JPH05263295A - 艶消し塗膜の形成方法 - Google Patents

艶消し塗膜の形成方法

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JPH05263295A
JPH05263295A JP34920591A JP34920591A JPH05263295A JP H05263295 A JPH05263295 A JP H05263295A JP 34920591 A JP34920591 A JP 34920591A JP 34920591 A JP34920591 A JP 34920591A JP H05263295 A JPH05263295 A JP H05263295A
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water
resin
coating film
composition
cross
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JP34920591A
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English (en)
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Yukihiko Nishitani
幸彦 西谷
Hiroyuki Oguri
弘之 大栗
Masayuki Inada
政幸 稲田
Eiji Taniguchi
英二 谷口
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Nippon Paint Co Ltd
Toray Industries Inc
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Nippon Paint Co Ltd
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A) アルコキシシラン基を有する又は水分散型
アクリル共重合樹脂 (B) 架橋剤 (C) 架橋性樹脂粒子を主成分とする艶消し電着塗料組成
物を希釈して、電着塗装によって艶消し塗膜を形成する
方法。 【効果】 艶ムラが起きず、ダイス目防止が可能とな
り、各種用途に使用可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、艶消し塗膜の形成方法
に関し、特にアルコキシシラン基を有するアクリル共重
合樹脂と架橋性樹脂粒子を併用し、架橋剤で架橋させる
ことにより、艶消し度をコントロールするとともに、長
期間さらに部位的にも安定な艶消し電着塗装方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電着塗装によって艶消し塗膜を得る方法
としては、シリカ微粉末などの無機顔料を含有させる方
法(例えば、特開昭56−75596 号),ポリエチレンやポ
リプロピレンなどの微粉末を含有させる方法(例えば、
特開昭60−135466号),電着塗膜を酸性処理液で後処理
する方法(例えば、特開昭52−137444号)等が提案され
ている。しかしながら、これらの方法では、艶消し効果
の持続性や艶が一定にならずに艶ムラが生じたり、後処
理方法では工程が多くなり、処理溶液からの引き上げ時
や水洗時に艶ムラが生じ、さらに塗膜性能の面で副作用
が生じる等の欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の欠点を克服した
電着塗料の艶消し方法として、アルコキシシラン基を側
鎖に導入し、共重合体樹脂中に不溶性の粒子内ゲル構造
を形成する方法が、特公昭62−24519 号公報に記載され
ている。しかしながら、この方法では、塗装条件により
艶が変動する問題点があり、さらに艶消し度をコントロ
ールすることが不十分であり、完全艶消しから僅かに艶
が消えたレベルまでの市場ニーズに対応が出来ない。ま
た、形成された艶消し塗膜の用途に応じて、塗膜の柔軟
度も硬いものから柔らかいものまで幅広く揃える必要が
あり、前記方法では柔軟度のコントロールが不十分であ
り、さらにまた、ラインの条件変動による艶の変化に対
処することが困難である。他方、電着塗料組成物中に架
橋性樹脂粒子を艶消し剤として添加し、母体樹脂と架橋
性樹脂粒子との界面での屈折率の差により艶消し効果を
得ることも、例えば特開昭56−49766 号,特開昭58−93
762 号,特開昭63−63760 号,特開昭63−41570 号等、
種々の技術が提案されている。しかしながら、この種技
術にあっては、母体樹脂と樹脂粒子の屈折率の差が極め
て重要であって、その差があまりに大にすぎると塗膜白
濁の原因となるし、また差が小にすぎると艶消し効果が
得られず、従って架橋性樹脂粒子と母体樹脂の組合せに
より、それぞれの屈折率を十分に管理せねばならぬとい
う技術上の問題点を有している。本発明では、上記課題
をバランスよく解決する塗料及び塗装方法を提供するこ
とが可能となった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記 (A) アルコキシシラン基を有する水溶性又は水分散型ア
クリル共重合樹脂 4080固形分重量% (B) 架橋剤 20〜60固形分重量% (C) 平均粒径 0.02〜30μm の (A)成分からの架
橋性樹脂粒子を除いた架橋性樹脂粒子 1〜100PH
R (以下「平均粒径 0.02〜30μm の架橋性樹脂粒
子」という)を主成分とする艶消し電着塗料組成物を電
着する艶消し塗膜の形成方法である。
【0005】本発明を以下詳細に説明する。
【0006】(A) アルコキシシラン基を有する水溶性又
は水分散型アクリル共重合樹脂 本発明で用いるアルコキシシラン基を有する水溶性又は
水分散型アクリル共重合樹脂及び加水分解縮合物は、(A
-0) アルコキシ基を少なくとも1個アルコキシシラン基
中に含み、分子内に重合性不飽和二重結合とアルコキシ
シラン基とを含有する化合物と、アクリルモノマーを重
合して得られる。アクリルモノマーとしては、(A-1) 例
えばアクリル酸,メタアクリル酸,クロトン酸,ビニル
酢酸,イタコン酸,マレイン酸などの1種又は2種以上
のエチレン性不飽和カルボン酸と、(A-2) 例えば2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート,ヒドロキシプロピルアクリレート,ヒド
ロキシプロピルメタクリレートなどの1種又は2種以上
の水酸基含有アクリル系単量体と、さらに(A-3) 他の共
重合可能なα,β−エチレン性不飽和単量体、例えばア
クリル酸エステル,メタアクリル酸エステル,スチレ
ン,ビニルトルエン,α−メチルスチレン,酢酸ビニル
などのビニル化合物,アクリロニトリル,アクリルアミ
ド,メタクリルアミドなどの1種又は2種以上の共重合
により製造せられる。本発明では、該アクリル共重合樹
脂の加水分解縮合物を含む。
【0007】(B-0) 成分としては、ジビニルジメトキシ
シラン,ジビニル−β−ジメトキシエトキシシラン,ビ
ニルトリメトキシシラン,ビニルトリプロポキシシラ
ン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリブトキシシ
ラン,ビニルトリペントキシシラン,ビニルトリ−β−
メトキシエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピル
トリエトキシシラン,トリメトキシアリルシラン,トリ
エトキシアリルシラン,(メタ)アクリロイロメチルト
リメトキシシラン,(メタ)アクリロイロエチルトリメ
トキシシラン,(メタ)アクリロイロプロピルトリメト
キシシランなどのような不飽和ジアルコキシシラン化合
物又は不飽和トリアルコキシシラン化合物が挙げられ
る。
【0008】(A) 成分中における (A-0)成分は、(A) 成
分の固形分に対して固形分で、好ましくは1〜30重量
%である。1重量%未満では、艶消し効果が十分に得ら
れず、30重量%を越えると、均一な塗膜が得られな
い。好ましい酸価は30〜100で、より好ましくは4
0〜70である。酸価が30以上であれば、水溶性又は
水分散型となりやすい傾向であり、酸価が100以下で
あれば電着塗装後塗膜の再溶解を起こさず、耐水性が十
分に得られる傾向である。好ましい水酸基価は30〜1
50で、より好ましくは40〜100である。水酸基価
が30以上であれば、硬化性が十分となる傾向で、水酸
基価が150以下であれば、耐水性が十分に得られる傾
向である。好ましい数平均分子量は 3,000〜70,000で、
より好ましくは10,000〜50,000である。数平均分子量が
3,000以上であれば、塗膜耐久性が十分に得られる傾向
で、数平均分子量が70,000以下であれば水溶性又は水分
散型となりやすく、粘度が適切で取り扱いの点でも良好
な傾向である。好ましいガラス転移温度は−20〜60
℃で、より好ましくは0〜40℃である。ガラス転移温
度が−20℃以上であれば、塗膜硬度・耐久性・強度が
十分に得られる傾向であり、60℃以下であれば塗膜の
柔軟性が十分に得られる傾向である。
【0009】(A) 成分におけるアクリルモノマーは、好
ましくは70〜99重量%で、70重量%未満では均一
な塗膜が得られず、99重量%を越えると艶消し効果が
不十分となる。
【0010】(A-1) 成分のエチレン性不飽和カルボン酸
の使用量は、所定の酸価を与える必要量用いられる。
【0011】(A-2) 成分の水酸基含有アクリル系単量体
は、所定の水酸基価を与える必要量用いられる。なお、
(A) 成分は共重合樹脂中に不溶性の粒子内ゲル構造を形
成する。
【0012】(A) 成分を水溶性又は水分散型とするため
に、(A) 成分のカルボキシル基の少なくとも一部を塩基
性物質、例えば有機アミンあるいはアンモニアで中和
し、水溶性ないしは水分散型として使用せられる。かか
る塩基性物質としては、モノメチルアミン,ジメチルア
ミン,トリメチルアミン,ジエチルアミン,トリエチル
アミン,モノイソプロピルアミン,ジイソプロピルアミ
ン,ジメチルアミノエタノール,ジエチルアミノエタノ
ールなどの有機アミンあるいはアンモニアが好適に使用
される。
【0013】(A) 成分の重合方法としては、公知の溶液
重合,非水分散重合,塊状重合などを使用することがで
き、また乳化重合,乳化重合からの溶剤置換などを使用
できる。
【0014】(B) 架橋剤 本発明で用いる架橋剤は、アミノ樹脂及び/又はブロッ
クイソシアネート化合物である。アミノ樹脂としては、
メラミン樹脂,ベンゾブアナミン樹脂等であり、好まし
くはメラミン樹脂である。n−ブチル化メラミン樹脂,
イソブチル化メラミン樹脂等のアルコキシ基がメトキシ
基,エトキシ基,n−ブトキシ基,i−ブトキシ基など
であるアルコキシメチルメラミン樹脂が挙げられる。こ
れらの樹脂は、通常メラミンにホルムアルデヒド,パラ
ホルムアルデヒド等のアルデヒドを付加反応又は付加縮
合反応させて得られたものに、炭素数1〜4の1価アル
コールでエーテル化して得られる。本発明では、水溶性
の点でメチル/ブチル混合エーテル型メラミンが好適に
用いられる。
【0015】また、ブロックイソシアネート化合物は、
以下のブロック剤でイソシアネートの反応をブロックし
たもので、ブロック剤(( )内は解離温度)として
は、メタノール(180〜185℃),エタノール(1
80〜185℃),n−ペンタノール(205〜210
℃),エチレンクロルヒドリン(155〜160℃),
イソプロピルアルコール(170〜175℃)等のアル
コール類,フェノール(140〜145℃),P−ニト
ロフェノール(120〜125℃),クレゾール(13
5〜140℃)等のフェノール類,アセチルアセトン
(105〜110℃),アセト酢酸エチル(125〜1
30℃),MEKオキシム(150〜155℃),ε−
カプロラクタム(140〜144℃)等である。好まし
くは、解離温度が100〜180℃のブロック剤を、よ
り好ましくは120〜160℃の解離温度のブロック剤
を用いる。イソシアネート化合物としては、TDI系,
MDI系,HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)
系,IPDI(イソホロンジイソシアネート)系等の脂
肪族,脂環族の多官能イソシアネートを適宜1種又は2
種以上用いる。必要により錫系触媒を用いてもよい。ア
ミノ樹脂とブロックイソシアネート化合物を併用しても
よく、その場合各々の反応性の欠点を補完することによ
り、一段とバランスが得られることになる。
【0016】(C) 平均粒径0.02〜30μm の架橋性
樹脂粒子 本発明で用いる平均粒径0.02〜30μm の架橋性樹
脂粒子は、(A) 成分で形成する架橋性樹脂粒子を除いた
粒子であり、アクリル樹脂,エポキシ樹脂,フェノール
樹脂,メラミン樹脂等のいずれの樹脂であってかまわな
いが、製法の容易さからアクリル樹脂粒子であることが
特に好ましい。
【0017】粒子径0.02〜30μm の架橋アクリル
樹脂微粒子は、 (a)分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン
性不飽和基を有する単量体(架橋用単量体)、例えばエ
チレングリコールジアクリレート,エチレングリコール
ジメタアクリレート,トリエチレングリコールジメタア
クリレート,テトラエチレングリコールジメタアクリレ
ート,1.3−ブチレングリコールジメタアクリレー
ト,トリメチロールプロパントリアクリレート,トリメ
チルプロパントリメタクリレート,1.4−ブタンジオ
ールジアクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリ
レート,1.6−ヘキサンジオールジアクリレート,ペ
ンタエリスリトールジアクリレート,ペンタエリスリト
ールトリアクリレート,ペンタエリスリトールテトラア
クリレート,ペンタエリスリトールジメタクリレート,
ペンタエリスリトールトリメタクリレート,ペンタエリ
スリトールテトラメタクリレート,グリセロールジメタ
クリレート,グリセロールジアクリレート,グリセロー
ルアタロキシジメタクリレート,1.1.1−トリスヒ
ドロキシメチルエタンジアクリレート,1.1.1−ト
リスヒドロキシメチルエタントリアクリレート,1.
1.1−トリスヒドロキシメチルエタンジメタクリレー
ト,1.1.1−トリスヒドロキシメチルエタントリメ
タクリレート,1.1.1−トリヒドロキシメチルプロ
パンジアクリレート,1.1.1−トリヒドロキシメチ
ルプロパントリアクリレート,1.1.1−トリヒドロ
キシメチルプロパンジメタクリレート,1.1.1−ト
リヒドロキシメチルプロパントリメタクリレート,トリ
アリルシアヌレート,トリアリルイソシアヌレート,ト
リアリルトリメリテート,ジアリルテレフタレート,ジ
アリルフタレート及びジビニルベンゼン。
【0018】(b)分子内に重合可能な基を一つ有する
単官能性単量体、例えば 1)カルボキシル基含有単量体、例えばアクリル酸,メ
タクリル酸,クロトン酸,イタコン酸,マレイン酸,フ
マル酸など。 2)ヒドロキシル基含有単量体、例えば2−ヒドロキシ
エチルアクリレート,ヒドロキシプロピルアクリレー
ト,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,ヒドロキシ
プロピルメタクリレート,ヒドロキシプチルアクリレー
ト,ヒドロキシプチルメタクリレート,アリルアルコー
ル,メタアリルアルコールなど。 3)含窒素アルキルアクリレートもしくはメタクリレー
ト、例えばジメチルアミノエチルアクリレート,ジメチ
ルアミノエチルメタクリレートなど。 4)重合性アミド、例えばアクリル酸アミド,メタクリ
ル酸アミドなど。 5)重合性ニトリル、例えばアクリロニトリル,メタク
リロニトルなど。
【0019】6)アルキルアクリレートもしくはメタア
クリレート、例えばメチルアクリレート,メチルメタク
リレート,エチルアクリレート,n−ブチルアクリレー
ト,n−ブチルメタクリレート,2−エチルヘキシルア
クリレートなど。 7)重合性芳香族化合物、例えばスチレン,α−メチル
スチレン,ビニルトルエン,t−ブチルスチレンなど。 8)α−オレフィン、例えばエチレン,プロピレンな
ど。 9)ビニル化合物、例えば酢酸ビニル,プロピオン酸ビ
ニルなど。 10)ジエン化合物、例えばブタジエン,イソプレンな
ど。
【0020】11)含ケイ素アルキルアクリレート,メタ
クリレートもしくは含ケイ素ビニル化合物、例えばγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルト
リメトキシシラン,ビニルトリエトキシシランなど。 12)含フッ素化合物の少なくとも1種を、通常の乳化重
合,ソープフリー重合,懸濁重合,NAD重合,沈殿重
合,後乳化法等により共重合させ、所望により粉砕,筋
分けすることにより得られるが、所定粒径の微粒子を得
るのに乳化重合法,ソープフリー重合法によることが最
も好都合である。
【0021】上記重合に際してアクリル樹脂の場合、ス
ルホン酸基,硫酸エステル基等を持つ開始剤を用いてエ
チレン性不飽和単量体を重合する方法、スルホン酸基,
硫酸エステル基,リン酸基,リン酸エステル基等を有す
る乳化剤を用いてエチレン性不飽和単量体を重合する方
法、スルホン酸基,硫酸エステル基,リン酸基,リン酸
エステル基等を有する単量体を用い重合する方法等によ
り、酸性基を架橋樹脂粒子表面に担持させるのが好都合
である。
【0022】スルホン酸基,硫酸エステル基等を有する
開始剤としては、例えば過硫酸カリウム,過硫酸アンモ
ニニウム,過硫酸ナトリウムなどが挙げられ、所望によ
り他の重合開始剤、例えば有機過酸化物,有機アゾ化合
物,レドックス開始剤などとの組合せで使用せられる。
かかる重合開始剤は、あらかじめ反応媒体中へ入れてお
いてもよく、また構成モノマーと同時に滴下してもよ
い。これらの重合開始剤の使用量は、通常全単量体に対
して0.05〜5%、好ましくは0.1〜3%の範囲で
選定されるが、本発明ではスルホン酸基,硫酸エステル
基の担持を重合開始剤のみにゆだねる場合、該重合開始
剤使用量は、所定量の酸性基を粒子表面に担持せしめる
に必要な量使用する必要があることは当然である。さら
に必要に応じて、通常の連鎖移動剤(例えば、ラウリル
メルカプタン,ヘキシルメルカプタンなどのメルカプタ
ン類)を適量併用してもよい。平均粒径が0.02μm
未満では艶消し効果が少なく、艶ムラが起きやすく、3
0μm を越えると塗膜がザラツキ汚れやすくなる。好ま
しくは0.1〜5μmである。
【0023】水性媒体又は非水性有機媒体中で製造した
架橋樹脂粒子は、ロ過,スプレー乾燥,凍結乾燥などの
方法で微小樹脂粒子を単離し、そのままもしくはミルな
どを用いて適当な粒径に粉砕して用いることもできる
し、さらに合成した分散液をそのまま、又は溶媒置換に
より媒体を置換して用いることができる。一般的にいっ
て、得られる粒子の粒径は、その重合法によってコント
ロールするのが望ましい。0.02〜0.6μm の粒子
に対しては乳化重合法,NAD法が、0.2〜30μm
の粒子に対しては沈澱重合法が適している。
【0024】本発明で(A),(B) 及び (C)成分の混合割合
は、(A) が40〜80固形分重量%,(B) が20〜60
固形分重量%,(C) が1〜100PHR、好ましくは上
記範囲内で所望の艶消し度になるよう選択すればよい。
(A) が40重量%未満では、塗膜の艶が引けすぎてザラ
ザラして汚れやすく、80重量%を越えると、塗膜の艶
消し効果が不十分となる。(B) が20重量%未満では、
硬化が不十分で塗膜強度が不足し、60重量%を越える
と、硬くてもろい塗膜となる。(C) が1PHR未満では
色ムラが出やすく、100PHRでは塗装作業性が低下
する。
【0025】「水分散性」と「水溶性」は、酸価と中和
度によってコントロール可能である。例えば中和度10
0のとき、酸価が40では「水分散性」となり、酸価が
50では「水溶性」となる。(A),(B) 及び (C)成分を塩
基を含む水性媒体中に分散される。これらの酸及び塩基
は、電着可能な水溶性樹脂を中和するために用いられ
る。中和に用いられる塩基としては、例えばアンモニ
ア,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,メチ
ルエタノールアミン,ジエチルアミン,モルホリン,水
酸化カリウムなどがある。水性媒体は、水か又は水と水
混和性有機溶剤との混合である。必要に応じ、水性媒体
は水不混和性有機溶剤を含んでいてもよい。水混和性有
機溶剤の例には、エチルセロソルブ,プロピルセロソル
ブ,ブチルセロソルブ,エチレングリコールジメチルエ
ーテル,ジアセトンアルコール,4−メトキシ−4−メ
チルペンタノン−2,メチルエチルケトンなどがある。
また、水不混和性有機溶剤の例には、キシレン,トルエ
ン,メチルイソブチルケトン,2−エチルヘキサノール
などがある。
【0026】さらに、所望により乾きムラ,水洗性を改
善するための界面活性剤、艶消し補助及び平滑性改善の
ための顔料、平滑性,艶消し改善のためのワックス,ラ
テックス等、着色剤,可塑剤,酸性・塩基性物質等を適
宜加えることができる。本発明では、カルボキシル基の
ようなアニオン性官能基を持っているためアニオン型電
着塗装となるが、正の電荷と親水性を与えるようなアミ
ノ基等のカチオン性官能基を持たせることにより、カチ
オン型電着塗装にも使用できる。このような樹脂の例に
は、エポキシ系,ポリエーテル系,ポリエステル系,ポ
リウレタン系,ポリアミド系,ポリブタジエン系など、
各種のものが知られている。
【0027】本発明における艶消し電着塗装を実施する
場合の電着塗料浴の固形分濃度は、4〜15重量%が適
当である。4重量%以下の場合には塗装電圧が高くなり
すぎ、15重量%以上では塗装系の系外への損失が大き
く経済的でない。また、電着塗装は電着塗料浴温度15
〜35℃、塗装電圧80〜350V及び電着時間1〜5
分の条件で通常行われる。電着塗装された被塗物は必要
により水洗され、ついで150〜200℃で15〜60
分間、加熱硬化される。かくして、所望の艶消し効果を
有する電着塗膜が形成される。乾燥膜厚は、15〜30
μm が好適である。本発明の艶消し電着塗装方法に適用
できる被塗物は、導電性を有するものであれば特に限定
されないが、被塗物としてアルミニウム又はアルミニウ
ム合金を用いた場合には、平滑性等の性能にも優れた均
一な艶消し塗膜が得られることから、特に本発明の方法
が好適である。本発明方法は、電着塗装物全般にわたっ
て適用されるものであるが、特にアルミサッシの艶消し
に好適である。
【0028】
【作用】アルコキシシラン基を有する水溶性又は水分散
型アクリル共重合樹脂(A成分)と架橋性樹脂粒子を混
合することにより、水洗時の艶ムラが起きず、任意の艶
を、しかも安定的に電着塗装により形成することが可能
となり、さらにダイス目防止が可能となる。
【0029】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例により、さらに
詳細に説明する。
【0030】合成例1 アルコキシシラン基を有する水
溶性又は水分散型アクリル共重合樹脂 (A成分)の製造 スチレン(ST),メチルメタクリレート(MMA),
n−ブチルアクリレート(nBA),2−ヒドロキシエ
チルメタアクリレート(2HEMA),メタアクリル酸
(MAA),ラウリルメタアクリレート(LMA)及び
アルコキシシラン化合物(A−O)を表1に示す割合で
重合し、アルコキシシラン基を有するアクリル共重合樹
脂ワニスを得た。重合に用いた溶剤は、イソプロパノー
ル/ブチセロ=8/2(重量比)である。ワニス特性を
表1に示した。得られたワニスにカルボキシル基に対し
て 0.6当量のトリエチルアミンを加え、均一に混合し水
溶性とした。表1に示した数平均分子量となるように、
重合開始剤(AIBN)の量を決めた。
【0031】A−0−1:ビニルトリエトキシシラン A−0−2:γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキ
シシラン
【0032】合成例2 架橋性樹脂粒子の製造(C−
1) 攪拌機,加熱槽,滴下ロート,冷却管を備した1リット
ルのガラス製丸底の反応容器に脱イオン水389.5部
とメタクリル酸メチル5部を仕込み、80℃まで昇温
し、脱イオン水10部に溶解した過硫酸アンモニア0.
5部を投入し、5分間攪拌を行った。その後、スチレン
30部,メタクリル酸メチル3部,アクリル酸nーブチ
ル50部,2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部,
ネオペンチルグリコールジメタクリレート10部からな
るモノマー混合物を2時間かけて滴下し、滴下終了後、
さらに1時間加熱(保温)と攪拌を維持し、白色のエマ
ルジョンを得た。得られた架橋樹脂粒子の平均粒径は、
0.3μm であった。
【0033】合成例3 架橋性樹脂粒子の製造(C−
2) ステンレスビーカー中で、アクリル樹脂アミン中和物
(コータックスWE−866:東レ製)22部,モノマ
ー混合物(スチレン30部,メタクリル酸メチル13
部,アクリル酸nーブチル45部,2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート2部,ネオペンチルグリコールジメタ
クリレート10部,RA−1022(日本乳化剤)2
部),脱イオン水200部をよく攪拌し、モノマー乳化
液とした。合成例2と同様の反応容器中で、このモノマ
ー乳化液及び開始剤水溶液(A.C.V.A.1部、ト
リエチルアミン0.612部,脱イオン水308部)に
1時間かけて滴下した。さらに、1時間保温,攪拌を継
続しエマルジョンを得た。得られた架橋樹脂粒子の平均
粒径は、0.1μm であった。
【0034】合成例4 架橋性樹脂粒子の製造(C−
3) 非架橋性のメチルメタクリレートを種子粒子として用い
た以外は、合成例2と同様にして、平均粒径2μm の架
橋性樹脂粒子を得た。
【0035】実施例1 表2に示した割合で、合成例1で得られたアルコキシシ
ラン基を有する水溶性アクリル共重合樹脂ワニス(A成
分)60重量%(固形分)に、該共重合体のカルボキシ
ル基に対して0.6当量のトリエチルアミンを加え、
(B−1)成分としてブトキシ/メトキシメチロール化
メラミン樹脂(ニカラックMX−40:三和ケミカル
(株)製)40重量%(固形分)を加えて均一に混合
し、合成例2で得られた0.3μm の架橋性樹脂粒子1
0PHRを加えて混合し、純水で希釈して固形分15%
の艶消し電着塗料組成物を得た。得られた艶消し電着塗
料組成物の相溶性を評価した。結果を表2に示した。さ
らに、アルミニウム板(A6063S)にアルマイト処
理(皮膜厚9μm)したものを陽極とし、160Vの直流
電圧にて2.5分間電着し、電着後水洗し、180℃で
30分間焼付け、塗膜外観,艶消し度(光沢),アルミ
板との付着性及び塗膜硬度を評価し、結果を表2に示し
た。
【0036】評価方法及び評価基準 (1) 相溶性 ガラス板に乾燥膜厚が約5μm となるように塗布し、1
40℃で20分間加熱し、透明度合を評価した。 ○・・・・・・透明 ×・・・・・・濁りがあり (2) 塗膜外観 焼付け後の電着塗膜面を目視でハジキ,ブツ,ヘコミ,
ザラツキ等の異常の有無を評価した。 ○・・・・・・異常なく良好 ×・・・・・・異常あり (3) 艶消し度 60°鏡面反射による光沢度を JIS K 5400 7.6に準拠
し測定した。 (4) 付着性 素地との付着性を1mm目で10×10個のゴバン目テス
ト(JIS K 5400準拠)を行った。剥離しない個数/10
0を示した。 (5) 硬度 焼付け後の塗膜を20℃まで徐冷後、JIS K 5400 8.4準
拠の鉛筆引っかき値測定を行った。
【0037】実施例2〜13,比較例1〜3 実施例1と同様に、表2に示す組成・割合で塗料化し、
実施例1と同じ方法で塗装し評価を行い、結果を表2に
示した。 AA :アクリル酸 HPA:ヒドロキシプロピルアクリレート EA :エチルアクリレート B−2:HDI/オキシムブロック (デスモジュールBL-3175 :住友バイエル製) B−3:B−1/B−2=8/2(固形分重量比)
【0038】 表1 A−a A−b A−c A−d A−e A−f A−0 A−0−1 4.8 9.1 1.8 − − − A−0−2 − − − 4.8 9.1 − A−1 MAA 7.3 7.0 7.3 7.3 7.0 − AA − − − − − 6.4 A−2 2HEMA 13.3 12.7 13.3 13.3 12.7 13.9 A−3 MMA 37.6 − 39.5 37.6 − 47.2 n−BA 37.0 34.6 38.5 37.0 34.6 32.5 LMA − − − − − − ST − 36.6 − − 36.6 − 特性値 酸化 47 45 48 47 45 50 水酸基 57 54 59 57 54 60 Tg(℃) 20 20 20 20 20 20 数平均分子量 30000 30000 30000 30000 30000 20000 NV(%) 50 50 50 50 50 50 配合量:重量部
【0039】 配合量:重量部(ただしC成分の架橋性樹脂粒子はPH
R)
【0040】 配合量:重量部(ただしC成分の架橋性樹脂粒子はPH
R)
【0041】 表2(その3) 結 果 例No. 相溶性 外観 艶消し度 付着性 硬度 実施例1 ○ ○ 16 100/100 4H 実施例2 ○ ○ 10 100/100 4H 実施例3 ○ ○ 30 100/100 H 実施例4 ○ ○ 17 100/100 H 実施例5 ○ ○ 32 100/100 4H 実施例6 ○ ○ 15 100/100 4H 実施例7 ○ ○ 31 100/100 5H 実施例8 ○ ○ 15 100/100 4H 実施例9 ○ ○ 20 100/100 5H 実施例10 ○ ○ 8 100/100 4H 実施例11 ○ ○ 10 100/100 4H 実施例12 ○ ○ 11 100/100 4H 実施例13 ○ ○ 6 100/100 2H 比較例1 ○ ○ 95 100/100 4H 比較例2 ○ ○ 30 50/100 5H 比較例3 ○ × 10 70/100 HB
【0042】
【効果】艶消し度合を任意にコントロールすることによ
り、所望の艶が得られる。さらに、水洗等による艶ムラ
が起きず、安定な艶消し塗膜が得られ、艶消し塗膜の適
用を幅広く行うことが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲田 政幸 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 谷口 英二 千葉県市原市千種海岸2番1 東レ株式会 社千葉工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記 (A)〜(C) を主成分とする艶消し電
    着塗料組成物を希釈して、電着することを特徴とする艶
    消し塗膜の形成方法。 (A) アルコキシシラン基を有する水溶性又は水分散型ア
    クリル共重合樹脂 40〜80固形分重量% (B) 架橋剤 20〜60固形分重量% (C) 平均粒径 0.02〜30μm の (A)成分からの架
    橋性樹脂粒子を除いた架橋性樹脂粒子 1〜100PH
JP34920591A 1991-05-14 1991-12-06 艶消し塗膜の形成方法 Pending JPH05263295A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001064568A (ja) * 1999-08-25 2001-03-13 Kansai Paint Co Ltd アニオン型電着塗料組成物
JP2001220533A (ja) * 2000-02-08 2001-08-14 Shinto Paint Co Ltd 着色艶消し電着塗料およびその電着塗装方法
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JP4737791B2 (ja) * 2000-02-08 2011-08-03 神東塗料株式会社 艶消し電着塗料およびその電着塗装方法
JP4737792B2 (ja) * 2000-02-08 2011-08-03 神東塗料株式会社 着色艶消し電着塗料およびその電着塗装方法

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