JP4000573B2 - 耐ハジキ性に優れているカチオン電着塗料組成物 - Google Patents

耐ハジキ性に優れているカチオン電着塗料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカチオン電着塗料組成物に関し、より具体的には耐ハジキ性、およびPVCシーラー及び上塗り塗膜との密着性に優れたカチオン電着塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カチオン電着塗料は高い防錆性を示すため、自動車ボディーの下塗り塗装を始めとして広く工業的に利用されている。しかしながら硬化した後の塗膜の表面に欠陥、特にハジキと呼ばれるクレーターが生じることがしばしば認められる。クレーターは塗料中に含まれる低表面張力の有機化合物や顔料中の不純物または焼付け過程における炉内のほこりや車体の合わせ目等から飛散した油等が核となり発生するものと考えられている。このためこれまで塗膜中の顔料/樹脂比率増加、バインダー樹脂の高分子量化などにより焼付時の塗膜のフロー性を低く抑える方策が取られて来たが同時に塗膜の平滑性が損なわれてしまうという欠点があった。これまでハジキ防止を目的として多くの添加剤が報告されている。特開平2−4826にはポリオキシアルキレンポリアミンを利用した添加剤が記載されている。特開平6−184471にはフッ素含有コポリマーが記載されている。これらの材料はハジキ防止の効果を十分に発現させた場合、電着塗膜表面に塗布されるPVCシーラーや上塗り塗膜との密着性が損なわれてしまうという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これまでの方策はハジキ防止効果において必ずしも満足ではなく、耐ハジキ効果を満足させようとするとPVCシーラーや上塗り塗膜との密着性が低下するなどの不都合が見られた。そこで本発明の目的は、耐ハジキ効果においてすぐれ、同時にPVCシーラーや上塗り塗膜との密着性にすぐれているカチオン電着塗料組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハジキ防止剤としてここに規定する、酸価1〜50のカルボキシル基含有アクリル樹脂を使用する。従って、本発明は、電着可能なカチオン性フィルム形成樹脂とその硬化剤を含んでいるカチオン電着塗料組成物において、ハジキ防止剤として、1000乃至50000の範囲の数平均分子量を有する、カルボキシル基を含有し酸価1乃至50のアクリル樹脂を、固形分として該組成物全体の樹脂固形分の1乃至20重量%に相当する量で含んでいることを特徴とするカチオン電着塗料組成物である。
【0005】
A.カルボキシル基含有アクリル樹脂
アクリル樹脂中へのカルボキシル基の導入方法としては、カルボキシル基を含有するモノマーをカルボキシル基を含有しないモノマーと共重合させることによってポリマー鎖中にランダムに導入する方法、水酸基を有するモノマーとカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーとの重合体と酸無水物とのハーフエステル化反応によってカルボキシル基を導入する方法、そして分子内にカルボキシル基を有する重合開始剤を用いてアクリル樹脂を合成することによって分子の末端にカルボキシル基を導入する方法等がある。以下、それぞれを共重合法、開環法、そして重合開始剤法として説明する。
【0006】
(1)共重合法
共重合させるためのカルボキシル基を含有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびイタコン酸等が挙げられる。
【0007】
一方、カルボキシル基を含有しないモノマーとしては、カルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーを使用することができる。カルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーとしては例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のアクリルモノマー、及びスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等の非アクリルモノマーを挙げることができる。
【0008】
また、カルボキシル基を含有しないモノマーとして、上記のカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーは必須であるが、これに加えて水酸基を含有するアクリルモノマーを併用することができる。水酸基を含有するモノマーとしては例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、そしてヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンとの反応生成物又はヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートと六員環カーボネートとの反応生成物等を挙げることができる。
【0009】
重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオクテート等の有機過酸化物またはアゾビスイソブチロニトリル、アゾイソ酪酸ニトリル等のアゾ化合物等を使用することができる。重合開始剤は一種類でもよいし、二以上の複数のものを適宜組み合わせて使用してもよい。重合開始剤の量はモノマー混合物に対して0.1〜15重量%が好ましい。
【0010】
(2)開環法
水酸基を有するモノマーとカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーとの重合体と酸無水物との開環反応を使用する。
【0011】
水酸基を有するモノマーはさまざまなものが使用できるが、例えば、(1)共重合法において既に説明した水酸基を含有するモノマーを使用することができる。この場合、水酸基を含有するモノマーのみではなく、カルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーを併用する。このカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーもさまざまなものが使用できるが、例えば、(1)共重合法において既に説明したカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーを使用することができる。
【0012】
酸無水物としては、無水フタル酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、無水マレイン酸等が使用できる。
【0013】
(3)重合開始剤法
分子内にカルボキシル基を有する重合開始剤としては、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、7,7’−アゾビス(7−シアノカプリル酸)、6,6’−アゾビス(6−シアノ−6−シクロヘキシルカプロン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)、2,2’−アゾビス(2−エチル−4−メトキシ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−ベンジルプロピオン酸)等が挙げられる。また、これらカルボキシル基を有する重合開始剤とチオグリコール酸等のような分子内にカルボキシル基を有する連鎖移動剤を使用すれば、より効果的に末端にカルボキシル基を導入することができる。
【0014】
これらのカルボキシル基を有する重合開始剤はアミンで中和して使用するのが好ましく、特に第三アミンとともに使用することが好ましい。第三アミンとしては、ピリジン、イソキノリン、キノリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、α−ピコリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルモルホリン、N−エチル−3,5−ジメチルモルホリン等が使用できる。
【0015】
重合開始剤は一種類でもよいし、二以上の複数のものを適宜組み合わせて使用してもよい。重合開始剤の量はモノマー混合物に対して0.1〜15重量%が好ましい。
【0016】
用いるモノマーとしては、特に制限はないが、カルボキシル基も水酸基も含有しないモノマー、例えば(1)共重合法において既に説明したカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーを使用することができる。また、必須のカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーに加えて任意に水酸基を含有するモノマー、例えば(1)共重合法において既に説明した水酸基を含有するアクリルモノマーを併用することができる。また、前記のカルボキシルを有する重合開始剤を用いる方法で用いるモノマーとしては、前述したカルボキシル基を含有するモノマーを所定の酸価となるように使用することができる。
【0017】
上記の(1)〜(3)の3つのいずれかの方法は、このうち2つを組み合わせて、または3つの方法全てを用いて所定の酸価となるようにアクリル樹脂を合成してもよい。
【0018】
上記の(1)〜(3)の3つのいずれの方法においても、反応において溶剤を使用することができる。反応に用いる溶剤としては、トルエン、キシレン等のような芳香族系炭化水素、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のようなケトン類等の、実施される反応を阻害しない溶媒であればよい。溶剤は一種類または複数を組み合わせた混合物のいずれで使用されてもよい。
【0019】
上記の(1)〜(3)の3つのいずれの方法においても、反応温度は50°C〜170°Cが好ましく、さらに好ましくは80°C〜150°Cである。
【0020】
カルボキシル基含有アクリル樹脂は1000乃至50000の数平均分子量を有するのが好ましい。分子量があまり小さいとクレーターの発生抑制効果が不十分であり、一方大きすぎると塗膜表面の平滑性が損なわれるが、この範囲でそれらが満足にバランスする。分子量の調節は反応条件によって行うことができるが、ドデシルメルカプタンやチオグリコール酸2−エチルヘキシル等の連鎖移動剤を使用して行うこともできる。
【0021】
カルボキシル基含有アクリル樹脂の酸価は1〜50が好ましい。さらに好ましくは3〜20とする方が良い。酸価があまり小さいと密着性が不十分であり、一方大きすぎると塗膜の耐水性、耐食性に悪影響を及ぼしたり、塗膜の平滑性を著しく損なったりするが、この範囲でそれらが満足にバランスする。
【0022】
B.塗料組成物
塗料組成物はカルボキシル基含有アクリル樹脂以外にバインダー樹脂、硬化剤および顔料等を含む。
(1)バインダー樹脂
バインダー樹脂はアミン化エポキシ樹脂またはアミン化ポリブタジエンの他、カチオン性のポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が使用できるが、特にアミン化エポキシ樹脂が好ましい。アミン化エポキシ樹脂はエポキシ樹脂と一級及び/または二級アミンとを反応させることによって得られる。使用されるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のようなポリフェノールのポリグリシジルエーテルの他に複素環含有エポキシ樹脂および脂肪族エポキシ樹脂等である。また、アミンを反応させる前に、エポキシ基の一部を予めアルコール類、フェノール類、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアミド、ポリウレタン等の活性水素化合物と反応させておくこともできる。
【0023】
(2)硬化剤
バインダー樹脂に応じた必要な硬化剤を配合することができる。硬化剤の例としては、ブロックイソシアネートやエーテル化メラミン樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂に対する硬化剤の配合量は固形分で10〜40重量%の範囲が好ましい。
【0024】
(3)顔料
顔料としては、酸化チタン、カーボン等の着色顔料、クレー、シリカ、タルク等の体質顔料、塩基性珪酸鉛、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート等の防錆顔料等を使用することができ、顔料分散液として添加することが好ましい。
【0025】
(4)カルボキシル基含有アクリル樹脂
カルボキシル基含有アクリル樹脂の量は、固形分としてカチオン電着塗料全体の樹脂固形分の1〜20重量%であることが好ましい。カルボキシル基含有アクリル樹脂があまり少ないとクレーターの発生抑制効果が不十分であり、一方多すぎると塗膜の耐水性、耐食性に悪影響を及ぼしたり、塗膜の平滑性を損なったりするが、この範囲でそれらが満足にバランスする。
【0026】
塗料の調製は、上記の各成分を適宜配合してなされる。バインダー樹脂は酸中和により水溶化または水中に分散される。カルボキシル基含有アクリル樹脂は、バインダー樹脂を水溶化または水中分散する前にあらかじめバインダー樹脂中に混合しても、また水溶化または水中分散の途中で加えてもよい。この酸中和には、酢酸、乳酸、蟻酸等が使用される。該塗料中の固形分濃度は10〜30重量%が好ましい。また、該塗料中のpHは5.0〜9.0が好ましい。
【0027】
水性媒体は水か、または水と水混和性有機溶剤との混合物である。必要に応じ水性媒体は水不混和性有機溶剤を含んでいてもよい。水混和性有機溶剤の例には、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、メチルエチルケトンなどがある。また、水不混和性有機溶剤の例には、キシレン、トルエン、メチルイソブチルケトン、2−エチルヘキサノールなどがある。
【0028】
本発明の塗料組成物は、塗料の不揮発分を10〜30%程度に調節し、好ましくはリン酸亜鉛またはクロメート処理した鋼板に、浴温15〜35℃,負荷電圧100〜400Vの条件で被塗物を陰極として乾燥膜厚10〜50μm,好ましくは20〜40μmに電着し、その後100〜200℃,好ましくは140〜180℃にて10〜30分間焼付けし、ハジキのないPVCシーラーや上塗り密着性にすぐれた硬化塗膜を得ることができる。
【0029】
【実施例】
本発明をこれから実施例によって例示して詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
以下の製造例、実施例および比較例において部および%は特別に断らない限り重量基準による。
【0031】
製造例1
攪拌器、温度計、デカンター、還流冷却器、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器にブチルセロソルブ1050部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ120°Cに昇温し、メタクリル酸メチル347部、アクリル酸−n−ブチル258部およびメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル394部の混合物およびアゾビスシアノ吉草酸15部を含む水溶液を3時間かけて等速滴下した。滴下終了後3時間さらに120°Cで反応後冷却しカチオン電着塗料用クレーター防止剤(カルボキシル基含有アクリル樹脂)を得た。得られた樹脂は不揮発分50%で数平均分子量8000および酸価5であった。
【0032】
製造例2〜5および比較製造例1
製造例1と同様の方法により表1に示す配合割合でカチオン電着塗料用クレーター防止剤(カルボキシル基含有アクリル樹脂)を得た。
【0033】
製造例6(顔料ペーストの製造)
エポキシ系4級アンモニウム塩型顔料分散樹脂(固形分50%)19.1部、二酸化チタン30.4部、カオリン14.0部、塩基性珪酸鉛1.4部、カーボンブラック0.9部、イオン交換水34.3部の混合物をサンドグラインドミルで分散し、粒度10μm以下まで粉砕した顔料ペースト(固形分56%)を調製した。
【0034】
製造例7(ポリウレタン架橋剤の調製)
攪拌装置、温度計、冷却管および窒素導入管を備えた反応容器にヘキサメチレンジイソシアネート840部を入れ、メチルイソブチルケトン609部で希釈した後ジブチルスズジラウレート0.9部を加え、50°Cに昇温後、トリメチロールプロパン223.5部を樹脂温度が60°Cを超えないように徐々に加えた。次いでメチルエチルケトオキシム435部を樹脂温度が70°Cを超えないように加えた。赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基の吸収が実質上消滅するまで70°Cで1時間保持し、その後、n−ブタノール32部で希釈した。
【0035】
実施例1
攪拌装置、窒素導入管、冷却管および温度計を備えた反応容器にエポキシ当量(以下、「EE」という。)が950のビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製エポトートYD−014)950部をメチルイソブチルケトン237.5部と共に100°Cに加熱し完全に溶解させた。次いで、N−メチルエタノールアミン60部、ジエチレントリアミンのメチルイソブチルジケチミン73%メチルイソブチルケトン溶液73部を添加しこの混合物を120°Cで1時間保温しカチオン性樹脂を得た。このカチオン性樹脂1320部に、製造例7のポリウレタン架橋剤570部、製造例1のクレーター防止剤90部、エチレングリコールモノヘキシルエーテル100部を混合し、氷酢酸34部、イオン交換水479部の混合液中に加え十分攪拌した後、さらにイオン交換水2215部をゆっくりと加えた。次いで、これを固形分36%になるまで減圧下で有機溶媒を除去しメインエマルションを得た。イオン交換水2016部、メインエマルション1556部、製造例6の顔料ペースト429部を混合し、カチオン電着塗料を得た。
【0036】
得られたカチオン電着塗料は、りん酸亜鉛処理鋼板に対して焼付け後の膜厚が20μmになるように電着塗装し、160°Cで15分間焼付けを行った。得られた電着塗装鋼板は目視にてクレーターの評価を行った後、PVCシーラー(日本特殊塗料社製 商品名「シールトップ」)を3mmの厚さで塗布し、150°Cで25分間焼付けを行った。接着性は電着塗膜からPVCシーラーを負荷をかけて剥離させた時の状態により判断した。接着性の評価は○、△および×の3段階で行った。それぞれの評価基準は以下の通りである。
○:電着塗膜からの剥離は起こらず、PVCシーラーが凝集破壊する。
△:剥離されるが電着塗膜上にPVCシーラーが一部残る。
×:容易に剥離し、PVCシーラーが電着塗膜上に全く残らない。
得られた試験結果を表2に示す。
【0037】
実施例2〜5および比較例1
クレーター防止剤の種類を変更した他は実施例1と同様の方法によりカチオン電着塗料を製造し、同様の試験を行った。実施例2〜5について得られた試験結果を表2に示し、比較例1について得られた試験結果を表3に示す。
【0038】
実施例6
クレーター防止剤の量を90部から540部に変更し、エチレングリコールモノヘキシルエーテルの量を100部から20部に変更した他は実施例1と同様の方法によりカチオン電着塗料を製造し、同様の試験を行った。得られた試験結果を表2に示す。
【0039】
比較例2
クレーター防止剤を加えない他は実施例1と同様の方法によりカチオン電着塗料を製造し、同様の試験を行った。得られた試験結果を表3に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004000573
Figure 0004000573
【0041】
【表2】
Figure 0004000573
【0042】
【表3】
Figure 0004000573

Claims (10)

  1. 電着可能なカチオン性フィルム形成樹脂とその硬化剤を含んでいるカチオン電着塗料組成物において、ハジキ防止剤として、1000乃至50000の範囲の数平均分子量を有する、カルボキシル基を含有しカルボキシル基以外のイオン性基を含有しない酸価3乃至20のアクリル樹脂を、固形分として該組成物全体の樹脂固形分の1乃至20重量%に相当する量で含んでいることを特徴とするカチオン電着塗料組成物。
  2. 該アクリル樹脂が、カルボキシル基を含有するモノマーとカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーとの共重合、またはカルボキシル基を含有するモノマーと水酸基を含有するモノマーとカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーとの共重合によって製造されるものである、請求項1に記載のカチオン電着塗料組成物。
  3. 該アクリル樹脂が、水酸基を含有するモノマーとカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーとの重合体と酸無水物を反応させたものである、請求項1に記載のカチオン電着塗料組成物。
  4. 該アクリル樹脂が、カルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーをカルボキシル基を含有する重合開始剤を用いて重合したもの、またはカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーと水酸基を含有するモノマーとをカルボキシル基を含有する重合開始剤を用いて重合したものである、請求項1に記載のカチオン電着塗料組成物。
  5. 該アクリル樹脂が、(A)カルボキシル基を含有するモノマーとカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーとを共重合させる方法、またはカルボキシル基を含有するモノマーと水酸基を含有するモノマーとカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーとを共重合させる方法、(B)水酸基を含有するモノマーとカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーとの重合体と酸無水物を反応させる方法、そして(C)カルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーをカルボキシル基を含有する重合開始剤を用いて重合させる方法、またはカルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーと水酸基を含有するモノマーとをカルボキシル基を含有する重合開始剤を用いて重合させる方法、のうち(A)と(B)、(A)と(C)、(B)と(C)、または(A)と(B)と(C)のいずれかの組み合わせられた方法によって製造されるものである、請求項1に記載のカチオン電着塗料組成物。
  6. 該カルボキシル基を含有するモノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、そしてイタコン酸よりなる群より選ばれる、請求項2または5に記載のカチオン電着塗料組成物。
  7. 該水酸基を含有するモノマーが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、そしてヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンとの反応生成物またはヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートと六員環カーボネートとの反応生成物よりなる群より選ばれるものである、請求項2乃至6のいずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
  8. 該カルボキシル基も水酸基も含有しないモノマーが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ヘキシルブチルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルオキシブチル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレートよりなる群より選ばれるものである、請求項2乃至7のいずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
  9. 該酸無水物が、無水フタル酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、無水マレイン酸よりなる群より選ばれるものである、請求項3、7および8のいずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
  10. 該カルボキシル基を含有する重合開始剤が、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、7,7’−アゾビス(7−シアノカプリル酸)、6,6’−アゾビス(6−シアノ−6−シクロヘキシルカプロン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)、2,2’−アゾビス(2−エチル−4−メトキシ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−ベンジルプロピオン酸)よりなる群より選ばれるものである、請求項4、7および8のいずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
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