JPH06248023A - 高分子化合物および帯電防止剤 - Google Patents

高分子化合物および帯電防止剤

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JPH06248023A
JPH06248023A JP3905993A JP3905993A JPH06248023A JP H06248023 A JPH06248023 A JP H06248023A JP 3905993 A JP3905993 A JP 3905993A JP 3905993 A JP3905993 A JP 3905993A JP H06248023 A JPH06248023 A JP H06248023A
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JP
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formula
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monomer
alkyl
polymer compound
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JP3905993A
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English (en)
Inventor
Masaharu Okido
正治 大城戸
Hiroyuki Komatsu
裕幸 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(A) 【化1】 (式中、各記号は明細書に記載のとおりである。)で表
される構造単位(A)からなる高分子化合物、および当
該高分子化合物を含有してなる帯電防止剤。また、式
(A)由来のモノマー(I)と、α−オレフィンカルボ
ン酸、水酸基含有モノマー、アミド基含有モノマー、オ
キシラン環含有モノマーまたは(メタ)アクリル酸エス
テルから選ばれる少なくとも1種のモノマーとが共重合
されてなる高分子化合物、および当該高分子化合物を含
有してなる帯電防止剤。 【効果】 本発明の高分子化合物は優れた帯電防止性お
よび耐熱性を有し、かつ柔軟性も有するものであり、帯
電防止剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂(例えばポリ
エステル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリア
クリレート、ポリエチレン等)の成形物、特にポリエス
テル成形物に用いられる帯電防止剤として有用な高分子
化合物、およびこれを使用した帯電防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】合成樹脂
(例えばポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリアクリレート、ポリエチレン等)の成形物
は、あらゆる分野に利用されている。しかし、これらの
合成樹脂成形物、例えばポリエステルフィルムにおいて
は、表面固有抵抗値が1014〜1017Ω/□であり、一
般に非常に帯電しやすい。そのため、磁気記録媒体や電
子材料の素材として用いる場合、異物吸着のトラブルを
起こしやすいという問題点を有する。
【0003】そこで、合成樹脂成形物に帯電防止性を付
与する方法として、帯電防止塗料を塗布する方法やベー
スポリマーに帯電防止剤を練り込む方法が従来から知ら
れている。
【0004】しかしながら、帯電防止剤として低分子界
面活性剤を用いる場合、成形物表面への帯電防止剤のブ
リード、あるいは磨耗などによる帯電防止剤の脱落等に
よって、帯電防止性の低下等が起こりうる。また、ポリ
エステルフィルムに用いる場合には、220℃以上での
高温処理工程があるため、帯電防止剤の熱分解、揮発等
の問題もある。
【0005】従来のポリマー型帯電防止剤としては、特
開平3−188148号公報等にみられるようなカチオ
ン系タイプがあるが、これは耐熱性に劣り、変色しやす
いという問題を有する。また、特開平3−84056号
公報等にみられるようなポリアルキレングリコール共重
合体タイプでは、薄膜にした場合、低湿度下では表面固
有抵抗値が1011〜1012Ω/□となり、充分な帯電防
止性が得られない。
【0006】そこで、耐熱性等の問題解決のため、アニ
オン系タイプの帯電防止剤の使用が考えられるが、カル
ボン酸塩では充分な帯電防止性が得られない。また、ス
ルホン酸塩、例えばポリ−p−スチレンスルホン酸ソー
ダ共重合体等では、充分な帯電防止性および耐熱性は得
られるが、樹脂自身が非常に剛直であるため、熱処理中
にひずみが生じたり、基材から剥離したり、またポリエ
ステルフィルムの延伸工程において追随性が得られず、
白化およびクラック等が起こり、帯電防止性の低下の原
因となる。
【0007】本発明の目的は、上記問題点を解決しう
る、優れた帯電防止性を有し、かつ充分な耐熱性、柔軟
性(フィルム追随性)を有する帯電防止剤、および帯電
防止剤として有用な高分子化合物を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、下記リン酸塩型高分子化合物が優れた帯電防
止性および充分な耐熱性、柔軟性を有することを見出
し、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、式(A)
【0010】
【化12】
【0011】〔式中、R1 は水素またはメチルを、R2
は式(II)
【0012】
【化13】
【0013】(式中、lおよびmは0または1以上の整
数、nは0または1、1≦l+m+n≦10)で表され
る基を、M1 およびM2 は同一または異なってアルカリ
金属、または式(III)
【0014】
【化14】
【0015】(式中、R3 ,R4 およびR5 は同一また
は異なって、水素、炭素数1〜18のアルキルまたは炭
素数1〜2のヒドロキシアルキルを示す)で表される基
を示す。〕で表される構造単位(A)からなる高分子化
合物、および当該高分子化合物を含有してなる帯電防止
剤に関する。
【0016】また、式(I)
【0017】
【化15】
【0018】(式中、R1 、R2 、M1 およびM2 は前
記と同義である。)で表されるモノマー(以下、モノマ
ー(I)という)と、α−オレフィンカルボン酸、水酸
基含有モノマー、アミド基含有モノマー、オキシラン環
含有モノマー、または式(IV)
【0019】
【化16】
【0020】(式中、R6 は水素またはメチルを、R7
は炭素数1〜12のアルキルを示す)で表されるモノマ
ー(以下、モノマー(IV)という)から選ばれる少なく
とも1種のモノマーとが共重合されてなる高分子化合
物、つまり、構造単位(A)の1種と、式(B)
【0021】
【化17】
【0022】〔式中、R8 およびR9 は同一または異な
って水素、メチルまたはカルボキシルを、R10は水素、
メチルまたはカルボキシルメチルを、R11は−COOR
12(R 12は水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数1
〜4のヒドロキシアルキル、カルボキシエチルカルボニ
ルオキシエチル、グリシジルまたは1,2−エポキシシ
クロヘキシル−4−メチルを示す)、−CONHCH2
OR13(R13は水素または炭素数1〜4のアルキルを示
す)、グリシジルオキシメチル、炭素数1〜4のアルキ
ルまたはハロアルキルで置換されていてもよいフェニ
ル、炭素数1〜12のアルコキシまたは−OCOR
14(R14は水素または炭素数1〜12のアルキルを示
す)を示す。〕で表される構造単位(B)の1種または
2種以上を必須構造単位とする高分子化合物、および当
該高分子化合物を含有してなる帯電防止剤に関する。
【0023】さらに、上記高分子化合物(共重合体のも
の)と水溶性メラミン樹脂を含有してなる帯電防止剤に
関する。
【0024】本明細書中におけるR3 、R4 およびR5
で示される炭素数1〜18のアルキルとしては、直鎖状
または分枝状のいずれでもよく、具体的にはメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチ
ル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、
オクタデシル等が挙げられる。R3 、R4 およびR5
示される炭素数1〜2のヒドロキシアルキルとしては、
ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルが挙げられる。R
7 、R12およびR14で示される炭素数1〜12のアルキ
ルとしては、直鎖状または分枝状のいずれでもよく、具
体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等が挙げら
れる。
【0025】R11で示される炭素数1〜4のアルキルま
たはハロアルキルで置換されていてもよいフェニルにお
いて、炭素数1〜4のアルキルとはメチル、エチル、プ
ロピル、ブチル等が挙げられ、ハロアルキルとはフッ
素、塩素、臭素またはヨウ素で置換されている炭素数1
〜4のアルキルである。具体的にはクロロメチルフェニ
ル、フルオロメチルフェニル等が挙げられる。R11で示
される炭素数1〜12のアルコキシとしては、直鎖状ま
たは分枝状のいずれでもよく、具体的にはメトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキ
シルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、ドデシル
オキシ等が挙げられる。R12で示される炭素数1〜4の
ヒドロキシアルキルとしては、ヒドロキシメチル、ヒド
ロキシエチル、ヒドロキシプロピル、シドロキシブチル
等が挙げられる。R13で示される炭素数1〜4のアルキ
ルとしては、直鎖状または分枝状のいずれでもよく、具
体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル等が挙げら
れる。
【0026】本発明において使用されるモノマー(I)
は、アクリロイル基またはメタクリロイル基含有のリン
酸モノマーであり、親水性成分(アルカリ金属塩または
アンモニウム塩部分)を有し、耐熱性のあるリン酸基を
持ち、かつそのリン酸基と(メタ)アクリロイル基の間
に存在する(ポリ)アルキレンオキシ基のために柔軟性
を示す。また、リン酸基1個当たり塩は2個付加し得る
ので、これと類似構造を持つカルボン酸塩、スルホン酸
塩よりも優れた吸湿性、保水性、帯電防止性を有するこ
とができる。さらに、塩を形成することにより対イオン
が電荷移動しやすく、絶乾状態でも優れた帯電防止性を
示すことができる。
【0027】当該モノマー(I)は、式(I')
【0028】
【化18】
【0029】(式中、R1 およびR2 は前記と同義であ
る)で表されるモノマー(以下、モノマー(I')とい
う)に、従来公知の方法でアルカリ金属塩またはアンモ
ニウム塩を付加させて得られる。
【0030】モノマー(I')の代表的な例を表1に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】上記のうち、帯電防止性、柔軟性、反応性
の点から、モノマーPE、モノマーA、モノマーAPE
が好ましい。
【0033】ここで、上記モノマーを用いて得られた高
分子化合物において、リン酸基部分の割合が高いものほ
ど帯電防止性は良くなる。つまり、上記モノマーにおけ
る酸価が大きいほど帯電防止性は良くなる。
【0034】また、リン酸基と(メタ)アクリロイル基
との間のアルキレンオキシ基の数、即ち、式(II)にお
ける(l+m+n)の値は、1以上10以下の整数であ
ることが必要であり、好ましくは4〜6である。(l+
m+n)の値が大きいほどモノマーのTg は低くなり、
このモノマーを用いて得られた高分子化合物の柔軟性は
増加するが、逆に帯電防止性や反応性は低下する。つま
り、(l+m+n)が0であると柔軟性に欠け(ポリエ
ステルフィルムの延伸工程における追随性が悪くな
る)、10を越えると帯電防止性および反応性は低下す
る。
【0035】上記モノマー(I')は、塩基による中和を
受けなくても帯電防止性を有しているが、その帯電防止
性の効果は中和率の増加によって向上する。その一例
(モノマーMとモノマーPEの場合)を図1に示す。な
お、図1において、○はモノマーMのカリウム塩につい
てであり、●はモノマーPEのカリウム塩についてであ
る。
【0036】モノマー(I')のリン酸部分に形成される
塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩類が挙げ
られる。アルカリ金属塩としては、例えばリチウム塩、
ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩
が挙げられる。
【0037】式(III) で表されるアンモニウム塩として
は、例えばアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、
n−ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルモノエタノール
アミン、トリエタノールアミン、ジメチルステアリルア
ミン、メチルジラウリルアミン等による塩が挙げられ
る。
【0038】アルカリ金属塩の場合、対イオンの影響は
アルカリ金属のイオン化傾向に従い、その表面固有抵抗
値の大きさはルビジウム≦カリウム<ナトリウム<セシ
ウム<リチウムである。アンモニウム塩の場合、表面固
有抵抗値の大きさはトリエタノールアミン<ジメチルモ
ノエタノールアミン<トリエチルアミン=アンモニアと
なり、窒素置換基におけるヒドロキシアルキル基の数が
多いほど表面固有抵抗値は小さくなり、帯電防止性は良
くなる。また、3個の窒素置換基における炭素数の合計
が20を越えると、ポリエステルフィルムの延伸工程で
の追随性は良くなるが、逆に帯電防止性は低下する。
【0039】モノマー(I)は、α−オレフィンカルボ
ン酸、水酸基含有モノマー、アミド基含有モノマー、オ
キシラン環含有モノマー、モノマー(IV)から選ばれる
少なくとも1種のモノマーと共重合体をつくることがで
きる。
【0040】α−オレフィンカルボン酸としては、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マイレン酸、イタ
コン酸、モノ−β−アクリロイルオキシエチルコハク酸
(NKエステルA−SA、新中村化学工業(株)製)、
モノ−β−メタクリロイルオキシエチルコハク酸(NK
エステルSA、新中村化学工業(株)製)等が挙げら
れ、反応性、柔軟性の点から、アクリル酸、モノ−β−
アクリロイルオキシエチルコハク酸、モノ−β−メタク
リロイルオキシエチルコハク酸が好ましい。
【0041】水酸基含有モノマーとしては、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブ
チルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレー
ト等が挙げられ、反応性、柔軟性の点から、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリ
レート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートが好まし
い。
【0042】アミド基含有モノマーとしては、N−メチ
ロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシ
メチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリル
アミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等が挙げ
られ、反応性、溶解性の点から、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メト
キシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタク
リルアミドが好ましい。
【0043】オキシラン環含有モノマーとしては、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリ
ルグリシジルエーテル、脂環状エポキシモノマー〔1,
2−エポキシシクロヘキシル−4−メチルアクリレート
(サイクロマー A-200、ダイセル化学工業(株)製)、
1,2−エポキシシクロヘキシル−4−メチルメタクリ
レート(サイクロマー M-100、ダイセル化学工業(株)
製)等〕等が挙げられ、反応性、柔軟性の点から、グリ
シジルメタクリレート、脂環状エポキシモノマーが好ま
しい。
【0044】モノマー(IV)としては、そのアルキルエ
ステル部分におけるアルキルの炭素数が1〜12である
(メタ)アクリル酸エステルであり、具体的には、メチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリ
レート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウ
リルアクリレート、ラウリルメタクリレート等が挙げら
れ、共重合性の面から、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレ
ートが好ましい。
【0045】モノマー(I)と共重合可能な上記以外の
モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、4
−n−ブチルスチレン、α−クロルメチルスチレン等の
芳香族系モノマー;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等のビニル系モノマー;メチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル等
のビニルエーテル系モノマー等が挙げられ、これらはモ
ノマー(IV)の(メタ)アクリル酸エステルの一部およ
び全部と置き換えることもできる。
【0046】上記モノマーを重合あるいは共重合して得
られた高分子化合物における各成分の割合は、通常、モ
ノマー(I)成分〔構造単位(A)〕が30〜100重
量%、モノマー(I)以外のモノマー成分〔α−オレフ
ィンカルボン酸、水酸基含有モノマー、アミド基含有モ
ノマー、オキシラン環含有モノマー、モノマー(IV)
等:構造単位(B)〕が70〜0重量%であり、好まし
くは、それぞれ70〜100重量%、30〜0重量%で
ある。構造単位(A)の割合が30重量%未満であると
充分な帯電防止性が得られない。
【0047】上記高分子化合物(モノマー(I)の単独
重合体および共重合体)の数平均分子量は、通常100,00
0 〜1,000,000 、好ましくは100,000 〜600,000 であ
る。
【0048】本発明においては、耐水性向上のために上
記高分子化合物をさらに架橋させることもできる。その
場合、モノマー(I)と水酸基含有モノマーおよび/ま
たはアミド基含有モノマーとの共重合体を用いることを
前提とし、その架橋剤としては、反応速度、架橋密度、
相溶性の点から水溶性メラミン樹脂が最も望ましい。
【0049】水溶性メラミン樹脂としては、N−メチロ
ール化メラミン、メトキシメチルメラミン、ブチル化メ
ラミン(一部アルキル変性)等が良好であるが、特に水
溶性の点からN−メチロール化メラミンが最も良好であ
る。
【0050】この場合、当該メラミン樹脂を上記共重合
体の5〜60重量%、好ましくは5〜20重量%使用
し、通常の酸触媒(例えば第一リン酸アンモン、塩化ア
ンモン、p−トルエンスルホン酸等)を上記共重合体の
1〜3重量%併用して架橋させることもできる。
【0051】架橋型高分子化合物の構造としては、例え
ば架橋剤としてN−メチロール化メラミンを用いた場
合、構造単位(A)および(B)以外に、例えば式
(C)
【0052】
【化19】
【0053】(式中、Rは水素またはメチルを、R15
炭素数1〜4のアルキルを示す。)で表される構造単位
(C)を含むもの等が挙げられる。
【0054】R15で示される炭素数1〜4のアルキルと
しては、直鎖状または分枝状のいずれでもよく、具体的
にはメチル、エチル、プロピル、ブチル等が挙げられ
る。
【0055】上記の架橋型高分子化合物の数平均分子量
は、通常、数100万以上となる。
【0056】上記モノマーの重合あるいは共重合は、従
来公知の方法により行うことができる。即ち、溶液重
合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等によって行われる
が、反応性、安定性の点から、溶液重合、乳化重合が好
ましい。また、重合開始剤(例えば、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモン、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸
化水素、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸
化物、アゾイソブチロニトリル、アゾイソバレロニトリ
ル等のアゾ系化合物等)等も用いることができる。
【0057】本発明の帯電防止剤には、前述した高分子
化合物の他に、必要に応じて濡れ剤等を加えることがで
きる。濡れ剤としては、アニオン、ノニオンおよび両性
型界面活性剤が挙げられ、当該帯電防止剤を含有した水
溶液の表面張力を所望の値に調整して、合成樹脂成形物
への濡れを促進するものが好ましい。(例えばポリエス
テルフィルムに適用させる場合には、表面張力を40dy
n/cm以下にすることが好ましい。)具体的には、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキルス
ルホン酸塩、ベタイン型界面活性剤等が挙げられる。
【0058】また、本発明の目的を阻害しない限り、紫
外線吸収剤、顔料、有機フィラー、無機フィラー、潤滑
剤、ブロッキング防止剤等を併用してもよい。
【0059】本発明における帯電防止剤は、通常行われ
ている方法で樹脂成形物に適用される。即ち、帯電防止
剤を含有する水溶液を、合成樹脂成形物に塗布、乾燥
し、場合によりさらに熱硬化させることにより、帯電防
止層が形成される。特にポリエステルフィルムに対して
は、ポリエステルを溶融押出してキャスティングした直
後、あるいは縦または横のどちらか一方向に延伸を行っ
た直後のフィルム表面に、上記水溶液を塗布するのが好
ましい。通常は、縦方向に延伸した一軸延伸フィルム上
に当該水溶液を塗布し、続いて加熱しながら横延伸した
後、高温でフィルムを熱固定すると共に、帯電防止層の
乾燥、さらには熱硬化を完了させる。
【0060】このとき、合成樹脂成形物上に帯電防止剤
含有水溶液を塗布する方法としては、従来公知の方法が
適用でき、例えばスプレーコート法、エアーナイフ法、
リバースコート法、キースコート法、グラビアコート
法、マイヤーバー法、ロールブラッシュ法等が用いられ
る。
【0061】適用される帯電防止剤含有水溶液の濃度
は、コーティング方法によって異なるが、通常0.5〜
50重量%、好ましくは1〜10重量%である。塗布量
はwet量で1〜20g/m2 であることが好ましい。
【0062】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例、比較例中の「部」とあるのは重量部を示
す。
【0063】実施例1 3リットルの4ツ口フラスコに、アシッドホスホオキシ
エチルメタクリレート(モノマーM、酸価519.8mg
KOH/g ;商品名ホスマーM、ユニケミカル(株)製)1
40部と水2000部を加えた後、水酸化ナトリウム5
4部を加えて中和後、エチルアクリレート48部、2−
ヒドロキシエチルアクリレート12部を加え、撹拌しな
がら85℃まで昇温を行い、過硫酸カリウム4部を加え
て85℃を維持しながら4時間熟成を行い、本発明の高
分子化合物を得た。数平均分子量320000。
【0064】固有粘度(オルソクロロフェノール、35
℃)0.66のポリエチレンテレフタレートを、20℃
に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出して未延伸フィ
ルムとし、この未延伸フィルムに上記高分子化合物の水
溶液をキースコート法で0.5g/m2 塗布し、未延伸
の被覆ポリエステルフィルムを得た。また、上記の未延
伸の被覆ポリエステルフィルムを90℃の余熱ゾーンに
通し、100℃で横方向に2倍延伸し、さらに周速の異
なる85℃の一対のロール間で縦方向に5倍延伸した
後、200〜210℃で熱固定し、延伸後の被覆ポリエ
ステルフィルム(膜厚0.05μm)を得た。
【0065】実施例2 水酸化ナトリウム54部の代わりに水酸化カリウム(8
5%)85.6部を用いた以外は、実施例1と同様にし
て高分子化合物を得た。数平均分子量340000。こ
れを用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィ
ルムを得た。
【0066】実施例3 水酸化ナトリウム54部の代わりに水酸化リチウム3
1.1部を用いた以外は、実施例1と同様にして高分子
化合物を得た。数平均分子量280000。これを用い
て実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィルムを得
た。
【0067】実施例4 水酸化ナトリウム54部の代わりに炭酸ルビジウム14
9.1部を用いた以外は、実施例1と同様にして高分子
化合物を得た。数平均分子量420000。これを用い
て実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィルムを得
た。
【0068】実施例5 水酸化ナトリウム54部の代わりに炭酸セシウム21
1.4部を用いた以外は、実施例1と同様にして高分子
化合物を得た。数平均分子量440000。これを用い
て実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィルムを得
た。
【0069】実施例6 水酸化ナトリウム54部の代わりに25%アンモニア水
溶液88.2部を用いた以外は、実施例1と同様にして
高分子化合物を得た。数平均分子量290000。これ
を用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィル
ムを得た。
【0070】実施例7 水酸化ナトリウム54部の代わりにトリエタノールアミ
ン193.2部を用いた以外は、実施例1と同様にして
高分子化合物を得た。数平均分子量190000。これ
を用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィル
ムを得た。
【0071】実施例8 モノマーM140部の代わりにアシッドホスホオキシポ
リオキシエチレングリコールモノメタクリレート(モノ
マーPE、酸価319.2mgKOH/g ;商品名ホスマーP
E、ユニケミカル(株)製)140部を用い、水酸化ナ
トリウム54部の代わりに水酸化ナトリウム33.2部
を用いた以外は、実施例1と同様にして高分子化合物を
得た。数平均分子量260000。これを用いて実施例
1と同様にして被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0072】実施例9 モノマーM140部の代わりにモノマーPE140部を
用い、水酸化ナトリウム54部の代わりに水酸化カリウ
ム(85%)52.6部を用いた以外は、実施例1と同
様にして高分子化合物を得た。数平均分子量27000
0。これを用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステ
ルフィルムを得た。
【0073】実施例10 モノマーM140部の代わりにモノマーPE140部を
用い、水酸化ナトリウム54部の代わりに水酸化リチウ
ム19.1部を用いた以外は、実施例1と同様にして高
分子化合物を得た。数平均分子量250000。これを
用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィルム
を得た。
【0074】実施例11 モノマーM140部の代わりにモノマーPE140部を
用い、水酸化ナトリウム54部の代わりに炭酸ルビジウ
ム91.7部を用いた以外は、実施例1と同様にして高
分子化合物を得た。数平均分子量290000。これを
用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィルム
を得た。
【0075】実施例12 モノマーM140部の代わりにモノマーPE140部を
用い、水酸化ナトリウム54部の代わりに炭酸セシウム
130部を用いた以外は、実施例1と同様にして高分子
化合物を得た。数平均分子量300000。これを用い
て実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィルムを得
た。
【0076】実施例13 モノマーM140部の代わりにモノマーPE140部を
用い、水酸化ナトリウム54部の代わりに25%アンモ
ニア水溶液54.2部を用いた以外は、実施例1と同様
にして高分子化合物を得た。数平均分子量22000
0。これを用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステ
ルフィルムを得た。
【0077】実施例14 モノマーM140部の代わりにモノマーPE140部を
用い、水酸化ナトリウム54部の代わりに、トリエタノ
ールアミン118.8部を用いた以外は、実施例1と同
様にして高分子化合物を得た。数平均分子量16000
0。これを用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステ
ルフィルムを得た。
【0078】実施例15 モノマーM140部の代わりにアシッドホスホオキシエ
チルアクリレート(モノマーA、酸価572mgKOH/g ;
商品名ライトエステルPA、共栄社科学(株)製)14
0部を用い、水酸化ナトリウム54部の代わりに水酸化
カリウム(85%)94部を用いた以外は、実施例1と
同様にして高分子化合物を得た。数平均分子量2100
00。これを用いて実施例1と同様にして被覆ポリエス
テルフィルムを得た。
【0079】実施例16 モノマーM140部の代わりにアシッドホスホオキシポ
リオキシエチレングリコールモノメタクリレート(モノ
マーLPE、酸価192.2mgKOH/g )140部を用
い、水酸化ナトリウム54部の代わりに水酸化カリウム
(85%)31.6部を用いた以外は、実施例1と同様
にして高分子化合物を得た。数平均分子量17000
0。これを用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステ
ルフィルムを得た。
【0080】実施例17 モノマーM140部の代わりにアシッドホスホオキシプ
ロピルメタクリレート(モノマーP、酸価511.0mg
KOH/g ;商品名ホスマーP、ユニケミカル(株)製)1
40部を用い、水酸化ナトリウム54部の代わりに水酸
化カリウム(85%)82.6部を用いた以外は、実施
例1と同様にして高分子化合物を得た。数平均分子量2
30000。これを用いて実施例1と同様にして被覆ポ
リエステルフィルムを得た。
【0081】実施例18 モノマーM140部の代わりにアシッドホスホオキシポ
リオキシプロピレングリコールモノメタクリレート(モ
ノマーPP、酸価257.6mgKOH/g ;商品名ホスマー
PP、ユニケミカル(株)製)140部を用い、水酸化
ナトリウム54部の代わりに水酸化カリウム(85%)
42.4部を用いた以外は、実施例1と同様にして高分
子化合物を得た。数平均分子量210000。これを用
いて実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィルムを
得た。
【0082】実施例19 モノマーM140部の代わりにアシッドホスホオキシポ
リオキシプロピレングリコールモノメタクリレート(モ
ノマーLPP、酸価156.6mgKOH/g )140部を用
い、水酸化ナトリウム54部の代わりに水酸化カリウム
(85%)25.8部を用いた以外は、実施例1と同様
にして高分子化合物を得た。数平均分子量12000
0。これを用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステ
ルフィルムを得た。
【0083】実施例20 モノマーM140部の代わりにアシッドホスホオキシポ
リオキシエチレングリコールモノアクリレート(モノマ
ーAPE、酸価320.6mgKOH/g )140部を用い、
水酸化ナトリウム54部の代わりに水酸化カリウム(8
5%)52.8部を用いた以外は、実施例1と同様にし
て高分子化合物を得た。数平均分子量260000。こ
れを用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィ
ルムを得た。
【0084】実施例21 モノマーM140部の代わりにアシッドホスホオキシポ
リオキシプロピレングリコールモノアクリレート(モノ
マーAPP、酸価238.3mgKOH/g )140部を用
い、水酸化ナトリウム54部の代わりに水酸化カリウム
(85%)39.2部を用いた以外は、実施例1と同様
にして高分子化合物を得た。数平均分子量21000
0。これを用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステ
ルフィルムを得た。
【0085】実施例22 モノマーM140部の代わりにアシッドホスホオキシポ
リオキシエチレングリコールポリオキシプロピレングリ
コールモノメタクリレート(モノマー 2PE-3PP、酸価2
34.3mgKOH/g )140部を用い、水酸化ナトリウム
54部の代わりに水酸化カリウム(85%)38.6部
を用いた以外は、実施例1と同様にして高分子化合物を
得た。数平均分子量190000。これを用いて実施例
1と同様にして被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0086】実施例23 モノマーM140部の代わりに3−クロロ−2−アシッ
ドホスホオキシプロピルメタクリレート(モノマーC
l、酸価417.2mgKOH/g ;商品名ホスマーCl、ユ
ニケミカル(株)製)140部を用い、水酸化ナトリウ
ム54部の代わりに水酸化カリウム(85%)69部を
用いた以外は、実施例1と同様にして高分子化合物を得
た。数平均分子量280000。これを用いて実施例1
と同様にして被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0087】実施例24 水酸化ナトリウム54部の代わりにジメチルステアリル
アミン214部を用いた以外は、実施例1と同様にして
高分子化合物を得た。数平均分子量110000。これ
を用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィル
ムを得た。
【0088】実施例25 3リットルの4ツ口フラスコに、モノマーM200部と
水2000部を加えた後、水酸化カリウム(85%)1
22.3部を加えて中和後、85℃まで昇温を行い、過
硫酸カリウム4部を加えて85℃を維持しながら4時間
熟成を行い、本発明の高分子化合物を得た。数平均分子
量370000。これを用いて実施例1と同様にして被
覆ポリエステルフィルムを得た。
【0089】実施例26 モノマーM200部の代わりにモノマーPE200部を
用い、水酸化カリウム(85%)122.3部の代わり
に水酸化カリウム(85%)75.1部を用いた以外
は、実施例25と同様にして高分子化合物を得た。数平
均分子量250000。これを用いて実施例1と同様に
して被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0090】実施例27 モノマーM200部の代わりにモノマーA200部を用
い、水酸化カリウム(85%)122.3部の代わりに
水酸化カリウム(85%)134.3部を用いた以外
は、実施例25と同様にして高分子化合物を得た。数平
均分子量230000。これを用いて実施例1と同様に
して被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0091】実施例28 モノマーM200部の代わりにモノマーLPE200部
を用い、水酸化カリウム(85%)122.3部の代わ
りに水酸化カリウム(85%)45.1部を用いた以外
は、実施例25と同様にして高分子化合物を得た。数平
均分子量150000。これを用いて実施例1と同様に
して被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0092】実施例29 モノマーM200部の代わりにモノマーP200部を用
い、水酸化カリウム(85%)122.3部の代わりに
水酸化カリウム(85%)118部を用いた以外は、実
施例25と同様にして高分子化合物を得た。数平均分子
量350000。これを用いて実施例1と同様にして被
覆ポリエステルフィルムを得た。
【0093】実施例30 モノマーM200部の代わりにモノマーPP200部を
用い、水酸化カリウム(85%)122.3部の代わり
に水酸化カリウム(85%)60.6部を用いた以外
は、実施例25と同様にして高分子化合物を得た。数平
均分子量250000。これを用いて実施例1と同様に
して被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0094】実施例31 モノマーM200部の代わりにモノマーLPP200部
を用い、水酸化カリウム(85%)122.3部の代わ
りに水酸化カリウム(85%)36.9部を用いた以外
は、実施例25と同様にして高分子化合物を得た。数平
均分子量110000。これを用いて実施例1と同様に
して被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0095】実施例32 モノマーM200部の代わりにモノマーAPE200部
を用い、水酸化カリウム(85%)122.3部の代わ
りに水酸化カリウム(85%)75.4部を用いた以外
は、実施例25と同様にして高分子化合物を得た。数平
均分子量350000。これを用いて実施例1と同様に
して被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0096】実施例33 モノマーM200部の代わりにモノマーAPP200部
を用い、水酸化カリウム(85%)122.3部の代わ
りに水酸化カリウム(85%)56部を用いた以外は、
実施例25と同様にして高分子化合物を得た。数平均分
子量280000。これを用いて実施例1と同様にして
被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0097】実施例34 モノマーM200部の代わりにモノマー2PE-3PP 200
部を用い、水酸化カリウム(85%)122.3部の代
わりに水酸化カリウム(85%)55.1部を用いた以
外は、実施例25と同様にして高分子化合物を得た。数
平均分子量220000。これを用いて実施例1と同様
にして被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0098】実施例35 モノマーM200部の代わりにモノマーClを200部
用い、水酸化カリウム(85%)122.3部の代わり
に水酸化カリウム(85%)98.6部を用いた以外
は、実施例25と同様にして高分子化合物を得た。数平
均分子量270000。これを用いて実施例1と同様に
して被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0099】実施例36 2−ヒドロキシエチルアクリレート12部の代わりにア
クリル酸12部を用いた以外は、実施例1と同様にして
高分子化合物を得た。数平均分子量420000。これ
を用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィル
ムを得た。
【0100】実施例37 2−ヒドロキシエチルアクリレート12部の代わりにN
−メチロールアクリルアミド12部を用いた以外は、実
施例1と同様にして高分子化合物を得た。数平均分子量
650000。これを用いて実施例1と同様にして被覆
ポリエステルフィルムを得た。
【0101】実施例38 2−ヒドロキシエチルアクリレート12部の代わりにグ
リシジルメタクリレート12部を用いた以外は、実施例
1と同様にして高分子化合物を得た。数平均分子量51
0000。これを用いて実施例1と同様にして被覆ポリ
エステルフィルムを得た。
【0102】実施例39 実施例1で得られた高分子化合物100部に、ヘキサ−
N−メチロールメラミン15部、p−トルエンスルホン
酸1.5部を添加して、架橋型の高分子化合物を得、こ
れを用いて実施例1と同様にして被覆ポリエステルフィ
ルムを得た。
【0103】比較例1 固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.66
のポリエチレンテレフタレートを、20℃に維持した回
転冷却ドラム上に溶融押出して未延伸フィルムとし、実
施例1と同様にして延伸させ、被覆層を有さないポリエ
ステルフィルムを得た。
【0104】比較例2 3リットルの4ツ口フラスコに、p−スチレンスルホン
酸ソーダ(固形分80%)175部に水1965部を加
え、充分に撹拌溶解した後、エチルアクリレート48
部、2−ヒドロキシエチルアクリレート12部を加えて
撹拌しながら85℃まで昇温を行った。その後、過硫酸
カリウム4部を加え、85℃を維持しながら4時間熟成
を行い、高分子化合物を得た。これを用いて実施例1と
同様にして被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0105】上記の実施例、比較例で得られた被覆ポリ
エステルフィルム(延伸前、延伸後)について、表面固
有抵抗値、透明性および耐熱性を下記の方法に従って測
定した。なお、延伸前の被覆ポリエステルフィルムの表
面固有抵抗値、透明性および耐熱性については、未延伸
の被覆ポリエステルフィルムを120℃で1分間乾燥
後、さらに220℃で30秒間熱処理したもの(膜厚
0.5μm)について測定した。また、その結果を表2
に示す。
【0106】表面固有抵抗値 フィルムを25℃、50%RHで24時間放置後、微量
電流計TR−8601−TR−42(測定部)(タケダ
理研(株)製)を用いて測定した。 透明性 フィルムの透明性(帯電防止剤の追随性に関与)を目視
により測定し、以下の基準に従って判定した。 〔1:透明、2:微かに濁る、3:部分的に濁る、4:
全体が白色を帯びる〕 耐熱性 フィルムの熱分解温度を測定したところ、すべての試料
の熱分解温度は200℃以上であり、高温処理工程にお
ける熱分解、揮発等はみられなかった。
【0107】
【表2】
【0108】表2からわかるように、本発明の高分子化
合物は優れた帯電防止性を有し、従来のアニオン系高分
子型帯電防止剤であるポリ−p−スチレンスルホン酸ソ
ーダ共重合体より、はるかにフィルム追随性を有してい
る。また、充分な耐熱性も有している。
【0109】
【発明の効果】本発明の高分子化合物は、優れた帯電防
止性および耐熱性を有し、かつ柔軟性も有するものであ
り、帯電防止剤として有用である。従って、本発明の高
分子化合物および帯電防止剤を適用して得られた成形物
は、優れた帯電防止性と耐熱性を兼備し、特にビデオテ
ープ、オーディオテープ、コンピューターテープ、フロ
ッピーディスク等の磁気記録媒体の基材、およびメンブ
レン、テレホンカード、ラベル、マイクロフィルム、ジ
アゾフィルム、OHPフィルム等の一般工業用フィルム
の基材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】中和率の増加に伴う帯電防止性の効果を示すグ
ラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(A) 【化1】 〔式中、R1 は水素またはメチルを、R2 は式(II) 【化2】 (式中、lおよびmは0または1以上の整数、nは0ま
    たは1、1≦l+m+n≦10)で表される基を、M1
    およびM2 は同一または異なってアルカリ金属、または
    式(III) 【化3】 (式中、R3 ,R4 およびR5 は同一または異なって、
    水素、炭素数1〜18のアルキルまたは炭素数1〜2の
    ヒドロキシアルキルを示す)で表される基を示す。〕で
    表される構造単位(A)からなる高分子化合物。
  2. 【請求項2】 式(I) 【化4】 〔式中、R1 は水素またはメチルを、R2 は式(II) 【化5】 (式中、lおよびmは0または1以上の整数、nは0ま
    たは1、1≦l+m+n≦10)で表される基を、M1
    およびM2 は同一または異なってアルカリ金属、または
    式(III) 【化6】 (式中、R3 ,R4 およびR5 は同一または異なって、
    水素、炭素数1〜18のアルキルまたは炭素数1〜2の
    ヒドロキシアルキルを示す)で表される基を示す。〕で
    表されるモノマーと、α−オレフィンカルボン酸、水酸
    基含有モノマー、アミド基含有モノマー、オキシラン環
    含有モノマー、または式(IV) 【化7】 (式中、R6 は水素またはメチルを、R7 は炭素数1〜
    12のアルキルを示す)で表されるモノマーから選ばれ
    る少なくとも1種のモノマーとが共重合されてなる高分
    子化合物。
  3. 【請求項3】 式(A) 【化8】 〔式中、R1 は水素またはメチルを、R2 は式(II) 【化9】 (式中、lおよびmは0または1以上の整数、nは0ま
    たは1、1≦l+m+n≦10)で表される基を、M1
    およびM2 は同一または異なってアルカリ金属、または
    式(III) 【化10】 (式中、R3 ,R4 およびR5 は同一または異なって、
    水素、炭素数1〜18のアルキルまたは炭素数1〜2の
    ヒドロキシアルキルを示す)で表される基を示す。〕で
    表される構造単位(A)の1種と、式(B) 【化11】 〔式中、R8 およびR9 は同一または異なって水素、メ
    チルまたはカルボキシルを、R10は水素、メチルまたは
    カルボキシルメチルを、R11は−COOR12(R 12は水
    素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜4のヒドロ
    キシアルキル、カルボキシエチルカルボニルオキシエチ
    ル、グリシジルまたは1,2−エポキシシクロヘキシル
    −4−メチルを示す)、−CONHCH2 OR13(R13
    は水素または炭素数1〜4のアルキルを示す)、グリシ
    ジルオキシメチル、炭素数1〜4のアルキルまたはハロ
    アルキルで置換されていてもよいフェニル、炭素数1〜
    12のアルコキシまたは−OCOR14(R14は水素また
    は炭素数1〜12のアルキルを示す)を示す。〕で表さ
    れる構造単位(B)の1種または2種以上を必須構造単
    位とする請求項2記載の高分子化合物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の高分子化合物を含有して
    なる帯電防止剤。
  5. 【請求項5】 請求項2または3記載の高分子化合物を
    含有してなる帯電防止剤。
  6. 【請求項6】 さらに水溶性メラミン樹脂を含有してな
    る請求項5記載の帯電防止剤。
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