JP5187006B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。
アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂のようなプラスチックは、軽量で耐衝撃性、成形加工性に優れ安価であることから、種々の分野で使用されている。
そして、プラスチックの成形品は、その表面を損傷から保護すること等を目的として、塗膜で被覆されているのが一般的である。
プラスチック成形体等を被覆する塗膜に用いられる組成物として、例えば、特許文献1〜2が提案されている。
特開2006−328364号公報 特開2007−284485号公報
しかしながら、本願発明者は、特許文献1〜2に記載されている組成物について検討したところ、塗膜の硬度は高いもののプラスチックとの密着性が十分ではなく、乾燥性に劣ることを見出した。
そこで、本発明は、高硬度でかつプラスチックに対して優れた密着性を有し、乾燥性にも優れる塗膜を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、重量平均分子量が50,000以上の(メタ)アクリル重合体と、1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレートと、光重合開始剤とを含有する硬化性樹脂組成物からなる塗膜が、高硬度でかつプラスチックに対して優れた密着性を有し、乾燥性にも優れることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(1)〜()を提供する。
(1)重量平均分子量が50,000以上の(メタ)アクリル重合体(A)と、1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)とを含有し、
全不揮発分100質量部中、上記(メタ)アクリル重合体(A)が10〜30質量部であり、上記ウレタン(メタ)アクリレート(B)が60〜90質量部であり、上記光重合開始剤(C)が1〜10質量部であり、
上記ウレタン(メタ)アクリレート(B)が、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物(b1)、ポリイソシアネート化合物(b2)、および、1分子中に水酸基とアクリロイルオキシ基とを有するアクリレート(b3)を反応させて得られる、硬化性樹脂組成物。
)上記ポリオール化合物(b1)の骨格が、脂環式炭化水素からなる上記()に記載の硬化性樹脂組成物。
)更に、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性単量体(D)を含有し、
全不揮発分100質量部中、上記多官能性単量体(D)が20質量部以下である上記(1)または(2)に記載の硬化性樹脂組成物。
)上記多官能性単量体(D)が、下記式(d1)で表される化合物である上記()に記載の硬化性樹脂組成物。
(式中、Rは、水素原子または(メタ)アクリロイル基を表す。)
以下に説明するように、本発明によれば、高硬度でかつプラスチックに対して優れた密着性を有し、乾燥性にも優れる塗膜を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、プラスチック面に塗布する際のレベリング性に優れ、乾燥後の塗膜の意匠性にも優れるため、非常に有用である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、重量平均分子量が50,000以上の(メタ)アクリル重合体(A)と、1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)とを含有し、
全不揮発分100質量部中、上記(メタ)アクリル重合体(A)が10〜30質量部であり、上記ウレタン(メタ)アクリレート(B)が60〜90質量部であり、上記光重合開始剤(C)が1〜10質量部である硬化性樹脂組成物である。
また、本発明の組成物は、塗膜の硬度をより向上させる観点から、更に、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性単量体(D)を、全不揮発分100質量部に対して、20質量部以下の割合で含有するのが好ましい。
以下に、本発明の組成物に含有する(メタ)アクリル重合体(A)、ウレタン(メタ)アクリレート(B)および光重合開始剤(C)ならびに所望により含有することができる多官能性単量体(D)等について詳述する。
<(メタ)アクリル重合体(A)>
本発明の組成物に含有される(メタ)アクリル重合体(A)は、重量平均分子量が50,000以上のものであれば特に制限されず、ホモポリマーおよびコポリマーのいずれであってもよい。
ここで、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルのうちのいずれか一方またはその両方であることを意味する。
また、本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(Gel permeation chromatography(GPC))により測定した重量平均分子量(ポリスチレン換算)である。測定にはテトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いるのが好ましい。
本発明においては、重量平均分子量が50,000以上の(メタ)アクリル重合体(A)を所定量用いることにより、得られる本発明の組成物からなる塗膜の乾燥性が良好となる。
上記(メタ)アクリル重合体(A)の重量平均分子量は、得られる本発明の組成物の粘度が適正なものとなり、得られる本発明の組成物からなる塗膜のプラスチックに対する密着性がより向上し、乾燥性および意匠性もより良好となる理由から、140,000以下であるのが好ましく、60,000〜120,000であるのがより好ましく、70,000〜100,000であるのが更に好ましく、80,000〜90,000であるのが特に好ましい。
また、上記(メタ)アクリル重合体(A)の含有割合は、本発明の組成物の全不揮発分100質量部中、10〜30質量部であり、得られる本発明の組成物からなる塗膜の硬度およびプラスチックに対する密着性がより向上する理由から、10〜25質量部であるのが好ましく、10〜20質量部であるのがより好ましい。
ここで、本発明において、全不揮発分とは、溶剤以外の成分の合計量をいう。
このような(メタ)アクリル重合体(A)としては、例えば、アクリル系ホモポリマー、アクリル系コポリマー、メタクリル系ホモポリマー、メタクリル系コポリマー、アクリル系モノマーとメタクリル系モノマーとのコポリマーが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記(メタ)アクリル重合体(A)の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。
上記(メタ)アクリル重合体(A)の製造の際に使用されるモノマーは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば特に限定されず、その具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらのうち、得られる本発明の組成物からなる塗膜のプラスチックに対する密着性がより向上し、乾燥性および意匠性もより良好となる理由から、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
ここで、(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、具体的には、下記式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。
式中、R1は、水素原子またはメチル基である。R2は、炭素数1〜30のアルキル基であり、炭素数1〜20のアルキル基であるのが好ましく、炭素数1〜15のアルキル基であるのがより好ましい。
上記式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸n−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸n−ブチルエステル等が挙げられる。
これらのうち、得られる本発明の組成物からなる塗膜のプラスチックに対する密着性が更に向上し、乾燥性および意匠性も更に良好となる理由から、メタクリル酸メチルエステルが好ましい。
上記(メタ)アクリル重合体(A)の製造の際に使用されるモノマーが(メタ)アクリル酸アルキルエステルである場合、上記(メタ)アクリル重合体(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー、および、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーとのコポリマーのうちのいずれであってもよい。
上記(メタ)アクリル重合体(A)が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのホモポリマーである場合、その具定例としては、(メタ)アクリル酸メチルホモポリマー、(メタ)アクリル酸エチルホモポリマー等が挙げられる。
これらのうち、得られる本発明の組成物からなる塗膜のプラスチックに対する密着性がより向上し、乾燥性および意匠性もより良好となる理由から、メタクリル酸メチルホモポリマーが好ましい。
一方、上記(メタ)アクリル重合体(A)が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーとのコポリマーである場合、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーは特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
なかでも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーとしては、得られる本発明の組成物からなる塗膜のプラスチックに対する密着性がより向上し、乾燥性および意匠性もより良好となる理由から、エステル結合に結合する炭化水素基が第三級または第四級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いるのが好ましい。
ここで、エステル結合に結合する炭化水素基における第三級または第四級炭素原子の位置は特に限定されないが、得られる本発明の組成物からなる塗膜のプラスチックに対する密着性が更に向上し、乾燥性および意匠性も更に良好となる理由から、第三級または第四級炭素原子がエステル結合に結合しているのが好ましい。
第三級または第四級炭素原子を有する炭化水素基の炭素原子数は、得られる本発明の組成物からなる塗膜のプラスチックに対する密着性が更に向上し、乾燥性および意匠性も更に良好となる理由から、4〜20個であるのが好ましく、4〜10個であるのがより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルであってエステル結合に結合する炭化水素基が第三級または第四級炭素原子を有するものとしては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
式中、R3は水素原子またはメチル基であり、R4は第三級または第四級炭素原子を有する炭化水素基である。
4としては、例えば、下記式(3)で表されるものが挙げられる。
−R5 m−CR678 (3)
式中、R5はアルキレン基であり、mは0または1であり、R6は水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、R7、R8はそれぞれ独立に炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、R7とR8とは互いに結合して環構造を形成することができる。
4としては、例えば、シクロヘキシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソボロニル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルであってエステル結合に結合する炭化水素基が第三級または第四級炭素原子を有するものとしては、例えば、下記式(a2)〜式(a5)で表される化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルであってエステル結合に結合する炭化水素基が第三級または第四級炭素原子を有するものは、得られる本発明の組成物からなる塗膜の硬度およびプラスチックに対する密着性が特に向上し、乾燥性および意匠性も特に良好となる理由から、上記式(a2)〜式(a5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記(メタ)アクリル重合体(A)が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーとのコポリマーである場合、得られる本発明の組成物からなる塗膜のプラスチックに対する密着性がより向上し、乾燥性および意匠性もより良好となる理由から、使用するモノマー((メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーの合計)100質量部中、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量が80〜99.9質量部であるのが好ましく、85〜95質量部であるのがより好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーの量が0.01〜20質量部であるのが好ましく、5〜15質量部であるのがより好ましい。
なかでも、上記(メタ)アクリル重合体(A)が、(メタ)アクリル酸メチルエステルと上記式(a2)〜式(a5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種とのコポリマーである場合、得られる本発明の組成物からなる塗膜のプラスチックに対する密着性が更に向上し、乾燥性および意匠性も更に良好となる理由から、使用するモノマー((メタ)アクリル酸メチルエステルおよび上記式(a2)〜式(a5)で表される化合物の合計)100質量部中、(メタ)アクリル酸メチルエステルの量が80〜99.9質量部であるのが好ましく、85〜95質量部であるのがより好ましく、上記式(a2)〜式(a5)で表される化合物の量が0.01〜20質量部であるのが好ましく、5〜15質量部であるのがより好ましい。
一方、上記(メタ)アクリル重合体(A)を製造する際使用することができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;等が挙げられる。
また、製造の際使用することができる重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
<ウレタン(メタ)アクリレート(B)>
本発明の組成物に含有されるウレタン(メタ)アクリレート(B)は、ウレタン結合を有し、1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。
本発明においては、ウレタン結合を有し、1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート(B)を所定量用いることにより、得られる本発明の組成物からなる塗膜の硬度が良好となる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート(B)の含有割合は、本発明の組成物の全不揮発分100質量部中、60〜90質量部であり、得られる本発明の組成物からなる塗膜の硬度およびプラスチックに対する密着性がより向上する理由から、70〜90質量部であるのが好ましく、80〜90質量部であるのがより好ましい。
本発明においては、全不揮発分100質量部中、上述した(メタ)アクリル重合体(A)が10〜30質量部であり、上記ウレタン(メタ)アクリレート(B)が60〜90質量部であることにより、得られる本発明の組成物からなる塗膜の硬度およびプラスチックに対する密着性がいずれも良好となる。これは、密着性に優れ、高い硬度を有するウレタンアクリレートが、固形分中の過半数を占めるためであると考えられる。
このようなウレタン(メタ)アクリレート(B)としては、例えば、主鎖にウレタン結合を有し、4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基が主鎖の末端または側鎖に結合しているものが挙げられる。
具体的には、上記ウレタン(メタ)アクリレート(B)が、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物(b1)、ポリイソシアネート化合物(b2)、および、1分子中に水酸基とアクリロイルオキシ基とを有するアクリレート(b3)の反応性生物;ポリイソシアネート化合物(b2)、および、1分子中に水酸基とアクリロイルオキシ基とを有するアクリレート(b3)の反応性生物;等が挙げられる。
ここで、ポリオール化合物(b1)、ポリイソシアネート化合物(b2)、および、アクリレート(b3)の反応性生物は、ポリオール化合物(b1)およびポリイソシアネート化合物(b2)を反応させ、イソシアネート基を有するいわゆるウレタンプレポリマーを生成した後に、アクリレート(b3)を反応させて得られる生成物である。
具体的には、まず、ポリオール化合物(b1)とポリイソシアネート化合物(b2)とを、通常のウレタンプレポリマーの合成と同様、イソシアネート基が過剰量となるようにに反応させて、ウレタンプレポリマーを生成する。なお、この反応におけるイソシアネート基/水酸基(当量比)は、1.2〜2.5となるのが好ましく、1.5〜2.2となるのがより好ましい。
次いで、得られたウレタンプレポリマーのイソシアネート基とアクリレート(b3)の水酸基とを反応させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート(B)を生成する。
一方、ポリイソシアネート化合物(b2)、および、アクリレート(b3)の反応性生物は、ポリイソシアネート化合物(b2)のイソシアネート基とアクリレート(b3)の水酸基を反応させて得られる生成物である。
(ポリオール化合物(b1))
上記ポリオール化合物(b1)は、水酸基を2個以上有するものであれば特に限定されない。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどの高分子量ポリオール;トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオールなどの低分子量ポリオール;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、硬化性に優れ、得られる本発明の組成物からなる塗膜の硬度がより向上する理由から、分子量が500程度以下の低分子量ポリオールが好適に用いられる。
なかでも、骨格が脂環式炭化水素からなる低分子量ポリオールが、得られる本発明の組成物からなる塗膜の硬度がより向上する理由から、より好適に用いられる。
骨格が脂環式炭化水素からなる低分子量ポリオールとしては、具体的には、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
(ポリイソシアネート化合物(b2))
上記ポリイソシアネート化合物(b2)は、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されない。
ポリイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;等が挙げられる。
このようなポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、トリレンジイソシアネート(TDI)であるのが、得られる本発明の組成物が低粘度となり、塗布性(作業性)および意匠性が良好となる理由から好ましい。
(アクリレート(b3))
上記アクリレート(b3)は、1分子中に水酸基とアクリロイルオキシ基とを有するアクリレートである。
ここで、上記アクリレート(b3)は、反応後の上記ウレタン(メタ)アクリレート(B)がアクリロイルオキシ基を4個以上有しているため、水酸基とともに有するアクリロイルオキシ基の個数が2以上の多官能アクリレート化合物であるのが好ましい。
このような他官能アクリレート化合物としては、具体的には、例えば、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタグリセロールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
<光重合開始剤(C)>
本発明の組成物に含有される光重合開始剤(C)は、光によってモノマーを重合させうるものであれば特に限定されない。
光重合開始剤(C)としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。
具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、下記式(4)で表される1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物;等が挙げられ、これらを1種単独でもちいてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、光安定性、光開裂の高効率性、表面硬化性、樹脂との相溶性、低揮発、低臭気という点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの市販品としては、例えば、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)が挙げられる。
本発明においては、上記光重合開始剤(C)の含有割合は、本発明の組成物の全不揮発分100質量部中、1〜10質量部であり、硬化性に優れ、得られる本発明の組成物からなる塗膜の硬度および密着性のバランスが向上する理由から、2〜8質量部であるのが好ましく、3〜6質量部であるのがより好ましい。
<多官能性単量体(D)>
本発明の組成物に所望により含有してもよい多官能性単量体(D)は、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。
1分子中に3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
1分子中に4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、具体的には、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
1分子中に5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、具体的には、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのうち、本発明の組成物の粘度が低くなり、得られる本発明の組成物からなる塗膜のプラスチックに対する密着性がより向上し、意匠性もより良好となる理由から、1分子中に3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましく、1分子中に3個のアクリロイルオキシ基を有する化合物がより好ましい。
また、得られる本発明の組成物からなる塗膜の硬度およびプラスチックに対する密着性がより向上し、また、乾燥性および意匠性もより良好となり、更に、速硬化性、耐水性、耐溶媒性、耐薬品性に優れる理由から、下記式(5)で表されるトリメチロールプロパントリアクリレート、下記式(6)で表されるペンタエリスリトールテトラアクリレート、下記式(d1)で表される化合物、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。
(式中、Rは、水素原子または(メタ)アクリロイル基を表す。)
上記式(5)で表されるトリメチロールプロパントリアクリレートの市販品としては、例えば、M−309(東亞合成社製)、ライトアクリレートTMP−A(共栄社化学社製)、Ebecryl TEMPT(ダイセルサイテック社製)、NKエステル A−TMPT(新中村化学工業社製)等が挙げられる。
上記式(6)で表されるペンタエリスリトールテトラアクリレートとしては、例えば、M−450(東亞合成社製)、ライトアクリレートPE−4A(共栄社化学社製)、Ebecryl PETAK(ダイセルサイテック社製)、NKエステル ATMMT(新中村化学工業社製)等が挙げられる。
上記式(d1)で表されるペンタアクリレートを含む市販品としては、例えば、アロニックスM−402(東亞合成社製)、ライトアクリレートDPE−6A(共栄社化学社製)、Ebecryl DDHA(ダイセルサイテック社製)、NKエステル A−PPH(新中村化学工業社製)が挙げられる。
これらのうち、多官能性単量体(D)は、硬化性に優れ、得られる本発明の組成物からなる塗膜の硬度がより向上する理由から、上記式(d1)で表される化合物であるのが好ましい。
多官能性単量体(D)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、上記多官能性単量体(D)の含有割合は、本発明の組成物の全不揮発分100質量部中、20質量部以下であり、硬化性に優れ、得られる本発明の組成物からなる塗膜の硬度および密着性のバランスが向上する理由から、5〜15質量部であるのが好ましく、7〜12質量部であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、塗布性(作業性)および意匠性が良好となる理由から、更に、溶剤を含有するのが好ましい。
溶剤としては、具体的には、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、艶消し剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系化合物等)、染料、顔料等を含有することができる。
充填剤としては、具体的には、例えば、ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物;等が挙げられる。
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
帯電防止剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体;等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
接着性付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
レベリング剤としては、具体的には、例えば、シリコーン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤、ビニル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、その製造について特に限定されず、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法を用いることができる。
本発明の組成物は、例えば、プライマー組成物、プラスチック表面保護剤、ハードコート剤、紫外線硬化型塗料等として使用できる。
本発明の組成物はプラスチックに適用することができる。プラスチックは特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれにも使用することができる。
なかでも難接着性樹脂に対して本発明の組成物を使用する場合、硬度および密着性ならびに意匠性について特に優れた効果を発揮する。
本発明の組成物を適用することができる難接着性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
本発明の組成物を塗布する方法は、特に限定されず、例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の塗布方法を採用できる。
本発明の組成物の塗布量としては、硬化時の塗膜の膜厚が1〜30μmとなるようにするのが好ましい。硬化塗膜の膜厚が1μm以上の場合、特に基材であるプラスチックの表面劣化の防止効果に優れ、30μm以下の場合、基材との密着性により優れ、クラックの発生を防ぐことができる。
本発明の組成物の硬化方法としては、例えば、熱による硬化方法、紫外線による硬化方法が挙げられる。
本発明の組成物を熱で硬化させる場合、80〜120℃の条件下で加熱することができる。
本発明の組成物を紫外線照射によって硬化させる場合、本発明の組成物を硬化させる際に使用する紫外線の照射量としては、速硬化性、作業性の観点から、500〜3,000mJ/cm2が好ましい。
本発明の組成物を紫外線照射により硬化させる際の温度は、20〜80℃であるのが好ましい。
紫外線を照射するために使用する装置は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
本発明の組成物は、硬化の前に、プラスチックに塗布された本発明の組成物をすばやく乾燥させることができる。
乾燥は、40〜100℃(好ましくは60℃程度)の条件下において1〜5分間(好ましくは、3分間程度)で行うことができる。
本発明の組成物は乾燥性に優れるので、本発明の組成物をプラスチック等の基材に塗布した後、比較的低温で短時間に溶剤等が塗膜から抜けることができる。このため、基材を立てた状態で本発明の組成物を塗布しても組成物がタレを生じることが少なく、硬化させる前の段階で塗膜のタックをほとんどなくすことができる。したがって、本発明の組成物は乾燥性に優れることによって、意匠性、密着性が格段に優れたものとなる。
本発明の組成物をプラスチックに塗布し硬化させることによって、本発明の組成物の硬化物とプラスチックとの積層体を得ることができる。
本発明の組成物の硬化物とプラスチックとの積層体について以下添付の図面を用いて説明する。
図1は、本発明の組成物の硬化物とプラスチックとの積層体の一例の断面を模式的に示す断面図である。
図1において、積層体100は、本発明の組成物の硬化物102とプラスチック104とを有する。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.(メタ)アクリル共重合体の合成
下記第1表に示す各単量体成分を第1表に示す質量比で混合し、重合開始剤(AIBN(アゾビスイソブチロニトリル))の存在下、第1表に示す反応温度・時間で、メチルエチルケトン中で重合させて、第1表に示される(メタ)アクリル重合体(A1)〜(A3)および(X1)を、各(メタ)アクリル重合体を30質量%の割合で含有するメチルエチルケトン(MEK)溶液として得た。
第1表に示す成分の詳細は以下のとおりである。
・メタクリル酸メチル(a1):メタクリル酸メチル、共栄社化学社製
・メタクリル酸tert−ブチル(a2):下記式(a2)で表される化合物、共栄社化学社製
2.ウレタン(メタ)アクリレートの合成
下記第2表に示すポリオールとポリイソシアネートを第2表に示す質量比で混合し、ウレタンプレポリマーを生成した。
次いで、生成したウレタンプレポリマーに、下記第2表に示すヒドロキシアクリレートを第2表に示す質量比で添加し、更に混合することにより第2表に示されるウレタン(メタ)アクリレート(B1)〜(B4)および(Y1)を得た。
得られたウレタン(メタ)アクリレートのアクリロイルオキシ基の基数を第2表に示す。
3.光重合開始剤
光重合開始剤(C)として、以下のものを用いた。
・光重合開始剤(C1):上記式(4)で表される1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・光重合開始剤(C2):2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(Irgacure651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
4.多官能性単量体
多官能性単量体として、以下のものを用いた。
・多官能性単量体(D1):上記式(d1)で表されるペンタアクリレート含有品(アロニックスM−402、東亞合成社製)
・多官能性単量体(Z1):ネオペンチルグリコールジアクリレート(A−NPG、新中村化学工業社製)
5.硬化性樹脂組成物の調製
参考例1〜4、実施例〜12および比較例1〜7)
上述した(メタ)アクリル共重合体、ウレタン(メタ)アクリレート、光重合開始剤および多官能性単量体を、下記第3表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し、第3表に示される各組成物を得た。
なお、溶剤としては、酢酸ブチル(関東化学社製)を用いた。
6.評価方法
得られた各組成物の意匠性、乾燥性、密着性および硬度を以下の方法により評価した。結果を下記第3表に示す。
(1)意匠性
塗布面を垂直にした状態のABS樹脂(サイコラック、UMG ABS社製。以下同様。)に対して、得られた各組成物をスプレーで塗布し、サンプルを作製した。
作製したサンプルの塗布面を水平に保持した状態で、サンプルの塗布面に対して斜め45°の角度から塗膜を肉眼で観察した。
その結果、塗膜が極めて平滑であるもの意匠性に極めて優れるものとして「◎」と評価し、塗布面が平滑であるものを意匠性に優れるものとして「○」と評価し、凹凸が見られるものを意匠性に劣るものとして「×」と評価した。
(2)乾燥性
上記の意匠性の評価において作製したサンプルを室温(23℃)にて30秒間乾燥させた後、塗膜のタックを指触で確認した。
その結果、タックが少なく指触した際にベタツキ感がないものを乾燥性に優れるものとして「○」と評価し、タックが残り指触した際にベタツキ感がないものを乾燥性に劣るものとして「×」と評価した。
(3)密着性
密着性の評価は、碁盤目テープはく離試験によって行う。
具体的には、まず、塗布面を垂直にした状態のABS樹脂に対して、得られた各組成物をスプレーで塗布して、スプレー塗布後、得られた試験体を室温(23℃)の条件下で30秒間、更に60℃の条件下で3分間乾燥させ、次いで日本電池社製のGS UV SYSTEMで、ピーク強度が80mW/cm2、積算光量が800mJの条件下で紫外線照射を行い、組成物を硬化させる。
次に、得られた試験体の塗膜上に、カッターを用いて塗膜を貫通してABS樹脂の面に達する切り目を入れて1mm間隔の基盤目100個(縦10列×横10列)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端をABS樹脂に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べる。
その結果、完全に剥がれないで残った基盤目の数が99個以上であるものを密着性に優れるものとして評価し、98個以下であるものを密着性に劣るものとして評価した。
(4)硬度(鉛筆硬度)
上記の意匠性の評価において作製したサンプルの塗布面を水平に保持し、サンプルの塗布面に対して、斜め45°の角度となるように9.8Nの荷重で鉛筆(三菱ユニ、先端部直径:1.8mm、先端部長さ:3.0mm)あてがい、その角度と荷重を維持しながら塗布面を移動させた。
このように移動させることにより、塗膜表面に傷が付いたり、塗膜が剥がれたりしない鉛筆の硬度(軟 B<HB<F<H<2H<3H 硬)のうち、最も高いものを調べた。
その結果、硬度がH以上の鉛筆を用いても、塗膜表面に傷が付いたり、塗膜が剥がれたりしないものを塗膜の硬度に優れるものとして評価した。
第3表に示す結果から、(メタ)アクリル重合体(A)を含有しない硬化性樹脂組成物(比較例1)および重量分子量が5万未満である(メタ)アクリル重合体を含有する硬化性樹脂組成物(比較例3)は、塗膜の乾燥性に劣ることが分かる。
また、(メタ)アクリル重合体(A)の含有量が多く、ウレタン(メタ)アクリレート(B)の含有量が少ない硬化性樹脂組成物(比較例2)は、塗膜の意匠性が悪くだけでなく、密着性および硬度も劣ることが分かる。
更に、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個のみ有するウレタン(メタ)アクリレートを含有する硬化性樹脂組成物(比較例4)は、塗膜の硬度が劣ることが分かった。
また、光重合開始剤(C)を含有しない硬化性樹脂組成物(比較例5)は、硬化せず、密着性および硬度が著しく劣ることが分かる。
更に、光重合開始剤(C)の含有量が多い硬化性樹脂組成物(比較例6)は、密着性および硬度が劣ることが分かる。
また、多官能性単量体(D)の含有量が多く、ウレタン(メタ)アクリレート(B)の含有量が少ない硬化性樹脂組成物(比較例7)は、硬度は良好となるものの、硬化収縮が起きて、密着性が悪くなることが分かる。
一方、(メタ)アクリル重合体(A)、ウレタン(メタ)アクリレート(B)および光重合開始剤(C)を所定量含有する硬化性樹脂組成物(参考例1〜4および実施例〜12)は、高硬度でかつプラスチックに対して優れた密着性を有し、乾燥性にも優れる塗膜であることが分かる。
特に、脂環式炭化水素からなる骨格を有するポリオールを用いて調製したウレタン(メタ)アクリレート(B)を含有する実施例5〜7、9〜12で調製した硬化性樹脂組成物は、塗膜の密着性を良好に維持しつつ、硬度がさらに向上していることが分かる。なかでも、多官能性単量体(D)を含有する実施例9および10で調製した硬化性樹脂組成物は、意匠性も極めて良好となることが分かる。
図1は、本発明の組成物の硬化物とプラスチックとの積層体の一例の断面を模式的に示す断面図である。
符号の説明
100 積層体
102 本発明の組成物の硬化物
104 プラスチック

Claims (4)

  1. 重量平均分子量が50,000以上の(メタ)アクリル重合体(A)と、1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート(B)と、光重合開始剤(C)とを含有し、
    全不揮発分100質量部中、前記(メタ)アクリル重合体(A)が10〜30質量部であり、前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)が60〜90質量部であり、前記光重合開始剤(C)が1〜10質量部であり、
    前記ウレタン(メタ)アクリレート(B)が、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物(b1)、ポリイソシアネート化合物(b2)、および、1分子中に水酸基とアクリロイルオキシ基とを有するアクリレート(b3)を反応させて得られる、硬化性樹脂組成物。
  2. 前記ポリオール化合物(b1)の骨格が、脂環式炭化水素からなる請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 更に、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性単量体(D)を含有し、
    全不揮発分100質量部中、前記多官能性単量体(D)が20質量部以下である請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記多官能性単量体(D)が、下記式(d1)で表される化合物である請求項に記載の硬化性樹脂組成物。

    (式中、Rは、水素原子または(メタ)アクリロイル基を表す。)
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