JP5608957B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。
アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂のようなプラスチックは、軽量で耐衝撃性、成形加工性に優れ安価であることから、種々の分野で使用されている。
プラスチックの成形品は、その表面を損傷から保護すること等を目的としてトップコート層によって被覆されていることがある。
しかしながら、本願発明者は、トップコート層が高い硬度を有するものである場合、高硬度のトップコート層は硬化収縮率が大きくこのため従来のプライマーを用いてトップコート層とプラスチックとを密着させてもトップコート層とプラスチックとの密着性が低いことを見出した。
また、トップコートまたはプライマーを硬化させるためトップコートまたはプライマーが塗布された基材に対し光照射を行う際、積算光量の条件が異なる(例えば、使用する装置によって積算光量の条件が異なる場合がある。)ことによって、トップコート層とプラスチックとの密着性に違いが生じ、つまり積算光量が低い場合、積算光量が高い場合に比較して密着性に劣り、製品にバラツキが発生する可能性が高いことを見出した。
そこで、本発明は、高硬度のトップコートとプラスチックとの密着性に優れ、異なる積算光量の条件下で硬化させても高硬度のトップコートとプラスチックとを同等に密着させることができる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むモノマーから得られる(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、ウレタン(メタ)アクリレート(B)およびポリエステル(メタ)アクリレート(C)のうちの一方または両方と、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリ(トリメチロールプロパン)エーテルおよびポリ(ペンタエリスリトール)エーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能アルコールと、(メタ)アクリル酸とから得られる、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性単量体(D)と、光重合開始剤(E)とを含有する硬化性樹脂組成物が、高硬度のトップコートとプラスチックとの密着性に優れ、異なる積算光量の条件下であっても高硬度のトップコートとプラスチックとを同等に密着させることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(1)〜(7)を提供する。
(1) (メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルを含むモノマーから得られる(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、
ウレタン(メタ)アクリレート(B)およびポリエステル(メタ)アクリレート(C)のうちの一方または両方と、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリ(トリメチロールプロパン)エーテルおよびポリ(ペンタエリスリトール)エーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能アルコールと(メタ)アクリル酸とから得られる、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性単量体(D)と、
光重合開始剤(E)とを含有する硬化性樹脂組成物。
(2) 前記モノマーが、さらに(メタ)アクリル酸メチルとスチレンとを含む上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
(3) 前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の分子量が、10,000〜100,000である上記(1)または(2)に記載の硬化性樹脂組成物。
(4) 全不揮発分100質量部中、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が10〜70質量部であり、
前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)および前記ポリエステル(メタ)アクリレート(C)のうちの一方または両方が5〜50質量部であり、
前記多官能性単量体(D)が5〜30質量部であり、
前記光重合開始剤(E)が1〜10質量部である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(5) 前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)または前記ポリエステル(メタ)アクリレート(C)が、1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(6) 前記多官能性単量体(D)が、下記式(1)で表される化合物である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(式中、R1は水素原子および/または(メタ)アクリロイル基であり、R2はそれぞれ独立に水素原子または(メタ)アクリロイル基である。)
(7) 前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)の主鎖が、脂肪族ウレタンである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
本発明の硬化性樹脂組成物は、高硬度のトップコートとプラスチックとの密着性に優れ、幅広い積算光量の範囲のうちのいかなる積算光量の条件下で硬化させる場合においても高硬度のトップコートとプラスチックとを同等に優れた密着性をもって密着させることができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルを含むモノマーから得られる(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、
ウレタン(メタ)アクリレート(B)およびポリエステル(メタ)アクリレート(C)のうちの一方または両方と、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリ(トリメチロールプロパン)エーテルおよびポリ(ペンタエリスリトール)エーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能アルコールと(メタ)アクリル酸とから得られる、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性単量体(D)と、
光重合開始剤(E)とを含有する組成物である。
なお、本発明の硬化性樹脂組成物を以下「本発明の組成物」ということがある。
また、本発明において(メタ)アクリルとはアクリルおよびメタクリルのうちのいずれか一方またはその両方であることを意味する。(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイル基についても同様である。
本発明の組成物に含有される(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルを含むモノマーから得られる(メタ)アクリル酸エステル重合体である。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、ホモポリマーおよびコポリマーのうちいずれであってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、組成物から得られる硬化物の柔軟性が高くなり、密着性により優れ、意匠性、塗膜乾燥性に優れるという観点から、コポリマーであるのが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)がコポリマーである場合、モノマーを、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる少なくとも2種以上とすることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)がコポリマーである場合、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を製造する際に使用されるモノマーは、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル以外に、ラジカル重合可能な不飽和結合を有する化合物を含むことができる。
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリル以外の、ラジカル重合可能な不飽和結合を有する化合物としては、例えば、スチレンのような芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリル以外の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリル以外の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピルが挙げられる。
なかでも、組成物から得られる硬化物の柔軟性が高くなり、密着性により優れ、意匠性、塗膜乾燥性に優れるという観点から、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリル以外の(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物が好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、スチレンがより好ましい。
ラジカル重合可能な不飽和結合を有する化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、組成物から得られる硬化物の柔軟性が高くなり、密着性により優れ、意匠性、塗膜乾燥性に優れるという観点から、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸メチルと、スチレンとを含むモノマーから得られるものであるのが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)がコポリマーである場合、組成物から得られる硬化物の柔軟性が高くなり、密着性により優れ、意匠性、塗膜乾燥性に優れるという観点から、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルの量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を製造する際に使用されるモノマー全量中、20〜70質量%であるのが好ましく、30〜60質量%であるのがより好ましい。
また、モノマーがさらに(メタ)アクリル酸メチルとスチレンとを含む場合、各モノマーの量については組成物から得られる硬化物の柔軟性が高くなり、密着性により優れ、意匠性、塗膜乾燥性に優れるという観点から、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を製造する際に使用されるモノマー全量中、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルの量が20〜70質量%であるのが好ましく30〜60質量%であるのがより好ましく、(メタ)アクリル酸メチルの量が10〜40質量%であるのが好ましく15〜35質量%であるのがより好ましく、スチレンの量が10〜60質量%であるのが好ましく20〜40質量%であるのがより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)はその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を製造する際使用することができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。
製造の際使用することができる重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の分子量は、組成物から得られる硬化物の柔軟性が高くなり、密着性により優れ、意匠性、塗膜乾燥性に優れるという観点から、10,000〜100,000であるのが好ましく、20,000〜90,000であるのがより好ましく、30,000〜80,000であるのが更に好ましい。
なお、本明細書における(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の分子量は、重量平均分子量であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC)による標準ポリスチレン換算値で示される。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート(B)およびポリエステル(メタ)アクリレート(C)のうちの一方または両方を含有する。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)について以下に説明する。
本発明の組成物に含有させることができるウレタン(メタ)アクリレート(B)は、ウレタン結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であれば特に制限されない。
例えば、主鎖にウレタン結合を有し、側鎖および/または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものが挙げられる。
具体的には例えば、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
なかでも、耐候性に優れるという観点から、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートは、主鎖が脂肪族炭化水素とウレタン結合とを有し、(メタ)アクリロイルオキシ基が主鎖の末端におよび/または主鎖に側鎖として結合しているものであれば、特に制限されない。
例えば、脂肪族イソシアネート化合物(例えば、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルジイソシアネート等)と、ヒドロキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート含有脂肪族化合物との反応生成物が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート含有脂肪族化合物は、ヒドロキシ基と複数の(メタ)アクリレートとを含有する脂肪族系の化合物である。ヒドロキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート含有脂肪族化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタグリセロールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレートが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)が有するウレタン結合の数は、基材密着性に優れるという観点から、2〜10個であるのが好ましく、2〜6個であるのがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)は、密着性により優れ、反応性、意匠性に優れるという観点から、その分子量が500〜10,000であるのが好ましく、1,000〜5,000であるのがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)はその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステル(メタ)アクリレート(C)について以下に説明する。
本発明の組成物に含有させることができるポリエステル(メタ)アクリレート(C)は、複数のエステル結合、および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であれば特に制限されない。
例えば、主鎖に複数のエステル結合を有し、側鎖および/または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものが挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレート(C)は、例えば、多価アルコール、多塩基酸および(メタ)アクリル酸を原料として使用しこれらを反応させることによって得ることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレート(C)を製造する際に使用される多価アルコールは、ヒドロキシ基を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのような脂肪族アルコール;ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコールのようなポリエーテル系ポリオール;ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールのようなポリオレフィン系ポリオールが挙げられる。
多価アルコールは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステル(メタ)アクリレート(C)を製造する際に使用される多塩基酸は、カルボキシル基を2個以上有するポリカルボン酸化合物またはカルボン酸無水物であれば特に制限されない。
ポリカルボン酸化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、マレイン酸のような脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、トリメリット酸のような芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
多塩基酸は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステル(メタ)アクリレート(C)としては、例えば、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールと(メタ)アクリル酸との反応によって合成されるもの、トリメリット酸とジエチレングリコールと(メタ)アクリル酸との反応によって合成されるものが挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレート(C)はその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
また、ポリエステル(メタ)アクリレート(C)として使用できる市販品としては、例えば、アロニックスM7100、アロニックスM8030、アロニックスM6100(以上東亞合成社製)が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレート(C)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)またはポリエステル(メタ)アクリレート(C)は、密着性により優れ、異なる積算光量の条件下でも高硬度のトップコートとプラスチックとをより同等の密着性をもって密着させることができるという観点から、1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有するのが好ましい。
多官能性単量体(D)について以下に説明する。
本発明の組成物に含有される多官能性単量体(D)は、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリ(トリメチロールプロパン)エーテルおよびポリ(ペンタエリスリトール)エーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能アルコールと、(メタ)アクリル酸とから得られる、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。
ポリ(トリメチロールプロパン)エーテルは、2個以上のトリメチロールプロパンにおいてヒドロキシ基をエーテル化させることによって得られる縮合体である。例えば、ジトリメチロールプロパンが挙げられる。ポリ(トリメチロールプロパン)エーテルの製造は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
ポリ(ペンタエリスリトール)エーテルは、2個以上のペンタエリスリトールにおいてヒドロキシ基をエーテル化させることによって得られる縮合体である。例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールが挙げられる。ポリ(ペンタエリスリトール)エーテルの製造は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
1分子中に3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
1分子中に4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
1分子中に5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、密着性により優れ、異なる積算光量の条件下でも高硬度のトップコートとプラスチックとをより同等の密着性をもって密着させることができ、組成物の粘度が低くなり、意匠性、反応性に優れるという観点から、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましく、1分子中に5〜6個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物がより好ましい。
また、密着性により優れ、異なる積算光量の条件下でも高硬度のトップコートとプラスチックとをより同等の密着性をもって密着させることができ、意匠性、塗膜乾燥性、速硬化性、塗膜の硬度、耐水性、耐溶媒性、耐薬品性に優れるという点から、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
トリメチロールプロパントリアクリレートの市販品としては、例えば、M−309(東亞合成社製)、ライトアクリレートTMP−A(共栄社化学社製)、EBECRYL TEMPT(ダイセルサイテック社製)、NKエステル A−TMPT(新中村化学工業社製)が挙げられる。
ペンタエリスリトールテトラアクリレートとしては、例えば、アロニックスM−450(東亞合成社製)、ライトアクリレートPE−4A(共栄社化学社製)、EBECRYL PETAK(ダイセルサイテック社製)、NKエステル ATMMT(新中村化学工業社製)が挙げられる。
式(1)で表される化合物を含む市販品としては、例えば、アロニックスM−402(東亞合成社製)、ライトアクリレートDPE−6A(共栄社化学社製)、EBECRYL DDHA(ダイセルサイテック社製)、NKエステル A−PPH(新中村化学工業社製)が挙げられる。
式中、R1は水素原子および/または(メタ)アクリロイル基であり、R2はそれぞれ独立に水素原子または(メタ)アクリロイル基である。
式(1)で表される化合物は、R1が水素原子であるものとR1が(メタ)アクリロイル基であるものとの混合物として使用することができる。
なかでも、多官能性単量体(D)は、密着性により優れ、異なる積算光量の条件下でも高硬度のトップコートとプラスチックとをより同等の密着性をもって密着させることができるという観点から、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、式(1)で表される化合物であるのが好ましい。
多官能性単量体(D)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤(E)について以下に説明する。
本発明の組成物に含有される光重合開始剤(E)は、光によってモノマーを重合させうるものであれば特に制限されない。
光重合開始剤(E)としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物のようなカルボニル化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。より具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、下記式(2)で表される1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロ等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド等のパーオキサイド化合物が挙げられる。
中でも、光安定性、光開裂の高効率性、表面硬化性、樹脂との相溶性、低揮発、低臭気という点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの市販品としては、例えば、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)が挙げられる。
光重合開始剤(E)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物は、密着性により優れ、異なる積算光量の条件下でも高硬度のトップコートとプラスチックとをより同等の密着性をもって密着させることができ、意匠性、塗膜乾燥性に優れるという観点から、全不揮発分100質量部中、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を10〜70質量部含有するのが好ましく、20〜60質量部であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、密着性により優れ、異なる積算光量の条件下でも高硬度のトップコートとプラスチックとをより同等の密着性をもって密着させることができ、意匠性、塗膜乾燥性に優れるという観点から、全不揮発分100質量部中、ウレタン(メタ)アクリレート(B)およびポリエステル(メタ)アクリレート(C)のうちの一方または両方を5〜50質量部含有するのが好ましく、10〜40質量部であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、密着性により優れ、異なる積算光量の条件下でも高硬度のトップコートとプラスチックとをより同等の密着性をもって密着させることができ、意匠性、塗膜乾燥性に優れるという観点から、全不揮発分100質量部中、多官能性単量体(D)を5〜30質量部含有するのが好ましく、10〜20質量部であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、密着性により優れ、異なる積算光量の条件下でも高硬度のトップコートとプラスチックとをより同等の密着性をもって密着させることができ、意匠性、塗膜乾燥性に優れるという観点から、全不揮発分100質量部中、光重合開始剤(E)を1〜10質量部含有するのが好ましく、3〜7質量部であるのがより好ましい。
また、本発明の組成物は、密着性により優れ、異なる積算光量の条件下でも高硬度のトップコートとプラスチックとをより同等の密着性をもって密着させることができ、意匠性、塗膜乾燥性に優れるという観点から、全不揮発分100質量部中、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が10〜70質量部であり、ウレタン(メタ)アクリレート(B)およびポリエステル(メタ)アクリレート(C)のうちの一方または両方が5〜50質量部であり、多官能性単量体(D)が5〜30質量部であり、光重合開始剤(E)が1〜10質量部であるのが好ましい。
なお本発明において全不揮発分とは各成分中の固形分の合計量をいう。
本発明の組成物は、作業性に優れ、得られる塗膜の意匠性を向上させることができる点から、更に、溶剤を含有するのが好ましい。
溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、艶消し剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系化合物等)、染料、顔料等を含有することができる。
充填剤としては、例えば、ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレーのようなクレー;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカのようなシリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウムのような金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛のような金属炭酸塩;カーボンブラック;これらを、脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物によって表面処理したものが挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
レベリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤、ビニル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、その製造について特に限定されず、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法が挙げられる。
本発明の組成物は、例えば、プライマー組成物、プラスチック表面保護剤、ハードコート剤、紫外線硬化型塗料等として使用できる。
本発明の組成物は基材としてプラスチックに適用することができる。プラスチックは特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれにも使用することができる。
なかでも難接着性樹脂に対して本発明の組成物を使用する場合、密着性および意匠性について特に優れた効果を発揮する。
本発明の組成物を適用することができる難接着性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
本発明の組成物を塗布する方法は、特に限定されず、例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の塗布方法を採用できる。
本発明の組成物の塗布量としては、硬化時の塗膜の膜厚が1〜30μmとなるようにするのが好ましい。硬化塗膜の膜厚が1μm以上の場合、特に基材であるプラスチックの表面劣化の防止効果に優れ、30μm以下の場合、基材との密着性により優れ、クラックの発生を防ぐことができる。
本発明の組成物の硬化方法としては、例えば、熱による硬化方法、紫外線、電子線等の光照射による硬化方法が挙げられる。
本発明の組成物を熱で硬化させる場合、80〜120℃の条件下で加熱することができる。
本発明の組成物を紫外線照射によって硬化させる場合、積算光量は、硬化性、作業性に優れるという観点から、300〜3,000mJ/cm2であるのが好ましく、400〜1,000mJ/cm2であるのがより好ましい。
本発明の組成物を紫外線等の光照射により硬化させる際の温度は、20〜80℃であるのが好ましい。
紫外線等の光照射するために使用する装置は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
本発明の組成物は、塗布後すばやく乾燥することができる。
乾燥は、40〜100℃(好ましくは60℃程度)の条件下において1〜5分間(好ましくは、3分間程度)で行うことができる。
本発明の組成物は塗膜乾燥性に優れるので、本発明の組成物をプラスチック等の基材に塗布した後、比較的低温で短時間に溶剤等が塗膜から抜けることができる。このため、基材を立てた状態で本発明の組成物を塗布しても組成物がタレを生じることが少なく、硬化させる前の段階で塗膜のタックをほとんどなくすことができる。したがって、本発明の組成物は塗膜乾燥性に優れることによって、意匠性、密着性が格段に優れたものとなる。
本発明の組成物をプラスチックに塗布し硬化させることによって、本発明の組成物の硬化物とプラスチックとの積層体を得ることができる。
本発明において本発明の組成物の上にトップコート層を形成することができる。
トップコート層の形成に用いるトップコート組成物はプラスチック用に使用できるものであれば特に限定されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
トップコート組成物として市販品を使用することができる。トップコート組成物の市販品としては、例えば、UV−7605B(日本合成化学社製)、EBECRYL1290(ダイセルサイテック社製)、KRM8200(ダイセルサイテック社製)、UA306I(共栄社化学社製)が挙げられる。
トップコート層を形成する方法は、特に限定されない。例えば、本発明の組成物、または本発明の組成物の硬化物の上に、トップコート組成物を塗布し、トップコート組成物を硬化させてトップコート層を形成する方法が挙げられる。
トップコート用組成物を硬化させる方法は特に制限されない。例えば、本発明の組成物を硬化させる方法と同様のものが挙げられる。
トップコート層の形成としては、例えば、本発明の組成物を乾燥させた後、本発明の組成物の上にトップコート組成物を塗布し、加熱または紫外線等の光照射によって本発明の組成物およびトップコート組成物を硬化させる方法が挙げられる。
この場合、熱または紫外線等の光照射は上記と同義である。
トップコート層は、プラスチックの表面を摩傷、摩耗から保護するという観点から、高い硬度を有するものが好ましい。
本明細書においてトップコート層の硬度は、JIS K 5600に準じて、ガラス基板上にトップコート組成物を厚さ10μmに塗工し、トップコート組成物に紫外線を積算光量450mJ/cm2で照射してトップコート組成物を硬化させた後、トップコート層を鉛筆でこする方法によって測定されるものである。
トップコート層の硬度の評価基準は、トップコート層に傷が残らなかった鉛筆の硬度をトップコート層の硬度とする。
上記の方法によって測定されたトップコート層の硬度は、F〜9Hであるのが好ましく、2H〜9Hであるのがより好ましい。
本発明の組成物を用いることによって、本発明の組成物の硬化物を介してプラスチックとトップコート層とが密着している積層体を得ることができる。
本発明の組成物は、トップコート層とプラスチックとを強固に密着させることができる。また、本発明の組成物の硬化物はその表面が平滑であり、積層体の意匠性に優れる。
本発明の組成物の硬化物とプラスチックとの積層体について以下添付の図面を用いて説明する。
図1は、本発明の組成物の硬化物とプラスチックとの積層体の一例の断面を模式的に示す断面図である。
図1において、積層体100は、本発明の組成物の硬化物102とプラスチック104とを有する。
図2は、本発明の組成物の硬化物とプラスチックとトップコート層との積層体の一例の断面を模式的に示す断面図である。
図2において、積層体200は、本発明の組成物の硬化物202とプラスチック204とトップコート層206とを有する。積層体の製造としては例えば上記と同様のものが挙げられる。
本発明の組成物は適用されるトップコート層について特に制限はない。種々の硬度を有するトップコート層に適用することができる。
特に、本発明の組成物はトップコート層が高い硬度を有するものである場合において優れた密着性を発揮することができる。
これは、本発明の組成物において、ポリ(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を構成するモノマーが(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルを含むことによって、造膜成分としてのポリ(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)に柔軟性が付与され、このため、本発明の組成物から得られる硬化物は基材および/またはトップコート層に対して高い粘着性と強靭性を有し、外部からの衝撃やトップコート層の硬化収縮等を吸収または緩和させることができるためであると本願発明者は考えている。
なお、上記メカニズムは本願発明者の推察であり、もしメカニズムが上記と異なっていても本願発明の範囲内である。
以下実施例を示して本発明をより詳細に説明する。ただし本発明は実施例に限定されない。
1.(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の合成
下記第1表に示す各単量体成分を第1表に示す質量比で混合し、重合開始剤(AIBN(アゾビスイソブチロニトリル))の存在下、メチルエチルケトン(100g)中において60℃の条件下で24時間重合させて、(メタ)アクリル酸エステル重合体を50質量%の割合で含有するメチルエチルケトン(MEK)溶液として得た。得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体を(メタ)アクリル酸エステル重合体A1〜A5とする。
第1表に示す成分の詳細は以下のとおりである。
・メタクリル酸メチル:共栄社化学社製
・スチレン:関東化学社製
・メタクリル酸ラウリル:共栄社化学社製
・メタクリル酸ステアリル:共栄社化学社製
・メタクリル酸2−エチルヘキシル:共栄社化学社製
2.硬化性樹脂組成物の調製
下記第2表に示す各成分を第2表に示す組成(質量部)でかくはん機を用いて混合し、第2表に示される各組成物を得た。
3.トップコートの調製
商品名UV7605(日本合成化学社製)30質量部と、光重合開始剤としての商品名イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.9質量部と、溶剤としての酢酸ブチル69.1質量部とを均一に混合して組成物を得た。得られた組成物をトップコートとして使用した。
4.評価方法
得られた各硬化性樹脂組成物の意匠性、密着性を以下の方法により評価する。結果を下記第2表に示す。
(1)意匠性
意匠性の評価は、塗布面を垂直にした状態のABS樹脂(サイコラック、UMG ABS社製。以下同様。)に対して、得られた各硬化性樹脂組成物をスプレーで塗布して、サンプルを得た。
スプレー塗布後、得られたサンプルの塗布面を水平にして置き、サンプルの塗布面に対して斜め45°の角度から肉眼で観察した。
意匠性の評価基準は、塗膜が極めて平滑であるものを「◎」、塗布面が平滑であるものを「○」、わずかに凹凸が見られるものを「△」、凹凸が目立つものを「×」とする。
(2)密着性
密着性の評価は、碁盤目テープはく離試験によって行った。
具体的には、まず、塗布面を垂直にした状態のABS樹脂に対して、得られた各硬化性樹脂組成物をスプレーで塗布して60℃の条件下で3分間乾燥させ、次いで硬化性樹脂組成物の層の上に上記のトップコートをスプレーで塗布した。得られた試験体に対して日本電池社製のGS UV SYSTEMを用いて、ピーク強度:80mW/cm2、積算光量:400mJ/cm2または800mJ/cm2の条件下で紫外線照射を行い、硬化性樹脂組成物およびトップコートを硬化させた。
次に、得られた試験体の塗膜上に、カッターを用いて塗膜を貫通してABS樹脂の面に達する切り目を入れて1mm間隔の基盤目100個(縦10列×横10列)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端をABS樹脂に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、硬化性樹脂組成物の硬化物またはトップコート層が完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。
密着性の評価基準は、残った基盤目の数が95個以上である場合実用可能であるとした。
第2表に示す各成分は、下記のとおりである。
・(メタ)アクリル酸エステル重合体A1〜A5:上述のとおり調製したもの
・ウレタン(メタ)アクリレート(B1):EBYCRYL 9260(官能基数3)、ダイセルサイテック社製
・ポリエステル(メタ)アクリレート(C1):アロニックスM7100(官能基数3以上)、東亞合成社製
・ポリエステル(メタ)アクリレート(C2):アロニックスM8030(官能基数3以上)、東亞合成社製
・多官能性単量体(D1):アロニックスM402(官能基数5〜6)、東亞合成社製
・多官能性単量体(D2):アロニックスM450(官能基数4)、東亞合成社製
・光重合開始剤(E):イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製
・溶剤:酢酸ブチル、関東化学社製
第2表に示す結果から明らかなように、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を含有しない組成物(比較例1)は、密着性、積算光量が低い条件の場合密着性に劣る。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)またはポリエステル(メタ)アクリレート(C)を含有しない比較例2は、密着性、積算光量が低い条件の場合密着性、意匠性に劣る。
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルを含まないモノマーから得られる(メタ)アクリル酸エステル重合体を含有する比較例3は、密着性が低く、積算光量が低い条件の場合密着性に劣る。比較例3において使用されている(メタ)アクリル酸エステル重合体はメタクリル酸メチルホモポリマーであり、このような硬度の高いポリマーとなる組成物に高照射量で光照射して組成物を硬化させると、得られる塗膜はその硬度が高くなり、メタクリル酸メチルホモポリマーの層またはトップコート層が剥離してしまったと考えられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)またはポリエステル(メタ)アクリレート(C)を含有しない比較例4は、密着性が低く、積算光量が低い条件の場合密着性に劣る。
多官能性単量体(D)を含有しない比較例5は密着性が低く積算光量が低い条件の場合密着性に劣る。
一方、実施例1、参考例1〜6は、高硬度のトップコートとプラスチックとの密着性に優れ、幅広い積算光量の範囲の積算光量の条件下で硬化させる場合においても高硬度のトップコートとプラスチックとを同等の優れた密着性をもって密着させることができ、意匠性に優れる。
図1は、本発明の組成物の硬化物とプラスチックとの積層体の一例の断面を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の組成物の硬化物とプラスチックとトップコート層との積層体の一例の断面を模式的に示す断面図である。
符号の説明
100、200 積層体
102、202 本発明の組成物の硬化物
104、204 プラスチック
206 トップコート層

Claims (1)

  1. (メタ)アクリル酸n−ステアリルと(メタ)アクリル酸メチルとスチレンとを含むモノマーから得られる(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、
    ウレタン(メタ)アクリレート(B)およびポリエステル(メタ)アクリレート(C)のうちの一方または両方と、
    1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性単量体(D)と、
    光重合開始剤(E)とを含有し、
    前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量が、10,000〜100,000であり、
    前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)または前記ポリエステル(メタ)アクリレート(C)が、1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有し、
    前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)の主鎖が、脂肪族ウレタンであり、
    前記多官能性単量体(D)が、下記式(1−1)で表される化合物及び下記式(1−2)で表される化合物を含み、
    全不揮発分100質量部中、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が10〜70質量部であり、
    前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)および前記ポリエステル(メタ)アクリレート(C)のうちの一方または両方が5〜50質量部であり、
    前記多官能性単量体(D)が5〜20質量部であり、
    前記光重合開始剤(E)が1〜10質量部である、硬化性樹脂組成物。
    (式中、R1は(メタ)アクリロイル基であり、R2はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基である。)
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