〜1重量部、さらに好ましくは0.005〜0.
5重量部である。前記樹脂状添加剤としては、例えば、
水性塗料に通常使用されている、水溶性あるいは水分散
性ポリエステル樹脂、水溶性あるいは水分散性エポキシ
樹脂、水溶性あるいは水分散性アクリル樹脂、スチレン
−マレイン酸共重合体等のカルボキシル基含有芳香族ビ
ニル系樹脂、水溶性あるいは水分散性ウレタン樹脂や、
ポリビニルアルコール(PVA)等の高分子アルコール
等を挙げることができる。これらの樹脂状添加剤は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
樹脂状添加剤の使用量は、水系分散体の固形分100重
量部当たり、好ましくは0.1〜50重量部以下、好ま
しくは1〜30重量部以下である。
チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機系紫外線吸収
剤;フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサ
リシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサ
リチル酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシルキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−ス
ルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロ
キシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−
3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタル
イミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリア
ゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)フェノール]、i−オクチル−3−
[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−
t−ブチルフェニル]プロピオネート、メチル−3−
[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−
t−ブチルフェニル]プロピオネートとポリエチレング
リコールとの縮合物等のベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジ
フェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’
−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫
外線吸収剤等を挙げることができる。これらの紫外線吸
収剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用すること
ができる。紫外線吸収剤の使用量は、水系分散体の固形
分100重量部当たり、好ましくは0.05〜10重量
部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。前記光
安定化剤としては、特に限定されるものでなく、例え
ば、有機ニッケル系、ヒンダードアミン系等の、従来か
ら塗料、合成ゴム、合成樹脂、合成繊維等に用いられて
いる光安定化剤は何れも使用することができるが、好ま
しくはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
テトラキシ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレ
ート等のヒンダードアミン系光安定化剤である。これら
の光安定化剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用
することができる。光安定化剤の使用量は、水系分散体
の固形分100重量部当たり、好ましくは0.01〜1
0重量部以下、さらに好ましくは0.05〜5重量部以
下である。さらに、前記以外の添加剤としては、可塑
剤、潤滑剤、消泡剤、湿潤剤、濡れ性付与剤、凍結防止
剤、レベリング剤、顔料、染料、充填剤、防腐・防かび
剤、酸化防止剤等を挙げることができる。これらの添加
剤の合計使用量は、水系分散体の固形分100重量部当
たり、好ましくは0.001〜50重量部、さらに好ま
しくは0.01〜40重量部である。
水系分散体の固形分濃度は、通常、10〜80重量%、
好ましくは20〜70重量%である。本発明の水系分散
体は、常温乾燥または加熱乾燥後に透明で高強度な紫外
線吸収性の塗膜を形成し、かつ高温多湿の条件下で長時
間紫外線を暴露してもこれらの性能が低下することがな
い。本発明の水系分散体は、特にコーティング材とし
て、クリヤー塗料、着色塗料の双方に使用でき、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(AB
S)、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリカーボネート等のプラス
チックあるいはそれらのフィルムのほか、木材、紙、ガ
ラス、金属(例えば、SUS等のステンレス、アルミニ
ウム)、コンクリート、モルタル、セメント、セラミッ
ク、スレート、大理石、陶磁器、石膏、皮革、繊維、ゴ
ム等の種々の基材に適用することができる。なお、これ
らの基材には、必要に応じて、放電処理、スパッタリン
グ、真空蒸着、薬品処理等の適宜の前処理を施しておく
こともできる。したがって、本発明の水系分散体からな
るコーティング材は、幅広い用途に有用であるが、特
に、感熱記録剤、農業用ビニルフィルム、写真フィル
ム、ABS成型品、ポリカーボネート成型品等に対する
黄変防止用コーティング材や、ガラス、フィルムあるい
は布に塗工した紫外線カットガラス、紫外線カットフィ
ルムあるいは紫外線カット布の製造等に極めて好適に使
用することができる。本発明の水系分散体からなるコー
ティング材を塗工する際には、従来公知の方法、例え
ば、浸漬、刷毛塗り、スプレーコート、ブレードコー
ト、ロールコート、電着等の方法を採用することができ
る。
をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの
実施例に何ら制約されるものではない。以下において、
「部」および「%」は特記しない限り重量基準である。
実施例および比較例中の各種評価は、次のようにして行
なった。初期透明性 水系分散体を、厚さ1mmの石英板上に、乾燥膜厚が3
0μmになるように、アプリケーターで塗布したのち、
80℃で10分間乾燥させた。その後、この塗工石英板
の波長400nmにおける透過率(%)を、吸光光度計
((株)日立製作所製 U−3210)により測定し
た。紫外線暴露後透明性 初期透明性の評価に使用した塗工石英板に、QUV(Q
パネル社製ソーラーアイ、FS−40ランプ)を用い、
出力0.47W/m2 ・nm、飽和蒸気圧下、60℃の
条件での8時間紫外線暴露(波長310nm)と50℃
で4時間暗黒維持とを繰返して、延べ300時間の紫外
線暴露を行った。その後、この塗工石英板の波長400
nmにおける透過率(%)を、吸光光度計((株)日立
製作所製U−3210)により測定した。初期塗膜強度 水系分散体を、ガラス板上に乾燥膜厚が0.3mmとな
るように流延し、常温で成膜させたのち、80℃で10
分間熱処理した。その後、塗膜をガラス板から剥がし、
JIS K5400に準拠して、引張強さ(Kgf/c
m2)を測定した。紫外線暴露後塗膜強度 水系分散体を、ガラス板上に乾燥膜厚が0.3mmとな
るように流延し、常温で成膜させたのち、80℃で10
分間熱処理した。その後、ガラス板上の塗膜に、QUV
(Qパネル社製ソーラーアイ、FS−40ランプ)を用
い、出力0.47W/m2 ・nm、飽和蒸気圧下、60
℃の条件での8時間紫外線暴露(波長310nm)と5
0℃で4時間暗黒維持とを繰返して、延べ300時間の
紫外線暴露を行った。次いで、塗膜をガラス板から剥が
し、JIS K5400に準拠して、引張強さ(Kgf
/cm2)を測定した。初期紫外線透過率 初期透明性の評価に使用した塗工石英板について、波長
360nmにおける透過率(%)を、吸光光度計
((株)日立製作所製 U−3210)により測定し
た。紫外線暴露後紫外線透過率 初期透明性の評価に使用した塗工石英板に、QUV(Q
パネル社製ソーラーアイ、FS−40ランプ)を用い、
出力0.47W/m2 ・nm、飽和蒸気圧下、60℃の
条件での8時間紫外線暴露(波長310nm)と50℃
で4時間暗黒維持とを繰返して、延べ300時間の紫外
線暴露を行った。その後、この塗工石英板の波長360
nmにおける透過率(%)を、吸光光度計((株)日立
製作所製U−3210)により測定した。
窒素ガス導入装置を備えたステンレス製オートクレーブ
に、初期成分として、水100部、反応性乳化剤として
α−スルホ−ω−〔1−(ノニルフェノキシ)メチル−
2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ
−1,2−エタンジイル)〕アンモニウム塩(商品名ア
デカリアソープSE−1025N、旭電化工業(株))
製:以下、「反応性乳化剤」という。)の25%水溶
液8部、過硫酸アンモニウムの5%水溶液6部を仕込
み、気相部を15分間窒素ガス置換したのち、75℃に
昇温した。次いで、追加成分として、水40部、反応性
乳化剤の25%水溶液8部、2−(2’−ヒドロキシ
−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H
−ベンゾトリアゾール5部、ジアセトンアクリルアミド
4部、n−ブチルアクリレート50部、メチルメタクリ
レート40部、およびアクリル酸1部からなる単量体混
合物のプレエマルジョンを、3時間かけて連続的に添加
しつつ、80℃で乳化重合を行い、プレエマルジョンの
添加終了後85〜95℃でさらに2時間熟成した。その
後、25℃まで冷却し、アンモニアでpH8に調整し
て、重合体粒子(A)の分散液を得た。この分散液の平
均粒子径は、50nmであった。次いで、該分散液に対
し、多官能性ヒドラジン誘導体としてアジピン酸ジヒド
ラジドの10%水溶液21部(カルボニル基とヒドラジ
ノ基との当量比=1:1.0)を添加して、約1時間攪
拌したのち、水で固形分濃度を35%に調整し、200
メッシュの金網でろ過して、水系分散体を得た。以上の
結果を表1に示し、また該水系分散体の評価結果を表3
に示す。
水100部、反応性乳化剤の25%水溶液4部、過硫
酸アンモニウムの5%水溶液10部を仕込み、気相部を
15分間窒素ガス置換したのち、75℃に昇温した。次
いで、追加成分として、水30部、反応性乳化剤の2
5%水溶液4部、過硫酸アンモニウムの5%水溶液10
部、および表1に示す単量体混合物からなるプレエマル
ジョンを、3時間かけて連続的に添加しつつ、80℃で
乳化重合を行い、プレエマルジョンの添加終了後85〜
95℃でさらに2時間熟成した。その後、25℃まで冷
却し、ジメチルエタノールアミンでpH8に調整して、
重合体の分散液を得た。次いで、該分散液に対し、メチ
ルトリエトキシシラン2部を添加し、25℃で約1時間
強く攪拌して、該重合体にメチルトリエトキシシランを
吸収させたのち、70℃に昇温して、3時間重合を行っ
て、重合体とポリシロキサンとを同一粒子内に含有する
重合体粒子(A)の分散液を得た。この分散液の平均粒
子径は、70nmであった。次いで、該重合体粒子
(A)の分散液を25℃まで冷却し、多官能性ヒドラジ
ン誘導体(B)としてアジピン酸ジヒドラジドジアセト
ンヒドラゾンの10%水溶液19部(カルボニル基とヒ
ドラジノ基との当量比=1:0.5)を添加したのち、
約1時間攪拌した。その後、水で固形分濃度を35%に
調整したのち、200メッシュの金網でろ過して、水系
分散体を得た。以上の結果を表1に示し、また該水系分
散体の評価結果を表3に示す。
部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4部、n−
オクチルチオグリコール2部、および表1に示す単量体
混合物を仕込み、気相部を15分間窒素ガス置換したの
ち、60℃に昇温し、そのまま1時間重合後、70〜7
5℃でさらに4時間熟成した。その後、25℃まで冷却
し、強く撹拌しながら10%ジメチルエタノールアミン
を15分間かけて徐々に加え、pH9に調整した。次い
で、得られた重合体溶液をナス型フラスコに移し、ロー
タリーエバポレーターにより酢酸エチルを脱溶剤し、水
で固形分濃度を25%に調整したのち、高圧ホモジナイ
ザーを用いて重合体粒子を微細化した。その後、200
メッシュの金網でろ過して、重合体粒子(A)の分散液
を得た。この分散液の平均粒子径は、80nmであっ
た。次いで、該分散液に対し、多官能性ヒドラジン誘導
体(B)としてアジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液
41部(カルボニル基とヒドラジノ基との当量比=1:
0.8)を添加して、約1時間攪拌した。その後、水で
固形分濃度を20%に調整したのち、200メッシュの
金網でろ過して、水系分散体を得た。以上の結果を表1
に示し、また該水系分散体の評価結果を表3に示す。
多官能性ヒドラジン誘導体(B)としてアジピン酸ジヒ
ドラジドの10%水溶液を表2に示す量で添加した以外
は、実施例1と同様にして、各水系分散体を得た。以上
の結果を表2に示し、また各水系分散体の評価結果を表
3に示す。
多官能性ヒドラジン誘導体(B)としてアジピン酸ジヒ
ドラジドの10%水溶液を表2に示す量で添加した以外
は、実施例3と同様にして、水系分散体を得た。以上の
結果を表2に示し、また該水系分散体の評価結果を表3
に示す。
水系分散体は、透明で高強度な紫外線吸収性の塗膜を形
成し、かつ高温多湿の条件下で長時間紫外線を暴露して
もこれらの性能が低下することはない。これに対して、
比較例1は、単量体混合物中のベンゾトリアゾール単量
体の含有量が1重量%未満であり、紫外線透過率が初期
および紫外線暴露後とも高いことから、紫外線吸収性に
劣っていた。比較例2は、単量体混合物中のベンゾトリ
アゾール単量体の含有量が70重量%を超えており、塗
膜強度に劣っていた。比較例3は、単量体混合物中のカ
ルボニル単量体の含有量が0.1重量%未満であり、紫
外線暴露後の塗膜強度、紫外線暴露後の紫外線吸収性に
劣っていた。比較例4は、単量体混合物中のカルボニル
単量体の含有量が20重量%を超えており、紫外線暴露
後の透明性に劣っていた。比較例5は、粒子径が250
nmを越えており、紫外線暴露後の透明性に劣ってい
た。比較例6は、カルボニル基に対するヒドラジノ基の
当量比が0.1未満であり、紫外線暴露後の塗膜強度、
紫外線暴露後の紫外線吸収性に劣っていた。比較例7
は、カルボニル基に対するヒドラジノ基の当量比が5を
越えており、紫外線暴露後の透明性に劣っていた。
紫外線吸収性の塗膜を形成し、かつ高温多湿の条件下で
長時間紫外線を暴露してもこれらの性能が低下しないと
いう優れた特性を有し、感熱記録剤、農業用ビニルフィ
ルム、写真フィルム、ABS成型品、ポリカーボネート
成型品等に対する黄変防止用コーティング材や、ガラ
ス、フィルムあるいは布にコートした紫外線カットガラ
ス、紫外線カットフィルムあるいは紫外線カット布の製
造等に等として極めて好適に使用することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)分子中にベンゾトリアゾール構造
に基づく紫外線吸収性官能基を有するエチレン性不飽和
単量体1〜70重量%、(b)分子中にアルド基あるい
はケト基に基づくカルボニル基を有するエチレン性不飽
和単量体0.1〜20重量%、および(c)他の共重合
可能なエチレン性不飽和単量体10〜98.9重量%か
らなる単量体混合物(但し、(a)+(b)+(c)=
100重量%)を重合して得られる平均粒子径250n
m以下の重合体粒子(A)と、分子中に少なくとも2個
のヒドラジノ基を有する多官能性ヒドラジン誘導体
(B)とを、前記重合体粒子(A)中のカルボニル基と
前記多官能性ヒドラジン誘導体(B)中のヒドラジノ基
との当量比((A):(B))が1:0.1〜5の範囲
で含有することを特徴とする水系分散体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30552596A JP3674195B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 水系分散体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH10130456A true JPH10130456A (ja) | 1998-05-19 |
JP3674195B2 JP3674195B2 (ja) | 2005-07-20 |
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JP30552596A Expired - Lifetime JP3674195B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 水系分散体 |
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