JPH06136064A - 含フッ素硬化性組成物及び含フッ素硬化被膜 - Google Patents

含フッ素硬化性組成物及び含フッ素硬化被膜

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JPH06136064A
JPH06136064A JP28323892A JP28323892A JPH06136064A JP H06136064 A JPH06136064 A JP H06136064A JP 28323892 A JP28323892 A JP 28323892A JP 28323892 A JP28323892 A JP 28323892A JP H06136064 A JPH06136064 A JP H06136064A
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JP
Japan
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fluorine
bis
acid
chemical
carbon atoms
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Pending
Application number
JP28323892A
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English (en)
Inventor
Tatsuro Yoshida
達朗 吉田
Norihiro Kaiya
法博 海谷
Naoyuki Amaya
直之 天谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定の含フッ素不飽和二塩基酸ジエステル又
はこれらの混合物、若しくは該含フッ素不飽和二塩基酸
ジエステル又はこれらの混合物を構成成分として含む含
フッ素重合体50〜95重量%と、硬化性成分5〜50
重量%とを含有する含フッ素硬化性組成物及び該含フッ
素硬化性組成物を重合硬化して得られる鉛筆硬度がH以
上の表面硬度と1.44以下の屈折率とを有する含フッ
素硬化被膜が提供される。 【効果】 本発明の含フッ素硬化性組成物は、硬化する
ことで、耐候性、耐熱性、撥水撥油性に優れ、表面硬度
が高く耐摩耗性に優れ、しかも低屈折率で光透過性を有
する特に反射防止塗膜材料として有効である。また含フ
ッ素硬化被膜は、建築物、自動車、電化製品等に用いら
れる硝子、金属、合成樹脂;蛋白吸着の少ない生体適合
材料、医療用器具、臨床検査用器具等に応用することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い表面硬度を有し、
各種基材表面等に使用可能な含フッ素硬化被膜及び該硬
化被膜の原料として使用できる含フッ素硬化性組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】フルオロカーボン類は、フッ素原子の強
い電子吸引性によりC−F結合が非常に強く化学的に安
定であり、水素原子のような相互作用力(ファンデル−
ワールス力)を有しないので、炭化水素系物質とは異な
った性質、例えば、低粘度、高揮発性等を示す。これら
のフッ素原子に起因する特性は、低分子物質ばかりでな
く、高分子物質、すなわちフッ素原子を多数有する樹脂
(フッ素樹脂)に於いても同様に発現する。特にフッ素
樹脂は、その低い屈折率、化学的安定性、耐熱性等を利
用して、低屈折率被膜等に使用されている。
【0003】しかしながら、トリフルオロエチレン、フ
ッ化ビニリデン、パーフルオロエチレン重合体等の高分
子主鎖中にフッ素原子が導入されている重合体は、耐熱
性、化学的安定性に優れているものの、熱可塑性樹脂の
ような熱加工を必要とする材料の処理に用いる場合に加
工性に難があり、また有機溶剤に対する溶解性に劣ると
いう問題がある。更には金属、プラスチック、ガラス、
木材等の材料の表面を前記フッ素樹脂でコーティングし
て表面処理する場合、一旦前記フッ素樹脂を加熱溶融し
た後、機械的に圧縮するという操作が必要であり、その
ため複雑な形状を有する基材には、コーティングするこ
とができず、またガラスのように機械的に脆い基材には
不適である等、コーティングできる素材が限定されると
いう問題がある。またこれらの重合体は、不透明か、若
しくは1.44より大きい屈折率を有するため、透明性
を必要とする低屈折率被膜樹脂としては不適である。
【0004】そこでこのような熱加工性の改良、有機溶
剤に対する可溶性の改良を目的として、パーフルオロエ
チレンモノマーと他のモノマーとの共重合が提案されて
いるが、高分子主鎖中にメチレン基を有するために耐熱
性が悪く、有機溶剤への溶解性も不十分であり、また十
分な屈折率も得られていない。
【0005】また、側鎖にパーフルオロアルキル基を有
する重合性モノマー、例えば、アクリル酸含フッ素アル
キルエステルやメタクリル酸含フッ素アルキルエステル
を含む重合体あるいは含フッ素アルキルスチレンを含む
重合体も提案されている。
【0006】しかしながら、含フッ素アルキルスチレン
等を含む重合体は、有機溶剤に対する溶解性は改善され
ているものの、芳香族基が紫外線を吸収して劣化反応が
進むため長期の安定性(耐候性)に劣り、また芳香族基
は高い屈折率を示すため低屈折率被膜樹脂としては不適
であるという問題がある。一方、前記含フッ素アルキル
エステルは低い屈折率を示すものの、表面硬度が低いた
め耐摩耗性が劣るという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐候
性、耐熱性に優れ、表面硬度が高く、しかも光透過性を
有する低屈折率の含フッ素硬化被膜及び該硬化被膜の原
料として使用可能な含フッ素硬化性組成物を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式化9、化10、化11、化12(式中X1及びX2
同一若しくは異なる基であって、炭素数3〜12の分岐
アルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素
数2〜12のフルオロアルキル基、フッ素原子を有する
炭素数3〜12の分岐アルキル基又はフッ素原子を有す
る炭素数4〜12のシクロアルキル基を示す。但しX1
及びX2の少なくとも一方はフッ素原子を含む基であ
る。)で表わされる含フッ素不飽和二塩基酸ジエステル
(以下ジエステル1と称す)又はこれらの混合物、若し
くは該ジエステル1又はこれらの混合物を構成成分とし
て含む含フッ素重合体50〜95重量%と、硬化性成分
5〜50重量%とを含有することを特徴とする含フッ素
硬化性組成物が提供される。
【0009】
【化9】
【0010】
【化10】
【0011】
【化11】
【0012】
【化12】
【0013】また本発明によれば、前記含フッ素硬化性
組成物を重合硬化して得られる鉛筆硬度がH以上の表面
硬度と1.44以下の屈折率とを有することを特徴とす
る含フッ素硬化被膜が提供される。
【0014】以下本発明を更に詳細に説明する。
【0015】本発明の含フッ素硬化性組成物は、特定構
造及び特定量の含フッ素不飽和二塩基酸ジエステルと、
硬化性成分を含む組成物(以下組成物Aと称す)又は、
特定構造の含フッ素不飽和二塩基酸ジエステル又はこれ
らの混合物を構成成分として含む特定量の含フッ素重合
体と硬化性成分とを含む組成物(以下組成物Bと称す)
であって、重合した際、主鎖構造となる部分にメチレン
基を有さず、主鎖の炭素上に置換基が結合し、ガラス転
移温度が高く、また側鎖の結合に対する攻撃も受けにく
く、耐熱性、耐候性等に優れた重合体を得ることができ
る。
【0016】前記組成物A及び組成物Bに用いる含フッ
素不飽和二塩基酸ジエステルは、前記一般式化9,化1
0,化11又は化12で表わされるジエステル1であ
る。該ジエステル1においてX1,X2の炭素数が13以
上である場合には製造が困難である。該ジエステル1と
しては、具体的には例えば、シトラコン酸−ビス(2,
2,2−トリフルオロエチル)、シトラコン酸−ビス
(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、シ
トラコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,4−ヘプ
タフルオロブチル)、シトラコン酸−ビス(2,2,
3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチ
ル)、シトラコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル、シト
ラコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル)、シ
トラコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオク
チル)、シトラコン酸−ビス(3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオ
クチル)、シトラコン酸−ビス(2,2,3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,
10,10−ノナデカフルオロデシル)、シトラコン酸
−ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオ
ロデシル)、シトラコン酸−ビス(2−トリフルオロメ
チル−3,3,3−トリフルオロプロピル)、シトラコ
ン酸−ビス(3−トリフルオロメチル−4,4,4−ト
リフルオロブチル)、シトラコン酸−ビス(1−メチル
−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、シ
トラコン酸−ビス(1−メチル−2,2,3,3,4,
4,4−ヘプタフルオロブチル)、シトラコン酸−ビス
(2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブチ
ル)、シトラコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,
5,5−オクタフルオロシクロペンチル)、シトラコン
酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−
デカフルオロシクロヘキシル、シトラコン酸−ビス
(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−
ドデカフルオロシクロヘプチル)、シトラコン酸−ビス
(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8−テトラデカフルオロシクロオクチル)、シトラ
コン酸−ビス(2−トリフルオロメチルシクロブチ
ル)、シトラコン酸−ビス(3−トリフルオロメチルシ
クロブチル)、シトラコン酸−ビス(2−トリフルオロ
メチルシクロペンチル)、シトラコン酸−ビス(3−ト
リフルオロメチルシクロペンチル)、シトラコン酸−ビ
ス(2−トリフルオロメチルシクロヘキシル)、シトラ
コン酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロヘキシ
ル)、シトラコン酸−ビス(4−トリフルオロメチルシ
クロヘキシル)、シトラコン酸−ビス(2−トリフルオ
ロメチルシクロヘプチル)、シトラコン酸−ビス(3−
トリフルオロメチルシクロヘプチル)、シトラコン酸−
ビス(4−トリフルオロメチルシクロヘプチル)、メサ
コン酸−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、メ
サコン酸−ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ
プロピル)、メサコン酸−ビス(2,2,3,3,4,
4,4−ヘプタフルオロブチル)、メサコン酸−ビス
(2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ
ペンチル)、メサコン酸−ビス(2,2,3,3,4,
4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシ
ル)、メサコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチ
ル)、メサコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフル
オロオクチル)、メサコン酸−ビス(3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオ
ロオクチル)、メサコン酸−ビス(2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,1
0,10,10−ノナデカフルオロデシル)、メサコン
酸−ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオ
ロデシル)、メサコン酸−ビス(2−トリフルオロメチ
ル−3,3,3−トリフルオロプロピル)、メサコン酸
−ビス(3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフ
ルオロブチル)、メサコン酸−ビス(1−メチル−2,
2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、メサコン
酸−ビス(1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−
ヘプタフルオロブチル)、メサコン酸−ビス(2,2,
3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブチル)、メサ
コン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オク
タフルオロシクロペンチル)、メサコン酸−ビス(2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシ
クロヘキシル)、メサコン酸−ビス(2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロシク
ロヘプチル)、メサコン酸−ビス(2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカ
フルオロシクロオクチル)、メサコン酸−ビス(2−ト
リフルオロメチルシクロブチル)、メサコン酸−ビス
(3−トリフルオロメチルシクロブチル)、メサコン酸
−ビス(2−トリフルオロメチルシクロペンチル)、メ
サコン酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロペンチ
ル)、メサコン酸−ビス(2−トリフルオロメチルシク
ロヘキシル)、メサコン酸−ビス(3−トリフルオロメ
チルシクロヘキシル)、メサコン酸−ビス(4−トリフ
ルオロメチルシクロヘキシル)、メサコン酸−ビス(2
−トリフルオロメチルシクロヘプチル)、メサコン酸−
ビス(3−トリフルオロメチルシクロヘプチル)、メサ
コン酸−ビス(4−トリフルオロメチルシクロヘプチ
ル)、イタコン酸−ビス(2,2,2−トリフルオロエ
チル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,3−ペン
タフルオロプロピル)、イタコン酸−ビス(2,2,
3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)、イタコ
ン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノ
ナフルオロペンチル)、イタコン酸−ビス(2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオ
ロヘキシル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオ
ロヘプチル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタ
デカフルオロオクチル)、イタコン酸−ビス(3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデ
カフルオロオクチル)、イタコン酸−ビス(2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシ
ル)、イタコン酸−ビス(3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−
ヘプタデカフルオロデシル)、イタコン酸−ビス(2−
トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピ
ル)、イタコン酸−ビス(3−トリフルオロメチル−
4,4,4−トリフルオロブチル)、イタコン酸−ビス
(1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプ
ロピル)、イタコン酸−ビス(1−メチル−2,2,
3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)、イタコ
ン酸−ビス(2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ
シクロブチル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,
4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンチル)、イ
タコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6−デカフルオロシクロヘキシル)、イタコン酸−
ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7−ドデカフルオロシクロヘプチル)、イタコン酸−ビ
ス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8−テトラデカフルオロシクロオクチル)、イ
タコン酸−ビス(2−トリフルオロメチルシクロブチ
ル)、イタコン酸−ビス(3−トリフルオロメチルシク
ロブチル)、イタコン酸−ビス(2−トリフルオロメチ
ルシクロペンチル)、イタコン酸−ビス(3−トリフル
オロメチルシクロペンチル)、イタコン酸−ビス(2−
トリフルオロメチルシクロヘキシル)、イタコン酸−ビ
ス(3−トリフルオロメチルシクロヘキシル)、イタコ
ン酸−ビス(4−トリフルオロメチルシクロヘキシ
ル)、イタコン酸−ビス(2−トリフルオロメチルシク
ロヘプチル)、イタコン酸−ビス(3−トリフルオロメ
チルシクロヘプチル)、イタコン酸−ビス(4−トリフ
ルオロメチルシクロヘプチル)、テトラヒドロフタル酸
−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、テトラヒ
ドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,3−ペンタフル
オロプロピル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,
2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)、テ
トラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,
5,5,5−ノナフルオロペンチル)、テトラヒドロフ
タル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,
6,6−ウンデカフルオロヘキシル)、テトラヒドロフ
タル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル)、テトラ
ヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロ
オクチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデ
カフルオロオクチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス
(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロ
デシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,
10,10−ヘプタデカフルオロデシル)、テトラヒド
ロフタル酸−ビス(2−トリフルオロメチル−3,3,
3−トリフルオロプロピル)、テトラヒドロフタル酸−
ビス(3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフル
オロブチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(1−メチ
ル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、
テトラヒドロフタル酸−ビス(1−メチル−2,2,
3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)、テトラ
ヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4−ヘキ
サフルオロシクロブチル)、テトラヒドロフタル酸−ビ
ス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ
シクロペンチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシ
クロヘキシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカ
フルオロシクロヘプチル)、テトラヒドロフタル酸−ビ
ス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8−テトラデカフルオロシクロオクチル)、テ
トラヒドロフタル酸−ビス(2−トリフルオロメチルシ
クロブチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(3−トリ
フルオロメチルシクロブチル)、テトラヒドロフタル酸
−ビス(2−トリフルオロメチルシクロペンチル)、テ
トラヒドロフタル酸−ビス(3−トリフルオロメチルシ
クロペンチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2−ト
リフルオロメチルシクロヘキシル)、テトラヒドロフタ
ル酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロヘキシ
ル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(4−トリフルオロ
メチルシクロヘキシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス
(2−トリフルオロメチルシクロヘプチル)、テトラヒ
ドロフタル酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロヘ
プチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(4−トリフル
オロメチルシクロヘプチル)等を好ましく挙げることが
でき、使用に際しては単独若しくは混合物として用いる
ことができる。このようなジエステル1を調製するに
は、例えば、相当する不飽和二塩基酸と、相当する含フ
ッ素アルコールとを通常のエステル化反応により得るこ
とができる。
【0017】本発明の含フッ素硬化性組成物において、
組成物Aでは、前記ジエステル1又はこれらの混合物
を、組成物全量に対して、50〜95重量%、好ましく
は70〜90重量%の割合で配合する。この際ジエステ
ル1又はこれらの混合物の配合量が50重量%未満の場
合には、重合硬化させた際に所望の低屈折率硬化被膜が
得られず、95重量%を超えると得られる硬化被膜の機
械的強度が低下する。一方組成物Bにおいては、前記ジ
エステル1又はこれらの混合物を構成成分として含む含
フッ素重合体を組成物中に50〜95重量%、好ましく
は70〜90重量%の割合で配合する。配合量が50〜
95重量%の範囲外では、前記組成物Aと同様な問題が
生じる。
【0018】前記含フッ素重合体は、ジエステル1又は
これらの混合物の重合体又はジエステル1と共重合可能
な他の共重合成分との重合体のいずれであっても良く、
好ましくは平均分子量1000〜300000であり、
ジエステル1の構成単位を50重量%以上、特に70重
量%以上有する重合体であるのが望ましい。この際前記
他の共重合成分としては、オレフィン、(メタ)アクリ
ル酸及びそれらのアルキルエステル;マレイン酸、フマ
ル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テトラ
ヒドロフタル酸等の不飽和多塩基酸及びそれらのアルキ
ルエステル、脂肪酸のビニルエステル、スチレン類、ハ
ロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、ビニルアルキ
ルエーテル、ビニルアルキルケトン、ブタジエン類等を
好ましく挙げることができ、具体的には例えばエチレ
ン、プロピレン、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、酢酸アリール、ビニルブチルエーテル、ビ
ニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルカルバ
ゾール、1,3−ブタジエン、イソブレン等を好ましく
挙げることができ、特に酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル、スチレン、ビニルブチルエーテ
ル、ビニルメチルケトン、ブタジエン等が共重合性の点
から好ましい。また、これらモノマーにフッ素、或いは
フルオロアルキル基を導入した前記ジエステル1以外の
他の共重合性モノマーを用いるのが低屈折率を実現する
ために好ましい。
【0019】前記含フッ素重合体を調製するには、所望
のジエステル1又はこれらの混合物、必要により他の共
重合成分を、一般に用いられるラジカル重合法等により
容易に合成することができる。具体的には、ラジカル重
合開始剤、例えばアゾビスイソブチロニトリルやアゾビ
スシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスバレロニト
リル等のアゾ系のラジカル重合開始剤;過酸化ベンゾイ
ル、tert−ブチルヒドルパーオキシド、クメンパー
オキシド、ジアシルパーオキシド等の有機過酸化物系の
ラジカル重合開始剤;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ
ウム等の無機系のラジカル重合開始剤又は過酸化水素−
水酸化ナトリウム系等のレドックス系開始剤等の各種ラ
ジカル重合開始剤系を用いて、溶液重合、塊状重合、乳
化重合、懸濁重合、放射線重合等のラジカル重合法によ
り好ましくは10〜100℃にて、1〜100時間反応
を行なうことにより合成することができる。
【0020】本発明の組成物A及び組成物Bにおいて配
合する硬化性成分としては、例えば重合性不飽和基を2
個以上有する多官能性モノマー、具体的には、ジ(メ
タ)アクリル酸ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル
酸ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチル
グリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジ
メタノール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプ
ロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトー
ル、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレー
ト、ジビニルベン、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート等を好ましく挙げることができる。該硬化性
成分の配合割合は、組成物A及びBのいずれにおいても
5〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲であ
る。硬化性成分の配合割合が50重量%を超える場合に
は、重合硬化した際に屈折率が上昇し、所望の硬化被膜
が得られない。
【0021】本発明の組成物A及び組成物Bにおいて
は、前記必須成分の他に、必要に応じて他の共重合可能
な原料成分を配合することもできる。具体的には例えば
前記含フッ素重合体における使用可能な他の共重合成分
として列挙したモノマー若しくは(メタ)アクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イ
タコン酸、テトラヒドロフタル酸等の不飽和多塩基酸及
びそれらのアルキルエステルの単独重合体又は共重合体
等を挙げることができる。該他の共重合可能な原料成分
の配合量は30重量%以下であるのが好ましい。また他
の共重合可能な原料成分として、前記単独重合体又は共
重合体を配合することにより、組成物A及び組成物Bの
粘度を増加させて、使用時の操作性を高めることができ
る。
【0022】本発明の含フッ素硬化被膜は、前記組成物
A又は組成物Bを重合硬化して得られるものであって、
鉛筆硬度H以上の表面硬度と、1.44以下の屈折率と
を有する。該含フッ素硬化被膜の平均分子量は、好まし
くは1000〜300000であり、また膜厚は1〜2
000μmであるのが望ましい。
【0023】本発明の含フッ素硬化被膜を調製するに
は、例えば組成物A又は組成物B若しくは必要に応じて
溶剤、硬化開始剤等を添加した後、基材に塗布し、乾燥
後、加熱又は紫外線、電子線、放射線等の活性エネルギ
ー線の照射等により硬化させて得ることができる。
【0024】前記溶剤としては、例えば1,1,2−ト
リクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、トリフル
オロメチルベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン等を挙げることができ、また硬化開始剤と
しては、前記具体的に列挙したラジカル重合開始剤等を
使用することができる。更に前記基材としては、特に限
定されるものではないが、例えば、ガラス、石、コンク
リート、タイル等の無機材料;塩化ビニル樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリオレフィン樹脂、(メタ)
アクリル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、
フェノール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、フラン樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂、ウ
レタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂等の
合成樹脂;鉄、アルミ、銅等の金属さらに木、紙等を挙
げることができる。
【0025】更にまた前記乾燥、加熱条件は、室温〜2
00℃であるのが好ましい。
【0026】
【発明の効果】本発明の含フッ素硬化性組成物は、特定
の含フッ素不飽和二塩基酸ジエステルの単量体もしくは
重合体を主成分としているので、硬化することで、耐候
性、耐熱性、撥水撥油性に優れ、表面硬度が高く耐摩耗
性に優れ、しかも低屈折率で光透過性を有する特に反射
防止塗膜材料として有効である。
【0027】また本発明の含フッ素硬化被膜は、建築
物、自動車、電化製品等に用いられる硝子、金属、合成
樹脂等に広く利用することができる。また含フッ素重合
物特有の低表面エネルギーを有し、耐汚染性にも優れて
いるので、蛋白吸着の少ない生体適合材料、医療用器
具、臨床検査用器具等に応用することもできる。
【0028】
【実施例1】ジエステル1としてイタコン酸−ビス
(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシ
ル)8.5g及び硬化性成分としてトリメチロールプロ
パントリメタクリレート(新中村化学株式会社製)1.
4gを混合し、含フッ素硬化性組成物を調製した。
【0029】次いで得られた組成物に、硬化開始剤とし
て過酸化ベンゾイル0.1gを添加し、1,3−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン100mlに溶解させ
た後、薄膜塗布装置(杉山元医理器株式会社製)を用い
てポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に
厚さ500μmになるように塗布した。乾燥後、100
℃にて2時間加熱し、硬化を行って含フッ素硬化被膜を
調製した。得られた含フッ素硬化被膜の鉛筆硬度をJI
S K5400に従って測定した。また、PETシート
から含フッ素被膜を剥離させて、アッベ屈折計(アタゴ
株式会社製)を用いて屈折率を測定した。さらに純水に
対する接触角をコンタクトアングルメーター(共和科学
株式会社)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0030】
【実施例2〜4】表1に示すジエステル1、硬化性成
分、硬化開始剤を用いた以外は、実施例1と同様にして
含フッ素硬化性組成物及び含フッ素硬化被膜を調製し
た。得られた硬化被膜の屈折率、鉛筆硬度及び接触角を
実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
【0031】
【実施例5及び6】表1に示すジエステル1、硬化性成
分、硬化開始剤を用いた以外は、実施例1と同様にして
含フッ素硬化性組成物からなる溶液を調製し、PETフ
ィルム上にコーティングした。乾燥後、UV照射器(O
RC社製、商品名「UV−330API」)により33
0nmの紫外線を1000mJ/cm2照射した。光硬
化後、実施例1と同様に各測定を行った。結果を表1に
示す。
【0032】
【実施例7及び8】表1に示すジエステル1、硬化性成
分を用いた以外は、実施例1と同様にして含フッ素硬化
性組成物からなる溶液を調製し、PETフィルム上にコ
ーティングした。乾燥後、電子線照射器(岩崎電気株式
会社製)により加速器電圧174kV、ビーム電流2m
Aで電子線を照射した。吸収線量は4.2Mradであ
った。硬化後、実施例1と同様に各測定を行った。結果
を表1に示す。
【0033】
【実施例9〜12】表1に示すジエステル1、硬化性成
分、硬化開始剤を用いた以外は、実施例1と同様にして
含フッ素硬化性組成物からなる溶液を調製し、PETフ
ィルム上にコーティングして熱硬化し、各測定を行っ
た。結果を表1に示す。
【0034】
【比較例1及び2】トリメチロールプロパントリメタク
リレート(比較例1)またはアクリル酸−3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,
10,10−ヘプタデカフルオロデシル(比較例2)を
各々9.9gとり、硬化開始剤として過酸化ベンゾイル
0.1gを各々混合し、薄膜塗布装置(杉山元医理器株
式会社製)を用いてPETフィルム上に各溶液の厚さが
50μmになるように塗布した。乾燥後、得られた被膜
について実施例1と同様に各測定を行った。結果を表1
に示す。
【0035】尚表1中の略記はそれぞれ以下の化合物を
示す。
【0036】BF17I;イタコン酸−ビス(3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,1
0,10,10−ヘプタデカフルオロデシル) BF17C;シトラコン酸−ビス(3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,1
0−ヘプタデカフルオロデシル) BF17M;メサコン酸−ビス(3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,1
0−ヘプタデカフルオロデシル) BF17T;テトラヒドロフタル酸−ビス(3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,
10,10−ヘプタデカフルオロデシル) St;スチレン F17A;アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプ
タデカフルオロデシル TMPTM;トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト TMPTA;トリメチロールプロパントリアクリレート BPO;過酸化ベンゾイル DAR.1116;商品名「DAROCUR1116」
(メルク社製)
【0037】
【表1】
【0038】
【実施例2−1】イタコン酸−ビス(3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,1
0,10−ヘプタデカフルオロデシル)20gを1,3
−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン100mlに溶
解し、ガラス製アンプルに投入し、ラジカル重合開始剤
として過酸化イソプロピルカーボネート0.05重量部
を投入し、十分窒素置換を行い、減圧脱気を繰り返した
後、アンプルを溶封した。次に該アンプルを40℃の振
盪式の恒温槽に入れ30時間ラジカル重合を行なった。
重合終了後、アンプルの中に商品名「CGトリフロン」
(セントラル硝子株式会社製)を入れて、生成した高分
子を溶解させて溶液とし、次に大量のメタノールに注い
で高分子を沈澱させ、重合体を単離し、さらにCGトリ
フロン−メタノール系で再沈澱を繰り返した後、減圧乾
燥し含フッ素重合体であるポリイタコン酸−ビス(3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,
9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)
(分子量100000)を得た。次に得られた含フッ素
重合体8.5g及び硬化性成分として、トリメチロール
プロパントリメタクリレート(新中村化学株式会社製)
1.4gを混合し、含フッ素硬化性組成物を調製した。
【0039】次いで得られた組成物に、硬化開始剤とし
て過酸化ベンゾイル0.1gを添加し、1,3−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン100mlに溶解させ
た後、薄膜塗布装置(杉山元医理器株式会社製)を用い
てPETフィルム上に厚さ500μmになるように塗布
した。乾燥後、100℃にて2時間加熱し、硬化を行っ
て含フッ素硬化被膜を調製した。得られた硬化被膜につ
いて実施例1と同様に各種測定を行った。結果を表2に
示す。
【0040】
【実施例2−2〜2−4】表2に示す含フッ素重合体、
硬化性成分、硬化開始剤を用いた以外は、実施例2−1
と同様にして含フッ素硬化性組成物を含む溶液を調製
し、PETフィルム上にコーティングして熱硬化し、含
フッ素硬化被膜を作成した。得られた硬化被膜について
実施例1と同様に各測定を行った。結果を表2に示す。
【0041】
【実施例2−5及び2−6】表2に示す含フッ素重合
体、硬化性成分、硬化開始剤を用いた以外は、実施例2
−1と同様にして含フッ素硬化性組成物を含む溶液を調
製し、PETフィルム上にコーティングした。乾燥後、
UV照射器(ORC社製、商品名「UV−330AP
I」)により300nmの紫外線を1000mJ/cm
2照射した。光硬化後、得られた含フッ素硬化被膜につ
いて実施例1と同様な各測定を行った。結果を表2に示
す。
【0042】
【実施例2−7及び2−8】表2に示す含フッ素重合
体、硬化性成分を用いた以外は、実施例2−1と同様に
して含フッ素硬化性組成物を含む溶液を調製し、PET
フィルム上にコーティングした。乾燥後、電子線照射器
(岩崎電気社製)により加速器電圧174kV、ビーム
電流2mAで電子線を照射した。吸収線量は4.2Mr
adであった。硬化後、得られた含フッ素硬化被膜につ
いて実施例1と同様に各測定を行った。結果を表2に示
す。
【0043】
【実施例2−9〜2−12】表2に示す含フッ素重合
体、硬化性成分、硬化開始剤を用いた以外は、実施例2
−1と同様にして含フッ素硬化性組成物を含む溶液を調
製し、PETフィルム上にコーティングして熱硬化し、
含フッ素硬化被膜を作成した。得られた硬化被膜につい
て、実施例1と同様に各測定を行った。結果を表2に示
す。
【0044】
【比較例3】ポリ(アクリル酸−3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,1
0−ヘプタデカフルオロデシル)10gを、1,3−ビ
ス(トリフルオロメチル)ベンゼン100mlに溶解さ
せ、薄膜塗布装置(杉山元医理器株式会社製)を用いて
PETフィルム上に厚さ500μmになるように塗布し
た。乾燥後、得られた含フッ素硬化被膜について実施例
1と同様に各測定を行った。結果を表2に示す。
【0045】尚表2中の略記はそれぞれ以下の化合物を
示す。
【0046】P−BF17I;ポリ(イタコン酸−ビス
(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシ
ル)) P−BF17C;ポリ(シトラコン酸−ビス(3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,1
0,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)) P−BF17M;ポリ(メサコン酸−ビス(3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,
10,10−ヘプタデカフルオロデシル)) P−BF17T;ポリ(テトラヒドロフタル酸−ビス
(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシ
ル)) P-(St-F17I);スチレンとイタコン酸−ビス(3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10)−ヘプタデカフル
オロデシルの共重合体(重量組成比2:8) P−F17A;ポリ(アクリル酸−3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,1
0−ヘプタデカフルオロデシル) TMPTM;トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト TMPTA;トリメチロールプロパントリアクリレート BPO;過酸化ベンゾイル DAR.1116;商品名「DAROCUR1116」
(メルク社製)
【0047】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】本発明の含フッ素硬化被膜は、前記組成物
A又は組成物Bを重合硬化して得られるものであって、
鉛筆硬度H以上の表面硬度と、1.44以下の屈折率と
を有する。該含フッ素硬化被膜の平均分子量は、好まし
くは1000〜300000であり、また膜厚は0.0
〜2000μmであるのが望ましい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1、化2、化3、化4(式
    中X1及びX2は同一若しくは異なる基であって、炭素数
    3〜12の分岐アルキル基、炭素数4〜12のシクロア
    ルキル基、炭素数2〜12のフルオロアルキル基、フッ
    素原子を有する炭素数3〜12の分岐アルキル基又はフ
    ッ素原子を有する炭素数4〜12のシクロアルキル基を
    示す。但しX1及びX2の少なくとも一方はフッ素原子を
    含む基である。)で表わされる含フッ素不飽和二塩基酸
    ジエステル又はこれらの混合物50〜95重量%と、硬
    化性成分5〜50重量%とを含有することを特徴とする
    含フッ素硬化性組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
  2. 【請求項2】 下記一般式化5、化6、化7、化8(式
    中X1及びX2は同一若しくは異なる基であって、炭素数
    3〜12の分岐アルキル基、炭素数4〜12のシクロア
    ルキル基、炭素数2〜12のフルオロアルキル基、フッ
    素原子を有する炭素数3〜12の分岐アルキル基又はフ
    ッ素原子を有する炭素数4〜12のシクロアルキル基を
    示す。但しX1及びX2の少なくとも一方はフッ素原子を
    含む基である。)で表わされる含フッ素不飽和二塩基酸
    ジエステル又はこれらの混合物を構成成分として含む含
    フッ素重合体50〜95重量%と、硬化性成分5〜50
    重量%とを含有することを特徴とする含フッ素硬化性組
    成物。 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の含フッ素硬
    化性組成物を重合硬化して得られる鉛筆硬度がH以上の
    表面硬度と1.44以下の屈折率とを有することを特徴
    とする含フッ素硬化被膜。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6383620B1 (en) 1996-08-14 2002-05-07 Daikin Industries, Ltd. Antireflection article
WO2009048126A1 (ja) * 2007-10-12 2009-04-16 Velltech Co., Ltd. 車両用コーティング剤組成物及び車体の塗装面のコーティング方法
CN108060576A (zh) * 2016-11-09 2018-05-22 日华化学株式会社 防水防油剂组合物和防水防油性纤维制品的制造方法

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