JPH11116658A - 水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物

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JPH11116658A
JPH11116658A JP9278437A JP27843797A JPH11116658A JP H11116658 A JPH11116658 A JP H11116658A JP 9278437 A JP9278437 A JP 9278437A JP 27843797 A JP27843797 A JP 27843797A JP H11116658 A JPH11116658 A JP H11116658A
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優人 二上
Shinya Matsuhira
伸也 松比良
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直明 三須
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性または水分散性に優れ、かつ、耐水性
に優れる硬化皮膜を形成し得る水性樹脂組成物、とりわ
け自己架橋型水性樹脂組成物を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物として
ブロックされたイソシアネート基を含有するビニルモノ
マー(A)と、イソシアネート基と反応性を有する活性
水素基を含有するエチレン性不飽和化合物(B)と、必
要であるならばさらに他のエチレン性不飽和化合物
(C)とを重合させた水性樹脂組成物を合成し、さら
に、この水性樹脂組成物を熱処理して硬化皮膜を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性または水分
散性を有し、かつ、耐水性に優れた硬化皮膜を形成でき
る水性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ブロックされたイソシアネート基
を含有する重合体が知られている。このブロックされた
イソシアネート基を含有する重合体は、通常、熱処理に
より活性なイソシアネート基を再生して、三次元網状構
造の皮膜を形成したり、活性水素を有する他の樹脂を改
質したりすることが知られている。また、イソシアネー
ト基が保護されているので、水系での使用や活性水素含
有化合物との1液化を可能としている。このようなブロ
ックされたイソシアネート基を含有する重合体を比較的
低温で熱解離させるブロック化剤として、亜硫酸または
亜硫酸水素塩付加物、オキシム系、ε−カプロラクタム
等が従来より使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したブ
ロックされたイソシアネート基を含有する重合体を水系
で使用する場合に、このブロックされたイソシアネート
基を含有する重合体を含む系が水溶性または水分散性を
有するためには、重合処理において他の親水性コモノマ
ーの導入や界面活性剤等の併用が必要である。しかし、
他の親水性コモノマーの導入や界面活性剤等の併用は、
得られた皮膜に対して耐水性の低下等の悪影響を及ぼす
要因となる。
【0004】また、アクリル系では、英国特許1322
971号公報で、亜硫酸水素塩にてブロックされたイソ
シアネート基含有(メタ)アクリレートの水溶性ホモポ
リマーやスルホン酸基含有(メタ)アクリレートとのコ
ポリマーが提案されている。しかし、上述のホモポリマ
ーやコポリマーは、何れも水系架橋剤として使用される
に過ぎない。
【0005】そこで、本発明は、水溶性または水分散性
を有し、かつ、耐水性に優れた硬化皮膜を形成できる水
性樹脂組成物、とりわけ自己架橋型水性樹脂組成物を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の水性樹脂組成物は、亜硫酸または亜硫酸水
素塩付加物としてブロックされたイソシアネート基を含
有するビニルモノマー(A)とイソシアネート基と反応
性を有する活性水素基を含有するエチレン性不飽和化合
物(B)とを重合させて得られる重合体を含むことを特
徴とする。
【0007】また、本発明の水性樹脂組成物は、亜硫酸
または亜硫酸水素塩付加物としてブロックされたイソシ
アネート基を含有するビニルモノマー(A)と、イソシ
アネート基と反応性を有する活性水素基を含有するエチ
レン性不飽和化合物(B)と、さらに他のエチレン性不
飽和化合物(C)とを重合させて得られる重合体を含む
ことを特徴とする。
【0008】ここで、前記亜硫酸または亜硫酸水素塩付
加物としてブロックされたイソシアネート基を含有する
ビニルモノマー(A)は、例えば、化2(但し、Rは水
素原子またはメチル基を示し、Xは炭素数2〜6個の直
鎖状または分岐鎖状の2価アルキル基を示し、Mは水素
原子またはアルカリ金属を示す。)で示される化合物で
あることを特徴とする。
【0009】
【化2】
【0010】また、前記水性樹脂組成物が自己架橋型水
性樹脂組成物であることを特徴とする。
【0011】さらに、前記水性樹脂組成物により水性塗
料または繊維処理剤を合成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】具体的には、本発明の水性樹脂組成物に使
用される亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物としてブロッ
クされたイソシアネート基を含有するビニルモノマー
(A)は、イソシアネート基が亜硫酸または亜硫酸水素
塩と付加物(adduct)を形成してブロックされたイソシ
アネート基を含有するビニルモノマーであり、例えば、
化2(但し、Rは水素原子またはメチル基を示し、Xは
炭素数2〜6個の直鎖状または分岐鎖状の2価アルキル
基を示し、Mは水素原子またはアルカリ金属を示す。)
で示され、特に、対応するフリーのイソシアネート基含
有(メタ)アクリレートと亜硫酸または亜硫酸水素塩と
の反応によって得られる亜硫酸または亜硫酸水素塩付加
物としてブロックされたイソシアネート基含有(メタ)
アクリレートが好ましい。
【0014】さらに、亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物
としてブロックされたイソシアネート基含有(メタ)ア
クリレートは、Xに炭素数2〜6個の直鎖状または分岐
鎖状アルキル基を有するものが好ましく、具体例として
は、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3
−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、2−イ
ソシアナト−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、
2−イソシアナト−1,1−ジメチルエチル(メタ)ア
クリレート、4−イソシアナトシクロヘキシル(メタ)
アクリレート等が挙げられ、有機溶剤に対する脂溶性お
よび合成される水性樹脂組成物を熱処理して得られる硬
化皮膜の硬化性の点から、2−イソシアナトエチルメタ
クリレートが特に好ましい。亜硫酸または亜硫酸水素塩
付加物としてブロックされたイソシアネート基を含有す
るビニルモノマー(A)は、1種類または2種類以上を
同時に使用可能である。
【0015】なお、亜硫酸または亜硫酸水素塩としては
NaHSO3 およびKHSO3 が好ましく、合成的には
Na2 2 5 やK2 2 5 のような重亜硫酸塩も使
用できる。
【0016】亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物としてブ
ロックされたイソシアネート基を含有するビニルモノマ
ー(A)である亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物として
ブロックされたイソシアネート基含有(メタ)アクリレ
ートの合成法としては、公知の方法が用いられる。具体
的には、亜硫酸水素塩の水溶液とジオキサン等の親水性
有機溶剤との水性混合液を調製し、これにイソシアネー
ト基含有(メタ)アクリレートを低温に保ちながら反応
させる方法が好ましい。ここで、反応液は後の重合に直
接に使用することもできるが、イソシアネート基と水と
の反応で尿素化合物が生成し、後の重合に悪影響を及ぼ
す場合があるので、反応後はアセトン等の貧溶媒を用い
て単離精製するほうが好ましい。
【0017】また、本発明のイソシアネート基と反応性
を有する活性水素基を含有するエチレン性不飽和化合物
(B)としては、イソシアネート基と反応可能な水酸
基、アミノ基(アミノエチル(メタ)アクリレート、N
−メチルプロピル(メタ)アクリレートなど)、カルボ
キシル基、アミド基、または活性メチレン基を有するモ
ノマーが挙げられ、これらを1種類または2種類以上併
用してもよい。特に、イソシアネート基との反応性や合
成される水性樹脂組成物を熱処理して得られる硬化皮膜
の物性から、水酸基を有するモノマーが好ましい。この
イソシアネート基と反応性を有する水酸基を含有するエ
チレン性不飽和化合物の具体例としては、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート,4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート類、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル
アミド,N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド類、ポリエチ
レングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリテト
ラメチレングリコール等から誘導される末端に水酸基を
有するポリエーテル(メタ)アクリレート類、ポリエス
テルポリオールやポリカーボネートポリオールから誘導
される(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これら
のイソシアネート基と反応性を有する活性水素基を含有
するエチレン性不飽和化合物(B)は、1種類または2
種類以上を同時に使用可能である。
【0018】また、他のエチレン性不飽和化合物(C)
として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチ
ルエチルメタクリレート等のパーフルオロアルキル(メ
タ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、N,N
−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリ
ロニトリル、アクリルアミド、N−置換アクリルアミ
ド、(メタ)アクリル酸、ビニルアセテート、N−ビニ
ルアセトアミド、スチレン、α−メチルスチレン等が挙
げられ、目的とする共重合体に要求される物性により適
宜選択される。これらの他のエチレン性不飽和化合物
(C)は、1種類または2種類以上を同時に使用可能で
ある。
【0019】亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物としてブ
ロックされたイソシアネート基を含有するビニルモノマ
ー(A)と、イソシアネート基と反応性を有する活性水
素基を含有するエチレン性不飽和化合物(B)と、他の
エチレン性不飽和化合物(C)との配合割合は、これら
の合計量を基準にして、亜硫酸または亜硫酸水素塩付加
物としてブロックされたイソシアネート基を含有するビ
ニルモノマー(A)が1〜95重量%、イソシアネート
基と反応性を有する活性水素基を含有するエチレン性不
飽和化合物(B)が0.5〜40重量%であり、イソシ
アネート基に対する活性水素基のモル比は1.0以下と
するのが好ましい。亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物と
してブロックされたイソシアネート基を含有するビニル
モノマー(A)が全体の1重量%未満の場合には、重合
して得られる水性樹脂の水溶性または水分散性が不十分
となり、また、全体の95重量%の場合には、熱処理に
より得られる硬化皮膜の耐水性が不十分となる。
【0020】亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物としてブ
ロックされたイソシアネート基を含有するビニルモノマ
ー(A)、イソシアネート基と反応性を有する活性水素
基を含有するエチレン性不飽和化合物(B)および他の
エチレン性不飽和化合物(C)の重合法としては、例え
ば公知のラジカル重合方法を用いることが好ましい。こ
のラジカル重合方法としては、溶液重合方法または懸濁
重合方法のいずれをも用いることができる。具体的に
は、水性溶媒中で、ラジカル重合開始剤の存在下、各モ
ノマー単量体の所定量を共重合させる。
【0021】なお、溶媒としては、アセトン,メチルエ
チルケトン,イソプロパノール,メチルセルソルブ,ブ
チルセルソルブ等の水と任意の割合で混ざり合う有機溶
媒を併用してもよい。また、ラジカル重合開始剤として
は、アゾビスイソブチロアミジン塩酸塩等の水溶性のア
ゾ系化合物または過硫酸アンモニウム,過硫酸カリウ
ム,過酸化水素等の水溶性ラジカル発生化合物が好まし
く使用でき、その添加量は単量体100部当たり0.1
〜10部程度が適量である。
【0022】この重合処理によって得られる水性樹脂組
成物の好ましい数平均分子量は、5,000〜100,
000である。なお、メルカプト酢酸塩等の連鎖移動剤
を重合系に添加することにより、水性樹脂組成物の分子
量の調節をすることができる。また、重合処理により得
られる水性樹脂組成物の好ましい固形分濃度は10〜6
0重量%である。
【0023】この合成された水性樹脂組成物は、自己架
橋型の水性樹脂組成物である。自己架橋の方法として
は、一般的に、水性樹脂組成物を成形または塗布等した
後、常温〜200゜Cの加熱雰囲気において加圧せずに
放置し、有機過酸化物のような重合開始剤の無添加状態
で架橋反応を起こす方法が用いられる。これにより、3
次元的網状構造が形成されて、耐水性を有する皮膜とな
る。
【0024】具体的に、合成された水性樹脂組成物を自
己架橋させて水性塗料や水系繊維処理剤として用いる場
合には、この水性樹脂組成物を目的の基材に塗布した
後、加熱乾燥して水分を除去し、続いて温度を上げて、
水性樹脂組成物を加熱硬化させる方法を用いることが好
ましい。加熱乾燥時の温度としては、室温〜100゜C
が好ましく、また、加熱硬化時の温度としては、130
〜200゜Cが好ましい。
【0025】このように、本発明の水性樹脂組成物は、
重合処理時には他の親水性コモノマーや界面活性剤等を
必要とせず、自己架橋性を有し、ブロック化剤である亜
硫酸または亜硫酸水素塩により優れた水溶性または水分
散性を有する。
【0026】また、この合成された水性樹脂組成物を熱
処理して得られる硬化皮膜中には親水性基が残らないの
で、優れた耐水性が得られる。これにより、本発明の水
性樹脂組成物は、水性塗料等の各種コーティング剤、繊
維処理剤、各種樹脂改質剤、バインダー、接着剤等とし
て好適に適用できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものでは
ない。
【0028】本実施例においては、本発明の水性樹脂組
成物の実施例1〜実施例5および比較例1、比較例2の
各成分の配合割合、ならびに水性樹脂組成物により形成
される皮膜の耐水性および撥水性を、表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】なお、耐水性および撥水性の評価方法は、
以下の通りである。
【0031】(耐水性の評価方法)水性樹脂組成物をガ
ラス板に塗布し、80゜Cで乾燥後、150゜Cで30
分間焼き付けることにより形成される皮膜を、常温の水
に7日間浸漬した後、この皮膜の外観を目視により評価
した。 良好:変化無し 不良:皮膜の変化、膨れまたは白化等が生じた
【0032】(撥水性の評価方法)水性樹脂組成物を綿
布に含浸処理し、80゜Cで乾燥後、150゜Cで30
分間焼き付けて、JIS−L1092のスプレー試験を
行い、表面の湿潤状態を目視により評価した。 良好:表面に付着湿潤が全く無い、または部分的に示す 不良:表面全体が湿潤を示す
【0033】まず、本発明の亜硫酸または亜硫酸水素塩
付加物としてブロックされたイソシアネート基を含有す
るビニルモノマー(A)であるブロックモノマーa,
b,cの合成方法を説明する。
【0034】(ブロックモノマーaの合成方法)攪拌機
及び滴下ロートを付けたガラスフラスコに、2−イソシ
アナトエチルメタクリレート(カレンズMOI 昭和電
工(株)製)34.13gとp−メトキシフェノール
0.03gとを仕込み、0゜Cに冷却した。滴下ロート
に、亜硫酸水素ナトリウム20.8gをイオン交換水4
8.5gに溶解し、ジオキサン20.0gを混合した水
性溶液を入れ、液温を0〜10゜Cに保ちながら1時間
かけて滴下した。その後、さらに1時間反応を継続させ
た。次に、反応液を1.5リットルのアセトン中に添加
して固体を析出させ、白色粉末のブロックモノマーaを
得た。
【0035】(ブロックモノマーbの合成方法)攪拌機
及び滴下ロートを付けたガラスフラスコに、2−イソシ
アナトエチルアクリレート31.0gとp−メトキシフ
ェノール0.03gとを仕込み、0゜Cに冷却した。滴
下ロートに、亜硫酸水素ナトリウム20.8gをイオン
交換水48.5gに溶解し、ジオキサン20.0gを混
合した水性溶液を入れ、液温を0〜10゜Cに保ちなが
ら1時間かけて滴下した。その後、さらに1時間反応を
継続させた。次に、反応液を1.5リットルのアセトン
中に添加して固体を析出させ、白色粉末のブロックモノ
マーbを得た。
【0036】(ブロックモノマーcの合成方法)攪拌機
及び滴下ロートを付けたガラスフラスコに、2−イソシ
アナトプロピルアクリレート34.1gとp−メトキシ
フェノール0.03gとを仕込み、0゜Cに冷却した。
滴下ロートに、亜硫酸水素ナトリウム20.8gをイオ
ン交換水48.5gに溶解し、ジオキサン20.0gを
混合した水性溶液を入れ、液温を0〜10゜Cに保ちな
がら1時間かけて滴下した。その後、さらに1時間反応
を継続させた。次に、反応液を1.5リットルのアセト
ン中に添加して固体を析出させ、白色粉末のブロックモ
ノマーcを得た。
【0037】次に、実施例1〜実施例5の水性樹脂組成
物の合成方法および試験結果について説明する。
【0038】なお、イソシアネート基と反応性を有する
活性水素基を含有するエチレン性不飽和化合物(B)と
して、HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)を用い、他のエチレン性不飽和化合物(C)とし
て、Rf−MA(2−パーフルオロオクチルエチルメタ
クリレート)またはnBA(ブチルアクリレート)を用
いた。
【0039】(実施例1)攪拌機、ガス導入管、還流冷
却管および温度計の付いたガラスフラスコに、イオン交
換水400gとブロックモノマーa50g、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート20gおよびブチルアクリレ
ート30gを仕込み、窒素気流下50゜Cに昇温した。
次いで、過硫酸アンモニウム1.0gをイオン交換水5
gに溶解した水溶液を加えた。このとき、重合開始に伴
う発熱が見られ、この発熱後、80゜Cに2時間保ち、
重合を完結して、水性樹脂組成物の分散体を得た。この
水性樹脂組成物の分散体に含まれる凝集物(100メッ
シュのネットで濾過したとき、このネットに残る樹脂粒
子)の量は0.1g以下であり、室温で3ヶ月放置して
も沈降物は認められずに安定しており、水分散性は良好
であった。また、この水性樹脂組成物により形成された
皮膜は透明で硬く、優れた耐水性を示した。
【0040】(実施例2)実施例2の水性樹脂組成物
も、表1に示す配合割合で、実施例1の水性樹脂組成物
の合成方法と同様に合成した。これにより、水溶性の水
性樹脂組成物を得た。この水性樹脂組成物により形成さ
れた皮膜は透明で硬く、優れた耐水性を示した。
【0041】(実施例3〜実施例5)実施例3〜実施例
5の水性樹脂組成物も、表1に示す配合割合で、実施例
1の水性樹脂組成物の合成方法と同様にそれぞれ合成し
た。これにより、水性樹脂組成物の分散体をそれぞれ得
た。これらの水性樹脂組成物も凝集物がほとんど無く、
水分散性は良好であった。また、これらの水性樹脂組成
物により形成された皮膜は透明で硬く、優れた耐水性お
よび撥水性を示した。
【0042】次に、比較例1および比較例2について説
明する。
【0043】(比較例1)比較例1では、メチルエチル
ケトオキシムと2−イソシアナトエチルメタクリレート
とを反応させたブロックモノマーdを用いて、表1に示
す配合割合で、実施例1の水性樹脂組成物の合成方法と
同様の合成方法により重合体を得た。得られた重合体
は、水分散性がなく、塊状物となった。
【0044】(比較例2)比較例2では、比較例1の各
モノマーに、さらに界面活性剤としてポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル1.2gを添加して、実施例1の合
成方法と同様の合成方法により重合体を得た。この重合
体は、水分散性のよいエマルジョンであった。この重合
体により形成された皮膜は不透明であり、耐水性は不良
であった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水性樹脂
組成物は、亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物としてブロ
ックされたイソシアネート基を含有するビニルモノマー
(A)と、イソシアネート基と反応性を有する活性水素
基を含有するエチレン性不飽和化合物(B)と、必要で
あるならばさらに他のエチレン性不飽和化合物(C)と
を重合させて合成することにより、重合処理時に他の親
水性コモノマーや界面活性剤等を必要とせず、親水性の
亜硫酸または亜硫酸水素塩でイソシアネート基をブロッ
クしているので、優れた水溶性または水分散性が得られ
る。
【0046】また、この水性樹脂組成物を基材に塗布等
して熱処理することにより、亜硫酸または亜硫酸水素塩
が除かれ、再生したイソシアネート基が活性水素基と再
結合するので、耐水性に優れた硬化皮膜が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物として
    ブロックされたイソシアネート基を含有するビニルモノ
    マー(A)とイソシアネート基と反応性を有する活性水
    素基を含有するエチレン性不飽和化合物(B)とを重合
    させて得られる重合体を含むことを特徴とする水性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物として
    ブロックされたイソシアネート基を含有するビニルモノ
    マー(A)と、イソシアネート基と反応性を有する活性
    水素基を含有するエチレン性不飽和化合物(B)と、さ
    らに他のエチレン性不飽和化合物(C)とを重合させて
    得られる重合体を含むことを特徴とする水性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記亜硫酸または亜硫酸水素塩付加物と
    してブロックされたイソシアネート基を含有するビニル
    モノマー(A)は、化1(但し、Rは水素原子またはメ
    チル基を示し、Xは炭素数2〜6個の直鎖状または分岐
    鎖状の2価アルキル基を示し、Mは水素原子またはアル
    カリ金属を示す。)で示される化合物であることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の水性樹脂組成物。 【化1】
  4. 【請求項4】 前記水性樹脂組成物が自己架橋型水性樹
    脂組成物であることを特徴とする請求項1〜請求項3の
    いずれかに記載の水性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4に記載の水性樹脂組
    成物からなることを特徴とする水性塗料。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4に記載の水性樹脂組
    成物からなることを特徴とする繊維処理剤。
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