JP3475435B2 - 反射防止塗膜用硬化被膜 - Google Patents
反射防止塗膜用硬化被膜Info
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- JP3475435B2 JP3475435B2 JP28323792A JP28323792A JP3475435B2 JP 3475435 B2 JP3475435 B2 JP 3475435B2 JP 28323792 A JP28323792 A JP 28323792A JP 28323792 A JP28323792 A JP 28323792A JP 3475435 B2 JP3475435 B2 JP 3475435B2
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Description
各種基材表面等に使用可能な反射防止塗膜用硬化被膜に
関する。 【0002】 【従来の技術】フルオロカーボン類は、フッ素原子の強
い電子吸引性によりC−F結合が非常に強く化学的に安
定であり、水素原子のような相互作用力(ファンデル−
ワールス力)を有しないので、炭化水素系物質とは異な
った性質、例えば、低粘度、高揮発性等を示す。これら
のフッ素原子に起因する特性は、低分子物質ばかりでな
く、高分子物質、すなわちフッ素原子を多数有する樹脂
(フッ素樹脂)に於いても同様に発現する。特にフッ素
樹脂は、その低い屈折率、化学的安定性、耐熱性等を利
用して、低屈折率被膜等に使用されている。 【0003】しかしながら、トリフルオロエチレン、フ
ッ化ビニリデン、パーフルオロエチレン重合体等の高分
子主鎖中にフッ素原子が導入されている重合体は、耐熱
性、化学的安定性に優れているものの、熱可塑性樹脂の
ような熱加工を必要とする材料の処理に用いる場合に加
工性に難があり、また有機溶剤に対する溶解性に劣ると
いう問題がある。更には金属、プラスチック、ガラス、
木材等の材料の表面を前記フッ素樹脂でコーティングし
て表面処理する場合、一旦前記フッ素樹脂を加熱溶融し
た後、機械的に圧縮するという操作が必要であり、その
ため複雑な形状を有する基材には、コーティングするこ
とができず、またガラスのように機械的に脆い基材には
不適である等、コーティングできる素材が限定されると
いう問題がある。またこれらの重合体は、不透明か、若
しくは1.44より大きい屈折率を有するため、透明性
を必要とする低屈折率被膜樹脂としては不適である。 【0004】そこでこのような熱加工性の改良、有機溶
剤に対する可溶性の改良を目的として、パーフルオロエ
チレンモノマーと他のモノマーとの共重合が提案されて
いるが、高分子主鎖中にメチレン基を有するために耐熱
性が悪く、有機溶剤への溶解性も不十分であり、また十
分な屈折率も得られていない。 【0005】また、側鎖にパーフルオロアルキル基を有
する重合性モノマー、例えば、アクリル酸含フッ素アル
キルエステルやメタクリル酸含フッ素アルキルエステル
を含む重合体あるいは含フッ素アルキルスチレンを含む
重合体も提案されている。 【0006】しかしながら、含フッ素アルキルスチレン
等を含む重合体は、有機溶剤に対する溶解性は改善され
ているものの、芳香族基が紫外線を吸収して劣化反応が
進むため長期の安定性(耐候性)に劣り、また芳香族基
は高い屈折率を示すため低屈折率被膜樹脂としては不適
であるという問題がある。一方、前記含フッ素アルキル
エステルは低い屈折率を示すものの、表面硬度が低いた
め耐摩耗性が劣るという欠点がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐候
性、耐熱性に優れ、表面硬度が高く、しかも光透過性を
有する低屈折率の反射防止塗膜用硬化被膜を提供するこ
とにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式化3(式中X及びYは、異なる基であって、炭素数
3〜12の分岐アルキル基、炭素数4〜12のシクロア
ルキル基、炭素数2〜12のフルオロアルキル基、フッ
素原子を有する炭素数3〜12の分岐アルキル基又はフ
ッ素原子を有する炭素数4〜12のシクロアルキル基を
示す。但しX及びYのの一方の基はフッ素原子を含む基
であり、他方の基はフッ素原子を含まない基である。)
で表わされる含フッ素フマル酸ジエステル及び/又は含
フッ素マレイン酸ジエステル(以下フマル(マレイン)
酸ジエステル1と称す)50〜95重量%と、重合性不
飽和基を2個以上有する多官能性モノマー5〜50重量
%とを含有する含フッ素硬化性組成物を重合硬化して得
られる鉛筆硬度がH以上の表面硬度と1.44以下の屈
折率とを有することを特徴とする反射防止塗膜用硬化被
膜が提供される。 【0009】 【化3】 【0010】 【0011】以下本発明を更に詳細に説明する。 【0012】本発明に用いる含フッ素硬化性組成物は、
特定構造及び特定量の含フッ素フマル酸ジエステル及び
/又は含フッ素マレイン酸ジエステルと、特定の硬化性
成分とを含む組成物である。本発明に用いる組成物を重
合した際には、主鎖構造となる部分にメチレン基を有さ
ず、主鎖の炭素上に置換基が結合し、ガラス転移温度が
高く、また側鎖の結合に対する攻撃も受けにくく、耐熱
性、耐候性等に優れた重合体を得ることができる。 【0013】前記組成物に用いる含フッ素フマル酸ジエ
ステル及び/又は含フッ素マレイン酸ジエステルは、前
記一般式化3で表わされるフマル(マレイン)酸ジエス
テル1である。該フマル(マレイン)酸ジエステル1に
おいてX、Yの炭素数が13以上である場合には、製造
が困難である。該フマル(マレイン)酸ジエステル1と
しては、具体的には例えば、フマル酸−iso−プロピ
ル−2,2,2−トリフルオロエチル、フマル酸−is
o−プロピル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプ
ロピル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,
3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、フマル酸−i
so−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,5
−ノナフルオロペンチル、フマル酸−iso−プロピル
−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウン
デカフルオロヘキシル、フマル酸−iso−プロピル−
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7
−トリデカフルオロヘプチル、フマル酸−iso−プロ
ピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル、フマル
酸−iso−プロピル−3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル、
フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,
10,10−ノナデカフルオロデシル、フマル酸−is
o−プロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフ
ルオロデシル、フマル酸−iso−プロピル−2−トリ
フルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル、
フマル酸−iso−プロピル−3−トリフルオロメチル
−4,4,4−トリフルオロブチル、フマル酸−iso
−プロピル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタ
フルオロプロピル、フマル酸−iso−プロピル−1−
メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ
ブチル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,2−ト
リフルオロエチル、フマル酸−tert−ブチル−2,
2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、フマル酸−
tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプ
タフルオロブチル、フマル酸−tert−ブチル−2,
2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチ
ル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシ
ル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオ
ロヘプチル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8
−ペンタデカフルオロオクチル、フマル酸−tert−
ブチル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,8−トリデカフルオロオクチル、フマル酸−t
ert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−
ノナデカフルオロデシル、フマル酸−tert−ブチル
−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシ
ル、フマル酸−tert−ブチル−2−トリフルオロメ
チル−3,3,3−トリフルオロプロピル、フマル酸−
tert−ブチル−3−トリフルオロメチル−4,4,
4−トリフルオロブチル、フマル酸−tert−ブチル
−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプ
ロピル、フマル酸−tert−ブチル−1−メチル−
2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、
フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4
−ヘキサフルオロシクロブチル、フマル酸−iso−プ
ロピル−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフル
オロシクロペンチル、フマル酸−iso−プロピル−
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオ
ロシクロヘキシル、フマル酸−iso−プロピル−2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカ
フルオロシクロヘプチル、フマル酸−iso−プロピル
−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8−テトラデカフルオロシクロオクチル、フマル酸
−iso−プロピル−2−トリフルオロメチルシクロブ
チル、フマル酸−iso−プロピル−3−トリフルオロ
メチルシクロブチル、フマル酸−iso−プロピル−2
−トリフルオロメチルシクロペンチル、フマル酸−is
o−プロピル−3−トリフルオロメチルシクロペンチ
ル、フマル酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメ
チルシクロヘキシル、フマル酸−iso−プロピル−3
−トリフルオロメチルシクロヘキシル、フマル酸−is
o−プロピル−4−トリフルオロメチルシクロヘキシ
ル、フマル酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメ
チルシクロヘプチル、フマル酸−iso−プロピル−3
−トリフルオロメチルシクロヘプチル、フマル酸−is
o−プロピル−4−トリフルオロメチルシクロヘプチ
ル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,2−トリ
フルオロエチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,
2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、マレイン酸
−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,4−ヘ
プタフルオロブチル、マレイン酸−iso−プロピル−
2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペ
ンチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘ
キシル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフ
ルオロヘプチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,8−ペンタデカフルオロオクチル、マレイン酸−i
so−プロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,
7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル、マレ
イン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,1
0,10−ノナデカフルオロデシル、マレイン酸−is
o−プロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフ
ルオロデシル、マレイン酸−iso−プロピル−2−ト
リフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピ
ル、マレイン酸−iso−プロピル−3−トリフルオロ
メチル−4,4,4−トリフルオロブチル、マレイン酸
−iso−プロピル−1−メチル−2,2,3,3,3
−ペンタフルオロプロピル、マレイン酸−iso−プロ
ピル−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプ
タフルオロブチル、マレイン酸−tert−ブチル−
2,2,2−トリフルオロエチル、マレイン酸−ter
t−ブチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロ
ピル、マレイン酸−tert−ブチル−2,2,3,
3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、マレイン酸−
tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,
5−ノナフルオロペンチル、マレイン酸−tert−ブ
チル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−
ウンデカフルオロヘキシル、マレイン酸−tert−ブ
チル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,7−トリデカフルオロヘプチル、マレイン酸−te
rt−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチ
ル、マレイン酸−tert−ブチル−3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオ
ロオクチル、マレイン酸−tert−ブチル−2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル、
マレイン酸−tert−ブチル−3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,1
0−ヘプタデカフルオロデシル、マレイン酸−tert
−ブチル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリ
フルオロプロピル、マレイン酸−tert−ブチル−3
−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチ
ル、マレイン酸−tert−ブチル−1−メチル−2,
2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、マレイン酸
−tert−ブチル−1−メチル−2,2,3,3,
4,4,4−ヘプタフルオロブチル、マレイン酸−is
o−プロピル−2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオ
ロシクロブチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,
2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペ
ンチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキ
シル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ
シクロヘプチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8
−テトラデカフルオロシクロオクチル、マレイン酸−i
so−プロピル−2−トリフルオロメチルシクロブチ
ル、マレイン酸−iso−プロピル−3−トリフルオロ
メチルシクロブチル、マレイン酸−iso−プロピル−
2−トリフルオロメチルシクロペンチル、マレイン酸−
iso−プロピル−3−トリフルオロメチルシクロペン
チル、マレイン酸−iso−プロピル−2−トリフルオ
ロメチルシクロヘキシル、マレイン酸−iso−プロピ
ル−3−トリフルオロメチルシクロヘキシル、マレイン
酸−iso−プロピル−4−トリフルオロメチルシクロ
ヘキシル、マレイン酸−iso−プロピル−2−トリフ
ルオロメチルシクロヘプチル、マレイン酸−iso−プ
ロピル−3−トリフルオロメチルシクロヘプチル、マレ
イン酸−iso−プロピル−4−トリフルオロメチルシ
クロヘプチル等を好ましく挙げることができ、使用に際
しては単独若しくは混合物として用いることができる。
このようなフマル(マレイン)酸ジエステル1を調製す
るには、例えば、含フッ素カルボン酸とイソブテンとの
反応によるtert−ブチルエステルの導入反応とシス
−トランス異性化反応とを組み合わせた方法等により容
易に得ることができる。 【0014】本発明に用いる含フッ素硬化性組成物で
は、前記フマル(マレイン)酸ジエステル1を、組成物
全量に対して、50〜95重量%、好ましくは70〜9
0重量%の割合で配合する。この際フマル(マレイン)
酸ジエステル1の配合量が50重量%未満の場合には、
重合硬化させた際に所望の低屈折率硬化被膜が得られ
ず、95重量%を超えると得られる硬化被膜の機械的強
度が低下する。 【0015】 【0016】 【0017】本発明に用いる組成物において配合する重
合性不飽和基を2個以上有する多官能性モノマーは、具
体的には、ジ(メタ)アクリル酸ヘキサンジオール、ジ
(メタ)アクリル酸ノナンジオール、ジ(メタ)アクリ
ル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸ト
リシクロデカンジメタノール、トリ(メタ)アクリル酸
トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペン
タエリスリトール、トリス(アクリロイロキシエチル)
イソシアヌレート、ジビニルベン、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート等を好ましく挙げることがで
きる。該重合性不飽和基を2個以上有する多官能性モノ
マーの配合割合は、組成物において5〜50重量%、好
ましくは5〜30重量%の範囲である。重合性不飽和基
を2個以上有する多官能性モノマーの配合割合が50重
量%を超える場合には、重合硬化した際に屈折率が上昇
し、所望の硬化被膜が得られない。 【0018】本発明に用いる組成物においては、前記必
須成分の他に、必要に応じて他の共重合可能な原料成分
を配合することもできる。具体的には例えばオレフィ
ン、(メタ)アクリル酸及びそれらのアルキルエステ
ル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、メサコン
酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸等の不飽和多塩
基酸及びそれらのアルキルエステル、脂肪酸のビニルエ
ステル、スチレン類、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビ
ニリデン、ビニルアルキルエーテル、ビニルアルキルケ
トン、ブタジエン類等を好ましく挙げることができ、具
体的には例えばエチレン、プロピレン、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸ブチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸アリール、ビニ
ルブチルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルエチル
ケトン、ビニルカルバゾール、1,3−ブタジエン、イ
ソブレン等を好ましく挙げることができ、特に酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、スチレ
ン、ビニルブチルエーテル、ビニルメチルケトン、ブタ
ジエン等が共重合性の点から好ましい。また、(メタ)
アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、メ
サコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸等の不飽
和多塩基酸及びそれらのアルキルエステルの単独重合体
又は共重合体等を挙げることができる。該他の共重合可
能な原料成分の配合量は30重量%以下であるのが好ま
しい。また他の共重合可能な原料成分として、前記単独
重合体又は共重合体を配合することにより、組成物の粘
度を増加させて、使用時の操作性を高めることができ
る。 【0019】本発明の反射防止塗膜用硬化被膜は、前記
組成物を重合硬化して得られるものであって、鉛筆硬度
H以上の表面硬度と、1.44以下の屈折率とを有す
る。該反射防止塗膜用硬化被膜の平均分子量は、好まし
くは1000〜300000が望ましい。 【0020】本発明の反射防止塗膜用硬化被膜を調製す
るには、例えば前記組成物若しくは必要に応じて溶剤、
硬化開始剤等を添加した後、基材に塗布し、乾燥後、加
熱又は紫外線、電子線、放射線等の活性エネルギー線の
照射等により硬化させて得ることができる。 【0021】前記溶剤としては、例えば1,1,2−ト
リクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、トリフル
オロメチルベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン等を挙げることができ、また硬化開始剤と
しては、前記具体的に列挙したラジカル重合開始剤等を
使用することができる。更に前記基材としては、特に限
定されるものではないが、例えば、ガラス、石、コンク
リート、タイル等の無機材料;塩化ビニル樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリオレフィン樹脂、(メタ)
アクリル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、
フェノール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、フラン樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂、ウ
レタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂等の
合成樹脂;鉄、アルミ、銅等の金属さらに木、紙等を挙
げることができる。 【0022】更にまた前記乾燥、加熱条件は、室温〜2
00℃であるのが好ましい。 【0023】 【発明の効果】本発明の反射防止塗膜用硬化被膜は、耐
候性、耐熱性、撥水撥油性に優れ、表面硬度が高く耐摩
耗性に優れ、しかも低屈折率で光透過性を有する反射防
止塗膜材料として有効である。 【0024】また本発明の含フッ素硬化被膜は、建築
物、自動車、電化製品等に用いられる硝子、金属、合成
樹脂等に広く利用することができる。また含フッ素重合
物特有の低表面エネルギーを有し、耐汚染性にも優れて
いるので、蛋白吸着の少ない生体適合材料、医療用器
具、臨床検査用器具等に応用することもできる。 【0025】 【実施例1】フマル(マレイン)酸ジエステル1として
フマル酸−iso−プロピル−3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,1
0−ヘプタデカフルオロデシル8.5g及び硬化性成分
としてトリメチロールプロパントリメタクリレート(新
中村化学株式会社製)1.4gを混合し、含フッ素硬化
性組成物を調製した。 【0026】次いで得られた組成物に、硬化開始剤とし
て過酸化ベンゾイル0.1gを添加し、薄膜塗布装置
(杉山元医理器株式会社製)を用いてポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルム上に厚さ50μmになる
ように塗布した。その後、100℃にて2時間加熱し、
硬化を行って含フッ素硬化被膜を調製した。得られた含
フッ素硬化被膜の鉛筆硬度をJIS K5400に従っ
て測定した。また、PETシートから含フッ素硬化被膜
を剥離させて、アッベ屈折計(アタゴ株式会社製)を用
いて屈折率を測定した。さらに純水に対する接触角をコ
ンタクトアングルメーター(共和科学株式会社製)を用
いて測定した。結果を表1に示す。 【0027】 【実施例2〜4】表1に示すフマル(マレイン)酸ジエ
ステル1、硬化性成分、硬化開始剤を用いた以外は、実
施例1と同様にして含フッ素硬化性組成物及び含フッ素
硬化被膜を調製した。得られた硬化被膜の屈折率、鉛筆
硬度及び接触角を実施例1と同様に測定した。結果を表
1に示す。 【0028】 【実施例5及び6】表1に示すフマル(マレイン)酸ジ
エステル1、硬化性成分、硬化開始剤を用いた以外は、
実施例1と同様にして含フッ素硬化性組成物からなる溶
液を調製し、PETフィルム上にコーティングした。乾
燥後、UV照射器(ORC社製、商品名「UV−330
API」)により330nmの紫外線を1000mJ/
cm2照射した。光硬化後、実施例1と同様に各測定を
行った。結果を表1に示す。 【0029】 【実施例7及び8】表1に示すフマル(マレイン)酸ジ
エステル1、硬化性成分を用いた以外は、実施例1と同
様にして含フッ素硬化性組成物からなる溶液を調製し、
PETフィルム上にコーティングした。乾燥後、電子線
照射器(岩崎電気株式会社製)により加速器電圧174
kV、ビーム電流2mAで電子線を照射した。吸収線量
は4.2Mradであった。硬化後、実施例1と同様に
各測定を行った。結果を表1に示す。 【0030】 【実施例9〜12】表1に示すフマル(マレイン)酸ジ
エステル1、硬化性成分、硬化開始剤、他の共重合可能
な原料成分を用いた以外は、実施例1と同様にして含フ
ッ素硬化性組成物からなる溶液を調製し、PETフィル
ム上にコーティングして熱硬化し、各測定を行った。結
果を表1に示す。 【0031】 【比較例1及び2】トリメチロールプロパントリメタク
リレート(比較例1)またはアクリル酸−3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,
10,10−ヘプタデカフルオロデシル(比較例2)を
各々9.9gとり、硬化開始剤として過酸化ベンゾイル
0.1gを各々混合し、薄膜塗布装置(杉山元医理器株
式会社製)を用いてPETフィルム上に各溶液の厚さが
50μmになるように塗布した。乾燥後、得られた被膜
について実施例1と同様に各測定を行った。結果を表1
に示す。 【0032】尚表1中の略記はそれぞれ以下の化合物を
示す。 【0033】iPr/F17F;フマル酸−iso−プロ
ピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデ
シル iPr/F17M;マレイン酸−iso−プロピル−3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,
9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル St;スチレン F17A;アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプ
タデカフルオロデシル TMPTM;トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト TMPTA;トリメチロールプロパントリアクリレート BPO;過酸化ベンゾイル DAR.1116;商品名「DAROCUR1116」
(メルク社製) 【0034】 【表1】【0035】 【0036】 【0037】 【0038】 【0039】 【0040】 【0041】 【0042】 【0043】 【0044】
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記一般式化1(式中X及びYは、異な
る基であって、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素
数4〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のフル
オロアルキル基、フッ素原子を有する炭素数3〜12の
分岐アルキル基又はフッ素原子を有する炭素数4〜12
のシクロアルキル基を示す。但しX及びYの一方の基は
フッ素原子を含む基であり、他方の基はフッ素原子を含
まない基である。)で表わされる含フッ素フマル酸ジエ
ステル及び/又は含フッ素マレイン酸ジエステル50〜
95重量%と、重合性不飽和基を2個以上有する多官能
性モノマー5〜50重量%とを含有する含フッ素硬化性
組成物を重合硬化して得られる鉛筆硬度がH以上の表面
硬度と1.44以下の屈折率とを有することを特徴とす
る反射防止塗膜用硬化被膜。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28323792A JP3475435B2 (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | 反射防止塗膜用硬化被膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28323792A JP3475435B2 (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | 反射防止塗膜用硬化被膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06136063A JPH06136063A (ja) | 1994-05-17 |
JP3475435B2 true JP3475435B2 (ja) | 2003-12-08 |
Family
ID=17662869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28323792A Expired - Lifetime JP3475435B2 (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | 反射防止塗膜用硬化被膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3475435B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000159970A (ja) * | 1998-11-30 | 2000-06-13 | Nof Corp | 架橋用フマル酸ジエステル系樹脂組成物及びその架橋物 |
WO2009084373A1 (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-09 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 含フッ素化合物、含フッ素重合体、並びに該重合体を含む組成物および膜 |
-
1992
- 1992-10-21 JP JP28323792A patent/JP3475435B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06136063A (ja) | 1994-05-17 |
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