JP2001064568A - アニオン型電着塗料組成物 - Google Patents

アニオン型電着塗料組成物

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JP2001064568A
JP2001064568A JP23816699A JP23816699A JP2001064568A JP 2001064568 A JP2001064568 A JP 2001064568A JP 23816699 A JP23816699 A JP 23816699A JP 23816699 A JP23816699 A JP 23816699A JP 2001064568 A JP2001064568 A JP 2001064568A
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copolymer
meth
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Tetsuya Yokoyama
哲也 横山
Koji Kamikado
神門  孝司
Koji Hirano
浩司 平野
Yoshitaka Mizoguchi
佳孝 溝口
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性に優れた塗膜を形成するアニオン型電
着塗料組成物を提供する。 【解決手段】下記成分 (A)下記(A−1)重合体及び/又は(A−2)重合
体 40〜84重量% (A−1)酸価15〜150KOHmg/g及び水酸基
価30〜200KOHmg/gでアルコキシシリル基を
側鎖に有する水分散性ビニル系共重合体 (Aー2)ベンゾトリアゾール基を有するアクリルモノ
マー及び/又はヒンダードアミノ基を有するアクリルモ
ノマーを必須モノマー成分として含有するアルコキシシ
リル基を側鎖に有する酸価15〜150KOHmg/g
及び水酸基価30〜200KOHmg/gの水分散性ビ
ニル系共重合体 (B)ベンゾトリアゾール基を有するアクリルモノマー
及び/又はヒンダードアミノ基を有するアクリルモノマ
ーを必須モノマー成分として含有する酸価14KOHm
g/g未満のビニル系共重合体
0.1〜20重量% (C)架橋剤
15〜50重量% を含有してなる組成物であって、樹脂(B)のSP値が
共重合体(A)のSP値よりも0.3〜1.5小さいこ
とを特徴とするアニオン型電着塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、仕上り外観、各種性
能、特に耐候性に優れたアニオン型電着塗膜が形成でき
るアニオン型電着塗料組成物に係わる。
【0002】
【従来の技術及びその課題】 従来、陽極酸化処理した
アルミニウム材は軽量で強度が強いこと、及び耐蝕性等
に優れることからサッシなどの建材関係に多く使用さ
れ、電着塗膜が被覆されている。アルミニウム材用電着
塗料組成物として、特開平2−255871号公報に記
載されるものが公知である。
【0003】該塗料において、(特に酸化チタンを配合
した白塗膜とした場合、クリヤー塗膜に比べて)耐候性
が劣るという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明者等は、上記問
題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特にアル
コキシシリル基、カルボキシル基、及び水酸基を含有す
る水分散性ビニル系共重合体に、特定のSP値を有する
ベンゾトリアゾール基含有アクリルモノマーかつ/また
はヒンダードアミノ基含有アクリルモノマーを共重合し
たビニル系共重合体を使用することにより、仕上り外
観、各種塗膜性能、特に耐候性に優れた陽極酸化アルミ
ニウム材が提供できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0005】即ち、本発明は、下記成分 1、(A)下記(A−1)重合体及び/又は(A−2)
重合体 40〜84重量% (A−1)酸価15〜150KOHmg/g及び水酸基
価30〜200KOHmg/gでアルコキシシリル基を
側鎖に有する水分散性ビニル系共重合体 (Aー2)ベンゾトリアゾール基を有するアクリルモノ
マー及び/又はヒンダードアミノ基を有するアクリルモ
ノマーを必須モノマー成分として含有するアルコキシシ
リル基を側鎖に有する酸価15〜150KOHmg/g
及び水酸基価30〜200KOHmg/gの水分散性ビ
ニル系共重合体 (B)ベンゾトリアゾール基を有するアクリルモノマー
及び/又はヒンダードアミノ基を有するアクリルモノマ
ーを必須モノマー成分として含有する酸価14KOHm
g/g未満のビニル系共重合体
0.1〜20重量% (C)架橋剤
15〜50重量% を含有してなる組成物であって、樹脂(B)のSP値が
共重合体(A)のSP値よりも0.3〜1.5小さいこ
とを特徴とするアニオン型電着塗料組成物に係わる。
【0006】本発明塗料組成物で使用する共重合体
(A)は、酸価15〜150KOHmg/g、水酸基価
30〜200KOHmg/gのアルコキシシリル基を側
鎖に有する共重合体である。また、このものの重量平均
分子量は約1万〜20万の範囲が好ましい。酸価が15
未満になると水分散性が低下し、一方、150KOHm
g/gを越えるとこのもの自身が水に溶解しやすくなり
ため樹脂(B)を分散する能力が低下し貯蔵安定性が悪
くなるので好ましくない。水酸基価が30KOHmg/
g未満になると硬化性が低下し、一方、200KOHm
g/gを越えると反応しない水酸基が塗膜中に多く残る
ので耐久性などが悪くなるので好ましくない。
【0007】このものは、特開平2−255871号公
報に記載の水分散性ビニル系共重合体と同様のものを使
用することができる。水分散性ビニル系共重合体の詳細
については、該公報に記載されるので、ここでは簡単に
説明する。
【0008】水分散性ビニル系共重合体(A)はアルコ
キシシリル基含有不飽和モノマ−、水酸基含有不飽和モ
ノマ−、カルボキシル基含有不飽和モノマ−を必須モノ
マ−成分とし必要に応じてその他の不飽和モノマ−と共
重合したものが好適に使用される。
【0009】これらのモノマ−成分としては、下記のも
のを挙げることができる。 (1)アルコキシシリル基含有不飽和モノマ−:例え
ば、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等 (2)水酸基含有不飽和モノマ−:例えば、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレ−ト、及びこれ以外にプラクセルFM1
(ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)、プラクセルF
M2(同左)、プラクセルFM3(同左)、プラクセル
FA1(同左)、プラクセルFA2(同左)、プラクセ
ルFA3(同左)などの水酸基含有不飽和モノマ−類
等。
【0010】(3)カルボキシル基含有不飽和モノマ
−:例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等 (4)その他の不飽和モノマ−:例えば、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸のC1〜18
のアルキル又はシクロアルキルエステル類、スチレンな
どの芳香族ビニルモノマ−類、(メタ)アクリル酸アミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アク
リルアミド及びその誘導体類、(メタ)アクリロニトリ
ル化合物類等。
【0011】これらのモノマ−の配合割合は、総合計量
換算でアルコキシシリル基含有不飽和モノマ−が0.1
〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、水酸基
含有不飽和モノマ−が3〜40重量%、好ましくは5〜
30重量%、カルボキシル基含有不飽和モノマ−が2〜
30重量%、好ましくは4〜10重量%、及び必要に応
じてその他の不飽和モノマ−0〜94.9重量%、好ま
しくは50〜90.5重量%の範囲である。また、共重
合体(A)のSP値は、一般的には、9.0〜9.7、
特に9.1〜9.5の範囲が好ましい。
【0012】本発明の明細書において、SP値とは、溶
解性パラメ−タ−(solubility param
eter)の略号で、液体分子の分子間相互作用の尺度
を表わす。該SP値において、モノマ−原料のSP値が
わかっているものについては下記式を使用してモノマ−
原料のSP値を求め、このSP値を共重合体のSP値と
して代用した。また、モノマ−原料のSP値がわからな
いものについてはSP値が既知の各種有機溶剤を使用し
てSP値を知りたい樹脂を固形分が1重量%になるよう
に分散、溶解をおこない、透明で分離しない有機溶剤樹
脂液が得られた際の有機溶剤のSP値、また、2種以上
の有機溶剤が存在する場合にはそれらの有機溶剤のSP
値の平均値を共重合体のSP値とした。
【0013】モノマ−原料のSP値は、J.paint
technology,vol.42,176(19
70)にまとめられている。モノマ−混合体のSP値は
下記式を用いて計算する。 SP=SP1 ×fw1 +SP2 ×fw2 +・・・・・・
SPn×fwn 上記式において、SP1 、SP2 、・・・・・SPnは
各モノマ−のSP値、fw1 、fw2 、・・・・fwn
は各モノマ−のモノマ−総量に対する重量分率を表わ
す。
【0014】本発明塗料組成物で使用する樹脂(B)
は、耐候性を向上させると共に治具に付着したエッチン
グ処理液(アルカリ物質)や陽極酸化処理液(酸性物
質)が、電着塗装する前のアルミニウム材表面や電着塗
装後の塗膜表面に、垂れ落ちることにより、この垂れ落
ち跡による電着塗膜外観の異常を抑制(液垂れ抵抗性と
言うことがある)するといった効果がある。
【0015】また、着色陽極酸化アルマイト材において
も着色剤(交着液)による処理ムラを拾い難く塗膜の仕
上り外観が良いこと、電着塗膜が7ミクロン(通常、1
0〜30ミクロン)と比較的薄い塗装膜厚においても安
定して確保できること、施工後のサッシのシ−リング適
性(付着性)が良くなるといった効果がある。
【0016】樹脂(B)は、酸価が14KOHmg/g
未満、特に0〜1KOHmg/gの範囲でそれ自体では
水分散が困難な樹脂であり、そして共重合体(A)のS
P値と比較してそのSP値差が0.3〜1.5、好まし
くは0.5〜1.2小さいものである。樹脂(B)中に
はアルコキシシリル基を含有しないほうが好ましい。酸
価が14KOHmg/gを越えると、液垂れ抵抗性が悪
くなったり、交着液による処理ムラなどがでやすくなっ
たり、また、膜厚安定性も悪くなったりするといった欠
点がある。上記SP値の差が0.3より小さくなると共
重合体(A)と樹脂(B)との相溶性が良くなるので相
分離効果による表面塗膜層への配向が抑制されるので耐
候性に優れた塗膜が得られない、一方、1.5より大き
くなると共重合体(A)と樹脂(B)との相溶性が著し
く悪くなり塗料貯蔵安定性が悪くなるので好ましくな
い。
【0017】樹脂(B)自体のSP値は、7.8〜9.
4、特に8.2〜9.0の範囲が好ましい。SP値が
7.8より小さくなると共重合体(A)との相溶性が低
下し、塗料の貯蔵安定性が悪くなるので好ましくない、
一方、9.4を越えると相分離効果による表面塗膜層へ
の配向が抑制されるので好ましくない。
【0018】樹脂(B)としては、ベンゾトリアゾール
基(UVAモノマー)を有するアクリルモノマーかつ/
またはヒンダードアミノ基(HALSモノマー)を有す
るアクリルモノマーを共重合、含有する酸価14以下の
ビニル系共重合体である。
【0019】ベンゾトリアゾール基(UVAモノマー)
を有するアクリルモノマーとしては、例えば、RUVA
−93(2−(2′−ヒドロキシ−5′メタクリロキシ
エチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、大塚化
学社製、商品名)等を挙げることができる。
【0020】ヒンダードアミノ基をもったアクリルモノ
マーとしては、FA−711MM(日立化成社製、商品
名、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニル基
含有メタクリル酸エステル)、FA−712HM(同社
製、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基含有
メタクリル酸エステル)等を挙げることができる。
【0021】これらのモノマーの配合割合は、ベンゾト
リアゾール基含有不飽和モノマーが0〜40重量%、好
ましくは1〜30重量%、ヒンダードアミノ基含有不飽
和モノマーが0〜40重量%、好ましくは1〜30重量
%、下記その他の不飽和モノマー(1種又は2種以上)
が20〜99.8重量%、好ましくは20〜90重量%
の範囲である。
【0022】該ビニル系共重合体(B)は樹脂のSP
値、性能(耐候性)などに応じてベンゾトリアゾール基
含有不飽和モノマー及び/又はヒンダードアミノ基含有
不飽和モノマー、その他の不飽和モノマーの1種又は2
種以上を適宜選択し、従来からの公知のラジカル重合方
法に従って共重合反応することにより得られる。
【0023】ラジカル共重合可能なその他のモノマ−原
料として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、tertブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸のアルキル又はシクロアルキ
ルエステル類、メトキシブチル(メタ)アクリレート、
メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルコ
キシアルキルエステル類、ベンジル(メタ)アクリレー
ト等の芳香族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエス
テル類、(メタ)アクリル酸アミド、N−ブトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)ア
クリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド及びその誘
導体類、(メタ)アクリロニトリル化合物類、(メタ)
アクリル酸類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、プラクセルFM1
(ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)、プラクセルF
M2(同左)、プラクセルFM3(同左)、プラクセル
FA1(同左)、プラクセルFA2(同左)、プラクセ
ルFA3(同左)などの水酸基含有不飽和モノマ−類、
グルシジル(メタ)アクリレ−トなどのエポキシ基含有
(メタ)アクリルモノマ−類、パ−フルオロブチルエチ
ル(メタ)アクリレ−ト、パ−フルオロイソノニルエチ
ル(メタ)アクリレ−ト、パ−フルオロオクチルエチル
(メタ)アクリレ−ト等のパ−フルオロアルキル(メ
タ)アクリレ−ト類等の如きアクリル系モノマ−類;ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ク
ロルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のビニル芳
香族化合物類、エチルビニルエ−テル、シクロヘキシル
ビニルエ−テル等のビニルエ−テル類、酢酸ビニル、塩
化ビニル等が挙げられる。
【0024】ビニル系共重合体(B)は、重量平均分子
量が約3000〜200000、特に4000〜100
000の範囲のものが好ましい。重量平均分子量が約3
000より小さいと耐候性、耐アルカリ性、加工性など
の性能が低下し、一方、200000を越えると塗膜の
平滑性が低下するので好ましくない。
【0025】ビニル系共重合体(B)中に水酸基を含有
するものは架橋剤と反応して架橋塗膜を形成することか
ら好ましい。該共重合体の水酸基価としては、10〜3
00KOHmg/g、特に15〜200KOHmg/g
の範囲が好ましい。本発明塗料組成物で使用する架橋剤
(C)は共重合体(A)や樹脂(B)の水酸基と反応し
て硬化塗膜を形成するものである。架橋剤としては、従
来から公知のメラミン樹脂、ブロックポリイソシアネ−
ト化合物等を使用することができる。
【0026】メラミン樹脂としては、例えば、メタノ−
ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、オクチル
アルコ−ル、2−エチルヘキシルアルコ−ル等の1種も
しくは2種以上のアルコ−ルで変性されたものを使用す
ることができる。好ましくはC3 以上、特にC4〜C18
のアルコ−ルで変性されたものが好ましい。また、ブロ
ックポリイソシアネ−トとしては、従来から公知のも
の、例えば、イソホロンジイソシアネ−ト、ヘキサメチ
レンジイソシアネ−ト等の脂肪族や脂環族のポリイソシ
アネ−ト化合物にε−カプロラクトン等のラクトン類や
プロパノ−ル、ブタノ−ル、ペンタノ−ル、ベンジルア
ルコ−ル等のアルコ−ル類でブロック化したものを使用
することができる。上記(A)〜(C)成分の配合割合
は3者の総合計量換算で、次の通りである。 共重合体(A):40〜84重量%、好ましくは55〜
75重量%である。配合割合が40重量%を下回ると、
塗膜加工性や耐候性等が悪く、一方、84重量%を上回
ると塗膜加工性、塗膜平滑性が悪くなる。
【0027】共重合体(B):0.1〜20重量%、好
ましくは1〜15重量%である。配合割合が0.1重量
%を下回ると、耐候性の改良効果が小さく、また電着塗
装の前処理工程から持ち込まれるアルカリ物質や酸性物
質による影響を受けやすく塗膜仕上り外観が悪くなる、
また、交着液による処理ムラなどがでやすく、膜厚安定
性やシ−リング適性も悪くなる、一方、20重量%を上
回ると、良好な塗膜加工性が得られない。
【0028】架橋剤(C):15〜50重量%、好まし
くは20〜40重量%である。配合割合が15重量%を
下回ると、塗膜加工性や塗膜平滑性等が悪く、一方、5
0重量%を上回ると塗膜加工性、耐候性等が悪くなる。
本発明の塗料組成物には必要に応じて顔料、染料、硬化
触媒、流動性調整剤等を配合することができる。本発明
塗料組成物は、樹脂(B)自体水分散性がないので共重
合体(A)と混合分散した後、共重合体(A)のカルボ
キシル基に対して0.3〜0.5当量になるように中和
剤(例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン等)を
配合し、次いで架橋剤(B)を配合分散し、続いて水分
散を行った後、塗料のPHを7.0以上に調整すること
により製造できる。
【0029】本発明塗料組成物は、特に着色もしくは無
着色陽極酸化アルミニウム材を使用するアルミニウム建
材分野に適用することが好ましい。本発明塗料組成物の
塗装方法は、例えば、本発明塗料組成物をアニオン型電
着塗料浴(例えば、固形分約5〜20重量%、好ましく
は約6〜12重量%)とし、この浴中にアルミニウム材
を浸漬した後、乾燥膜厚が約5〜30ミクロンになるよ
うにアニオン電着塗装を行い、次いで好ましくは水洗
(水道水、透過水等)後、焼付け(例えば、約160〜
200℃で約20〜40分間)ることにより行うことが
できる。
【0030】
【実施例】 本発明について、実施例を掲げて詳細に説
明する。本発明は提供した実施例に限定されるものでは
ない。
【0031】共重合体(A−1)の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコ−ルを275gを仕込
み80℃に保持した中へスチレン75g、メチルメタク
リレ−ト155g、n−ブチルアクリレ−ト95g、エ
チルアクリレ−ト50g、ヒドロキシアクリレ−ト75
g、アクリル酸35g、γ−メタクリルオキシプロピル
トリメトキシシラン15g及びアゾビスジメチルバレロ
ニトリル1gの混合物を3時間掛けて滴下し、次いでア
ゾビスジメチルバレロニトリル3gを添加し、80℃で
3時間保持して反応を行って、固形分65重量%の共重
合体(A−1)ワニスを製造した。該共重合体は、重量
平均分子量約3万、酸価53KOHmg/g、水酸基価
72KOHmg/g、SP9.54であった。
【0032】共重合体(A−2)の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコ−ルを275gを仕込
み80℃に保持した中へスチレン75g、メチルメタク
リレ−ト155g、n−ブチルアクリレ−ト95g、エ
チルアクリレ−ト25g、ヒドロキシアクリレ−ト75
g、アクリル酸35g、γ−メタクリルオキシプロピル
トリメトキシシラン15g、RUVAー93(大塚化学
社製、商品名)15g、FAー711MM(日立化成社
製、商品名)10g、及びアゾビスジメチルバレロニト
リル1gの混合物を3時間掛けて滴下し、次いでアゾビ
スジメチルバレロニトリル3gを添加し、80℃で3時
間保持して反応を行って、固形分65重量%の共重合体
(A−2)ワニスを製造した。該共重合体は、重量平均
分子量約3万、酸価53KOHmg/g、水酸基価72
KOHmg/g、SP9.60であった。
【0033】共重合体(B)−1の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコール100g、n−ブ
チルアルコール150gを仕込み、85℃に保持した中
へ、n−ブチルアクリレート75g、n−ブチルメタク
リレート125g、2−エチルヘキシルメタクリレート
60g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート115
g、RUVA−93(大塚化学社製、商品名)75g、
FA−711MM(日立化成社製、商品名)50g、ア
ゾビスジメチルバレロニトリル5g、ブチルセロソルブ
75gを3時間かけて滴下した。30分間熟成した後、
アゾビスジメチルバレロニトリル5g、ブチルセロソル
ブ40gを30分間かけて滴下し、更に1時間熟成し、
固形分58重量%の共重合体ワニスを製造した。該共重
合体は重量平均分子量約2万、水酸基価100KOHm
g/g、SP8.92であった。
【0034】共重合体(B)−2の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコール100g、n−ブ
チルアルコール150gを仕込み、85℃に保持した中
へ、メチルメタクリレート40g、n−ブチルアクリレ
ート85g、n−ブチルメタクリレート150g、2−
エチルヘキシルメタクリレート60g、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート115g、RUVA−93(大塚
化学社製、商品名)30g、FA−711MM(日立化
成社製、商品名)20g、アゾビスジメチルバレロニト
リル5g、ブチルセロソルブ75gを3時間かけて滴下
した。30分間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニ
トリル5g、ブチルセロソルブ40gを30分間かけて
滴下し、更に1時間熟成し、固形分58重量%の共重合
体ワニスを製造した。該共重合体は重量平均分子量約2
万、水酸基価100KOHmg/g、SP8.83であ
った。
【0035】共重合体(B)−3の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコール100g、n−ブ
チルアルコール150gを仕込み、110℃に保持した
中へ、メチルメタクリレート15g、n−ブチルアクリ
レート85g、n−ブチルメタクリレート150g、2
−エチルヘキシルメタクリレート60g、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート115g、RUVA−93(大
塚化学社製、商品名)75g、アゾビスイソブチロニト
リル5g、ブチルセロソルブ75gを3時間かけて滴下
した。30分間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニ
トリル5g、ブチルセロソルブ40gを30分間かけて
滴下し、更に1時間熟成し、固形分58重量%の共重合
体ワニスを製造した。該共重合体は重量平均分子量約2
万、水酸基価100KOHmg/g、SP8.87であ
った。
【0036】共重合体(B)−4の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコール100g、n−ブ
チルアルコール150gを仕込み、85℃に保持した中
へ、n−ブチルアクリレート150g、イソブチルアク
リレート175g、2−ヒドロキシエチルアクリレート
35g、アクリル酸15g、RUVA−93(大塚化学
社製、商品名)75g、FA−711MM(日立化成社
製、商品名)50g、アゾビスジメチルバレロニトリル
5g、ブチルセロソルブ75gを3時間かけて滴下し
た。30分間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニト
リル5g、ブチルセロソルブ40gを30分間かけて滴
下し、更に1時間熟成し、固形分58重量%の共重合体
ワニスを製造した。該共重合体は重量平均分子量約2
万、水酸基価34KOHmg/g、酸価23KOHmg
/g、SP8.91であった。
【0037】共重合体(B)−5の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコール100g、n−ブ
チルアルコール150gを仕込み、85℃に保持した中
へ、スチレン50g、メチルアクリレート150g、n
−ブチルアクリレート100g、2−ヒドロキシエチル
アクリレート75g、RUVA−93(大塚化学社製、
商品名)75g、FA−711MM(日立化成社製、商
品名)50g、アゾビスジメチルバレロニトリル5g、
ブチルセロソルブ75gを3時間かけて滴下した。30
分間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル5
g、ブチルセロソルブ40gを30分間かけて滴下し、
更に1時間熟成し、固形分58重量%の共重合体ワニス
を製造した。該共重合体は重量平均分子量約3万、水酸
基価72KOHmg/g、SP9.42であった。
【0038】共重合体(B)−6の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコール100g、n−ブ
チルアルコール150gを仕込み、85℃に保持した中
へ、2−エチルヘキシルメタクリレート375g、RU
VA−93(大塚化学社製、商品名)75g、FA−7
11MM(日立化成社製、商品名)50g、アゾビスジ
メチルバレロニトリル5g、ブチルセロソルブ75gを
3時間かけて滴下した。30分間熟成した後、アゾビス
ジメチルバレロニトリル5g、ブチルセロソルブ40g
を30分間かけて滴下し、更に1時間熟成し、固形分5
8重量%の共重合体ワニスを製造した。該共重合体は重
量平均分子量約2万、SP7.94であった。
【0039】メラミン樹脂(C):ニカラックMX−6
00(三和ケミカル株式会社製、商品名、メラミン核1
個当たり、メチル基約4個、ブチル基約2個で、また、
一核体の量は約57%)を使用した。
【0040】実施例1 上記共重合体(A)65g(固形分量)と樹脂(B−
1)5g(固形分量)との混合樹脂に共重合体(A)の
カルボキシル基に対して0.4当量のトリエチルアミン
を配合した後、混合分散し、次いでこのものに、メラミ
ン樹脂(C)30g(固形分量)を配合し、混合分散
し、更に酸化チタン28gを配合して混合分散した後、
攪拌を行いながら脱イオン水を樹脂固形分10重量%に
なるように徐々に滴下し、次いでPHを7.0になるよ
うにトリエチルアミンで調整して電着塗料を製造した。
陽極酸化アルミニウム材(被膜厚約10μ、幅2cm×長
さ30cm)を実施例1の電着塗料を電着浴とし、該電着
浴中で膜厚約20μmになるように電着塗料を行い、水
洗後、170℃で30分間焼付けて実施例1の着色アル
ミニウム材を得た。
【0041】実施例2〜6 表1に記載の配合で実施例1と同様にして実施例2〜6
の電着塗料を製造した。また、実施例1と同様にして着
色アルミニウム材を得た。
【0042】比較例1〜6 表1に記載の配合で実施例1と同様にして比較例1〜6
の電着塗料を製造した。また、実施例1と同様にして着
色アルミニウム材を得た。(比較例1は表1に記載の配
合量の添加型紫外線吸収剤、添加型光安定剤を併せて混
合分散した。) 結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1において配合量の単位はgである。 塗料貯蔵安定性:塗料を試験管(高さ20cm、容量2
0cc)に充填し、20℃で7日間静置した後、容器の
底に沈殿した残渣の高さを調べた。◎は残渣が0.5m
m以下で良好、○は残渣が0.6mm〜5mmでほぼ良
好、△は残渣が6mm〜10mmでやや不良、×は11
mm以上で不良を示す。
【0045】塗膜平滑性:塗膜表面(ユズ肌、凹凸等)
を目視で評価した。◎は良好、○はほぼ良好、△はやや
不良、×は不良を示す。 促進耐候性(光沢保持率%):サンシャインウエザオメ
ーター(スガ試験機)を用いた。光沢保持率=(200
0時間経過後の塗膜鏡面反射率/試験前の塗膜鏡面反射
率)×100 塗膜鏡面反射率はJIS k−5400 60度鏡面反射
率で測定した。
【0046】
【発明の効果】 本発明塗料組成物によると、特にア
ルコキシシリル基、カルボキシル基、及び水酸基(ベン
ゾトリアゾール基、ヒンダードアミノ基)を含有する水
分散性ビニル系共重合体に特定のSP値を有するベンゾ
トリアゾール基かつ/またはヒンダードアミノ基を含有
する樹脂を使用することにより、その塗膜表層への配向
効果により、塗膜表層に紫外線吸収剤成分、光安定剤成
分の高濃度層を固定、形成させることができ、従来の添
加型紫外線吸収剤、添加型光安定剤を使用した場合より
も優れた耐候性、仕上り外観を有する硬化塗膜が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝口 佳孝 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CG141 CH191 EA011 GA03 GA06 GA15 KA03 MA08 MA10 NA01 NA03

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分 (A)下記(A−1)重合体及び/又は(A−2)重合
    体 40〜84重量% (A−1)酸価15〜150KOHmg/g及び水酸基
    価30〜200KOHmg/gでアルコキシシリル基を
    側鎖に有する水分散性ビニル系共重合体 (Aー2)ベンゾトリアゾール基を有するアクリルモノ
    マー及び/又はヒンダードアミノ基を有するアクリルモ
    ノマーを必須モノマー成分として含有するアルコキシシ
    リル基を側鎖に有する酸価15〜150KOHmg/g
    及び水酸基価30〜200KOHmg/gの水分散性ビ
    ニル系共重合体 (B)ベンゾトリアゾール基を有するアクリルモノマー
    及び/又はヒンダードアミノ基を有するアクリルモノマ
    ーを必須モノマー成分として含有する酸価14KOHm
    g/g未満のビニル系共重合体
    0.1〜20重量% (C)架橋剤
    15〜50重量% を含有してなる組成物であって、樹脂(B)のSP値が
    共重合体(A)のSP値よりも0.3〜1.5小さいこ
    とを特徴とするアニオン型電着塗料組成物。
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