JP2018188575A - 重合体粒子水分散体、及びコーティング膜 - Google Patents
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Abstract
Description
膜厚ムラを低減させる方法の一つとして、塗料中の揮発性溶剤量を増やして、乾燥速度を増加させる方法がある。しかし、多くの重合体粒子水分散体は揮発性溶剤に対して不安定で、コーティング膜の光学特性が低下する問題がある。
[1]
沸点が100℃未満の水溶性溶剤を50〜95質量%を含む重合体粒子水分散体であって、前記重合体粒子水分散体中の水溶性溶剤濃度を10質量%以下になるまで水希釈した際の重合体粒子水分散体に含まれる固形分粒子の体積平均粒子径が、水希釈前の体積平均粒子径に対し、50〜200%である重合体粒子水分散体。
[2]
基材の表面に形成された、上記[1]に記載の重合体粒子水分散体のコーティング膜。
[3]
太陽電池用カバーガラス表面に形成された、上記[2]に記載のコーティング膜。
以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートの両方を意味する。また、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸の両方を意味する。
本発明の重合体粒子水分散体は、沸点(大気圧下)が100℃未満の水溶性溶剤を50〜95質量%を含む重合体粒子水分散体であって、前記重合体粒子水分散体中の水溶性溶剤の濃度を10質量%以下になるまで水希釈した際の重合体粒子水分散体に含まれる固形分粒子の体積平均粒子径が、水希釈前の体積平均粒子径に対し、50〜200%である。
好ましくは、重合体粒子水分散体中の水溶性溶剤の濃度を10質量%以下になるまで水希釈した際の重合体粒子水分散体に含まれる固形分粒子の体積平均粒子径は、水希釈前の体積平均粒子径に対し60〜180%であってよく、より好ましくは60〜150%であってよい。
重合体粒子水分散体の水希釈による体積平均粒子径の変化率が上記範囲内であることによって、優れた光学特性を有するコーティング膜を形成することができる。ここでの「優れた光学特性」の指標の1つは、典型的にはヘーズであり、例えばJIS K7361−1に規定される方法によって測定されるヘーズが5%以下、好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、最も好ましくは1%以下であることを指す。
なお、本明細書において、重合体粒子水分散体の水希釈は、通常、スターラ―で撹拌した重合体粒子水分散体に蒸留水を加え、濃度を調整することによって行うことができる。また、本明細書において、体積平均粒子径の測定は、通常、動的光散乱法を用いて行うことができる。
重合体粒子水分散体を構成する重合体の体積平均粒子径は、特に限定されるわけではないが、通常10nm〜500nmであり、より典型的には20nm〜100nmであってよい。
式:SiWxRy
ここで、式中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。また、x+y=4である。
式:(R’2SiO)m
ここで、式中、R’は、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示す。mは整数であり、2≦m≦20である。
中でも、反応性等の点からオクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサンオリゴマーが好ましい。
さらに、前記テトラアルコキシシラン類の加水分解縮合物等の加水分解性官能基を4個以上含む加水分解性珪素化合物は、前記重合体粒子の最外層に存在することがより好ましい。最外層に加水分解縮合物が存在することで、重合体粒子の水溶性溶剤に対する安定性が向上する傾向がある。
乳化剤として、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤が挙げられる。
これらの中で、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する観点から、酸性乳化剤類が好ましく、炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸がより好ましい。
このような重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が挙げられる。
全固形分質量(質量%)=乾燥質量/重合体粒子水分散体の質量×100
連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタンのような芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸のようなチオカルボン酸又はそれらの塩若しくはそれらのアルキルエステル類、又はポリチオール類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド及びチオグリコール、α−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。
分散安定剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリカルボン酸及びスルホン酸塩からなる群より選ばれる各種の水溶性オリゴマー類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水溶性又は水分散性アクリル樹脂等の合成又は天然の水溶性又は水分散性の各種高分子物質等が挙げられる。
これらの任意成分は、通常、重合体粒子水分散体中、10質量部以下、5質量部以下、または3質量部以下の配合量で用いることができる。
なお、ここまで説明した本発明の重合体粒子水分散体は、第1の実施態様に係る重合体粒子水分散体と称する。
第1の実施態様に係る重合体粒子水分散体は、そのままコーティング膜の形成のために用いることができ、あるいはコーティング組成物の一原料として他成分と混合され得る。
本発明に係る重合体粒子水分散体のコーティング膜は、第1の実施態様に係る重合体粒子水分散体を基材に塗布し、乾燥させることで作成することができる。
焼結する温度は、500℃以上800℃以下がより好ましく、600℃以上750℃以下がさらに好ましい。さらに、高圧水銀灯等の紫外線照射等の処理を同時又は直列に行うことで焼結してもよい。
上記温度で焼結することにより、重合体粒子の有機物が分解することで、コーティング膜の水接触角が低下する傾向にあり、防汚性が向上する傾向にある。
また、上記温度で焼結することにより、重合体粒子の有機物が分解し、結果として膜内部に空孔が生成しやすくなり、低屈折率化によって反射防止性能がより向上する傾向にある。
第1の実施態様に係る重合体粒子水分散体に加えて、金属酸化物粒子(A)と加水分解性珪素化合物(C)とを含むコーティング組成物として用いる場合、これを第2の態様に係る重合体粒子水分散体と称する。
一実施形態において、金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径(一次粒子、二次粒子またはそれらの混合物であってよい)は、例えば1nm〜10000nmであってよい。また、金属酸化物粒子(A)の形態は、特に限定されず、粉体、分散液、ゾル等が挙げられる。
通常、コーティング組成物中で、金属酸化物粒子(A)と、これに混合される第1の態様に係る重合体粒子水分散体に含まれる固形分総量との質量比は、1/100〜100/100であってよく、好ましくは2/100〜80/100であってよい。
ケイ素酸化物粒子の具体例としては、以下に限定されないが、例えば、日産化学工業株式会社製の「スノーテックス−OXS(登録商標)」、同社製「スノーテックス−O(登録商標)」、同社製「スノーテックス−OL(登録商標)」及び同社製「スノーテックス−OYL(登録商標)」等が挙げられる。
R1 nSiX4−n (1)
ここで、式(1)中、R1は水素原子、あるいは、ハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基又はエポキシ基を有していてもよい、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはアリール基を表す。Xは、加水分解性基を表し、nは0〜3の整数である。加水分解性基は加水分解により水酸基が生じる基であれば特に限定されず、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、フェノキシ基、オキシム基等が挙げられる。
X3Si−R2 n−SiX3 (2)
ここで、式(2)中、Xは加水分解性基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。nは0又は1である。
R3−(O−Si(OR3)2)n−OR3 (3)
ここで、式(3)中、R3は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜8の整数である。
後述する合成例、実施例及び比較例における、各種の物性及び評価は下記の方法で測定及び評価した。
動的光散乱式粒度分布測定装置UPA−UZ152(マイクロトラック・ベル株式会社製)を用い、重合体粒子水分散体に含まれる固形分粒子の体積平均粒子径を評価した。
実施例及び比較例で得られた試験板について、日本国日本電色工業株式会社製濁度計NDH2000を用いて、JIS K7361−1に規定される方法にてヘイズを測定した。
以下、後述する実施例及び比較例において用いた重合体粒子水分散体の合成例を記載する。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1000g、及びドデシルベンゼンスルホン酸7gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン250g及びフェニルトリメトキシシラン200gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル15g、テトラエトキシシラン50g、フェニルトリメトキシシラン25g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド30g、アクリル酸1g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)4g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液4g、及びイオン交換水1000gを混合して得られた混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)にテトラエトキシシラン400gを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約30分かけて滴下して混合液(7)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(7)を約2時間撹拌した。その後、混合物(7)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水及びエタノールで濃度を調整して重合体粒子水分散体(B−1)(エタノール濃度80質量%、体積平均粒子径80nm)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸8gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン72gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン30g、フェニルトリメトキシシラン92g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水及びエタノールで濃度を調整して重合体粒子水分散体(B−2)(エタノール濃度80質量%、体積平均粒子径90nm)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸8gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン72gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン30g、フェニルトリメトキシシラン92g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。その後、混合物(6)にテトラエトキシシラン400gを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約30分かけて滴下して混合液(7)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(7)を約2時間撹拌した。その後、混合物(7)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水及びエタノールで濃度を調整して重合体粒子水分散体(B−3)(エタノール濃度80質量%、体積平均粒子径110nm)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1000g、及びドデシルベンゼンスルホン酸7gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン250g及びフェニルトリメトキシシラン200gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル15g、テトラエトキシシラン50g、フェニルトリメトキシシラン25g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド30g、アクリル酸1g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)4g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液4g、及びイオン交換水1000gを混合して得られた混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)にテトラエトキシシラン200gを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約30分かけて滴下して混合液(7)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(7)を約2時間撹拌した。その後、混合物(7)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水及びエタノールで濃度を調整して重合体粒子水分散体(B−4)(エタノール濃度80質量%、体積平均粒子径70nm)を得た。
前記(合成例1)で合成した重合体粒子水分散体(B−1)(エタノール濃度80質量%、体積平均粒子径80nm)をエタノール濃度10%になるまで水希釈をし、粒子径を測定したところ、体積平均粒子径100nmであり、水希釈前後の体積平均粒子径の変化率は125%であった。ここでの水希釈は、スターラ―で撹拌した重合体粒子水分散体に蒸留水を加え、濃度を調整することによって行った。
また、前記重合体粒子水分散体(B−1)を固形分濃度3%、エタノール濃度80%に調整し、基材(10cm×10cmの白板)の片面に、スピンコーターを用いて回転数1000rpmで10sec塗布した後、100℃で1分間乾燥し、コーティング膜(F−1)を有する試験板を得た。さらにコーティング膜(F−1)を有する試験板を電気炉中で700℃、3分間焼結した後に、急冷して平均膜厚(ランダムに選択した5箇所の値の平均を意味する(以下同様)。)100nmのコーティング膜を有する試験板(G−1)を得た。試験板(G−1)のヘイズは0.9%で非常に良好な光学特性を示した。
前記重合体粒子水分散体(B−1)に金属酸化物粒子(A)として数平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)、加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシランを加え、エタノール濃度80%に調整し、重合体粒子水分散体(B−3)(体積平均粒子径90nm)を得た。このとき重合体粒子水分散体(B−3)中の組成比(固形分換算で計算した各成分の質量比率)は、(A)/(B−1)/(C)=20/100/180であった。前記重合体粒子水分散体(B−3)をエタノール濃度10%になるまで水希釈をし、粒子径を測定したところ、体積平均粒子径110nmであり、水希釈前後の体積平均粒子径の変化率は122%であった。
また重合体粒子水分散体(B−3)を固形分濃度3%、エタノール濃度80%に調整し、基材(10cm×10cmの白板)の片面に、スピンコーターを用いて回転数1000rpmで10sec塗布した後、100℃で1分間乾燥し、コーティング膜(F−2)を有する試験板を得た。このときコーティング膜(F−2)中の組成比は、重合体粒子水分散体の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様に、(A)/(B)/(C)=20/100/180になると考えられる。なお、ここで(A)は、上記乾燥後に得られるシリカ微粒子(A)の質量比率であり、(B)は、上記乾燥後に得られる重合体粒子(B)の質量比率であり、(C)は、上記乾燥後に得られる加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物の質量比率である。さらにコーティング膜(F−2)を有する試験板を電気炉中で700℃、3分間焼結した後に、急冷して平均膜厚100nmのコーティング膜を有する試験板(G−2)を得た。試験板(G−2)のヘイズは0.3%で非常に良好な光学特性を示した。
前記(合成例4)で合成した重合体粒子水分散体(B−4)(エタノール濃度80質量%、体積平均粒子径70nm)をエタノール濃度10%になるまで水希釈をし、粒子径を測定したところ、体積平均粒子径133nmであり、水希釈前後の体積平均粒子径の変化率は190%であった。
また、前記重合体粒子水分散体(B−4)を固形分濃度3%、エタノール濃度80%に調整し、基材(10cm×10cmの白板)の片面に、スピンコーターを用いて回転数1000rpmで10sec塗布した後、100℃で1分間乾燥し、コーティング膜(F−3)を有する試験板を得た。さらにコーティング膜(F−3)を有する試験板を電気炉中で700℃、3分間焼結した後に、急冷して平均膜厚100nmのコーティング膜を有する試験板(G−3)を得た。試験板(G−3)のヘイズは3.0%で良好な光学特性を示した。
前記(合成例2)で合成した重合体粒子水分散体(B−2)(エタノール濃度80質量%、体積平均粒子径90nm)をエタノール濃度10%になるまで水希釈をし、粒子径を測定した結果、体積平均粒子径250nmとなったことから、水希釈前後の体積平均粒子径の変化率は278%となった。
また、前記重合体粒子水分散体(B−2)を固形分濃度3%、エタノール濃度80%に調整し、基材(10cm×10cmの白板)の片面に、スピンコーターを用いて回転数1000rpmで10sec塗布した後、100℃で1分間乾燥し、コーティング膜(F−4)を有する試験板を得た。さらにコーティング膜(F−4)を有する試験板を電気炉中で700℃、3分間焼結した後に、急冷して平均膜厚100nmのコーティング膜を有する試験板(G−4)を得た。試験板(G−4)のヘイズは20.5%で塗膜の白濁がみられた。
前記(合成例3)で合成した重合体粒子水分散体(B−3)(エタノール濃度80質量%、体積平均粒子径110nm)をエタノール濃度10%になるまで水希釈をし、粒子径を測定したところ、体積平均粒子径230nmであり、水希釈前後の体積平均粒子径の変化率は209%であった。
また、前記重合体粒子水分散体(B−3)を固形分濃度3%、エタノール濃度80%に調整し、基材(10cm×10cmの白板)の片面に、スピンコーターを用いて回転数1000rpmで10sec塗布した後、100℃で1分間乾燥し、コーティング膜(F−5)を有する試験板を得た。さらにコーティング膜(F−5)を有する試験板を電気炉中で700℃、3分間焼結した後に、急冷して平均膜厚100nmのコーティング膜を有する試験板(G−5)を得た。試験板(G−5)のヘイズは11.3%で塗膜の白濁がみられた。
Claims (3)
- 沸点が100℃未満の水溶性溶剤を50〜95質量%を含む重合体粒子水分散体であって、前記重合体粒子水分散体中の水溶性溶剤の濃度を10質量%になるまで水希釈した際の重合体粒子水分散体に含まれる固形分粒子の体積平均粒子径が、水希釈前の体積平均粒子径に対し、50〜200%である重合体粒子水分散体。
- 基材の表面に形成された、請求項1に記載の重合体粒子水分散体のコーティング膜。
- 太陽電池用カバーガラス表面に形成された、請求項2に記載のコーティング膜。
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