JP4951936B2 - 帯電防止効果を有する印刷ワニス組成物、該組成物を用いてなる基材被覆物及び基材加工成型物。 - Google Patents

帯電防止効果を有する印刷ワニス組成物、該組成物を用いてなる基材被覆物及び基材加工成型物。 Download PDF

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Description

本発明は、フィルム、紙、ラミネート紙などの基材の表面、または印刷インキ層の表面の帯電防止に効果がある帯電防止剤に関する。
従来から、粉体製品や電子精密部品など静電気の発生を嫌う製品の包装用および搬送用の材料や、静電気の帯電によるゴミ、ほこり等を吸引によって汚れる、傷が着く等の外観を損ねることを嫌う建装材外装用の材料には、帯電防止効果が要求されてきた。フィルム用の帯電防止剤としては、ノニオン性またはイオン性の界面活性剤や親水性ポリマーなどに代表される吸湿性の樹脂皮膜を表面に塗布して、その帯電防止効果を発揮するものが主流であった。しかし、このタイプのフィルム材料では、表面にブリードアウトした帯電防止剤が、洗浄、拭き取りなどにより容易に除去されて帯電防止性が低下してしまう可能性が高いという問題があった。
そこで、近年では、帯電防止効果の恒久化を目的として、特開平8−127755号公報には、帯電防止剤の表面へのブリードによらず帯電防止能を発現しうる特定のアンカーコート剤を用いた帯電防止フィルムが開示されている。しかし、このこのアンカーコート剤は、耐水性に劣るものであり、湿気によって、アンカーコート層部分で剥離を生じやすい問題があり、特に建装材外装のように、端面や裏面からの水分侵入の可能性が高い用途には使用しにくいという問題があった。一方、特開2001−341237号公報には、側鎖に4級アンモニウム塩基とカルボシキルを有する帯電 防止性共重合体とポリグリシジルエーテルとの架橋性組成物よりなる帯電 防止フィルムが開示されているが、共重合体樹脂の極性が高いため汎用性樹脂との相溶性が乏しく白濁分離してしまい、塗膜特性の改善が困難であるという問題があった 。
特開平8−127755号公報 特開2001−341237号公報
本発明の目的は、帯電防止剤をフィルム基材に混入することなく、帯電防止剤のブリードを考慮することなく、フィルム表面に帯電防止効果を恒久的に付与し、かつ、耐水性、耐薬品性等の塗膜物性に優れた塗膜を生成する印刷ワニス組成物を提供することにある。
請求項1に記載した発明は、ワニス組成中に下記一般式(イ)で示される4級アンモニウム塩を有する不飽和単量体(a)10〜60重量%、ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)5〜40重量%およびその他の(メタ)アクリル系単量体(c)5〜85重量%からなるカチオン系熱可塑性樹脂(A)と、ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)5〜40重量%およびその他の(メタ)アクリル系単量体(c)60〜95重量%からなる熱可塑性樹脂(B)とを、(A):(B)=10:90〜85:15の重量比で含むことを特徴とする帯電防止効果を有する印刷ワニス組成物であって、
その他の(メタ)アクリル系単量体(c)が、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートから選ばれる1種類以上であることを特徴とする印刷ワニス組成物。
一般式(イ)
Figure 0004951936



[式中、R1 は水素原子またはメチル基を、R3 ,R4 ,R5 は各々独立に水素原子またはアルキル基を、R2 はアルキレン基またはオキシアルキレン基を、Xはハロゲンイオン、R6 SO3 (R6 はアルキル基置換芳香族基、若しくはアルコキシ基を示す)または(R7 O)2 PO2 (R7 はアルキル基を示す)を示す。]
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明にイソシアネート系架橋剤(C)を混合した帯電防止効果を有する印刷ワニス組成物である。
請求項に記載した発明は、請求項1または2に記載の帯電防止効果を有する印刷ワニス組成物を塗工してなる帯電防止フィルム基材被覆物である。
請求項に記載した発明は、請求項に記載した帯電防止フィルム基材被覆物の基材加工成型物である。
本発明の帯電防止効果を有する印刷ワニス組成物は耐水性、耐薬品性等の塗膜物性に優れた塗膜を生成させるとともに、その静電誘導防止性能により、基材フィルムの外表面に優れた帯電防止効果を付与することができる。これらの効果は本発明の4級アンモニウム塩基を有するカチオン系熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)中のヒドロキシ基と請求項2記載の有機イソシアネート混合組成物の架橋反応による架橋高分子の耐水性、耐薬品性などの特性によるものである。また本共重合体側鎖の4級アンモニウム塩基は静電誘導防止性能を付与するもので、その導電性と誘電効果によって本印刷ワニス組成物の塗膜層の速やかな誘電分極緩和挙動が本塗膜層と接するプラスチックフィルムの界面及び表面帯電荷を減衰させ、フィルム表面の帯電防止効果として働くものである。
本発明において、4級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体を含有するカチオン系熱可塑性樹脂(A)は、基本的な帯電防止効果を発揮する成分である。カチオン系熱可塑性樹脂(A)は下記一般式(イ)で示される4級アンモニウム塩を有する不飽和単量体(a)とヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)およびその他の(メタ)アクリル系単量体(c)とを共重合することにより得られる樹脂である。
一般式(イ)
Figure 0004951936



[式中、R1 は水素原子またはメチル基を、R3 ,R4 ,R5 は各々独立に水素原子またはアルキル基を、R2 はアルキレン基またはオキシアルキレン基を、Xはハロゲンイオン、R6 SO3 (R6 はアルキル基置換芳香族基、若しくはアルコキシ基を示す)または(R7 0)2 P02 (R7 はアルキル基を示す)を示す。]
カチオン系熱可塑性樹脂(A)の単量体として使用する4級アンモニウム塩を有する不飽和単量体(a)は、前記一般式(イ)で表され、アミノ基を有するアクリレートもしくはメタクリレートを4級化させることにより得られる。ジアルキルアミノ基含有不飽和単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等が挙げられる。また、その4級アンモニウム塩とは、対イオンとして、Cl- ,Br- ,I- 等のハロゲンイオン、またはR6 SO3 - (R6 はアルキル基置換芳香族基、アルコキシ基)または(R7 0)2 P02 - (R7 はアルキル基)を示す]を有するものである。さらに、他のジアルキルアミノ基含有不飽和単量体の4級アンモニウム塩としては、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1 −ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド及びトリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1 −ジメチルエチル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。R1 は−Hもしくは−CH3とし、R2 を−CH2 −、−C2 4 −もしくは−C3 6 −とし、R3、R4、R5 を−CH3 もしくは−C2 5 とすることが好適である。又、Xは塩素や臭素等のハロゲンであるが塩素が好適である。この分子内に第四アンモニウム塩を含む(メタ)アクリレートのクロライドの代表的な化合物としては共栄社化学(株)製のメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド商品名:ライトエステルDQ−100)として市販されている。該4級アンモニウム塩を有する不飽和単量体(a)は単独であっても、もしくは2種以上を組み合わせても使用できる。
ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)としては、アルコール性ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系単量体が好ましく、具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのモノ(メタ)アクリレート類又は水酸基残存ポリ(メタ)アクリレート類などの含有 (メタ)アクリル 酸エステル系単量体、N−メチロールアクリルアミドが挙げられる。該ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)は単独であっても、もしくは2種以上を組み合わせても使用できる。これらのうち、分子中に(メタ)アクリロイル基が1個のアルコール性水酸基含有 (メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が好ましく、更にヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
その他の(メタ)アクリル系単量体(c)としては、アルキル系(メタ)アクリレート、アルキレングリコール系(メタ)アクリレートが挙げられ、これらの単量体は、アルコキシ基、アミド基などの官能基やハロゲン原子等を有していてもよい。
また、本発明の効果を阻害しない程度にカルボキシル基含有(メタ)アクリル系単量体を用いてもよい。特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に使用される。
その他の(メタ)アクリル系単量体として、以下に記載する炭素数10以下、さらに好ましくは4以下のアルキル(メタ)アクリレート(c)を使用すると、得られるカチオン系熱可塑性樹脂(A)の耐水性が向上するだけでなく、熱可塑性樹脂(B)との相乗効果が得られやすく好ましい。該その他の(メタ)アクリル系単量体(c)は単独であっても、もしくは2種以上を組み合わせても使用できる。
4級アンモニウム塩を有する不飽和単量体(a)とヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)と他の(メタ) アクリル系単量体(c)との共重合組成は、単量体の全量を基準として、4級アンモニウム塩を有する不飽和単量体(a)が10〜60重量%、好ましくは15〜50重量%、ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)が5〜40重量%、好ましくは5〜30重量%およびその他の(メタ)アクリル系単量体(c)が5〜85重量%、好ましくは10〜80重量%からなるものである。4級アンモニウム塩を有する不飽和単量体(a)の共重合比率が10重量%未満では十分な帯電防止効果が得られず、又60重量%を超えると極性が高くなり熱可塑性樹脂(B)との相溶性が低下するため、得られる印刷ワニス組成物の耐水性及び耐薬品性が劣る。ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b) の共重合比率が5重量%未満では熱可塑性樹脂(B)との相溶性が低下し、又40重量%を超えると架橋密度が高くなり十分な帯電防止効果が得られない。
また、本発明において、ヒドロキシ基含有不飽和単量体(b)5〜40重量%およびその他の(メタ)アクリル系単量体(c)60〜95重量%からなる熱可塑性樹脂(B)は、カチオン系熱可塑性樹脂(A)の帯電防止効果を充分に引き出すための相溶化剤的な役割、基材接着性向上、耐水性及び耐薬品性向上の役割を担っている。なお、ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)とその他の(メタ) アクリル系単量体(c)との共重合組成は、ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)が5〜40重量%、好ましくは5〜30重量%およびその他の(メタ)アクリル系単量体(c)60〜95重量%、好ましくは70〜90重量%からなるものである。ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b) の共重合比率が5重量%未満ではとカチオン系熱可塑性樹脂(A)との相溶性が低下し、又40重量%を超えると架橋密度が高くなり十分な帯電防止効果が得られない。
その他の(メタ)アクリル系単量体(c)は、帯電防止剤に成膜性を持たせる目的で使用されるものであり、炭素数10以下、特に炭素数4以下のアルキルアクリレートまたは対応するメタアクリレートが好ましい。アルキル基は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。アルキル(メタ)アクリレート(c)としては、特に、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好適である。
本発明に用いるイソシアネート系架橋剤(C)は、カチオン系熱可塑性樹脂(A)及び/又は熱可塑性樹脂(B)中のヒドロキシ基モル数に対するイソシアネート系架橋剤(C)中のイソシアネート基モル数の比が0.6〜2.5、より好ましくは0.9〜1.3となる量で使用することが好ましい。モル数比が0.6未満では、塗膜の硬化性が十分でない場合がある。また、モル数比が2.5を超える場合には、塗膜外観がやや悪化することがある。
イソシアネート系架橋剤(C)としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。例えば、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4'−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が代表例として挙げられる。また、好ましい適当な架橋剤には、塗料化学において既知のポリイソシアネートであって、ウレタン基、ウレトジオン基、アロファネート基、ビウレット基、イミノオキサジアジンジオン基および/またはイソシアヌレート基を有するポリイソシアネートが含まれる。この種のポリイソシアネートは所望により、(−NCO基)が完全もしくは部分的にブロックされた形態であってもよい。特に、耐候性の良好な脂肪族イソシアネートであるヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、ビウレット体、イソシアヌレート体又はその混合物若しくはその縮合物が特に良好に使用できる。
本発明におけるカチオン系熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)の重合方法は特に限定されないが、通常ラジカル開始剤及び連鎖移動剤の存在下にて溶液重合、塊状重合等の手法を用いることが出来る。また、共重合をうまく進める為に滴下重合を行うのも有利である。
溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、あるいは上記の溶媒を混合した溶媒などが使用できる。
また、ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t- ブチルペルオキシド、クメンヒドロキシペルオキシド、過酸化ラウロイル等の過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル等のアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系開始剤などを使用できる。ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体の全量を基準として、0.01〜5重量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜3重量%である。
本発明の帯電防止効果を有する印刷ワニス組成物はカチオン系熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)とを(A):(B)=10:90〜85:15、好ましくは15:85〜80:20の重量比で含む。熱可塑性樹脂(B)が無ければと十分な塗膜性能が得られず、カチオン系熱可塑性樹脂(A)が無ければ帯電防止効果が得られにくい。
本発明の帯電防止効果を有する印刷ワニス組成物は上記熱可塑性樹脂を有機溶剤に混合溶解し、更に印刷ワニスとして必要な粘度、樹脂濃度の調整のため及び印刷適性、ワニス皮膜物性を付与するため、上記熱可塑性樹脂及び/又は該樹脂に相溶する他の樹脂、ワックス類、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、光安定剤並びにUV吸収剤など他の化合物を配合することにより製造できる。他の相溶性の良い樹脂としては、例えば、本発明以外のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げられ、本発明の目的を妨げない範囲で、単独または2種以上を混合して印刷ワニスとして必要な特性を付与するために添加することができる。
一方、ワックスとしては、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、脂肪酸アマイドワックスなどの既知の各種ワックスが利用できる。
次に、本発明の帯電防止効果を有するワニス組成物で利用する溶剤としては、主に、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、アセトン,メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系有機溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素系有機溶剤、およびシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素系有機溶剤、トルエンなどの芳香族炭化水素系有機溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶媒が挙げることができ、バインダー樹脂の溶解性や乾燥性などを考慮して、混合して利用することが好ましい。
以上の材料と製造方法から得られた印刷ワニス組成物を、印刷時に適性粘度になるまで有機溶剤を用いて希釈しグラビア印刷、フレキソ印刷方式等の各種塗工方法で、各種プラスチックフィルム等の被着体に印刷することで、本発明の帯電防止フィルム基材被覆物を得ることができる。例えば、紙、プラスチックフィルム、各種の不織布、合成紙、金属箔、あるいはこれらを組み合わせた複合シート、金属、木材、ガラス等の基材に設けることができる。また、これらの基材上にオフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ等により印刷インキ層が設けられていてもよい。
但し、基材表面の表面自由エネルギーは20〜60mN/mの範囲であることが望ましく、密着性を改善するために基材の表面にコロナ処理、プラズマ処理あるいは、基材との密着性に優れた樹脂をコーティング処理しても差し支えない。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリブテン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。
さらに、本発明の帯電防止フィルム基材被覆物を後加工することにより、基材加工成型物を得ることができる。例えば、他の被着体(裏打材)に積層加工することができる。
被着体としては各種素材の平板、曲面板等の板材、シート(或いはフィルム)、或いは各種立体形状物品(成形品)などが対象となる。各種被着体への積層方法としては、例えば、接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラーで加圧して積層する方法、射出成形同時ラミネート法、真空プレス積層方法、ラッピング加工方法、Vカット又はUカット加工方法等が挙げられる。また、通常の包装材料を製造するときに使用するラミネ−ト法、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤ラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、共押し出しラミネ−ション法、その他の方法等で積層体を製造することもできる。基材加工成型物の用途としては建築、建材、家電製品、携帯電話、パソコンなどの情報家電製品、包装材料などの各種用途の素材に適用することが出来る。
本発明で得られる帯電防止フィルム基材被覆物の表面抵抗は1014Ω/□未満、更に好ましくは1013Ω/□未満である。1014Ω/□以上の抵抗を有するものは帯電防止効果の観点から効果がない。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ表す。
(合成例1)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコおよび滴下ロートに、メチルメタアクリレート(MMA)50部、ブチルメタクリレート(BMA)20部、ヒドロキシエチルメタアクリレート(2HEMA)10部、ジメチルアミノエチルメタアクリレートのクロライド塩(DQ-100)20部、メチルエチルケトン(MEK)90部、イソプロピルアルコール(IPA)40部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2 部をそれぞれ仕込み、常温で10分間攪拌し、系が均一になったことを確認したのち、昇温・攪拌した。反応系内の温度が70℃に達したら、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、還流状態で更に4時間反応させ、さらにAIBNを0.4 部添加した後1時間反応させ、固形分40%のカチオン系熱可塑性樹脂溶液(A)を得た。
(合成例2)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコおよび滴下ロートに、メチルメタアクリレート(MMA)80部、ヒドロキシエチルメタアクリレート(2HEMA)20部、メチルエチルケトン(MEK)90部、イソプロピルアルコール(IPA)60部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2 部をそれぞれ仕込み、常温で10分間攪拌し、系が均一になったことを確認したのち、昇温・攪拌した。反応系内の温度が70℃に達したら、滴下ロートに仕込んだ分を1時間かけて添加した。滴下終了後、還流状態で更に4時間反応させ、さらにAIBNを0.4 部添加した後1時間反応させ、固形分40%の熱可塑性樹脂溶液(B)を得た。
(合成例3〜9)
4級アンモニウム塩を有する不飽和単量体(a)、ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)およびその他の(メタ)アクリル系単量体(c)を表1に示した共重合体のモノマー組成で用いる以外は合成例1〜2と同様の方法により、カチオン系熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)を得た。
表1に、合成例1〜9で得られたカチオン系樹脂および共重合体のモノマー組成を示す。
Figure 0004951936
(実施例1、2、4〜6および比較例1〜6)
合成例1〜9で得られたカチオン系熱可塑性樹脂溶液および熱可塑性樹脂溶液、およびポリイソシアネート系架橋剤(住化バイエルウレタン社製「デスモジュールN3200」を表2に示す量で配合、混合して、帯電防止剤を得た。下記の基材上に、バーコーターを用いて乾燥膜厚が約3μmとなるように、得られた帯電防止剤を塗工し、60℃で30秒乾燥させて、更に40℃で3日間エージングし十分硬化した後、得られた塗工物について表面抵抗値、基材密着性、印刷面密着性、耐水性を下記の方法で評価した。結果を表2に示す。なお、表中、「aE+b」は、「a×10」を意味する。
(基材の種類)
PP:ポリプロピレンフィルム(膜厚20μm)
PET:ポリエチレンテレフタレート(膜厚12μm)
(評価法)
<表面抵抗値>
塗工後40℃3日間にてエージングし塗膜を十分硬化させた後及び室温にて2週間保存後の塗工物の表面抵抗値を、4329AHIGHRESISTANCE METER(HEWLET PACKARD社製) を用いて測定した。
<密着性試験>
JIS5400に従い、セロハンテープ剥離試験を行った。なお、基材との密着性については、基材上に帯電防止剤を塗工して得られた塗工物の帯電防止剤層にセロハンテープを貼り、密着性を5点評価した。
5:剥離面積0%
4:剥離面積10%未満
3:剥離面積10%以上30%未満
2:剥離面積30%以上70%未満
1:剥離面積70%以上
<耐水性試験>
塗工物を40℃の水に1時間浸した後、引き上げて水を拭き取り、帯電防止剤を塗工した面の外観を目視で観察した。
Figure 0004951936


表2で示したように、本発明によればフィルム表面に耐水性、耐薬品性等の塗膜物性に優れた恒久的な帯電防止効果を付与することが出来る。











Claims (4)

  1. ワニス組成中に下記一般式(イ)で示される4級アンモニウム塩を有する不飽和単量体(a)10〜60重量%、ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)5〜40重量%およびその他の(メタ)アクリル系単量体(c)5〜85重量%からなるカチオン系熱可塑性樹脂(A)と、ヒドロキシ基を有する不飽和単量体(b)5〜40重量%およびその他の(メタ)アクリル系単量体(c)60〜95重量%からなる熱可塑性樹脂(B)とを、(A):(B)=10:90〜85:15の重量比で含むことを特徴とする帯電防止効果を有する印刷ワニス組成物であって、
    その他の(メタ)アクリル系単量体(c)が、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートから選ばれる1種類以上であることを特徴とする印刷ワニス組成物。
    一般式(イ)
    Figure 0004951936



    [式中、R1 は水素原子またはメチル基を、R3 ,R4 ,R5 は各々独立に水素原子またはアルキル基を、R2 はアルキレン基またはオキシアルキレン基を、Xはハロゲンイオン、R6 SO3 (R6 はアルキル基置換芳香族基、若しくはアルコキシ基を示す)または(R7 O)2 PO2 (R7 はアルキル基を示す)を示す。]
  2. さらに、イソシアネート系架橋剤(C)を混合した請求項1記載の帯電防止効果を有する印刷ワニス組成物。
  3. 請求項1または2に記載の帯電防止効果を有する印刷ワニス組成物を塗工してなる帯電防止フィルム基材被覆物。
  4. 請求項に記載した帯電防止フィルム基材被覆物の基材加工成型物。
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