JP3210206B2 - 易接着性白色ポリエステルフィルム - Google Patents

易接着性白色ポリエステルフィルム

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JP3210206B2
JP3210206B2 JP11576795A JP11576795A JP3210206B2 JP 3210206 B2 JP3210206 B2 JP 3210206B2 JP 11576795 A JP11576795 A JP 11576795A JP 11576795 A JP11576795 A JP 11576795A JP 3210206 B2 JP3210206 B2 JP 3210206B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は易接着性白色ポリエステ
ルフィルムに関し、更に詳しくは易接着性、制電性に優
れ、かつ磁性層の非転写性が改良された易接着性白色ポ
リエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタン等の白色顔料を含有する芳香
族ポリエステルからなる白色フィルムは磁気カード、印
刷材料等に広く使用されているが、プラスチックフィル
ム共通の問題として静電気が発生しやすく、製膜工程、
加工工程、さらに製品の使用時などにおいて種々のトラ
ブルを発生しやすく、また磁性塗料や印刷インキの接着
性に乏しいという欠点がある。
【0003】特にテレホンカード、プリペイドカード等
の磁気カード用に厚物の白色ポリエステルフィルムが使
用されているが、その製造工程、加工行程や最終製品と
しての帯電防止性や、UVインキ、磁気塗料に対する接
着力に難点があり、プライマーの適用も提案されてい
る。
【0004】従来より、ポリエステルフィルムの接着性
を改良するための方法として、予めフィルム表面に合成
樹脂によるプライマー層(被膜)を形成させる方法が数
多く提案されている。例えばポリエステル系ポリマーを
用いるもの(特開昭60-248232号)、アクリル系ポリマ
ーを用いるもの(特開昭62-204941号)、ポリウレタン
系ポリマーを用いるもの(特公平5-51018号)、エステ
ル系ポリマー及びアクリル系ポリマーを用いるもの(特
開昭58-124651号、特開平6ー157790号)が提案されてい
る。
【0005】しかし、これらの方法により形成されたプ
ライマー層では、磁気カードの加工工程において片面側
に磁性塗料を塗設し、これをロール状態でエージング処
理すると、磁性層の一部が反対面のプライマー層に転写
(ブロッキング)を発生し、たびたび生産効率を悪化さ
せるため、磁性層に対する接着性と非転写性のいずれも
満足させることは困難であった。また、前記フィルムは
一般に帯電しやすく、製膜工程、加工工程、さらに製品
の使用時などにおいて種々のトラブルを発生しやすい欠
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ポリエ
ステル樹脂、アクリル系樹脂およびスルホン酸塩基含有
化合物からなるプライマー層を有するポリエステルフィ
ルムについて、さらに印刷インキの接着性と磁性層の非
転写性に関し検討した結果、プライマー層を構成するバ
インダー成分の二次転移点が関与していることを見出し
た。さらに、この点を改善すべく検討した結果、プライ
マー層をある特定の性状と二次転移点の化合物を構成さ
せることによって、印刷インキに対する接着力を損なう
ことなく磁性層の非転写性を発現でき得ることを見出
し、本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、厚
さ20μm以上の白色芳香族ポリエステルフィルムの一方
の表面に、(1)平均粒径が100nm以下、二次転移点が50〜
120℃である芳香族ポリエステル樹脂5〜70重量%、(2)
平均粒径が100nm以下、二次転移点が50〜120℃であるア
クリル系共重合体5〜70重量%及び(3)分子内にスルホン
酸塩基を有する物質3〜50重量%からなる組成を含む塗
液(A)を用いて、乾燥被膜の厚みが0.02〜2μmであ
る易接着性被膜(A)を塗設し、かつ他の表面が未処理
か、該表面に(4)共重合ポリエステル樹脂、(5)アクリル
系共重合体及び(6)ポリウレタン樹脂から選ばれる少な
くとも1種からなる組成を含む塗液(B)を用いて、乾
燥被膜の厚みが0.02〜2μmである易接着性被膜(B)
を塗設したことを特徴とする易接着性白色ポリエステル
フィルムである。
【0008】本発明において白色フィルムを構成する芳
香族ポリエステルとは、芳香族二塩基酸またはそのエス
テル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性
誘導体とから合成される、結晶性の線状飽和ポリエステ
ルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘ
キシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が例示でき
る。これらは共重合体またはこれらと小割合の他樹脂と
のブレンド物などを包含する。これらの中、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレートが特に好ましい。
【0009】そして、これらポリエステルは白色顔料、
例えば酸化チタン及び/または硫酸バリウムを含有す
る。このほかに酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク等のよう
な無機フィラー、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような有機フィラ
ー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピ
レンコポリマー、オレフィン系アイオノマーのような他
の樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、等を
必要に応じて含有することもできる。
【0010】本発明における白色ポリエステルフィルム
は、酸化チタン、硫酸バリウム等の白色顔料を5〜20重
量%含んでおり、その表面光沢度は任意に選択すること
ができる。
【0011】本発明において白色ポリエステルフィルム
は二軸延伸フィルムであることが好ましく、その厚さは
20μm以上、好ましくは50〜500μm、特に好ましくは7
5〜300μmである。この厚さが20μm未満ではフィルム
の腰が弱くて不適当である。一方フィルムが厚すぎ、例
えば500μmを超えると製膜性が劣る傾向がみられる。
【0012】本発明において白色ポリエステルフィルム
の一方の表面(A)に設けるプライマー層(易接着性被
膜)(A)は、(1)平均粒径が100nm以下、二次転移点が
50〜120℃である芳香族ポリエステル樹脂5〜70重量%、
(2)平均粒径が100nm以下、二次転移点が50〜120℃であ
るアクリル系共重合体5〜70重量%及び(3)分子内にスル
ホン酸塩基を有する物質3〜50重量%からなる組成を含
む塗液(A)を上記フィルムの所要面に塗布し、加熱乾
燥することによって形成される。この加熱乾燥は被膜が
均一な薄膜を形成する温度で行う。
【0013】本発明において白色ポリエステルフィルム
の他の表面(B)に設けるプライマー層(易接着性被
膜)(B)は、(4)共重合ポリエステル樹脂、(5)アクリ
ル系共重合体及び(6)ポリウレタン樹脂から選ばれる少
なくとも1種からなる組成を含む塗液(B)を上記フィ
ルムの所要面に塗布し、加熱乾燥することによって形成
される。この加熱乾燥は被膜が均一な薄膜を形成する温
度で行う。
【0014】本発明において塗液(A)を構成する芳香
族ポリエステル樹脂(1)を形成する酸成分としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6ーナフタ
レンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、フェニルインダンジカル
ボン酸、ダイマー酸等を例示することができる。これら
成分は2種以上を用いることができる。更に、これら成
分とともにマレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の如
き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安息香酸、p−(β
−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の如きヒドロキシカ
ルボン酸を少割合用いることができる。不飽和多塩基酸
成分やヒドロキシカルボン酸成分の割合は高々10モル
%、好ましくは5モル%以下である。
【0015】また、芳香族ポリエステル樹脂(1)を形成
するポリオール成分としては、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、キシリレングリコール、ジメチロールプロピオン
酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチ
レンオキシ)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキ
シ)グリコール、更に下記式で示されるビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物やプロピレンオキサイド
付加物
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】〔但し、n+m=2〜10、ph=フェニ
レン基〕等を例示することができる。これらは2種以上
を用いることができる。
【0019】かかるポリオール成分の中でもエチレング
リコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物やプロピレンオキサイド付加物、1,4−ブタンジオ
ールが好ましく、更にエチレングリコール、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物やプロピレンオキサ
イド付加物が好ましい。
【0020】また、芳香族ポリエステル樹脂には、水溶
液化または水分散液化を容易にするために、若干量のス
ルホン酸塩基を有する化合物や、カルボン酸塩基を有す
る化合物を共重合させることが可能であり、その方が好
ましい。
【0021】このスルホン酸塩基を有する化合物として
は、例えば5−Naスルホイソフタル酸、5−アンモニ
ウムスルホイソフタル酸、4−Naスルホイソフタル
酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−
Naスルホイソフタル酸、5−Kスルホイソフタル酸、
4−Kスルホイソフタル酸、2−Kスルホイソフタル
酸、Naスルホコハク酸等のスルホン酸アルカリ金属塩
系またはスルホン酸アミン塩系化合物等があげられる。
【0022】このカルボン酸塩基を有する化合物として
は、例えば無水トリメリット酸、トリメリット酸、無水
ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シク
ロブタンテトラカルボン酸、ジメチロールプロピオン酸
等、あるいはこれらのモノアルカリ金属塩等があげられ
る。なお、遊離カルボキシル基は共重合後にアルカリ金
属化合物やアミン化合物を作用させてカルボン酸塩基と
する。
【0023】また芳香族ポリエステル樹脂(1)としては
変性ポリエステル共重合体、例えばポリエステル共重合
体をアクリル、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、
フェノール樹脂等で変性したブロック重合体、グラフト
重合体を用いることもできる。
【0024】本発明における芳香族ポリエスエル樹脂
(1)は、従来から知られまたは用いられているポリエス
テルの製造技術によって製造することができる。例えば
2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形
成性誘導体(特にジメチルエステル)、イソフタル酸ま
たはそのエステル形成性誘導体(特にジメチルエステ
ル)、及び無水トリメリット酸をエチレングリコール及
びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物と反
応せしめてモノマーもしくはオリゴマーを形成し、その
後真空下で重縮合反応せしめることによって所定の固有
粘度(o−クロロフェノールを用いて35℃で測定した固
有粘度が0.2〜0.8が好ましい。)のポリエステルとする
方法で製造することができる。その際、反応を促進する
触媒、例えばエステル化もしくはエステル交換触媒、重
縮合触媒等を用いることが好ましく、また種々の添加
剤、例えば安定剤等を添加することもできる。
【0025】芳香族ポリエステル樹脂(1)の二次転移点
(Tg)は50〜120℃であることが必要である。このT
gが50℃未満であると磁性層の転写が発生し易い。
【0026】本発明において塗液(A)を構成するアク
リル系共重合体(2)の構成成分としては、アクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ソーダ、アクリル酸アンモニウム、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、メタクリル酸、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ソーダ、メタクリル酸アンモニウム、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタ
クリレート、アクリルメタクリレート、ビニルスルホン
酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、スチレ
ンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N−メチロールメタクリルアミド等を例示する
ことができる。これらのモノマーは、例えばスチレン、
酢酸ビニル、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジビニルベンゼン等の他
の不飽和単量体と併用することもできる。
【0027】またアクリル系共重合体(2)としては変性
アクリル共重合体、例えばアクリル共重合体をポリエス
テル、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、フェノー
ル樹脂等で変性したブロック重合体、グラフト重合体を
用いることもできる。
【0028】本発明におけるアクリル系共重合体(2)の
二次転移点(Tg)は50〜120℃であることが必要であ
る。このTgが50℃未満であると磁性層の転写が発生し
易い。
【0029】本発明において塗液(A)を構成する分子
内にスルホン酸金属塩基を有する物質(3)としては、従
来知られている低分子物質や高分子物質、例えばアルキ
ルスルホン酸金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸金属
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸金属塩、
スルホン酸金属塩基を有するポリエステル共重合体、ア
クリル共重合体、ビニル共重合体等があげられる。これ
らは単独で、もしくは複数を組み合わせて用いることが
できる。
【0030】本発明において、芳香族ポリエステル樹脂
(1)およびアクリル系共重合体(2)は、平均粒径が100nm
以下である必要があり、さらに好ましくは80nm以下であ
る。この平均粒径が100nmを超えると磁性層の転写が発
生し易い。この場合、芳香族ポリエステル樹脂(1)、
アクリル系共重合体(2)は、予めそれぞれ単独に溶媒に分
散させて平均粒径を調整しておくのが好ましい。なお、
ここでいう平均粒径とは、分散体あるいは溶液を微粒子
アナライザー(PACIFIC SCIENTIFIC社製 NICOMPMODEL 2
00E)を用いて測定したものである。
【0031】本発明において、芳香族ポリエステル樹脂
(1)、アクリル系共重合体(2)及び分子内にスルホン酸金
属塩基を有する物質(3)からなる組成当たり、該芳香族
ポリエステル樹脂(1)の割合は5〜70重量%、好ましくは
10〜60重量%である。この割合が70重量%を超えるとプ
ライマー層の、印刷インキに対する接着性が十分でなく
なり、他方5重量%未満ではプライマー層のポリエステ
ルフィルムへの接着力が不足するので好ましくない。ま
た分子内にスルホン酸金属塩基を有する物質(3)の割合
は3〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。この
割合が3重量%未満では帯電防止性が不足し、他方50重
量%を超えるとプライマー層のポリエステルフィルムへ
の接着力が不足するので好ましくない。
【0032】本発明において塗液(B)を構成する共重
合ポリエステル樹脂(4)を形成する酸成分としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6ーナフタ
レンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、フェニルインダンジカル
ボン酸、ダイマー酸等を例示することができる。これら
成分は2種以上を用いることができる。更に、これら成
分とともにマレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の如
き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安息香酸、p−(β
−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の如きヒドロキシカ
ルボン酸を少割合用いることができる。不飽和多塩基酸
成分やヒドロキシカルボン酸成分の割合は高々10モル
%、好ましくは5モル%以下である。
【0033】また、共重合ポリエステル樹脂(4)を形成
するポリオール成分としては、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、キシリレングリコール、ジメチロールプロピオン
酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチ
レンオキシ)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキ
シ)グリコール、更に下記式で示されるビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物やプロピレンオキサイド
付加物
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】〔但し、n+m=2〜10、ph=フェニ
レン基〕等を例示することができる。これらは2種以上
を用いることができる。
【0037】かかるポリオール成分の中でもエチレング
リコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物やプロピレンオキサイド付加物、1,4−ブタンジオ
ールが好ましく、更にエチレングリコール、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物やプロピレンオキサ
イド付加物が好ましい。
【0038】また、芳香族ポリエステル樹脂(4)には、
水溶液化または水分散液化を容易にするために、若干量
のスルホン酸塩基を有する化合物や、カルボン酸塩基を
有する化合物を共重合させることが可能であり、その方
が好ましい。
【0039】このスルホン酸塩基を有する化合物として
は、例えば5−Naスルホイソフタル酸、5−アンモニ
ウムスルホイソフタル酸、4−Naスルホイソフタル
酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−
Naスルホイソフタル酸、5−Kスルホイソフタル酸、
4−Kスルホイソフタル酸、2−Kスルホイソフタル
酸、Naスルホコハク酸等のスルホン酸アルカリ金属塩
系またはスルホン酸アミン塩系化合物等があげられる。
【0040】このカルボン酸塩基を有する化合物として
は、例えば無水トリメリット酸、トリメリット酸、無水
ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シク
ロブタンテトラカルボン酸、ジメチロールプロピオン酸
等、あるいはこれらのモノアルカリ金属塩等があげられ
る。なお、遊離カルボキシル基は共重合後にアルカリ金
属化合物やアミン化合物を作用させてカルボン酸塩基と
する。
【0041】また共重合ポリエステル樹脂(4)としては
変性ポリエステル共重合体、例えばポリエステル共重合
体をアクリル、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、
フェノール樹脂等で変性したブロック重合体、グラフト
重合体を用いることもできる。
【0042】本発明における共重合ポリエスエル樹脂
(4)は、従来から知られまたは用いられているポリエス
テルの製造技術によって製造することができる。例えば
2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形
成性誘導体(特にジメチルエステル)、イソフタル酸ま
たはそのエステル形成性誘導体(特にジメチルエステ
ル)、及び無水トリメリット酸をエチレングリコール及
びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物と反
応せしめてモノマーもしくはオリゴマーを形成し、その
後真空下で重縮合反応せしめることによって所定の固有
粘度(o−クロロフェノールを用いて35℃で測定した固
有粘度が0.2〜0.8が好ましい。)のポリエステルとする
方法で製造することができる。その際、反応を促進する
触媒、例えばエステル化もしくはエステル交換触媒、重
縮合触媒等を用いることが好ましく、また種々の添加
剤、例えば安定剤等を添加することもできる。
【0043】本発明において塗液(B)を構成するアク
リル系共重合体(5)の構成成分としては、アクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ソーダ、アクリル
酸アンモニウム、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ソーダ、メタクリル酸アンモニウム、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸ソーダ、マレイ
ン酸ソーダ、フマル酸ソーダ、クロトン酸ソーダ、グリ
シジルメタクリレート、アクリルメタクリレート、ビニ
ルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウ
ム、スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等
を例示することができる。これらのモノマーは、例えば
スチレン、酢酸ビニル、アクリルニトリル、メタクリル
ニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジビニルベン
ゼン等の他の不飽和単量体と併用することもできる。
【0044】またアクリル系共重合体(5)としては変性
アクリル共重合体、例えばアクリル共重合体をポリエス
テル、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、フェノー
ル樹脂等で変性したブロック重合体、グラフト重合体を
用いることもできる。
【0045】本発明において塗液(B)を構成するポリウ
レタン樹脂(6)の構成成分としては、ポリイソシアネー
ト、ポリオール、鎖長延長剤、架橋剤などがあげられ
る。ポリイソシアネートの例としては、フェニレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネートなどがあげられる。
【0046】ポリオールの例としては、ポリオキシエチ
レングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポ
リオキシブチレングリコール等のようなポリエーテル
類、ポリカプロラクトンのようなポリエステル類、アク
リル系ポリオール類などがあげられる。
【0047】鎖長延長剤あるいは架橋剤の例としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパ
ン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等があげら
れる。
【0048】本発明における塗液(A)、(B)、特に
水性塗液には、芳香族ポリエステルフィルムへの濡れ性
を向上させるために濡れ剤を含有させることが好まし
い。濡れ剤としては、塗液、特に水性塗液の表面張力を
50dyne/cm以下、好ましくは40dyne/cm以下にするアニオ
ン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界
面活性剤等の界面活性剤が好ましく、例えばポリエチレ
ンオキサイド・ポリプロピレンオキサイドブロック共重
合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石
鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジ
スルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アン
モニウムクロライド塩、第4級アンモニウム硫酸エチル
塩、アルキルアミン塩酸塩等を挙げることができる。濡
れ剤の量としては、プライマー全固形分の2〜30重量%
が好ましく、より好ましくは3〜20重量%である。
【0049】本発明における塗液は有機溶剤を溶媒とす
ることも可能である。この溶剤としては、メチルエチル
ケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、トルエ
ン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパン
ノール、イソプロパノール等等を例示することができ
る。これらは単独で、もしくは複数を組み合わせて用い
ることができる。
【0050】本発明においては、発明の目的を損なわな
い範囲において、例えば他の帯電防止剤も用いることが
できる。例えば、アニオン、カチオン、ノニオン、ベタ
イン、第4級アンモニウム塩基を有するアクリル系ポリ
マー、イオネンポリマー、リン酸塩化合物、リン酸エス
テル化合物等のイオン伝導性のもの、酸化スズ-酸化ア
ンチモン等の金属酸化物、アルコキシシラン、アルコキ
シチタン、アルコキシジルコニウム等の金属アルコキシ
ド及びその誘導体、コーテッドカーボン、コーテッドシ
リカ等より選ばれる1種、もしくは複数を組み合わせて
用いることができる。
【0051】更に本発明の目的を損なわない範囲におい
て、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、有機フィ
ラー、無機フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤や、
メラミン、エポキシ、アジリジン等の架橋剤等の他の添
加剤を混合することができる。
【0052】本発明における塗液(A)、(B)の固形
分濃度は、通常30重量%以下であることが好ましい。
【0053】本発明においては上述の各成分を含む(プ
ライマー)塗液(A)を白色ポリエステルフィルムの一
方の表面(A)に塗布して易接着性塗膜(A)を塗設
し、また塗液(B)を該フィルムの他の表面(B)に所
望により塗布して易接着性塗膜(B)を塗設するが、該
フィルムとしては結晶配向が完了する前の白色ポリエス
テルフィルムが好ましい。
【0054】この結晶配向が完了する前の白色ポリエス
テルフィルムとしては、該ポリエステルを熱溶融してそ
のままフィルム状となした未延伸状フィルム、未延伸フ
ィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめ
た一軸延伸フィルム、縦方向及び横方向の二方向に低倍
率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向または横方向
に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延
伸フィルム)等を例示することができる。
【0055】ポリエステルフィルムへの塗液の塗布方法
としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロ
ールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコ
ート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプ
レーコート法、エアーナイフコート法、含浸法及びカー
テンコート法等を単独または組み合わせて適用すると良
い。なお、水性塗液を用いる場合には、塗液の安定性ま
たは塗液の塗工性を助ける目的で若干量の有機溶剤を含
ませてもよい。 塗布量は走行しているフィルム1m2
当たり3〜50g、さらには5〜40gが好ましい。最終乾燥
塗膜(被膜)(A)および(B)の厚さとしては、それ
ぞれ0.02〜2μmが必要であり、好ましくは0.05〜1μm
である。塗膜の厚さが0.02μm未満であると、十分な帯
電防止性または易接着性が得られない。他方2μmを超
えると、滑り性が低下するので好ましくない。
【0056】塗布はフィルムの用途に応じて表面(A)
のみに易接着性塗膜(A)を設けることもできるし、加
えて他の表面(B)に易接着性塗膜(B)を設けること
もできる。塗布後、乾燥することにより、均一な塗膜と
なる。
【0057】本発明における磁性層(磁気記録層)は、
特に限定されないが、代表例としては以下のものを挙げ
ることができる。すなわち磁性粉としては、γ−Fe2
O3、CrO2、Co−γ−Fe2O3、Fe3O4、
BaO・6FeO3、メタル磁性粉を、またバインダー
としては、酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、PVCな
どのビニル樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル/ブ
タジエン共重合体などのゴム系樹脂、ニトロセルロース
などの繊維素、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、及び必要に応じ添加される分散剤、
滑剤、安定剤、カーボン等の帯電防止剤、可塑剤等を混
合したものを挙げることができる。
【0058】本発明における印刷インキ層は、特に限定
されないが、従来より知られている紫外線硬化型印刷イ
ンキ、電子線硬化型インキ、さらには感熱記録型インキ
等を挙げることができる。
【0059】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。なお、例中の特性は、次の方法で求めた。
【0060】1.磁性層の非転写性 サンプルフィルムの片面(未処理面または易接着性塗膜
(B)上)に下記評価用塗料をマイヤーバーで乾燥後の
厚さが約5μmになるように塗布し、100℃で3分間
乾燥する。得られる磁性層面と、別サンプルのプライマ
ー塗布面(易接着性塗膜(A))とを重ね合わせて50
Kg/cm2の圧力下、50℃で17時間エージング
し、次いでこれを剥離した際のプライマー塗布面の着色
を目視判定する。その表面に全く変化のないものを○、
僅かに着色の認められるものを△、完全に着色している
ものを×とする。
【0061】[評価用塗料]固形分換算で、ウレタン樹
脂 ニッポラン2304(日本ポリウレタン製)25重量
部、塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA(積水化学製)50重
量部、分散剤 レシオンP (理研ビタミン製) 1重
量部及び磁性剤 CTX−860 (戸田化学製) 50
0重量部をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキ
サノン混合溶剤に溶解し、40%液とし、サンドグライン
ダーで2時間分散する。その後架橋剤のコロネートL
25重量部(固形分換算)を添加し、よく撹拌して磁性塗
料を得る。
【0062】2.磁性塗料の接着力 サンプルフィルムの易接着性塗膜(B)上に上記評価用
塗料をマイヤーバーで乾燥後の厚さが約5μmになるよ
うに塗布し、100℃で3分間乾燥する。その後60℃で24
時間エージングし、次いでスコッチテープ No.600(3
M社製)幅12.7mm、長さ15cmを気泡の入らないよう
に粘着し、この上をJIS C2701(1975)記載の手
動式荷重ロールでならし密着させ、テープ幅に切り出
す。これを180度剥離した時の強さを測定する。
【0063】3.UVインキの接着力 サンプルフィルムの易接着性塗膜(A)上に、紫外線硬
化型印刷インキ(東洋インキ製 フラッシュドライFD
カルトンP紅ロ)をRIテスター(明製作所製)により
印刷した後、中圧水銀灯(80W/cm、一灯式;日本電
池製)UVキュア装置でキュアリングを行い、厚み4μ
mのUVインキ層を形成する。このUVインキ層上にセ
ロテープ(18mm幅;ニチバン製)を15cmの長さに貼
り、この上を2Kgの手動式荷重ロールで一定の荷重を
与え、フィルムを固定してセロハンテープの一端を90
゜方向に剥離することにより剥離接着力を評価した。接
着性は次の5段階の基準で評価する。
【0064】5:インキ層が全く剥離しない 4:3%未満のインキ層が剥離する 3:3〜10%のインキ層が剥離する 2:10〜30%のインキ層が剥離する 1:30%以上のインキ層が剥離する
【0065】4.帯電防止性 帯電防止性はサンプルフィルムの易接着性塗膜(A)上
の表面固有抵抗を、タケダ理研社製固有抵抗測定器を使
用し、測定温度23℃、測定湿度65%の条件で、印加電圧
500Vで1分後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定す
る。1×1011Ω/□以下が好ましいものである。
【0066】5.ブロッキング性 ポリエステルフィルムのプライマー塗布面(易接着性塗
膜(A))と他方の未処理面もしくはプライマー塗布面
(易接着性塗膜(B))を重ね合わせてから5cm×10
cm角に切り、これに50℃、70%RHの雰囲気中で17時
間、6kg/cm2の圧力をかけ、次いでこの5cm幅
の剥離力を測定する(剥離スピード 100mm/分)。
その時の剥離力は下記のように表示する。
【0067】4g/5cm以下: ○ 4〜10g/5cm : △ 10g/5cm以上: ×
【0068】[実施例1]メタクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び
N−メチロールメタクリルアミドからなるアクリル共重
合体(Tg=52℃、平均粒径:78nm、数平均分子量:
245000)の固形分濃度10%の水分散液を調整し、水性
液Aとした。
【0069】テレフタル酸、イソフタル酸、5−Naス
ルホイソフタル酸、エチレングリコール及び下記構造式
で示されるビスフェノールAのプロピレンオキサイド付
加物からつくられた固有粘度0.53の共重合ポリエステル
(Tg=75℃、平均粒径:50nm)の固形分濃度10%
の水分散液を調整し、水性液Bとした。
【0070】
【化5】
【0071】〔但し、n+m=4 ph=フェニレン
基〕
【0072】2,6ーナフタレンジカルボン酸、イソフ
タル酸、5−Naスルホイソフタル酸、1,4−ブタン
ジオール及び下記構造式で示されるビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物からつくられた固有粘度0.52
の共重合ポリエステル(Tg=47℃、平均粒径:53n
m)の固形分濃度10%の水分散液を調整し、水性液C
とした。
【0073】
【化6】
【0074】〔但し、n+m=4、ph=フェニレン
基〕
【0075】一方、ポリエチレンテレフタレート(固有
粘度0.62)90重量%と酸化チタン10重量%からなる組成
物を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出して未
延伸フィルムとし、次に機械軸方向に3.6倍延伸した
後、一方の表面に上記水性塗液A 40重量%、水性塗
液B 30重量%、帯電防止剤であるポリスチレンスル
ホン酸ナトリウムの水溶液(濃度10重量%)20重量
%及び界面活性剤であるポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテルの水溶液(濃度10重量%)10重量%か
らなるプライマー水性塗液を20g/m2(wet)の
量で、また他の表面に上記水性液C 90重量%及び界
面活性剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルの水溶液(濃度10重量%)10重量%からなるプ
ライマー塗液を10g/m2(wet)の量でそれぞれ
キスコート法にて塗布し乾燥した。引き続き横方向に
3.6倍延伸し、厚さ188μmの二軸延伸プライマー被
覆(易接着性塗膜(A)及び易接着性塗膜(B)を設け
た)ポリエステルフィルムを得た。
【0076】このフィルムの処理面の磁性層の非転写
性、磁性塗料の接着性、UVインキの接着力、帯電防止
性及び耐ブロッキング性を表.1にまとめて示す。
【0077】[実施例2]実施例1で用いた帯電防止剤
をジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムに変更
し、さらに水性液Cをメタクリル酸メチル、アクリル酸
ブチル、メタクリル酸及びN−メチロールアクリルアミ
ドからなるアクリル共重合体(Tg=32℃、平均粒
径:158nm、数平均分子量:285000)の固形分濃度10
%の水分散液に変更する以外は、実施例1と全く同様に
フィルムの両面にそれぞれ塗布して二軸延伸プライマー
被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0078】このフィルムの処理面の磁性層の非転写
性、磁性塗料の接着性、UVインキの接着力、帯電防止
性及び耐ブロッキング性を表.1にまとめて示す。
【0079】[比較例1]実施例1で用いたアクリル共
重合体をメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート及びN−メチロールメ
タクリルアミドからなるアクリル共重合体(Tg=24
℃、平均粒径:73nm、数平均分子量:262000)に変更す
る以外は、実施例1と全く同様にフィルムの両面にそれ
ぞれ塗布して二軸延伸プライマー被覆ポリエステルフィ
ルムを得た。
【0080】このフィルムの処理面の磁性層の非転写
性、磁性塗料の接着性、UVインキの接着力、帯電防止
性及び耐ブロッキング性を表.1にまとめて示す。
【0081】[比較例2]実施例1で用いた共重合ポリ
エステルをテレフタル酸、イソフタル酸、5−Naスル
ホイソフタル酸、1,4−ブタンジオール及びジエチレ
ングリコールからつくられた固有粘度0.53の共重合ポリ
エステル(Tg=22℃、平均粒径:66nm)に変更する
以外は、実施例1と全く同様にフィルムの両面にそれぞ
れ塗布して二軸延伸プライマー被覆ポリエステルフィル
ムを得た。
【0082】このフィルムの処理面の磁性層の非転写
性、磁性塗料の接着性、UVインキの接着力、帯電防止
性及び耐ブロッキング性を表.1にまとめて示す。
【0083】[比較例3]実施例1で用いたアクリル共
重合体をメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート及びN−メチロールメ
タクリルアミドからなるアクリル共重合体(Tg=56
℃、平均粒径:157nm、数平均分子量:270000)に、ま
た共重合ポリエステルをテレフタル酸、イソフタル酸、
5−Naスルホイソフタル酸、エチレングリコール及び
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物からつ
くられた固有粘度0.55の共重合ポリエステル(Tg=7
6℃、平均粒径:149nm)に変更する以外は、実施例1
と全く同様にフィルムの両面にそれぞれ塗布して二軸延
伸プライマー被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0084】このフィルムの処理面の磁性層の非転写
性、磁性塗料の接着性、UVインキの接着力、帯電防止
性及び耐ブロッキング性を表.1にまとめて示す。
【0085】[比較例4]実施例1で用いたプライマー
塗液をアクリル共重合体の水性液A 45重量%、共重
合ポリエステルの水性液B 45重量%及び界面活性剤
であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの水
溶液(濃度10重量%)10重量%からなるプライマー
塗液に変更する以外は、実施例1と全く同様にフィルム
の両面にそれぞれ塗布して二軸延伸プライマー被覆ポリ
エステルフィルムを得た。
【0086】このフィルムの処理面の磁性層の非転写
性、磁性塗料の接着性、UVインキの接着力、帯電防止
性及び耐ブロッキング性を表.1にまとめて示す。
【0087】[比較例5]実施例1において、プライマ
ーコーティングをせずに得た二軸配向ポリエステルフィ
ルムの磁気塗料の転写性、接着性、UVインキの接着
力、帯電防止性、耐ブロッキング性及び塗膜の造膜性を
表.1にまとめて示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】本発明による易接着性白色ポリエステル
フィルムは従来のものに比べて特に磁性層の非転写性、
接着力、耐ブロッキング性に優れ、しかも帯電防止性が
良好であるため、例えば磁気カード、磁気ディスク、印
刷材料等に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−157790(JP,A) 特開 平6−99559(JP,A) 特開 平3−26543(JP,A) 特開 平3−17135(JP,A) 特開 昭58−124651(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/00 - 27/42 C08J 7/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ20μm以上の白色芳香族ポリエステ
    ルフィルムの一方の表面に、(1)平均粒径が100nm以
    下、二次転移点が50〜120℃である芳香族ポリエステル
    樹脂5〜70重量%、(2)平均粒径が100nm以下、二次転移
    点が50〜120℃であるアクリル系共重合体5〜70重量%及
    び(3)分子内にスルホン酸塩基を有する物質3〜50重量
    %からなる組成を含む塗液(A)を用いて、乾燥被膜の
    厚みが0.02〜2μmである易接着性被膜(A)を塗設
    し、かつ他の表面が未処理か、該表面に(4)共重合ポリ
    エステル樹脂、(5)アクリル系共重合体及び(6)ポリウ
    レタン樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる組成を
    含む塗液(B)を用いて、乾燥被膜の厚みが0.02〜2μ
    mである易接着性被膜(B)を塗設したことを特徴とす
    る易接着性白色ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 塗液(A)及び/又は塗液(B)が水性
    塗液である請求項1記載の易接着性白色ポリエステルフ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 水性塗液中の芳香族ポリエステル樹脂が
    水溶媒に溶解しているか平均粒径100nm以下で微分散し
    ており、またアクリル系共重合体が水溶媒に溶解してい
    るか平均粒径100nm以下で微分散している請求項2記載
    の易接着性白色ポリエスポリエステルフイルム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の易接着性白色ポリエステ
    ルフィルムの易接着性被膜(A)の少なくとも一部の上
    に印刷インキ層を、及び/または未処理表面もしくは易
    接着性被膜(B)の少なくとも一部の上に磁性層を設け
    た積層フィルム。
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JP2000345105A (ja) * 1999-06-07 2000-12-12 Nippon Steel Corp カーテン安定性に優れるカーテンコーター用塗料及びカーテンコーターによる塗装製品の製造方法
JP5201686B2 (ja) * 2009-04-16 2013-06-05 住友化学株式会社 粘着剤層付位相差フィルム、それを用いた楕円偏光板および液晶表示装置
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