【発明の詳細な説明】
フルオロケミカル ポリマー系
発明の分野
本発明はフルオロカーボンエラストマー及び非フッ素化ビニルポリマーを含ん
で成る相溶性ポリマー系、この相溶性の系の製造方法、並びにそれより成るフィ
ルム、シール材、膜及び接着剤の如きの材料に関する。
発明の背景
フルオロエラストマー及びプラスチックを含むフルオロポリマーは当業界にお
いて公知である。フルオロポリマーは高温性能、良好な耐候性、耐溶媒性及び耐
酸性を示す。フルオロポリマーは様々な基材の表面改質剤として効果的に利用で
き、なぜならそれらは表面にブルームし、低エネルギー界面(即ち、テープにお
ける低接着力裏地にとって有用な油及び水忌避面)を供するからである。
フルオロポリマーは他のほどんどのポリマーと非相溶性であり、配合により曇
った又はぼんやりとしたコーティングをもたらしてしまう。他の欠点は、フルオ
ロポリマーは低い湿潤性及び数多くの物体に対する弱い接着力を示すことにある
。
従い、フルオロポリマーの固有の長所を有し、しかも透明なコーティングをも
たらし、且つ数多くの物体に対する良好な接着力を有するフルオロポリマー含有
組成物についての要望が存在する。
発明の簡単な説明
本発明の組成物は:
(A)(i)約90〜約10重量%のフルオロカーボンエラストマー;及び
(ii)約10〜約90重量%のモノマーチャージ(充填材料)
を含んで成る成分の組合せ約10〜約80重量部;ここでこのモノマーチャージは
、(メタ)アクリル酸の約C1〜約C18のアルコールエステルを含んで成る1又
は複数の(メタ)アクリル酸エステルモノマー約50〜約100重量%と、アクリル
酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メタクリロイルオ
キシ プロピルトリメトキシシラン及びそれらの混合物より成る群から選ばれる
エチレン系不飽和モノマー約0〜50重量%、とを含んで成るものであり:
ここで(i)及び(ii)の重量%は(A)の総重量を基礎としている;
(B)(A)の重量を基礎として約2〜約20重量%の安定剤;ここでこの安定
剤は:
(i)アミド含有モノマーを含んで成る約20,000〜約200,000に範囲する重
量平均分子量を有するホモポリマー;
(ii)約20,000〜約200,000に範囲する重量平均分子量を有するコポリマー
;ここでこのコポリマーは:
(a)アミド含有モノマー類及びその混合物より成る群から選ばれるモノ
マー約10〜約90重量部;及び
(b)ビニルエステル、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
及びそれらの混合物より成る群から選ばれるモノマー約90〜約10重量部;を含ん
で成るものである;
(iii)約3,000〜約80,000に範囲する重量平均分子量を有するホモポリマー
マクロモノマー;ここでこのホモポリマーマクロモノマーは:
(a)アミド含有モノマー;及び
(b)イソシアナトエチルメタクリレート、アルファー,アルファー−ジ
メチル−メタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート、パラクロロメチルスチ
レン、グリシジルメタクリレート、ビニルアズラクトン及びそれらの混合物より
成る群から選ばれるビニル−反応性エンドキャッピング剤;
を含んで成るものである;
(iv)約3,000〜約80,000に範囲する重量平均分子量を有するコポリマーマ
クロモノマー;ここでこのコポリマーマクロモノマーは:
(a)アミド含有モノマー類及びその混合物より成る群から選ばれるモノ
マー約10〜約90重量部;
(b)ビニルエステル、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
及びその混合物より成る群から選ばれるモノマー約90〜約10重量部;及び
(c)イソシアナトエチルメタクリレート、アルファー,アルファー−ジ
メチル−メタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート、パラクロロメチルスチ
レン、グリシジルメタクリレート、ビニルアズラクトン及びその混合物より成る
群から選ばれるビニル−反応性エンドキャッピング剤;
を含んで成るものであり;
ここで(iv)(a)と(iv)(b)との合計は100総重量部に相当するもので
ある;及び
(v)それらの混合物;
より成る群から選ばれるものである;並びに
(C)このフルオロエラストマー、この1又は複数の(メタ)アクリル酸エス
テルモノマー、この任意的なニチレン系不飽和モノマ
ー及びこの安定剤を溶解することのできる溶媒約20〜約90重量部;並びに
(D)開始剤約0.01〜約0.5重量%、ここでこの開始剤の重量%は、成分(A
)の組合せ中の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、使用したならば1又は
複数のエチレン系不飽和モノマーとの総重量を基礎とするものである;
の反応生成物を含んで成る分散体を含んで成る。ここで(A)と(C)との重
量は100総重量部に相当する。
本発明はモノマー、フルオロカーボンエラストマー、安定剤及び開始剤の反応
生成物を含んで成る組成物も提供する。
本発明はこの反応生成物を含んで成る粉末及びポリマービーズも提供する。
本発明は本発明の組成物から調製したフィルムも提供する。
発明の詳細な説明フルオロカーボンエラストマー
本明細書の中で使用している「フルオロエラストマー」なる語はフッ素化エラ
ストマーを意味している。フッ素化エラストマーは、極端な温度域、化学品、流
体及び/又は燃料の組合せが存在している環境における苛酷な設備用途のために
設計された合成エラストマーのクラスである。3つの基礎的なフッ素化エラスト
マータイプはフルオロカーボン類、フルオロシリコーン類及びフルオロアルコキ
シホスファジン類である。本発明はフルオロカーボン類エラストマーの使用にか
かわる。
フルオロカーボンエラストマーはビニリデンフルオリド(CH2 =CF2)及びヘ
キサフルオロプロピレン(C3F6)を主に基礎とする。本発明において有用なFl
uorel(商標)ブランドフルオロカーボンエラ
ストマー(3Mカンパニーより入手可能)は約4:1(ビニリデンフルオリド、
対、ヘキサフルオロプロピレン)のモノマー比を利用して製造されている。次も
本発明に関して有用であるVITON(商標)フルオロカーボンエラストマー(duPon
tより入手可能)は似たような組成において、又は向上した耐流体性のためのテ
トラフルオロエチレン(C2F4)の利用を介して高められたフッ素含有を伴って、
もしくはより優れた低温特性のためのパーフルオロメチルビニルエーテル(C2F4
OCF3)を伴って入手できる。生のフルオロカーボンエラストマーは1.80〜1.86g
/cm3の密度を有する。
Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,第8巻,頁500-515,Ta
ble 1,第3版,John Wiley & Sons,1981)は有用な商業的に入手できるフルオ
ロカーボンエラストマーの例を挙げており、それは、3Mより商標名Fluorelで
入手できるポリ(ビニリデンフルオリド−コ−\ヘキサフルオロプロピレン)、
duPont由来のViton A,Montedison由来のTecnoflon及びDaikin由来のDai-EI;du
Pontより商標名Viton Bで入手できるポリ(ビニリデンフルオリド−コ−ヘキサ
フルオロプロピレン−コ−テトラフルオロエチレン)及びDaikin由来のDai-EI G
-501;duPontより商標名Viton Gで入手できる硬化部位モノマーを有するポリ(
ビニリデンフルオリド−コ−ヘキサフルオロプロピレン−コ−テトラフルオロエ
チレン)(過酸化物硬化性);duPontより商標名Viton GLTで入手できる硬化部
位モノマーを有するポリ(ビニリデンフルオリド−コ−テトラフルオロエチレン
−コ−パーフルオロメチルビニルエーテル)(過酸化物硬化性);duPontより商
標名Kalrezで入手できる硬化部位モノマーを有するポリ(テトラフルオロエチレ
ン−コ−パーフルオロメチルビニルエーテル);Asahiより商標名Aflas 100及び
150で入手できるポリ(テトラフルオロエチレン−コ−プロピレン);
3Mより商標名Kel-F 3700で入手できるポリ(ビニリデンフルオリド−コ−クロ
ロトリフルオロエチレン);Montedisonより商標名Tecnoflon SLで入手できるポ
リ(ビニリデンフルオリド−コ−1−ヒドロペンタフルオロプロピレン);並び
にMontedisonより商標名Tecnoflonで入手できるポリ(ビニリデンフルオリド−
コ−1−ヒドロペンタフルオロプロピレン−コ−テトラフルオロエチレン);よ
り成る群から選ばれるものを含む。
下記の米国特許に、本発明の目的にとって有用なエラストマーが記載されてい
る:米国特許第3,051,677号(E.I.duPont deNemours & Co.,Inc.に譲渡);
米国特許第2,968,649号(E.I.duPont de Nemours & Co.,Inc.に譲渡);米
国特許第3,331,823号(Montedisonに譲渡);米国特許第3,335,106号(Montedis
onに譲渡);米国特許第3,712,877号(3Mに譲渡);米国特許第4,866,118号(
3Mに譲渡);及び米国特許第4,956,419号(3Mに譲渡)。
好ましくは、本発明に従って使用されるフルオロカーボンエラストマーは、商
業的な入手性の理由のために、ビニリデンフルオリド、ヘキサフルオロプロピレ
ン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、2−クロロペンタ
フルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、ジクロロジフルオロエチレン、ト
リフルオロエチレン、1,1−クロロフルオロエチレン、1−ブロモ−2,2−
ジフルオロエチレン、パーフルオロメチルビニルエーテル及びそれらの混合物よ
り成る群から選ばれるモノマー、並びに任意的に他に、3−ヨードパーフルオロ
プロペン、4−ヨードパーフルオロペンテン、ブロモトリフルオロエチレン、ブ
ロモジフルオロエチレン及びそれらの混合物より成る群から選ばれるが如くのフ
ルオロモノマー硬化部位モノマーを含んで成る。
最も好適なフルオロカーボンエラストマーは、約10〜約120、好ましくは約37
のムーニー粘度を有ずるビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプロピレンコポ
リマーを含んで成る。
選定すべきフルオロカーボンエラストマーは好ましくは、対応のムーニー粘度
から計算して約15,000〜約120,000、最も好ましくは約25,000〜約80,000の重量
平均分子量を有する。(メタ)アクリル酸エステルモノマー
有用な(メタ)アクリル酸エステルモノマーには、約1〜約18個の炭素原子、
好ましくは約1〜約8個の炭素原子を含んで成る(メタ)アクリル酸及び/又は
置換化(メタ)アクリル酸とアルコールとの一価のエチレン系不飽和エステルが
含まれる。有用なモノマーには、限定することなく、メチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、メチル.メタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタク
リレート、2−メチルブチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、テ
トラヒドロフルフリルアクリレート及びその混合物が含まれる。
好ましい(メタ)アクリル酸エステルモノマーには、イソオクチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2−メ
チルブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート及びその混合物より成る群から選ばれるものが含まれる。
最も好ましい(メタ)アクリル酸エステルモノマーには、イソオクチルアクリ
レート、メチルメタクリレート及びそれらの混合物より成る群から選ばれるもの
が含まれる。任意的なエチレン系不飽和モノマー
本発明の組成物は任意的に更に、上記の(メタ)アクリル酸エステルモノマー
と共にその他のエチレン系不飽和モノマーを含んで成りうる。かかる追加のモノ
マーには、アクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン
、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及びそれらの混合物より成
る群から選ばれるものが含まれる。
モノマーアクリロニトリルは含ませるのに特に有用なモノマーである。これは
安定剤との強い相互作用に基づき安定性を高め、そしてより均質なコーティング
を供するのに役立つ。長鎖の(メタ)アクリル酸エステルモノマー(即ち、鎖に
おいて約6個の炭素原子より大)を使用するときはコモノマーとしてアクリロニ
トリルを含ませなければならない。
添加すべき任意的なエチレン系不飽和モノマーの量は、選定した(メタ)アク
リル酸エステルモノマー及び任意的なエチレン系不飽和モノマーに依存する。も
しエチレン系不飽和モノマーを使用するなら、この分散体は一般に、(メタ)ア
クリル酸エステルとエチレン系不飽和モノマーとの総重量に基づき、約0.1〜約5
0%の、好ましくは添加するなら約20〜約40%の、最も好ましくは添加するなら
約25〜約30%のエチレン系不飽和モノマーを含んで成る。このモノマーは、もし
溶液又は懸濁重合を採用するなら、安定な分散体を供する又は維持するであろう
量で使用する。安定剤
本発明の第三の成分は分散体のための安定剤である。この安定剤は数多くの形
態をとることができ、全て少なくとも一のアミド含有モノマーを含んで成るホモ
ポリマー又はコポリマーであることを特徴とする。適当なアミド含有モノマーに
は、限定することなく、N
−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド及びそれらの混合物が含まれる。好ましくは、このアミド
含有モノマーは、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド及びそれらの混合物よ
り成る群から選ばれる。
適当なエチレン系不飽和コモノマーであって、それよりアミド含有モノマーと
の共重合を介して共重合性安定剤を得ることのできるものには、限定することな
く、C1〜C8モノカルボン酸のビニルエステル及び(メタ)アクリル酸のC1〜
C18脂肪族アルコールエステル、並びにそれらの混合物より成る群から選ばれる
ものが含まれる。好適なコモノマーは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、メチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート及びそれらの混合物が含まれる。
ホモポリマー安定剤は、ポリスチレン標準品を利用するGPCによる決定に従い
、約20,000〜約200,000の重量平均分子量を有するホモポリマーを含んで成る。
共重合性安定剤は、1又は複数のアミド含有モノマーと、1又は複数のエチレ
ン系不飽和コモノマーとのコボリマーを含んで成り、ここでこのコポリマーは約
20,000〜約200,000の重量平均分子量を有する。このコポリマーは、モノマーの
総重量に基づき、約10〜約90重量部の1又は複数のアミド含有モノマー及び約90
〜約10重量部の1又は複数のエチレン系不飽和コモノマーを含んで成る。好まし
くは、このコポリマーは約40〜約60重量部の1又は複数のアミド含有モノマー及
び約60〜約40重量部の1又は複数のエチレン系不飽和コモノマーを含んで成る。
このホモ重合性又は共重合性安定剤はビニル反応性エンドキャッピング剤と反
応させてマクロモノマーを形成させてよく、このエンドキャッピング剤は、イソ
シアナトエチルメタクリレート(IEM)、
アルファー,アルファー −ジメチル−メタ−イソプロペニルベンジル.イソシ
アネート(TMI)、パラクロロジメチルスチレン、グリシジルメタクリレート、
ビニルアズラクトン及びそれらの混合物より成る群から選ばれる。好ましくは、
このエンドキャッピング剤はIEM及びTMIより成る群から選ばれる。エンドキャッ
ビングはエチレン系不飽和フリーラジカル式重合性官能基をホモポリマー又はコ
ポリマー安定剤に導入し、そのエンドキャップされたマクロモノマーが本発明の
1又は複数の(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び任意的なエチレン系不飽
和モノマーと共重合できるようにする。
好ましくは、この安定剤はイソシアナトエチルメタクリレートによりエンドキ
ャップされている酢酸ビニル/N−ビニルピロリドンコポリマーを含んで成り、
その理由はその合成のし易さ、並びにそれを1又は複数の(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマー及び任意的なエチレン系不飽和モノマーに共重合させるその容易
さにある。このマクロモノマー安定剤の重量平均分子量の範囲は約3,000〜約80,
000、好ましくは約10,000〜約70,000である。もしその分子量が高すぎると、そ
の分散体はコートするには粘性がありすぎてしまう。分子量が低すぎると、この
分散体は安定でなくなる。この安定剤は本発明の配合物の本質的な部分である。
この安定剤は一般には、1又は複数の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、
フルオロカーボンエラストマーと、任意的なエチレン系不飽和モノマーとの総重
量を基礎として、約2%〜約20%、好ましくは約4%〜約8%で存在している。
このコポリマー安定剤は、所望のモノマー、開始剤(例えば下記に記載)、慣
用の連鎖移動剤、例えばメルカプトン、アルコール及び四臭化炭素より成る群か
ら選ばれるものを組合せることによって調製できる。特定の連鎖移動剤の例には
、メルカプトエタノール、
メルカプト酢酸、チオグリコール酸イソオクチル及び四臭化炭素、並びに反応槽
中の慣用の有機溶媒、例えば酢酸エチル(及び/又は下記の記載のもの)より成
る群から選ばれるものが含まれる。典型的には約20〜約50重量部のモノマーを使
用する。典型的にはモノマーチャージの重量に基づいて約0.5〜約5%の連鎖移
動剤を使用する。典型的には約80〜約50重量部の溶媒を使用する。重合は不活性
な雰囲気条件下で、撹拌を伴って、約10〜24時間行う。
マクロモノマー安定剤はこのコポリマーをエンドキャッピング剤と、触媒量の
触媒、例えばジブチル錫ジラウレート(DBIL)及びオクタン酸錫より成る群から
選ばれるものの存在下で反応させることにより調製できる。好ましくは、モノマ
ーチャージに基づいて約0.03〜約0.15%の触媒を使用する。また、モノマーチャ
ージに基づいて約0.01〜約0.1%の慣用の酸化防止剤、例えばIrganox(商標)10
10酸化防止剤(Ciba-Geigyより入手可能)も含ませる。この反応は好ましくは不
活性雰囲気下で、撹拌を伴い約1〜約5時間行う。開始剤
本発明に係る有用なフリーラジカル開始剤の例はMacromolecules,第2巻,第
2版,H.G.Elias,Plenum Press,1984,New Yorkの第20及び21章に詳細されて
いる。本発明における使用にとって有用な熱開始剤には、限定することなく、下
記のものが含まれる:アゾ化合物、例えば2,2′−アゾビス−(イソブチロニ
トリル)、ジメチル−2,−2′−アゾ−ビス−イソブチレート、アゾ−ビス−
(ジフェニルメタン)、4,4′−アゾ−ビス−(4−シアノペンタノン酸);
過酸化物、例えば過酸化べンゾイル、過酸化キュミル、過酸化第三ブチル、過酸
化シクロヘキサノン、過酸化グルタル酸、過酸化ラウロイル、過酸化メチルエチ
ルケトン及び過酸化水素;ヒドロキシペルオキシド、例えば第三ブチルヒドロキ
シペルオキシド
及びクメンヒドロキシペルオキシド;過酸、例えば過酢酸及び過安息香酸;過硫
酸カリウム;並びに過エステル、例えば過炭酸ジイソプロピルが含まれる。一定
のこれらの開始剤(特に過酸化物、ヒドロギシペルオキシド、過酸及び過エステ
ル)は熱ではなく適当な触媒の添加により分解するように誘発させることができ
る。この開始のレドックス法はElias ,第20章に記載されている。
光化学開始剤も本発明の組成物において有用であることが理論付けられる。光
化学開始剤の例には、限定することなく、S.P.PappasのJ.Red.Cur.1987年
7月に記載されているように、ベンゾインエ−テル、例えばジエトキジアセトフ
ェノン、オキシミノ−ケトン、アシルホスフィンオキシド、ジアリールケトン、
例えばベンゾフェノン及び2−イソブロピルチオキサントン、ベンジル及びキノ
ン誘導体、並びに3−ケトクマリンが含まれる。
好ましくは、使用する開始剤は熱分解化アゾ又は過酸化物化合物を溶解性の理
由及び反応速度を管理するために含んで成る。最も好ましくは、使用する開始剤
は2,2′−アゾビス−(イソブチロニトリル)を値段及び適当な分解温度の理
由のために含んで成る。溶 媒
溶媒の使用は本発明の溶液重合工程において必要である。この溶媒は効率的な
攪拌及び熱伝導を可能にするために反応中の粘度を下げるのに使用する。適当な
溶媒には、限定することなく、酢酸のC1〜C6アルコールエステル、例えば酢酸
エチル及び酢酸ブチル;ケトン、例えばメヂルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、メチルプロピルケトン及びアセトン;アルコール、例えばメタノール、
エタノール及びイソプロパノール;フクレート、例えばジオオクヂルフタレート
;プロピレングリコールエーテル、テトラヒドロフラン;並びにそれらの混合物
が含まれる。溶媒の量は一般に約20〜約
90重量部、好ましくは約40〜約80重量部、最も好ましくは約30〜約70重量部であ
る。架橋剤
本発明の組成物は更に固形物の%(即ち、フルオロカーボンエラストマー、モ
ノマー、開始剤及び安定剤の総重量)に基づき約0.1重量%〜約5重量%の架橋
剤を含んで成りうる。有用な架橋剤の例には、限定することなく、熱活性化、水
分活性化、及び紫外線(UV)活性化架橋剤が含まれる。熱活性化架橋剤の例には
、限定することなく、ビスアミド、例えばN,N′−ビス−1,2−プロピレン
テレフタルアミド、金属錯体、例えばアルミニウムアセチルアセトネート及びイ
ソシアネート、例えばH−12 MDI(4,4′−メチレン−ビス〔シクロヘキシ
ルイソシアネート〕)より成る群から選ばれるものが含まれる。水分活性化架橋
剤の例には、限定することなく、シラン、例えばトリメトキシシリルプロピルメ
タクリレート(トリス)、アミノシラン、エポキシシラン及びそれらの混合物よ
り成る群から選ばれるものが含まれる。UV−活性化架橋剤の例には、限定するこ
となく、米国特許第4,330,590号(Vesley,3M)及び米国特許第4,329,384号(
Vesleyら、3M)に記載の、例えば2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(
4−メトキシフェニル)−S−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)
−6−(3−メトキシフェニル)−S−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロ
メチル)−6−(3,4−ジメトキシフェニル)−S−トリアジン、2,4−ビ
ス(トリクロロメチル)−6−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−S−ト
リアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキ
シフェニル)−S−トリアジン及び2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(
4−メトキシナフチル)−S−トリアジン、並びに米国特許第4,181,752号(Mar
tens,
3M)に記載の、例えば2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキ
シスチリル)−S−トリアジンの如きの発色団置換化トリアジン、並びに米国特
許第4,737,559号及び米国特許第4,847,137号(Kellenら、3M)に記載の共重合
性芳香族ケトンモノマー、例えばアクリルオキシベンゾフェノンより成る群から
選ばれるものが含まれる。重合の方法
フリーラジカルを形成するために本発明において用いた開始剤の均一分解は熱
エネルギー(熱分解)、光エネルギー(光分解)又は適当な触媒の添加により誘
発できる。熱分解の際の開始剤の分解速度は開始剤の化学的性質、反応温度及び
(任意の)使用した溶媒に依存する。光分解の際の開始剤の分解速度は開始剤の
化学的性質並びに使用した放射線の強度及び波長に主に依存する。
光エネルギーは低強度の蛍光ブラックライトランプ、中圧水銀アーク灯及び殺
菌水銀灯を含む可視及び紫外光源により、開始剤の均一分解を誘発するために供
給してよい。好適な光エネルギー源の選択は選定した光開始剤に依存ずるであろ
う。
開始剤の分解は適当な触媒を利用することにより成し遂げることもできる。触
媒誘発した開始剤分解は、還元−酸化(レドックス)反応をもたらす電子転移機
構を包括する。過酸化物及びヒドロキシペルオキシドの如きの開始剤は、この種
の分解に感受性が強い。開始剤の均一分解を誘発するうえで有用な触媒には、限
定することなく、過酸化物又はヒドロキシペルオキシドとの組合せにおいて用い
るアミン及び金属イオン、並びに過硫酸開始剤との組合ぜにおいて用いるビスル
フィット又はメルカプト化合物が含まれる。
開始の好適な方法は熱分解であり、これは標準の反応槽の中で容易に採用され
うる。熱分解は反応速度及び発熱の管理のし易さも担
う。
本明細書記載の溶液重合に加えて、、共重合はその他のよく知られた技術、例
えば懸濁、分散及びバルク重合によって実施してよい。懸濁重合はよく知られた
重合方法であり、これはポリマービーズの形成をもたらすであろう。
溶液重合のために、フリーラジカル式重合性モノマー、開始剤、安定剤、フル
オロカーボンエラストマー及び使用する溶媒を適当な反応槽の中に加える。典型
的には、フルオロカーボンエラストマーをモノマー/溶媒混合物に加えて溶かす
。開始剤を分解するのに光分解を行うとき、使用する反応体及び溶媒をエネルギ
ー源透過槽の中に入れ、そしてその中でエネルギー源にかける。もしエネルギー
源が紫外線なら、適当な紫外光透過槽が利用されるであろう。
開始剤を分解するのに熱分解を利用するなら、使用する反応体及び溶媒を適当
なガラス又は金属反応槽に加え、そしてその中で熱工ネルギー源にかける。開始
剤を分解するのに触媒を利用するなら、ガラス又は金属反応槽を使用してもよい
。
この反応は好ましくは槽の中で、エネルギー源に対する反応体の均一な暴露を
可能にするために撹拌を伴って行う。たいていの反応はバッチプロセスを採用す
ることにより行われるが、連続式重合操作において同一の技術を利用することが
可能である。
懸濁重合のためには、第一溶液は一般に、フルオロカーボンエラストマーをモ
ノマーの中に、室温で撹拌しながら溶かし、続いて連鎖移動剤及び開始剤を加え
ることによって、フルオロカーボン、連鎖移動剤及びモノマーを含んで成るよう
に形成する。典型的にはモノマーチャージの重量に基づき約0.5〜約5重量%
の連鎮移動剤を利用する。
第二溶液は安定剤、脱イオン水及び懸濁剤、例えば次亜リン酸ナ
卜リウムを含んで成るように形成する。
懸濁剤は懸濁重合工程において慣用的に用いるものどする。これらは最少限に
水溶性の無機塩類、例えば三塩基性リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、親水性シリカ及び三塩基性リン酸カ
ルシウムでありうる。水溶性有機懸濁剤、例えばポリビニルアルコール、ポリ−
N−ビニルビロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド及びヒドロキシア
ルキルセルロースも使用してよい。懸濁剤は100部の全モノマー含量に基づき
約0.01部〜約5部に範囲する量で存在する。
次に2つの溶液を組合せて懸濁物を作り、そして撹拌しながら約2〜5時間か
けて、約65〜約8C、好ましくは約70〜約7Cの温度で重合させて、コポリマービー
ズを含む懸濁物を供する。このビーズを次に洗い、そして重力式濾過の如きの手
段により水から分ける。濾過した生成物も一般に約15〜30%の水を含んで成る。
本発明の組成物は慣用の方法によりフィルムを調製するのに使用できる。この
組成物をポリエステル基体の如きの基体にコートし、そして乾かしてフィルムを
作る。本発明の組成物はシール材、膜及び接着剤を調製するのにも使用されうる
。試験方法 分子量決定
ここに記載のポリマーの分子量分布の特定化は慣用のゲル浸透クロマトグラフ
ィー(GPC)により行われうる。
GPC分析はサンプルに基づき、Polymer Laboratories由来のPerkjnElmer Serie
s 400ポンプオートサンプルを用いて行う。カラム(30cm−0.46cm)に粒径:10
ミクロンのPLゲル(ジビニルベンゼンと架橋したポリスチレン)を充填した。使
用した溶離液はTHFとした。流速:1ml/min。検量は1,200〜2,950,000の分子量
を有するポ
リスチレン標準品で行った。分子量をPL GPCデーターステーションバージョン3.
0で計算した。検出はPE LC25屈折率指数検出器で行った。GPC試験法は「Modern
Size Exclusion Liquid Chromatography」「practice of Gel Permeation Chrom atography
,John Wiley,New York,1979に更に説明されている。
本明細書において下記の略語及び商標名を使用している:
実施例
下記の限定でない実施例は本発明を更に例示する。実施例の中の及び明細書の
残りの中の全ての部、%、比、等は何らかのことわりのない限り重量で示す。実施例1−IEMエンドキャッブを伴うマクロモノマー安定剤の合成
29.4gの酢酸エチル中の14.0gのN−ビニルピロリドン、10.84gの酢酸ビニ
ル、0.8gのメルカプトエタノール及び12gのVAZO(商標)64(duPont)の1%
の酢酸エチル溶液の溶液にN2をパージし、そして反応ボトルの中でシールし、
次いで5Cで17時間熱し
た。このコボリマー混合物を冷やし、そして1.2gのイソシアナトエチルメタク
リレート(IEM)、1滴のジブチル錫ジラウレート及び0.05gのIrganox 1010で
処理し、再シールし、そして55Cで更に3時間反応させた。反応の完了は赤外線
スペクトルにおける2250cm-1でのイソシアネートバンドの消失によりモニターし
た。39.9%の固形分のマクロモノマー溶液が得られた。Mn=7,351,Mw=12,127
,Mz=17,702。実施例2−TMIエンドキャッブを伴うマクロモノマー安定剤の合成
IEM エンドキャッパーのための2.06gのアルファー,アルファー−ジメ
チル−メタ−イソプロベニルベンジルイソシアネート(TMI)の置換及び6Cの反
応温度の利用を除き、実施例1の手順に従った。実施例3−コポリマー安定剤の合成
0.2gのメルカプトエタノールしか使用しないことを除き、実施例1の手順に
従った。更に、反応は初期反応期の終了時に停止させた。得られる材料はIEMと
反応しなかった。実施例4−TMIエンドキャップを伴うマクロモノマ一安定剤の合成
168gの酢酸エチル中の129gのN−ビニルピロリドン及び11gの酢酸ビニルの
溶液を4.84gのメルカプトエタノール及び酢酸エチル中の42gの1%のVAZO(商
標)64の溶液で処理し、次いで窒素下で5Cで12時間熱した。このコポリマー混合
物に25gのジメチルホルムアミド、15.7gのTMI、3滴のジブチル錫ジラウレー
ト及び0.05gのIrganox(商標)1010を加えた。反応を6Cで17時間再び続け、そ
の後にIRスペクトル中のイソシアネートバンドが消失した。実施例5−マクロモノマー安定剤を伴うフルオロエラストマー組成物Aの調製
40gのメタノール中の10gのFluorel(商標)2230及び30gのメチルメタクリ
レートの溶液を実施例1由来の安定剤4g及び0.12gの
VAZO(商標)64で処理し、次いで5Cで20時間熱した。得られる乳白色の分散体を
ポリエステル基体の上にコートし、6Cで15分乾かし、透明なコーティングをもた
らした。
同一の乳白色の分散体サンプルを室温で24hr、塊の形成を阻止するために時折
り撹拌しながら乾かした。メタノール溶媒を蒸発させ、これにより白色粉末状の
物質が得られた。比較例5−安定剤抜きでのフルオロエラストマー組成物Aの調製
実施例5の手順に従ったが、ただし安定剤は加えなかった。このようにして得
られた生成物はコートすることのできない、又は有用なドライポリマーへと変換
されない凝固した白色ポリマーであった。実施例6−フルオロエラストマー組成物Bの調製
12gのFluorel(商標)2230,6gの2−エチルヘキシルメククリレート、2
gのアクリロニトリル、0.06gのVAZO(商標)64及び実施例2由来の4gの安定
剤を40gのメタノールの中に溶がした。重合をN2のもとで5Cで14時間かけて行
った。得られる白色の分散体を6Cでコートし、そして実施例5の手順に従って乾
かし、強い透明なフィルムを得た。溶媒を実施例5の手順に従って同一のサンプ
ルから蒸発させ、白色粉末状の材料を得た。比較例6−アクリロニトリル抜きのフルオロエラストマー組成物Bの調製
実施例6の手順に従ったが、アクリロニトリル成分を省略した。得られる分散
体を時間をかけて定着させ、そして実施例5の手順に従ってコート及び乾燥させ
たとき、不均一で不透明なフィルムをもたらした。この比較例は、長鎖の(メタ
)アクリル酸エステルを使用するときのコモノマーとしてのアクリロニトリルの
重要性を実証する。実施例7−架橋化フルオロエラストマ組成物Cの
調製
12gのFluorel(商標)2230,5gのメチルメタクリレート、2gのアクリロ
ニトリル、1gのメタクリルオキシトリメトキシシラン(AR174)、実施例2由
来の2gの安定剤及び0.06gのVAZO(商標)64の20gのメタノール中の溶液をN2
下で5Cで17時間熱した。得られる安定な分散体を実施例5の手順に従ってコー
ト及び乾燥して透明なフィルムを得た。実施例8−フルオロエラストマー組成物Dの懸濁重合
実施例4由来の10gの安定剤及び0.8gの次亜リン酸ナトリウムの420gの脱イ
オン水中の溶液を窒素下で550 rpmで撹拌し、そして70℃に熱した。この水性溶
液に、140gのメチルメタクリレート中の60gのFluorel(商標)2230,0.4gの
イソオクチルチオグリコレート及び0.4gのVAZO(商標)64の溶液をゆっくり加
えた。この反応混合物を撹拌し、そして70〜7Cに3時間熱した。得られるポリマ
ービーズをチーズクロスの上に集め、脱イオン水でよく洗い、そして乾かした。実施例9=フルオロエラストマー組成物Eの調製
60gのメタノール中の10gのFluorel(商標)2230及び30gのHMAの溶液を実施
例3由来の8gの安定剤で処理した。0.12gのVAZO(商標)64を加え、それに続
いてその混合物を5Cで20時間熱した。得られる乳白色の分散体を白色粉末材料が
得られるまで乾かした。
本発明を特定の態様に関連し説明してきたが、更なる改良が可能であることを
理解すべきである。ここでの請求項の範囲は、ここに記載の化学均等物として当
業者が認められるであろう変異物を包括することを意図している。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年9月28日
【補正内容】
請求の範囲
1.組成物であって、以下のもの;
(A)(i)90〜10重量%のフルオロカーボンエラストマー;及び
(ii)10〜90重量%のモ.ノマーチャージ(充填材料)
を含んで成る成分の組合せ約10〜約80重量部;ここでこのモノマーチャージは
、(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルコールエステルを含んで成る1又は複
数の(メタ)アクリル酸エステルモノマ−50〜100重量%と、アクリル酸、アク
リロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メタクリロイルオキシ プ
ロピルトリメトキジシラン及びそれらの混合物より成る群から選ばれるエチレン
系不飽和モノマ−0〜50重量%、とを含んで成るものであり;
ここで(i)及び(ii)の重量%は(A)の総重量を基礎としている;
(B)(A)の重量を基礎として2〜20重量%の安定剤;ここでこの安定剤は
:
(i)アミド含有モノマーを含んで成る20,000〜200,000に範囲する重量平
均分子量を有するホモポリマー;
(ii)20,000〜200,000に範囲する重量平均分子量を有するコポリマー;こ
こでこのコポリマーは:
(a)アミド含有モノマー類及びその混合物より成る群から選ばれるモノ
マー10〜90重量部;及び
(b)ビニルエステル、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
及びそれらの混合物より成る群から選ばれるモノマー90〜10重量部;を含んで成
るものであり;ここで(ii)(a)と(ii)(b)との合計は100総重量部に相
当する;
(iii)3,000〜80,000に範囲する重量平均分子量を有ずるホモポリマーマク
ロモノマー;ここでこのホモポリマーマクロモノマーは:
(a)アミド含有モノマー;及び
(b)イソシアナトエチルメタクリレート、アルファー,アルファー−ジ
メチル−メタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート、パラクロロメチルスチ
レン、グリシジルメタクリレート、ビニルアズラクトン及びそれらの混合物より
成る群から選ばれるビニル−反応性エンドキャッピング剤;
を含んで成るものである;
(iv)3,000〜80,000に範囲ずる重量平均分子量を有ずるコポリマーマクロ
モノマー;ここでこのコポリマーマクロモノマーは:
(a)アミド含有モノマー類及びその混合物より成る群から選ばれるモノ
マー10〜90重量部;
(b)ビニルエステル、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
及びその混合物より成る群から選ばれるモノマー90〜10重量部;及び
(c)イソシアナトエチルメタクリレート、アルファー,アルファー−ジ
メチル−メタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート、パラクロロメチルスチ
レン、グリシジルメタクリレート、ビニルアズラクトン及びその混合物より成る
群から選ばれるビニル−反応性エンドキャッピング剤;
を含んで成るものであり;
ここで(iv)(a)と(iv)(b)どの合計は100総重量部に相当するもので
ある;及び
(v)それらの混合物;
より成る群から選ばれるものである;並びに
(C)このフルオロエラストマー、この1又は複数の(メタ)アクリル酸エス
テルモノマー、この任意的なエヂレン系不飽和モノマー及びこの安定剤を溶解す
ることのできる溶媒20〜90重量部;並びに
(D)開始剤0.01〜0.5重量%、ここでこの開始剤の重量%は、成分(A)の
組合せ中の1又は複数の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、使用したなら
ば1又は複数のエチレン系不飽和モノマーとの総重量を基礎とするものである;
の反応生成物を含んで成る分散体を含んで成り;ここで(A)と(C)との重
量が100総重量部に相当する組成物。
2.前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、メチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリ
レート、2−メチルブチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキジルア
クリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、テト
ラヒドロフルフリルアクリレート及びそれらの混合物より成る群から選ばれる、
請求項1記載の絹成物。
3.前記溶媒が、アルコール、ケトン、ブロピレングリコールエーテル、酢酸
のC1〜C6のエステル、フタレート、テトラヒドロフラン及びそれらの混合物よ
り成る群から選ばれる、請求項1記載の組成物。
4.前記安定剤が、イソジアナトエヂルメタクリレート及びアルファー,アル
ファー−ジメチル−メタ−イソプロペニルベンジルイソシアネートより成る群か
ら選ばれるエンドキャッピングモノマーでエンドキャップされている酢酸ビニル
/N−ビニルビロリドンコボリマーを含んで成る、請求項1記載の組成物。
5.前記(A)と(B)と(D)の総重量に基づき約0.1〜約5重量%の架橋
剤を更に含んで成り、ここで前記架橋剤がビスアミド、金属錯体、イソシアネー
ト、シラン及びそれらの混合物より成る群から選ばれる、請求項1記載の組成物
。
6.前記フルオロカーボンエラストマーが約10〜約120のムーニー粘度を有す
るビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプロビレンコポリマーを含んで成る、
請求項1記載の組成物。
7.組成物であって、以下のもの;
(A)(i)90〜10重量%のフルオロカーボンエラストマー;及び
(ii)10〜90重量%のモノマーチャージ
を含んで成る成分の組合せ10〜80重量部;ここでこのモノマーチャージは、(
メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルコールエステルを含んで成る1又は複数の
(メタ)アクリル酸エステルモノマー約0〜約100重量%と、アクリル酸、アク
リロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メタクリロイルオキシ プ
ロピルトリメトキシシラン及びそれらの混合物より成る群から選ばれるエチレン
系不飽和モノマー0〜50重量%、とを含んで成るものであり;
ここで(i)及び(ii)の重量%は(A)の総重量を基礎としている;
(B)(A)の重量を基礎どL.て2〜20重量%の安定剤;ここでこの安定剤
は:
(i)アミド含有モノマーを含んで成る20,000〜200,000に範囲する重量平
均分子量を有するホモポリマー;
(ii)20,000〜200,000に範囲する重量平均分子量を有するコボリマー;こ
こでこのコポリマーは:
(a)アミド含有モノマー類及びその混合物より成る群から
選ばれるモノマー10〜90重量部;及び
(b)ビニルエステル、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
及びそれらの混合物より成る群から選ばれるモノマー90〜10重量部;を含んで成
るものであり;ここで(ii)(a)と(ii)(b)の合計は100総重量部に相当
する;
(iii)3,000〜80,000に範囲する重量平均分子量を有するホモポリマーマク
ロモノマー;ここでこのホモポリマーマクロモノマーは:
(a)アミド含有モノマー;及び
(b)イソシアナトエヂルメタクリレート、アルフアー,アルファー−ジ
メチル−メタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート、パラクロロメチルスチ
レン、グリシジルメタクリレート、ビニルアズラクトン及びそれらの混合物より
成る群から選ばれるビニル−反応性エンドキャッピング剤;
を含んで成るものである;
(iv)3,000〜80,000に範囲する重量平均分子量を有するコポリマーマクロ
モノマー;ここでこのコポリマーマクロモノマーは:
(a)アミド含有モノマー類及びその混合物より成る群から選ばれるモノ
マー10〜90重量部;
(b)ビニルエステル、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
及びその混合物より成る群から選ばれるモノマー90〜10重量部;及び
(c)イソシアナトエチルメタクリレート、アルファー,アルファー−ジ
メチル−メタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート、パラクロロメヂルスチ
レン、グリシジルメタクリレート、ビニルアズラクトン及びその混合物より成る
群から選ばれるビニル−反応性エンドキャッピング剤;
を含んで成るものであり;
ここで(iv)(a)と(iv)(b)との合計は100総重量部に相当するも
のである;及び
(v)それらの混合物
より成る群から選ばれるものてある;並びに
(C)開始剤0.01〜0.5重量%、ここでごの開始剤の重量%は、成分(A)の
組合せ中の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、使用したならば1又は複数
のエチレン系不飽和モノマーとの総重量を基礎とするものてある;
の反応生成物を含んで成る組成物。
8.ポリマービーズ、ポリマー粉末及びポリマーフィルムより成る群から選ば
れる物品へと仕上げられた請求項7記載の組成物。
9.ポリマービーズの懸濁重合のための方法であって、下記の段階:
(a)以下のものを含んで成る第一溶液を形成する:
(A)(i)90〜10重量%のフルオロカーボンエラストマー;及び
(ii)10〜90重量%のモノマーチャージ(充填材料)
を含んで成る成分の組合せ約10〜約80重量部;ここでこのモノマーチャージは
、(メタ)アクリル酸の約C1〜約C18アルコールエステルを含んで成る1又は
複数の(メタ)アクリル酸エステルモノマー50〜100重量%と、アクリル酸、ア
クリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン及びぞれらの混合物より成る群から選ばれるエチレ
ン系不飽和モノマ−0〜50重量%、とを含んで成るものであり;
ここで(i)及び(ii)の重量%は(A)の総重量を基礎とし
ている;並びに
(B)このフルオロカーボンエラストマーとモノマーヂャージとの組合せの重
量に基づいて0.5〜5重量%の連鎖移動剤;
(C)開始剤0.01〜0.5重量%、ここでこの開始剤の重量%は、1又は複数の
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、使用したならば1又は複数のエチレン
系不飽和モノマーとの総重量を基礎とするものである;
(b)以下のものを含んで成る第二溶液を形成する:
(A)このフルオロカーボンとモノマーヂャージとの組合せの重量を基礎とし
て4〜20重量%の安定剤;ここでこの安定剤は:
(i)アミド含有モノマーを含んで成る20,000〜200,000に範囲する重量平
均分子量を有するホモポリマー;
(ii)20,000〜200,000に範囲する重量平均分子量を有するコポリマー;こ
こでこのコポリマーは:
(a)アミド含有モノマー類及びその混合物より成る群から選ばれるモノ
マー10〜90重量部;及び
(b)ビニルエステル、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
及びそれらの混合物より成る群から選ばれるモノマー90〜10重量部;を含んで成
るものでり;ここで(ii)(a)と(ii)(b)の合計は100総重量部に相当す
る;
(iii)3,000〜80,000に範囲ずる重量平均分子量を有するホモポリマーマク
ロモノマー;ここでこのホモポリマーマクロモノマーは:
(a)アミド含有モノマー;及び
(b)イソシアナトエチルメタクリレート、アルファー,アルファー−ジ
メチル−メタ−イソプロペニルベンジルイソ
シアネート、パラクロロメチルスチレン、グリシジルメタクリレート、ビニルア
ズラクトン及びそれらの混合物より成る群から選ばれるビニル−反応性エンドキ
ャッピング剤;
を含んで成るものである;
(iv)3,000〜80,000に範囲する重量平均分子量を有するコボリマーマクロ
モノマー;ここでこのコポリマーマクロモノマーは:
(a)アミド含有モノマー類及びその混合物より成る群から選ばれるモノ
マー10〜90重量部;
(b)ビニルエステル、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
及びその混合物より成る群がら選ばれるモノマー約90〜約10重量部;及び
(c)イソシアナトエチルメタクリレート、アルファー,アルファー−ジ
メチル−メタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート、パラクロロメチルスチ
レン、グリシジルメタクリレート、ビニルアズラクトン及びその混合物より成る
群から選ばれるビニル−反応性エンドキャッピング剤;
を含んで成るものであり;
ここで(iv)(a)と(iv)(b)との合計は100総重量部に相当するもので
ある;及び
(v)それらの混合物;
より成る群が選ばれるものである;並びに
(B)20〜90重量部の脱イオン水;
ここで、脱イオン水とフルオロカーボンエラストマーとモノマーチャージとの
重量の合計は100総重量部に相当ずる;
(C)100重量部の前記モノマーチャージを基礎として0.01〜5重量部の懸
濁剤;
(c)前記第一溶液と前記第二溶液とを組合せて懸濁物を形成する;
(d)前記懸濁物を撹拌しながらポリマービーズが形成されるまで前記1又は
複数のモノマーを重合させる;そして
(e)前記ボリマービーズを回収する;
を含んで成る方法。
10.請求項9記載の方法により作ったポリマービーズ。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C08K 5/54 KJM 7242−4J
C08L 25/18 LEK 7211−4J
31/00 LHH 9456−4J
33/00 LJD 8619−4J
39/00 LJY 8619−4J
43/04 LKJ 8619−4J
(72)発明者 スモルダース,ロバート アール.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133‐3427,
セントポール,ポスト オフィス ボック
ス 33427(番地なし)