JP5515401B2 - 真空蒸着用ミドルコート組成物 - Google Patents

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本発明はミドルコート組成物に関する。より詳細には、本発明は紫外線硬化型ミドルコート組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂のようなプラスチックを成型してなるプラスチック成型品の加飾蒸着においては、プラスチック基材の上にアンダーコートまたはベースコートと称されるアンダーコート剤が塗装されてアンダーコート層が形成され、その上にスズ、アルミニウム、ニッケル、銅等の金属が真空蒸着されて蒸着層が形成され、さらにその上にミドルコートと呼ばれるミドルコート剤が塗装されてミドルコート層が形成され、耐摩耗性および耐擦傷性を付与するために、さらにその上にトップコートまたはハードコートと称されるトップコート剤が塗装されてトップコート層が形成される場合が通常である。また、トップコート層および/またはミドルコート層を着色することによって、さらに意匠性を付与することができる。
蒸着層の上にトップコートを直接塗装した場合、密着性が十分でなく、はく離が生じることがあるが、蒸着層とトップコート層との間にミドルコート層を介在させることによって、非常に高い耐久性および密着性を長期にわたって維持することができる。
ミドルコート用の組成物(以下、「ミドルコート組成物」という。)の硬化方法には、大別して、熱硬化型と、UV硬化型の二種類がある。
熱硬化型は、ミドルコート層に濃い着色がされていても硬化が可能であるという有利な点をもつ。
一方、UV硬化型は、非常に短い時間で硬化することができるので、リードタイムを非常に短くできるという有利な点をもつ。また、既存のUVラインを使用できるため、UV硬化型が主流である。
UV硬化型のコーティング組成物としては、特許文献1に、金属に対する接着性、意匠性に優れる「全固形分100質量部中、メチルメタクリレート重合体(A)を10〜50質量部と、1分子中に、1個以上のカルボキシ基と1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体(B)を1〜20質量部と、1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体(C)を10〜70質量部と、光重合開始材(D)を2〜10質量部とを含有する紫外線硬化型トップコート剤組成物。」が記載されている。
また、特許文献2に、金属およびプラスチックに対する接着性、意匠性に優れる「全固形分100質量部中、メチルメタクリレート重合体(A)を5〜50質量部と、1分子中に、1個以上のカルボキシ基と1個または2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体(B1)を5〜30質量部と、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体(C)を5〜50質量部と、1分子中に1個または2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体(D)を5〜70質量部と、光重合開始材(E)を2〜10質量部とを含有する紫外線硬化型コート剤組成物。」が記載されている。
特開2007−314677号公報 特開2007−314675号公報
本発明は、塗装作業性、意匠性および密着性に優れる、紫外線硬化型の真空蒸着用ミドルコート組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、光硬化性樹脂が硬化してできる網目構造中に、特定範囲のガラス転移点および重量平均分子量をもつ(メタ)アクリレート系共重合体が取り込まれると、適度な柔軟性を有してトップコート層との密着性が優れ、しかも硬化前には低粘度でスプレー塗装が行い易く塗装作業性に優れ、硬化後には塗膜表面の凹凸が少なく意匠性に優れることを知得し、次に掲げる発明を完成させるに至った。
〔1〕 (メタ)アクリレート系共重合体(A)と、光硬化性樹脂(B)と、光重合開始材(C)とを含む真空蒸着用ミドルコート組成物であって、該(メタ)アクリレート系重合体(A)が、ガラス転移点50〜70℃であり、かつ、重量平均分子量10000〜50000である真空蒸着用ミドルコート組成物。
〔2〕 前記(メタ)アクリレート系共重合体(A)が、1分子中にフェニル基およびビニル基を有する化合物(a1)と、アルキル(メタ)アクリレート(a2)とを単量体成分として含む共重合体である、〔1〕に記載の真空蒸着用ミドルコート組成物。
〔3〕 前記1分子中にフェニル基およびビニル基を有する化合物(a1)がスチレンである〔2〕に記載の真空蒸着用ミドルコート組成物。
〔4〕 前記アルキル(メタ)アクリレート(a2)が、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1以上である、〔2〕に記載の真空蒸着用ミドルコート組成物。
〔5〕 前記アルキル(メタ)アクリレート(a2)がメチル(メタ)アクリレートである、〔2〕に記載の真空蒸着用ミドルコート組成物。
〔6〕 前記光硬化性樹脂(B)が、1分子中に(メタ)アクリル基を2個以上有するポリエステルアクリレートである、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の真空蒸着用ミドルコート組成物。
〔7〕 前記1分子中に(メタ)アクリル基を2個以上有するポリエステルアクリレートが、トリメチロールプロパントリアクリレートおよび/またはプロピレングリコールジアクリレートである、〔6〕に記載の真空蒸着用ミドルコート組成物。
〔8〕 不揮発分として、前記(メタ)アクリレート系重合体(A)を25〜70質量部と、前記光硬化性樹脂(B)を25〜70質量部と、前記光重合開始材(C)を1〜10質量部とを含有する〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の真空蒸着用ミドルコート組成物。
〔9〕 照射紫外線の積算光量500〜1500mJ/cmで十分な密着性を発現する、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の真空蒸着用ミドルコート組成物。
〔10〕 プラスチック基材上に金属の真空蒸着層を有し、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の真空蒸着用ミドルコート組成物層を介してトップコート層を有する積層体。
〔11〕 〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の真空蒸着用ミドルコート組成物層を有する自動車用部品または携帯電話機用部品。
本発明の真空蒸着用ミドルコート組成物を蒸着金属層の上に塗装し、紫外線で硬化することによって、蒸着金属層とトップコート層との密着性に優れたミドルコート層を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の真空蒸着用ミドルコート組成物(以下「本発明の組成物」という。)は、(メタ)アクリレート系共重合体(A)と、光硬化性樹脂(B)と、光重合開始材(C)とを含有する。
<1.(メタ)アクリレート系共重合体(A)>
(メタ)アクリレート系共重合体(A)(以下「共重合体(A)」という。)は(メタ)アクリレート系化合物を単量体成分として含有し、ガラス転移点50〜70℃、重量平均分子量10000〜50000の範囲内であれば特に限定されない。共重合体(A)は、本発明の組成物に柔軟性を付与することができる。
(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを挙げることができる。ここで、(メタ)アクリレート等の表記は、アクリレートまたはメタクリレートを示す。以下の記載も同様である。
共重合体(A)のガラス転移点は、50〜70℃の範囲内であれば特に限定されないが、55〜65℃の範囲が好ましく、57〜63℃の範囲がより好ましい。
共重合体(A)の重量平均分子量は、10000〜50000の範囲内であれば特に限定されないが、20000〜40000の範囲が好ましく、25000〜35000の範囲がより好ましい。
共重合体(A)は、1分子中にフェニル基およびビニル基を有する化合物(a1)(以下「化合物(a1)」という。)と、アルキル(メタ)アクリレート(a2)(以下「化合物(a2)」という。)とを単量体成分として含む共重合体であることが好ましい。
共重合体(A)中の化合物(a1)と、化合物(a2)との質量比は、特に限定されないが、化合物(a1):化合物(a2)=0:100〜20:80が好ましい。
化合物(a1)としては、例えば、スチレン(エテニルベンゼン)、ビニルトルエン(1−メチル−4−エテニルベンゼン)等を挙げることができる。
化合物(a2)のアルキル基は特に限定されず、直鎖、分枝、または環状であってもよい。
化合物(a2)としては、アルキル基が炭素数1〜18個のものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸メチル)、エチル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸エチル)、プロピル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸プロチル)、ブチル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸ブチル)、イソブチル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸イソブチル)、シクロヘキシル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸シクロヘキシル)等を挙げることができる。
共重合体(A)の単量体成分である化合物(a2)としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005515401
式中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、炭素数1〜18の直鎖、分枝または環状アルキル基である。
<2.光硬化性樹脂(B)>
本発明の組成物に用いられる光硬化性樹脂(B)としては、特に限定されないが、例えば、共重合体(A)との相溶性の観点から、光硬化性アクリル樹脂(B1)を挙げることができる。光硬化性樹脂(B)は、本発明の組成物に接着性を付与することができる。
光硬化性アクリル樹脂(B1)としては、特に限定されないが、1分子中に1個以上のカルボキシ基(−COOH)と1個または2個の(メタ)アクリロイルオキシ基(CH=CR−COO−、R:Hまたは−CH)とを有する化合物(以下、化合物(b1)という。)、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(以下、化合物(b2)という。)が好適に挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記化合物(b1)は、末端にカルボキシ基を有するものが好ましい態様の1つとして挙げられる。
カルボキシ基の数は、接着性により優れ、樹脂との相溶性に優れる点から、化合物(b1)中、1〜3個であるのが好ましい。
化合物(b1)1分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、1個または2個である。(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、接着性、意匠性により優れるという点から、化合物(b1)1分子中1個であるのが好ましい。
化合物(b1)としては、例えば、ヒドロキシ(メタ)アクリレートと多塩基酸および/またはその酸無水物との反応生成物、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマーが挙げられる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレートと多塩基酸および/またはその酸無水物との反応は、特に制限されず、例えば、従来公知の方法が挙げられる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレートと多塩基酸および/またはその酸無水物との反応の際に使用される多塩基酸およびその無水物としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、グルタル酸、スベリン酸、マロン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水マレイン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸等、およびそれらの混合物が挙げられる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレートと多塩基酸および/またはその酸無水物との反応の際に使用されるヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート等、およびそれらの混合物が挙げられる。
多塩基酸および/またはその酸無水物とヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる化合物(b1)としては、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと無水テトラヒドロフタル酸より合成した2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルモノテトラヒドロフタレート等が挙げられる。
化合物(b1)としてのω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートは、市販品として入手することができる。このような市販品としては、例えば、東亞合成社製のM−5400が挙げられる。
また、化合物(b1)としては、例えば、下記式(2)、式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005515401
式(2)中、mは、0〜10の整数である。このような範囲の場合、カルボン酸価が大きくなるため、接着性により優れる。mは、接着性により優れる点から、0または1であるのが好ましい。
化合物(b1)は、接着性、原料の調達の容易さの点から、式(2)、式(3)で表される化合物であるのが好ましく、式(2)で表される化合物であるのがより好ましい。
式(2)で表されmが0である化合物(アクリル酸)と式(2)で表されmが1である化合物との混合物は、市販品として入手することができる。このような市販品としては、例えば、東亞合成社製のM−5600が挙げられる。
式(3)で表される化合物は、市販品として入手することができる。このような市販品としては、例えば、東亞合成社製のM−5400、共栄社化学社製のHOA−MPLが挙げられる。
化合物(b1)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
2種以上の化合物(b1)の組合せは、接着性、原料調達の容易さの点から、式(2)で表されmが0である化合物(アクリル酸)と式(2)で表されmが1である化合物との組合せが好ましい。
上記化合物(b2)は、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものであれば特に制限されない。
1分子中に3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(b2−1)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
1分子中に4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(b2−2)としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
1分子中に5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(b2−3)としては、例えば、下記式(7)で表される化合物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、速硬化性、塗膜の硬度、耐水性、耐溶媒性、耐薬品性の点から、下記式(4)で表されるトリメチロールプロパントリアクリレート、下記式(5)で表されるペンタエリスリトールテトラアクリレート、下記式(6)で表される化合物、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 0005515401
式(4)で表されるトリメチロールプロパントリアクリレートの市販品としては、例えば、M−309(東亞合成社製)、ライトアクリレートTMP−A(共栄社化学社製)、Ebecryl TEMPT(ダイセルサイテック社製)、NKエステル A−TMPT(新中村化学工業社製)が挙げられる。
式(5)で表されるペンタエリスリトールテトラアクリレートとしては、例えば、M−450(東亞合成社製)、ライトアクリレートPE−4A(共栄社化学社製)、Ebecryl PETAK(ダイセルサイテック社製)、NKエステル ATMMT(新中村化学工業社製)が挙げられる。
式(6)で表されるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含む市販品としては、例えば、M−402(東亞合成社製)、ライトアクリレートDPE−6A(共栄社化学社製)、Ebecryl DDHA(ダイセルサイテック社製)、NKエステル A−PPH(新中村化学工業社製)が挙げられる。
化合物(b2)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記光硬化性樹脂(B)の含有量は、接着性および意匠性を両立できる点から、上記共重合体(A)100質量部に対して30〜300質量部であるのが好ましく、30〜200質量部であるのがより好ましく、40〜100質量部であるのがさらに好ましい。
<3.光重合開始材(C)>
光重合開始材(C)としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物のようなカルボニル化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。より具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、下記式(7)で表される1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロ等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド等のパーオキサイド化合物が挙げられる。
Figure 0005515401
これらの光重合開始材の中でも、光安定性、光開裂の高効率性、表面硬化性、樹脂との相溶性、低揮発、低臭気という点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの市販品としては、例えば、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)が挙げられる。
光重合開始材(C)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始材(C)の含有量は、上記光硬化性アクリル樹脂(B1)100質量部に対して1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましい。
<4.その他含有してよいもの>
本発明の組成物は、作業性および得られる塗膜の意匠性を向上できる点から、更に、溶剤を含有するのが好ましい。
溶剤としては、具体的には、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン等が挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、艶消し剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系化合物等)、染料、顔料等を含有することができる。
充填剤としては、例えば、ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
レベリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤、ビニル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤等が挙げられる。
<5.製造方法等>
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法を用いることができる。
上述した本発明の組成物は、プラスチックおよび金属に対する接着性および意匠性に優れる塗膜を得ることができる。特に、本発明の組成物を金属が蒸着されたプラスチック成型体の金属の真空蒸着層の上に塗布した場合、平滑で意匠性に優れる塗膜を得ることができる。
本発明の組成物は、上述したような優れた効果を有するため、例えば、プライマー組成物、アンダーコート組成物、トップコート組成物、ミドルコート組成物等として使用できる。特に、本発明の組成物は、ミドルコート組成物として有用である。
<6.積層体>
以下、本発明の積層体について詳細に説明する。
本発明の積層体は、プラスチック基材と、アンダーコート層と、金属の真空蒸着層と、該蒸着層の上に本発明の組成物を塗布して硬化させて形成されたミドルコートの上に形成されたトップコート層とを有する積層体である。
上記プラスチック基材としては、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックを問わず種々のプラスチック基材を用いることができる。具体的には、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
本発明の組成物を塗布する方法は、特に限定されず、例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の塗布方法を採用できる。
本発明の組成物の塗布量は特に限定されないが、硬化塗膜の膜厚が1〜30μmの範囲内であることが好ましく、2〜25μmの範囲内であることがより好ましく、5〜15μmの範囲内であることがさらに好ましい。硬化塗膜の膜厚が1μm以上の場合、特に金属の真空蒸着層の表面劣化の防止効果に優れ、30μm以下の場合、金属の真空蒸着層との接着性により優れ、クラックの発生を防ぐことができるからである。
本発明の組成物の硬化方法は、紫外線により行うことができる。
真空蒸着において使用される金属は、特に限定されず、例えば、スズ、アルミニウム、ニッケル、銅、インジウム等が挙げられる。
真空蒸着の方法は、特に制限されず、公知の方法を採用できる。
本発明の積層体は、金属の真空蒸着層の上にミドルコート層を有し、さらにその上に、トップコートを有する。
トップコートを形成する方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
トップコート剤は、特に制限されず、公知のトップコート剤を使用できる。
本発明の積層体は、上述した本発明の組成物をミドルコート組成物として使用しているため、金属の真空蒸着層とトップコート層とが強固に接着される。また、ミドルコート層表面の凹凸が少なく、その上に形成されるトップコート層も凹凸を少なくできるため意匠性に優れる。さらに、ミドルコート層および/またはトップコート層を着色することもできる。
本発明の積層体は、例えば、各種の電気・電子機器、通信機器(例えば、携帯電話)等の外枠、電磁波シールドとして使用することができる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<1.共重合体(A)の合成>
下記第1表に示す各単量体成分を第1表に示す質量比で混合し、重合開始剤(AIBN(アゾビスイソブチロニトリル))の存在下、メチルエチルケトン中で重合させて、第1表に示される例1、実施例〜6および比較例1〜4の各共重合体(30%メチルエチルケトン溶液)を得た。
Figure 0005515401
<2.組成物の調製>
下記第2表に示す各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し、第2表に示される例1、実施例〜6および比較例1〜4の各組成物を得た。
<3.評価方法>
得られた各組成物の接着性および意匠性を以下の方法により評価した。
結果を第2表に示す。
(1)塗装作業性
スプレー塗装の行い易さにより評価を行った。適切な塗料粘度であり、作業上問題がないものを良として「◎」と評価し、作業上問題がないものを可として「○」と評価し、粘度が高くスプレー塗装が困難であるものを不可として「×」と評価した。
(2)意匠性
意匠性の評価は、塗布面を垂直にした状態のABS樹脂に対して、得られた各組成物をスプレーで塗布して、サンプルを得た。
スプレー塗布後、得られたサンプルの塗布面を水平にして、サンプルの塗布面に対して斜め45°の角度からサンプルを肉眼で観察した。
意匠性の評価基準は、塗膜の光沢に優れ、凹凸が少ないものを「◎」、凹凸が少なく実用上問題がないものを「○」、凹凸が目立つ等外観上異常があるものを「×」とした。
(3)密着性
密着性の評価は、碁盤目テープはく離試験によって行った。
具体的には次の手順に従った。
ポリカーボネート(PC)樹脂を基材として用い、その上にUVアンダーコートを塗装し、UV硬化させ、さらにその上にスズ(Sn)を真空蒸着して蒸着金属層を形成した。
その蒸着金属層の上に、例1、実施例〜6、比較例1〜4に係る組成物を、それぞれ塗装し、塗布後60℃の条件下で3分間熱風乾燥させた後、日本電池社製のGS UV SYSTEMで積算光量が500mJ/cm、1000mJ/cm、1500mJ/cmとなるようにUV照射を行い、UV硬化させ、さらに70℃で10分間乾燥して、ミドルコート層を形成した。
さらに、そのミドルコート層の上に、UVトップコートを塗装し、UV硬化させ、碁盤目テープはく離試験用の試験体を作成した。
次に、得られた試験体に、1mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端をPC樹脂に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。
100個中、95個以上が残ったものを合格とした。
Figure 0005515401
Figure 0005515401
上記第2表に示す各成分は、下記のとおりである。
・共重合体(A):第1表に示すもの
・光硬化性樹脂(B):トリメチロールプロパントリアクリレート(M−309、東亞合成社製)
・光重合開始材(C):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)
<4.まとめ>
上記第2表に示す結果から明らかなように、ミドルコート組成物のうち、共重合体(A)のガラス転移点が50〜70℃の範囲内にあり、かつ、重量平均分子量が10000〜50000の範囲内にあるものは、塗装作業性、意匠性および密着性のすべてに合格していた。特に、共重合体(A)の単量体成分としてスチレンを含むものは、塗装作業性および意匠性がともに優れ「◎」と評価された。
一方、共重合体(A)のガラス転移点が50〜70℃の範囲から外れる比較例1および2のミドルコート組成物は、塗装作業性および意匠性は「◎」で優れていたものの、密着性はすべての積算光量の場合において95/100を下回り不合格と評価された。また、共重合体(A)の重量平均分子量が10000〜50000の範囲を外れる比較例3および4は、塗装作業性および意匠性がともに不可で「×」と評価され、密着性もすべての積算光量の場合において悪く、不合格と評価された。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリレート系共重合体(A)と、光硬化性樹脂(B)と、光重合開始材(C)とを含む真空蒸着用ミドルコート組成物であって、該(メタ)アクリレート系重合体(A)が、ガラス転移点50〜70℃であり、重量平均分子量10000〜50000であり、かつ、前記(メタ)アクリレート系共重合体(A)が、1分子中にフェニル基およびビニル基を有する化合物(a1)と、アルキル(メタ)アクリレート(a2)とを単量体成分として含む共重合体である真空蒸着用ミドルコート組成物。
  2. 前記アルキル(メタ)アクリレート(a2)が、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1以上である、請求項に記載の真空蒸着用ミドルコート組成物。
  3. 前記光硬化性樹脂(B)が、1分子中に(メタ)アクリル基を2個以上有するポリエステルアクリレートである、請求項1または2に記載の真空蒸着用ミドルコート組成物。
  4. 不揮発分として、前記(メタ)アクリレート系重合体(A)を25〜70質量部と、前記光硬化性樹脂(B)を25〜70質量部と、前記光重合開始材(C)を1〜10質量部とを含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の真空蒸着用ミドルコート組成物。
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