JP7078846B2 - 塗料改質剤および塗料組成物 - Google Patents
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特許文献3(特表2013-531708号公報)は、塩化ビニリデン繰り返し単位およびEO鎖を含有した含フッ素重合体を含むコーティング組成物を開示している。
特許文献4(特開平10-168140号公報)は、フルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位およびポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含む共重合体を含有してなる塗料添加剤を開示している。
a)式:
CH2=C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
[式中、Xは、水素原子、一価の有機基またはハロゲン原子であり、
Yは、-O-または-NH-であり、
Zは、直接結合または二価の有機基であり、
Rfは、炭素数1~6のパーフルオロアルキル基である。]
で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位、および
(b)炭化水素基を有する非フッ素単量体から誘導された繰り返し単位
を有する含フッ素重合体を含んでなる塗料改質剤を提供する。
CH2=CA11-C(=O)-O-A12
[式中、A11は、水素原子、炭素数1~30直鎖状または分岐状のアルキル基、シアノ基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基、またはフッ素原子以外のハロゲン原子であり、
A12は、炭素数1~40の炭化水素基である。]
で示される(メタ)アクリレートエステル単量体であることが好ましい。
(1)含フッ素重合体を含んでなる塗料改質剤、および
(2)樹脂を含んでなる塗料
を含んでなる塗料組成物を提供する。
追加的に、本開示は、単量体(a)および単量体(b)を重合して含フッ素重合体を得た後に、含フッ素重合体を塗料と混合することを含んでなる、塗料組成物の製造方法を提供する。
さらに加えて、本開示は、塗料組成物を基材の表面に塗布することによって形成されている塗料組成物の膜を提供する。
本開示によれば、基材が良好に保護される。特に、鋼板などの金属の錆が良好に防止される。
塗料改質剤は、含フッ素重合体を含んでなる。一般に、塗料改質剤は、含フッ素重合体および有機溶剤を含んでなるかまたはこれらからなる溶液である。
含フッ素重合体は、含フッ素単量体(a)から誘導された繰り返し単位および非フッ素単量体(b)から誘導された繰り返し単位を有する共重合体である。含フッ素単量体(a)は、炭素数1~6のフルオロアルキル基を有する単量体であり、非フッ素単量体(b)は非環状の炭化水素基、および/または窒素、酸素もしくは硫黄原子を含んでいてもよい環状の炭化水素基を有する単量体である。非フッ素単量体(b)は、好ましくは炭素数14以上の非環状炭化水素基、および/または環状炭化水素基を有する非フッ素非架橋性単量体である。非フッ素単量体(b)の炭化水素基は、飽和または不飽和であるが、飽和であることが好ましい。含フッ素重合体は、必要に応じて、含フッ素単量体(a)および非フッ素単量体(b)以外の他の単量体(c)から誘導された繰り返し単位を有してよい。
CH2=C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
[式中、Xは、水素原子、一価の有機基またはハロゲン原子であり、
Yは、-O-または-NH-であり、
Zは、直接結合または二価の有機基であり、
Rfは、炭素数1~6のパーフルオロアルキル基である。]
で示される化合物である。
含フッ素重合体においては、Xは、水素原子、メチル基、フッ素原子、または塩素原子であることが好ましい。Xは、水素原子またはメチル基、特にメチル基であることがさらに好ましい。
含フッ素重合体において、Zは、直接結合、炭素数1~20のアルキレン基、-SO2N(R1)R2-であることが好ましい。
CH2=C(-H)-C(=O)-O-(CH2)2-Rf
CH2=C(-H)-C(=O)-O-C6H4-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)2-Rf
CH2=C(-H)-C(=O)-O-(CH2)2N(-CH3)SO2-Rf
CH2=C(-H)-C(=O)-O-(CH2)2N(-C2H5)SO2-Rf
CH2=C(-H)-C(=O)-O-CH2CH(-OH)CH2-Rf
CH2=C(-H)-C(=O)-O-CH2CH(-OCOCH3)CH2-Rf
CH2=C(-H)-C(=O)-O-(CH2)2-S-Rf
CH2=C(-H)-C(=O)-O-(CH2)2-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-H)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-Rf
CH2=C(-H)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-H)-C(=O)-NH-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-C6H4-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2N(-CH3)SO2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2N(-C2H5)SO2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-CH2CH(-OH)CH2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-CH2CH(-OCOCH3)CH2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CH3)-C(=O)-NH-(CH2)2-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-O-(CH2)2-S-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-O-(CH2)2-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-NH-(CH2)2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)2-S-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)2-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-NH-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF3)-C(=O)-O-(CH2)2-S-Rf
CH2=C(-CF3)-C(=O)-O-(CH2)2-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF3)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-Rf
CH2=C(-CF3)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF3)-C(=O)-NH-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF2H)-C(=O)-O-(CH2)2-S-Rf
CH2=C(-CF2H)-C(=O)-O-(CH2)2-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF2H)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-Rf
CH2=C(-CF2H)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF2H)-C(=O)-NH-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CN)-C(=O)-O-(CH2)2-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CN)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-Rf
CH2=C(-CN)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CN)-C(=O)-NH-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF2CF3)-C(=O)-O-(CH2)2-S-Rf
CH2=C(-CF2CF3)-C(=O)-O-(CH2)2-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF2CF3)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-Rf
CH2=C(-CF2CF3)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF2CF3)-C(=O)-NH-(CH2)2-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-O-(CH2)3-S-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-O-(CH2)3-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-F)-C(=O)-NH-(CH2)3-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)3-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF3)-C(=O)-O-(CH2)3-S-Rf
CH2=C(-CF3)-C(=O)-O-(CH2)3-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF3)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-Rf
CH2=C(-CF3)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF2H)-C(=O)-O-(CH2)3-S-Rf
CH2=C(-CF2H)-C(=O)-O-(CH2)3-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF2H)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-Rf
CH2=C(-CF2H)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CN)-C(=O)-O-(CH2)3-S-Rf
CH2=C(-CN)-C(=O)-O-(CH2)3-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CN)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-Rf
CH2=C(-CN)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF2CF3)-C(=O)-O-(CH2)3-S-Rf
CH2=C(-CF2CF3)-C(=O)-O-(CH2)3-S-(CH2)2-Rf
CH2=C(-CF2CF3)-C(=O)-O-(CH2)3-SO2-Rf
CH2=C(-CF2CF3)-C(=O)-O-(CH2)2-SO2-(CH2)2-Rf
これらのうち、CH2=CH-C(=O)-O-(CH2)2-Rf、CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2-Rfが好ましい。
非フッ素単量体は、式:
CH2=CA11-C(=O)-O-A12
[式中、A11は、水素原子、炭素数1~30直鎖状または分岐状のアルキル基、シアノ基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基、またはフッ素原子以外のハロゲン原子であり、
A12は、炭素数1~40の炭化水素基である。]
で示される(メタ)アクリレートエステル単量体であることが好ましい。
炭化水素基の例は、炭素数1~40、好ましくは14~40の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和(例えば、エチレン性不飽和)の脂肪族炭化水素基、炭素数4~40、好ましくは6~40、例えば14~40の飽和または不飽和(例えば、エチレン性不飽和)の環状脂肪族基、炭素数6~40、好ましくは14~40の芳香族炭化水素基、炭素数7~40、好ましくは14~40の芳香脂肪族炭化水素基である。
炭化水素基は、炭素数14~40の非環状炭化水素基または炭素数4~40の環状炭化水素基であることが好ましい。
非環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレートエステル単量体として、
セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート;
環状炭化水素含有基を有する(メタ)アクリレートエステル単量体として、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレートである。
ステアリル(メタ)アクリレートおよびベヘニル(メタ)アクリレートが好ましい。
1つの態様において、他の単量体(c)は、式:
CH2=CA-T
[式中、Aは、水素原子、メチル基、またはフッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)であり、
Tは、水素原子、フッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)、または炭素数1~40(例えば5~20)の炭化水素基である。]
で示される化合物であってよい。
ハロゲン化オレフィン単量体は、フッ素原子を有しない。
ハロゲン化オレフィン単量体は、1~10の塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されている炭素数2~20のオレフィンであってよい。ハロゲン化オレフィン単量体は、炭素数2~20、特に1~5の塩素原子を有する炭素数2~5のオレフィンであることが好ましい。ハロゲン化オレフィン単量体の好ましい具体例は、ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、例えば塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、ヨウ化ビニリデンである。撥水撥油性(特に撥水撥油性の耐久性)が高くなるので、塩化ビニルが好ましい。含フッ素重合体は塩化ビニリデンから誘導される繰り返し単位を有しないことが好ましい。
反応性基、例えば、ヒドロキシル基を有することによって、防汚性および撥水撥油性の耐久性を付与できる。
非フッ素架橋性単量体の具体例は、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、モノクロロ酢酸ビニル、メタクリル酸ビニル、グリシジル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートである。
イソシアナトアクリレート単量体の具体例は、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの2-ブタノンオキシム付加体、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3,5-ジメチルピラゾール付加体、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3-メチルピラゾール付加体、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのε-カプロラクタム付加体、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの2-ブタノンオキシム付加体、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの3,5-ジメチルピラゾール付加体、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの3-メチルピラゾール付加体、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートのε-カプロラクタム付加体、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの2-ブタノンオキシム付加体、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの3,5-ジメチルピラゾール付加体、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの3-メチルピラゾール付加体、4-イソシアナトブチル(メタ)アクリレートのε-カプロラクタム付加体などである。
含フッ素重合体は、単独であってよく、あるいは2種以上の組み合わせであってもよい。
単量体(a)と単量体(b)の重量比は、20:80~80:20、30:70~70:30、例えば35:60~65:35であってよい。
塗料改質剤は、含フッ素重合体の有機溶媒溶液であることが好ましい。
塗料は、樹脂(すなわち、塗料樹脂)を含んでなる。樹脂は、熱硬化性または熱可塑性であり、一般に、熱硬化性である。樹脂の例は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂である。
顔料の例は、着色顔料(酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ)、防錆顔料、金属顔料(例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ)である。
助剤の例は、分散剤、乾燥剤、可塑剤、消泡剤、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール)、紫外線吸収剤(例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン)、レオロジーコントロール剤(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物、マイクロゲル)、硬化促進剤(例えば、錫化合物、亜鉛化合物、アミン化合物)である。
有機溶剤の例は、炭化水素、アルコール、エステル、ケトン、セロソルブである。
塗料組成物は、含フッ素重合体を含む塗料改質剤(1)、および樹脂を含む塗料(2)を含んでなる。
含フッ素重合体の量が、樹脂100重量部に対して、0.1~20重量部、例えば0.2~10重量部、特に0.5~5重量部であってよい。含フッ素重合体の量は、塗料組成物に対して、0.01~10重量%であってよい。
塗料組成物は、樹脂を含む塗料と塗料改質剤を混合することによって製造できる。例えば、樹脂および有機溶剤を含む塗料に、含フッ素重合体および有機溶剤を含む塗料改質剤を添加することによって、塗料組成物を製造できる。塗料における有機溶剤は、塗料改質剤における有機溶剤と同じであっても異なっていてもよい。
塗料組成物を、金属(例えば、鋼板)などの基材に塗布して、(例えば、常温または屋外気温で)有機溶剤を揮発させて、樹脂の被膜を形成する。
実施例において、特記しない限り、部、%および比は、重量部、重量%および重量比を意味する。
物性は次のようにして測定した。
水、n-ヘキサデカンおよびエタノールにて接触角測定(室温(25℃)および液滴2μl)を行った。
以下のようにして、土、塩、藻について、防汚性を評価した。
評価基準
○:塗板を10度傾けた際、汚れがすぐに落ちる。
○△:塗板を10度傾けても汚れが落ちないが、45度傾けると汚れが落ちる。
△:塗板を45度傾けても汚れが落ちないが、鋼板背面から叩くと落ちる。
×:塗板を45度傾けても、さらに鋼板背面から叩いても汚れが落ちない。
評価基準
○:藻が塗膜表面に付着しない。
△:藻は塗膜表面に付着するが、水面から鋼板を上げると剥がれる。
×:藻は塗膜表面に付着し、水面から鋼板を上げても剥がれない。
表面性測定機を用いて、摩擦子として鋼球を用いて、ASTM D1894に準拠し、静摩擦係数および動摩擦係数を測定した。
塗膜表面を、スコッチブライト(3M社製)を用いて荷重100gf、100mm/minの速度で10往復擦りつける。その後、塗膜表面を表面粗度計にて、測定距離40mmにおける、Ra(算術平均粗さ)およびRzjis(十点平均粗さ)を測定した。これらの数値の低いものを傷が付き難いと判定した。
表1に示す単量体(含フッ素単量体および非フッ素単量体)を、イソプロピルアルコール(IPA)100重量部と混合し重合することによって、含フッ素共重合体の溶液を製造した。次いで、蒸留により有機溶媒(IPA)を除去し、塊状の含フッ素共重合体を得た。含フッ素共重合体における単量体組成は、仕込んだ単量体の組成とほぼ同様であった。
表1は、重合体例1~16で使用した単量体を示す。
C6FA:CH2=C(-H)-C(=O)-O-(CH2)2-C6F13
C6FMA:CH2=C(-CH3)-C(=O)-O-(CH2)2-C6F13
C6FCLA:CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-(CH2)2-C6F13
LA:アクリル酸ラウリル
StA:アクリル酸ステアリル
VA:アクリル酸ベヘニル
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
EOA-1:CH2=C(-H)-C(=O)-O-(CH2CH2O)n-H
n数の平均 4.5
EOA-2:CH2=C(-H)-C(=O)-O-(CH2CH2O)n-H
n数の平均 8
2-HEA:アクリル酸2-ヒドロキシエチル
2-HEMA:メタクリル酸2-ヒドロキシエチル
VDC:塩化ビニリデン
重合体例1で得られた含フッ素共重合体0.6重量部と、メチルエチルケトン(MEK)2.4重量部を混合した溶液を、エポニックス#10上塗硬化剤(大日本塗料社製)20重量部と混合してかきまぜた。その後、エポニックス#10上塗主剤(大日本塗料社製)80重量部と混合して、エポキシ塗料を含む塗料組成物を得た。この塗料組成物を、鋼板に塗布して一晩乾燥することで、塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2および表5に示す。
重合体例2で得られた含フッ素共重合体0.3重量部と、MEK1.2重量部を混合した溶液を、エポニックス#10上塗硬化剤(大日本塗料社製)20重量部と混合してかきまぜた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例2で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
含フッ素共重合体1.8重量部、MEK7.2重量部とした以外は、実施例2と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例3で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例2と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例3で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例3で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例4と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例4で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例2と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例4で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例4と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例5で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例6で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例7で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例2と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例7で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例7で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例4と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例8で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例2と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例8で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例9で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例10で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例11で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例12で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例13で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例14で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例15で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
重合体例16で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表2に示す。
エポニックス#10上塗硬化剤(大日本塗料社製)20重量部と、エポニックス#10上塗主剤(大日本塗料社製)80重量部と混合して塗料組成物を得た。この塗料組成物を、鋼板に塗布して一晩乾燥することで、塗膜を得た。なお、この塗料の乾燥後固形分は61%であった。
塗料組成物の組成および試験結果を表2および表5に示す。
重合体例1で得られた含フッ素共重合体0.57重量部と、MEK2.4重量部を混合した溶液を、アレスレタン硬化剤(関西ペイント社製)20重量部と混合してかきまぜた。その後、アレスレタン(白)ベース(関西ペイント社製)80重量部と混合して、ウレタン樹脂を含む塗料組成物を得た。この塗料組成物を、鋼板に塗布して一晩乾燥することで、塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3および表4に示す。
重合体例2で得られた含フッ素共重合体0.29重量部と、MEK1.2重量部を混合した溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3および表4に示す。
重合体例2で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3および表4に示す。
含フッ素共重合体1.71重量部、MEK7.2重量部とした以外は、実施例32と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3および表4に示す。
重合体例3で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例32と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例3で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例3で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例34と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例4で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例5で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例6で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例7で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例32と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例7で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例7で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例34と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例8で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例32と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例8で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例9で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例10で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例11で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例12で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例13で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例14で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例15で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
重合体例16で得られた含フッ素共重合体を用いた以外は、実施例31と同様の方法で塗膜を得た。
塗料組成物の組成および試験結果を表3に示す。
アレスレタン硬化剤(関西ペイント社製)20重量部と、アレスレタン(白)ベース(関西ペイント社製)80重量部と混合して塗料組成物を得た。この塗料組成物を、鋼板に塗布して一晩乾燥することで、塗膜を得た。なお、この塗料の乾燥後固形分は57%であった。
塗料組成物の組成および試験結果を表3および表4に示す。
Claims (16)
- (a)式:
CH2=C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
[式中、Xは、水素原子、一価の有機基またはハロゲン原子であり、
Yは、-O-または-NH-であり、
Zは、直接結合または二価の有機基であり、
Rfは、炭素数1~6のパーフルオロアルキル基である。]
で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位、および
(b)式:
CH2=CA11-C(=O)-O-A12
[式中、A11は、水素原子、炭素数1~30直鎖状または分岐状のアルキル基、シアノ基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基、またはフッ素原子以外のハロゲン原子であり、
A12は、炭素数14~40の非環状炭化水素基または炭素数4~40の脂肪族環状炭化水素基である。]
で示される(メタ)アクリレートエステル単量体である非フッ素単量体から誘導された繰り返し単位
を有する含フッ素重合体を含んでなり、
含フッ素重合体がポリオキシアルキレン基(ポリオキシアルキレン基においてオキシアルキレン基の数が2以上である。)を有しない、塗料改質剤。 - 含フッ素単量体(a)において、
Xは、水素原子、メチル基または塩素原子であり、
Zは、直接結合、炭素数1~20の直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、
Rfは、炭素数4~6のパーフルオロアルキル基である請求項1に記載の塗料改質剤。 - 含フッ素単量体(a)において、Xはメチル基である請求項1または2に記載の塗料改質剤。
- 非フッ素単量体(b)において、A11は、水素原子またはメチル基である請求項1~3のいずれかに記載の塗料改質剤。
- 含フッ素単量体(a)の量が、含フッ素重合体に対して、20~98重量%であり、単量体(a)と単量体(b)の重量比が20:80~80:20である請求項1~4のいずれかに記載の塗料改質剤。
- 含フッ素共重合体が、さらに、他の単量体(c)から形成された繰り返し単位を含み、
他の単量体(c)が、式:
CH2=CA-T
[式中、Aは、水素原子、メチル基、またはフッ素原子以外のハロゲン原子であり、
Tは、水素原子、フッ素原子以外のハロゲン原子、または炭素数1~40の炭化水素基である。]
で示される非フッ素化合物、又は
少なくとも2つのオレフィン性炭素-炭素二重結合を有する化合物、あるいは少なくとも1つのオレフィン性炭素-炭素二重結合および少なくとも1つの反応性基を有する非フッ素化合物であり、
単量体(c)の量が、単量体(a)と単量体(b)の合計100重量部に対して、1~30重量部である請求項1~5のいずれかに記載の塗料改質剤。 - 含フッ素重合体が、A 12 が炭素数1~13の非環状炭化水素基である式:CH 2 =CA 11 -C(=O)-O-A 12 で示される(メタ)アクリレートエステル単量体から誘導された繰り返し単位を有しない請求項1~6のいずれかに記載の塗料改質剤。
- 含フッ素重合体が、塩化ビニリデンから誘導される繰り返し単位を有しない請求項1~7のいずれかに記載の塗料改質剤。
- 含フッ素重合体が、A12が炭素数1~13の非環状炭化水素基である式:CH2=CA11-C(=O)-O-A12で示される(メタ)アクリレートエステル単量体から誘導された繰り返し単位、および塩化ビニリデンから誘導される繰り返し単位の両方を有しない請求項1~8のいずれかに記載の塗料改質剤。
- 塗料改質剤が含フッ素重合体の有機溶媒溶液である請求項1~9のいずれかに記載の塗料改質剤。
- (1)請求項1~10のいずれかに記載の、含フッ素重合体を含んでなる塗料改質剤、および
(2)樹脂を含んでなる塗料
を含んでなる塗料組成物。 - 樹脂が、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂およびメラミン樹脂からなる群から選択された少なくとも1種である請求項11に記載の塗料組成物。
- 含フッ素重合体の量が、樹脂100重量部に対して、0.1~20重量部である請求項11または12に記載の塗料組成物。
- 請求項11~13のいずれかに記載の塗料組成物の製造方法であって、
単量体(a)および単量体(b)を重合して含フッ素重合体を得た後に、含フッ素重合体を塗料と混合することを含んでなる製造方法。 - 請求項11~13のいずれかに記載の塗料組成物を基材の表面に塗布して塗膜を形成し、基材に防汚性を付与することを含む、基材の塗装方法。
- 請求項11~13のいずれかに記載の塗料組成物を基材の表面に塗布することによって形成されている塗料組成物の膜。
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