JP2000044864A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

Info

Publication number
JP2000044864A
JP2000044864A JP21080598A JP21080598A JP2000044864A JP 2000044864 A JP2000044864 A JP 2000044864A JP 21080598 A JP21080598 A JP 21080598A JP 21080598 A JP21080598 A JP 21080598A JP 2000044864 A JP2000044864 A JP 2000044864A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle diameter
weight
inorganic particles
resin composition
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21080598A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Yoshida
実 吉田
Hideki Yanai
秀規 梁井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP21080598A priority Critical patent/JP2000044864A/ja
Publication of JP2000044864A publication Critical patent/JP2000044864A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】外観や意匠性も優れ、かつ、擦り傷、当たり傷
などがつきにくい塗膜を形成するための塗料組成物を提
供する。 【解決手段】アクリル樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、
一次粒子径が50nm以下で二次凝集体を形成している
無機粒子(C)からなる塗料用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、擦り傷、当たり傷
などがつきにくい塗膜を形成するための塗料用樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建材は、表面保護の目的で、基材となる
アルミなどの表面をアクリル樹脂で塗装しているが、近
年、意匠性の点から、塗装表面に凹凸を付けて光の反射
拡散により光沢を低下させた、いわゆる艶消し塗装が強
く求められるようになってきた。
【0003】アルミサッシなどの大型型材に塗装する方
法としては、一般的に電着塗装が知られており、電着塗
装によって艶消し塗膜を得る方法としては、シリカ微粉
末等の無機顔料を含有させる方法(例えば、特開昭56
−75596号公報)、ポリエチレンやポリプロピレン
などの微粉末を含有させる方法(例えば、特開昭60−
135466号公報)、電着塗膜を酸性処理液で後処理
する方法(例えば、特開昭52−137444号公
報)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シランのような二重結合を有する加水分解性アルコキシ
シラン基含有化合物を共重合により導入する方法(例え
ば、特公昭62−24519号公報)、ポリマー分子中
のカルボン酸と例えば、3グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランのようなエポキシシラン化合物を反応させ
る方法(例えば、特開平2−269780号公報)等に
より得たアクリル樹脂にアミノ樹脂などの硬化剤を配合
し、水分散化したものが開示されている。
【0004】しかしながら、このようにして得られた塗
膜は、表面に傷などが入ると、光の拡散によって傷部分
がはっきりと目立つという欠点があり、施工までに表面
に傷がはいらないように、物流過程での梱包などに非常
に注意を払う必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、外観や意匠
性も優れ、かつ、擦り傷、当たり傷などがつきにくい塗
膜を形成するための塗料用樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記した課
題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、塗料中に特定
の無機粒子を存在させれば、塗膜の強靱性が飛躍的に向
上させることができ、課題を解決できることを見出し
た。
【0007】すなわち、本発明は、アクリル樹脂
(A)、アミノ樹脂(B)、一次粒子径が50nm以下
で二次凝集体を形成している無機粒子(C)からなる塗
料用樹脂組成物に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明におけるアクリル樹脂(A)とは、
ビニルモノマーからなる重合体であり、ホモポリマーで
あっても、コポリマーであっても構わないが、シラン基
を含有する方が好ましい。
【0010】酸価としては、20〜150mgKOH/
gが好ましく、さらには30〜100mgKOH/gが
好ましい。水酸基価としては30〜150mgKOH/
gが好ましく、さらには40〜100mgKOH/gが
好ましい。
【0011】また、数平均分子量は3000〜3000
00が好ましい。数平均分子量が3000以上であれ
ば、十分な塗膜耐久性が得られ、また300000以下
であれば安定性の良い水分散型となりやすく、粘度が適
切で取り扱い性が良好である。さらには数平均分子量が
10000〜150000であるのが好ましい。
【0012】シラン基としては、ゲル化、安定化のため
に該アクリル樹脂(A)中のSi金属量として0.01
〜1.0重量%の範囲であることが好ましく、より好ま
しくは、0.06〜0.6重量%である。0.01重量
%以上とすることで艶消し効果がより発揮され、1.0
重量%以下とすることで、貯蔵安定性が増す。
【0013】具体的なモノマーとしては、(a)α、β
−エチレン性不飽和カルボン酸およびそのエステル形成
性化合物、(b)水酸基含有重合性不飽和カルボン酸お
よびそのエステル形成性化合物、(c)重合性不飽和結
合とアルコキシシラン基含有モノマーおよび(d)その
他上記(a)〜(c)以外の重合性不飽和モノマーを挙
げることができる。
【0014】さらに(a)α、β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸およびそのエステル形成性化合物成分の具体例
としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸およ
びそのエステル形成性化合物、例えば、メチルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エ
チルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、n-プロ
ピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソ
プロピルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブ
チルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブ
チルメタクリレート、t-ブチルアクリレート、t-ブチル
メタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウ
リルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステア
リルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、
2-エチルヘキシルメタクリレートジメチルアミノエチル
メタクリレート等を挙げることができるが、これらに限
定された訳ではなく、該化合物は単独でも2種以上を混
合しても用いることができる。
【0015】(b)水酸基含有重合性不飽和カルボン酸
およびそのエステル形成性化合物の具体例としては、
2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブ
チルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等
が挙げることができるが、これらに限定された訳ではな
く、該化合物は単独でも2種以上を混合しても用いるこ
とができる。
【0016】(c)重合性不飽和結合とアルコキシシラ
ン基含有モノマーの具体例としては、ジビニルジメトキ
シシラン、ジビニルジ−β−メトキシエトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキ
シシラン、ビニルトリペントキシシラン、ビニルトリス
−β−メトキシエトキシシラン、γ−メタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプ
ロピルトリエトキシシラン、トリメトキシアリルシラ
ン、トリエトキシアリルシラン、(メタ)アクリロイロ
メチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイロエチ
ルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイロプロピル
トリメトキシシランなどのような不飽和ジアルコキシシ
ラン化合物または不飽和トリアルコキシシラン化合物等
が挙げることができるが、これらに限定された訳ではな
く、該化合物は単独でも2種以上を混合しても用いるこ
とができる。
【0017】(d)その他上記(a)〜(c)以外の重
合性不飽和モノマーの具体例としては、スチレン、ビニ
ルトルエンなどのビニル芳香族モノマー、アクリル酸ま
たはメタクリル酸のアミド化合物、アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどの通常のビニル重合の合成に用
いられる公知のモノマーを挙げることができるが、これ
らに限定された訳ではなく、該化合物は単独でも2種以
上を混合しても用いることができる。
【0018】該アクリル樹脂(A)は、前記各単量体を
溶液重合、非水分散重合、塊状重合、エマルジョン重
合、懸濁重合、乳化重合等公知の方法により得られる
が、特に溶液重合法により得る方法が好ましい。溶液重
合は、適当な不活性溶媒中で、重合触媒存在下に、通常
約0〜約180℃、好ましくは約40〜約170℃の反
応温度において、約1〜約20時間、好ましくは約4〜
約15時間反応を続けることにより行うことができる。
【0019】用いる溶媒として、重合中にゲル化しない
よう、生成する共重合体を溶解しかつ水と混和する溶媒
を用いることが望ましい。このような溶媒としてはアル
コール系、セロソルブ系、カルビトール系、グライム
系、セロソルブアセテート系などの溶媒が使用できる
が、これに限定された訳ではなく、単独でも2種以上を
混合しても用いることができる。中でも、特にイソプロ
ピルアルコール、n-ブチルアルコール、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ等の親水性有機溶剤が好ましい。
【0020】また、重合触媒としては、アゾ系化合物、
パーオキサイド系化合物、スルフィド類、スルフィン
類、ジアゾ化合物、ニトロソ化合物などを用いることが
できる。
【0021】なお、シラン基の導入は、前記した(c)
重合性不飽和結合とアルコキシシラン基含有モノマーを
前記したような方法で共重合する以外にも、(a)、
(b)、(d)化合物を共重合した後に、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシ
シランなどのアミノアルキル系シラン化合物、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ系
シラン化合物やγ−イソシアナトプロピルトリエトキシ
シランなどのイソシアナト系シラン化合物などを付加さ
せる方法でアルコキシシラン化して製造しても構わな
い。
【0022】本発明におけるアミノ樹脂(B)とは、分
子中にアミノ結合を少なくとも1個有する樹脂を意味す
るが、好ましくはメラミン樹脂が用いられる。メラミン
樹脂としては、(e)メチル化メチロールメラミン、
(f)炭素数2以上のアルキル化メチロールメラミンお
よびこれらの混合体を挙げることができるが、これらに
限定された訳ではなく、該化合物は単独でも2種以上を
混合しても用いることができるが混合系の方が好まし
く、この場合、炭素数2以上のアルコキシメチル基をト
リアジン環1核当たり1.5〜6.0個含有してなるこ
とが好ましく、さらには、1.6〜3.5個含有してな
ることが好ましい。1.5個以上とすることで、塗料中
にメラミン樹脂が溶出しにくくなり、ハジキなど外観不
良の原因を排除することができる。
【0023】また、炭素数2以上のアルキル基としては
特にブチル基が好ましい。なお、このような混合系は、
(e)メチル化メチロールメラミンを炭素数2以上のア
ルコールで部分置換する方法で製造しても構わないし、
このような部分置換メラミンと(e)メチル化メチロー
ルメラミン、(f)炭素数2以上のアルキル化メチロー
ルメラミンの中の少なくとも2種以上を混合して製造し
ても構わない。
【0024】本発明における一次粒子径が50nm以下
で二次凝集体を形成している無機粒子(C)としては、
モース硬度5以上の不活性無機粒子の中から選ばれた少
なくとも1種であることが好ましく、具体的な化合物と
しては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、
酸化アルミニウムなどの酸化物、窒化チタン、窒化ケイ
素などの窒化物を挙げることができるが、これらに限定
された訳ではなく、該化合物は単独でも2種以上を混合
しても用いることができる。モース硬度が5より小さい
と、粒子の表面エネルギーが小さく、アクリル樹脂との
間で目的とする強靱性が発揮されない場合がある。ま
た、粒子自体も強度が小さく、衝撃など接触による破壊
が生じ、これが起点となって傷などが生じることがあ
る。
【0025】さらに、具体的には、δ型アルミナ、γ型
アルミナ、θ型アルミナの中から選ばれた少なくとも1
種であることが好ましい。無機粒子の中でもこの3種は
特に粒子表面でアクリル樹脂と水素結合性のネットワー
クを作りやすく、強靱性が発揮されやすい。より好まし
くは、δ型アルミナである。
【0026】本発明の効果を発現するには、単分散粒子
ではだめであり、二次凝集していることが必須である。
粒子自体が二次凝集していることにより、粒子の本来持
つ剛性が相乗効果として付与され、強靱性が高まる。
【0027】また、一次粒子径が50nm以上になる
と、塗膜から粒子の脱落が生じやすく、目的とする効果
を得ることができない。また、平均二次凝集径(二次粒
子径)としては、0.1μm以上かつ20μm以下の範
囲が好ましく、さらには、0.1μm以上かつ5μm以
下の範囲がより好ましい。
【0028】なお、ここでいう一次粒子径、二次粒子径
は、透過型電子顕微鏡で観察、各粒子の長径を測定した
数平均粒子径であり、一次粒子径は、この透過型電子顕
微鏡で観察できる最小単位の粒子径、二次粒子径はこの
一次粒子径が凝集した粒子径を意味している。測定数は
二次凝集粒子で50個以上とする。
【0029】本発明におけるアクリル樹脂(A)とアミ
ノ樹脂(B)の配合比としては、硬化性と外観(光沢調
製)の観点から、90:10〜30:70が好ましく、
さらに好ましくは、80:20〜40:60である。ま
た、一次粒子径が50nm以下の無機粒子(C)の配合
比としては、アクリル樹脂(A)100重量部に対して
0.05〜10重量部であることが好ましく、さらに
は、0.1〜5重量部であることが好ましい。
【0030】アクリル樹脂(A)とアミノ樹脂(B)は
通常の方法で混合後、得られた混合物を水分散型(水希
釈性)とするために、アクリル樹脂中のカルボキシル基
の少なくとも一部を塩基性物質、例えば有機アミンある
いは無機塩基などの塩基性物質で中和することが好まし
い。該塩基性物質としては、モノメチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエ
チルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピル
アミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールア
ミン、ジエチルエタノールアミン、などの有機アミン、
あるいはアンモニアが好適である。このような塩基性物
質による中和率は、塗料の分散安定性の点からは、20
〜100%が好ましいが、さらには、30〜95%であ
るとより好ましい。
【0031】一次粒子径が50nm以下の無機粒子
(C)は、アクリル樹脂(A)の中に配合しておいても
構わないしアミノ樹脂(B)の中に配合しておいても構
わない。また、アクリル樹脂(A)とアミノ樹脂(B)
の混合後や場合によっては中和後に別に添加して配合し
ても構わない。
【0032】前記した二次粒子径に制御するためには、
一次粒子まで分散しないような適正なシェアでほぐすこ
とが重要な要素である。そのためには、水や溶剤などの
後添加の液体中に該無機粒子(C)を入れて、撹拌やミ
リングなどの処理をして添加する方法のほうが、二次粒
子径を制御しやすくて好ましい。なお、この際に塗膜外
観に異常を与えない範囲内であれば、該無機粒子の分散
剤や表面処理剤を添加しても構わない。
【0033】さらに、所望により、乾きムラ及び水洗性
を改善するための界面活性剤、艶消し補助及び平滑性改
善のための顔料、平滑性及び艶消し改善のためのワック
ス、ラテックス等、塗膜硬度を改善するための硬化触
媒、その他に着色剤、可塑剤、酸性・塩基性物質等を適
宜くわえることができる。また、必要に応じ、他のアク
リル樹脂やアミノ樹脂を、本発明の効果を損なわない範
囲で添加することができる。
【0034】このような本発明の塗料用樹脂組成物は通
常のハケ塗りやスプレー塗装などいかなる塗装方法に用
いても構わないが、電着塗装を行うことがより好まし
い。電着塗料として用いる場合は、被塗物を陽極とし、
対極を陰極として電着塗装する。この際、電着塗料浴中
の塗料組成物の固形分濃度は、5〜15重量%が適当で
ある。5重量%未満の場合には塗装電圧が高くなりす
ぎ、一方15重量%を超えると塗装系外への損失が大き
く経済的でない。また、電着塗装は、通常電着塗料浴温
度15〜35℃、塗装電圧50〜300V及び電着時間
1〜20分の条件で行うことができる。塗膜の膜厚と
しては、 5〜60μmの範囲で適宜選択して調整する
ことができる。
【0035】電着塗装した被塗物は必要により水洗し、
ついで 120〜 200℃で10〜60分間加熱硬化す
ることにより、良好な外観と硬度に優れた艶消し電着塗
膜が形成される。また、このような電着塗装方法に適用
できる被塗物は、導電性を有するものであれば特に限定
されないが、被塗物としてアルミニウム叉はアルミニウ
ム合金を用いた場合には、平滑性等に優れた均一な艶消
し塗膜が得られる。
【0036】本発明の塗料組成物は、アクリル樹脂
(A)、アミノ樹脂(B)、一次粒子径が50nm以下
で二次凝集体を形成している無機粒子(C)を主たる成
分とすることで、塗膜表面の地肌の強靱性が飛躍的に向
上し、擦り傷、当たり傷などがつきにくい塗装物を得る
ことが可能となった。
【0037】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例により、さらに
詳細に説明する。なお、各実施例の評価方法および評価
基準は以下のとおりである。
【0038】(1)光沢:60゜鏡面反射による光沢度
をJIS K 5400 7.6に準拠して測定した。
【0039】(2)塗膜外観:塗膜面を目視により観察
し、肌あれ、すじむらなどの有無を評価した。
【0040】(3)耐擦り傷性:塗装面に3cm角に切
ったダンボール片を当て、500gの加重をかけて、5
cmの長さを往復に擦り、目視で観察し、傷の入る回数
で耐擦り傷性を次の通りにグレード分けをし、○以上を
合格と判断した。
【0041】 ◎ 100回以上でも傷が付かない ○ 50〜100回で傷が入る △ 10〜50回で傷が入る × 10回以下で傷が入る
【0042】(4)粒子径:塗膜の超薄切片を作成し、
透過型電子顕微鏡で観察し、一次粒子径および二次粒子
径を数平均径で表した。なお、ここでいう一次粒子と
は、その粒子を構成する最小単位を意味し、二次粒子と
は、この一次粒子が凝集して集まった凝集粒子を意味す
る。
【0043】(a)アクリル系樹脂の製造例 製造例1 反応容器中にイソプロピルアルコール40重量部及びブ
チルセロソルブ20重量部を仕込、還流温度まで昇温し
た。これにγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシ
シラン(MPS)2重量部、アクリル酸(AA)6重量
部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート(2HEM
A)20重量部、メチルメタクリレート(MMA)28
重量部、n−ブチルメタクリレート(NBMA)20重
量部、スチレン(ST)24重量部及びアゾビスイソブ
チロニトリル1.0重量部からなる混合物を還流温度下
で3時間滴下した。滴下終了から1時間経過した後、さ
らにアゾビスイソブチロニトリル0.8重量部とイソプ
ロピルアルコール10重量部を4回に分けて30分置き
に添加し、添加終了後さらに1時間重合を継続し、ブチ
ルセロソルブ10重量部で希釈し、アクリル樹脂(A−
1)を得た。
【0044】製造例2 反応容器中にイソプロピルアルコール40重量部及びn
―ブチルアルコール20重量部を仕込、還流温度に昇温
した。これにγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキ
シシラン(MPS)4重量部、アクリル酸(AA)6重
量部、ヒドロキシルエチルアクリレート(HEA)20
重量部、メチルメタクリレート(MMA)28重量部、
ブチルアクリレート(BA)20重量部、スチレン(S
T)22重量部及びアゾビスイソブチロニトリル1.0
重量部からなる混合物を還流温度下で3時間滴下した。
滴下終了から1時間経過した後、さらにアゾビスイソブ
チロニトリル0.8重量部とイソプロピルアルコール1
0重量部を4回に分けて30分置きに添加し、添加終了
後さらに1時間重合を継続し、n―ブチルアルコール1
0重量部で希釈し、アクリル樹脂(A−2)を得た。
【0045】製造例3 反応容器中にイソプロピルアルコール40重量部及びn
―ブチルアルコール20重量部を仕込、還流温度に昇温
した。これにアクリル酸(AA)6重量部、2−ヒドロ
キシルエチルメタクリレート(2HEMA)20重量
部、メチルメタクリレート(MMA)28重量部、ブチ
ルアクリレート(BA)20重量部、スチレン(ST)
26重量部及びアゾビスイソブチロニトリル1.0重量
部からなる混合物を還流温度下で3時間滴下した。滴下
終了から1時間経過した後、さらにアゾビスイソブチロ
ニトリル0.8重量部とイソプロピルアルコール10重
量部を4回に分けて30分置きに添加し、添加終了後さ
らに1時間重合を継続し、n―ブチルアルコール10重
量部で希釈し、アクリル樹脂(A−3)を得た。
【0046】(b)メラミン樹脂 メラミン樹脂としては次の物を用いた。
【0047】B−1:[マイコート506、三井サイテ
ック(株)製ブチル化メラミン] B−2:[サイメル235、三井サイテック(株)製メ
チル/ブチル混合メラミン] B−3:[サイメル236、三井サイテック(株)製メ
チル/ブチル混合メラミン] 実施例1 アクリル樹脂(A−1)、メラミン樹脂(B−2)、メ
ラミン樹脂(B−3)、および一次粒子径18nmのδ
型アルミナ(デグッサ社製アルミニウムオキサイド−
C)を重量比で58/20/20/2になるように25
℃に保持したまま30分間撹拌して混合を行い、トリエ
チルアミンを60%中和量添加し、さらに25℃で10
分間撹拌を続けた後、脱イオン水を徐々に加えて希釈
し、樹脂固形分10%、体積平均粒子径120nm水分
散エマルジョンを調製した。
【0048】この電着塗料を電着槽に入れ、アルマイト
処理後交流着色した6063sアルミニウム板を陽極と
して浴温21℃で、所定の電圧(160〜200V)で
2.5分間通電し、電着塗装を行った。電着終了後、イ
ソプロパノール2重量%、ブチルセロソルブ1重量%を
含む水洗水にて洗浄し、室温で10分間風乾した後、1
80℃で30分間加熱硬化させ、厚み10μmの塗膜を
得た。また、塗膜中のδ型アルミナの二次粒子径は、2
50nmであった。なお、アミノ樹脂(B)の炭素数2
以上のアルコキシメチル基のトリアジン環1核当たりの
含有数は2.6個である。
【0049】得られた塗膜の光沢は8%であり、スジム
ラなどの不良もない良好な外観を示し、耐擦り傷性も1
13回と非常に良好であった。
【0050】実施例2〜6 アクリル樹脂の種類及び配合量、メラミン樹脂の種類及
び配合量、無機粒子の種類及び配合量を変えた以外は実
施例1と同様にしてエマルジョン塗料を調製した。アミ
ノ樹脂(B)の炭素数2以上のアルコキシメチル基のト
リアジン環1核当たりの含有数は実施例2、3および6
は2.6個、実施例4および5は3.2個である。
【0051】得られた塗料を用いて電着塗装したとこ
ろ、スジムラなどの不良もなく良好な肌感を示し、耐擦
り傷性も良好であった(表1)。
【0052】
【表1】
【0053】比較例1 一次粒子径18nmのδ型アルミナ(デグッサ社製アル
ミニウムオキサイド−C)を配合しない外は実施例1と
全く同じ方法で樹脂固形分10%、体積平均粒子径11
7nmの水分散エマルジョンを調製した。次に、実施例
1と同じ方法で厚み10μmの塗膜を得た。得られた塗
膜の光沢は17%であり、スジムラなどの不良もない良
好な外観を示したが、耐擦り傷性は、8回と非常に不良
であった。
【0054】比較例2 一次粒子径18nmのδ型アルミナ(デグッサ社製アル
ミニウムオキサイド−C)の代わりに一次粒子径120
nmの球形単分散型シリカ粒子を配合する以外は実施例
1と全く同じ方法で樹脂固形分10%、体積平均粒子径
135nmの水分散エマルジョンを調製した。次に、実
施例1と同じ方法で厚み10μmの塗膜を得た。得られ
た塗膜の光沢は13%であり、塗膜中のシリカ粒子は単
分散性を保持していた。塗膜は、スジムラなどの不良も
ない良好な外観を示したが、耐擦り傷性は、15回と不
良であった。
【0055】比較例3 一次粒子径18nmのδ型アルミナの代わりに一次粒子
径58nmのシリカ粒子を配合する以外は、実施例1と
全く同じ方法で樹脂固形分10%、体積平均径210n
mの水分散エマルジョンを調整した。次に、実施例1と
同じ方法で厚み10μmの塗膜を得た。得られた塗膜の
光沢は7%であり、塗膜中のシリカ粒子の二次粒子径は
320nmであった。塗膜は、スジムラなどの不良は無
かったが、耐擦り傷性は32回と不良であった。
【0056】比較例4 一次粒子径18nmのδ型アルミナの代わりに一次粒子
径42nmの球状単分散型シリカ粒子を配合する以外は
実施例1と全く同じ方法で樹脂固形分10%、体積平均
粒子径150nmの水分散エマルジョンを調整した。次
に、実施例1と同じ方法で厚み10μmの塗膜を得た。
得られた塗膜の光沢は11%であり、塗膜中のシリカ粒
子は単分散性を保持していた。塗膜は、スジムラなどの
不良もない良好な外観を示したが、耐擦り傷性は37回
と不良であった。
【0057】
【発明の効果】本発明の塗料組成物を使用することによ
り、塗料安定性、光沢安定性、発色性など仕上がり外観
に優れ、かつ、擦り傷、当たり傷などがつきにくい塗装
物を得ることが可能となった。得られた塗装物は耐擦り
傷性が非常に優れているため、輸送時の梱包などが簡略
化もしくは省略できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CG011 CG031 CG061 CG121 CG131 CG141 CG151 CH031 CH041 CH071 CH121 CH201 CJ031 CJ131 CJ141 CJ181 DA161 GA03 HA216 HA316 KA20 NA01 NA11 PA04 PC02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、
    および一次粒子径が50nm以下で二次凝集体を形成し
    ている無機粒子(C)からなる塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】無機粒子(C)の二次凝集体の粒子径(二
    次粒子径)が0.1μm〜5μmであることを特徴とす
    る請求項1記載の塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】アクリル樹脂(A)がSi元素として0.
    01〜1.0重量%に相当するシラン化合物を共重合し
    てなることを特徴とする請求項1または2記載の塗料用
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】アミノ樹脂(B)がトリアジン環を有する
    化合物であり、炭素数2以上のアルコキシメチル基をト
    リアジン環1核当たり1.5〜6.0個含有してなるこ
    とを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の塗料用樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】一次粒子径が50nm以下で二次凝集体を
    形成している無機粒子(C)が、モース硬度5以上の不
    活性無機粒子の中から選ばれた少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の塗料用樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】一次粒子径が50nm以下で二次凝集体を
    形成している無機粒子(C)が、δ型アルミナ、γ型ア
    ルミナ、θ型アルミナの中から選ばれた少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の
    塗料用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】アクリル樹脂(A)とアミノ樹脂(B)の
    配合比が90:10〜30:70であり、かつ、一次粒
    子径が50nm以下の無機粒子(C)がアクリル樹脂
    (A)100重量部に対して0.05〜10重量部であ
    ることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の塗料
    用樹脂組成物。
JP21080598A 1998-07-27 1998-07-27 塗料用樹脂組成物 Pending JP2000044864A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21080598A JP2000044864A (ja) 1998-07-27 1998-07-27 塗料用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21080598A JP2000044864A (ja) 1998-07-27 1998-07-27 塗料用樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000044864A true JP2000044864A (ja) 2000-02-15

Family

ID=16595436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21080598A Pending JP2000044864A (ja) 1998-07-27 1998-07-27 塗料用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000044864A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011148846A (ja) * 2010-01-19 2011-08-04 Shinto Paint Co Ltd 厚膜塗装可能な艶消し電着塗料組成物
JP2012031347A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Shimizu:Kk 透明膜を形成可能な電着塗料組成物、水性電着塗料、電着塗装方法および電着塗装製品
JP2012031348A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Shimizu:Kk 指触性に優れた機能を有する電着塗料用組成物および水性電着塗料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011148846A (ja) * 2010-01-19 2011-08-04 Shinto Paint Co Ltd 厚膜塗装可能な艶消し電着塗料組成物
JP2012031347A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Shimizu:Kk 透明膜を形成可能な電着塗料組成物、水性電着塗料、電着塗装方法および電着塗装製品
JP2012031348A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Shimizu:Kk 指触性に優れた機能を有する電着塗料用組成物および水性電着塗料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0748536A (ja) 水性被覆用樹脂組成物及び塗料
JP2000044864A (ja) 塗料用樹脂組成物
JP2741379B2 (ja) クリヤーコート用塗料
JP5996488B2 (ja) アニオン型白色艶消し電着塗料組成物
JPH11199803A (ja) 艶消し電着塗料組成物およびその製造方法
JP4623689B2 (ja) アニオン型電着塗料およびその電着塗装方法
JPH09165489A (ja) 水分散性樹脂組成物およびその製造方法
JP4558143B2 (ja) アニオン型電着塗料およびその電着塗装方法
JP5546877B2 (ja) 厚膜塗装可能な艶消し電着塗料組成物
JP2003113350A (ja) 水性塗料組成物
JP2002206041A (ja) 水性樹脂組成物
JPH11319707A (ja) 高い耐水二次密着性を有する水性塗料組成物を用いた塗装方法
JPH05171100A (ja) 塗料組成物、その製造方法および塗膜形成方法
JP4086965B2 (ja) 艶消し電着塗料
JP4808310B2 (ja) アニオン型電着塗料
JP4911770B2 (ja) 耐擦り傷性に優れたアニオン型電着塗料
JPH0466172A (ja) エッジ被覆性に優れた塗膜形成方法
JP4807766B2 (ja) 高耐候性の着色電着塗料およびその電着塗装方法
JPH11256079A (ja) 艶消し電着塗料組成物
JPH10120966A (ja) 熱硬化被覆組成物
JP2009286886A (ja) 低汚染性に優れた艶有り電着塗料組成物
JP2003176445A (ja) 艶消し電着塗料およびその電着塗装方法
JP2004217830A (ja) 塗料用樹脂組成物及び塗料組成物並びにその塗料組成物を用いた塗装方法
JP5283329B2 (ja) 耐擦り傷性に優れたアニオン型電着塗料
JP2002322410A (ja) 傷の付き難いアニオン型電着塗料およびその電着塗装方法