JP4346137B2 - アニオン系熱硬化型電着塗料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なアニオン系熱硬化型電着塗料に係わる。
【0002】
【従来の技術】
現在、陽極酸化処理したアルミサッシ等の被塗物にはワンコ−トで仕上がり性の良いアニオン系熱硬化型電着塗料が塗装されている。
【0003】
上記電着塗料の塗装方法として、被塗物が電着塗料浴中で電着塗装され、次いで浴中から引き上げられた時に電着塗装物の析出塗膜に余分な塗料(塗液)が付着してくるために、この塗液をセッテング(ノンリンス)や水洗(上水やRO透過水等)(リンス)により除去した後、焼き付ける電着塗装方法が知られている。
【0004】
しかしながら、上記したノンリンス型電着塗装方法においては、析出塗膜に付着した塗液がセッテング中や焼き付け中にスジ状(ストライプ状)になって流れ落ちて塗膜外観を悪くするといった問題点があった。また、リンス型電着塗装方法においても、析出塗膜に付着した水洗水の乾き方が不均一となり、このためにセッテング中や焼き付け中にスジ状(ストライプ状)になったり、乾燥部と不乾燥部との光沢が変化したりするので塗膜外観(乾きムラ、光沢不均一、平滑性等)が悪くなるといった問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来からのアニオン系熱硬化型電着塗料の塗膜仕上がり外観を改善したアニオン系熱硬化型電着塗料の開発を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記した問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、従来からのアニオン系熱硬化型電着塗料において中和剤として特定の中和剤を使用することにより仕上がり外観に優れた塗膜を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、水酸基及びカルボキシル基含有樹脂、架橋剤、塩基性中和剤、水を必須成分として含有するアニオン系熱硬化型電着塗料において、塩基性中和剤の配合量が中和当量で0.1〜2.0の範囲であって、かつ該中和剤として該中和剤中に沸点が130〜180℃の範囲のアルカノールアミンを50重量%以上含有することを特徴とするアニオン系熱硬化型電着塗料
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明でいう塩基性中和剤は、塩基性中和剤の配合量が水酸基及びカルボキシル基含有樹脂に対して中和当量で0.1〜2.0の範囲であって、かつ該中和剤として該中和剤中に沸点が130〜180℃、好ましくは155℃〜170℃の範囲のアルカノールアミンを50重量%以上含有する。該中和当量が0.1未満になると樹脂の水分散化が悪くなり塗料の貯蔵安定性が悪くなり、一方2.0を超えると高塗装電圧、塗膜変色、塗膜性能などが低下する。中和剤の沸点が130℃未満になるとセッテング中に乾燥し易くなるため耐乾きムラ、耐塗液ヨリムラ(ストライプ)等の塗膜外観が悪くなり、一方180℃を超えると塗膜変色、塗膜性能などが低下する。上記した沸点を有するアルカノールアミンの配合量は使用する中和剤中に50重量%以上含有するものであるが、このものが50重量%未満になると上記した効果が得られない。
【0009】
また、塩基性中和剤として、更に好ましくは塩基強度(PKa、なお、PKaは塩基の電離定数Kaの逆数の対数を示す)が9.5〜10.7、好ましくは9.8〜10.5の範囲でかつ溶解性パラメーター(SP)が8.0〜11.5、好ましくは9.0〜11.0の範囲のものがよい。塩基性強度が9.5未満では配合量が多くなるため耐酸性等の塗膜性能が悪くなり、一方10.7を超えると塗膜の再溶解性(通電後の電着浴塗料による塗膜の溶解性)、耐ストライプ性、平滑性、光沢等が悪くなるので好ましくない。また、溶解性パラメーターが8.0未満になると耐乾きムラ、耐ストライプ性、光沢等が低下し、一方11.0を超えると塗膜の耐再溶解性、耐ストライプ性、平滑性、光沢等が悪くなるので好ましくない。
【0010】
上記した好ましい塩基性中和剤としては、特に2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが好ましく、更に2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールが好ましい。
【0011】
また、上記した好ましいものと組み合わせて使用できるその他の塩基性中和剤としては、例えばアンモニア;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−またはジ−iso −プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどのポリアミンを挙げることができる。
【0012】
本発明でいうアニオン系熱硬化型電着塗料は、ごく一般的に知られているものであって、骨格中にカルボキシル基と水酸基を含有する水性基体樹脂とアミノ樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物などの架橋剤をビヒクル成分を、上記塩基性中和剤で中和後水分散させてなるものである。
【0013】
上記した水性基体樹脂としては、例えば、ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、シリコ−ン樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は1種もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中でも、下記のビニル系共重合体を使用することが好ましい。
【0014】
ビニル系共重合体しては、水酸基含有ビニル系モノマ−、エチレン性不飽和カルボン酸及び必要に応じてその他の不飽和モノマ−をラジカル共重合反応させてなるビニル系共重合体が挙げられる。
【0015】
これらのモノマ−成分としては、下記のものを挙げることができる。
【0016】
(1)水酸基含有ビニル系モノマ−類:例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、(ポリ)エチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、(ポリ)プロピレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチルビニルエ−テル、(メタ)アリルアルコ−ル、及び上記した水酸基含有ビニル系モノマ−類とβ−プロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−ラウリロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン等のラクトン類化合物との反応物等、商品名としては、プラクセルFM1(ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)、プラクセルFM2(同左)、プラクセルFM3(同左)、プラクセルFA−1(同左)、プラクセルFA2(同左)、プラクセルFA3(同左)等。
【0017】
(2)エチレン性不飽和カルボン酸類:例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、プラクセルFM1A(以下、ダイセル化学社製、カプロラクトン変性カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマ−、商品名)、プラクセルFM4A、プラクセルFM10A等。
【0018】
(3)その他の不飽和モノマ−類:例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルキル又はシクロアルキルエステル類、スチレンなどの芳香族ビニルモノマ−類、(メタ)アクリル酸アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド及びその誘導体類、(メタ)アクリロニトリル化合物類等、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有ビニル系モノマ−類。
【0019】
これらのモノマ−の配合割合において、上記水酸基含有モノマ−類は、共重合体の水酸基価が約30〜300mgKOH/gの範囲に入るように配合すればよいが、上記モノマ−類の総モノマ−量換算で水酸基含有モノマ−類が約3〜40重量%、好ましくは約5〜30重量%の範囲である。
【0020】
また、上記エチレン性不飽和カルボン酸は、共重合体の酸価が約10〜200mgKOH/gの範囲に入るように配合すればよいが、上記モノマ−類の総モノマ−量に対してエチレン性不飽和カルボン酸が約3〜30重量%、好ましくは約4〜20重量%の範囲である。
【0021】
その他の不飽和モノマ−類としては、(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルキル又はシクロアルキルエステル類及びスチレンなどの芳香族ビニルモノマ−類を使用することが好ましい。該モノマ−類の配合量は上記モノマ−類の総モノマ−量に対して約37〜95重量%、好ましくは約60〜91重量%の範囲である。
【0022】
ラジカル共重合反応させる方法としては、従来から公知の溶液重合方法等で行うことができる。
【0023】
架橋剤としては、例えばメラミン樹脂のメチロール基の一部もしくは全部がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチルアルコール、2ーエチルヘキシルアルコール等の1種もしくは2種以上の1価アルコールで変性されたものを使用することができる。メラミン樹脂は1核体〜多(約2〜5)核体のものが50重量%以上を占めるものが好ましい。また、メラミン樹脂中にはイミノ基、メチロール基等のその他の官能基を含んでも良い。また、艶消し電着塗料としては、C3以上の1価アルコール、特にC4〜C18の1価アルコールで変性されたエーテル基がトリアジン環1核当たり平均約2.0個以上、特に2.0〜5.0個含有することが好ましい。
【0024】
また、ブロックポリイソシアネート架橋剤としては、例えばイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の「脂肪族や脂環族のポリイソシアネート化合物にε−カプロラクトン等のラクトン類やメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類やメチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム等のオキシム類でブロック化したものを使用することができる。
【0025】
本発明塗料において、上記水性基体樹脂と架橋剤との配合割合は両者の総合計量固形分換算で、水性基体樹脂が40〜85重量%、好ましくは50〜80重量%の範囲であり、架橋剤は15〜60重量%、好ましくは20〜50重量%の範囲である。水性基体樹脂の配合割合が40重量%を下回り、そして架橋剤が60重量%を上回ると耐候性、加工性等の塗膜性能が悪くなり、一方、水性基体樹脂の配合割合が85重量%を上回り、そして架橋剤が15重量%を下回ると耐候性、耐擦り傷性、加工性等の塗膜性能が悪くなるので好ましくない。
【0026】
本発明塗料には、必要に応じて有機溶剤、顔料、染料、流動性調整剤等を配合することができる。
【0027】
本発明塗料は、建浴塗料、補給塗料及びライン塗料のいずれのタイプの塗料であっても構わない。
【0028】
本発明塗料は艶有り及び艶消し塗料として使用し、下記したノンリンス又はリンスの塗装方法により塗膜を形成することができる。 艶有り塗料を使用してノンリンス又はリンスにより塗膜を形成させた場合には乾きムラ、垂れスジムラ等の塗装欠陥がなく、平滑性に優れた塗膜が形成できる。
【0029】
艶消し塗料を使用してリンスにより塗膜を形成させた場合には、上記と同様の乾きムラ、垂れスジムラ等の塗装欠陥がなく、平滑性に優れた塗膜が形成できる。
【0030】
本発明塗料は、特に着色もしくは無着色陽極酸化アルミニウム材を使用するアルミニウム建材分野に適用することが好ましい。
【0031】
本発明塗料は、上記で得られたアニオン系熱硬化型電着塗料を電着塗料浴とし、この浴中に該アルミニウム材を浸漬した後、乾燥膜厚が約5〜30ミクロンになるようにアニオン電着塗装を行い、水洗を行わず(ノンリンス)にもしくは水洗(リンス)を行い、次いで室温でセッテングした後、焼付け(例えば、約160〜200℃で約20〜40分間)により塗膜を形成することができる。
【0032】
【実施例】
本発明について、実施例を掲げて詳細に説明する。本発明は提供した実施例に限定されるものではない。
【0033】
アクリル系共重合体(a)の製造例
反応容器中にイソプロピルアルコ−ルを70gを仕込み80℃に保持した中へスチレン10g、メチルメタクリレ−ト31g、n−ブチルアクリレ−ト10g、エチルアクリレ−ト30g、2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト12g、アクリル酸7g、及びアゾビスジメチルバレロニトリル2gの混合物を3時間かけて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル1gを添加し、80℃で1時間保持して反応い共重合体(a)ワニスを製造した。該共重合体は、重量平均分子量約2万、酸価55mgKOH/g、水酸基価58mgKOH/gであった。この共重合体(a)は艶有り電着塗料に使用される。
【0034】
アクリル系共重合体(b)の製造例
反応容器中にイソプロピルアルコ−ルを70gを仕込み80℃に保持した中へスチレン10g、メチルメタクリレ−ト24g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン7g、n−ブチルアクリレ−ト10g、エチルアクリレ−ト30g、2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト12g、アクリル酸7g、及びアゾビスジメチルバレロニトリル2gの混合物を3時間かけて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル1gを添加し、80℃で1時間保持して反応い共重合体(b)ワニスを製造した。該共重合体は、重量平均分子量約2.5万、酸価55mgKOH/g、水酸基価58mgKOH/gであった。この共重合体(b)は艶消し電着塗料に使用される。
【0035】
実施例1
上記共重合体(a)7Kg(固形分量)に共重合体(a)のカルボキシル基に対して0.4当量の2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール(沸点160℃、PKa10.20、SP9.05、以上アンガス・ケミカル社製の技術文献データー)を配合した後、混合分散し、次いでこのものに、ニカラックMX600(三和ケミカル株式会社製、商品名、ブトキシ化メラミン樹脂)3kg混合分散した後、攪拌を行いながら脱イオン水を徐々に滴下し、更にPHが8.0になるようにトリエチルアミンを添加して固形分10重量%の実施例1の艶有り電着塗料を製造した。次いで該塗料を30℃で7日間解放攪拌して塗料のエイジングを行った。該エイジングはランニングが進行したライン塗料を想定して製造したものである。エイジングによって、揮発した水及びイソプロパノールを追加すると共に、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(沸点272℃、溶解度0.3)を添加した。
【0036】
実施例2
実施例1において、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールを2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(沸点165℃、PKa9.82、SP10.91、以上アンガス・ケミカル社製の技術文献データー)に同量置き換えた代えた以外は実施例1と同様にして実施例2のクリヤー艶有り電着塗料を製造した。
【0037】
実施例3
実施例1において、共重合体(a)を共重合体(b)に、及びニカラックMX−600をニカラックMX−430(三和ケミカル株式会社製、商品名、メラミン核1個当たりメチル基約3個、ブチル基約3個、1核体の量は約57%)を同量使用した以外は実施例1と同様にして実施例3の固形分10重量%の艶消しクリヤー塗料を得た。
【0038】
実施例4
実施例3において、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールを2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールに同量置き換えた以外は実施例3と同様にして実施例4のクリヤー艶消し電着塗料を製造した。
【0039】
比較例1
実施例1において、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールをトリエチルアミン(沸点89℃、PKa10.78、SP7.46、以上ユニオン・カーバイト社製の技術文献データー)を同量置き換えた以外は実施例1と同様にして比較例1のクリヤー艶有り電着塗料を製造した。
【0040】
比較例2
実施例1において、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールをN,N−ジメチルエタノールアミン(沸点135℃、PKa9.31、SP9.78、以上ユニオン・カーバイト社製の技術文献データー)に同量置き換えた以外は実施例1と同様にして比較例2のクリヤー艶有り電着塗料を製造した。
【0041】
比較例3
実施例3において、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールをトリエチルアミン(沸点89℃、PKa10.78、SP7.46、以上ユニオン・カーバイト社製の技術文献データー)を同量置き換えた以外は実施例3と同様にして比較例3のクリヤー艶消し電着塗料を製造した。
【0042】
比較例4
実施例4において、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールをN,N−ジメチルエタノールアミン(沸点135℃、PKa9.31、SP9.78、以上ユニオン・カーバイト社製の技術文献データー)に同量置き換えた以外は実施例4と同様にして比較例1のクリヤー艶消し電着塗料を製造した。
【0043】
塗装方法(ノンリンス):
上記した実施例及び比較例で得られた電着塗料を電着浴とし、このものに被塗物(皮膜厚約10ミクロンの陽極酸化アルミニウム材を(大きさは長さ1m×幅0.1m×厚さ0.5mm)を縦吊りにして浸漬し、乾燥膜厚が約10ミクロンになるようにアニオン電着塗装を行い、次いで塗装物を浴槽から引き上げた後、20℃で湿度70%の雰囲気で約2分間(塗液が垂れなくなるまでの時間)吊り下げて放置した。次いで170℃で30分間焼き付けを行って実施例及び比較例の塗膜を形成した。
【0044】
塗装方法(リンス):
上記した塗装方法Iの方法でアニオン電着塗装を行った後、塗装物を浴槽から引き上げ20℃上水で水洗し、次いで170℃で30分間焼き付けを行って実施例及び比較例の塗膜を形成した。
【0045】
表1に艶有り電着塗料の塗膜外観の結果を示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表2に艶消し電着塗料の塗膜外観の結果を示す。
【0048】
【表2】
【0049】
塗料貯蔵安定性及び塗膜外観の試験評価は次の通りである。
【0050】
塗料貯蔵安定性:塗料を試験管(高さ20cm、容量20cc)に充填し、20℃で7日間静置した後、容器の底に沈殿した残渣の高さを調べた。◎は残渣が0.5mm以下で良好、○は残渣が0.6〜5mmでほぼ良好、△は残渣が6〜10mmでやや不良、×は11mm以上で不良のもの
鏡面反射率:JIS K−5400の60度鏡面反射率を測定した
平滑性:塗膜表面(ユズ肌、凹凸等)を目視で評価した。◎は良好、○はほぼ良好、△はやや不良、×は不良のもの
耐ストライプ性:ストライプ(塗液筋)による光沢変化、凹凸を肉眼で調べた。◎は良好、○はほぼ良好、△はやや不良、×は不良を示す
耐乾きムラ性:塗膜表面の乾きムラの光沢変化を肉眼で調べた。◎は良好、○はほぼ良好、△はやや不良、×は不良を示す
耐酸性:5重量%塩酸水に20℃で72時間浸漬した。◎はフクレが全くないもの、○フクレを若干生じるが良好なもの、△フクレを発生じるもの、×フクレを著しく生じるもの。
【0051】
素地の影響:○は塗膜が若干濁って素材のダイス目が目立たないもの、×は塗膜がクリヤーで素地のダイス目が目立つもの。
【0052】
【発明の効果】
本発明塗料は、特定の塩基性中和剤を使用していることから、特に、乾きムラ、ストライプ等の塗膜欠陥がなく、平滑性に優れた塗膜を形成することができる。
Claims (1)
- 水酸基及びカルボキシル基含有樹脂、架橋剤、塩基性中和剤、水を必須成分として含有するアニオン系熱硬化型電着塗料において、塩基性中和剤の配合量が中和当量で0.1〜2.0の範囲であって、かつ該塩基性中和剤が、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール及び2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールから選ばれる少なくとも一種の塩基性中和剤を50重量%以上含有し、該架橋剤が、C 4 〜C 18 の1価アルコールで変性されたエーテル基をトリアジン環1核当たり平均2.0個以上含有するメラミン樹脂であることを特徴とするアニオン系熱硬化型艶消し電着塗料。
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