JP4374485B2 - 着色アニオン電着塗料及び着色アルミニウム材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色アニオン電着塗料及び着色アルミニウム材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アルミニウム材は、軽量で強度が強いこと及び耐食性等に優れることからサッシ等の建材関係に多く使用されている。アルミニウム材としては、通常、耐候性や耐久性を付与するために、アルミニウム素材に陽極酸化皮膜を施したアルミニウム基材に、アニオン電着塗膜を被覆したものが使用されている。
【0003】
近年、社会環境が大きく変化するのに伴い、塗料が素材を保護するといった目的だけではなく、素材に美観を与え、従来イメージから脱却した感性、高級感等の意匠的効果を付与することが、消費者の塗料に対するニーズとして要望されているのが現状である。従って、アルミニウム材についても、同様に、美観を与え、意匠的効果を付与することが要望されている。
【0004】
このような要望に対して、例えば、陽極酸化アルミニウム基材が有する陽極酸化被膜の色調とカラークリヤー電着塗膜による色調が重なりあって特異な色調が得られる塗装着色アルミニウム材が開示されており、ここでは着色剤として白顔料、黒顔料等の無彩色顔料や青色顔料、緑色顔料、黄色顔料、赤色顔料等の有彩色顔料が用いられている(特許文献1参照)。
【0005】
また、着色顔料を含まない電着塗料と、着色顔料と疎水性溶剤を含有した着色艶消し電着塗料とを混合してなり、塗装された陽極酸化アルミニウム基材の上面と下面との色相変化を調整できる着色艶消し電着塗料組成物が公知である(特許文献2参照)。
【0006】
また、アセチル基を有するアクリル樹脂及びアルデヒド類を含有し、着色顔料を含まない電着塗料と、着色顔料を含有する電着塗料とを混合し、陽極酸化アルミニウム基材の色調と塗膜の色調を複合化して、特異な色調を得ることが公知である(特許文献3参照)。
【0007】
更に、カルボキシル基及びヒドロキシル基含有ビニル系共重合体、カルボキシル基及びアルコキシシラン基含有ビニル系共重合体、アミノ樹脂、有機または無機顔料を含有する艶消し電着塗料を、陽極酸化アルミニウム基材に塗装して得られる電着塗膜が、低光沢の金属感という色調を呈することが公知である(特許文献4参照)。
【0008】
このように、陽極酸化皮膜を施したアルミニウム基材を被塗物とし、無機顔料や有機顔料などの着色顔料を配合したアニオン電着塗料を塗装して、種々の色調を得ることが検討されており、これに基づき、新たな意匠的効果を付与することが、提案されている。
【0009】
しかし、上記従来技術で用いられているアニオン電着塗料においては、塗膜の色調毎に分散樹脂や分散助剤を用いて数時間にわたって分散処理を行って顔料分散ペーストを作成し、その顔料分散ペーストを用いてアニオン電着塗料を作成しなければならず、製造に多大な時間と工数を要するという問題があった。
【0010】
また、従来のアニオン電着塗料においては、用いる顔料分散ペーストに起因して、塗料の貯蔵安定性が十分ではなく、又アニオン電着塗料のランニング時に、ポンプの循環やフィルター濾過等による機械的なシェアが付加された場合の顔料の分散安定性が不十分であるという問題があった。
【0011】
即ち、従来の顔料分散ペーストを用いたアニオン電着塗料は、塗料貯蔵時に顔料が沈降し易く、又一端沈降すると顔料ケーキ層が再分散しにくいといった欠点がある。このため一般的に着色アニオン電着塗料は、顔料沈降防止のために連続攪拌が必要であり、塗装作業をしない休日でも塗料を攪拌しなければならず、ランニング時にかかるコストは莫大なものであった。
【0012】
更に、陽極酸化アルミニウム基材に、着色アニオン電着塗料を塗装した場合の色調をいったん決めてしまうとその後の色替えが困難であった。一方、顧客ニーズに対応するため、種々の色調の着色アルミニウム材の小口生産も必要である。
【0013】
このようなことから塗料の貯蔵安定性やランニング時の省エネルギー性に優れ、色調の調整が容易で、陽極酸化アルミニウム基材に新規な意匠的効果を付与できる着色アニオン電着塗料、及び着色アルミニウム材が求められていた。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−73191号公報
【0015】
【特許文献2】
特開2000−34428号公報
【0016】
【特許文献3】
特開2000−80311号公報
【0017】
【特許文献4】
特開平11−286632号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塗料の貯蔵安定性やランニング時の省エネルギー性に優れ、色調の調整が容易で、陽極酸化アルミニウム基材に新規な意匠的効果を容易に付与できる着色アニオン電着塗料、及び着色アルミニウム材を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、着色顔料として、顔料分散ペーストとして用いる必要のない顆粒状着色顔料を配合してなる着色アニオン電着塗料によれば、塗料の貯蔵安定性やランニング時の省エネルギー性に優れ、色調の調整が容易で、陽極酸化アルミニウム基材に新規な意匠的効果を容易に付与できることを見出した。本発明は、かかる新規な諸知見に基づき、更に種々検討を重ねた結果、完成されるに至ったものである。
【0020】
即ち、本発明は、以下の着色アニオン電着塗料及び着色アルミニウム材に係るものである。
【0021】
1.アニオン性樹脂、架橋剤及び着色顔料を含有してなる着色アニオン電着塗料であって、
該着色顔料が、顆粒状着色顔料(A)であり、且つ該顔料(A)の配合割合が、アニオン性樹脂(B)と架橋剤(C)との固形分合計100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲であることを特徴とする着色アニオン電着塗料。
【0022】
2.顆粒状着色顔料(A)が、粉末状着色顔料(a)をノニオン系界面活性剤(b)及び/又は被覆樹脂(c)で被覆して得られるものである上記項1に記載の着色アニオン電着塗料。
【0023】
3.顆粒状着色顔料(A)の平均粒子径が、50〜500μmの範囲である上記項1又は2に記載の着色アニオン電着塗料。
【0024】
4.顆粒状着色顔料(A)の嵩密度が、0.2〜0.6g/cm3の範囲である上記項1乃至3のいずれか1項に記載の着色アニオン電着塗料。
【0025】
5.顆粒状着色顔料(A)の安息角が、20〜45°の範囲である上記項1乃至4のいずれか1項に記載の着色アニオン電着塗料。
【0026】
6.顆粒状着色顔料(A)の形態が、平均粒子径50〜300μmの範囲の中空体構造である上記項1乃至5のいずれか1項に記載の着色アニオン電着塗料。
【0027】
7.上記項1乃至6のいずれか1項に記載の着色アニオン電着塗料を、陽極酸化処理したアルミニウム基材に電着塗装し、塗装物を水洗し又は水洗することなく、焼き付けて得られる着色アルミニウム材。
【0028】
【発明の実施の形態】
着色アニオン電着塗料
本発明の着色アニオン電着塗料は、アニオン性樹脂、架橋剤及び着色顔料を含有してなるものであり、該着色顔料として、顆粒状着色顔料(A)を特定量用いることを特徴とするものである。
【0029】
顆粒状着色顔料(A)は、例えば、粉末状着色顔料(a)をノニオン系界面活性剤(b)及び/又は被覆樹脂(c)で被覆することにより、好適に得られる。
【0030】
粉末状着色顔料(a)としては、有機着色顔料及び無機着色顔料のいずれも使用することができる。
【0031】
粉末状有機着色顔料としては、例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アントラキノン顔料、アントラピリミジン顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、イソビオラントロン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料、ピラントロン顔料、トリフェニルメタン顔料、チオインジゴ顔料、これらの顔料の金属錯体顔料等を挙げることができる。
【0032】
また、粉末状無機着色顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、酸化鉄等を挙げることができる。
【0033】
ノニオン系界面活性剤(b)としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアリルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル類等のポリオキシエチレン誘導体類;ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類等の脂肪酸エステル類;脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族アミン等のアルコキシレート、特にプロポキシレート、エトキシレート、プロポキシレートとエトキシレートとの混合物;エチレンジアミンとプロピレンオキシドとエチレンオキシドの三者の反応生成物などが挙げられる。
【0034】
ノニオン系界面活性剤(b)の市販品としては、例えば、「ノイゲンEA−150」(第一工業製薬(株)製、商品名、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)が挙げられる。
【0035】
被覆樹脂(c)としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂;マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン等の天然ベースの樹脂を挙げることができる。
【0036】
上記顆粒状着色顔料(A)としては、粉末状着色顔料(a)100重量部に対して、ノニオン系界面活性剤(b)及び/又は被覆樹脂(c)を5〜60重量部程度の割合で使用したものが好ましい。また、該界面活性剤(b)及び該樹脂(c)の使用割合は、両者の合計量に対して、該界面活性剤(b)を60〜100重量%程度及び該樹脂(c)を0〜40重量%程度であるのが好ましい。
【0037】
本発明で用いる顆粒状着色顔料(A)は、その平均粒子径が、50〜500μm程度の範囲、特に50〜300μm程度の範囲であるのが、塗料中の分散性、塗料の貯蔵安定性、得られる塗膜の仕上がり外観等の観点から、好ましい。ここで、平均粒子径は、粒度測定器として、「MICROTRAC HRA model 9320-X100」(商品名、日機装(株)製)を用いて測定した値である。
【0038】
また、顆粒状着色顔料(A)は、その嵩密度が0.2〜0.6g/cm3程度の範囲であるのが、顔料(A)自体の安定性、水分散性、着色隠蔽性等の観点から、好ましい。更に、安息角が20〜45°程度の範囲であるのが、同様の観点から、好ましい。
【0039】
また、該顔料(A)の色調としては、粉末状着色顔料(a)の一種又は二種以上の選択、組合せ、組み合わせる場合の使用割合等により、赤、青、緑、黄、黒、白等の色調、更にはこれらの色調の2種以上が混合された複雑な色調とすることができる。
【0040】
また、顆粒状着色顔料(A)として、その平均粒子径が50〜300μm程度の範囲の中空体構造の形態のものも含まれる。この中空体構造は、例えば、バルーン状である。バルーン状の顆粒状着色顔料(A)は、通常、球状の殻と空洞からなっており、殻の厚さは数μm〜数十μm程度である。
【0041】
顆粒状着色顔料(A)の製造方法としては、特に、限定されないが、例えば、特開平5−184901号公報に記載された、顔料の水性懸濁液中で、激しい攪拌下に、懸濁液と反応しない空気、窒素、二酸化炭素等の気体を、実質的に圧力をかけずに細かい気泡で分散させ、次いで得られた顔料懸濁液を噴霧乾燥又は液体の機械的分離、或いは湿潤性の顔料ケーキの成形及び引き続く乾燥により、顔料顆粒に変える易分散性顔料顆粒の製造方法において、前記顔料(a)を、ノニオン系界面活性剤(b)及び/又は被覆樹脂(c)の存在下に、顆粒状着色顔料とする方法を、好適に採用できる。
【0042】
また、例えば、特開平10−7924号公報に記載された、水性媒体中に懸濁されている有機顔料を200mgKOH/g以上の酸価を有する樹脂及びノニオン系界面活性剤で被覆し、機械的に微粉砕して顔料調合物を製造する方法により、前記顔料(a)を顆粒状着色顔料とする方法も採用できる。
【0043】
顆粒状着色顔料(A)の具体例としては、例えば、「XfastTM Blue ED 6879」、「XfastTM Green ED 6880」、「XfastTM Yellow ED 6983」、「XfastTM Red ED 7179」(以上、BASF社製、商品名)等を好適に使用できる。これらの顔料は、一種を、又は2種類以上を任意の割合で混合して、使用できる。
【0044】
顆粒状着色顔料(A)は、アニオン樹脂及び架橋剤を含むエマルション中に、顔料分散ペーストとすることなく、直接に添加、混合することができる。また、該顔料(A)は、水中に添加して、通常の撹拌機又は手攪拌などで容易に水分散することができるので、得られた水分散液を、上記エマルション中に、そのまま添加することができる。更には、調製されたアニオン電着塗料又は塗装ラインにおけるアニオン電着塗料の浴に、水分散した顆粒状着色顔料(A)を添加することにより、事後的に、色調の調整や補正をすることもできる。
【0045】
顆粒状着色顔料(A)を、着色顔料を含まないアニオン電着塗料中に、直接に添加、混合する場合、又は水中に添加する場合、例えば直径3〜5cm程度の撹拌翼で300〜1,000rpm程度の攪拌により、又は手攪拌により、容易に、分散できる。分散に要する時間としては、10秒〜10分間程度、好ましくは30秒〜5分間程度、さらに好ましくは1分間〜3分間程度で、温度としては5〜80℃程度、好ましくは15〜30℃程度の範囲であり、容易に且つ短時間で分散できる。
【0046】
また、上記の顆粒状着色顔料(A)を単独使用するのみでは、目的とする色調が得られない場合には、他の着色顔料と分散樹脂等とからなる顔料ペーストを併用することができる。この顔料ペーストは、該顔料(A)以外の着色顔料、及び必要に応じて体質顔料を、適当な分散用樹脂とともに、分散手段としてボールミルやサンドミルなどで分散することにより、調製できる。該顔料(A)以外の着色顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ等を挙げることができる。また、体質顔料としては、例えば、クレー、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカ等を挙げることができる。
【0047】
アニオン性樹脂(B)としては、アニオン電着塗料用の基体樹脂として、使用されているアニオン性の水性樹脂であれば、いずれも使用することができる。
【0048】
アニオン性樹脂(B)としては、例えば、水酸基及びカルボキシル基を含有する、ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂を1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中でも、耐候性の面から、水酸基及びカルボキシル基含有ビニル系共重合体を使用することが好ましい。
【0049】
水酸基及びカルボキシル基含有ビニル系共重合体としては、水酸基含有ビニル系モノマー、エチレン性不飽和カルボン酸、及び必要に応じてその他の不飽和モノマーをラジカル共重合反応させて得られるビニル系共重合体が好ましいものとして、挙げられる。
【0050】
上記モノマー成分の内、水酸基含有ビニル系モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、(メタ)アリルアルコール等;及びこれらの水酸基含有ビニル系モノマーとラクトン化合物との反応物等を挙げることができる。
【0051】
上記ラクトン化合物としては、例えば、β−プロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−ラウリロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン等を挙げることができる。
【0052】
水酸基含有ビニル系モノマーとラクトン化合物との反応物の市販品としては、「プラクセルFM1」、「プラクセルFM2」、「プラクセルFM3」、「プラクセルFA1」、「プラクセルFA2」、「プラクセルFA3」(以上、ダイセル化学社製、商品名、いずれもカプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)等を挙げることができる。
【0053】
エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、「プラクセルFM1A」、「プラクセルFM4A」、「プラクセルFM10A」(以上、ダイセル化学社製、商品名、いずれもカプロラクトン変性カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマー)等を挙げることができる。
【0054】
その他の不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルキル又はシクロアルキルエステル;スチレンなどの芳香族ビニルモノマー;(メタ)アクリル酸アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;(メタ)アクリロニトリル;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有ビニル系モノマー等を挙げることができる。
【0055】
これらのモノマーの配合割合は、水酸基含有モノマーは、共重合体の水酸基価が約30〜300mgKOH/gの範囲に入るように配合するのがよい。配合割合としては、上記モノマー類の総モノマー量固形分合計に対して、水酸基含有モノマーが、約3〜40重量%、好ましくは約5〜30重量%の範囲である。
【0056】
エチレン性不飽和カルボン酸は、共重合体の酸価が約10〜200mgKOH/gの範囲に入るように配合するのがよい。配合割合としては、上記モノマー類の総モノマー量に対して、エチレン性不飽和カルボン酸が約3〜30重量%、好ましくは約4〜20重量%の範囲である。
【0057】
その他の不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルキル又はシクロアルキルエステル及び芳香族ビニルモノマーを使用することが好ましい。その他の不飽和モノマーの配合量は、上記モノマー類の総モノマー量に対して約37〜95重量%、好ましくは約60〜91重量%の範囲である。
【0058】
これらのモノマーをラジカル共重合反応することによって水性のアニオン性樹脂(B)を作成することができる。ラジカル共重合反応させる方法としては、従来から公知の溶液重合方法、塊状重合、乳化重合、懸濁重合などがあるが、溶液重合方法が好ましい。
【0059】
架橋剤(C)としては、アニオン電着塗料用の基体樹脂の架橋剤として、使用されているものであれば、いずれも使用することができる。
【0060】
架橋剤(C)としては、例えば、メラミン樹脂のメチロール基の一部又は全部が、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の1種又は2種以上の1価アルコールで変性されたものを使用することができる。また、メラミン樹脂はトリアジン環の1核体〜多(約2〜5)核体のものが50重量%以上を占めるものが好ましい。また、メラミン樹脂中にはイミノ基、メチロール基等のその他の官能基を含んでも良い。メラミン樹脂としては、C3以上の1価アルコール特にC4〜C18の1価アルコールで変性されたエーテル基がトリアジン環1核当たり平均約2.0個以上、特に2.0〜5.0個含有するものが好ましい。
【0061】
また、架橋剤(C)として、ブロックポリイソシアネートを、単独で又は上記メラミン樹脂と併用して用いることができる。ブロックイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族や脂環族のポリイソシアネート化合物を、ブロック化したものを使用することができる。ブロック化は、例えば、ε−カプロラクトン等のラクトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類;メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム等のオキシム類等のブロック剤を使用して行うことができる。
【0062】
本発明の着色アニオン電着塗料における顆粒状着色顔料(A)の配合割合は、アニオン性樹脂(B)及び架橋剤(C)の固形分合計100重量部に対して、顆粒状着色顔料(A)を0.1〜20重量部程度、好ましくは0.5〜10重量部程度、さらに好ましくは1〜5重量部程度とするのが、好適である。該顔料(A)の配合量が0.1重量部未満では、色調の調整が不十分となる。一方、20重量部を越えるとコストが高くなるばかりか、仕上がり性を損なう。
【0063】
アニオン性樹脂(B)及び架橋剤(C)の配合割合は、両成分の固形分合計100重量部に対して、アニオン性樹脂(B)が40〜85重量部程度、好ましくは50〜80重量部程度の範囲、架橋剤(C)が15〜60重量部程度、好ましくは20〜50重量部程度の範囲である。
【0064】
アニオン性樹脂(B)の配合割合が40重量部未満では仕上がり性が悪く、一方、85重量部を越えると硬化性が悪くなる傾向にある。架橋剤(C)が15重量部未満では硬化性が低下し、60重量部を越えると塗料安定性が悪くなる傾向にある。
【0065】
本発明の着色アニオン電着塗料は、通常、攪拌容器に、アニオン性樹脂(B)及び架橋剤(C)を入れ、該樹脂(B)が有するアニオン性基を塩基性化合物で中和しつつ、撹拌下に脱イオン水を加えて得られる水性エマルションに、顆粒状着色顔料(A)を混合し、更に必要に応じて、界面活性剤、表面調整剤、pH調整剤、脱イオン水等を加えて、攪拌、混合することによって、容易に得られる。該電着塗料の固形分濃度は、通常、5〜20重量%程度の範囲、pHは、通常、7.0〜10.0程度の範囲とするのが、適当であり、これを電着塗装の電着浴として使用することができる。
【0066】
上記中和に用いる塩基性化合物としては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエタノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン、ジ−iso−プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミンなどを挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0067】
着色アルミニウム材
本発明の着色アルミニウム材は、本発明着色アニオン電着塗料を、陽極酸化処理したアルミニウム基材に電着塗装し、塗装物を水洗し又は水洗することなく、焼き付けることにより、得られる。
【0068】
被塗物として使用する陽極酸化アルミニウム基材は、陽極酸化したアルミニウム素材の陽極酸化皮膜を電解着色したもの又は電解着色していないものである。
【0069】
電解着色する方法としては、従来から公知の着色技術の方法を採用できる。例えば、陽極酸化を行った後、金属塩を含む電解液中で2次電解することにより酸化皮膜を着色させるか、又は陽極酸化するときの電解液中に金属塩を含ませておき、陽極酸化処理と同時に酸化皮膜を着色させることができる。
【0070】
上記金属塩としては、例えば、ニッケル塩、銅塩、錫塩、コバルト塩、鉛塩、マンガン塩、金塩、銀塩、モリブデン塩、セレン塩等が挙げられる。塩の形としては、硫酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、酸素酸塩等の有機酸塩が包含される。
【0071】
上記陽極酸化皮膜を有する陽極酸化のアルミニウム材表面に、本発明の着色アニオン電着塗料をアニオン電着塗装することによって塗膜を形成する。
【0072】
アニオン電着塗装による塗膜の形成は、通常、上記本発明着色アニオン電着塗料を電着槽に入れて、電着浴とし、この浴中に該アルミニウム基材を浸漬した後、焼付け後の硬化膜厚が通常約5〜30μmになるようにアニオン電着塗装を行い、水洗を行わず(ノンリンス)、又は水洗(リンス)を行い、次いで室温でセッティングした後、焼付けることにより、行うことができる。焼付け条件は、通常、約150〜220℃で約15〜50分間である。
【0073】
得られた着色アルミニウム材は、基材上に形成された着色アニオン電着塗膜が、着色されているとともに透明性のある塗膜とすることができ、該塗膜を拡散、透過した光線が下地の陽極酸化皮膜表面で反射、又は吸収された光線と複雑に重なり合って、独特の色調を呈し、従来にない新規な意匠的効果が付与されているものである。
【0074】
【実施例】
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより一層具体的に説明する。但し、本発明は、これらの例によって限定されるものではない。尚、各例中、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
【0075】
製造例1 水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂の製造
反応容器中に、イソプピルアルコール70gを仕込み80℃に保持した中へ、スチレン10g、メチルメタクリレート31g、n−ブチルアクリレート10g、エチルアクリレート30g、2−ヒドロキシエチルアクリレート12g、アクリル酸7g、及びアゾビスジメチルバレロニトリル2gの混合物を3時間かけて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル1gを添加し、80℃で1時間保持して反応を行い、水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂を製造した。該アクリル樹脂は、重量平均分子量約25,000、酸価55mgKOH/g、水酸基価58mgKOH/gであった。
【0076】
製造例2 アニオン電着塗料用のエマルションの製造
製造例1で得たアクリル樹脂70部(固形分)に、該樹脂のカルボキシル基に対して、0.4当量のトリエチルアミンを、混合分散し、次いでこのものに、「ニカラックMX600」(三和ケミカル株式会社製、商品名、ブトキシ化メラミン樹脂)30部を混合分散した後、攪拌を行いながら脱イオン水を徐々に滴下し、更にpHが7.5になるようにトリエチルアミンを添加し固形分8%のアニオン電着塗料用のエマルションを得た。
【0077】
製造例3 顔料分散ペーストNo.1(比較例用、ブルー系)の製造
カルボン酸付加型アクリル系顔料分散樹脂5.45部(固形分3部)、フタロシアニンブルー(商品名「CYANINE BLUE AD−2」、東洋インキ社製)3部を加え、トリエチルアミン0.5部、脱イオン水3.05部を加えて、固形分50%の顔料分散ペーストNo.1を得た。
【0078】
製造例4 顔料分散ペーストNo.2(比較例用、グリーン系)の製造
カルボン酸付加型アクリル系顔料分散樹脂5.45部(固形分3部)、フタロシアニングリーン(商品名「CYANINE GREEN 5301」、大日本精化社製)3部、トリエチルアミン0.5部、脱イオン水3.05部を加えて、固形分50%の顔料分散ペーストNo.2を得た。
【0079】
製造例5 顔料分散ペーストNo.3(比較例用、イエロー系)の製造
カルボン酸付加型アクリル系顔料分散樹脂5.45部(固形分3部)、モノアゾ系イエロー(商品名「FAST YELLOW 10GS」、山陽色素社製)3部を加え、トリエチルアミン0.5部、脱イオン水3.05部を加えて、固形分50%の顔料分散ペーストNo.3を得た。
【0080】
製造例3〜5で得られた顔料分散ペーストNo.1〜No.3の成分組成を表1に示す。表1における成分量は「部」を示す。また、()内の数値は固形分を示す。
【0081】
【表1】
【0082】
実施例1 着色アニオン電着塗料No.1の製造
製造例2で得た固形分8%のアニオン電着塗料用エマルション1,250部(固形分100部)に、ブルー系顆粒状着色顔料(商品名「XfastTM Blue ED 6879」、BASF社製、平均粒子径200μm、嵩密度0.5g/cm3、安息角38°)1部を配合し、更にpHが8になるようにトリエチルアミンを添加し、脱イオン水を加えて固形分8%の着色アニオン電着塗料No.1を得た。
【0083】
実施例2 着色アニオン電着塗料No.2の製造
製造例2で得た固形分8%のアニオン電着塗料用エマルション1,250部(固形分100部)に、グリーン系顆粒状着色顔料(商品名「XfastTM Green ED 6880」、BASF社製、平均粒子径250μm、嵩密度0.46g/cm3、安息角37°)1部を配合し、更にpHが8になるようにトリエチルアミンを添加し、脱イオン水を加えて固形分8%の着色アニオン電着塗料No.2を得た。
【0084】
実施例3 着色アニオン電着塗料No.3の製造
製造例2で得た固形分8%のアニオン電着塗料用エマルション1,250部(固形分100部)に、イエロー系顆粒状着色顔料(商品名「XfastTM Yellow ED 6983」、BASF社製、平均粒子径250μm、嵩密度0.35g/cm3、安息角35°)1部を配合し、更にpHが8になるようにトリエチルアミンを添加し、脱イオン水を加えて、固形分8%の着色アニオン電着塗料No.3を得た。
【0085】
実施例4〜6
顆粒状着色顔料の配合量を3部とした以外は、実施例1〜3と同様の操作を行い、固形分8%の着色アニオン電着塗料No.4〜6を得た。
【0086】
比較例1 着色アニオン電着塗料No.7の製造
製造例2で得た固形分8%のアニオン電着塗料用エマルション1,250部(固形分100部)に、製造例3で得た顔料分散ペーストNo.1の8部(固形分4部)を配合し、更にpHが8になるようにトリエチルアミンを添加し、脱イオン水を加えて固形分8%の着色アニオン電着塗料No.7を得た。
【0087】
比較例2〜3
比較例1と同様の操作により表2の配合内容で、比較例2〜3の固形分8%の着色アニオン電着塗料No.8及びNo.9を得た。
【0088】
実施例1〜6及び比較例1〜3で得た各着色アニオン電着塗料の成分組成を、表2に示す。表2における成分量は「部」を示す。また、()内の数値は固形分を示す。
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
次に、実施例1〜6及び比較例1〜3で得た各着色アニオン電着塗料の貯蔵安定性、全透過光及び光散乱透過度を、次の試験方法により調べた。
【0092】
貯蔵安定性:塗料3Lを開放缶に入れ、20℃で1日間静置後、撹拌機(商品名「TKホモディスパー」、井上製作所社製)にて、回転数700rpmで1時間攪拌した。その後、400メッシュ濾過網を用いて塗料の濾過残渣量の測定を行い、さらに缶底の塗料の状態を確認した。貯蔵安定性の評価は、目視により、下記基準に基づいて、行った。
【0093】
○:濾過残渣が10mg/L未満で、かつ缶底の顔料沈降が無く、貯蔵安定性が良好、
△:濾過残渣が10mg/L以上20mg/L未満で、缶底に少量の顔料沈降がみられ、貯蔵安定性がやや不良、
×:濾過残渣が20mg/L以上で、缶底にかなりの顔料沈降がみられ、貯蔵安定性が不良。
【0094】
全透過光及び光散乱透過度:ガラス板に、塗料を焼付け後の硬化膜厚が10μmとなるようアプリケーターで塗布し、180℃で30分間焼付して試験塗膜を作成した。この塗膜の平行光線透過率(P)と散乱光透過率(D)を、ガラス板のみの透過光をリファレンスとして、「ヘイズメーターCOH−300A」(日本電色工業株式会社製、商品名)により測定した。P+Dを全透過光(%)とした。また、光散乱透過度(H)(%)は、下記計算式により、求めた。
【0095】
光散乱透過度(H)=[D/(P+D)]×100
試験結果を、表3に示す。
【0096】
【表4】
【0097】
実施例7〜12及び比較例4〜6
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた着色アニオン電着塗料No.1〜9を、それぞれの電着浴とした。被塗物として、2次電解処理(脱脂−エッチング−中和−陽極化成処理−封孔)を施して得た、酸化皮膜厚さ約10μmの陽極酸化アルミニウム基材(シルバー(無着色)、大きさは150×70×0.5mm)を、電着浴に浸漬し、焼付け後の硬化膜厚が10μmとなるように電着塗装を行い、水洗後、180℃で30分間焼付して電着塗膜を形成し、着色アルミニウム材を得た。
【0098】
電着塗膜が形成された各着色アルミニウム材について、色調、光沢、測色値及び塗膜平滑性の試験を行った。以下に試験方法を示す。
【0099】
色調:電着塗膜の色調を、目視により、調べた。
【0100】
光沢:JIS K−5400 7.6(1990)の60度鏡面光沢度に従い、塗膜の光沢の程度を入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度を100としたときの百分率(%)で表す。
【0101】
測色値:JIS Z8729のL*a*b*表色系に従い、変角分光光度計「ミノルタCR−300」(ミノルタ社製、商標名)を使用して測定した。L*は明度指数、a*及びb*はクロマティクネス指数である。
【0102】
塗膜平滑性(1):塗膜表面のユズ肌、凹凸等の有無を、目視により、下記基準に基づいて、評価した。
【0103】
◎:ユズ肌、凹凸等が無く平滑性良好、
○:ユズ肌、凹凸等が殆ど無く平滑性ほぼ良好、
△:ユズ肌、凹凸等がみられ平滑性やや不良、
×:ユズ肌、凹凸等が著しくみられ平滑性不良。
【0104】
塗膜平滑性(2):前記貯蔵安定性試験後400メッシュ濾過網で濾過して得た電着塗料について、前記と同じ被塗物に、前記と同様にして電着塗装後、塗膜平滑性(1)と同様に、塗膜平滑性を評価した。
【0105】
上記試験結果を表4に示す。
【0106】
【表5】
【0107】
【表6】
【0108】
【発明の効果】
本発明の着色アニオン性電着塗料によれば、特に、着色顔料として顆粒状着色顔料(A)を用いることにより、塗料の貯蔵安定性が優れ、塗料の攪拌について省エネルギー運転が可能であり、色調の調整が容易で、着色アルミニウム基材に、美観を与え、従来イメージから脱却した感性、高級感等の意匠的効果を付与することができるという顕著な効果が奏される。より具体的には、次のような効果が得られる。
【0109】
1.従来、電着塗料用の顔料分散ペーストは、塗装ラインや倉庫に無攪拌の状態で置かれることが多く、その場合に顔料が沈降するため、機械的に攪拌して戻す作業が必要であり、かつ再分散時にブツや塊となって仕上がり性を損なうという問題があった。
【0110】
これに対して、本発明の着色アニオン電着塗料では、使用する顆粒状着色顔料(A)が分散性に優れるため顔料分散ペーストとすることなくそのまま使用できるので、上記問題を生じることがない。即ち、本発明塗料は、該顔料(A)をそのまま使用しても、塗料中で沈降することが少ないこと、簡単な攪拌で容易に再分散できること、再分散時にブツや塊を生じ難いため仕上り性を損なうことがないこと、顆粒状顔料を用いていることからダストが少なく取り扱いが非常に容易であること、ロスが少ないこと等の効果が得られる。
【0111】
2.本発明の着色アニオン電着塗料は、操業時以外に顔料の沈降防止の為に連続的に攪拌する必要が無く、休日や非塗装時には攪拌の間欠運転や循環ポンプの一部停止が可能となり、大幅な省エネルギーが図れる。
【0112】
3.本発明塗料には、顆粒状着色顔料(A)を、着色アニオン電着塗料の浴に後添加できるため、色調の調整が容易であり、種々の色調の着色アルミニウム材の小口生産を容易に行うことが可能となった。
【0113】
4.顆粒状着色顔料(A)を添加した本発明着色アニオン電着塗料を、アルミニウム基材の陽極酸化処理皮膜上に、電着塗装することによって、例えば、透明感のあるブルー、グリーン、イエローなどの新規な色調を得ることができた。このような透明感のある色調が得られる理由は、顆粒状着色顔料を添加した塗膜は、通常の顔料分散ペーストを添加した塗膜よりも全透過光量が高く、且つ光散乱透過度が低い値となっていることによるものと考えられる。
Claims (4)
- アニオン性樹脂、架橋剤及び着色顔料を含有してなる着色アニオン電着塗料であって、該着色顔料が、平均粒子径が200〜250μmの範囲でかつ嵩密度が0.35〜0.5g/cm 3 の範囲の中空体構造である顆粒状着色顔料(A)であり、且つ該顔料(A)の配合割合が、アニオン性樹脂(B)と架橋剤(C)との固形分合計100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲であることを特徴とする着色アニオン電着塗料。
- 顆粒状着色顔料(A)が、粉末状着色顔料(a)をノニオン系界面活性剤(b)及び/又は被覆樹脂(c)で被覆して得られるものである請求項1に記載の着色アニオン電着塗料。
- 顆粒状着色顔料(A)の安息角が、20〜45°の範囲である請求項1又は2に記載の着色アニオン電着塗料。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の着色アニオン電着塗料を、陽極酸化処理したアルミニウム基材に電着塗装し、塗装物を水洗し又は水洗することなく、焼き付けて得られる着色アルミニウム材。
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