JP2762464B2 - ブロッキング防止剤被覆ポリエステルフィルム - Google Patents

ブロッキング防止剤被覆ポリエステルフィルム

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JP2762464B2 JP63155961A JP15596188A JP2762464B2 JP 2762464 B2 JP2762464 B2 JP 2762464B2 JP 63155961 A JP63155961 A JP 63155961A JP 15596188 A JP15596188 A JP 15596188A JP 2762464 B2 JP2762464 B2 JP 2762464B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリエステルフィルムのブロッキングを防止
するブロッキング防止剤被覆ポリエステルフィルムに関
するものであり、さらに詳しくはポリエステルフィルム
の表面に塗布することにより、溶剤が残存したり、荷重
を受けたり、熱履歴を受けたりする場合等のポリエステ
ルフィルムがブロッキング現象を引き起こしやすいよう
な条件下においても良好なブロッキング防止効果が発現
できるブロッキング防止剤被覆ポリエステルフィルムに
関するものである。
[従来の技術] 従来より、合成樹脂シートやプレートの表面に種々の
機能、例えば耐候性、防汚性、導電性等を付与する目的
で、これらの機能を有するコーティング材料が塗布され
ている。これらのコーティング材料はスプレー法、ロー
ルコータ法、ディッピング法等の方法により塗布される
が、塗布される合成樹脂シート等の熱履歴時の物性上の
理由や塗布工程上の理由から溶剤や反応性希釈剤等が充
分に除去されないままシートが巻取られたり、プレート
が積み重ねられたりする場合がある。この場合、コーテ
ィング材料に基づく塗膜がブロッキングする弊害が生じ
ることが多い。
また、加熱されさり、赤外線照射等によって熱履歴を
受けた高分子材料が他の材料と接触するか、又は高温の
材料と高分子材料が接触する場合、ブロッキング現象が
生じて実用上の弊害となる場合がある。
高分子材料のブロッキングを防止する方法としては、
高分子材料自体のガラス転移温度を上げる方法が知られ
ている。また、界面活性剤やポリエチレンワックスエマ
ルジョン又はコロイダルシリカ、ステアリン酸アミド等
を単独で塗装処理する方法やコーティング溶液に添加し
て塗布する方法も知られている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記従来の方法では、溶剤が残存したり、
熱履歴を受けたりするようなブロッキング現象を引き起
こしやすい厳しい条件下では、充分なブロッキング防止
効果を発現できないという問題点があった。
一方、本発明者らは、含フッ素ブロック共重合体が表
面活性であり、高分子材料の表面改質剤として有用であ
ることを明らかにし、高分子材料に添加して用いること
により、含フッ素重合体の有する撥水性、撥油性等を高
分子材料表面に付与できることを見出した〔特開昭60−
221410号公報、高分子学会予稿集33巻、266頁(198
4)〕。また、特定の構造の含フッ素ブロック共重合体
を塩化ビニル系樹脂フィルムの被覆材として用いると優
れた可塑剤移行防止効果が発揮されること、これに伴っ
て塩化ビニル系樹脂フィルム同志のブロッキングを防止
できることを見出した(特開昭62−275136号公報)。
本発明の目的は、ポリエステルフィルムに溶剤が残存
したり、熱履歴を受けたりする条件下でも、ポリエステ
ルフィルムに対し充分なブロッキング防止効果を付与で
きるブロッキング防止剤被覆ポリエステルフィルムを提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するために、下記一般式
(I)から誘導される重合体部分よりなる構造単位と、
一般式(II)から誘導される重合体部分よりなる構造単
位とが結合して構成され、一般式(I)から誘導される
構造単位/一般式(II)から誘導される構造単位の割合
が重量比で80/20〜10/90であるフッ素含有ブロック共重
合体を有するブロッキング防止剤を0.01〜10μmの膜厚
で被覆するという手段を採用している。
CH2=CR1COOR2RF ……(I) 〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−CpH2p−,
−C(CpH2p+1)H,−CH2C(CpH2p+1)H−又は−CH2CH2
O−、RFはCnF2n+1,(CF2nH,(CF2pOCmH2mC1F2l+1,
(CF2pOCmH2mClF2lH, である。但し、pは1〜10,nは1〜16,mは0〜10,lは0
〜16の整数である。〕 CH2=CR3R4 ……(II) 〔式中、R3は水素原子,メチル基又はCH2COOH、R4はCOO
R5(式中、R5は水素原子、 直鎖状又は分枝状のCnH2n+1,直鎖状又は分枝状の である。但し、pは1〜10,nは1〜16,rは2〜20,sは0
〜8の整数である。)、−CONR6R7(式中、R6は水素原
子又はCpH2p+1,R7は水素原子,CpH2p+1又はCH2OHであ
る。但し、pは1〜10の整数である。)、 (式中、nは1〜16の整数であり、直鎖状又は分枝状
のいずれでもよい。)である。〕 また、上記フッ素含有ブロック共重合体は、前記フッ
素含有ブロック共重合体が、一般式(I)から誘導され
る重合体部分20重量%以上及び一般式(II)から誘導さ
れる重合体部分80重量%以下よりなる構造単位(A)
と、前記一般式(II)から誘導される重合体部分よりな
る構造単位(B)とが結合して構成され、構造単位
(A)/構造単位(B)の割合が重量比で80/20〜10/90
であるという手段を採用することも好適である。
[手段の詳細な説明] 前記一般式(I)で表される単量体は含フッ素重合体
部分を構成する単量体であって、以下のようなものが使
用できる。
CF3(CH27CH2CH2OCOCH =CH2 CF3(CF24CH2CH2OCOC −(CH3)=CH2 CF3CH2OCOCH=CH2 (CF32CF(CF2(CH2 −OCOCH=CH2 (CF32CF(CF210(CH2 −OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF24CH(CH3) −OCOC(CH3)=CH2 CF3CH2OCH2CH2OCOCH=CH2 HCF2CF2OCH2CH2OCOCH=CH2 C2F5(CH2CH2O)2CH2OCO −CH=CH2 C8F17OCOC(CH3)=CH2 (CF32CFO(CH25OCOCH =CH2 CF3(CF24OCH2CH2OOCOC −(CH3)=CH2 (CF32CF(CF2(CH2 −OCH2CH2OCOCH=CH2 C7F15CON(C2H5)CH2OCO −C(CH3)=CH2 C2F5CON(C2H5)CH2OCO −CH=CH2 CF3(CF22CON(CH3)CH −(CH3)CH2OCOCH=CH2 CF3(CF27CON(CH2CH2CH3) −CH2CH2OCOC(CH3)=CH2 H(CF26C(C2H5)OCOC −(CH3)=CH2 H(CF28CH2OCOCH=CH2 H(CF24CH2OCOCH=CH2 H(CF26CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF23CFHCF2CH2O −CH=CH2 CF3(CF27SO2N(CH3) −CH2CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF27SO2N(CH3) −CH2CH2OCOCH=CH2 C8F17SO2N(CH3)(CH210 −OCOCH=CH2 C2F5SO2N(C2H5)CH2CH2 −OCOC(CH3)=CH2 C8F17SO2N(CH3)(CH2 −OCOCH=CH2 C2F5SO2N(C3H7)CH2CH2 −OCOC(CH3)=CH2 C2F5SO2N(C2H5)C(C2H5) −HCH2OCOCH=CH2 これらの単量体は1種又は2種以上が適宜選択して使
用される。
次に、一般式(II)で表される単量体は、フッ素を含
有しない重量体部分を構成するものであって、ブロッキ
ング防止性を付与しようとする高分子材料と適度の密着
性及び混和性を有するものである。この混和性の良否
は、対象とする高分子材料と含フッ素ブロック共重合体
とを混ぜ合わせてフィルム化した後、目視により判定す
ることができる。即ち、フィルムが透明になるか、透明
でなくとも混ぜ合わせた際に分離がなく、均一なフィル
ムが得られれば適度な混和性を有すると判断される。ま
た、密着性の良否は、セロテープ剥離試験等公知の方法
で判定される。この一般式(II)で表される単量体とし
て具体的には、以下に示されるようなものが使用でき
る。
アクリル酸メチル及び/又はメタクリル酸メチル〔以
下(メタ)アクリル酸メチルと総称する。以下同様〕、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−
プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)
アクリル酸グリシジル等の低級アルキル(メタ)アクリ
ル酸エステル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−
ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)
アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル等の高級アルキル(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベ
ンジル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエ
チル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸ポリエチレントキサイド、
(メタ)アクリル酸ポリプロピルオキサイド等の(メ
タ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等の低級脂肪酸ビニルエステル、酪酸ビニル、カプ
ロン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン
酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の高級脂肪酸ビニルエ
ステル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N,N
−ジメチルアクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単
量体、スチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル
酸、イタコン酸等があげられる。これらの単量体は、1
種又は2種以上が適宜選択して使用される。
また、フッ素を含有しない重量体部分となる上記一般
式(II)で表される単量体のうち、ブロッキング防止性
を充分に発揮させるにはガラス転移温度が高く、またN
−メチロール基が存在することが好ましい。
なお、本発明においては、高分子材料との混和性を損
なわない範囲でその他のビニル系単量体を併用すること
もできる。
次に、本発明のフッ素含有ブロック共重合体における
含フッ素重合体部分(以下重合体Aという)/フッ素を
有しない重合体部分(以下重合体Bという)の重量比率
は80/20〜10/90である。重合体A/重合体Bの重量比率が
80/20を超えると塗布して使用する場合に高分子材料と
の密着性が低下し、高分子材料に内添して使用する場合
に高分子材料との混和性が低下してしまい、重合体A/重
合体Bの重量比率が10/90未満では表面活性が落ち、ブ
ロッキング防止性が低下する。
本発明においては、含フッ素ブロック共重合体に基づ
いて発現される前記特性を阻害しない限り、前記以外の
他の重合体、低分子化合物等が存在していてもよい。例
えば、含フッ素ブロック共重合体の合成時に副生する重
合体が含有されていても差し支えない。特に、含フッ素
系重合体部分の合成時に副生する含フッ素重合体が含フ
ッ素ブロック共重合体の重合体A部分に吸着することが
あり、この場合にはむしろ表面活性を助長するという好
ましい作用をする。このような作用は重合を非水分散重
合法で行った場合に得られる。
次に、本発明における含フッ素ブロック共重合体の製
造は、例えばポリメリックペルオキシドを重合開始剤と
する2段階重合法が採用される。即ち、例えば下記式で
示されるポリメリックペルオキシド −〔CO(CH25CH(C2H5) −(CH210COOO〕10− を使用して、前記一般式(II)で示した単量体の1種又
は2種以上を溶液重合法で重合する。この際、ポリメリ
ックペルオキシドの活性酸素量を約50%残存させたとこ
ろで重合を停止させることにより、ペルオキシ結合を含
有する重合体を得ることができる。次いで、これを重合
開始剤として、前記一般式(I)に示した単量体の1種
又は2種以上及び前記一般式(II)に示した単量体を共
重合することによって目的とする含フッ素ブロック共重
合体を得ることができる。
本発明のブロッキング防止剤の形態は、粉末状、溶剤
や反応性希釈剤で希釈された重合体溶液であってもよ
い。
次に、ブロッキング防止性を付与しようとする高分子
材料としては、ポリエステルフィルムが使用される。
次に、本発明のブロッキング防止剤の使用方法につい
て述べる。このブロッキング防止剤は高分子材料表面に
塗布して使用される。同ブロッキング防止剤を塗布して
使用する場合には、高分子材料表面に極めて薄い被膜を
形成することによりブロッキング防止効果が発現され
る。例えば、熱可塑性樹脂フィルムの熱履歴時のブロッ
キングを防止しようとする場合、0.01〜2μm程度の膜
厚で充分である。
[作用] 前記手段を採用したことにより、フッ素含有ブロック
共重合体のうち、前記一般式(I)から誘導されるフッ
素を含有する重合体部分が核となり、フッ素を含有しな
い重合体部分がその表面に位置する構造となるため、同
ブロック共重合体からなるブロッキング防止剤を高分子
材料に塗布すると、表面近傍にフッ素を含有する重合体
部分が高濃度に移行して優れたブロッキング防止性を発
揮するとともに、内部にフッ素を含有しない重合体部分
が移行し、高分子材料との密着性が充分に発揮される。
また、前記一般式(I)から誘導される重合体部分20
重量%以上及び一般式(II)から誘導される重合体部分
80重量%以下からなる構造単位(A)と、下記一般式
(II)から誘導される構造単位(B)とからなり、構造
単位(A)/構造単位(B)の割合が重量比で80/20〜1
0/90であるフッ素含有ブロック共重合体を有する防湿性
付与剤もフッ素含有する重合体部分とフッ素を含有しな
い重合体部分に基づいて、上記と同様の作用が奏せられ
る。
[実施例] 以下に本発明を具体化した実施例について比較例と対
比して説明する。なお、各製造例、実施例及び比較例に
おいて、部は重量部を、%は重量%を表す。
(製造例1) (イ)ペルオキシ結合含有重合体の製造 温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた反応器に、メ
チルエチルケトン(以下MEKという)300部を仕込み、窒
素ガスを吹き込みながら70℃に加熱し、それにMEK119
部、メタクリル酸メチル(以下MMAという)117部、メタ
クリル酸イソブチル(以下IBMAという)117部、メタク
リル酸−2−ヒドロキシエチル(以下HEMAという)26
部、 −〔CO(CH24COO(C2H4O) −CO(CH24COOO〕10− 21部 からなる混合液を2時間かけて仕込み、更に4時間重合
反応を行ってペルオキシ結合含有重合体の溶液を得た。
上記3種類の単量体の重合転化率はいずれも97重量%
以上であり、溶液の性状は25℃における粘度が3.3P(ポ
イズ)の透明な溶液であった。
(ロ)フッ素含有ブロック共重合体の製造 上記(イ)のペルオキシ結合含有重合体のMEK溶液40
部を360部のアセトンで希釈し、大過剰のメタノール中
に撹拌しながら投入して、重合体の再沈を行った。沈澱
した重合体を充分に乾燥して粉末状の重合体を得た。ガ
スクロマトグラフ分析(以下GC分析という)によりモノ
マーが残存しないことを確認した。この粉末状の重合体
の活性酸素量は0.12%であり、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフ(以下GPCという)で測定したポリスチレ
ン換算の数平均分子量は17000であった。
得られた粉末状の重合体7部、 CH2=CHCOOC2H4(CF27CF313部、MEK37部をアンプル中
に仕込み、窒素置換後封管して70℃で10時間重合を行っ
た。各単量体の重合転化率は98%であった。得られた重
合体溶液は青白色透明であった。
得られた重合体溶液からMEKを減圧除去して充分に乾
燥後、固形分を粉砕して微粉末化した。この微粉末7部
をn−ヘキサン120部、トルエン80部からなる混合溶剤
に投入し、50℃で48時間撹拌して副生した重合体の一方
の成分であるフッ素を含有しないアクリル酸重合体の抽
出を行った。次いで、残った重合体をトリクロロトリフ
ルオロエタン200部に投入し、40℃で48時間撹拌して含
フッ素単独重合体の抽出を行った。その結果、上記微粉
末7部は、ブロック共重合体/フッ素を含有しないアク
リル系重合体/含フッ素単独重合体の重量比率が4.40/
0.70/1.9から構成されていることがわかった。従って、
ブロック共重合体における含フッ素重合体部分とフッ素
を含有しない重合体部分の重量比率は約60/40であるこ
とが明らかとなった。
得られたブロック共重合体をMEKで希釈して5重量%
の重合体溶液とした。
(製造例2〜11) 上記製造例1における(イ)のペルオキシ結合含有重
合体のMEK溶液と下記表−1に示す混合溶液を、温度
計、撹拌器及び還流冷却器を備えた反応器に仕込み、前
記製造例1と同様にして重合反応を行った。重合条件及
びその結果を下記表−2に示す。重合後、MEKで希釈し
て5重量%の溶液とした。
(製造例12〜14) 温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた反応器に、ME
K60部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら75℃まで加
熱し、それに下記表−3に示した混合溶液を2時間かけ
て仕込み、更に75℃で5時間、80℃で5時間重合反応を
行った。
重合結果を表−4に示す。重合後、MEKで希釈して5
重量%の溶液とした。
表−4において、MnはGPCで測定したポリスチレン換
算の数平均分子量、Mwは重量平均分子量を表す。
(実施例1〜8及び比較例1〜3) 前記製造例1〜14で製造した重合体のブロッキング防
止剤としての性能を比較した。
バーコータを用いて製造例1〜14で得た重合体溶液を
PETフィルム(東洋紡績株式会社製商品名E5101,膜厚50
μm)上に、乾燥膜厚が約1μm程度となるように塗布
し、充分な乾燥を行った。このフィルムをポリカーボネ
ート板(三菱ガス化学株式会社製商品名ユーピロン,厚
さ1mm)の両面にPETフィルムの塗布面が接触するように
貼合わせ、100g/cm2の荷重をかけて170℃の恒温槽に5
分間放置した。この条件はポリカーボネート板の表面が
軟化する条件である。
次いで、これを恒温槽から取出した後、直ちにPETフ
ィルムを引き剥がし、軟化したポリカーボネート板との
ブロッキングの度合を評価した。また、同試験を行った
後のポリカーボネート板表面の水に対する接触角の分析
を行い、含フッ素重合体の密着性を評価した。それらの
結果を表−5に示す。
上記表−5からわかるように、高分子材料(PETフィ
ルム)表面に本発明のブロッキング防止剤を塗布するこ
とにより、高温によって軟化又は溶融するポリカーボネ
ート板に対しても良好なブロッキング防止効果が付与さ
れる。また、高分子材料に対する密着性も付与されるた
め、ポリカーボネート板へ含フッ素系重合体が付着する
こともない。従って、各実施例のブロッキング防止剤
は、高温時におけるブロッキング防止剤又は融着防止剤
として好適に利用できる。
一方、各比較例の含フッ素系重合体においては、ブロ
ッキング防止性、密着性のいずれかが不足する。
(製造例15) (イ)ペルオキシ結合含有重合体の合成 前記製造例1と同じ反応装置にMEK300部を仕込み、窒
素ガスを吹き込みながらトルエン25部を仕込み、窒素ガ
スを吹き込みながら70℃に加熱し、それにMEK119部、MM
A260部、 −〔CO(CH24COO(C2H4O) −CO(CH24COOO〕10− 21部 からなる混合液を2時間かけて仕込み、更に4時間重合
反応を行って重合体溶液を得た。この重合体溶液は透明
な溶液で、25℃における粘度は2.5Pであった。また、MM
Aの重合転化率は98%であった。
(ロ)含フッ素ブロック共重合体の製造 前記製造例1と同じ反応装置に、上記(イ)で得たペ
ルオキシ結合含有重合体のMEK溶液70部及び CH2=CHCOOC2H4 −(CF27CF3 57部 N−メチロールアクリルアミド5部、MMA21部、アク
リル酸エチル20部、MEK110部、イソプロピルアルコール
45部の混合溶液を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら70
℃に加熱して4時間反応を行い、続いて80℃に昇温して
4時間反応を行った。次に、MEKを165部仕込み、室温ま
で冷却して重合体を25.7%含み、25℃における粘度が1.
2Pの青白色透明の溶液を得た。これをさらにMEKで希釈
して20%の溶液を調製した。
(製造例16〜18) (イ)ペルオキシ結合含有重合体の合成 前記製造例1と同じ反応装置にトルエン200部を仕込
み、窒素ガスを吹き込みながら75℃に加熱し、それにト
ルエン160部、イソプロピルアルコール100部、MMA130
部、スチレン240部、N−メチロールアクリルアミド30
部 −〔CO(CH26CH(C2H5) −(CH29COOO〕10− 40部 からなる混合液を1時間かけて仕込み、更に5時間重合
反応を行って重合体溶液を得た。各単量体の重合転化率
は94〜97%であった。また、GPCで測定したポリスチレ
ン換算の数平均分子量は16600、重合体溶液の活性酸素
量は0.033%であった。
(ロ)含フッ素ブロック共重合体の製造 上記(イ)で製造した重合体溶液100部に表−6で示
す組成の混合物を加えて溶解後、製造例1と同じ反応装
置に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら75℃で8時間重
合を行った。得られた重合溶液にトルエンを加えて20重
量%溶液を調製した。各製造例における単量体の重合転
化率、重合体溶液中に占める重合体の含有量を表−6に
併せて示す。
(製造例19) 温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた反応器に、ト
ルエン600部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら80℃
まで加熱し、それにトルエン375部、MMA400部、アクリ
ル酸ブチル300部、スチレン300部、 CH3(CH23CH(C2H5)COOO−tBu 25部 からなる混合液を2時間かけて仕込み、さらに80℃で4
時間、90℃で2時間重合反応を行った。
得られた重合体の重合体溶液に占める割合は、49.4%
であり、GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子
量は24000、Mw/Mn=2.1であった。この重合体溶液をMEK
で希釈して、20重量%の溶液を調製した。
[発明の効果] 本発明のブロッキング防止剤被覆ポリエステルフィル
ムは、高分子材料に溶剤が残存したり、熱履歴を受けた
りする条件下でも高分子材料に対し充分なブロッキング
防止効果を付与できるとともに、ブロッキング防止剤の
被膜は高分子材料に対して充分な密着性を有するという
優れた効果を奏する。
また、前記フッ素含有ブロック共重合体が、一般式
(I)から誘導される重合体部分20重量%以下及び一般
式(II)から誘導される重合体部分80重量%以下よりな
る構造単位(A)と、前記一般式(II)から誘導される
重合体部分よりなる構造単位(B)とが結合して構成さ
れ、構造単位(A)/構造単位(B)の割合が重量比で
80/20〜10/90であるブロッキング防止剤もポリエステル
フィルムに対しブロッキング防止効果を付与できるとと
もに、ポリエステルフィルムに対して密着性を有すると
いう効果を奏する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 153/00 - 153/02 C08F 293/00 - 297/08 C08L 53/00 - 53/02 C08J 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)から誘導される重合体部
    分よりなる構造単位と、一般式(II)から誘導される重
    合体部分よりなる構造単位とが結合して構成され、一般
    式(I)から誘導される構造単位/一般式(II)から誘
    導される構造単位の割合が重量比で80/20〜10/90である
    フッ素含有ブロック共重合体を有するブロッキング防止
    剤を0.01〜10μmの膜厚で被覆することを特徴とするブ
    ロッキング防止剤被覆ポリエステルフィルム。 CH2=CR1COOR2RF ……(I) 〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−CpH2p−,
    −C(CpH2p+1)H,−CH2C(CpH2p+1)H−又は−CH2CH2
    O−、RFはCnF2n+1,(CF2nH,(CF2pOCmH2mClF2l+1,
    (CF2pOCmH2mClF2lH, である。 但し、pは1〜10,nは1〜16,mは0〜10,lは0〜16の整
    数である。〕 CH2=CR3R4 ……(II) 〔式中、R3は水素原子,メチル基又はCH2COOH、R4はCOO
    R5(式中、R5は水素原子, −CH2CH=CH2,直鎖状又は分枝状のCnH2n+1,直鎖状又は
    分枝状のCpH2pOH, (C2H4O)rCsH2s+1, である。 但し、pは1〜10,nは1〜16,rは2〜20,sは0〜8の整
    数である。)、−CONR6R7(式中、R6は水素原子又はCpH
    2p+1,R7は水素原子,CpH2p+1又はCH2OHである。但し、p
    は1〜10の整数である。)、 −CONHC(CH32CH2COCH3、 −CONHC(CH32CH2SO3H、 −CN又は −OCOCnH2n+1(式中、nは1〜16の整数であり、直鎖状
    又は分枝状のいずれでもよい。)である。〕
  2. 【請求項2】前記フッ素含有ブロック共重合体が、一般
    式(I)から誘導される重合体部分20重量%以上及び一
    般式(II)から誘導される重合体部分80重量%以下より
    なる構造単位(A)と、前記一般式(II)から誘導され
    る重合体部分よりなる構造単位(B)とが結合して構成
    され、構造単位(A)/構造単位(B)の割合が重量比
    で80/20〜10/90であることを特徴とする請求項1に記載
    のブロッキング防止剤被覆ポリエステルフィルム。
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