JPH06240201A - 塗料用表面改質剤及び塗料組成物 - Google Patents

塗料用表面改質剤及び塗料組成物

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JPH06240201A
JPH06240201A JP2902393A JP2902393A JPH06240201A JP H06240201 A JPH06240201 A JP H06240201A JP 2902393 A JP2902393 A JP 2902393A JP 2902393 A JP2902393 A JP 2902393A JP H06240201 A JPH06240201 A JP H06240201A
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resin
group
coating
acrylic resin
alkyl group
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JP2902393A
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Kazuyoshi Tanaka
一義 田中
Satoshi Takano
聖史 高野
Yutaka Hashimoto
豊 橋本
Tetsuro Agawa
阿河哲朗
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐汚染性及び撥水性に優れた塗料用表面改質剤
を得る。 【構成】 C8F17CH2CH2OCOCH=CH2 と、C18H37OCOCH=CH2
とを、ターペン中、ラウリルメルカプタン及びアゾビス
イソブチロニトリルを用いて共重合反応させた共重合体
からなる表面改質剤を得た。これを、水酸基含有ポリエ
ステル系粉体塗料用樹脂、ブロックイソシアネート硬化
剤、顔料、ジブチルチンラウレートに添加し、混合・粉
砕を行なった後、混練粉砕を行い、その塗料組成物を鋼
板に吹き付け、焼付け硬化をして塗膜を得た。 【効果】レベリング性、耐汚染性及び撥水性に優れた塗
膜が得られる塗料用表面改質剤が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】撥水性に優れた皮膜を与える塗料
及びそれに用いる表面改質剤に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭52−8034号公報には、パー
フルオロアルキル基と、アルキレンオキサイド結合を含
有するフッ素化されたアクリル系樹脂を、熱硬化性樹脂
に混合した塗料が記載されている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載されたフッ素化アクリル系樹脂は、撥水性が不
十分であり、かつ耐汚染性も不十分であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は上記
実状に鑑みて鋭意検討したところ、上記したフッ素化ア
クリル系樹脂に代えて、フッ素化アルキル基と、炭素数
8〜20の長鎖アルキル基を含有するフッ素化アクリル
系樹脂を必要量配合することにより、熱硬化性樹脂本来
の塗膜特性を損なうことなしに、従来に比べて著しく撥
水性と耐汚染性に優れた塗膜を形成できることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明はフッ素化アルキル基と、炭
素数8〜20の長鎖アルキル基を含有するフッ素化され
たアクリル系樹脂からなる塗料用表面改質剤、更には熱
硬化性樹脂(A)と、上述のフッ素化されたアクリル系
樹脂(B)とを必須成分として含有してなる熱硬化性塗
料組成物に関する。
【0006】本発明に係る熱硬化性塗料組成物は、熱硬
化性樹脂と、フッ素化アルキル基と、炭素数8〜20の
長鎖アルキル基を含有するフッ素化されたアクリル系樹
脂の表面改質剤とを必須成分とするものである。
【0007】本発明の組成物は、熱硬化性樹脂100重
量部当たり、上記フッ素化アクリル系樹脂を0.1〜1
0重量部、好ましくは0.05〜3重量部、更に好まし
くは0.1〜1重量部を用いる。
【0008】この場合本発明のフッ素化アクリル系樹脂
の配合比が上記した範囲であると、上記した効果が良好
でかつ塗膜の物理的性質、耐候性等にも優れている。
【0009】熱硬化性樹脂は既に知られているものがい
ずれも使用できるが、例えばポリエステル系、ビニル重
合体系、エポキシ樹脂系等が挙げられる。さらに具体的
にはポリエステル系としては、多価アルコールと多価カ
ルボン酸からなるポリエステル樹脂に硬化剤を配合した
もの、あるいは自己架橋硬化性のポリエステル樹脂が挙
げられる。
【0010】またビニル重合体系としては水酸基、カル
ボキシル基、グリシジル基、オキサゾリン基等の官能基
を有するビニル単量体と他のビニル単量体とからなるビ
ニル重合体に硬化剤を配合したもの、もしくはブトキシ
メチルアミド基の如き自己架橋性官能基を有するビニル
重合体、またはそれらのビニル重合体をエポキシ樹脂、
ポリエステル等で変性したものが用いられる。
【0011】この場合、硬化剤は各重合体の官能基が水
酸基の場合、例えばヘキサメトキシメチルメラミン、テ
トラブトキシベンゾグアナミン等のアミノ樹脂、ブロッ
クポリイソシアネート等が使用できるし、カルボキシル
基の場合は、例えば、エポキシ樹脂、ポリオキサゾリン
等が使用できるし、またグリシジル基の場合は、例えば
多価カルボン酸、多価フェノール等が使用できる。
【0012】エポキシ樹脂系としては、例えばビスフェ
ノール型、あるいはエステル型等の多価エポキシ化合物
とアミン、酸等の硬化剤を組み合わせたものが挙げられ
る。
【0013】本発明の表面改質剤は、フッ素化アルキル
基と、炭素数8〜20の長鎖アルキル基を含有するフッ
素化されたアクリル系樹脂である。
【0014】本発明の表面改質剤成分たるフッ素化され
たアクリル系樹脂を製造する際には、フルオロアルキル
基含有エチレン性不飽和単量体と、炭素数8〜20の長
鎖アルキル基を含有するエチレン性不飽和単量体とを共
重合させればよい。
【0015】当該フルオロアルキル基含有エチレン性不
飽和単量体(a)としては、公知慣用のものがいずれも
使用できるが、例えばフッ素化脂肪族基を有する(メ
タ)アクリレート、ビニルエステル、ビニルエーテル、
マレート、フマレート、α−オレフィン等を挙げること
ができる。
【0016】尚、本発明において、(メタ)アクリレー
トは、メタアクリレート、アクリレート、フルオロアク
リレートを総称するものとする。
【0017】フルオロアルキル基含有エチレン性不飽和
単量体(a)のフッ素化脂肪族基としては、例えば炭素
原子数3〜21のパーフルオロアルキル基またはパーフ
ルオロアルケニル基が挙げられ、直鎖状、分岐状、環式
(例えば、パーフルオロシクロヘキシル)、またはこれ
らの組み合わせた構造のものが含まれ、更にそれらは炭
素原子の間に酸素原子(例えば、(CF32CFOCF
2CF2−)が介入したものであってもかまわない。また
架橋基としては、下記に示すように例えばエステル、エ
ーテル、アミノ、アミド基等が挙げられる。
【0018】
【化1】−CO2−,−SO3−,−O−,−CH2CH2
O−,−S−、−(CH2y−N(R4)−(但し、y
は1ないし6の整数、R4は水素または炭素数4個以下
のアルキル基である。)、−CO−N(R4)−,−S
2N(R4)−(但し、R4は前述の通り。)
【0019】例えば、パーフルオロアルキル基含有エチ
レン性不飽和単量体(a)は、次のような一般式で示す
ことができる。
【0020】
【化2】
【0021】〔但し、R1は炭素原子数3〜21のフル
オロアルキル基を示し、Rは水素原子またはメチル基を
示し、R’は炭素原子数1〜10のアルキレン基を示
し、R”は水素原子または1〜10のアルキル基を示
し、Phはフェニル基を示す。〕
【0022】このような単量体(a)として、具体的に
は例えば次の如きものが挙げられるが、これらの具体例
によって本発明が何等限定されるわけでないことは勿論
である。
【0023】
【化3】 a−1:C817CH2CH2OCOCH=CH2 a−2:C817SO2N(C37)CH2CH2OCOC
H=CH2 a−3:C715CON(C25)CH2CH2OCOC
H=CH2 a−4:C613CH2CH2SO2NHCH2CH2OCO
CH=CH2 a−5:C917O−Ph−CONHCH2CH2OCO
CH=CH2 a−7:C817CH2CH2OCOC(CH3)=CH2 a−8:C817SO2N(C37)CH2CH2OCOC
(CH3)=CH2 a−9:C715CON(C25)CH2CH2OCOC
(CH3)=CH2 a−10:C613CH2CH2SO2NHCH2CH2OC
OC(CH3)=CH2 a−11:C917O−Ph−CONHCH2CH2OC
OC(CH3)=CH2 a−15:H(CF28SO2N(CH3)CH2CH2
COC(CH3)=CH2 a−16:H(CF28CH2CH2OCOC(CH3
=CH2
【0024】また、これら単量体としては、フッ素化ア
ルキル基としてパーフルオロアルキル基を含有し、フッ
素原子含有量が5〜80重量%、中でも10〜70重量
%のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体が
好ましい。
【0025】本発明に係る炭素数8〜20の長鎖アルキ
ル基を含有するエチレン性不飽和単量体としては、公知
慣用のものがいずれも使用でき、そのアルキル基は直鎖
状、分岐状またはそれらを組み合わせたいずれの構造を
とっていても良い。また、その中でも炭素数が12〜2
0の長鎖アルキル基を有するものは塗膜化したときの撥
水性、汚染性等の性能が優れる点で好ましく、更に炭素
数が14〜18の長鎖アルキル基を有するものは更に顕
著な表面性能を発現する点で特に好ましい。
【0026】このような単量体(b)として、具体的に
は例えば次の如きものが挙げられるが、これらの具体例
によって本発明が何等限定されるわけでないことは勿論
である。
【0027】
【化4】b−1:CH2=CHCOO(CH217CH3 b−2:CH2=CHCOO(CH215CH3 b−3:CH2=CHCOO(CH212CH3 b−4:CH2=CHCOO(CH211CH3 b−6:CH2=CHCOOCn2n+1(n=12〜1
3) b−9:CH2=C(CH3)COO(CH217CH3 b−10:CH2=C(CH3)COO(CH215CH3 b−11:CH2=C(CH3)COO(CH212CH3 b−12:CH2=C(CH3)COO(CH211CH3 b−14:CH2=C(CH3)COOCn2n+1(n=
12〜13)
【0028】単量体(a),及び単量体(b)として
は、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基のい
ずれでも可能であるが、重合反応性の点でのアクリロイ
ル基またはメタクリロイル基が優れているため、これら
を含有するものが特に好ましい。
【0029】本発明の塗料用表面改質剤における共重合
体の重合割合は特に制限されないが通常単量体(a)1
00重量部当り、単量体(b)10〜150重量部、中
でも得られる共重合体を熱硬化性樹脂へ添加して得られ
た塗膜の撥水性、耐汚染性に優れる点で特に30〜10
0重量部であることが好ましい。
【0030】本発明の塗料用表面改質剤は、単量体
(a)と単量体(b)の1種ずつの二元共重合体であっ
てもよいし、それら単量体(a)、(b)及びその他の
単量体からなる3種以上の多元共重合体であっても良
い。
【0031】本発明の塗料用表面改質剤は前記単量体
(a)、(b)を塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化
重合等の公知慣用の方法が適用でき、特に重合法を限定
するものではないが、有機溶剤中で必要に応じてラジカ
ル開始剤、光増感剤及び連鎖移動剤を用いて該単量体
(a)、(b)を共重合せしめる溶液重合法が目的とす
る感熱転写材用処理剤が直接製造され得ることから製造
法の中でも特に好ましい。
【0032】このようにして得られる共重合体は、通常
ポリスチレン換算で1000以上、中でも3000〜1
00000の重量平均分子量を有していることが好まし
く、更に好ましくは5000〜30000の重量平均分
子量を有していることが好ましい。
【0033】共重合に際し、必要に応じて用いられるラ
ジカル開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニト
リル、アゾビスイソバレロニトリル、ベンゾイルパーオ
キサイド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が、
光増感剤としては、例えばベンゾフェノン、アセトフェ
ノン、ベンゾイン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ル−1−オン等が、連鎖移動剤としては、例えばラウリ
ルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリコー
ル酸オクチル、パーフルオロオクチルエチルメルカプタ
ン等が挙げられる。
【0034】溶剤としては、例えばメチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルア
ルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジエチ
ルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル
等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル類、クロロホルム、ジクロルエタン、パー
クロロエチレン、四塩化炭素等の塩素系溶剤類、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ターペン、ケロシン等の脂肪
族炭化水素類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香
族炭化水素類等が挙げられる。
【0035】上述のようにして得られたフッ素化された
アクリル系樹脂(B)と熱硬化性樹脂(A)を常法によ
り均一に混合することによって容易に本発明の塗料樹脂
組成物が製造されるが、フッ素化されたアクリル系樹脂
の配合方法には特に制限はなく、樹脂の製造時に配合し
てもよいし、また熱硬化性樹脂に顔料、その他の充填剤
を配合する際に同時に配合してもよい。
【0036】本樹脂組成物は特に粉体塗料として好まし
く用いることができる。粉体塗料の場合には、レベリン
グ性が要求されるが、本発明の表面改質剤は極めて高度
のレベリング性を発現する。
【0037】本発明の樹脂組成物から粉体塗料を調製す
るにはあらかじめ溶融混練した該樹脂組成物に顔料、充
填剤、添加剤等の如き配合成分を投入して溶融混練し、
冷却したのち粉砕する方法、あるいは該樹脂組成物と配
合成分との混合物を溶融混練し、冷却後粉砕する方法、
あるいは溶剤中で該樹脂組成物と配合成分とを混合して
スプレードライヤー処理する方法等のいずれでも可能で
ある。
【0038】粉体塗料の塗布方法としては、静電塗装、
流動浸漬塗装等の如き公知の方法をいずれも採用でき
る。さらに既述のように、本発明の表面改質剤は、通常
の有機溶剤溶液系、水溶液系及び分散液系の塗料に使用
することもできる。
【0039】
【実施例】次に、本発明を実施例、比較例により更に詳
細に説明する。但し、本発明の範囲は、下記実施例によ
り何等限定されるものではない。
【0040】〔参考例〕この例では本発明の共重合体を
製造するための典型的な方法を、パーフルオロアルキル
化合物とステアリルアクリレートの二元共重合体の具体
例にて説明する。
【0041】ガラス製反応容器(内容積500ml)中
に、C8F17CH2CH2OCOCH=CH2(a−1)82g、C18H37OC
OCH=CH2 35g、ターペン(LAWS)279gを入
れ、窒素雰囲気下で攪拌しつつ50℃まで昇温し、系内
を均一にした後、完全に溶解したことを確認する。つづ
いて連鎖移動剤として、ラウリルメルカプタン2.35
g、アゾビスイソブチロニトリル1.18gを加え、3
0分間で85℃まで昇温を行い、同温度にて7時間共重
合反応せしめる。得られた塗料用表面改質剤の不揮発分
は30.0重量%であった。(この共重合体を共重合体
1とする。)
【0042】以下、第1表に示された単量体を所定量用
いて、上記と同様にして、それぞれの共重合体を得た。
各種単量体(a)、(b)を第1表に示す割合で用いた
以外は共重合体1と同様にして共重合体溶液を得た。必
要に応じてターペン(LAWS)を更に加え、不揮発分
30重量%に調節した。
【0043】
【表1】
【0044】実施例1 ブロックイソシアネート硬化型水酸基含有ポリエステル
系粉体塗料用樹脂ファインディックM−8076〔大日
本インキ化学工業(株)製〕71重量部、硬化剤(ヒル
ス社製B−1530)26重量部、顔料〔石原産業
(株)製CR−90〕43重量部、ジブチルチンラウレ
ート0.2重量部に、前述の塗料用表面改質剤(共重合
体1)を0.25重量%添加し、ヘンシェルミキサーに
て混合・粉砕を30秒間行なった。
【0045】次に溶融により顔料を分散させる目的で、
コニーダにより90℃にて混練を行なった。その後、粗
粉砕、微粉砕工程をへて150〜250メッシュによ
り、50〜60μmφの粉末を選定し、得られた粉体塗
料組成物を小野田セメント(株)製GX−375(ハン
ドガンタイプ)による静電塗装で鋼板に吹き付け、その
後190℃、20分間の条件で熱風炉にて焼付け硬化を
行なった。得られた塗膜の膜厚は、60〜70μmであ
った。
【0046】実施例2〜10 粉体塗料組成物の共重合体1に代わって共重合体2〜1
0の同量をそれぞれ添加したほかは実施例1と同様にし
て塗膜を得た。
【0047】実施例11 共重合体1の添加量を0.5重量%に変更したほかは実
施例1と同様にして塗膜を得た。
【0048】比較例1 粉体塗料組成物の共重合体1に代わってa−2の構造を
有するパーフルオロアルキル基含有エチレン性不飽和単
量体とポリオキシエチレンオキシプロピレンモノメチル
エーテルのメタアクリル酸エステル(分子量1000、
エチレン/プロピレン(モル比)=40/60)とのモ
ル比7/3の共重合体(分子量8000)を0.25重
量%添加したほかは実施例1と同様にして塗膜を得た。
【0049】比較例2 粉体塗料組成物の共重合体1を添加しなかったほかは実
施例1と同様にして塗膜を得た。
【0050】比較例3 粉体塗料組成物の共重合体1に代わって炭化水素系のフ
ロー剤としてアクロナール4F(BASF社製)を0.
5重量部添加したほかは実施例1と同様にして塗膜を得
た。
【0051】これら実施例1〜11及び比較例1〜3で
得た塗膜の光沢、密着性、衝撃強度、レベリング性、汚
染性、、レベリング性、及び撥水性等を評価した。実施
例の結果を第2表に、比較例の結果を第3表に示す。
【0052】光沢値は村上色彩工業(株)製グロスメー
ター(モデルGM−26D)により測定した。また、密
着性は碁盤目試験により100マス中の剥離しなかった
マスの数により数値化し、エリクセン試験は上島製作所
(株)製の試験機を用いて、7mmでの評価を行なっ
た。また、衝撃強度は東洋精機(株)製デュポン衝撃試
験機を用いて1/2inch×500g荷重の条件で測
定した。
【0053】レベリング性は塗膜表面を目視にて5段階
評価を行い、汚染性は三色(赤・青・黒)の太字マジッ
クにて塗膜表面に線引きし、24時間放置後石油ベンジ
ン/エタノール=1/1の液体で拭き取り、色の残存状
況を目視にて5段階評価した。レベリング性、汚染性と
もに最も良好な場合に5点、最も芳しくない場合に1点
という採点基準である。
【0054】また、協和界面科学(株)製自動接触角計
CA−Z型により、塗膜表面における水、及びn−ドデ
カンの接触角を測定することにより撥水性、撥油性をそ
れぞれ評価した。尚、表中の、θo,θwはそれぞれ撥
水性、撥油性を示し、数値は角度を表す(単位 ゜)。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】第1表実施例1と比較例1とを対比すれば
わかる通り、本発明の炭素原子数8〜20の長鎖アルキ
ル基を含有するフッ素化されたアクリル系樹脂からなる
表面改質剤を用いた粉体塗料組成物から得られた塗膜
は、アルキレンオキサイド結合を有するフッ素化アクリ
ル樹脂からなる従来のフッ素系表面改質剤を用いた同様
の塗膜に比べて、耐汚染性、撥水撥油性は勿論、レベリ
ング性にも優れていることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の塗料用表面改質剤は、炭素数8
〜20の長鎖アルキル基を含有するフッ素化されたアク
リル系樹脂からなるので、塗料用熱硬化性樹脂内に必要
量配合することにより、熱硬化性樹脂本来の塗膜特性を
損なうことなしに、従来のフッ素化アクリル系樹脂に比
べて撥水性と耐汚染性の点で格段に優れた塗膜を形成で
きるという格別顕著な効果を奏するものである。
【0059】従って、例えば本発明の表面改質剤を用い
た塗膜は、従来に比して防汚耐久性に優れ、粉体塗料樹
脂が比較的よく使用される家電類の長期間の美観保持等
に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08F 220/18 MMC 7242−4J 220/22 MMT 7242−4J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素化アルキル基と、炭素数8〜20の
    長鎖アルキル基を含有するフッ素化されたアクリル系樹
    脂からなる塗料用表面改質剤。
  2. 【請求項2】熱硬化性樹脂(A)と、フルオロアルキル
    基と炭素数8〜20の長鎖アルキル基とを含有するフッ
    素化されたアクリル系樹脂(B)とを必須成分として含
    有してなる熱硬化性塗料組成物。
  3. 【請求項3】固形の熱硬化性樹脂と、フルオロアルキル
    基と炭素数8〜20の長鎖アルキル基とを含有するフッ
    素化されたアクリル系樹脂(B)とを必須成分として含
    有してなる熱硬化性粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】樹脂(A)100重量部当たり、樹脂
    (B)を0.1〜10重量部用いる請求項2または3記
    載の組成物。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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