JP2016088969A - 紫外線硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
このような紫外線硬化塗膜を得るために用いられる組成物として、従来、例えば特許文献1または2に記載のものが提案されている。
本発明は以下の(1)〜(8)である。
(1)(A)ウレタンアクリレート、(B)アクリルオリゴマーおよび(C)第1光重合開始剤を含み、
(C)第1光重合開始剤が、分子量250超のα−ヒドロキシケトン系化合物であり、
(A)ウレタンアクリレートおよび(B)アクリルオリゴマーの合計質量と、(C)第1光重合開始剤の質量との比((A+B):C)が、100:0.5〜12.0である、紫外線硬化性樹脂組成物。
(2)さらに、分子量250以下のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物である(D)第2光重合開始剤を含む、上記(1)に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
(3)前記(C)第1光重合開始剤がポリイソシアネート化合物と、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するα−ヒドロキシケトン系化合物との反応物である、上記(1)〜(2)のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
(4)(A)ウレタンアクリレートが、脂肪族ジイソシアネートおよび/または前記脂肪族ジイソシアネートのウレタンプレポリマーと、アクリル基導入化合物1および/またはアクリル基導入化合物2との反応生成物であり、
前記アクリル基導入化合物1が、骨格がペンタエリスリトールであり、1分子中に、少なくとも1個のヒドロキシ基および3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物であり、
前記アクリル基導入化合物2が、骨格がジペンタエリスリトールであり、1分子中に、少なくとも1個のヒドロキシ基および3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
(5)前記(A)ウレタンアクリレートにおける脂肪族ジイソシアネートが、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソアネート(XDI)の水素添加物およびジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の水素添加物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記(4)に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
(6)前記アクリル基導入化合物1が、ペンタエリスリトールトリアクリレートである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
(7)前記アクリル基導入化合物2が、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
(8)前記(B)アクリルオリゴマーがペンタエリスリトールテトラアクリレートまたはジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物を使用して形成した、厚さが1〜30μmの塗膜付き基材。
本発明は、(A)ウレタンアクリレート、(B)アクリルオリゴマーおよび(C)第1光重合開始剤を含み、(C)第1光重合開始剤が、分子量250超のα−ヒドロキシケトン系化合物であり、(A)ウレタンアクリレートおよび(B)アクリルオリゴマーの合計質量と、(C)第1光重合開始剤との質量比((A+B):C)が、100:0.5〜12.0である、紫外線硬化性樹脂組成物である。
このような紫外線硬化性樹脂組成物を、以下では「本発明の組成物」ともいう。
(A)ウレタンアクリレートは特に限定されないが、脂肪族ジイソシアネートおよび/または前記脂肪族ジイソシアネートのウレタンプレポリマーと、アクリル基導入化合物1および/またはアクリル基導入化合物2との反応生成物であることが好ましい。
この反応生成物は、通常、後述する(B)アクリルオリゴマーも含む。
前記アクリル基導入化合物1はペンタエリスリトールトリアクリレートであることが好ましい。
前記アクリル基導入化合物2はジペンタエリスリトールペンタアクリレートであることが好ましい。
(B)アクリルオリゴマーは特に限定されないが、前記アクリル基導入化合物1および/または前記アクリル基導入化合物2であることが好ましい。
(C)第1光重合開始剤は分子量250超のα−ヒドロキシケトン系化合物である。第1光重合開始剤はポリイソシアネート化合物と、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するα−ヒドロキシケトン系化合物との反応物であることが好ましい。前記ポリイソシアネートは特に限定されないが、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、およびジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の水素添加物、キシレンジイソシアネート(XDI)の水素添加物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(脂肪族ジイソシアネート)と1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オンとを反応させることで、主成分として下記式であらわされるα−ヒドロキシケトン系化合物が得られる。
本発明の組成物は、上記の(A)ウレタンアクリレート、(B)アクリルオリゴマーおよび(C)第1光重合開始剤を含み、(C)第1光重合開始剤とは異なる光重合開始剤である(D)第2光重合開始剤をさらに含むことが好ましい。
このような化合物として、具体的には、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが挙げられる。
本発明の組成物において(A)ウレタンアクリレートおよび(B)アクリルオリゴマーの合計質量と、(C)第1光重合開始剤の質量との比((A)ウレタンアクリレートおよび(B)アクリルオリゴマーの合計質量:(C)第1光重合開始剤の質量)は100:0.5〜12.0であり、100:0.5〜7.5であることが好ましい。このような場合、黄変が極めて発生に難い紫外線硬化塗膜を得ることができるからである。
本発明の組成物は、作業性および得られる塗膜の意匠性を向上できる点から、さらに、溶剤を含有することが好ましい。
溶剤としては、具体的には、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法を用いることができる。
本発明の組成物は、各種電機製品(携帯電話筐体、デジカメ、ゲーム機)のコーティングや、各種蒸着塗装(携帯電話用、化粧品用容器用など)のコーティングに好ましく用いることができる。
その後、従来公知の方法で紫外線を照射して硬化させて塗膜を形成することができる。
このような本発明の組成物を使用して形成した、厚さが1〜30μmの塗膜が付いた塗膜付き基材は、黄みが目立たない。
初めに、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(ミラマーM340、MIWON社)1000gと、ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成社製)264gとを80℃で12時間反応させてウレタンアクリレートを製造した。そして、滴定によって、残留イソシアネートパーセントを測定し、0.1質量%未満になった時点で反応を終了した。
反応生成物中には(A)ウレタンアクリレートおよび(B)アクリルオリゴマー1が含まれる。理論値から、反応生成物中の(A)ウレタンアクリレートは58質量%であり、反応生成物中の未反応の(B)アクリルオリゴマー1は42質量%である。
TPGA(トリプロピレングリコールジアクリレート、大阪有機化学工業社製) 500g、アセトン500g、イルガキュア2959(BASF社製) 175gとを60℃で1時間加温して、溶融した。その後、ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成社製) 65.6gを投入し80℃で12時間反応させた。滴定によって、残留イソシアネートパーセントを測定し、0.1質量%未満になった時点で反応を終了した。さらに、エバポレーターで残留アセトンを除去し第1光重合開始剤を得た。
第1表に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で、溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチルおよびジイソブチルケトンを50:50:25の質量比で混合したもの)と共に攪拌機を用いて混合し、第1表に示される実施例1〜5および比較例1〜5の各組成物を得た。
なお、上記の反応生成物中の(A)ウレタンアクリレートは58質量%であり、反応生成物中の未反応の(B)アクリルオリゴマー1は42質量%であるため、(A)ウレタンアクリレートと(B)アクリルオリゴマー1との質量比は、常に58:42となる。
・(B)アクリルオリゴマー2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ミラマーM600、MIWON社製
・(D)第2光重合開始剤1:1,2α−ヒドロキシアルキルフェノン(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、分子量=204.27、IRGACURE 184、BASF社製
・(D)第2光重合開始剤2:1,2α−ヒドロキシアルキルフェノン(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、分子量=164.21、IRGACURE 1173、BASF社製
・(D)第2光重合開始剤3:1,2α−ヒドロキシアルキルフェノン(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、分子量=222.29、IRGACURE 2959、BASF社製
・(X)その他の光重合開始剤1:オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物、IRGACURE 754、BASF社製
・(X)その他の光重合開始剤2:フェニル グリオキシリック アシッド メチル エステル、Darocur MBF、BASF社製
実施例1〜5および比較例1〜5に係る組成物について評価するため、評価用の試験片を作成した。
評価用の試験片の作成方法について説明する。
初めに、基材として、透明なポリカーボネート板(厚さ:1.0mm)を用意した。
次に、上記方法で得た実施例1〜5および比較例1〜5に係る組成物のいずれかを、ハンドスプレーガンを用いて、基材表面上に塗布し、70℃の条件下で3分間熱風乾燥させた後、日本電池社製のGS UV SYSTEMを用いて、ピーク強度が80mW/cm2、積算光量が900mJ/cm2となるようにUV照射を行い、UV硬化させて、紫外線硬化膜を形成した。ここで紫外線硬化膜の厚さは、15μmとした。
そして、紫外線硬化膜が硬化した直後に下記の各評価に供した。具体的には外観、色調、硬度および耐摩耗性について評価した。
各評価方法を以下に説明する。
各試験片を白い厚紙上におき、目視にて着色の有無を判断した。そして、着色しているものを「×」、着色していないもの(透明のもの)を「○」とした。
評価結果を第1表に示す。
分光測定計(CM−508d、コニカミノルタ社製)を用い、基板(ポリカーボネート)を基準として、色差(L×a×b)におけるΔb値を測定した。
評価結果を第1表に示す。
硬度の評価は、鉛筆硬度測定試験によって行った。具体的には次の手順で行った。
硬度Hまたは2Hの鉛筆(三菱鉛筆ユニ使用)を試験片の紫外線硬化塗膜の表面に45°の角度であて、750g/cm2の荷重を掛けながら引っかいて評価した。5回行い、傷が付かなかった回数を鉛筆硬度として記録した。
評価結果を第1表に示す。
スチールウール(#0000)を用い、荷重:500g、ストローク幅:25.4mmの条件下において、試験片の紫外線硬化塗膜の表面を擦らせるように500回往復させた。その結果、紫外線硬化膜の表面に傷が形成されなかったものを「○」、傷が形成されたもの「×」とした。
評価結果を第1表に示す。
実施例1〜5に係る試験片の場合、いずれも外観、硬度および耐摩耗性において優れていた。また、色差(Δb値)は0.50以下であり良好な結果であった。
これに対して比較例1〜5は黄変が発生し、外観が不良であった。また、色差(Δb値)は1.23〜1.75と高くなった。さらに比較例4および5については硬度が低く、耐摩耗性も不良であった。
Claims (9)
- (A)ウレタンアクリレート、(B)アクリルオリゴマーおよび(C)第1光重合開始剤を含み、
(C)第1光重合開始剤が、分子量250超のα−ヒドロキシケトン系化合物であり、
(A)ウレタンアクリレートおよび(B)アクリルオリゴマーの合計質量と、(C)第1光重合開始剤の質量との比((A+B):C)が、100:0.5〜12.0である、紫外線硬化性樹脂組成物。 - さらに、分子量250以下のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物である(D)第2光重合開始剤を含む、請求項1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
- 前記(C)第1光重合開始剤が、ポリイソシアネート化合物と、イソシアネート基と反応可能な官能基を有するα−ヒドロキシケトン系化合物との反応物である請求項1または2に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
- (A)ウレタンアクリレートが、脂肪族ジイソシアネートおよび/または前記脂肪族ジイソシアネートのウレタンプレポリマーと、アクリル基導入化合物1および/またはアクリル基導入化合物2との反応生成物であり、
前記アクリル基導入化合物1が、骨格がペンタエリスリトールであり、1分子中に、少なくとも1個のヒドロキシ基および3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物であり、
前記アクリル基導入化合物2が、骨格がジペンタエリスリトールであり、1分子中に、少なくとも1個のヒドロキシ基および3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。 - 前記(A)ウレタンアクリレートにおける脂肪族ジイソシアネートが、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソアネート(XDI)の水素添加物およびジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の水素添加物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
- 前記アクリル基導入化合物1が、ペンタエリスリトールトリアクリレートである、請求項1〜5のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
- 前記アクリル基導入化合物2が、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートである、請求項1〜6のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
- 前記(B)アクリルオリゴマーがペンタエリスリトールテトラアクリレートまたはジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである、請求項1〜7のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物を使用して形成した、厚さが1〜30μmの塗膜付き基材。
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