JP2528210B2 - 易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法 - Google Patents

易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造
方法に関し、更に詳しくは熱転写がなくかつすぐれた接
着性を奏するプライマー層を塗布した、特に磁気記録媒
体の基材として有用な高強度ポリエステルフイルムの製
造方法に関する。
〈従来技術〉 熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタ
レートもしくはその共重合体、ポリエチレンナフタレー
トもしくはその共重合体、あるいはこれらと小割合の他
樹脂とのブレンド物等を溶融押出し、製膜することは公
知である。そして得られる二軸延伸熱固定したポリエス
テルフイルムは耐熱性,ガス遮断性,電気的特性及び耐
薬品性が他の樹脂からなるフイルムに比べて優れている
ことも知られている。
上記ポリエステルフイルムは、通常単純二軸延伸法即
ち縦方向及び横方向に同時延伸又は逐次延伸し、その後
高温熱固定することで製造される。ポリエステルフイル
ムは用途によってはより一層の強度向上が望まれてお
り、この為に高強度ポリエステルフイルムの製造法とし
て縦,横方向に二軸延伸した後再度の縦延伸を行う方法
(再縦延伸法)が提案されている(特公昭34−5887号,
特公昭36−2258号等)。この再縦延伸法は例えば二軸延
伸後のポリエステルフイルムを延伸温度120〜180℃,延
伸倍率1.2倍以上の条件で再縦延伸するものであり(場
合によっては更に横延伸をする)、再縦延伸フイルムは
その縦方向機械強度が、単なる二軸延伸フイルムに比
し、1.5倍以上と飛躍的に向上している利点を有し、特
にビデオテープを中心とする磁気テープ用ベースフイル
ムとして極めて有用なものである。
ところで、ポリエステルフイルムの表面は高度に結晶
配向されているので、表面の凝集性が高く、例えば塗
料,接着剤,インキ等の接着性に乏しい。
そこで、この接着性を改善する方法として物理処理例
えばコロナ処理,紫外線処理,プラズマ処理,EB処理あ
るいは火焔処理等或は薬剤処理例えば、アルカリ,アミ
ン水溶液,トリクロル酢酸フェノール類等の薬剤による
処理が知られている。しかしながら、これらの方法は接
着力の経時劣化や薬剤の揮散による作業環境の汚染等の
実用上不利な問題がある。
もう一つの手段としては通常のポリエステルフイルム
の製膜工程以外のプロセスでフイルム表面に易接着性塗
膜を塗布してプライマー層を設ける方法が知られてい
る。しかし、この方法では、通常塗剤の溶剤として有機
溶剤を用い、またコーティング雰囲気が十分にクリーン
であるとは言い難いので、塵埃の付着による加工商品の
表面欠陥の多発、あるいは有機溶剤による環境の悪化等
の安全,衛生上の問題がある。
ところで、このプライマー処理を水系塗剤を用いてポ
リエステルの製膜工程中で行なえば、クリーンな環境の
中で塵埃の付着もなく、また水系溶媒のため爆発の恐れ
や環境の悪化もなく、フイルムの性能,経済面,安全上
の点で有利である。
〈発明の目的〉 本発明者は、高強度ポリエステルフイルムの易接着化
を図るべく、単純二軸延伸法に用いられている易接着プ
ライマー塗液を、再縦延伸法の一段目の縦延伸後に塗布
したところ、二段目の縦延伸(再縦延伸)時熱ロールへ
の塗膜の転写や再延伸による塗膜の破壊脱落等の生じる
ことが明らかとなった。本発明者は、かかるトラブルを
解消すべく更に検討を行った結果、特性の易接着性付与
成分を用いかつ塗膜の環球式軟化点を120℃以上とする
ことを見出し、本発明に到達した。
本発明の目的は、その製造過程で塗膜の転写や脱落が
なく、ポリエステルフイルムに塗布される種々の被覆
物、例えばオフセットインキ,グラビヤインキ,シルク
スクリーンインキ,UVインキ,磁気塗料,ゼラチン組成
物,粘着剤,電子写真トナー,ケミカルマット塗料,ジ
アゾ塗料,ハードコート塗料,UV塗料,ヒートシール性
付与組成物,無機質皮膜形成性物質等、特に磁気塗料に
対し優れた接着性を有しかつ粘着性のないプライマー層
を有する易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方
法を提供することにある。
〈発明の構造・効果〉 本発明のかかる目的は、本発明によれば、縦方向に延
伸したポリエステルフイルムの少なくとも片面に共重合
ポリエステル樹脂を易接着性付与成分として含み、環球
式軟化点が120℃以上の塗膜を形成する水性塗液を塗布
し、次いで乾燥、横方向の延伸を行い、さらに縦方向へ
の再延伸、所望により横方向への再延伸を行い、そして
熱固定を行うことを特徴とする易接着性高強度ポリエス
テルフイルムの製造方法によって達成される。
本発明においてポリエステルフイルムを構成するポリ
エステルとは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成
性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体と
から合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポ
リエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリエチレンイソフタレート,ポリブチレンテレフ
タレート,ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテ
レフタレート),ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレート等が例示でき、これらの共重合体または
これらと小割合の他樹脂とのブレンド物なども含まれ
る。かかるポリエステルの中でも、二次転移点(Tg)が
60〜90℃のものが好ましい。
本発明における線状飽和ポリエステルは、フイルム特
性を向上する剤例えば滑剤,帯電防止剤,着色剤,難燃
剤,遮光剤,安定剤,紫外線吸収剤等を含有することが
できる。この滑剤としては内部析出粒子,外部添加粒子
のいずれでもよく、また2種以上のものを組合せたもの
でもよい。外部添加粒子としては例えばシリカ,カオリ
ン,炭酸カルシウム,リン酸カルシウム,酸化チタン等
を挙げることができ、内部析出粒子としては例えばアル
カリ(土類)金属化合物,リン化合物等の組合せでポリ
エステル製造中に析出させたものを挙げることができ
る。
本発明におけるポリエステルはそれ自体公知であり、
かつ公知の方法で製造することができる。ポリエステル
の固有粘度(O−クロロフェノール,35℃)は0.45〜0.9
が好ましい。
本発明においては、ポリエステルを常法により溶融押
出し急冷固化して、非晶質の未延伸フイルムを得ること
ができる。そして、この未延伸フイルムは、先ず縦方向
に延伸し、次いで横方向に延伸する。これらの延伸はフ
イルムを走行させて行う。縦方向及び横方向の延伸手段
は公知の手段を用いることができる。例えば、縦方向の
延伸(縦延伸)は未延伸フイルムを加熱ロール群で加熱
し低速ロールと高速ロールの周速差を利用して行う。そ
の際、低速ロールと高速ロールの間に赤外線ヒーターを
設けてフイルムを延伸温度に加熱することが好ましく、
また低速ロールでフイルムを延伸温度に加熱しても良
い。この縦方向の延伸は定常時には1.5〜2.7倍の倍率で
行う。また、横方向の延伸(横延伸)はテンター式延伸
熱処理装置を用いて行う。この横方向の延伸は、再度の
横方向延伸を行わない場合には所定倍率で行うが、再度
横方向延伸を行う場合には所定倍率(総延伸倍率)より
低い倍率で行う。横方向にも延伸した二軸延伸フイルム
には通常前述した方法の低い温度で熱(固定)処理を施
す。
かくして得られる二軸延伸フイルムは、更に、少くと
も縦方向、換言すると縦方向、或は縦方向と横方向に延
伸し、次いで熱(固定)処理を施す。この再度の縦方向
延伸(再縦延伸)は前述した一段目の縦方向延伸手段と
同じように行うことができ、また別の方法で行うことが
できる。例えば一段目の縦方向延伸を赤外線加熱方式で
行い、再縦延伸をロール加熱方式で行うことができる。
再縦延伸の方法としては赤外線加熱方式の方が、塗布物
の接触する熱ロール温度が低く、工程上有利である。ま
た再度の横方向延伸(再横延伸)及び熱(固定)処理は
テンター式延伸熱処理装置を用いて行う。このテンター
式延伸熱処理装置において横方向延伸倍率を1倍とする
と、再横延伸を実質的に実施せず、単に熱固定処理のみ
を施すことになる場合も、本発明の実施態様である。
本発明における縦延伸装置,横延伸装置,再縦延伸装
置,最終の熱処理装置等は、上述から理解できるよう
に、従来から知られているものを用いることができる。
本発明における横延伸倍率は2倍以上、更には2.5倍
以上、特に3倍以上が好ましい。もっとも再横延伸を施
すときには、上記倍率は再横延伸倍率との兼合で定める
ことができる。横延伸倍率の上限はフイルム特性による
が、6倍以下、更には5倍以下が好ましい。
再縦延伸の倍率は、フイルムの機械強度等にもよる
が、2.0倍以上、更には2.2倍以上が好ましい。この倍率
の上限は4.6倍程度とするのが好ましい。また、一段目
の縦延伸倍率(所定倍率)は1.5〜3.0倍、好ましくは1.
5〜2.6倍である。
最終熱処理の温度は、150〜240℃、更には170〜230℃
の範囲から選択するのが好ましい。この時間は通常数十
秒以下である。また延伸温度は従来から知られている温
度であることができる。
本発明においては一段目の縦延伸後にプライマー水性
塗液を塗布するが、該塗液は共重合ポリエステル樹脂を
易接着性付与成分として含有する。この共重合ポリエス
テル樹脂は水性樹脂であり、多塩基酸またはそのエステ
ル形成性誘導体とポリオールまたはそのエステル形成性
誘導体とから合成される実質的に線状のポリマーであ
る。このポリマーの多塩基酸成分としては、テレフタル
酸,イソフタル酸,フタル酸,無水フタル酸,2,6−ナフ
タンレンジカルボン酸,1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸,アジピン酸,セバシン酸,トリメリット酸,ピロメ
リット酸,ダイマー酸等を例示することができる。これ
ら成分は二種以上を用いることができる。更に、これら
成分と共にマレイン酸,フマール酸,イタコン酸等の如
き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安息香酸,p−(β−
ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の如きヒドロキシカル
ボン酸を小割合用いることができる。不飽和多塩基酸成
分やヒドロキシカルボン酸成分の割合は高々10モル%、
好ましくは5モル%以下である。
また、ポリオール成分としてはエチレングリコール,
1,4−ブタンジオール,ネオペンチルグリコール,ジエ
チレングリコール,ジプロピレングリコール,1,6−ヘキ
サンジオール,1,4−シクロヘキサンジメタノール,キシ
リレングリコール,ジメチロールプロピオン酸,グリセ
リン,トリメチロールプロパン,ポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール,ポリ(テトラメチレンオキシド)グリ
コール等を例示することができる。これらは二種以上を
用いることができる。
共重合ポリエステル樹脂は、例えば分子内に有機スル
ホン酸塩,カルボン酸塩,ジエチレングリコール,ポリ
エチレングリコール,ポリテトラメチレングリコール等
の如き親水性基含有化合物を共重合したものが水分散液
を作るのに有利となり、好ましい。このカルボン酸塩の
投入は、通常三官能以上のカルボン酸を用いるが、この
カルボン酸は重合の工程で分岐が起り、ゲル化しやすい
のでその共重合割合を小さくすることが望ましい。この
点、スルホン酸塩,ジエチレングリコール,ポリアルキ
レンエーテルグリコール等による親水基の導入はカルボ
ン酸塩のときの問題が生ぜず、より有利である。
スルホン酸塩の基をポリエステル分子内に導入するた
めには、例えば5−Naスルホイソフタル酸,5−アンモニ
ウムスルホイソフタル酸,4−Naスルホイソフタル酸,4−
メチルアンモニウムスルホイソフタル酸,2−Naスルホテ
レフタル酸,5−Kスルホイソフタル酸,4−Kスルホイソ
フタル酸,2−Kスルホイソフタル酸,Naスルホコハク酸
等のスルホン酸アルカリ金属塩系又はスルホン酸アミン
塩系化合物等を用いることが好ましい。スルホン酸塩の
基を有する多価カルボン酸又は多価アルコールは全多価
カルボン酸成分又は多価アルコール成分中0.5〜20モル
%、更には1〜18モル%を占めることが好ましい。
また、カルボン酸塩基をポリエステル分子内に導入す
るためには、例えば無水トリメリット酸,トリメリット
酸,無水ピロメリット酸,ピロメリット酸,トリメシン
酸,シクロブタンテトラカルボン酸,ジメチロールプロ
ピオン酸等の化合物を用いることができる。また、カル
ボン酸塩はカルボン酸をアミノ化合物,アンモニア,ア
ルカリ金属等で中和することによって得ることができ
る。
親水基含有化合物をポリエステル分子内に導入する場
合には公知の種々な方法を採用することができる。カル
ボン酸塩や有機スルホン酸塩の基を導入する場合につい
て更に説明すると、例えば 分子内にカルボン酸塩または有機スルホン酸塩の基
を有する化合物を出発原料の1成分としてポリエステル
を合成する方法、 分子内にカルボン酸塩を3個以上有する化合物を出
発原料の1成分としてポリエステルを合成した後に該ポ
リエステル中の遊離のカルボキシル基をアンモニア,ア
ミン,アルカリ金属化合物等で媒体中で中和させる方法 等の方法がある。の方法を更に説明すると、例えば無
水トリメリット酸をポリエステル原料の1成分として用
いて側鎖に遊離のカルボキシル基を有するポリマーを造
り、反応終了後にアンモニア水を添加して中和し、水性
ポリエステルを造ることができる。ポリエステルは溶融
重合法で製造することが好ましい。
共重合ポリエステル樹脂は環球式軟化点が120℃以上
あることが必要であり、後述する濡れ剤を用いる場合に
は該濡れ剤の作用を考慮して塗膜の環球式軟化点が120
℃以上となる特性のポリエステル樹脂を用いる。また、
共重合ポリエステル樹脂は再延伸時の延伸追従性を有す
ることが好ましく、このためプライマー塗膜の伸度が12
0℃で100%以上、更には150%以上となるものが好まし
い。塗膜の環球式軟化点が120℃より低いと、塗膜の熱
ロールへの転写が生じ、好ましくない。また塗膜の伸度
が小さすぎると、再延伸時に塗膜の破断脱落が生じ、ま
た脱落物がガイドロールに付着堆積する現象を起し、好
ましくない。
本発明におけるプライマー水性塗液には、ポリエステ
ルフイルムへの濡れ性を向上させるために濡れ剤を含有
させることが好ましい。濡れ剤としては、アニオン型界
面活性剤,カチオン型界面活性剤,ノニオン型界面活性
剤等の界面活性剤が好ましく、例えばポリエチレンオキ
サイド・ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体,
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ポリオ
キシエチレン−脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エス
テル,グリセリン脂肪酸エステル,脂肪酸金属石鹸,ア
ルカンスルホン酸塩,アルキル硫酸塩,アルキリベンゼ
ンスルホン酸塩,アルキルスルホン酸塩,アルキルジフ
ェニールエーテルジスルホン酸塩,アルキルスルホコハ
ク酸塩,第4級アンモニウムクロライド塩,アルキルア
ミン塩酸等を挙げることができる。濡れ剤の量として
は、プライマー全固形分の2〜30wt%が好ましく、より
好ましくは3〜20wt%である。更に本発明の効果を消失
させない範囲において、例えば帯電防止剤,紫外線吸収
剤,顔料,有機フィラー,無機フィラー,潤湿剤,ブロ
ッキング防止剤,メラミン,エポキシ,アジリジン等の
架橋剤等の他の添加剤を混合することができる。
水性塗液の固形分濃度は、通常30重量%以下であり、
10重量%以下が更に好ましい。塗布量は走行しているフ
イルム1m2当り0.5〜20g、さらには1〜10gが好まし
い。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用でき
る。例えばロールコート法,グラビアコート法,リバー
スコート法,ロールブラッシュ法,スプレーコート法,
エアーナイフコート法,含浸法及びカーテンコート法な
どを単独又は組み合わせて適用するとよい。この水性塗
液には、塗液の安定性又は塗液の塗工性を助ける目的で
若干量の有機溶剤を含んでもよい。
水性塗液を塗布した縦一段延伸されたポリエステルフ
イルムは、乾燥され、横延伸,再縦延伸,熱固定等の工
程に導かれる。例えば水性塗液を塗布した縦一段延伸ポ
リエステルフイルムは、ステンターに導かれて横延伸,
再縦延伸及び熱固定される。この間塗布液は乾燥し、フ
イルム上に連続皮膜を形成する。乾燥は横延伸前或いは
横延伸時に行なうと良い。
このようにして得られるプライマー層を有する高強度
ポリエステルフイルムは高強度の特徴とともに種々の被
覆物例えばセロファン用インキ,磁気塗料,ゼラチン組
成物,電子写真用トナー組成物,ケミカルマット塗料,
ジアゾ塗料,UVインキ等の極めて広汎な塗料に対して高
い接着性を示し、特に磁気塗料に強い接着性を示し、か
つ粘着性のない良好な耐ブロッキング性を示す。
〈実施例〉 以下、実施例を挙げて本発明を更に説明する。
なお、例中の「部」は「重量部」を意味する。またフ
イルムの各特性は次の方法で測定した。
1.接着性 プライマー被覆ポリエステルフイルムに評価塗料をマ
イヤーバーで乾燥後の厚さが約4μになる様に塗布し、
100℃で3分間乾燥する。その後60℃で24時間エージン
グし、次いでスコッチテープNo.600(3M社製)巾12.7m
m,長さ15cmを気泡の入らないように粘着し、この上をJI
S C2701(1975)記載の手動式荷重ロールでならし密着
させ、テープ巾に切り出す。これを180度剥離した時の
強力を測定する。
[評価用塗料] 固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 (日本ポリウレタン製) 25部 塩・酢ビ樹脂 エスレックA (積水化学製) 50部 分散剤 レシオンP (理研ビタミン製) 1部 磁性材 CTX−860(戸田化学製) 500部 をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶剤に溶解し、40%液にし、サンドグラインダーで2
時間分散する。その後架橋剤のコロネートL 25部(固
形分換算)を添加し、よく攪拌して磁性塗料を得る。
2.ブロッキング性 ポリエステルフイルムの表面と裏面を合わせてから10
cm×15cm角に切り、これに50℃×50%RHの雰囲気中で17
時間,50kg/cm2の加重をかけ、次いでこの10cm巾の剥離
強度を測定する。このときの剥離スピードは100mm/分で
ある。
3.環球式軟化点 水性塗液を乾燥し、水性バインダーと濡れ剤の乾固物
を作り、JIS K−2531−1960に準じて軟化点を測定す
る。加熱浴液はグリセリンを使用し、昇温速度は約5℃
/分とする。
4.熱延伸時の転写性テスト 再縦延伸前のフイルムを採取し、第1図の熱延伸テス
ト機で熱延伸時の転写性を評価する。即ち、第1図のア
ンワインダー1に再縦延伸前のフイルムをセットし、こ
のフイルムを120℃に加熱された表面速度が5m/minの熱
ロール2に導き、次いで表面速度が11m/minの水で冷却
しているロール3との間で延伸し、ワインダー4で捲き
取する。この延伸を1hr続けた後、プライマー層が接触
している熱ロール2の表面及び冷却ロール3のニップロ
ール6の表面を観察し、転写物の有無をしらべ、下記の
基準で評価する。
表面に全く転写物がない…○ 表面に若干転写物が観察される…△ 表面に転写物が多量に観察される…× 実施例1〜4,比較例1 固有粘度が0.65のポリエチレンテレフタレート(滑剤
含有)を170℃で3時間乾燥後20℃に維持した回転冷却
ドラム上に280℃で溶融押出して厚み150μmの未延伸フ
イルムを得、次に赤外線ヒーター法で2.0倍縦一段延伸
したのち、第1表の水性プライマー液をキスコート法に
て縦一段延伸フイルムの片面にWet5g/m2の割合で塗布し
た。引続き105℃で横方向に3.9倍延伸し、次いでこのフ
イルムを熱ロールで120℃に加熱し2組のニップロール
の速度差によって二段目縦延伸(再縦延伸)を延伸倍率
2.8倍で行い、更に215℃で6秒間熱固定を行った。この
時のフイルム厚さは10μmであり、また最終プライマー
層の厚さは0.04μmであった。このフイルムの特性を第
2表に示す。
比較例2 プライマー液を塗布しなかった以外は、実施例1と全
く同様の方法でプレーンの再縦延伸フイルムを得た。
このフイルムの特性を第2表に示す。
第2表から明らかの如く、本発明の易接着ポリエステ
ルフイルムは、再縦延伸時の熱転写もなく、また接着
性,ブロッキング性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、プライマー層の転写性を評価する熱延伸テス
ト機の概略図である。第1図中の記号は次の通り。 1:アンワインダー,2:加熱ロール 3:冷却ロール,4:ワインダー 5,6:ニップロール

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縦方向に延伸したポリエステルフイルムの
    少なくとも片面に共重合ポリエステル樹脂を易接着性付
    与成分として含み、環球式軟化点が120℃以上の塗膜を
    形成する水性塗液を塗布し、次いで乾燥、横方向の延伸
    を行い、さらに縦方向への再延伸、所望により横方向へ
    の再延伸を行い、そして熱固定を行うことを特徴とする
    易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】塗膜の120℃における伸度が100%以上であ
    る請求項1記載の易接着性高強度ポリエステルフイルム
    の製造方法。
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