JPH07228634A - 透明性および可撓性に優れた帯電防止剤 - Google Patents

透明性および可撓性に優れた帯電防止剤

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JPH07228634A
JPH07228634A JP2273294A JP2273294A JPH07228634A JP H07228634 A JPH07228634 A JP H07228634A JP 2273294 A JP2273294 A JP 2273294A JP 2273294 A JP2273294 A JP 2273294A JP H07228634 A JPH07228634 A JP H07228634A
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JP
Japan
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weight
film
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antistatic
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JP2273294A
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English (en)
Inventor
Akira Furukawa
彰 古川
Chikako Kojima
千加子 小島
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム等の支持体表面に塗設することで、
帯電防止性能に優れ、かつ透明性、可撓性に優れた帯電
防止性皮膜を与える。 【構成】 化1で示されるモノマー単位を10重量部以
上70重量部以下および化2で示されるモノマー単位を
10重量部以上80重量部以下、さらに化3で示される
モノマー単位を1重量部以上50重量部以下の割合で少
なくとも含む重合体であることを特徴とする透明性およ
び可撓性に優れた帯電防止剤。 【化1】 化1中X1は水素またはナトリウム、カリウム、NH4
表す。 【化2】 化2中R1は水素またはメチル基を表し、X2は水素また
はナトリウム、カリウム、NH4を表す。 【化3】 化3中R2は水素またはメチル基を表し、R3は炭素数1
から12のアルキル基またはテトラヒドロフルフリル基
を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフィルム表面に帯電防止
性能を付与するための素材を提供するものであり、透明
性、可撓性に優れ、かつ帯電防止剤を塗設した表面が接
着性、耐久性に優れた帯電防止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりフィルム等絶縁性皮膜の帯電を
防止するための帯電防止剤として種々の界面活性剤、水
溶性ポリマー、導電性カーボン、金属酸化物等を使用
し、これらをフィルム表面に塗布もしくは練り込むこと
で帯電防止を行うことが種々試みられている。例えば、
特開平3−229787号公報には水溶性ポリマーとし
てポリ(スチレンスルホン酸塩)のN−メチロールアク
リルアミドとの共重合体を使用し、これをフィルム上に
塗布することで帯電防止性能を発揮させる方法が開示さ
れている。あるいは特開昭55−84658号、同56
−92535号、同61−174542号、同61−1
74543号公報等に記載されるように、帯電防止性水
溶性ポリマーと硬化剤との組合せによりフィルム等の支
持体表面に塗布することで耐水性等の耐久性に優れた帯
電防止性フィルムが作成されることが開示されている。
【0003】しかしながら、上記のような方法では支持
体表面との接着性が問題となり、使用する条件によって
は帯電防止剤を含有する層と支持体の間での剥離が発生
したり、経時変化により帯電防止性能が著しく劣化する
などの問題を生じた。またフィルムとしての強度を増加
させる等の目的で2軸延伸加工等の延伸加工が広く行わ
れているが、フィルム表面への帯電防止加工は延伸加工
する直前で行われることが特に好ましく、塗工および引
き続く延伸処理と加熱処理により帯電防止剤の表面固定
化が行われることが好ましい。この場合使用する帯電防
止剤の性質が皮膜性、柔軟性に欠ける場合にはフィルム
表面に塗布した後、延伸加工時に塗布皮膜が支持体であ
るフィルムの延伸に追随できず、塗布層の断裂、剥離あ
るいは白化等の問題をひきおこすことが問題となってい
た。さらに、種々の目的で帯電防止剤を塗設した層上に
さらに他の塗工液を塗設することがしばしば行われる
が、こうした塗工層と帯電防止層間の接着性が不良のた
め膜剥がれを生じる等の不都合が発生する問題があっ
た。
【0004】あるいは、低分子界面活性剤等をフィルム
等支持体表面へ塗布もしくは練り込む方法も従来から検
討されてはいるものの、表面からのブリードアウトによ
るべたつきの問題や白化、経時劣化の問題等が生じてい
た。
【0005】金属酸化物の使用により、表面抵抗値の湿
度依存性の少ない帯電防止フィルムが塗布あるいは練り
込み法で達成されるが、この場合金属酸化物は微粒子状
で分散した状態で塗布もしくは練り込むことが必要であ
るが、こうした微粒子の分散工程が必要であること、フ
ィルムに十分な帯電防止性能を付与するためには金属酸
化物微粒子同士が互いに接触する程度に密に充填する必
要があり、必然的にフィルムの透明性を低下させる等の
問題があった。
【0006】さらにこうした帯電防止処理済みフィルム
の再使用を行う場合、フィルムを溶融する温度まで加熱
した場合に、導入された帯電防止剤が熱分解し、着色等
フィルムの性能を劣化させる問題も深刻であり、耐熱性
の点でも優れた帯電防止剤が切望されているのが現状で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フィ
ルム等の支持体表面に塗工することで帯電防止性能の経
時劣化のない可撓性、透明性に優れた帯電防止剤を与え
ることおよび塗工された帯電防止剤自体の可撓性に優
れ、フィルム支持体との接着性に優れた帯電防止剤を見
いだすことを課題とする。さらに廃棄されたフィルムを
回収し溶融再使用する場合においても再生フィルムの性
能劣化や、異物の発生や着色の問題を発生しないリサイ
クル性に優れた帯電防止剤を見いだすことを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下に述べる
本発明により達成される。即ち、帯電防止剤として、前
記化1で示されるモノマー単位を10重量部以上70重
量部以下および前記化2で示されるモノマー単位を10
重量部以上80重量部以下、さらに前記化3で示される
モノマー単位を1重量部以上50重量部以下の割合で少
なくとも含む重合体を使用することで本発明の目的が達
成される。
【0009】化1中X1は水素またはナトリウム、カリ
ウム、NH4を表す。
【0010】化2中R1は水素またはメチル基を表し、
2は水素またはナトリウム、カリウム、NH4を表す。
【0011】
【化3】 化3中R2は水素またはメチル基を表し、R3は炭素数1
から12のアルキル基またはテトラヒドロフルフリル基
を表す。
【0012】化3で示されるモノマーの好ましい例とし
てはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラヒド
ロフルフリル等が挙げられる。
【0013】これらのモノマーの重合体中での比率とし
て、化1で示されるモノマー単位は重合体組成中におい
て10重量部以上70重量部以下であることが必要であ
り、この組成範囲において化1で示されるモノマー単位
を導入することで帯電防止剤としての性能が充分に発揮
される。即ち、上記範囲を越えて70重量部を上回る割
合で化1のモノマー単位を重合体中に含む場合には重合
体自体が非常に剛直となり可撓性がなくなるため、例え
ば重合体溶液をフィルム上に塗工し、直後に延伸、加熱
処理することでフィルムと一体化した帯電防止フィルム
を作成しようとした場合、上記重合体により形成される
塗工皮膜が支持体であるフィルムの延伸に追随出来ず、
塗工皮膜に微細な亀裂を生じ不透明化する問題が発生す
る。即ち、例えば2軸延伸フィルム表面に帯電防止加工
を行う場合、2軸延伸後の製膜されたフィルム上にさら
に本発明に関わる帯電防止剤を含む塗液を塗布すること
で帯電防止性フィルムを得ることも可能であるが、例え
ば一例としてポリエステルフィルムの場合の実際の加工
においては溶融されたポリエステルをダイスリットから
押しだして冷却ロール上で製膜しアモルファスポリエス
テルフィルムを形成しついでこのフィルムを縦方向に延
伸した後に本発明に関わる帯電防止剤を含む塗液を塗布
し、引続き連続して加熱下横方向に延伸し加熱処理を加
えることでポリエステルフィルム上に強固に接着された
帯電防止層を形成することが出来、生産工程上および帯
電防止性能の耐久性の上できわめて好ましい結果を与え
る。一方化1で示されるモノマー単位が重合体組成中に
おいて上記範囲を下回り、10重量部未満の割合では帯
電防止剤として使用した場合に帯電防止性能の湿度依存
性が顕著となり、特に低湿下における帯電防止性能の低
下が著しく、実使用に耐えないものとなる問題が発生す
る。
【0014】さらに化2で示されるモノマー単位は重合
体中において10重量部以上80重量部以下の範囲にあ
ることが必要であり、この範囲において得られる帯電防
止剤としての重合体の分子量を適度な範囲に調節する役
割を果たすとともに重合体の帯電防止性能をより優れた
ものにするとともに重合体に可撓性を付与し、重合体溶
液をフィルム表面に塗工し延伸加工した場合においても
皮膜の透明性を損なわないという優れた特性を発揮す
る。化2のモノマー単位を上記範囲を越え80重量部を
上回る割合で重合体に導入した場合には重合体の帯電防
止性能が低湿下で悪化することに加え、適度な重合度の
重合体が得難く、分子量が数千程度に低下し、耐水性の
低下、皮膜強度の低下等問題が生じる。あるいは上記範
囲を下回り10重量部未満の割合で重合体中に導入した
場合には重合体の可撓性に劣り、塗工フィルムを延伸し
た場合に著しく皮膜の不透明化を生じる問題が発生す
る。帯電防止剤としての性能とフィルムの透明性を両立
させるためには化1および化2のモノマー単位を上記の
範囲での割合で同時に重合体中に含まれていることが非
常に重要であり、各モノマー単位単独では到底本発明の
目的は達成されない。
【0015】さらに化1および化2で示されるモノマー
単位に加えて化3で示されるモノマー単位を重合体中に
1重量部以上50重量部以下の割合で導入することで、
帯電防止剤自体がある程度疎水性となることから耐水性
が向上し、かつ得られる重合体から形成される帯電防止
皮膜の帯電防止性能を損なうことなく可撓性あるいは柔
軟性をさらにいちだんと向上させるとともにフィルム支
持体への接着性および帯電防止層上への他の皮膜の塗工
性およびこれとの接着性を顕著に向上させることが見い
だされた。即ち、化3で示されるモノマー単位を1重量
部を下回る割合でしか重合体に導入しない場合にはフィ
ルム支持体との接着性が低下し、表面への摩擦等の手段
で容易に帯電防止層が剥離してしまうという不都合が生
じる。化3で示されるモノマー単位を50重量部を越え
る範囲で使用すると帯電防止剤としての機能が著しく低
下し、表面抵抗値が特に低湿下において1013オーム以
上の高い値となるため実用上問題となる。化3で示され
るモノマー単位を重合体中に導入することで帯電防止剤
自体に適度の疎水性と柔軟性が付与され特にフィルム表
面にこうした重合体である帯電防止剤を塗工することで
耐久性あるいは表面の接着性に優れた帯電防止性フィル
ムが得られる。
【0016】本発明の目的は基本的には上記モノマーの
指定した範囲内での使用による重合体により達成される
が、こうした重合体を単独で使用してフィルム表面に塗
工することで帯電防止性皮膜が形成されるが、皮膜の耐
摩耗性、耐ブロッキング性、耐水性等を一段と向上させ
る等の目的で種々の添加剤を併用して使用することも好
ましく行うことが出来る。このような添加剤として例え
ばスチレン−ブタジエン系ラテックス、スチレン−アク
リル系ラテックス、各種アクリル系エマルジョン、酢酸
ビニル系ラテックス、ポリウレタン系エマルジョン等の
重合体エマルジョンや、ポリビニルアルコール、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等の各種セルロース誘
導体、澱粉、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、キトサ
ン等種々の水溶性ポリマー、あるいはシリカ、コロイダ
ルシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機微粒子、ポリ
スチレン微粒子、ポリメタクリル酸メチル微粒子、シリ
コーン系微粒子等の有機ポリマー微粒子を添加すること
で先の目的を好ましく達成することが可能である。こう
した添加剤を使用する場合には、先の帯電防止剤との組
合せにおける両者の比率が問題となるが、帯電防止層を
形成するための塗工層中における塗工層全体に対する帯
電防止剤の割合が10重量部以上であることが好まし
く、これ未満である場合には帯電防止性能が不十分とな
る場合がある。
【0017】上記重合体を含む層をフィルム支持体上に
塗工層として形成した場合に表面の水に対する親和性が
良好となることがさらに特徴として挙げられるが、例え
ば、ポリエステル系フィルムを支持体として本発明によ
る帯電防止剤をフィルム表面に塗工していない状態では
水系塗工液は表面ではじかれフィルム表面に塗工するこ
とは事実上不可能である。逆に、本発明による帯電防止
剤をフィルム表面に単独あるいは先に述べた添加剤と併
用して塗工したフィルムを使用すれば、水系塗工液に対
するフィルム表面の濡れ性は非常に良好なものとなり、
各種水系塗工液を表面に均質な状態で塗工出来ると共に
形成された塗工膜とフィルムとの接着性も極めて良好な
ものにすることが出来る。
【0018】帯電防止剤を含む皮膜の接着性は上記水系
塗工液に限られるものではなく水を含まない溶剤系バイ
ンダーを含む塗工液あるいは印刷インキに対してもより
良好な接着性を示すものであるが、さらに表面接着性を
向上させる目的で上記重合体を構成する成分として前記
化4で示されるようなアミノ基含有モノマー単位あるい
はアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー単位を
共重合成分として重合体中に20重量部以下の割合で導
入することが好ましい。化4で示されるモノマーの好ま
しい例としてはN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
等が挙げられ、さらにこれ以外にもジアリルアミン、ア
リルアミン、N−メチルジアリルアミン、N,N−ジメ
チルアリルアミン、ビニルイミダゾール等が特に好まし
く、これらアミノ基含有モノマーは塩酸、硫酸、酢酸、
燐酸等の適当な酸によって中和されていても導入の効果
には影響せず重合体溶液のpHを適度に調節する目的で
好ましく行うことが出来る。
【0019】化4中、R4は水素またはメチル基を表
し、R5はCH2CH2またはCH2CH2CH2基を表し
、R6,R7はメチル基またはエチル基を表す。また連
結基QはCOOまたはCONH基を表す。
【0020】こうしたアミノ基あるいはカルボキシル基
含有モノマー単位を重合体中に導入する場合、20重量
部を越える比率で導入すると得られる重合体を使用して
得られる帯電防止層の耐水性が特に不良となり、重合体
に加えて上述の各種添加剤を加えて皮膜を形成した場合
においても皮膜の耐水性が低下することとなり耐久性の
ある帯電防止フィルムは得られない。あるいはこうした
場合には帯電防止層上にさらに水系塗工液を塗布しよう
とする場合には水系塗工液の乾燥するまでの段階で下層
の帯電防止層が溶解してしまい結果として塗工が均一に
行われなかったり、接着性が著しく不良となる場合が生
じる。化4で示されるアミノ基含有モノマーや、あるい
は上記カルボキシル基を含有するモノマー単位を重合体
中に20重量部以下の割合で導入することで、得られる
重合体中に極性基がさらに付け加わることになり、これ
と他のポリマー間の相互作用が増すことから、帯電防止
層上層にさらに他の種々のポリマーを塗設した場合にお
いて層間の接着性が向上することが効果として認められ
る。
【0021】さらに、本発明の目的としてリサイクル性
に優れた帯電防止剤を提供することが挙げられる。例え
ばポリ(クロロメチルスチレン)をトリエチルアミンで
4級化することで得られる4級アンモニウム塩タイプの
帯電防止剤やその他各種4級塩タイプの帯電防止剤は帯
電防止性能自体は良好なものが種々あるものの重大な欠
点として加熱による熱分解が顕著であり、例えばポリエ
ステル系フィルムに対して使用した場合に廃棄された帯
電防止性フィルムを加熱溶融して再びペレットを作成し
再使用しようとした場合にペレットが著しく着色するな
どの重大な問題が発生していた。本発明で得られる帯電
防止剤はこのような方法でフィルムを再使用する場合に
も加熱溶融して再生されたペレットへの着色や異物の発
生が認められず再びフィルム加工することが可能である
という良好なリサイクル性を示すことが特徴である。
【0022】本発明の目的は上記のような構成からなる
重合体を帯電防止剤として使用することで充分に達成す
ることが出来るが、さらに化1から化4で示したモノマ
ー単位以外に種々の目的で各種共重合可能なモノマー成
分を導入することも可能である。このようなモノマーと
してスチレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、酢酸ビニル等の種々のモノマーが導入可能である
が、こうした成分の導入は帯電防止性能を損なわない範
囲で導入する必要があることから高々20重量部以下で
あれば特に帯電防止性能に悪影響を与えるものではな
い。
【0023】本発明で得られる帯電防止剤に対してさら
に各種エポキシ系硬化剤を添加して使用することで得ら
れる帯電防止性皮膜を3次元架橋することで帯電防止性
能の耐久性をさらに高めることが好ましく行われる。こ
うした目的で使用されるエポキシ系硬化剤の特に好まし
い例としては化5〜化13で示される化合物が挙げられ
るが、分子中に少なくとも2個以上の反応性エポキシ基
を有する化合物であればこれらの例以外にも使用するこ
とが可能である。こうしたエポキシ化合物との反応によ
る硬化を低温で迅速に行うためには重合体中に上述した
アミノ基もしくはカルボキシル基含有モノマー単位を導
入することが特に有効であり、こうしたアミノ基あるい
はカルボキシル基が重合体自体に含まれることで各種エ
ポキシ硬化剤との反応が100℃以下の比較的低温条件
下でも数時間程度の間に迅速に架橋反応が進行すること
から、耐久性に優れた帯電防止皮膜を簡便に製造する上
で特に好ましい。
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】化7中、nは2または3の整数を表す。
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】化12中、mは1〜22の整数を表わす。
【0034】
【化13】
【0035】化13中、qは1〜11の整数を表わす。
【0036】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。実施例中の部は重量部を示す。
【0037】合成例1 p−スチレンスルホン酸ナトリウム40部、アリルスル
ホン酸ナトリウム30部およびアクリル酸メチル30部
を蒸留水200部およびエタノール100部に溶解し
、攪はん機、温度計、窒素導入管、還流冷却管を備え
た4ツ口フラスコ内で60℃に加熱攪はんしながら重合
開始剤としてV−50(2,2′−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)2塩酸塩、和光純薬製)を1部添加する
ことで重合を開始した。この温度で5時間重合を行い重
合体溶液を得た。
【0038】合成例2〜13 合成例1と同様にして表1に示す組成について重合を行
い重合体を得た。
【0039】
【表1】
【0040】表1中、SSS=p−スチレンスルホン酸ナト
リウム 、AS=アリルスルホン酸ナトリウム、MAS=メタリ
ルスルホン酸ナトリウム、nBA=アクリル酸n−ブチル,M
A=アクリル酸メチル,EA=アクリル酸エチル,BMA=メタク
リル酸n−ブチル 、MAA=メタクリル酸、DMAEMA=メタク
リル酸N,N−ジメチルアミノエチルを表す。
【0041】合成例14 p−スチレンスルホン酸ナトリウム40部、メタリルス
ルホン酸ナトリウム35部およびアクリル酸テトラヒド
ロフルフリル20部およびジアリルアミン5部を蒸留水
200部およびエタノール150部に溶解し塩酸水溶液
によりpHを7に調整し、攪はん機、温度計、窒素導入
管 、還流冷却管を備えた4ツ口フラスコ内で60℃に加
熱攪はんしながら重合開始剤としてV−50(2,2′
−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、和光純
薬製)を1部添加することで重合を開始した。この温度
で5時間重合を行い重合体溶液を得た。
【0042】合成例15 p−スチレンスルホン酸カリウム45部、アリルスルホ
ン酸ナトリウム45部およびメタクリル酸2−エチルヘ
キシル5部、クロトン酸5部を蒸留水200部およびエ
タノール50部に溶解し、攪はん機、温度計、窒素導入
管、還流冷却管を備えた 4ツ口フラスコ内で60℃に加
熱攪はんしながら重合開始剤としてV−50(2,2′
−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、和光純
薬製)を1部添加することで重合を開始した。この温度
で5時間重合を行い重合体溶液を得た。
【0043】合成例16 p−スチレンスルホン酸ナトリウム45部、メタリルス
ルホン酸ナトリウム45部およびメタクリル酸メチル1
0部、ビニルイミダゾール10部を蒸留水200部およ
びエタノール90部に溶解し、攪はん機、温度計、窒素
導入管、還流冷却管を備えた 4ツ口フラスコ内で60℃
に加熱攪はんしながら重合開始剤としてV−50(2,
2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、和
光純薬製)を1部添加することで重合を開始した。この
温度で5時間重合を行い重合体溶液を得た。
【0044】比較合成例1 p−スチレンスルホン酸ナトリウム85部、メタリルス
ルホン酸ナトリウム5部およびアクリル酸メチル0.5
部を蒸留水200部およびエタノール50部に溶解し、
攪はん機 、温度計、窒素導入管、還流冷却管を備えた
4ツ口フラスコ内で60℃に加熱攪はんしながら重合開
始剤としてV−50(2,2′−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)2塩酸塩、和光純薬製)を1部添加するこ
とで重合を開始した。この温度で5時間重合を行い重合
体溶液を得た。
【0045】比較合成例2 p−スチレンスルホン酸ナトリウム85部およびメタク
リル酸15部を蒸留水200部およびエタノール50部
に溶解し、攪はん機、温度計、窒素導入管、還流冷却管
を備えた 4ツ口フラスコ内で60℃に加熱攪はんしなが
ら重合開始剤としてV−50(2,2′−アゾビス(2
−アミジノプロパン)2塩酸塩、和光純薬製)を1部添
加することで重合を開始した。この温度で5時間重合を
行い重合体溶液を得た。
【0046】比較合成例3 p−スチレンスルホン酸ナトリウム5部、アリルスルホ
ン酸ナトリウム95部を蒸留水200部およびエタノー
ル50部に溶解し、攪はん機、温度計、窒素導入管 、
還流冷却管を備えた4ツ口フラスコ内で60℃に加熱攪
はんしながら重合開始剤としてV−50(2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、和光純薬
製)を1部添加することで重合を開始した。この温度で
5時間重合を行い重合体溶液を得た。
【0047】比較合成例4 p−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド
100部を蒸留水200部に溶解し 、攪はん機、温度
計、窒素導入管、還流冷却管を備えた4ツ口フラスコ内
で60℃に加熱攪はんしながら重合開始剤としてV−5
0(2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩
酸塩、和光純薬製)を1部添加することで重合を開始し
た。この温度で5時間重合を行い重合体溶液を得た。
【0048】比較合成例5 ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライ
ドによる4級化物100部を蒸留水300部に溶解し、
攪はん機、温度計、窒素導入管、還流冷却管を備えた4
ツ口フラスコ内で60℃に加熱攪はんしながら重合開始
剤として V−50(2,2′−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)2塩酸塩、和光純薬製)を1部添加するこ
とで重合を開始した。この温度で5時間重合を行い重合
体溶液を得た。
【0049】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(PET)チップを溶融
し、ダイスリットから押出して製膜しクーリングローラ
ーで急冷することでアモルファスPETフィルムを形成
しついでこのフィルムを加熱し縦方向に延伸後片面にワ
イアバーを使用して合成例1〜16および比較合成例1
〜5で得られた重合体溶液(帯電防止剤溶液)を塗布量
が0.1g/m2になるよう塗布し 、引続き連続してフ
ィルムの両端をテンタークリップで把持されて加熱しつ
つ横延伸を行った。200℃での加熱室を経て冷却後試
料を採取した。横延伸後の帯電防止剤の塗布量は約0.
03g/m2 程度であった。得られた帯電防止PETフ
ィルムの物性を表2および表3に示した。
【0050】
【表2】
【0051】表2において、表面抵抗値の測定は試料を
20℃,65%の温湿度雰囲気下に12時間調湿後三菱
油化(株)製高抵抗抵抗率計ハイレスタIPを使用して測
定した。接触角の測定は協和界面科学(株)製自動接触角
測定機を使用し、20℃、65%の温湿度下における純
水に対する塗布膜表面の接触角を測定した。接着性の評
価は導電処理面を5mm画の格子状にカッターナイフで
傷をつけ、セロテープの粘着面を密着させた後、一気に
引き剥した際に剥離部分が生じるか否かで評価を行っ
た。評価は、○(全く剥がれない)、△(部分的に剥が
れる)、×(セロテープの粘着面に対して半分以上の面
積で剥がれる)の3段階評価で行った。
【0052】
【表3】
【0053】表3において透明性の評価は、塗布後のP
ETフィルムのヘイズ値および着色の程度で評価を行っ
た。◎(ヘイズ値2%未満)、○(ヘイズ値2%以上1
0%未満)、△(ヘイズ値10%以上20%未満)、×
(ヘイズ値20%以上)。表面のブロッキング性の評価
は30℃,80%の温湿度条件下で、塗布面を重ね合わ
せて5時間放置した際の表面のべたつきによる接着の程
度で評価を行い、フィルム塗布面を引き離すに要する荷
重による評価を行った。◎(20g未満)、○(20g
以上60g未満)、△(60g以上100g未満)、×
(100g以上)。リサイクル性の評価は帯電防止剤を
塗布したPETフィルムを溶融加熱し、再生されたPE
Tにおける着色の程度を目視により判定した。着色の認
められる場合を×とし、それ以外を○とした。
【0054】実施例2 合成例1〜16および比較合成例1〜5で得られた重合
体溶液を固形分濃度10%となるよう純水で希釈しさら
にエポキシ硬化剤として化5で示す化合物を重合体固形
分に対して20重量%となるよう添加して塗液とした。
塗液のpHは1規定塩酸水溶液または1規定水酸化ナト
リウム水溶液を使用してpH7.5に調整した。このよ
うにして作成された塗液をゼラチンによる水性下引き処
理を施したPETフィルム上に塗布し80℃で4時間乾
燥させ、帯電防止性フィルムを得た。得られた帯電防止
性フィルムの物性を表4および表5にまとめた。
【0055】
【表4】
【0056】表4において、表面抵抗値の測定における
水洗後の測定は、試料を40℃の温水にて1分間水洗
し、乾燥後20℃,65%の温湿度雰囲気下で12時間
調湿を行った後先の場合と同様に表面抵抗値の測定を行
った。接着性の評価はここでは塗布面にさらに硬化剤を
含むゼラチン水溶液を塗布乾燥した後ゼラチン皮膜を4
0℃の温度で1日間加温し硬化を充分に行い、その後4
0℃の温水にてゼラチン塗布面を擦りながら水洗し、塗
布面が部分的にも剥がれた場合は×とし、ゼラチン皮膜
が完全に残っている場合を○とした。
【0057】
【表5】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば形成される皮膜は帯電防
止性能に優れ、かつ経時劣化のない透明性に優れた耐水
性帯電防止性皮膜を与える。さらに、本帯電防止剤を塗
布したフィルムを再生使用する場合においてもフィルム
の加熱溶融による着色等の発生がないことからリサイク
ル性に優れた帯電防止剤を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/16 108

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で示されるモノマー単位を10重量
    部以上70重量部以下および化2で示されるモノマー単
    位を10重量部以上80重量部以下、さらに化3で示さ
    れるモノマー単位を1重量部以上50重量部以下の割合
    で少なくとも含む重合体であることを特徴とする帯電防
    止剤。 【化1】 (化1中X1は水素またはナトリウム、カリウム、NH4
    を表す。) 【化2】 (化2中R1は水素またはメチル基を表し、X2は水素ま
    たはナトリウム、カリウム、NH4を表す。) 【化3】 (化3中R2は水素またはメチル基を表し、R3は炭素数
    1から12のアルキル基または、テトラヒドロフルフリ
    ル基を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1において示されるモノマー単位
    に加えてさらに化4で示されるモノマー単位あるいはア
    リルアミン、ジアリルアミン、N−メチルジアリルアミ
    ン、N,N−ジメチルアリルアミン、ビニルイミダゾー
    ルの内から選ばれるアミノ基含有モノマー単位を20重
    量部以下の割合で共重合成分として含む重合体であるこ
    とを特徴とする帯電防止剤。 【化4】 (化4中、R4は水素またはメチル基を表し 、R5はC
    2CH2またはCH2CH2CH2基を表し、R6,R7
    メチル基またはエチル基を表す。また連結基QはCOO
    またはCONH基を表す。)
  3. 【請求項3】 請求項1において示されるモノマー単位
    に加えてさらにアクリル酸、メタクリル酸、クロトン
    酸、イタコン酸、マレイン酸から選ばれるカルボキシル
    基含有モノマー単位を20重量部以下の割合で共重合成
    分として含む重合体であることを特徴とする帯電防止
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項2あるいは請求項3において該重
    合体がエポキシ硬化剤で3次元架橋されていることを特
    徴とする帯電防止剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002076597A1 (fr) * 2001-03-22 2002-10-03 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Tensioactif et procede de production et d'utilisation associe
JP2007112883A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Fujifilm Corp 金属微粒子分散物およびその製造方法、並びに、これを用いた着色組成物、感光性転写材料、遮光画像付き基板、カラーフィルターおよび液晶表示装置
US20120032093A1 (en) * 2010-08-03 2012-02-09 Kemira Chemicals Inc. Tagged scale inhibitor compositions and methods of inhibiting scale

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