JP4264108B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
そして、プラスチックの成形品は、その表面を損傷から保護すること等を目的として、塗膜で被覆されているのが一般的である。
(1) (メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)と、(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)と、カルボキシ基を有するビニルモノマー(a3)とを含む単量体成分を重合させて得られる共重合体(A)と、
硬化性樹脂(B)とを含有する硬化性樹脂組成物。
(2) 前記(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)が、下記式(1)で表される化合物である上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
CH2=CR1−CO−NH−R2 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種のへテロ原子を含んでもよい炭化水素基である。)
(3) 前記式(1)で表される化合物が、N−メトキシアクリルアミド、N−イソブトキシアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよびN−ブトキシメチルアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(2)に記載の硬化性樹脂組成物。
(4) 前記共重合体(A)の重量平均分子量が、10,000〜150,000である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(5) 前記共重合体(A)の前記単量体成分100質量部中に、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)20〜90質量部と、前記(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)1〜50質量部と、前記ビニルモノマー(a3)1〜50質量部とを含む上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(6) 前記硬化性樹脂(B)の含有量が、前記共重合体(A)100質量部に対して、1〜1,000質量部である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(7) 前記硬化性樹脂(B)がポリイソシアネート化合物(B1)であり、
更に、ヒドロキシ基を有する芳香族化合物であって前記ヒドロキシ基が2価の脂肪族または脂環式炭化水素基を介して芳香環に結合する芳香族化合物(C)を含有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(8) 前記芳香族化合物(C)が、下記式(2)で表される化合物である上記(7)に記載の硬化性樹脂組成物。
(9) 前記硬化性樹脂(B)が光硬化性アクリル樹脂(B2)であり、
更に、光重合開始剤(D)を含有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(10) 前記硬化性樹脂(B)がエポキシ樹脂(B3)であり、
更に、前記エポキシ樹脂(B3)の硬化剤(E)を含有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)と、(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)と、カルボキシ基を有するビニルモノマー(a3)とを含む単量体成分を重合させて得られる共重合体(A)と、硬化性樹脂(B)とを含有する組成物である。
本発明の組成物に用いられる共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)と、(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)と、カルボキシ基を有するビニルモノマー(a3)とを含む単量体成分を重合させて得られる共重合体である。
共重合体(A1)の単量体成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)としては、例えば、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
なかでも、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
共重合体(A1)の単量体成分である(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)は、CH2=CR1−CO−NH−(式中、R1は水素原子またはメチル基である。)を有する化合物であれば特に制限されない。
CH2=CR1−CO−NH−R2 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種のへテロ原子を含んでもよい炭化水素基である。)
なかでも、式(1)で表される化合物は、難接着性樹脂に対する接着性、意匠性により優れるという観点から、N−メトキシアクリルアミド、N−イソブトキシアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよびN−ブトキシメチルアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
共重合体(A1)の単量体成分であるビニルモノマー(a3)は、カルボキシ基とビニル基とを有する化合物であれば特に制限されない。
例えば、(メタ)アクリル酸、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
CH2=CR1−CO−O−R5−COOH (4)
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R5は酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種のへテロ原子を含んでもよい2価の炭化水素基である。)
ビニルモノマー(a3)は、基材に対する接着性、耐久性に優れ、塗膜の硬度が高くなるという観点から、アクリル酸、メタクリル酸およびアクリロイロキシエチルフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
ビニルモノマー(a3)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
他の共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルニトリル等のエチレン性不飽和単量体が挙げられる。
共重合体(A)を製造する際に使用される、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)およびビニルモノマー(a3)の量は、組成物の接着性、意匠性により優れるという観点から、共重合体(A)の製造に使用される単量体成分100質量部中に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)20〜90質量部であり、(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)1〜50質量部であり、ビニルモノマー(a3)1〜50質量部であるのが好ましい。
重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC)による標準ポリスチレン換算値で示される。
共重合体(A)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物に用いられる硬化性樹脂(B)としては、特に限定されない。ポリイソシアネート化合物(B1)、光硬化性アクリル樹脂(B2)、エポキシ樹脂(B3)が好適に挙げられる。硬化性樹脂(B)は、本発明の組成物に接着性を付与することができる。
硬化性樹脂(B)としてのポリイソシアネート化合物(B1)は、分子内にイソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。
例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)等の脂肪族ジイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)、H6TDI(水添TDI)等の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。
中でも、TDI、HDI、IPDI、TMXDIであるのが、得られる組成物の硬化性が良好となり、接着性、意匠性に優れるという観点から好ましい。
本発明においては、アダクト型ポリイソシアネートを含有する場合、組成物がプラスチック成形品、特に、難接着性のエンジニアリングプラスチックを主成分とするプラスチック成形品の表面と、金属蒸着膜や塗膜との接着性に優れたものとなる。これは、アダクト型ポリイソシアネートが分子内に3個以上のイソシアネート基のみならず3個以上のウレタン結合をも有するため、組成物の硬化後の架橋密度が上がり、強固な三次元網目構造が形成されるためであると考えられる。
これらのうち、TMPであるのが、得られる本発明の組成物の硬化性が良好となり、接着性により優れ、塗膜の硬度にも優れる点から好ましい。
ポリイソシアネート化合物(B1)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
芳香族化合物(C)は、ヒドロキシ基を有する芳香族化合物であってヒドロキシ基が2価の脂肪族または脂環式炭化水素基を介して芳香環に結合する化合物であれば特に限定されず、芳香環に直接結合する他のヒドロキシ基を有していてもよい。
その具体例としては、下記式(7)で表される化合物が好適に挙げられる。
R8の炭素数1〜10の2価の脂肪族または脂環式炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、ビニレン基等の2価の脂肪族炭化水素基;1,4−シクロへキシレン基等の2価の脂環式炭化水素基;およびこれらを組合せた基等が挙げられる。より具体的には、アルキレン基として、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,8−オクチレン基等が好適に例示される。
また、R9の炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、ビニル基、アリル基等の1価の脂肪族炭化水素基;シクロへキシル基等の1価の脂環式炭化水素基;フェニル基等の1価の芳香族炭化水素基;およびこれらを組合せた基等が挙げられる。より具体的には、アルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基等が好適に例示される。
なかでもR9はアリル基であるのが好ましい。
芳香族化合物(C)としては、市販品としてOxyChem社製のメチロン75−108、住友化学社製のスミライト23等を用いることができる。
芳香族化合物(C)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化性樹脂(B)としての光硬化性アクリル樹脂(B2)は、光によって硬化しうる(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば、特に限定されない。
例えば、1分子中に1個以上のカルボキシ基(−COOH)と1個または2個の(メタ)アクリロイルオキシ基(CH2=CR−COO−、R:Hまたは−CH3)とを有する化合物(以下、化合物(b1)という。)、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(以下、化合物(b2)という。)が挙げられる。
カルボキシ基の数は、接着性により優れ、樹脂との相溶性に優れる点から、化合物(b1)中、1〜3個であるのが好ましい。
化合物(b1)1分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、1個または2個である。(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、接着性、意匠性により優れるという点から、化合物(b1)1分子中2個であるのが好ましい。
ヒドロキシ(メタ)アクリレートと多塩基酸および/またはその酸無水物との反応の際に使用される多塩基酸およびその無水物としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、グルタル酸、スベリン酸、マロン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水マレイン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸等、およびそれらの混合物が挙げられる。
トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、NKエステルA−DCP(新中村化学工業社製)が挙げられる。
式(9)で表されmが0である化合物(アクリル酸)と式(9)で表されmが1である化合物との混合物は、市販品として入手することができる。このような市販品としては、例えば、東亞合成社製のM−5600が挙げられる。
式(10)で表される化合物は、市販品として入手することができる。このような市販品としては、例えば、東亞合成社製のM−5400、共栄社化学社製のHOA−MPLが挙げられる。
式(12)で表されるペンタエリスリトールテトラアクリレートとしては、例えば、M−450(東亞合成社製)、ライトアクリレートPE−4A(共栄社化学社製)、Ebecryl PETAK(ダイセルサイテック社製)、NKエステル ATMMT(新中村化学工業社製)が挙げられる。
式(13)で表されるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含む市販品としては、例えば、M−402(東亞合成社製)、ライトアクリレートDPE−6A(共栄社化学社製)、Ebecryl DDHA(ダイセルサイテック社製)、NKエステル A−PPH(新中村化学工業社製)が挙げられる。
光重合開始剤(D)としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物のようなカルボニル化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。より具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、下記式(14)で表される1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロ等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド等のパーオキサイド化合物が挙げられる。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの市販品としては、例えば、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)が挙げられる。
光重合開始剤(D)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化性樹脂(B)としてのエポキシ樹脂(B3)は、エポキシ基を有する化合物であれば特に制限されない。
エポキシ樹脂(B3)としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ピロカテコール、レゾルシノール、クレゾールノボラック、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ビスレゾルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールF、ビキシレノール、ジヒドロキシナフタレン等の多価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル型;グリセリン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルエステル型;フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸等のポリカルボン酸から誘導されるポリグリシジルエステル型;アミノフェノール、アミノアルキルフェノール等から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエーテル型;アミノ安息香酸から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエステル型;アニリン、トルイジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等から誘導されるグリシジルアミン型;エポキシ化ポリオレフィン、グリシジルヒダントイン、グリシジルアルキルヒダントイン、トリグリシジルシアヌレート等が挙げられる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が、入手の容易さおよび硬化物の物性のバランスが良好である点から好ましい。
エポキシ樹脂(B3)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化剤(E)としては、例えば、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、チオール系化合物、イミダゾール、3フッ化ホウ素−アミン錯体、グアニジン誘導体、ケチミン化合物が挙げられる。
これらの中でも、アミン系化合物、ケチミン化合物が好ましい。
なかでも、メタキシリレンジアミン(MXDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3−BAC)、ノルボルナンジアミン(NBDA)、トリエチレンテトラミン等が室温で液状であり、作業性が良く、硬化性も高いという点から好ましい。
ケチミン化合物としては、例えば、上記アミン系化合物とケトンとを反応させて得られる潜在性硬化剤が挙げられる。
具体的には、例えば、ノルボルナンジアミンとメチルイソプロピルケトンとから得られる下記式(15)で表されるケチミン化合物、メタキシリレンジアミンとメチルイソプロピルケトンとから得られる下記式(16)で表されるケチミン化合物、メタキシリレンジアミンとジエチルケトンとから得られる下記式(17)で表されるケチミン化合物、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンとメチルイソプロピルケトンとから得られるケチミン化合物が好適に挙げられる。
硬化剤(E)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明の組成物を適用することができる難接着性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
金属層を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、金属蒸着または金属を含有する塗料の塗布を行い金属層を形成させる方法が挙げられる。
金属蒸着において使用される金属は、特に限定されず、例えば、スズ、アルミニウム、ニッケル、銅、インジウム等が挙げられる。
金属蒸着の方法は、特に制限されず、公知の方法を採用できる。
金属層の形成に用いる塗料は、金属を含有するものであれば特に限定されず、従来公知の塗料を使用できる。
1.共重合体(A)の合成
下記第1表に示す各単量体成分を第1表に示す質量比で混合し、重合開始剤(AIBN(アゾビスイソブチロニトリル))の存在下、メチルエチルケトン中で重合させて、第1表に示される共重合体(A)−1〜11を、各共重合体(A)を30質量%の割合で含有するメチルエチルケトン(MEK)溶液として得た。
・(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)−1:メタクリル酸メチル
・(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)−2:メタクリル酸ブチル
・(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)−1:N−メトキシアクリルアミド(MRCユニテック社製)
・(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)−2:N−イソブトキシアクリルアミド(MRCユニテック社製)
・(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)−3:ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(MRCユニテック社製)
・(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)−4:N−ブトキシメチルアクリルアミド(MRCユニテック社製)
・ビニルモノマー(a3)−1:メタクリル酸
・ビニルモノマー(a3)−2:アクリロイロキシエチルフタル酸(東亜合成社製)
下記第2表に示す各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し、第2表に示される各組成物を得た。
得られた各組成物の接着性および意匠性を以下の方法により評価した。
結果を下記第2表に示す。
(1)接着性
接着性の評価は、碁盤目テープはく離試験によって行った。
具体的には、まず、得られた各組成物をABS樹脂(サイコラック、UMG ABS社製。以下同様。)に塗布し、硬化させて試験体を作製した。硬化条件は、比較例4の組成物については、塗布後50℃の条件下で3分間熱風乾燥させた後、日本電池社製のGS UV SYSTEMで積算光量が1200mJとなるように紫外線照射を行い、実施例1〜8および比較例1〜3、5〜7については、80℃で30分加熱を行った。
次に、得られた試験体に、1mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端をABS樹脂に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。
意匠性の評価は、塗布面を垂直にした状態のABS樹脂に対して、得られた各組成物をスプレーで塗布して、サンプルを得た。
スプレー塗布後、得られたサンプルの塗布面を水平にして、サンプルの塗布面に対して斜め45°の角度からサンプルを肉眼で観察した。
意匠性の評価基準は、塗布面が平滑であるものを「○」、わずかに凹凸が見られるものを「△」、凹凸が目立つものを「×」とした。
・共重合体(A)−1〜11:上述のとおり調製したもの
・ポリイソシアネート化合物(B1−1):IPDIイソシアヌレート、T1890、デグッサ社製、75質量%酢酸エチル溶液
・ポリイソシアネート化合物(B1−2):TMXDIトリメチロールプロパンアダクト体、サイセン3174、サイテック社製、75質量%酢酸エチル溶液
・芳香族化合物(C):メチロン75−108、Oxy Chem社製
・光硬化性アクリル樹脂(B2−1):M−309、東亞合成社製
・光硬化性アクリル樹脂(B2−2):M−220、東亞合成社製
・光硬化性アクリル樹脂(B2−3):NKエステルA−DCP、新中村化学工業社製
・光重合開始剤(D):イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製
・エポキシ樹脂(B3−1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂、EP−4100、旭電化工業社製
・エポキシ樹脂(B3−2):水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポライト4000、共栄社化学社製
・硬化剤(E):ノルボルナンジアミンとメチルイソプロピルケトン(MIPK)とを反応させて得られるケチミン化合物
・溶剤:酢酸エチル、関東化学社製
一方、実施例1〜8の組成物は、難接着性樹脂に対して優れた接着性および意匠性を有していた。
Claims (8)
- (メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)と、(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)と、カルボキシ基を有するビニルモノマー(a3)とを含む単量体成分を重合させて得られる共重合体(A)と、
硬化性樹脂(B)とを含有し、
前記硬化性樹脂(B)がポリイソシアネート化合物(B1)であり、
前記ポリイソシアネート化合物(B1)が、イソホロンジイソシアネート(IPDI)イソシアヌレート3量体、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)イソシアヌレート3量体、トリレンジイソシアネート(TDI)イソシアヌレート3量体、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)イソシアヌレート3量体、HDIとTDIとの混合イソシアヌレート3量体、IPDI・1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)アダクト体、TMXDI・TMPアダクト体、HDI・TMPアダクト体およびTDI・TMPアダクト体からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記硬化性樹脂(B)の含有量が、前記共重合体(A)100質量部に対して、1〜1,000質量部であり、
更に、ヒドロキシ基を有する芳香族化合物であって前記ヒドロキシ基が2価の脂肪族または脂環式炭化水素基を介して芳香環に結合する芳香族化合物(C)を含有し、
前記芳香族化合物(C)の含有量が、前記ポリイソシアネート化合物(B1)のイソシアネート基と、前記芳香族化合物(C)のヒドロキシ基との当量比(NCO/OH)が1.1〜3.0となる量である硬化性樹脂組成物であり、
当該硬化性樹脂組成物が難接着性樹脂に対して塗膜となるものであり、
前記難接着性樹脂が、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である硬化性樹脂組成物。 - 前記(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)が、下記式(1)で表される化合物である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
CH2=CR1−CO−NH−R2 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種のへテロ原子を含んでもよい炭化水素基である。) - 前記式(1)で表される化合物が、N−メトキシアクリルアミド、N−イソブトキシアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよびN−ブトキシメチルアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記共重合体(A)の重量平均分子量が、10,000〜150,000である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記共重合体(A)の前記単量体成分100質量部中に、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)20〜90質量部と、前記(メタ)アクリルアミド系モノマー(a2)1〜50質量部と、前記ビニルモノマー(a3)1〜50質量部とを含む請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記共重合体(A)が、
メタクリル酸メチルとN−メトキシアクリルアミドとメタクリル酸との共重合体、
メタクリル酸ブチルとN−メトキシアクリルアミドとメタクリル酸との共重合体、
メタクリル酸メチルとN−イソブトキシアクリルアミドとメタクリル酸との共重合体、
メタクリル酸メチルとジメチルアミノプロピルメタクリルアミドとメタクリル酸との共重合体、
メタクリル酸メチルとN−ブトキシメチルアクリルアミドとメタクリル酸との共重合体、および
メタクリル酸メチルとN−メトキシアクリルアミドとアクリロイロキシエチルフタル酸との共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
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