JP4434432B2 - 水分散型粘着剤及び粘着シート - Google Patents
水分散型粘着剤及び粘着シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP4434432B2 JP4434432B2 JP2000150646A JP2000150646A JP4434432B2 JP 4434432 B2 JP4434432 B2 JP 4434432B2 JP 2000150646 A JP2000150646 A JP 2000150646A JP 2000150646 A JP2000150646 A JP 2000150646A JP 4434432 B2 JP4434432 B2 JP 4434432B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sensitive adhesive
- pressure
- meth
- copolymer
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Description
【発明の技術分野】
本発明は水分散型のアクリル系粘着剤および粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
水分散型のアクリル系粘着剤を用いた粘着シートは、溶剤を用いないため環境衛生上望ましく、耐溶剤性の点でも優れているなどの利点を有している。しかし、その一方で、溶剤型の粘着剤を用いた粘着シートと比較した場合、耐反発性に劣るという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記の事情にてらし、溶剤型粘着剤と同等か又はそれ以上に優れた保持性及び耐反発性を有する水分散型のアクリル系粘着剤及び粘着シートを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、13C−固体NMRのCPMAS測定法によってポリマーの架橋点近傍の状態(架橋点近傍の炭素の緩和時間)、引いては分子の挙動に関する情報が得られることに着目し、粘着剤のベースポリマーとして用いるアクリル系共重合体を構成する各炭素原子の緩和時間と粘着剤の性能との関連性について検討した結果、前記アクリル系共重合体のカルボニル炭素とカルボン酸エステルのα位の炭素[(メタ)アクリル酸エステルのα位の炭素に相当]の緩和時間の平均値が一定値以上の場合には、粘着剤としたときの保持性と耐反発性の双方の特性を両立できることを見出し本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸エステルを主単量体成分とする共重合体をベースポリマーとして含む水分散型粘着剤により粘着剤層が形成された粘着シートであって、該粘着剤層が(メタ)アクリル酸エステルを主単量体成分とするポリマーにEB(電子線)を照射して架橋させた共重合体で構成されているか、または(メタ)アクリル酸エステルを主単量体成分とし該(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能なアルコキシシリル基を有する単量体を含む単量体混合物を、単量体の総量100重量部に対して0.001〜0.5重量部の連鎖移動剤を用いるとともに、アゾ系開始剤により乳化重合させて得られる共重合体で構成されており、且つ該粘着剤層を構成する共重合体の13C−固体NMRのCPMAS測定法によるカルボニル炭素とカルボン酸エステルのα位の炭素の緩和時間の平均値が1.00msec以上である粘着シートを提供する。
【0007】
【発明の実施形態】
本発明の水分散型粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主単量体成分とする室温粘着性の共重合体をベースポリマーとして含んでいる。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、一般式(1)
CH2=C(R1)COOR2 (1)
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2〜14のアルキル基を示す)
で表される化合物が挙げられる。
【0008】
前記R2として、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、イソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基などが例示できる。なかでも、R2として、ブチル基、2−エチルヘキシル基などの炭素数2〜10のアルキル基が好ましい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。前記共重合体における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、例えば、共重合体を構成する単量体全体の80重量%程度以上、特に90重量%程度以上である。
【0009】
前記共重合体は、被着体への接着力を向上させたり粘着剤の凝集力を高めるため、適量の官能基含有単量体やその他の共重合性単量体を構成単量体として含んでいてもよい。
【0010】
前記官能基含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有単量体又はその酸無水物;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチルなどの水酸基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのグリシジル基含有単量体;(メタ)アクリロニトリル、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸などのカルボキシル基含有単量体又はその酸無水物などが好ましい。上記の官能基含有単量体は1種または2種以上使用することができる。
【0011】
上記官能基含有単量体の使用量は、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル100重量部に対して、例えば0.5〜12重量部、好ましくは1〜8重量部程度である。
【0012】
前記その他の共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル:酢酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;シクロペンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの環式アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。これらの共重合性単量体も1種または2種以上使用できる。
【0013】
本発明の重要な特徴は、前記(メタ)アクリル酸エステルを主単量体成分とする共重合体の13C−固体NMRのCPMAS測定法によるカルボニル炭素とカルボン酸エステルのα位の炭素の緩和時間の平均値が1.00msec以上(例えば1.00〜2.00msec程度)に制御されている点にある。前記緩和時間の平均値は、好ましくは1.03〜1.80msec程度である。13C−固体NMR測定条件は以下の通りである。
温度:23℃
基準物質:Siゴム
測定核:75.191MHz
パルス幅:3.5μsec
パルス繰り返し時間:ACQTM=0.03413sec、PD=5sec,1.0sec
スペクトル幅:27027Hz
パルスモード:CPMAS法(HT1ρ)
コンタクトタイム:0.5sec
【0014】
前記カルボニル炭素とカルボン酸エステルのα位の炭素の緩和時間の平均値が1.00msec未満の場合には、架橋点の運動性が著しく拘束されるほど架橋度が高くなっており、それ故粘着剤としたときの耐反発性が劣るものと推測される。
【0015】
なお、ポリマーの架橋度を評価する方法としてゲル分を測定する方法が知られている。しかし、ゲル分は同じであっても、架橋が不均一な場合には部分的に架橋密度の高いところが生じる場合があり、このようなポリマーを用いた粘着剤では保持性と耐反発性とを両立させることが困難である。これに対し、上記の緩和時間による方法ではゲル分には現れてこない架橋の不均一さをも含んで評価されるため、粘着剤の性能との間に高い相関性が得られるものと考えられる。
【0016】
前記緩和時間の平均値が1.00msec以上となる共重合体は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを主単量体成分とするポリマーに、該(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能なアルコキシシリル基を有する単量体を共重合させることにより得ることができる。この場合、前記緩和時間の平均値は、用いるアルコキシシリル基含有単量体の種類や量、重合条件(温度、時間等)などを適宜選択することにより調整できる。アルコキシシリル基含有単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0017】
前記アルコキシシリル基含有単量体におけるアルコキシシリル基として、例えば、メトキシシリル基、エトキシシリル基、プロポキシシリル基、イソプロピルオキシシリル基、ブトキシシリル基などのC1-4アルコキシシリル基(特に、C1-2アルコキシシリル基)などが挙げられる。
【0018】
前記アルコキシシリル基含有単量体の代表的な例として、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルアルコキシシラン類;γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルアルコキシシラン類[例えば、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアルコキシシラン類等の(メタ)アクリロイルオキシC2-12アルキルアルコキシシラン類]などが挙げられる。
【0019】
アルコキシシリル基含有単量体の使用量は、粘着剤としての特性を損なわない範囲で選択でき、例えば、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル、官能基含有単量体及びその他の共重合性単量体の総量100重量部に対して、0.005〜1重量部程度、好ましくは0.01〜0.5重量部程度である。
【0020】
上記の特性を有する共重合体を得る他の方法として、例えばEB(電子線)架橋法などが挙げられる。この場合、前記緩和時間の平均値は、電子線の照射量や照射条件等を適宜選択することにより調整できる。
【0021】
本発明においてベースポリマーとして用いる共重合体は、乳化重合法、懸濁重合法等の慣用の方法により得ることができる。重合方法としては、一般的な一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合などを採用できる。重合温度は、重合開始剤の種類等に応じて、例えば0〜100℃程度の範囲から適宜選択できる。
【0022】
架橋剤として前記アルコキシシリル基含有単量体を用いる場合、この単量体は重合工程の任意の時点で添加できる。例えば、アルコキシシリル基含有単量体を重合開始当初から系内に存在させてもよく、反応途中で系内に添加してもよい。また、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと官能基含有単量体等との共重合体を得た後、アルコキシシリル基含有単量体を加えてさらに重合を行ってもよい。
【0023】
重合に用いる重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)などのアゾ系開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤;過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどのレドックス系開始剤などが挙げられる。なお、アルコキシシリル基を有する単量体を共重合させる場合は重合開始剤としてアゾ系開始剤を用いる。重合開始剤の使用量は、通常、単量体の総量100重量部に対して0.005〜1重量部程度である。
【0024】
また、重合には連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、慣用の連鎖移動剤、例えば、ドデカンチオール等のメルカプタン類等が例示できる。連鎖移動剤の使用量は、通常、単量体の総量100重量部に対して0.001〜0.5重量部程度である。
【0025】
また、乳化重合に用いる乳化剤としても特に限定されず、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン系乳化剤などを使用できる。これらの乳化剤は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。乳化剤の使用量は、その種類等に応じて、例えば、単量体の総量100重量部に対して0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部程度の範囲から適宜選択できる。
【0026】
本発明の水分散型粘着剤は、上記のようにして得られた共重合体の水分散液に、必要に応じて、pHを調整するための塩基(アンモニア水など)や酸、粘着剤に通常使用される添加剤、例えば、粘着付与成分、架橋剤、界面活性剤、老化防止剤、充填剤、顔料、着色剤などを添加することにより調製できる。
【0027】
前記粘着付与成分として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、キシレン樹脂、エラストマーなどが挙げられる。
【0028】
本発明の粘着シートの主要な特徴は、水分散型のアクリル系粘着剤により形成された粘着剤層を構成する共重合体の13C−固体NMRのCPMAS測定法によるカルボニル炭素とカルボン酸エステルのα位の炭素の緩和時間の平均値が1.00msec以上(例えば1.00〜2.00msec程度)に調整されている点にある。前記緩和時間の平均値は、好ましくは1.03〜1.80msec程度である。
【0029】
このような粘着シートは、例えば、上記本発明の水分散型粘着剤を基材上に塗布、乾燥して粘着剤層を形成することにより得られる。また、セパレーター上に上記粘着剤層を形成することにより基材を有しない粘着シートを得ることもできる。なお、水分散型粘着剤に架橋剤を配合した場合などには、水分散型粘着剤を基材又はセパレーター上に塗布した後、熱等により架橋処理を施してもよい。
【0030】
基材としては、例えば、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム;クラフト紙などの紙;金属箔などを使用できる。前記プラスチックフィルムは、無延伸フィルム及び延伸(一軸延伸又は二軸延伸)フィルムの何れであってもよい。また、基材のうち粘着剤を塗布する面には、通常使用される下塗り剤やコロナ放電方式などによる表面処理が施されていてもよい。基材の厚みは、目的に応じて適宜選択できるが、一般には10〜500μm程度である。
【0031】
水分散型粘着剤の塗布は、慣用のコーター、例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどを用いて行うことができる。粘着剤層の厚みは、一般には5〜100μm程度である。粘着シートは、ロール状に巻回した粘着テープであってもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明の水分散型粘着剤によれば、水分散型であるにもかかわらず、耐反発性と保持性とを両立させることができる。また、本発明の粘着シートは、特定の特性値を有する共重合体により粘着剤層が構成されているため、保持性だけでなく耐反発性にも優れる。
【0033】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に断りがない限り重量基準である。
【0034】
実施例1
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に水100部を入れ、これにアクリル酸ブチル97部、アクリル酸3部、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド(開始剤)0.1部、ドデカンチオール(連鎖移動剤)0.05部、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン0.05部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(乳化剤)2部を加えて乳化重合したのち、10%アンモニア水を添加してpH8に調整し、アクリル系共重合体の水分散液を得た。これを厚さ40μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗布し120℃で3分乾燥し、厚さ50μmの粘着剤層を付設して粘着シートを作製した。また、上記アクリル系共重合体の水分散液をセパレーターに塗布し120℃で3分乾燥し、厚さ50μmの粘着剤層を付設して粘着テープサンプルを作製した。
【0035】
実施例2
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に水100部を入れ、これにアクリル酸ブチル68部、アクリル酸2−エチルヘキシル29部、アクリル酸3部、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド(開始剤)0.1部、ドデカンチオール(連鎖移動剤)0.05部、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン0.05部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(乳化剤)2部を加えて乳化重合したのち、10%アンモニア水を添加してpH8に調整し、アクリル系共重合体の水分散液を得た。これを厚さ40μmのPETフィルムに塗布し120℃で3分乾燥し、厚さ50μmの粘着剤層を付設して粘着シートを作製した。また、上記アクリル系共重合体の水分散液をセパレーターに塗布し120℃で3分乾燥し、厚さ50μmの粘着剤層を付設して粘着テープサンプルを作製した。
【0036】
比較例1
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に水100部を入れ、これにアクリル酸ブチル97部、アクリル酸3部、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド(開始剤)0.1部、ドデカンチオール(連鎖移動剤)0.05部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(乳化剤)2部を加えて乳化重合したのち、10%アンモア水を添加してpH8に調整し、これに1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンを0.05部加えてアクリル系共重合体の水分散液を得た。これを厚さ40μmのPETフィルムに塗布し120℃で3分乾燥し、厚さ50μmの粘着剤層を付設して粘着シートを作製した。また、上記アクリル系共重合体の水分散液をセパレーターに塗布し120℃で3分乾燥し、厚さ50μmの粘着剤層を付設して粘着テープサンプルを作製した。
【0037】
比較例2
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に水100部を入れ、これにアクリル酸ブチル97部、アクリル酸3部、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド(開始剤)0.1部、ドデカンチオール(連鎖移動剤)0.05部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(乳化剤)2部を加えて乳化重合したのち、10%アンモニア水を添加してpH8に調整し、これにトリス(エポキシプロピル)イソシアヌレートを0.2部加えてアクリル系共重合体の水分散液を得た。これを厚さ40μmのPETフィルムに塗布し120℃で3分乾燥し、厚さ50μmの粘着剤層を付設して粘着シートを作製した。また、上記アクリル系共重合体の水分散液をセパレーターに塗布し120℃で3分乾燥し、厚さ50μmの粘着剤層を付設した粘着テープサンプルを作製した。
【0038】
評価試験
実施例及び比較例で得られた各粘着シート及び粘着テープサンプルについて次の特性を調べた。結果を表1に示す。
(緩和時間)
粘着シート上に付設した粘着剤層から試料を採取し、粘着剤層を構成するアクリル系共重合体のカルボニル炭素とカルボン酸エステルのα位の炭素の緩和時間を、13C−固体NMRにより測定し(CPMAS測定法;測定条件は前記に同じ)、それらの平均値を算出した。
【0039】
(ゲル分率)
粘着シート上に付設した粘着剤層から試料を所定量(約500mg)採取して精秤し(W1mgとする)、これを酢酸エチル中に室温で3日間浸漬した後、不溶物を取り出し、この不溶物を100℃で2時間乾燥させて重量を測定し(W2mgとする)、下記式に従ってゲル分率(%)を求めた。
ゲル分率(%)=(W2/W1)×100
【0040】
(耐反発性)
粘着剤層をセパレーターに付設したサンプルを厚さ0.4mmのアルミニウム板(10mm×90mm)に貼り付け、50mmφになるように曲げた後、ラミネーターにてアクリル板に貼り付けた。その後、70℃×2時間後の端末の浮き距離を測定した。
【0041】
(保持力試験)
幅10mmの粘着シートをフェノール樹脂板に対し10mm×20mmの接触面積で貼り付け、20分経過後80℃に20分放置した後、フェノール樹脂板を垂下し、粘着テープの自由端に500gの均一荷重を負荷して、80℃での粘着シートの落下時間(落下するまでに要した時間)を測定した。
【0042】
【表1】
【0043】
表1より明らかなように、比較例の粘着シートは耐反発性に劣るが、実施例の粘着シートでは、ゲル分率が比較例と同レベルであっても、耐反発性と保持力とを両立できる。
Claims (1)
- (メタ)アクリル酸エステルを主単量体成分とする共重合体をベースポリマーとして含む水分散型粘着剤により粘着剤層が形成された粘着シートであって、該粘着剤層が(メタ)アクリル酸エステルを主単量体成分とするポリマーにEB(電子線)を照射して架橋させた共重合体で構成されているか、または(メタ)アクリル酸エステルを主単量体成分とし該(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能なアルコキシシリル基を有する単量体を含む単量体混合物を、単量体の総量100重量部に対して0.001〜0.5重量部の連鎖移動剤を用いるとともに、アゾ系開始剤により乳化重合させて得られる共重合体で構成されており、且つ該粘着剤層を構成する共重合体の13C−固体NMRのCPMAS測定法によるカルボニル炭素とカルボン酸エステルのα位の炭素の緩和時間の平均値が1.00msec以上である粘着シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000150646A JP4434432B2 (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | 水分散型粘着剤及び粘着シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000150646A JP4434432B2 (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | 水分散型粘着剤及び粘着シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001329239A JP2001329239A (ja) | 2001-11-27 |
JP4434432B2 true JP4434432B2 (ja) | 2010-03-17 |
Family
ID=18656319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000150646A Expired - Lifetime JP4434432B2 (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | 水分散型粘着剤及び粘着シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4434432B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4814895B2 (ja) * | 2008-01-26 | 2011-11-16 | 日東電工株式会社 | 水分散型粘着剤組成物並びに粘着シート及びこれらを用いたゴム発泡体粘着シート |
-
2000
- 2000-05-22 JP JP2000150646A patent/JP4434432B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001329239A (ja) | 2001-11-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5350332B2 (ja) | 粘着製品 | |
EP1546280A1 (en) | Removable, water-whitening resistant pressure sensitive adhesives | |
JP6262410B1 (ja) | 水性感圧接着剤組成物 | |
JP4530484B2 (ja) | 水分散型感圧性接着剤組成物とその製造方法、及び粘着シート | |
EP1340797B1 (en) | Aqueous dispersion type pressure-sensitive adhesive composition and pressure-sensitive adhesive product | |
JPH10114887A (ja) | 再剥離型感圧接着剤とその接着シ―ト類 | |
JP3928026B2 (ja) | 剥離剤及び再剥離性接着剤を含む物品 | |
EP1323802B1 (en) | Pressure-sensitive acrylic adhesive and adhesive sheet of the same | |
US7045568B2 (en) | Aqueous dispersion type pressure-sensitive adhesive composition, and pressure-sensitive adhesive sheet | |
JP2003105298A (ja) | 水系感圧性接着剤組成物とその製造方法、及び粘着製品 | |
JP3914015B2 (ja) | 水分散型粘着剤組成物及び粘着シート | |
JP4804633B2 (ja) | 水分散型粘着剤組成物及び粘着シート類 | |
JP6929218B2 (ja) | 水性粘着剤組成物の製造方法、水性粘着剤組成物および粘着シート | |
JP4579226B2 (ja) | 水分散型感圧性接着剤組成物とその製造方法、及び粘着シート | |
JP6537171B2 (ja) | 重合体エマルション、水性粘着剤組成物および粘着シート | |
JP4151811B2 (ja) | 粘着剤組成物及び粘着シート | |
JP4434432B2 (ja) | 水分散型粘着剤及び粘着シート | |
JP4731405B2 (ja) | 水分散型粘着剤組成物及び粘着製品 | |
US20190352544A1 (en) | Phase separated pressure-sensitive adhesive compositions | |
JP5252382B2 (ja) | 水分散型粘着剤組成物及び粘着シート | |
JP4480875B2 (ja) | 粘着剤組成物とその粘着シート類およびその製造方法 | |
JP4125887B2 (ja) | アクリル系粘着シート | |
JP4744568B2 (ja) | 水分散型粘着シート | |
EP1865038A1 (en) | Release coating and process | |
JP2001152077A (ja) | 耐久性に優れた塗布型の帯電防止剤組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040409 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040914 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041112 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20041112 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061031 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061226 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20070301 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20070713 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091222 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4434432 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160108 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |