JP4352605B2 - 帯電防止剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム、紙、ラミネート紙などの基材の表面、または印刷インキ層の表面の帯電防止に効果がある帯電防止剤に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、粉体製品や電子精密部品など静電気の発生を嫌う製品の包装用および搬送用の材料には、帯電防止効果が要求されてきた。フィルム用の帯電防止剤としては、ノニオン性またはイオン性の界面活性剤や親水性ポリマーなどに代表される吸湿性の樹脂皮膜を表面に塗布して、その帯電防止効果を発揮するものが主流であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高湿度下では低い表面抵抗値を示すものの、低湿度下では充分な帯電防止効果を示さない。また、界面活性剤を使用する系では、それが表面にブリードしてくるため、拭き取り操作により簡単にその効果が失われてしまう。
このような欠点を補うものとして、カチオンアクリル系のポリマーが開発されたが、単独では塗膜の耐水性が乏しいこと、および非常に極性が高いため汎用樹脂との相溶性が乏しく白濁分離してしまい、塗膜特性の改善が困難であることから、包装材料用の帯電防止剤としては十分な機能を果たせなかった。
そこで、本発明は、湿度依存性が少なく、繰り返し使用に対する持続性に優れ、しかも印刷インキ層との接着性にも優れた帯電防止剤の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、カチオン系樹脂と特定の官能基を有する共重合体とを特定の比率で混合することにより、湿度依存性が少なく、繰り返し使用に対する持続性に優れ、しかも印刷インキ層との接着性にも優れた帯電防止剤が得られることを見出し、本発明に至った。また、本発明者らは、硫酸バリウムなどの無機フィラーを加えることにより、印刷インキの接着性が向上するだけでなく、驚くべきことに帯電防止効果が飛躍的に向上することを見出した。
【0005】
すなわち、本発明は、ジアルキルアミノ基含有不飽和単量体の4級アンモニウム塩(a)を含むカチオン系樹脂(A)と、炭素数10以下のアルキル(メタ)アクリレート(b)80〜99重量%、ジアルキルアミノ基含有不飽和単量体(c)0.5〜10重量%、およびカルボキシル基含有不飽和単量体(d)0.5〜10重量%からなる共重合体(B)とを、(A):(B)=99:1〜15:85の重量比で含み、さらに比表面積が24〜31m 2 /g硫酸バリウムを含む帯電防止剤に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、カチオン系不飽和単量体(a)を含むカチオン系樹脂(A)は、基本的な帯電防止効果を発揮する成分である。
カチオン系樹脂(A)は、カチオン系不飽和単量体(a)と、必要に応じて他の(メタ) アクリル系単量体とを共重合することにより得られる樹脂であるが、市販のカチオン系アクリル樹脂(例えば、綜研化学社製「PQ50B」)を使用することもできる。
なお、カチオン系樹脂(A)は、重量平均分子量が30000〜100000であることが好ましい。重量平均分子量が30000未満であると、帯電防止剤を塗工した場合にブロッキングを生じやすく、100000を越えると、共重合体(B)等の他の成分との相溶性が不充分となる。
【0007】
カチオン系不飽和単量体(a)は、カチオン系官能基を有するエチレン性不飽和化合物であり、ジアルキルアミノ基含有不飽和単量体の4級アンモニウム塩が好適に用いられる。ジアルキルアミノ基含有不飽和単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等が挙げられる。また、その4級アンモニウム塩とは、対イオンとして、Cl- ,Br- ,I- 等のハロゲンイオン、またはQSO3-(Q:炭素数1 〜12のアルキル基)を有するものである。さらに、他のジアルキルアミノ基含有不飽和単量体の4級アンモニウム塩としては、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1 −ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド及びトリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1 −ジメチルエチル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0008】
他の(メタ) アクリル系単量体としては、アルキル系(メタ)アクリレート、アルキレングリコール系(メタ)アクリレートが挙げられ、これらの単量体は、水酸基、アルコキシ基、アミド基などの官能基やハロゲン原子等を有していてもよい。他の(メタ) アクリル系単量体として、以下に記載する炭素数10以下、さらに好ましくは4以下のアルキル(メタ)アクリレート(b)を使用すると、得られるカチオン系樹脂(A)の耐水性が向上するだけでなく、共重合体(B)との相乗効果が得られやすく好ましい。
単量体(a)と他の(メタ) アクリル系単量体との共重合組成は、単量体の全量を基準として、カチオン系不飽和単量体(a)が40〜100重量%、特に50〜90重量%であることが好ましい。カチオン系不飽和単量体(a)の共重合比率が40重量%より少ないと、充分な帯電防止効果が得られない。
【0009】
また、本発明において、炭素数10以下のアルキル(メタ)アクリレート(b)、上記単量体(a)以外の窒素含有不飽和単量体(c)、およびカルボキシル基含有不飽和単量体(d)からなる共重合体(B)は、カチオン系樹脂(A)の帯電防止性能を充分に引き出すための相溶化剤的な役割、基材接着性向上、湿度依存性低減の役割を担っている。
なお、共重合体(B)は、重量平均分子量が50000〜100000であることが好ましい。重量平均分子量が50000未満であると、帯電防止剤を塗工した場合にブロッキングを生じやすく、100000を越えると、樹脂(A)との相溶性が不充分となる。
【0010】
炭素数10以下のアルキル(メタ)アクリレート(b)は、帯電防止剤に成膜性を持たせる目的で使用されるものであり、炭素数8以下、特に炭素数4以下のアルキルアクリレートまたは対応するメタアクリレートが好ましい。アルキル基は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。アルキル(メタ)アクリレート(b)としては、特に、メチル(メタ) アクリレート、エチル(メタ) アクリレート、ブチル(メタ) アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ) アクリレートが好適である。
【0011】
また、上記単量体(a)以外の窒素含有単量体(c)は、カチオン系樹脂(A)の溶解性を向上させる目的で使用される。窒素含有単量体(c)としては、モノアルキロール(メタ)アクリルアミド、ジアルキロール(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系不飽和化合物、ジアルキルアミノ基を有するエチレン性不飽和化合物を使用することができる。
モノアルキロール(メタ)アクリルアミドとして具体的には、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0012】
ジアルキロール(メタ)アクリルアミドとして具体的には、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミドなどが挙げられる。
【0013】
ジアルキルアミノ基を有するエチレン性不飽和化合物として具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレンなどが挙げられる。
これらの単量体のうち、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノ基含有不飽和単量体は、得られる共重合体(B)と樹脂(A)との親和性が高いため好適に使用される。
【0014】
また、カルボキシル基含有不飽和単量体(d)は、印刷インキ層への接着性を付与する目的で使用され、また、樹脂(A)との親和性を向上させる役割も果たす。カルボキシル基含有不飽和単量体(d)として具体的には、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、またはこれらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等があ挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸が好適に使用される。
【0015】
共重合体(B)の単量体組成は、アルキル(メタ)アクリレート(b)が80〜99重量%、好ましくは85〜98重量%、窒素含有不飽和単量体(c)が0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(d)が0.5〜10重量%、好ましくは1.5〜10重量%である。各成分とも、これより少ないと上記の効果が充分ではなく、(b)、(c)成分がこれより多いと耐水性や機械特性などの塗膜性能が劣る。
また、共重合体(B)は、ガラス転移温度(Tg)が35〜100℃、特に40〜80℃の範囲にあることが好ましい。Tgが35℃より低いと、帯電防止剤を塗工した場合にタックの原因となり、100℃より高いと、塗膜が硬すぎて脆くなるため好ましくない。
【0016】
カチオン系樹脂(A)および共重合体(B)は、公知のラジカル重合開始剤を用いて、溶液法で単量体をラジカル重合することにより製造することができる。好ましくは、単量体、ラジカル重合開始剤および溶媒を、1)反応容器に一括で仕込む、または2)半量仕込んで半量滴下し、滴下終了後、50〜120 ℃で、2〜5時間反応させて反応を完了させる。
【0017】
溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、水あるいは上記の溶媒を混合した溶媒などが使用できるが、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど60〜90℃に沸点を有する溶媒が、反応の制御が容易であることから好適に使用できる。
【0018】
また、ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t- ブチルペルオキシド、クメンヒドロキシペルオキシド、過酸化ラウロイル等の過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル等のアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系開始剤などを使用できる。ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体の全量を基準として、0.01〜5重量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜3重量%である。
【0019】
本発明の帯電防止剤は、カチオン系樹脂(A)と共重合体(B)とを、(A):(B)=99:1〜15:85、好ましくは70:30〜20:80の重量比で含む。共重合体(B)が少ないと充分な塗膜性能が得られず、カチオン系樹脂(A)が少ないと帯電防止効果が得られにくい。
本発明の帯電防止剤には、印刷インキ層との接着性を向上させるため、さらに無機フィラーを含有させることができる。無機フィラーの配合量は、固形分比で、カチオン系樹脂(A)と共重合体(B)との合計100重量部に対して30〜150重量部、好ましくは30〜100重量部、さらに好ましくは50〜70重量部である。
【0020】
無機フィラーとしては、易分散性の点から、比表面積が10〜500m2/g、特に15〜300m2/gの範囲のものが好ましい。無機フィラーとして具体的には、アルミナ、タルク、シリカ、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウムなどが挙げられる。なかでも、比表面積が10〜30m2/gの硫酸バリウムを含有させると印刷インキ層との接着性が向上するばかりではなく、塗膜の表面抵抗値が下がり、帯電防止性能が飛躍的に向上することから好ましい。
【0021】
本発明の帯電防止剤は、例えば、紙、プラスチックフィルム、各種の不織布、合成紙、金属箔、あるいはこれらを組み合わせた複合シート、金属、木材、ガラス等の基材に設けることができる。また、これらの基材上にオフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ等により印刷インキ層が設けられていてもよい。但し、基材表面の表面自由エネルギーは20〜60mN/mの範囲であることが望ましく、密着性を改善するために基材の表面にコロナ処理、プラズマ処理あるいは、基材との密着性に優れた樹脂をコーティング処理しても差し支えない。
【0022】
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリブテン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。
【0023】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明の帯電防止剤の具体的な構成を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中、%は重量%を意味する。また、得られたカチオン系樹脂および共重合体の重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー(東ソー社製「SC−8020」)におけるスチレン換算値を採用した。
【0024】
(合成例1)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコおよび滴下ロートに、メチルメタアクリレート(MMA)30g、ジメチルアミノエチルメタアクリレートのクロライド塩(DMAEMA-Q)の80%水溶液87.5g、イソプロピルアルコール(IPA)132.5 g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2 gをそれぞれ仕込み、常温で10分間攪拌し、系が均一になったことを確認したのち、昇温・攪拌した。反応系内の温度が70℃に達したら、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、75℃に昇温し、4時間反応させ、さらにAIBNを0.4 g添加した後1時間反応させ、固形分40%のカチオン系樹脂溶液を得た。得られたカチオン系樹脂の重量平均分子量は、20000であった。
【0025】
(合成例2)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコおよび滴下ロートに、メチルメタアクリレート(MMA)50g、ジメチルアミノエチルメタアクリレートのクロライド塩(DMAEMA-Q)の80%水溶液62.5g、イソプロピルアルコール(IPA)137.5 g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2 gをそれぞれ仕込み、常温で10分間攪拌し、系が均一になったことを確認したのち、昇温・攪拌した。反応系内の温度が70℃に達したら、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、75℃に昇温し、4時間反応させ、さらにAIBNを0.4 g添加した後1時間反応させ、固形分40%のカチオン系樹脂溶液を得た。得られたカチオン系樹脂の重量平均分子量は、24000であった。
【0026】
(合成例3)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコおよび滴下ロートに、メチルメタアクリレート(MMA)80g、ジメチルアミノエチルメタアクリレートのクロライド塩(DMAEMA-Q)の80%水溶液25g、イソプロピルアルコール(IPA)145 g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2 gをそれぞれ仕込み、常温で10分間攪拌し、系が均一になったことを確認したのち、昇温・攪拌した。反応系内の温度が70℃に達したら、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、75℃に昇温し、4時間反応させ、さらにAIBNを0.4 g添加した後1時間反応させ、固形分40%のカチオン系樹脂溶液を得た。得られたカチオン系樹脂の重量平均分子量は、27000であった。
【0027】
(合成例4)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコおよび滴下ロートに、メチルメタアクリレート(MMA)29g、ブチルメタアクリレート(BMA)67g、ジメチルアミノエチルアクリレ−ト(DM)1 g、アクリル酸(AA)3 g、酢酸エチル90g、イソプロピルアルコール(IPA)60g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2 gをそれぞれ仕込み、常温で10分間攪拌し、系が均一になったことを確認したのち、昇温・攪拌した。反応系内の温度が70℃に達したら、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、75℃に昇温し、4時間反応させ、さらにAIBNを0.4 g添加した後1時間反応させ、固形分40%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は、50000であった。
【0028】
(合成例5)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコおよび滴下ロートに、メチルメタアクリレート(MMA)30g、ブチルメタアクリレート(BMA)67g、ジメチルアミノエチルアクリレ−ト(DM)3 g、酢酸エチル90g、イソプロピルアルコール(IPA)60g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2 gをそれぞれ仕込み、常温で10分間攪拌し、系が均一になったことを確認したのち、昇温・攪拌した。反応系内の温度が70℃に達したら、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、75℃に昇温し、4時間反応させ、さらにAIBNを0.4 g添加した後1時間反応させ、固形分40%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は、80000であった。
【0029】
(合成例6)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコおよび滴下ロートに、メチルメタアクリレート(MMA)30g、ブチルメタアクリレート(BMA)67g、アクリル酸(AA)3 g、酢酸エチル90g、イソプロピルアルコール(IPA)60g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2 gをそれぞれ仕込み、常温で10分間攪拌し、系が均一になったことを確認したのち、昇温・攪拌した。反応系内の温度が70℃に達したら、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、75℃に昇温し、4時間反応させ、さらにAIBNを0.4 g添加した後1時間反応させ、固形分40%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は、75000であった。
【0030】
(合成例7)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコおよび滴下ロートに、メチルメタアクリレート(MMA)50g、ブチルメタアクリレート(BMA)42g、ジメチルアミノエチルアクリレ−ト(DM)4 g、アクリル酸(AA)4 g、酢酸エチル90g、イソプロピルアルコール(IPA)60g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2 gをそれぞれ仕込み、常温で10分間攪拌し、系が均一になったことを確認したのち、昇温・攪拌した。反応系内の温度が70℃に達したら、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、75℃に昇温し、4時間反応させ、さらにAIBNを0.4 g添加した後1時間反応させ、固形分40%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は、55000であった。
【0031】
(合成例8)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコおよび滴下ロートに、メチルメタアクリレート(MMA)37g、ブチルメタアクリレート(BMA)45g、ジメチルアミノエチルアクリレ−ト(DM)15g、アクリル酸(AA)3 g、酢酸エチル90g、イソプロピルアルコール(IPA)60g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2 gをそれぞれ仕込み、常温で10分間攪拌し、系が均一になったことを確認したのち、昇温・攪拌した。反応系内の温度が70℃に達したら、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、75℃に昇温し、4時間反応させ、さらにAIBNを0.4 g添加した後1時間反応させ、固形分40%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は、82000であった。
【0032】
(合成例9)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコおよび滴下ロートに、メチルメタアクリレート(MMA)37g、ブチルメタアクリレート(BMA)45g、ジメチルアミノエチルアクリレ−ト(DM)3g、アクリル酸(AA)15g、酢酸エチル90g、イソプロピルアルコール(IPA)60g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2 gをそれぞれ仕込み、常温で10分間攪拌し、系が均一になったことを確認したのち、昇温・攪拌した。反応系内の温度が70℃に達したら、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、75℃に昇温し、4時間反応させ、さらにAIBNを0.4 g添加した後1時間反応させ、固形分40%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は、68000であった。
【0033】
表1に、合成例1〜9で得られたカチオン系樹脂および共重合体のモノマー組成と、共重合体のTg(計算値)を示す。
【表1】
Figure 0004352605
【0034】
実施例1〜3、参考例1〜6および比較例1〜6)合成例1〜7で得られたカチオン系樹脂溶液および共重合体溶液、カチオン系アクリル樹脂(綜研化学社製「PQ50B」)および下記の無機フィラーを表2に示す量で配合、混合して、帯電防止剤を得た。下記の基材上に、バーコーターを用いて乾燥膜厚が約2μmとなるように、得られた帯電防止剤を塗工し、100℃で2分間乾燥させて、図1に示す構成の塗工物を得た。得られた塗工物について、表面抵抗値、基材密着性、印刷面密着性、耐水性を下記の方法で評価した。結果を表2に示す。なお、表中、「aE+b」は、「a×10b」を意味する。
【0035】
(基材の種類)
PP: ポリプロピレンフィルム(膜厚20μm)
PET:ポリエチレンテレフタレート(膜厚12μm)
(無機フィラーの種類)
BF-20 :硫酸バリウム、堺化学工業社製「BARIFINE20」、
比表面積31m2/g
BF-1 :硫酸バリウム、堺化学工業社製「BARIFINE1」、
比表面積24m2/g
【0036】
(評価法)
表面抵抗値:塗工直後および40℃で2週間保存後の塗工物の表面抵抗値を、4329AHIGHRESISTANCE METER(HEWLET PACKARD社製) を用いて測定した。
密着性試験:JIS5400に従い、セロハンテープ剥離試験を行った。
なお、基材との密着性については、基材上に帯電防止剤を塗工して得られた塗工物の帯電防止剤層にセロハンテープを貼り、密着性を評価した。また、UVink との密着性については、得られた塗工物の帯電防止剤層の上にUVオフセットインキ(東洋インキ製造社製「FDSニュウ紅」)を用いて印刷し、得られた印刷物の印刷インキ層にセロハンテープを貼り、密着性を評価した。
5:剥離面積0%
4:剥離面積10%未満
3:剥離面積10%以上30%未満
2:剥離面積30%以上70%未満
1:剥離面積70%以上
耐水性試験:塗工物を40℃の水に1時間浸した後、引き上げて水を拭き取り、
帯電防止剤を塗工した面の外観を目視で観察した。
【0037】
【表2】
Figure 0004352605
【0038】
【発明の効果】
カチオン系樹脂と特定の官能基を有する共重合体とを混合することにより、湿度依存性が少なく、繰り返し使用に対する持続性にも優れ、しかも印刷インキ層との接着性にも優れる帯電防止性剤を提供できた。また、無硫酸バリウムなどの無機フィラーを加えることにより、耐摩擦性などの機械特性や帯電防止効果を飛躍的に向上せしめた帯電防止性剤を提供できた。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電防止剤を用いた塗工物の断面図。

Claims (1)

  1. ジアルキルアミノ基含有不飽和単量体の4級アンモニウム塩(a)を含むカチオン系樹脂(A)と、炭素数10以下のアルキル(メタ)アクリレート(b)80〜99重量%、ジアルキルアミノ基含有不飽和単量体(c)0.5〜10重量%、およびカルボキシル基含有不飽和単量体(d)0.5〜10重量%からなる共重合体(B)とを、(A):(B)=99:1〜15:85の重量比で含み、さらに比表面積が24〜31m 2 /g硫酸バリウムを含む帯電防止剤。
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