JPH09165489A - 水分散性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
水分散性樹脂組成物およびその製造方法Info
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- JPH09165489A JPH09165489A JP32698295A JP32698295A JPH09165489A JP H09165489 A JPH09165489 A JP H09165489A JP 32698295 A JP32698295 A JP 32698295A JP 32698295 A JP32698295 A JP 32698295A JP H09165489 A JPH09165489 A JP H09165489A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 透明性、平滑性、撥水性及び耐薬品性に優れ
る塗膜を形成し、良好な塗装作業性及び分散安定性を有
する水性塗料を実現しうる水分散性樹脂組成物及びその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 (a)ポリオレフィン10〜95重量%;及び
(b)(1)酸基を有するエチレン性不飽和モノマー2〜75重
量%と(2)その他のエチレン性不飽和モノマー25〜98重
量%とからなるモノマー混合物5〜90重量%;を含有す
る出発混合物を、重合開始剤の存在下にラジカル重合す
る工程、及び得られる酸基含有樹脂組成物を、中和剤を
加えることにより中和する工程、を包含する水分散性樹
脂組成物の製造方法。
る塗膜を形成し、良好な塗装作業性及び分散安定性を有
する水性塗料を実現しうる水分散性樹脂組成物及びその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 (a)ポリオレフィン10〜95重量%;及び
(b)(1)酸基を有するエチレン性不飽和モノマー2〜75重
量%と(2)その他のエチレン性不飽和モノマー25〜98重
量%とからなるモノマー混合物5〜90重量%;を含有す
る出発混合物を、重合開始剤の存在下にラジカル重合す
る工程、及び得られる酸基含有樹脂組成物を、中和剤を
加えることにより中和する工程、を包含する水分散性樹
脂組成物の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水分散性樹脂組成物
に関し、特に、塗料組成物として好適に用いうる水分散
性樹脂組成物に関する。
に関し、特に、塗料組成物として好適に用いうる水分散
性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塗料は染料及び顔料のような着色剤とこ
れを塗装面に固着するバインダーとこれらを均一に被覆
するための液体媒体とを一般に含む。バインダーは高分
子量のポリマーもしくは樹脂であるので本来非水溶性の
ものが多いが、このような非水溶性バインダーを含有す
る塗料にはシンナーのような有機溶剤が液体媒体として
主に用いられてきた。
れを塗装面に固着するバインダーとこれらを均一に被覆
するための液体媒体とを一般に含む。バインダーは高分
子量のポリマーもしくは樹脂であるので本来非水溶性の
ものが多いが、このような非水溶性バインダーを含有す
る塗料にはシンナーのような有機溶剤が液体媒体として
主に用いられてきた。
【0003】しかし、近年では、環境に悪影響を与え
ず、作業者に無害な水性塗料への需要が高まっている。
これまでにも、多くの水溶性または水分散性塗料が報告
されてきたが、水溶性塗料には本質的に耐水性に劣る欠
点が有り、水分散性塗料には塗料組成物の安定性が悪い
欠点がある。
ず、作業者に無害な水性塗料への需要が高まっている。
これまでにも、多くの水溶性または水分散性塗料が報告
されてきたが、水溶性塗料には本質的に耐水性に劣る欠
点が有り、水分散性塗料には塗料組成物の安定性が悪い
欠点がある。
【0004】水分散性塗料の安定性不良の原因は、主に
水分散性塗料に用いる水分散性樹脂組成物の分散安定性
が乏しいことにある。
水分散性塗料に用いる水分散性樹脂組成物の分散安定性
が乏しいことにある。
【0005】例えば、特開昭52-47029号公報には、アル
コキシメチルアクリルアミドとα,β−エチレン性不飽
和カルボン酸とその他の共重合性エチレン性不飽和モノ
マーとの混合物を水溶性樹脂の存在下重合して得られる
共重合体を中和した水分散性樹脂組成物が開示されてい
る。しかしながら、この系では水溶性樹脂と共重合体と
の相溶性が不十分なので得られる樹脂組成物は水分散安
定性に劣る。そのために、これを用いた塗料は塗装作業
性に劣り、タレが生じ易い。さらに、得られる塗膜は透
明性、平滑性、耐薬品性、耐水性及び機械強度に劣る。
コキシメチルアクリルアミドとα,β−エチレン性不飽
和カルボン酸とその他の共重合性エチレン性不飽和モノ
マーとの混合物を水溶性樹脂の存在下重合して得られる
共重合体を中和した水分散性樹脂組成物が開示されてい
る。しかしながら、この系では水溶性樹脂と共重合体と
の相溶性が不十分なので得られる樹脂組成物は水分散安
定性に劣る。そのために、これを用いた塗料は塗装作業
性に劣り、タレが生じ易い。さらに、得られる塗膜は透
明性、平滑性、耐薬品性、耐水性及び機械強度に劣る。
【0006】また、特開平3-504138号公報には、(a)カ
ルボキシル基を有するアクリルモノマーを含有するモノ
マー混合物と(b)水酸基を有するアクリルモノマーを含
有するモノマー混合物とを交互に重合し中和することに
より得られる水分散性樹脂組成物が開示されているが、
酸価を持つポリマーと持たないポリマーとの相溶性が不
十分なので、この樹脂組成物は水分散安定性に劣る。そ
のために、これを用いた塗料では構造粘性が十分に発現
しない。さらに、得られる塗膜は耐薬品性に劣る。
ルボキシル基を有するアクリルモノマーを含有するモノ
マー混合物と(b)水酸基を有するアクリルモノマーを含
有するモノマー混合物とを交互に重合し中和することに
より得られる水分散性樹脂組成物が開示されているが、
酸価を持つポリマーと持たないポリマーとの相溶性が不
十分なので、この樹脂組成物は水分散安定性に劣る。そ
のために、これを用いた塗料では構造粘性が十分に発現
しない。さらに、得られる塗膜は耐薬品性に劣る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、透
明性、平滑性、撥水性及び耐薬品性に優れる塗膜を形成
し、良好な塗装作業性及び分散安定性を有する水性塗料
を実現しうる水分散性樹脂組成物及びその製造方法を提
供することにある。
題を解決するものであり、その目的とするところは、透
明性、平滑性、撥水性及び耐薬品性に優れる塗膜を形成
し、良好な塗装作業性及び分散安定性を有する水性塗料
を実現しうる水分散性樹脂組成物及びその製造方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)ポリオレ
フィン10〜95重量%;及び(b)(1)酸基を有するエチレン
性不飽和モノマー2〜75重量%と(2)その他のエチレン
性不飽和モノマー25〜98重量%とからなるモノマー混合
物5〜90重量%;を含有する出発混合物を、重合開始剤
の存在下にラジカル重合する工程、及び得られる酸基含
有樹脂組成物を、中和剤を加えることにより中和する工
程、を包含する水分散性樹脂組成物の製造方法を提供す
るものであり、そのことにより上記目的が達成される。
フィン10〜95重量%;及び(b)(1)酸基を有するエチレン
性不飽和モノマー2〜75重量%と(2)その他のエチレン
性不飽和モノマー25〜98重量%とからなるモノマー混合
物5〜90重量%;を含有する出発混合物を、重合開始剤
の存在下にラジカル重合する工程、及び得られる酸基含
有樹脂組成物を、中和剤を加えることにより中和する工
程、を包含する水分散性樹脂組成物の製造方法を提供す
るものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法における好ましい態
様では、まず、ポリオレフィン単独、好ましくはポリオ
レフィンを有機溶剤に溶解した溶液を約80〜140℃、好
ましくは90〜120℃に加熱する。
様では、まず、ポリオレフィン単独、好ましくはポリオ
レフィンを有機溶剤に溶解した溶液を約80〜140℃、好
ましくは90〜120℃に加熱する。
【0010】本明細書において「ポリオレフィン」とは比
較的低分子量のα-オレフィンのホモポリマーおよびコ
ポリマー、及びこれらと共重合可能なエチレン性不飽和
モノマーとのコポリマーをいう。
較的低分子量のα-オレフィンのホモポリマーおよびコ
ポリマー、及びこれらと共重合可能なエチレン性不飽和
モノマーとのコポリマーをいう。
【0011】用いうるα-オレフィンの例には、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテンお
よび三菱化学社製「ダイアレン」類(炭素数12以上のα-オ
レフィン、例えば、「ダイアレン30」は炭素数30以上)等
が挙げられる。
ン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテンお
よび三菱化学社製「ダイアレン」類(炭素数12以上のα-オ
レフィン、例えば、「ダイアレン30」は炭素数30以上)等
が挙げられる。
【0012】これらと共重合可能なエチレン性不飽和モ
ノマーの例には、無水マレイン酸、無水イタコン酸及び
無水フマル酸のような酸無水物基含有モノマー;アクリ
ル酸、メタクリル酸、エタクリル酸及びクロトン酸のよ
うな一塩基酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸の
ような二塩基酸、及びマレイン酸モノエチルエステル、
フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノエチルエ
ステル、こはく酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチル
エステル及びフタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエ
チルエステルのようなニ塩基酸のハーフエステル、のよ
うなカルボキシル基含有モノマー;アリルアルコール、
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシ
(メタ)アクリレート及びこれらとラクトンとの反応物の
ような水酸基含有モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルエステル、吉草酸ビニルエステル、カプロン酸ビ
ニルエステル及びデカン酸ビニルエステルのようなビニ
ルエステル;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル及び(メタ)アクリル酸ブチルのようなアクリル
酸エステル;及びスチレン及びα-メチルスチレンのよ
うな芳香族ビニルモノマー等が挙げられる。
ノマーの例には、無水マレイン酸、無水イタコン酸及び
無水フマル酸のような酸無水物基含有モノマー;アクリ
ル酸、メタクリル酸、エタクリル酸及びクロトン酸のよ
うな一塩基酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸の
ような二塩基酸、及びマレイン酸モノエチルエステル、
フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノエチルエ
ステル、こはく酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチル
エステル及びフタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエ
チルエステルのようなニ塩基酸のハーフエステル、のよ
うなカルボキシル基含有モノマー;アリルアルコール、
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシ
(メタ)アクリレート及びこれらとラクトンとの反応物の
ような水酸基含有モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルエステル、吉草酸ビニルエステル、カプロン酸ビ
ニルエステル及びデカン酸ビニルエステルのようなビニ
ルエステル;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル及び(メタ)アクリル酸ブチルのようなアクリル
酸エステル;及びスチレン及びα-メチルスチレンのよ
うな芳香族ビニルモノマー等が挙げられる。
【0013】これらのエチレン性不飽和モノマーの使用
量は、α-オレフィンに対して30重量%以下、好ましく
は20重量%以下とする。このエチレン性不飽和モノマー
の使用量が30重量%を上回ると得られる塗膜の撥水性が
低下しうる。
量は、α-オレフィンに対して30重量%以下、好ましく
は20重量%以下とする。このエチレン性不飽和モノマー
の使用量が30重量%を上回ると得られる塗膜の撥水性が
低下しうる。
【0014】特に、酸無水物基含有モノマーの使用量
は、α-オレフィンに対して20重量%以下、好ましくは1
0重量%以下とする。酸無水物基含有モノマーの使用量
が20重量%を上回ると重合時に反応が均一に起こらない
場合がある。
は、α-オレフィンに対して20重量%以下、好ましくは1
0重量%以下とする。酸無水物基含有モノマーの使用量
が20重量%を上回ると重合時に反応が均一に起こらない
場合がある。
【0015】カルボキシル基含有モノマーの使用量は20
重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%とする。得られ
る樹脂組成物の分散安定性が特に良好となり、撥水性が
さらに良好となるからである。
重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%とする。得られ
る樹脂組成物の分散安定性が特に良好となり、撥水性が
さらに良好となるからである。
【0016】水酸基含有モノマーの使用量は30重量%
以下、好ましくは10〜30重量%とする。得られる樹脂組
成物の硬化性が良好となるからである。
以下、好ましくは10〜30重量%とする。得られる樹脂組
成物の硬化性が良好となるからである。
【0017】本発明のポリオレフィンは当業者に周知の
方法により調製しうる。例えば、溶液重合又はバルク重
合のようなラジカル重合法により無水マレイン酸と脂肪
族1-オレフィンとを共重合させる方法が、米国特許第2,
378,629号に記載されている。
方法により調製しうる。例えば、溶液重合又はバルク重
合のようなラジカル重合法により無水マレイン酸と脂肪
族1-オレフィンとを共重合させる方法が、米国特許第2,
378,629号に記載されている。
【0018】ポリオレフィンの数平均分子量は1000〜20
000、好ましくは3000〜20000、さらに好ましくは3000〜
10000とする。数平均分子量が1000未満では得られる樹
脂組成物の硬化性が低下する場合がある。20000以上で
は重合時に反応が均一に起こらない場合がある。
000、好ましくは3000〜20000、さらに好ましくは3000〜
10000とする。数平均分子量が1000未満では得られる樹
脂組成物の硬化性が低下する場合がある。20000以上で
は重合時に反応が均一に起こらない場合がある。
【0019】ポリオレフィンの酸無水物基価は100以
下、好ましくは1〜100とする。酸無水物基価が100を上
回ると重合が均一に進行しない場合が生じる。1を下回
ると得られる塗膜の硬化性が不十分となり得る。
下、好ましくは1〜100とする。酸無水物基価が100を上
回ると重合が均一に進行しない場合が生じる。1を下回
ると得られる塗膜の硬化性が不十分となり得る。
【0020】ポリオレフィンの酸価は50以下、好ましく
は1〜50とする。酸価が1を下回ると得られる塗膜の硬
化性が不十分となりうる。50を上回ると得られる塗膜の
はっ水性が低下しうる。
は1〜50とする。酸価が1を下回ると得られる塗膜の硬
化性が不十分となりうる。50を上回ると得られる塗膜の
はっ水性が低下しうる。
【0021】また、ポリオレフィンの水酸基価は、好ま
しくは10〜200、特に好ましくは20〜100とする。水酸基
価が10を下回ると得られる樹脂組成物の硬化性が低下
し、100を上回ると得られる塗膜のはっ水性が劣る場合
がある。
しくは10〜200、特に好ましくは20〜100とする。水酸基
価が10を下回ると得られる樹脂組成物の硬化性が低下
し、100を上回ると得られる塗膜のはっ水性が劣る場合
がある。
【0022】ポリオレフィンの具体例には、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリ
(エチレン-プロピレン)、ポリ(エチレン-ブテン)、ポリ
(プロピレン-ブテン)、ポリ(エチレン-プロピレン-ブテ
ン)、ポリ(エチレン-ビニルアセテート)、ポリ(エチレ
ン-メチル(メタ)アクリレート)、ポリ(エチレン-エチル
(メタ)アクリレート)、ポリ(エチレン-ブチル(メタ)ア
クリレート)、ポリ(エチレン-(メタ)アクリル酸)、ポリ
(エチレン-ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(エチレン
-(メタ)アクリル酸)、ポリ(エチレン-マレイン酸)、ポ
リ(エチレン-イタコン酸)、ポリ(プロピレン-ビニルア
セテート)及びポリ(ダイアレン-ビニルアセテート)及び
これらのケン化物などが挙げられる。
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリ
(エチレン-プロピレン)、ポリ(エチレン-ブテン)、ポリ
(プロピレン-ブテン)、ポリ(エチレン-プロピレン-ブテ
ン)、ポリ(エチレン-ビニルアセテート)、ポリ(エチレ
ン-メチル(メタ)アクリレート)、ポリ(エチレン-エチル
(メタ)アクリレート)、ポリ(エチレン-ブチル(メタ)ア
クリレート)、ポリ(エチレン-(メタ)アクリル酸)、ポリ
(エチレン-ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(エチレン
-(メタ)アクリル酸)、ポリ(エチレン-マレイン酸)、ポ
リ(エチレン-イタコン酸)、ポリ(プロピレン-ビニルア
セテート)及びポリ(ダイアレン-ビニルアセテート)及び
これらのケン化物などが挙げられる。
【0023】特に好ましくは、ポリ(エチレン-無水マレ
イン酸)、ポリ(エチレン-無水イタコン酸)、ポリ(ダイ
アレン-無水マレイン酸)及びポリ(ダイアレン-無水イタ
コン酸)等である。
イン酸)、ポリ(エチレン-無水イタコン酸)、ポリ(ダイ
アレン-無水マレイン酸)及びポリ(ダイアレン-無水イタ
コン酸)等である。
【0024】これらの他にも、ポリエチレンを変性して
得られる酸基及び/または水酸基を有する変性型ポリエ
チレン樹脂を好ましく用いることが出来る。これらの樹
脂のうち、代表的なものは府瀬川健蔵著「ワックスの性
質と応用」(1989年刊行:幸書房)にポリエチレンワックス
として記載されるもの、三井石油化学社製の「ハイワッ
クス405MP」、「ハイワックス220MP」、「ハイワックス310M
P」、「ハイワックス210M」、「ハイワックス320MP」、「ハイ
ワックス310MP」、「ハイワックス2203A」及び「ハイワック
ス1140H」などが挙げられる。また、例えば、三井石油化
学社製の「ハイワックスNP105」及び「ハイワックスNP055」
のようなポリプロピレン樹脂等も用いうる。
得られる酸基及び/または水酸基を有する変性型ポリエ
チレン樹脂を好ましく用いることが出来る。これらの樹
脂のうち、代表的なものは府瀬川健蔵著「ワックスの性
質と応用」(1989年刊行:幸書房)にポリエチレンワックス
として記載されるもの、三井石油化学社製の「ハイワッ
クス405MP」、「ハイワックス220MP」、「ハイワックス310M
P」、「ハイワックス210M」、「ハイワックス320MP」、「ハイ
ワックス310MP」、「ハイワックス2203A」及び「ハイワック
ス1140H」などが挙げられる。また、例えば、三井石油化
学社製の「ハイワックスNP105」及び「ハイワックスNP055」
のようなポリプロピレン樹脂等も用いうる。
【0025】ポリオレフィンは出発混合物の全量を基準
にして10〜95重量%、好ましくは25〜95重量%、更に好
ましくは55〜95重量%の量で用いられる。ポリオレフィ
ンの量が10重量%を下回るとはっ水性、耐薬品性及び機
械的強度の改善が見られない。95重量%を上回ると塗料
の分散安定性及び塗膜の硬化性が悪くなる。
にして10〜95重量%、好ましくは25〜95重量%、更に好
ましくは55〜95重量%の量で用いられる。ポリオレフィ
ンの量が10重量%を下回るとはっ水性、耐薬品性及び機
械的強度の改善が見られない。95重量%を上回ると塗料
の分散安定性及び塗膜の硬化性が悪くなる。
【0026】本発明の方法では、ついで、加熱されたポ
リオレフィンもしくはポリオレフィン溶液にモノマー混
合物を加え、得られる出発混合物を重合開始剤の存在下
重合させる。重合は1〜8時間、特に1〜6時間行うこ
とが好ましい。好ましい態様では、モノマー混合物と重
合開始剤とを同時にポリオレフィン溶液に、1〜5時
間、好ましくは2〜3時間かけて滴下し、その後、0〜
4時間、好ましくは1〜2時間重合温度を維持する。
リオレフィンもしくはポリオレフィン溶液にモノマー混
合物を加え、得られる出発混合物を重合開始剤の存在下
重合させる。重合は1〜8時間、特に1〜6時間行うこ
とが好ましい。好ましい態様では、モノマー混合物と重
合開始剤とを同時にポリオレフィン溶液に、1〜5時
間、好ましくは2〜3時間かけて滴下し、その後、0〜
4時間、好ましくは1〜2時間重合温度を維持する。
【0027】本発明で用いるモノマー混合物は、酸基を
有するエチレン性不飽和モノマー及びその他のエチレン
性不飽和モノマーからなる。酸基を有するエチレン性不
飽和モノマーは、中和においてポリオレフィンに水分散
性を提供しうるものであれば特に限定されないが、分子
中に炭素6個までを有するものが好ましい。分子中の炭
素数が6個を上回ると親水性が良好に提供されないから
である。
有するエチレン性不飽和モノマー及びその他のエチレン
性不飽和モノマーからなる。酸基を有するエチレン性不
飽和モノマーは、中和においてポリオレフィンに水分散
性を提供しうるものであれば特に限定されないが、分子
中に炭素6個までを有するものが好ましい。分子中の炭
素数が6個を上回ると親水性が良好に提供されないから
である。
【0028】本発明に好ましく用いうる酸基を有するエ
チレン性不飽和モノマーは、カルボキシル基、スルホン
酸基またはリン酸基を有するエチレン性不飽和モノマー
である。ポリオレフィンに水分散性を付与するのに必要
な酸強度を有するからである。
チレン性不飽和モノマーは、カルボキシル基、スルホン
酸基またはリン酸基を有するエチレン性不飽和モノマー
である。ポリオレフィンに水分散性を付与するのに必要
な酸強度を有するからである。
【0029】カルボキシル基を有するエチレン性不飽和
モノマーの具体例には、アクリル酸、メタクリル酸、エ
タクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸及びイ
タコン酸及びそれらのハーフエステル化物、マレイン酸
エチルエステル、フマル酸エチルエステル、イタコン酸
エチルエステル、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキ
シエチルエステル及びフタル酸モノ(メタ)アクリロイル
オキシエチルエステル及びこれらの混合物が挙げられ
る。
モノマーの具体例には、アクリル酸、メタクリル酸、エ
タクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸及びイ
タコン酸及びそれらのハーフエステル化物、マレイン酸
エチルエステル、フマル酸エチルエステル、イタコン酸
エチルエステル、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキ
シエチルエステル及びフタル酸モノ(メタ)アクリロイル
オキシエチルエステル及びこれらの混合物が挙げられ
る。
【0030】スルホン酸基を有するエチレン性不飽和モ
ノマーの具体例には、アクリルアミドt-ブチルスルホン
酸、アクリル酸3-スルホニルプロピルエステル、メタク
リル酸3-スルホニルプロピルエステル及びイタコン酸ビ
ス(3-スルホニルプロピル)エステル等が挙げられる。
ノマーの具体例には、アクリルアミドt-ブチルスルホン
酸、アクリル酸3-スルホニルプロピルエステル、メタク
リル酸3-スルホニルプロピルエステル及びイタコン酸ビ
ス(3-スルホニルプロピル)エステル等が挙げられる。
【0031】リン酸基を有するエチレン性不飽和モノマ
ーの具体例には、アシッドホスホキシエチルメタクリレ
ート、アシッドホスホキシプロピルメタクリレート及び
アシッドホスホキシ3-クロロプロピルメタクリレート等
が挙げられる。
ーの具体例には、アシッドホスホキシエチルメタクリレ
ート、アシッドホスホキシプロピルメタクリレート及び
アシッドホスホキシ3-クロロプロピルメタクリレート等
が挙げられる。
【0032】酸基を有するエチレン性不飽和モノマーは
モノマー混合物の全量を基準にして2〜75重量%、好ま
しくは4〜75重量%、さらに好ましくは15〜50重量%の
量で用いられる。酸基を有するエチレン性不飽和モノマ
ーの量が2重量%を下回ると分散性が不良となり、75重
量%を上回ると重合が均一に進行しない場合が生じる。
モノマー混合物の全量を基準にして2〜75重量%、好ま
しくは4〜75重量%、さらに好ましくは15〜50重量%の
量で用いられる。酸基を有するエチレン性不飽和モノマ
ーの量が2重量%を下回ると分散性が不良となり、75重
量%を上回ると重合が均一に進行しない場合が生じる。
【0033】その他のエチレン性不飽和モノマーは、酸
基含有モノマーによりポリオレフィンに付与される水分
散性を阻害せず、酸基と共存しうるものであれば特に限
定されないが、アミド基を有するエチレン性不飽和モノ
マーが好ましい。アミド基を有するエチレン性不飽和モ
ノマーは分子中に炭素原子12個までを有するものが好ま
しい。分子中の炭素数が12個を上回ると得られる樹脂に
親水性が良好に提供されない。
基含有モノマーによりポリオレフィンに付与される水分
散性を阻害せず、酸基と共存しうるものであれば特に限
定されないが、アミド基を有するエチレン性不飽和モノ
マーが好ましい。アミド基を有するエチレン性不飽和モ
ノマーは分子中に炭素原子12個までを有するものが好ま
しい。分子中の炭素数が12個を上回ると得られる樹脂に
親水性が良好に提供されない。
【0034】具体的には、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-ブチルアク
リルアミド、N,N-ジブチルアクリルアミドまたはヒドロ
キシメチルアクリルアミド、メトキシメチルアクリルア
ミド及びブトキシメチルアクリルアミドのような(メタ)
アクリルアミドが用いられる。好ましい(メタ)アクリル
アミドはアクリルアミド、メタクリルアミド及びこれら
の混合物である。
アミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-ブチルアク
リルアミド、N,N-ジブチルアクリルアミドまたはヒドロ
キシメチルアクリルアミド、メトキシメチルアクリルア
ミド及びブトキシメチルアクリルアミドのような(メタ)
アクリルアミドが用いられる。好ましい(メタ)アクリル
アミドはアクリルアミド、メタクリルアミド及びこれら
の混合物である。
【0035】アミド基を有するエチレン性不飽和モノマ
ーはモノマー混合物の全量を基準にして1〜50重量%、
好ましくは10〜30重量%の量で用いられる。アミド基を
有するエチレン性不飽和モノマーの量が2重量%を下回
ると分散性が不良となり、50重量%を上回ると重合が均
一に進行しない場合が生じる。
ーはモノマー混合物の全量を基準にして1〜50重量%、
好ましくは10〜30重量%の量で用いられる。アミド基を
有するエチレン性不飽和モノマーの量が2重量%を下回
ると分散性が不良となり、50重量%を上回ると重合が均
一に進行しない場合が生じる。
【0036】その他のエチレン性不飽和モノマーは、重
合後に得られる酸基含有樹脂組成物の水分散性を阻害し
ないものであれば特に限定されないが、例えば、水酸基
を有するエチレン性不飽和モノマーが含まれる。これら
を用いることにより本発明の水分散性樹脂組成物に水酸
基が導入され、より良好な塗膜の硬化性が得られる。
合後に得られる酸基含有樹脂組成物の水分散性を阻害し
ないものであれば特に限定されないが、例えば、水酸基
を有するエチレン性不飽和モノマーが含まれる。これら
を用いることにより本発明の水分散性樹脂組成物に水酸
基が導入され、より良好な塗膜の硬化性が得られる。
【0037】具体的には、2-ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキ
シブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレ
ート及びそれらとラクトンとの反応物等が挙げられる。
ート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキ
シブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレ
ート及びそれらとラクトンとの反応物等が挙げられる。
【0038】水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー
はモノマー混合物の全量を基準にして5〜60重量%、好
ましくは10〜40重量%の量で用いられる。水酸基を有す
るエチレン性不飽和モノマーの量が5重量%を下回ると
硬化性不良となり、60重量%を上回ると均一に重合でき
ない場合が生じる。
はモノマー混合物の全量を基準にして5〜60重量%、好
ましくは10〜40重量%の量で用いられる。水酸基を有す
るエチレン性不飽和モノマーの量が5重量%を下回ると
硬化性不良となり、60重量%を上回ると均一に重合でき
ない場合が生じる。
【0039】その他、スチレン、α-メチルスチレン、
アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2-エチ
ルヘキシル)及びメタクリル酸エステル(例えば、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t-ブチル、
メタクリル酸2-エチルヘキシル及びメタクリル酸ラウリ
ル)等のような非官能性モノマーをその他のエチレン性
不飽和モノマーとして用いうる。
アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2-エチ
ルヘキシル)及びメタクリル酸エステル(例えば、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t-ブチル、
メタクリル酸2-エチルヘキシル及びメタクリル酸ラウリ
ル)等のような非官能性モノマーをその他のエチレン性
不飽和モノマーとして用いうる。
【0040】非官能性モノマーはモノマー混合物の全量
を基準にして10〜93重量%、好ましくは30〜90重量%の
量で用いられる。非官能性モノマーの量が10重量%を下
回ると重合が均一に進行せず、90重量%を上回ると分散
性不良となる。
を基準にして10〜93重量%、好ましくは30〜90重量%の
量で用いられる。非官能性モノマーの量が10重量%を下
回ると重合が均一に進行せず、90重量%を上回ると分散
性不良となる。
【0041】上述の酸基を有するエチレン性不飽和モノ
マー及びその他のエチレン性不飽和モノマーからなるモ
ノマー混合物は出発混合物の全量を基準にして5〜90重
量%、好ましくは5〜75重量%、更に好ましくは5〜45
重量%の量で用いられる。
マー及びその他のエチレン性不飽和モノマーからなるモ
ノマー混合物は出発混合物の全量を基準にして5〜90重
量%、好ましくは5〜75重量%、更に好ましくは5〜45
重量%の量で用いられる。
【0042】本発明に用いる重合開始剤はラジカル重合
開始剤として一般に用いられるものであれば特に限定さ
れないが、例えば、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーオ
キシド及びクメンハイドロパーオキシドのような有機過
酸化物、アゾビスシアノ吉草酸及びアゾビスイソブチロ
ニトリルのような有機アゾ化合物等が挙げられる。
開始剤として一般に用いられるものであれば特に限定さ
れないが、例えば、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーオ
キシド及びクメンハイドロパーオキシドのような有機過
酸化物、アゾビスシアノ吉草酸及びアゾビスイソブチロ
ニトリルのような有機アゾ化合物等が挙げられる。
【0043】重合終了後に得られる酸基含有樹脂組成物
は酸価5〜200、特に20〜100、水酸基価10〜300、特に2
0〜200を有することが好ましい。酸価が5を下回ると非
水溶性となり、200を上回ると重合の進行が不均一とな
る。また、水酸基価が10を下回ると硬化性不良となり、
300を上回ると分散性不良となる。尚、酸価は酸基を有
するモノマーの量を増減することにより調節され、水酸
基価は水酸基を有するモノマーの量を増減することによ
り調節される。
は酸価5〜200、特に20〜100、水酸基価10〜300、特に2
0〜200を有することが好ましい。酸価が5を下回ると非
水溶性となり、200を上回ると重合の進行が不均一とな
る。また、水酸基価が10を下回ると硬化性不良となり、
300を上回ると分散性不良となる。尚、酸価は酸基を有
するモノマーの量を増減することにより調節され、水酸
基価は水酸基を有するモノマーの量を増減することによ
り調節される。
【0044】重合は、80〜140℃、好ましくは90〜120℃
の温度で1〜8時間、好ましくは2〜4時間、当業者に
周知の操作で行いうる。例えば、有機溶剤を適量含有さ
せて粘度を調節し加熱した上記ポリオレフィン中に、モ
ノマー混合物及び重合開始剤を滴下する。
の温度で1〜8時間、好ましくは2〜4時間、当業者に
周知の操作で行いうる。例えば、有機溶剤を適量含有さ
せて粘度を調節し加熱した上記ポリオレフィン中に、モ
ノマー混合物及び重合開始剤を滴下する。
【0045】有機溶剤は、一般に、ポリオレフィン100
重量部に対して100重量部以下、好ましくは10〜50重量
部用いられる。有機溶剤の量が100重量部を上回ると得
られるアクリルポリマーの分子量が低下し、その結果、
水分散性樹脂組成物の硬化性が低下する。
重量部に対して100重量部以下、好ましくは10〜50重量
部用いられる。有機溶剤の量が100重量部を上回ると得
られるアクリルポリマーの分子量が低下し、その結果、
水分散性樹脂組成物の硬化性が低下する。
【0046】有機溶剤は、重合時にポリオレフィンを溶
解し、60〜250℃程度の沸点を有する有機溶剤であれば
特に限定されない。例えば、トルエン及びキシレンのよ
うな芳香族化合物、メチルイソブチルケトン及びメチル
エチルケトンのようなカルボニル化合物、酢酸ブチル及
びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
のようなエステルを用いることができる。
解し、60〜250℃程度の沸点を有する有機溶剤であれば
特に限定されない。例えば、トルエン及びキシレンのよ
うな芳香族化合物、メチルイソブチルケトン及びメチル
エチルケトンのようなカルボニル化合物、酢酸ブチル及
びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
のようなエステルを用いることができる。
【0047】特に好適に用いうる有機溶剤には、テトラ
ヒドロフラン、エタノール、メタノール、n-ブタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、2-ブタノール、
t-ブチルアルコール、ジオキサン、メチルエチルケト
ン、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、2-メトキシプロパノール、2-エトキシプロ
パノール、2-ブトキシプロパノール、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、N-メチルピロリドン、エチレ
ンカーボネート及びプロピレンカーボネートのような水
混和性有機溶剤が挙げられる。
ヒドロフラン、エタノール、メタノール、n-ブタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、2-ブタノール、
t-ブチルアルコール、ジオキサン、メチルエチルケト
ン、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、2-メトキシプロパノール、2-エトキシプロ
パノール、2-ブトキシプロパノール、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、N-メチルピロリドン、エチレ
ンカーボネート及びプロピレンカーボネートのような水
混和性有機溶剤が挙げられる。
【0048】ついで、中和剤を加えて樹脂組成物中に含
まれる酸基の少なくとも一部を中和する。そのことによ
り酸基含有樹脂組成物に水分散性が付与されて本発明の
水分散性樹脂組成物が得られる。
まれる酸基の少なくとも一部を中和する。そのことによ
り酸基含有樹脂組成物に水分散性が付与されて本発明の
水分散性樹脂組成物が得られる。
【0049】本発明に用いる中和剤は水性もしくは水分
散性樹脂組成物を調製する際にその中に含まれる酸性基
を中和するために当業者に用いられるものであれば特に
限定されないが、具体的には、モノメチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジ
イソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン及びジメチルエタノールアミンのような有機
アミン、及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水
酸化リチウムのような無機塩基類等が挙げられる。
散性樹脂組成物を調製する際にその中に含まれる酸性基
を中和するために当業者に用いられるものであれば特に
限定されないが、具体的には、モノメチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジ
イソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン及びジメチルエタノールアミンのような有機
アミン、及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水
酸化リチウムのような無機塩基類等が挙げられる。
【0050】中和剤の使用量は酸官能性水分散性樹脂を
調製するために当業者に通常用いられる量で用い得る
が、好ましくは中和前の樹脂固形分を基準にして2〜30
重量%、好ましくは5〜20重量%の量である。
調製するために当業者に通常用いられる量で用い得る
が、好ましくは中和前の樹脂固形分を基準にして2〜30
重量%、好ましくは5〜20重量%の量である。
【0051】得られる本発明の水分散性樹脂組成物は水
性媒体に良好に分散されて安定な分散体を形成する。水
性媒体とは、水または水と水混和性有機溶剤との混合溶
液をいう。水と水混和性有機溶剤との混合溶液を用いる
場合は、水と水混和性有機溶剤とは、組成物に含有され
る揮発性有機溶剤量を少なくする観点より100/0〜60/4
0、特に100/0〜80/20の重量割合で配合することが好ま
しい。好ましい水混和性有機溶剤には重合工程の際に有
機溶剤として上述したものが挙げられる。
性媒体に良好に分散されて安定な分散体を形成する。水
性媒体とは、水または水と水混和性有機溶剤との混合溶
液をいう。水と水混和性有機溶剤との混合溶液を用いる
場合は、水と水混和性有機溶剤とは、組成物に含有され
る揮発性有機溶剤量を少なくする観点より100/0〜60/4
0、特に100/0〜80/20の重量割合で配合することが好ま
しい。好ましい水混和性有機溶剤には重合工程の際に有
機溶剤として上述したものが挙げられる。
【0052】得られる水性樹脂分散体に硬化剤、顔料及
びその他の当業者に周知の添加剤を配合することにより
良好な分散安定性を示す水性塗料組成物が得られる。
びその他の当業者に周知の添加剤を配合することにより
良好な分散安定性を示す水性塗料組成物が得られる。
【0053】硬化剤としては、分散された樹脂中に存在
する水酸基または酸基を架橋するとして当業者に知られ
ている架橋剤であれば特に限定されない。アミノ化合
物、イソシアネート化合物及びエポキシ化合物の少なく
とも1種を用いることが好ましい。
する水酸基または酸基を架橋するとして当業者に知られ
ている架橋剤であれば特に限定されない。アミノ化合
物、イソシアネート化合物及びエポキシ化合物の少なく
とも1種を用いることが好ましい。
【0054】具体的には、ブロック化ポリイソシアナー
ト、アルコキシ化メラミンホルムアルデヒド縮合物(メ
ラミンホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと
の縮合物のアルコキシ化物であり、例えばメトキシメチ
ロールメラミン、イソブトキシ化メチロールメラミン及
びn-ブトキシ化メチロールメラミン)、及び2つ以上の
エポキシ基を含有するエポキシ化合物(例えば、シェル
ケミカル社製の「エピコート828」、「同1001」、「同100
4」、共栄油脂社製の「エポライト40E」、「同400E」、「同#1
600」、「同#721」、ナガセ化成社製の「デナコールEX-30
1」、「同622」、「同512」及び「同421」等)等が挙げられ、こ
れらは混合して使用しうる。
ト、アルコキシ化メラミンホルムアルデヒド縮合物(メ
ラミンホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと
の縮合物のアルコキシ化物であり、例えばメトキシメチ
ロールメラミン、イソブトキシ化メチロールメラミン及
びn-ブトキシ化メチロールメラミン)、及び2つ以上の
エポキシ基を含有するエポキシ化合物(例えば、シェル
ケミカル社製の「エピコート828」、「同1001」、「同100
4」、共栄油脂社製の「エポライト40E」、「同400E」、「同#1
600」、「同#721」、ナガセ化成社製の「デナコールEX-30
1」、「同622」、「同512」及び「同421」等)等が挙げられ、こ
れらは混合して使用しうる。
【0055】顔料は通常の無機顔料、有機顔料及び金属
顔料(例えば、アルミニウム顔料)を適当量使用すること
ができる。添加剤の例としては紫外線防止剤、消泡剤、
表面調製剤等が挙げられる。公知のポリマーエマルジョ
ン樹脂、水溶性のアクリル樹脂、ポリエステル、アルキ
ド樹脂及びエポキシ樹脂も本発明の水性塗料組成物に添
加しうる。
顔料(例えば、アルミニウム顔料)を適当量使用すること
ができる。添加剤の例としては紫外線防止剤、消泡剤、
表面調製剤等が挙げられる。公知のポリマーエマルジョ
ン樹脂、水溶性のアクリル樹脂、ポリエステル、アルキ
ド樹脂及びエポキシ樹脂も本発明の水性塗料組成物に添
加しうる。
【0056】本発明の水性塗料組成物を用いて、良好な
外観を有する多層塗膜を形成することができる。好まし
い多層塗膜の例を図1に示す。図1においては、自動車
の車体のような被塗装物2の上に多層塗膜1が設けられ
ている。尚、一般に、被塗装物2の表面には電着層及び
中塗り層のような基層が設けられているが、ここでは非
表示とする。
外観を有する多層塗膜を形成することができる。好まし
い多層塗膜の例を図1に示す。図1においては、自動車
の車体のような被塗装物2の上に多層塗膜1が設けられ
ている。尚、一般に、被塗装物2の表面には電着層及び
中塗り層のような基層が設けられているが、ここでは非
表示とする。
【0057】多層塗膜1は、被塗装物2上に設けられた
ベース塗膜3とベース塗膜3上に設けられたクリヤー塗
膜4とから主に構成される。多層塗膜は、ベース塗料を
塗布した後、これを硬化させずにクリヤー塗料を重ね塗
りし、ベース塗料とクリヤー塗料とを合わせて硬化させ
るいわゆる2コート/1ベーク塗装方法により形成するこ
とが好ましい。
ベース塗膜3とベース塗膜3上に設けられたクリヤー塗
膜4とから主に構成される。多層塗膜は、ベース塗料を
塗布した後、これを硬化させずにクリヤー塗料を重ね塗
りし、ベース塗料とクリヤー塗料とを合わせて硬化させ
るいわゆる2コート/1ベーク塗装方法により形成するこ
とが好ましい。
【0058】ベース塗膜3は、顔料及び上記通常の添加
剤等を含有する本発明の水性塗料組成物を用いて、刷毛
塗り、スプレー塗布、静電塗布、流し塗り、浸漬塗り及
びローラ塗りのような当業者に周知の方法により、一般
に10〜30μm、好ましくは10〜20μmの厚さに形成する。
優れた外観の多層塗膜1を得るために、必要に応じて、
その上にクリヤー塗膜4を形成する前にベース塗膜3を
処理しうる。例えば、設けられたベース塗膜3を50〜10
0℃で2〜3分間加熱するいわゆるプレヒート処理を行
うことにより得られる多層塗膜1の外観がさらに向上す
る。
剤等を含有する本発明の水性塗料組成物を用いて、刷毛
塗り、スプレー塗布、静電塗布、流し塗り、浸漬塗り及
びローラ塗りのような当業者に周知の方法により、一般
に10〜30μm、好ましくは10〜20μmの厚さに形成する。
優れた外観の多層塗膜1を得るために、必要に応じて、
その上にクリヤー塗膜4を形成する前にベース塗膜3を
処理しうる。例えば、設けられたベース塗膜3を50〜10
0℃で2〜3分間加熱するいわゆるプレヒート処理を行
うことにより得られる多層塗膜1の外観がさらに向上す
る。
【0059】クリヤー塗膜4は当業者に知られている溶
剤系または水性のいわゆるクリヤー塗料を用いて、ベー
ス塗膜3と同様の方法により、一般に20〜80μm、好ま
しくは20〜60μmの厚さに形成する。好ましくは、クリ
ヤー塗膜4は、本発明の水性塗料組成物で調製したクリ
ヤー塗料を用いて形成する。
剤系または水性のいわゆるクリヤー塗料を用いて、ベー
ス塗膜3と同様の方法により、一般に20〜80μm、好ま
しくは20〜60μmの厚さに形成する。好ましくは、クリ
ヤー塗膜4は、本発明の水性塗料組成物で調製したクリ
ヤー塗料を用いて形成する。
【0060】水性のクリヤー塗料を用いてクリヤー塗膜
4を形成する場合は多層塗膜1を形成するために溶剤を
使用する必要が無くなるため、環境汚染の問題が生じ難
い。クリヤー塗料として本発明の水分散性樹脂組成物を
含むクリヤー塗料を用いる場合は塗装の作業性、外観及
び付着性がさらに良好となる。
4を形成する場合は多層塗膜1を形成するために溶剤を
使用する必要が無くなるため、環境汚染の問題が生じ難
い。クリヤー塗料として本発明の水分散性樹脂組成物を
含むクリヤー塗料を用いる場合は塗装の作業性、外観及
び付着性がさらに良好となる。
【0061】クリヤー塗膜4を形成した後に、ベース塗
膜3及びクリヤー塗膜4を硬化させることにより、多層
塗膜1が得られる。硬化は、一般に、100〜200℃の温度
で15〜60分間加熱することにより行う。
膜3及びクリヤー塗膜4を硬化させることにより、多層
塗膜1が得られる。硬化は、一般に、100〜200℃の温度
で15〜60分間加熱することにより行う。
【0062】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断
らない限り、「部」は重量基準である。
明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断
らない限り、「部」は重量基準である。
【0063】実施例1 撹拌器、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴
下ロートを備えた5リットルコルベンに、ポリエレチン
樹脂「HW4202E」(三井石油化学社製、酸価17、水酸基価3
0、分子量2600)300部および2-メトキシプロパノール100
部を仕込み、120℃に昇温した。
下ロートを備えた5リットルコルベンに、ポリエレチン
樹脂「HW4202E」(三井石油化学社製、酸価17、水酸基価3
0、分子量2600)300部および2-メトキシプロパノール100
部を仕込み、120℃に昇温した。
【0064】滴下ロートにスチレン300部、アクリル酸
エチル250部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル150部、
アクリル酸ブチル223部、メタクリル酸77部からなるモ
ノマー混合物及び「カヤエステル0」(化薬アクゾ社製パー
オキシド重合開始剤)30部を仕込んだ。温度を120℃に保
持しながら、3時間でモノマー混合物と開始剤を滴下し
た。滴下後、さらに120℃で2時間保持した。
エチル250部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル150部、
アクリル酸ブチル223部、メタクリル酸77部からなるモ
ノマー混合物及び「カヤエステル0」(化薬アクゾ社製パー
オキシド重合開始剤)30部を仕込んだ。温度を120℃に保
持しながら、3時間でモノマー混合物と開始剤を滴下し
た。滴下後、さらに120℃で2時間保持した。
【0065】ジメチルエタノールアミン80部および脱イ
オン水1740部を加え、溶解することにより、不透明で粘
ちょうな樹脂溶液を得た。
オン水1740部を加え、溶解することにより、不透明で粘
ちょうな樹脂溶液を得た。
【0066】得られた樹脂溶液の固形分は40%、固形分
酸価は43、水酸基価は54であった。
酸価は43、水酸基価は54であった。
【0067】このものを脱イオン水を用いてNo.4フォー
ドカッブで30秒に希釈後、40℃で10日間静置後の状態を
目視判定した。希釈直後および貯蔵安定性試験後も均一
な分散が確認された。
ドカッブで30秒に希釈後、40℃で10日間静置後の状態を
目視判定した。希釈直後および貯蔵安定性試験後も均一
な分散が確認された。
【0068】実施例2 撹拌器、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴
下ロートを備えた5リットルコルベンに、ポリエチレン
樹脂「HW320MP」(三井石油化学社製、酸価1、分子量300
0)300部を仕込み、120℃に昇温、融解した。
下ロートを備えた5リットルコルベンに、ポリエチレン
樹脂「HW320MP」(三井石油化学社製、酸価1、分子量300
0)300部を仕込み、120℃に昇温、融解した。
【0069】滴下ロートにアクリル酸エチル250部、メ
タクリル酸2-ヒドロキシエチル120部、アクリル酸メチ
ル300部、アクリル酸2-エチルヘキシル253部、メタクリ
ル酸77部からなるモノマー混合物及び「カヤエステル0」
(化薬アクゾ社製パーオキシド重合開始剤)20部を仕込ん
だ。温度を120℃に保持しながら、3時間でモノマー混
合物と開始剤を滴下した。滴下後、さらに120℃で2時
間保持した。
タクリル酸2-ヒドロキシエチル120部、アクリル酸メチ
ル300部、アクリル酸2-エチルヘキシル253部、メタクリ
ル酸77部からなるモノマー混合物及び「カヤエステル0」
(化薬アクゾ社製パーオキシド重合開始剤)20部を仕込ん
だ。温度を120℃に保持しながら、3時間でモノマー混
合物と開始剤を滴下した。滴下後、さらに120℃で2時
間保持した。
【0070】ジメチルエタノールアミン80部および脱イ
オン水2310部を加え、溶解することにより、不透明で粘
ちょうな樹脂分散体を得た。
オン水2310部を加え、溶解することにより、不透明で粘
ちょうな樹脂分散体を得た。
【0071】得られた分散体の固形分は35% 固形分酸
価は43、水酸基価は54であった。
価は43、水酸基価は54であった。
【0072】このものを脱イオン水を用いてNo.4フォー
ドカッブで30秒に希釈後、40℃で10日間静置後の状態を
目視判定した。希釈直後および貯蔵安定性試験後も均一
な分散が確認された。
ドカッブで30秒に希釈後、40℃で10日間静置後の状態を
目視判定した。希釈直後および貯蔵安定性試験後も均一
な分散が確認された。
【0073】実施例3 撹拌器、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴
下ロートを備えた5リットルコルベンに、酸無水物を含
むポリエレチン樹脂「ダイヤカルナ30」(三井化学社製、
酸無水物モノマー含有量3重量%、分子量9000)300部お
よびキシレン132部を仕込み、90℃に昇温した。
下ロートを備えた5リットルコルベンに、酸無水物を含
むポリエレチン樹脂「ダイヤカルナ30」(三井化学社製、
酸無水物モノマー含有量3重量%、分子量9000)300部お
よびキシレン132部を仕込み、90℃に昇温した。
【0074】滴下ロートにアクリル酸メチル250部、メ
タクリル酸ブチル150部、メタクリル酸ラウリル250部、
アクリル酸2-エチルヘキシル304部、メタクリル酸46部
からなるモノマー混合物及びアゾビスイソブチロニトリ
ル30部を仕込んだ。温度を90℃に保持しながら、3時間
でモノマー混合部と開始剤を滴下した。滴下後、さらに
90℃で2時間保持した。
タクリル酸ブチル150部、メタクリル酸ラウリル250部、
アクリル酸2-エチルヘキシル304部、メタクリル酸46部
からなるモノマー混合物及びアゾビスイソブチロニトリ
ル30部を仕込んだ。温度を90℃に保持しながら、3時間
でモノマー混合部と開始剤を滴下した。滴下後、さらに
90℃で2時間保持した。
【0075】ジメチルエタノールアミン48部および脱イ
オン水1740部を加え、溶解することにより、不透明で粘
ちょうな樹脂溶液を得た。
オン水1740部を加え、溶解することにより、不透明で粘
ちょうな樹脂溶液を得た。
【0076】得られた樹脂溶液の固形分は40% 固形分
酸価は35であった。
酸価は35であった。
【0077】このものを脱イオン水を用いてNo.4フォー
ドカッブで30秒に希釈後、40℃で10日間静置後の状態を
目視判定した。希釈直後および貯蔵安定性試験後も均一
な分散が確認された。
ドカッブで30秒に希釈後、40℃で10日間静置後の状態を
目視判定した。希釈直後および貯蔵安定性試験後も均一
な分散が確認された。
【0078】製造例1 撹拌器、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴
下ロートを備えた5リットルコルベンに、2-メトキシプ
ロパノール400部を仕込み、120℃に昇温した。
下ロートを備えた5リットルコルベンに、2-メトキシプ
ロパノール400部を仕込み、120℃に昇温した。
【0079】滴下ロートに実施例1と同じモノマー混合
物及び開始剤を仕込んだ。温度を120℃に保持しなが
ら、3時間でモノマー混合物と開始剤を滴下した。滴下
後、さらに120℃で2時間保持して、アクリル樹脂を得
た。得られたアクリル樹脂の固形分は71.4、固形分酸価
は50、水酸基価は65であった。
物及び開始剤を仕込んだ。温度を120℃に保持しなが
ら、3時間でモノマー混合物と開始剤を滴下した。滴下
後、さらに120℃で2時間保持して、アクリル樹脂を得
た。得られたアクリル樹脂の固形分は71.4、固形分酸価
は50、水酸基価は65であった。
【0080】比較例1 製造例1で得たアクリル樹脂1400部より、溶剤300部を
減圧留去し、ジメチルエタノールアミン80部および脱イ
オン水1740部を加え、溶解することにより、透明で粘ち
ょうな樹脂溶液を得た。これに撹拌下、液温80℃で実施
例1で用いたポリエチレン樹脂300部を添加したとこ
ろ、ポリエチレン樹脂は油状の液滴を作り、均一に分散
できなかった。
減圧留去し、ジメチルエタノールアミン80部および脱イ
オン水1740部を加え、溶解することにより、透明で粘ち
ょうな樹脂溶液を得た。これに撹拌下、液温80℃で実施
例1で用いたポリエチレン樹脂300部を添加したとこ
ろ、ポリエチレン樹脂は油状の液滴を作り、均一に分散
できなかった。
【0081】実施例4 実施例1で得られた樹脂分散体をNo.4フォードカップを
用いて30秒に希釈後、ドクターブレードを用いて乾燥膜
厚40ミクロンとなるように鉄板上に塗布後、110℃で1
時間乾燥した。得られた塗膜を以下の操作により評価し
た。尚、塗膜の光沢が良好であることは、その透明性及
び平滑性が良好であることを示す。水接触角が大きいこ
とは、その塗膜が撥水性に優れることを示す。また、メ
チルエチルケトン(MEK)スポットテストは、MEKという有
機溶剤に対する塗膜の耐性を検定している。したがっ
て、この試験の結果が良好であること(変化が観察され
ないこと)は、有機溶剤のような化学薬品に対する塗膜
の耐性が良好であることを示す。
用いて30秒に希釈後、ドクターブレードを用いて乾燥膜
厚40ミクロンとなるように鉄板上に塗布後、110℃で1
時間乾燥した。得られた塗膜を以下の操作により評価し
た。尚、塗膜の光沢が良好であることは、その透明性及
び平滑性が良好であることを示す。水接触角が大きいこ
とは、その塗膜が撥水性に優れることを示す。また、メ
チルエチルケトン(MEK)スポットテストは、MEKという有
機溶剤に対する塗膜の耐性を検定している。したがっ
て、この試験の結果が良好であること(変化が観察され
ないこと)は、有機溶剤のような化学薬品に対する塗膜
の耐性が良好であることを示す。
【0082】光沢 樹脂を塗布した鉄板を、デジタル変角光度計「UGV-5K」
(スガ試験機社製)を用い、20゜の反射角で測定した。
(スガ試験機社製)を用い、20゜の反射角で測定した。
【0083】水接触角 樹脂を塗布した鉄板上に純水0.03gを滴下し、液滴を形
成した。この液滴を鉄板の水平方向から観察し、液滴の
断面が塗装面と成す角度を測定した。
成した。この液滴を鉄板の水平方向から観察し、液滴の
断面が塗装面と成す角度を測定した。
【0084】塗膜の光沢(20度グロス)は140、水接触角
は112度であった。
は112度であった。
【0085】MEKスポットテスト 樹脂を塗布した鉄板上にMEK5滴をスポイトから滴下
し、1時間後の変化を目視観察した。
し、1時間後の変化を目視観察した。
【0086】実施例5及び6 樹脂分散体として実施例2及び3で得られたものをそれ
ぞれ用いること以外は実施例4と同様にして塗膜を得、
評価した。得られた結果を表1に示す。
ぞれ用いること以外は実施例4と同様にして塗膜を得、
評価した。得られた結果を表1に示す。
【0087】比較例2 実施例1で用いたポリエチレン樹脂を乳鉢及び乳棒を用
いて粉砕し、200メッシュの荒さを持つ金網で分級し
た。この粉末を鉄板上に塗布後、110℃で1時間乾燥
し、膜厚40ミクロンの塗膜を得た。
いて粉砕し、200メッシュの荒さを持つ金網で分級し
た。この粉末を鉄板上に塗布後、110℃で1時間乾燥
し、膜厚40ミクロンの塗膜を得た。
【0088】得られたポリエチレン樹脂塗膜を実施例4
と同様にして評価した。結果を表1に示す。
と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0089】比較例3 製造例1で得られたアクリル樹脂をNo.4フォードカップ
を用い、2-メトキシプロパノールで30秒に希釈後、バー
コーターを用いて乾燥膜厚40ミクロンとなるように鉄板
上に塗布後、110℃で1時間乾燥した。
を用い、2-メトキシプロパノールで30秒に希釈後、バー
コーターを用いて乾燥膜厚40ミクロンとなるように鉄板
上に塗布後、110℃で1時間乾燥した。
【0090】得られたアクリル樹脂塗膜を実施例4と同
様にして評価した。結果を表1に示す。
様にして評価した。結果を表1に示す。
【0091】
【表1】 実施例4 実施例5 実施例6 比較例2 比較例3樹脂分散体 実施例1 実施例2 実施例3 ホ゜リエチレン樹脂 アクリル樹脂 光沢 145 140 150 12 145 水接触角 105 112 110 120 80 MEKスポット 変化無し 変化無し 変化無し 変化無し 溶解
【0092】
【発明の効果】透明性、平滑性、撥水性及び耐薬品性に
優れる塗膜を形成し、良好な塗装作業性及び分散安定性
を有する水性塗料を実現しうる水分散性樹脂組成物及び
その製造方法が提供された。
優れる塗膜を形成し、良好な塗装作業性及び分散安定性
を有する水性塗料を実現しうる水分散性樹脂組成物及び
その製造方法が提供された。
【図1】 本発明の塗料組成物を用いて形成した多層塗
膜の例を示す断面図である。
膜の例を示す断面図である。
1…多層塗膜、 2…被塗装物、 3…ベース塗膜、 4…クリヤー塗膜。
Claims (13)
- 【請求項1】 (a)ポリオレフィン10〜95重量%;及び
(b)(1)酸基を有するエチレン性不飽和モノマー2〜75重
量%と(2)その他のエチレン性不飽和モノマー25〜98重
量%とからなるモノマー混合物5〜90重量%;を含有す
る出発混合物を、重合開始剤の存在下にラジカル重合す
る工程、及び得られる酸基含有樹脂組成物を、中和剤を
加えることにより中和する工程、を包含する水分散性樹
脂組成物の製造方法。 - 【請求項2】 前記ラジカル重合が有機溶剤の存在下で
行われる請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記モノマー混合物が、モノマー混合物
を基準にして2〜50重量%のアミド基を有するエチレン
性不飽和モノマーをその他のエチレン性不飽和モノマー
として含有する請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 前記モノマー混合物が、(1)カルボキシ
ル基を有するエチレン性不飽和モノマー4〜75重量%
と、(2)その他のエチレン性不飽和モノマー25〜96重量
%とからなる請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 前記ポリオレフィンの数平均分子量が10
00〜20000である請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 前記ポリオレフィンの酸無水物基価が1
〜100である請求項1記載の方法。 - 【請求項7】 前記ポリオレフィンの酸価が1〜50であ
る請求項1記載の方法。 - 【請求項8】 前記ポリオレフィンの水酸基価が10〜10
0である請求項1記載の方法。 - 【請求項9】 請求項1記載の方法により得られる水分
散性樹脂組成物。 - 【請求項10】 請求項9記載の水分散性樹脂組成物と
水性媒体とを含む水性樹脂分散体。 - 【請求項11】 請求項10記載の水性樹脂分散体と硬化
剤とを含む水性塗料組成物。 - 【請求項12】 さらに顔料を含む請求項11記載の水性
塗料組成物。 - 【請求項13】 ベース塗料を塗布した後、これを硬化
させずにクリヤー塗料を重ね塗りし、ベース塗料とクリ
ヤー塗料とを合わせて硬化させる2コート/1ベーク塗装
方法において、該ベース塗料が請求項7記載の塗料組成
物である方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32698295A JPH09165489A (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 水分散性樹脂組成物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32698295A JPH09165489A (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 水分散性樹脂組成物およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09165489A true JPH09165489A (ja) | 1997-06-24 |
Family
ID=18193985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32698295A Pending JPH09165489A (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 水分散性樹脂組成物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09165489A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004307848A (ja) * | 2003-03-26 | 2004-11-04 | Mitsui Chemicals Inc | 水性樹脂組成物 |
WO2004101679A1 (ja) * | 2003-05-13 | 2004-11-25 | Mitsui Chemicals, Inc. | 複合樹脂の溶媒分散体及びその用途 |
WO2008126510A1 (ja) | 2007-03-28 | 2008-10-23 | Fujikura Kasei Co., Ltd. | 水性塗料用樹脂組成物およびその製造方法並びに水性塗料 |
JP2011016928A (ja) * | 2009-07-09 | 2011-01-27 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 水性分散液 |
WO2012002094A1 (ja) * | 2010-06-28 | 2012-01-05 | 共栄社化学株式会社 | 光輝顔料の配向性改良剤 |
JP2020196848A (ja) * | 2019-06-05 | 2020-12-10 | 学校法人福岡大学 | 成形体形成用液体組成物、並びに、成形体及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-12-15 JP JP32698295A patent/JPH09165489A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004307848A (ja) * | 2003-03-26 | 2004-11-04 | Mitsui Chemicals Inc | 水性樹脂組成物 |
US7879950B2 (en) | 2003-05-13 | 2011-02-01 | Mitsui Chemicals, Inc. | Solvent dispersion of composite resin and uses thereof |
WO2004101679A1 (ja) * | 2003-05-13 | 2004-11-25 | Mitsui Chemicals, Inc. | 複合樹脂の溶媒分散体及びその用途 |
JPWO2004101679A1 (ja) * | 2003-05-13 | 2006-07-13 | 三井化学株式会社 | 複合樹脂の溶媒分散体及びその用途 |
US8507603B2 (en) | 2003-05-13 | 2013-08-13 | Mitsui Chemicals, Inc. | Solvent dispersion of composite resin and uses thereof |
JP5014579B2 (ja) * | 2003-05-13 | 2012-08-29 | 三井化学株式会社 | 複合樹脂の溶媒分散体及びその用途 |
WO2008126510A1 (ja) | 2007-03-28 | 2008-10-23 | Fujikura Kasei Co., Ltd. | 水性塗料用樹脂組成物およびその製造方法並びに水性塗料 |
JPWO2008126510A1 (ja) * | 2007-03-28 | 2010-07-22 | 藤倉化成株式会社 | 水性塗料用樹脂組成物およびその製造方法並びに水性塗料 |
US9029466B2 (en) | 2007-03-28 | 2015-05-12 | Fujikura Kasei Co., Ltd. | Resin composition for aqueous coating material, method for producing the same, and aqueous coating material |
JP2011016928A (ja) * | 2009-07-09 | 2011-01-27 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 水性分散液 |
WO2012002094A1 (ja) * | 2010-06-28 | 2012-01-05 | 共栄社化学株式会社 | 光輝顔料の配向性改良剤 |
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