JPH071574A - 易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法 - Google Patents
易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法Info
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- JPH071574A JPH071574A JP14925093A JP14925093A JPH071574A JP H071574 A JPH071574 A JP H071574A JP 14925093 A JP14925093 A JP 14925093A JP 14925093 A JP14925093 A JP 14925093A JP H071574 A JPH071574 A JP H071574A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 その製造過程で塗膜の転写や脱落がなく、ま
た帯電性が低く、その上に塗布される種々の被覆物例え
ば磁性塗料に対し優れた接着性を有する、易接着性高強
度ポリエステルフイルムの製造方法を提供する。 【構成】 縦延伸ポリエステルフイルムの少なくとも片
面に120℃でのビカット硬度が3×10-4〜60×1
0-4g・f/μmである水性ポリウレタンを主成分とし
た水性塗液を塗布し、次いで乾燥、横方向の延伸を行
い、さらに縦方向への再延伸、所望により横方向への再
延伸し、そして熱固定することを特徴とする。
た帯電性が低く、その上に塗布される種々の被覆物例え
ば磁性塗料に対し優れた接着性を有する、易接着性高強
度ポリエステルフイルムの製造方法を提供する。 【構成】 縦延伸ポリエステルフイルムの少なくとも片
面に120℃でのビカット硬度が3×10-4〜60×1
0-4g・f/μmである水性ポリウレタンを主成分とし
た水性塗液を塗布し、次いで乾燥、横方向の延伸を行
い、さらに縦方向への再延伸、所望により横方向への再
延伸し、そして熱固定することを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は易接着性高強度ポリエス
テルフイルムの製造方法に関し、更に詳しくは低帯電性
で静電障害がなく、かつ磁性塗料等の接着性に優れたプ
ライマー層を塗設した易接着性高強度ポリエステルフイ
ルムの製造方法に関する。
テルフイルムの製造方法に関し、更に詳しくは低帯電性
で静電障害がなく、かつ磁性塗料等の接着性に優れたプ
ライマー層を塗設した易接着性高強度ポリエステルフイ
ルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチ
レンテレフタレートもしくはその共重合体、ポリエチレ
ンナフタレートもしくはその共重合体、あるいはこれら
と小割合の他樹脂とのブレンド物等を溶融押出し、製膜
することは公知である。そしてポリエステルフイルムの
製造法として縦、横方向に二軸延伸した後再度の縦延伸
を行う方法(再縦延伸法)が提案されている(特公昭3
4―5887号,特公昭36―2258号等)。この再
縦延伸法は、例えば二軸延伸後のポリエステルフイルム
を延伸温度80〜180℃、延伸倍率1.2倍以上の条
件で再縦延伸するものであり(場合によっては更に横延
伸をする)、再縦延伸フイルムはその縦方向機械強度
が、単なる二軸延伸フイルムに比し、1.5倍以上と飛
躍的に向上している利点を有し、特にビデオテープを中
心とする磁気テープ用ベースフイルムとして極めて有用
なものである。
レンテレフタレートもしくはその共重合体、ポリエチレ
ンナフタレートもしくはその共重合体、あるいはこれら
と小割合の他樹脂とのブレンド物等を溶融押出し、製膜
することは公知である。そしてポリエステルフイルムの
製造法として縦、横方向に二軸延伸した後再度の縦延伸
を行う方法(再縦延伸法)が提案されている(特公昭3
4―5887号,特公昭36―2258号等)。この再
縦延伸法は、例えば二軸延伸後のポリエステルフイルム
を延伸温度80〜180℃、延伸倍率1.2倍以上の条
件で再縦延伸するものであり(場合によっては更に横延
伸をする)、再縦延伸フイルムはその縦方向機械強度
が、単なる二軸延伸フイルムに比し、1.5倍以上と飛
躍的に向上している利点を有し、特にビデオテープを中
心とする磁気テープ用ベースフイルムとして極めて有用
なものである。
【0003】ところで、ポリエステルフイルムの表面は
高度に結晶配向されているので、表面の凝集性が高く、
例えば塗料、接着剤、インキ等の接着性に乏しい。
高度に結晶配向されているので、表面の凝集性が高く、
例えば塗料、接着剤、インキ等の接着性に乏しい。
【0004】そこで、この接着性を改善する方法とし
て、物理処理例えば、コロナ処理、紫外線処理、プラズ
マ処理、EB処理、火焔処理等或は薬剤処理例えば、ア
ルカリ、アミン水溶液、トリクロル酢酸フェノール類等
の薬剤による処理が知られている。しかしながら、これ
らの方法は接着力の経時劣化や薬剤の揮散による作業環
境の汚染等の実用上不利な問題がある。
て、物理処理例えば、コロナ処理、紫外線処理、プラズ
マ処理、EB処理、火焔処理等或は薬剤処理例えば、ア
ルカリ、アミン水溶液、トリクロル酢酸フェノール類等
の薬剤による処理が知られている。しかしながら、これ
らの方法は接着力の経時劣化や薬剤の揮散による作業環
境の汚染等の実用上不利な問題がある。
【0005】もう一つの手段としては、通常のポリエス
テルフイルムの製膜工程以外の工程でフイルム表面に易
接着性塗液を塗布してプライマー層を設ける方法が知ら
れている。しかし、この方法では、通常塗液の溶剤とし
て有機溶剤を用い、またコーティング雰囲気が十分にク
リーンであるとは言い難いので、塵埃の付着による加工
商品の表面欠陥の多発、あるいは有機溶剤による環境の
悪化等の安全、衛生上の問題がある。
テルフイルムの製膜工程以外の工程でフイルム表面に易
接着性塗液を塗布してプライマー層を設ける方法が知ら
れている。しかし、この方法では、通常塗液の溶剤とし
て有機溶剤を用い、またコーティング雰囲気が十分にク
リーンであるとは言い難いので、塵埃の付着による加工
商品の表面欠陥の多発、あるいは有機溶剤による環境の
悪化等の安全、衛生上の問題がある。
【0006】そこで、このプライマー処理を水系塗液を
用いてポリエステルの製膜工程中で行なえば、クリーン
な環境の中で塵埃の付着もなく、また水系溶媒のため爆
発の恐れや環境の悪化もなく、フイルムの性能、経済
面、安全上の点で有利である。
用いてポリエステルの製膜工程中で行なえば、クリーン
な環境の中で塵埃の付着もなく、また水系溶媒のため爆
発の恐れや環境の悪化もなく、フイルムの性能、経済
面、安全上の点で有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、高強度ポ
リエステルフイルムの易接着化を図るべく、単純二軸延
伸法に用いられている易接着プライマー塗液を、再縦延
伸法の一段目の縦延伸後に塗布したところ、二段目の縦
延伸(再縦延伸)時熱ロールへの塗膜の転写や再延伸に
よる塗膜の破壊脱落等のトラブルの生じることが明らか
となった。そこで、本発明者は、かかるトラブルを解消
すべく更に検討を行った結果、120℃のビカット硬度
が特定の範囲にある水性ポリウレタンを主成分とする水
性塗液を塗布することで上記トラブルを解消できること
を見出し、本発明に到達した。
リエステルフイルムの易接着化を図るべく、単純二軸延
伸法に用いられている易接着プライマー塗液を、再縦延
伸法の一段目の縦延伸後に塗布したところ、二段目の縦
延伸(再縦延伸)時熱ロールへの塗膜の転写や再延伸に
よる塗膜の破壊脱落等のトラブルの生じることが明らか
となった。そこで、本発明者は、かかるトラブルを解消
すべく更に検討を行った結果、120℃のビカット硬度
が特定の範囲にある水性ポリウレタンを主成分とする水
性塗液を塗布することで上記トラブルを解消できること
を見出し、本発明に到達した。
【0008】本発明の目的は、その製造過程で塗膜の転
写や脱落がなく、ポリエステルフイルムに塗布される種
々の被覆物、例えばオフセットインキ、グラビヤイン
キ、シルクスクリーンインキ、UVインキ、磁性塗料、
粘着剤、電子写真トナー、ケミカルマット塗料、ジアゾ
塗料、ハードコート塗料、UV塗料、ヒートシール性付
与組成物、無機質皮膜形成性物質等、特に磁性塗料に対
し優れた接着性を有しかつ粘着性のないプライマー層を
有する易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法
を提供することにある。
写や脱落がなく、ポリエステルフイルムに塗布される種
々の被覆物、例えばオフセットインキ、グラビヤイン
キ、シルクスクリーンインキ、UVインキ、磁性塗料、
粘着剤、電子写真トナー、ケミカルマット塗料、ジアゾ
塗料、ハードコート塗料、UV塗料、ヒートシール性付
与組成物、無機質皮膜形成性物質等、特に磁性塗料に対
し優れた接着性を有しかつ粘着性のないプライマー層を
有する易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
本発明によれば、縦方向に延伸したポリエステルフイル
ムの少なくとも片面に120℃でのビカット硬度が3×
10-4〜60×10-4g・f/μm以上である水性ポリ
ウレタンを主成分とする水性塗液を塗布し、次いで乾
燥、横方向の延伸を行い、さらに縦方向への再延伸、所
望により横方向への再延伸を行い、そして熱固定を行う
ことを特徴とする易接着性高強度ポリエステルフイルム
の製造方法によって達成される。
本発明によれば、縦方向に延伸したポリエステルフイル
ムの少なくとも片面に120℃でのビカット硬度が3×
10-4〜60×10-4g・f/μm以上である水性ポリ
ウレタンを主成分とする水性塗液を塗布し、次いで乾
燥、横方向の延伸を行い、さらに縦方向への再延伸、所
望により横方向への再延伸を行い、そして熱固定を行う
ことを特徴とする易接着性高強度ポリエステルフイルム
の製造方法によって達成される。
【0010】本発明においてポリエステルフイルムを構
成するポリエステルとは、芳香族二塩基酸またはそのエ
ステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成
性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルであ
る。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリ(1,4―シクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン―2,6
―ナフタレンジカルボキシレート等が例示でき、これら
の共重合体またはこれらと小割合の他樹脂とのブレンド
物なども含まれる。かかるポリエステルの中でも、二次
転移点(Tg)が60〜90℃のものが好ましい。
成するポリエステルとは、芳香族二塩基酸またはそのエ
ステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成
性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルであ
る。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリ(1,4―シクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン―2,6
―ナフタレンジカルボキシレート等が例示でき、これら
の共重合体またはこれらと小割合の他樹脂とのブレンド
物なども含まれる。かかるポリエステルの中でも、二次
転移点(Tg)が60〜90℃のものが好ましい。
【0011】本発明におけるポリエステルは、フイルム
特性を向上する剤例えば、滑剤、帯電防止剤、着色剤、
難燃剤、遮光剤、安定剤、紫外線吸収剤等を含有するこ
とができる。この滑剤としては内部析出粒子、外部添加
粒子のいずれでもよく、また2種以上のものを組合せた
ものでもよい。外部添加粒子としては例えばシリカ、カ
オリン、アルミナ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、酸化チタン、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレ
ン粒子等を挙げることができ、内部析出粒子としては例
えばアルカリ(土類)金属化合物、リン化合物等の組合
せでポリエステル製造中に析出させたものを挙げること
ができる。
特性を向上する剤例えば、滑剤、帯電防止剤、着色剤、
難燃剤、遮光剤、安定剤、紫外線吸収剤等を含有するこ
とができる。この滑剤としては内部析出粒子、外部添加
粒子のいずれでもよく、また2種以上のものを組合せた
ものでもよい。外部添加粒子としては例えばシリカ、カ
オリン、アルミナ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、酸化チタン、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレ
ン粒子等を挙げることができ、内部析出粒子としては例
えばアルカリ(土類)金属化合物、リン化合物等の組合
せでポリエステル製造中に析出させたものを挙げること
ができる。
【0012】本発明におけるポリエステルはそれ自体公
知であり、かつ公知の方法で製造することができる。ポ
リエステルの固有粘度(O―クロロフェノール、35
℃)は0.45〜0.9が好ましい。
知であり、かつ公知の方法で製造することができる。ポ
リエステルの固有粘度(O―クロロフェノール、35
℃)は0.45〜0.9が好ましい。
【0013】本発明においては、ポリエステルを常法に
より溶融押出し急冷固化して、非晶質の未延伸フイルム
を得、そして、この未延伸フイルムを先ず縦方向に延伸
し、次いで横方向に延伸する。これらの延伸はフイルム
を走行させて行う。縦方向及び横方向の延伸手段は公知
の手段を用いることができる。例えば、縦方向の延伸
(縦延伸)は未延伸フイルムを加熱ロール群で加熱し、
低速ロールと高速ロールの周速差を利用して行う。その
際、低速ロールと高速ロールの間に赤外線ヒーターを設
けてフイルムを延伸温度に加熱することが好ましく、ま
た低速ロールでフイルムを延伸温度に加熱しても良い。
この縦方向の延伸は定常時には1.5〜2.7倍の倍率
で行う。また、横方向の延伸(横延伸)はテンター式延
伸熱処理装置を用いて行う。この横方向の延伸は、再度
の横方向延伸を行わない場合には所定倍率で行うが、再
度横方向延伸を行う場合には所定倍率(総延伸倍率)よ
り低い倍率で行う。横方向にも延伸した二軸延伸フイル
ムには通常前述した方法の低い温度で熱処理を施す。
より溶融押出し急冷固化して、非晶質の未延伸フイルム
を得、そして、この未延伸フイルムを先ず縦方向に延伸
し、次いで横方向に延伸する。これらの延伸はフイルム
を走行させて行う。縦方向及び横方向の延伸手段は公知
の手段を用いることができる。例えば、縦方向の延伸
(縦延伸)は未延伸フイルムを加熱ロール群で加熱し、
低速ロールと高速ロールの周速差を利用して行う。その
際、低速ロールと高速ロールの間に赤外線ヒーターを設
けてフイルムを延伸温度に加熱することが好ましく、ま
た低速ロールでフイルムを延伸温度に加熱しても良い。
この縦方向の延伸は定常時には1.5〜2.7倍の倍率
で行う。また、横方向の延伸(横延伸)はテンター式延
伸熱処理装置を用いて行う。この横方向の延伸は、再度
の横方向延伸を行わない場合には所定倍率で行うが、再
度横方向延伸を行う場合には所定倍率(総延伸倍率)よ
り低い倍率で行う。横方向にも延伸した二軸延伸フイル
ムには通常前述した方法の低い温度で熱処理を施す。
【0014】かくして得られる二軸延伸フイルムは、更
に、少なくとも縦方向、換言すると縦方向、或は縦方向
と横方向に延伸し、次いで熱(固定)処理を施す。この
再度の縦方向延伸(再縦延伸)は前述した一段目の縦方
向延伸手段と同じように行うことができ、また別の方法
で行うことができる。例えば一段目の縦方向延伸を赤外
線加熱方式で行い、再縦延伸をロール加熱方式で行うこ
とができる。再縦延伸の方法としては赤外線加熱方式の
方が、塗布物の接触する熱ロールの温度を低くでき、工
程上有利である。また再度の横方向延伸(再横延伸)及
び熱(固定)処理はテンター式延伸熱処理装置を用いて
行う。このテンター式延伸熱処理装置において横方向延
伸倍率を1倍とすると、再横延伸を実質的に実施せず、
単に熱固定処理のみを施すことになる場合も、本発明の
実施態様である。
に、少なくとも縦方向、換言すると縦方向、或は縦方向
と横方向に延伸し、次いで熱(固定)処理を施す。この
再度の縦方向延伸(再縦延伸)は前述した一段目の縦方
向延伸手段と同じように行うことができ、また別の方法
で行うことができる。例えば一段目の縦方向延伸を赤外
線加熱方式で行い、再縦延伸をロール加熱方式で行うこ
とができる。再縦延伸の方法としては赤外線加熱方式の
方が、塗布物の接触する熱ロールの温度を低くでき、工
程上有利である。また再度の横方向延伸(再横延伸)及
び熱(固定)処理はテンター式延伸熱処理装置を用いて
行う。このテンター式延伸熱処理装置において横方向延
伸倍率を1倍とすると、再横延伸を実質的に実施せず、
単に熱固定処理のみを施すことになる場合も、本発明の
実施態様である。
【0015】本発明における縦延伸装置、横延伸装置、
再縦延伸装置、最終の熱処理装置等は、上述から理解で
きるように、従来から知られているものを用いることが
できる。
再縦延伸装置、最終の熱処理装置等は、上述から理解で
きるように、従来から知られているものを用いることが
できる。
【0016】本発明における横延伸倍率は2倍以上、更
には2.5倍以上、特に3倍以上が好ましい。もっとも
再横延伸を施すときには、上記倍率は再横延伸倍率との
兼合で定めることができる。横延伸倍率の上限はフイル
ム特性によるが、6倍以下、更には5倍以下が好まし
い。
には2.5倍以上、特に3倍以上が好ましい。もっとも
再横延伸を施すときには、上記倍率は再横延伸倍率との
兼合で定めることができる。横延伸倍率の上限はフイル
ム特性によるが、6倍以下、更には5倍以下が好まし
い。
【0017】再縦延伸の倍率は、フイルムの機械強度等
にもよるが、1.5倍以上、更には2.0倍以上が好ま
しい。この倍率の上限は、4.6倍程度とするのが好ま
しい。また、一段目の縦延伸倍率(所定倍率)は1.5
〜3.0倍、好ましくは1.5〜2.6倍である。再縦
延伸温度は80〜160℃が好ましく、90〜140℃
が最も好ましい。
にもよるが、1.5倍以上、更には2.0倍以上が好ま
しい。この倍率の上限は、4.6倍程度とするのが好ま
しい。また、一段目の縦延伸倍率(所定倍率)は1.5
〜3.0倍、好ましくは1.5〜2.6倍である。再縦
延伸温度は80〜160℃が好ましく、90〜140℃
が最も好ましい。
【0018】最終熱処理の温度は150〜240℃、更
には170〜230℃の範囲から選択するのが好まし
い。この時間は通常数十秒以下である。また延伸温度は
従来から知られている温度であることができる。
には170〜230℃の範囲から選択するのが好まし
い。この時間は通常数十秒以下である。また延伸温度は
従来から知られている温度であることができる。
【0019】本発明においては一段目の縦延伸後にプラ
イマー水性塗液を塗布するが、該塗液は120℃でのビ
カット硬度が3×10-4〜60×10-4g・f/μm以
上の水性ポリウレタンを主成分とするものである。
イマー水性塗液を塗布するが、該塗液は120℃でのビ
カット硬度が3×10-4〜60×10-4g・f/μm以
上の水性ポリウレタンを主成分とするものである。
【0020】この水性ポリウレタンは、公知のポリウレ
タン樹脂に水への親和性を高めるカルボン酸塩基、スル
ホン酸塩基、硫酸半エステル塩基等のアニオン性官能基
または第4級アンモニウム塩基等のカチオン性官能基を
導入したものである。これらの官能基の中では、水中で
の分散性、合成時の反応制御の容易さからアニオン性官
能基が好ましく、更にカルボン酸塩基、スルホン酸塩基
が好ましい。
タン樹脂に水への親和性を高めるカルボン酸塩基、スル
ホン酸塩基、硫酸半エステル塩基等のアニオン性官能基
または第4級アンモニウム塩基等のカチオン性官能基を
導入したものである。これらの官能基の中では、水中で
の分散性、合成時の反応制御の容易さからアニオン性官
能基が好ましく、更にカルボン酸塩基、スルホン酸塩基
が好ましい。
【0021】このカルボン酸塩基の導入は、例えばポリ
ウレタン合成時、原料ポリヒドロキシ化合物の一つとし
てカルボン酸基含有ポリヒドロキシ化合物を用いるか、
未反応イソシアネート基を有するポリウレタンの該イソ
シアネート基に水酸基含有カルボン酸やアミノ基含有カ
ルボン酸を反応させ、次いで反応生成物を高速撹拌下で
アルカリ水溶液中に添加し、中和する等によって行なう
ことができる。
ウレタン合成時、原料ポリヒドロキシ化合物の一つとし
てカルボン酸基含有ポリヒドロキシ化合物を用いるか、
未反応イソシアネート基を有するポリウレタンの該イソ
シアネート基に水酸基含有カルボン酸やアミノ基含有カ
ルボン酸を反応させ、次いで反応生成物を高速撹拌下で
アルカリ水溶液中に添加し、中和する等によって行なう
ことができる。
【0022】また、スルホン酸塩または硫酸半エステル
塩基の導入は、通常ポリヒドロキシ化合物、ポリイソシ
アネート及び鎖延長剤からプレポリマーを生成させ、こ
れに末端イソシアネート基と反応しうるアミノ基または
水酸基とスルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基とを
分子内に有する化合物を添加、反応させ、最終的に分子
内にスルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基を有する
水性ポリウレタンを得ることで行なうことができる。そ
の際生成反応は有機溶剤中で行ない、次いで水を加えて
から該溶剤を除去することが好ましい。また他の方法と
してはスルホン酸基を有する化合物を原料の一つとして
使用してスルホン酸基を有するポリウレタンを合成し、
次いで該ポリウレタンを高速撹拌下でアルカリ水溶液中
に添加し、中和する方法、ポリウレタンの主鎖又は側鎖
の第1級又は第2級アミノ基にアルカリの存在下で下記
サルトン化合物を付加してスルホン酸アルカリ塩(例え
ば―SO3 Na等)を導入する方法等があげられる。ア
ルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア、アルキルアミン等の水溶液を用いるこ
とが好ましいが、該アルカリが被覆膜(下塗り膜)中に
残留しないアンモニア、乾固条件で揮発するアミンが特
に好ましい。
塩基の導入は、通常ポリヒドロキシ化合物、ポリイソシ
アネート及び鎖延長剤からプレポリマーを生成させ、こ
れに末端イソシアネート基と反応しうるアミノ基または
水酸基とスルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基とを
分子内に有する化合物を添加、反応させ、最終的に分子
内にスルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基を有する
水性ポリウレタンを得ることで行なうことができる。そ
の際生成反応は有機溶剤中で行ない、次いで水を加えて
から該溶剤を除去することが好ましい。また他の方法と
してはスルホン酸基を有する化合物を原料の一つとして
使用してスルホン酸基を有するポリウレタンを合成し、
次いで該ポリウレタンを高速撹拌下でアルカリ水溶液中
に添加し、中和する方法、ポリウレタンの主鎖又は側鎖
の第1級又は第2級アミノ基にアルカリの存在下で下記
サルトン化合物を付加してスルホン酸アルカリ塩(例え
ば―SO3 Na等)を導入する方法等があげられる。ア
ルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア、アルキルアミン等の水溶液を用いるこ
とが好ましいが、該アルカリが被覆膜(下塗り膜)中に
残留しないアンモニア、乾固条件で揮発するアミンが特
に好ましい。
【0023】カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、硫酸半
エステル塩基等の塩基の量は(0.5〜20)×10-4
当量/gが好ましく、更に(1〜10)×10-4当量/
gが好ましい。塩基の割合が少なすぎるとポリウレタン
の水親和性が不足して塗布液の調製が難しくなり、また
多すぎるとポリウレタン本来の特性が損われるので、好
ましくない。かかる水性ポリウレタンは、所望により分
散助剤を用いて、安定な水分散液を形成するものないし
水溶液を形成するものである。
エステル塩基等の塩基の量は(0.5〜20)×10-4
当量/gが好ましく、更に(1〜10)×10-4当量/
gが好ましい。塩基の割合が少なすぎるとポリウレタン
の水親和性が不足して塗布液の調製が難しくなり、また
多すぎるとポリウレタン本来の特性が損われるので、好
ましくない。かかる水性ポリウレタンは、所望により分
散助剤を用いて、安定な水分散液を形成するものないし
水溶液を形成するものである。
【0024】ポリウレタンの合成に用いるポリヒドロキ
シ化合物としては、例えばポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、1,5―
ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレ
ンアジペート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリテ
トラメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセバケー
ト、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ペンタエリスリトール、グリセリン等を挙げることがで
きる。
シ化合物としては、例えばポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、1,5―
ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレ
ンアジペート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリテ
トラメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセバケー
ト、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ペンタエリスリトール、グリセリン等を挙げることがで
きる。
【0025】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ばヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとト
リメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソ
シアネートとトリメチロールエンタの付加物等を挙げる
ことができる。
ばヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとト
リメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソ
シアネートとトリメチロールエンタの付加物等を挙げる
ことができる。
【0026】カルボン酸含有ポリオールとしては、例え
ばジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメ
チロール吉草酸、トリメリット酸ビス(エチレングリコ
ール)エステル等を挙げることができる。
ばジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメ
チロール吉草酸、トリメリット酸ビス(エチレングリコ
ール)エステル等を挙げることができる。
【0027】アミノ酸含有カルボン酸としては、例えば
β―アミノプロピオン酸、γ―アミノ酪酸、P―アミノ
安息香酸等を挙げることができる。
β―アミノプロピオン酸、γ―アミノ酪酸、P―アミノ
安息香酸等を挙げることができる。
【0028】水酸基含有カルボン酸としては、例えば3
―ヒドロキシプロピオン酸、γ―ヒドロキシ酪酸、P―
(2―ヒドロキシエチル)安息香酸、リンゴ酸等を挙げ
ることができる。
―ヒドロキシプロピオン酸、γ―ヒドロキシ酪酸、P―
(2―ヒドロキシエチル)安息香酸、リンゴ酸等を挙げ
ることができる。
【0029】アミノ基または水酸基とスルホン基を有す
る化合物としては、例えばアミノメタンスルホン酸、2
―アミノエタンスルホン酸、2―アミノ―5―メチルベ
ンゼン―2―スルホン酸、β―ヒドロキシエタンスルホ
ン酸ナトリウム、脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパ
ンサルトン、ブタンサルトン付加生成物等が挙げられ、
好ましくは脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパンサル
トン付加物があげられる。
る化合物としては、例えばアミノメタンスルホン酸、2
―アミノエタンスルホン酸、2―アミノ―5―メチルベ
ンゼン―2―スルホン酸、β―ヒドロキシエタンスルホ
ン酸ナトリウム、脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパ
ンサルトン、ブタンサルトン付加生成物等が挙げられ、
好ましくは脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパンサル
トン付加物があげられる。
【0030】更にアミノ基または水酸基と硫酸半エステ
ル基を含有する化合物としては、例えばアミノエタノー
ル硫酸、エチレンジアミンエタノール硫酸、アミノブタ
ノール硫酸、ヒドロキシエタノール硫酸、γ―ヒドロキ
シプロパノール硫酸、α―ヒドロキシブタノール硫酸等
があげられる。
ル基を含有する化合物としては、例えばアミノエタノー
ル硫酸、エチレンジアミンエタノール硫酸、アミノブタ
ノール硫酸、ヒドロキシエタノール硫酸、γ―ヒドロキ
シプロパノール硫酸、α―ヒドロキシブタノール硫酸等
があげられる。
【0031】これら化合物を用いてのポリウレタンの合
成は、従来から良く知られている方法で合成することが
できる。
成は、従来から良く知られている方法で合成することが
できる。
【0032】本発明における水性ポリウレタンは、再縦
延伸時に熱ロールへの塗膜の転写を起さない程の耐熱性
が必要であり、その為には熱時の圧縮弾性率である12
0℃でのビカット硬度が3×10-4g・f/μm以上で
ある必要がある。しかし、再縦延伸時に塗膜(プライマ
ー層)の硬度が高すぎると、延伸時のシェアーによる塗
膜の削れが発生することから、このビカット硬度は60
×10-4g・f/μm以下である必要がある。120℃
でのビカット硬度が3×10-4〜40×10-4g・f/
μm、更には3×10-4〜20×10-4g・f/μmで
あることが好ましい。
延伸時に熱ロールへの塗膜の転写を起さない程の耐熱性
が必要であり、その為には熱時の圧縮弾性率である12
0℃でのビカット硬度が3×10-4g・f/μm以上で
ある必要がある。しかし、再縦延伸時に塗膜(プライマ
ー層)の硬度が高すぎると、延伸時のシェアーによる塗
膜の削れが発生することから、このビカット硬度は60
×10-4g・f/μm以下である必要がある。120℃
でのビカット硬度が3×10-4〜40×10-4g・f/
μm、更には3×10-4〜20×10-4g・f/μmで
あることが好ましい。
【0033】本発明における水性塗液には、水性ポリウ
レタンの耐熱性と帯電防止性を確保する範囲で他のバイ
ンダーを添加することができる。このバインダーの例と
しては、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリイミド樹脂、セルロース誘導体、ガラス転移点
(Tg)が40℃以上の水性ポリエステル樹脂、Tgが
60℃以上の水性アクリル樹脂等を挙げることができ
る。これらの中金属ロールへの低粘着性から水性ポリエ
ステル樹脂が好ましい。
レタンの耐熱性と帯電防止性を確保する範囲で他のバイ
ンダーを添加することができる。このバインダーの例と
しては、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリイミド樹脂、セルロース誘導体、ガラス転移点
(Tg)が40℃以上の水性ポリエステル樹脂、Tgが
60℃以上の水性アクリル樹脂等を挙げることができ
る。これらの中金属ロールへの低粘着性から水性ポリエ
ステル樹脂が好ましい。
【0034】水性ポリウレタンを主成分とする塗膜(プ
ライマー層)は、さらに次の特性を有することが好まし
い。
ライマー層)は、さらに次の特性を有することが好まし
い。
【0035】すなわち、再延伸時の延伸追従性を有する
ことが好ましく、このためプライマー塗膜の伸度が12
0℃で100%以上、更には150%以上となるものが
好ましい。塗膜の伸度が小さすぎると、再延伸時に塗膜
の破断脱落が生じ、また脱落物がガイドロールに付着堆
積する現象を起し、好ましくない。また、塗膜の耐熱性
が低いと塗膜の熱ロールへの転写が生じ、好ましくない
ので、水性コポリマーのポリエステル成分の2次転移点
が30℃以上、更には50℃以上であることが好まし
い。
ことが好ましく、このためプライマー塗膜の伸度が12
0℃で100%以上、更には150%以上となるものが
好ましい。塗膜の伸度が小さすぎると、再延伸時に塗膜
の破断脱落が生じ、また脱落物がガイドロールに付着堆
積する現象を起し、好ましくない。また、塗膜の耐熱性
が低いと塗膜の熱ロールへの転写が生じ、好ましくない
ので、水性コポリマーのポリエステル成分の2次転移点
が30℃以上、更には50℃以上であることが好まし
い。
【0036】本発明におけるプライマー水性塗液には、
ポリエステルフイルムへの濡れ性を向上させるために濡
れ剤を含有させることが好ましい。濡れ剤としては、ア
ニオン型界面活性剤,カチオン型界面活性剤、ノニオン
型界面活性剤等の界面活性剤が好ましく、例えばポリエ
チレンオキサイド・ポリプロピレンオキサイドブロック
共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン―脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金
属石鹸、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルジフェニールエーテルジスルホン酸塩、アルキル
スルホコハク酸塩、第4級アンモニウムクロライド塩、
アルキルアミン塩酸等を挙げることができる。濡れ剤の
量としては、プライマー全固形分の2〜30重量%が好
ましく、より好ましくは3〜20重量%である。
ポリエステルフイルムへの濡れ性を向上させるために濡
れ剤を含有させることが好ましい。濡れ剤としては、ア
ニオン型界面活性剤,カチオン型界面活性剤、ノニオン
型界面活性剤等の界面活性剤が好ましく、例えばポリエ
チレンオキサイド・ポリプロピレンオキサイドブロック
共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン―脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金
属石鹸、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルジフェニールエーテルジスルホン酸塩、アルキル
スルホコハク酸塩、第4級アンモニウムクロライド塩、
アルキルアミン塩酸等を挙げることができる。濡れ剤の
量としては、プライマー全固形分の2〜30重量%が好
ましく、より好ましくは3〜20重量%である。
【0037】更に本発明の効果を消失させない範囲にお
いて、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機フ
ィラー、無機フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤、
メラミン、エポキシ、アジリジン等の架橋剤等の他の添
加剤を混合することができる。
いて、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機フ
ィラー、無機フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤、
メラミン、エポキシ、アジリジン等の架橋剤等の他の添
加剤を混合することができる。
【0038】水性塗液の固形分濃度は、通常30重量%以
下であり、10重量%以下が更に好ましい。塗布量は走
行しているフイルム1m2 当り0.5〜20g、さらに
は1〜10gが好ましい。
下であり、10重量%以下が更に好ましい。塗布量は走
行しているフイルム1m2 当り0.5〜20g、さらに
は1〜10gが好ましい。
【0039】塗布方法としては、公知の任意の塗布法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレー
コート法、エアーナイフコート法、含浸法及びカーテン
コート法などを単独又は組み合わせて適用するとよい。
この水性塗液には、塗液の安定性又は塗液の塗布性を助
ける目的で若干量の有機溶剤を含んでもよい。
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレー
コート法、エアーナイフコート法、含浸法及びカーテン
コート法などを単独又は組み合わせて適用するとよい。
この水性塗液には、塗液の安定性又は塗液の塗布性を助
ける目的で若干量の有機溶剤を含んでもよい。
【0040】水性塗液を塗布した縦一段延伸ポリエステ
ルフイルムは、乾燥され、横延伸、再縦延伸、熱固定等
の工程に導かれる。例えば水性塗液を塗布した縦一段延
伸ポリエステルフイルムは、ステンターに導かれて横延
伸、再縦延伸及び熱固定される。この間塗布液は乾燥
し、フイルム上に連続皮膜を形成する。乾燥は横延伸前
或いは横延伸時に行なうと良い。
ルフイルムは、乾燥され、横延伸、再縦延伸、熱固定等
の工程に導かれる。例えば水性塗液を塗布した縦一段延
伸ポリエステルフイルムは、ステンターに導かれて横延
伸、再縦延伸及び熱固定される。この間塗布液は乾燥
し、フイルム上に連続皮膜を形成する。乾燥は横延伸前
或いは横延伸時に行なうと良い。
【0041】このようにして得られるプライマー層を有
する高強度ポリエステルフイルムは高強度の特徴ととも
に種々の被覆物例えばセロファン用インキ、磁性塗料、
電子写真用トナー組成物、ケミカルマット塗料、ジアゾ
塗料、UVインキ等の極めて広汎な塗料に対して高い接
着性を示し、特に磁性塗料に強い接着性を示し、かつ粘
着性のない良好な耐ブロッキング性を示す。
する高強度ポリエステルフイルムは高強度の特徴ととも
に種々の被覆物例えばセロファン用インキ、磁性塗料、
電子写真用トナー組成物、ケミカルマット塗料、ジアゾ
塗料、UVインキ等の極めて広汎な塗料に対して高い接
着性を示し、特に磁性塗料に強い接着性を示し、かつ粘
着性のない良好な耐ブロッキング性を示す。
【0042】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。なお、例中の「部」は「重量部」を意味する。また
フイルムの各特性は次の方法で測定した。
る。なお、例中の「部」は「重量部」を意味する。また
フイルムの各特性は次の方法で測定した。
【0043】1.接着性 プライマー被覆ポリエステルフイルムに評価用塗料をマ
イヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになるように塗布
し、100℃で3分間乾燥する。その後60℃で24時
間エージングし、次いでスコッチテープNo.600
(3M社製)巾12.7mm、長さ15cmを気泡の入
らないように粘着し、この上をJIS C2701(1975)記載
の手動式荷重ロールでならし密着させ、テープ巾に切り
出す。これを180度剥離した時の強力を測定する。 [評価用塗料] 固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 25部 (日本ポリウレタン製) 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA 50部 (積水化学製) 分散剤 レシオンP(理研ビタミン製) 1部 磁性剤 CTX-860 (戸田化学製) 500部 をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶剤に溶解し、40%液にし、サンドグラインダーで
2時間分散する。その後架橋剤のコロネートL25部
(固形分換算)を添加し、よく撹拌して磁性塗料を得
る。
イヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになるように塗布
し、100℃で3分間乾燥する。その後60℃で24時
間エージングし、次いでスコッチテープNo.600
(3M社製)巾12.7mm、長さ15cmを気泡の入
らないように粘着し、この上をJIS C2701(1975)記載
の手動式荷重ロールでならし密着させ、テープ巾に切り
出す。これを180度剥離した時の強力を測定する。 [評価用塗料] 固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 25部 (日本ポリウレタン製) 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA 50部 (積水化学製) 分散剤 レシオンP(理研ビタミン製) 1部 磁性剤 CTX-860 (戸田化学製) 500部 をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶剤に溶解し、40%液にし、サンドグラインダーで
2時間分散する。その後架橋剤のコロネートL25部
(固形分換算)を添加し、よく撹拌して磁性塗料を得
る。
【0044】2.ブロッキング性 ポリエステルフイルムの表面と裏面を合わせてから10
cm×15cm角に切り、これに50℃×50%RHの
雰囲気中で17時間、50kg/cm2 の加重をかけ、
次いでこの10cm巾の剥離強度を測定する。このとき
の剥離スピードは100mm/分である。
cm×15cm角に切り、これに50℃×50%RHの
雰囲気中で17時間、50kg/cm2 の加重をかけ、
次いでこの10cm巾の剥離強度を測定する。このとき
の剥離スピードは100mm/分である。
【0045】3.ビカット硬度 プライマー塗液を95℃で気泡が入らない様に予備乾燥
後更に120℃で30分間処理を行って厚さ1〜2mm
の乾固物とする。この乾固物を120℃に加熱してある
台座の上に置き、島津製作所製微小圧縮試験機MCTM
201でビカット硬度を測定する。
後更に120℃で30分間処理を行って厚さ1〜2mm
の乾固物とする。この乾固物を120℃に加熱してある
台座の上に置き、島津製作所製微小圧縮試験機MCTM
201でビカット硬度を測定する。
【0046】4.帯電性 片面にプライマー層を塗設した易接着性高強度ポリエス
テルフイルムの500mm巾×3000m長さをゴム硬
度(ショアーA)で95〜96度に硬巻きし、このロー
ルを23℃×60%RH雰囲気下で200m/分で巻き
返し、ヒューグリエレクトロニスク社のModel―2
03型静電気測定機で剥離帯電(平均値)を測定する。
テルフイルムの500mm巾×3000m長さをゴム硬
度(ショアーA)で95〜96度に硬巻きし、このロー
ルを23℃×60%RH雰囲気下で200m/分で巻き
返し、ヒューグリエレクトロニスク社のModel―2
03型静電気測定機で剥離帯電(平均値)を測定する。
【0047】5.熱延伸時の転写性テスト 再縦延伸前のフイルムを採取し、図1の熱延伸テスト機
で熱延伸時の転写性を評価する。即ち、図1のアンワイ
ンダー1に再縦延伸前のフイルムをセットし、このフイ
ルムを120℃に加熱された表面速度が5m/minの
熱ロール2に導き、次いで表面速度が11m/minの
水で冷却しているロール3との間で延伸し、ワインダー
4で捲取る。この延伸を1hr続けた後、プライマー層
が接触してる熱ロール2の表面及び冷却ロール3のニッ
プロール6の表面を観察し、転写物の有無をしらべ、下
記の基準で評価する。 表面に全く転写物がない…○ 表面に若干転写物が観察される…△ 表面に転写物が多量に観察される…×
で熱延伸時の転写性を評価する。即ち、図1のアンワイ
ンダー1に再縦延伸前のフイルムをセットし、このフイ
ルムを120℃に加熱された表面速度が5m/minの
熱ロール2に導き、次いで表面速度が11m/minの
水で冷却しているロール3との間で延伸し、ワインダー
4で捲取る。この延伸を1hr続けた後、プライマー層
が接触してる熱ロール2の表面及び冷却ロール3のニッ
プロール6の表面を観察し、転写物の有無をしらべ、下
記の基準で評価する。 表面に全く転写物がない…○ 表面に若干転写物が観察される…△ 表面に転写物が多量に観察される…×
【0048】
【実施例1〜3及び比較例1〜2】固有粘度が0.65
のポリエチレンテレフタレート(滑剤含有)を170℃
で3時間乾燥後20℃に維持した回転冷却ドラム上に2
80℃で溶融押出して厚み150μmの未延伸フイルム
を得、次に赤外線ヒーター法で2.0倍縦一段延伸した
のち、表1の水性プライマー液(固型分4wt%)をキ
スコート法にて縦一段延伸フイルムの片面にwet5g
/m2 の割合で塗布した。引続き105℃で横方向に3.
9 倍延伸し、次いでこのフイルムを熱ロールで120℃
に加熱し2組のニップロールの速度差によって二段目縦
延伸(再縦延伸)を延伸倍率2.8倍で行い、更に21
5℃で6秒熱固定を行った。このときのフイルム厚さは
10μmであり、また最終プライマー層の厚さは40m
g/m2 であった。このフイルムの特性を表2に示す。
のポリエチレンテレフタレート(滑剤含有)を170℃
で3時間乾燥後20℃に維持した回転冷却ドラム上に2
80℃で溶融押出して厚み150μmの未延伸フイルム
を得、次に赤外線ヒーター法で2.0倍縦一段延伸した
のち、表1の水性プライマー液(固型分4wt%)をキ
スコート法にて縦一段延伸フイルムの片面にwet5g
/m2 の割合で塗布した。引続き105℃で横方向に3.
9 倍延伸し、次いでこのフイルムを熱ロールで120℃
に加熱し2組のニップロールの速度差によって二段目縦
延伸(再縦延伸)を延伸倍率2.8倍で行い、更に21
5℃で6秒熱固定を行った。このときのフイルム厚さは
10μmであり、また最終プライマー層の厚さは40m
g/m2 であった。このフイルムの特性を表2に示す。
【0049】
【比較例3】プライマー液を塗布しなかった以外は、実
施例1と全く同様の方法でプレーンの再縦延伸フイルム
を得た。このフイルムの特性を表2に示す。
施例1と全く同様の方法でプレーンの再縦延伸フイルム
を得た。このフイルムの特性を表2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表中の商品名は次の通りである。 XR―9699:ICIアメリカ社製 ハードポリウレ
タンネオレックXR―9699 PES96:ガラス転移点96℃のナフタレンジカルボ
ン酸系ポリエステル UA―240:三洋化成社製 ハードポリウレタンパー
マリンUA―240 DLH:バイエル社製 脂肪族ポリエステルポリウレタ
ン PE―108:三洋化成社製 ポリエチレンポリプロピ
レンブロックポリマー NS210:日本油脂社製 ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル
タンネオレックXR―9699 PES96:ガラス転移点96℃のナフタレンジカルボ
ン酸系ポリエステル UA―240:三洋化成社製 ハードポリウレタンパー
マリンUA―240 DLH:バイエル社製 脂肪族ポリエステルポリウレタ
ン PE―108:三洋化成社製 ポリエチレンポリプロピ
レンブロックポリマー NS210:日本油脂社製 ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル
【0052】
【表2】
【0053】表2から明らかの如く、本発明の易接着性
高強度ポリエステルフイルムは、再縦延伸時の熱転写も
なく、また接着性、ブロッキング性、帯電性に優れたも
のである。
高強度ポリエステルフイルムは、再縦延伸時の熱転写も
なく、また接着性、ブロッキング性、帯電性に優れたも
のである。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、その製造過程で塗膜の
転写や脱落がなく、ポリエステルフイルムに塗布される
種々の被覆物、例えばオフセットインキ、グラビヤイン
キ、シルクスクリーンインキ、UVインキ、磁性塗料、
粘着剤、電子写真トナー、ケミカルマット塗料、ジアゾ
塗料、ハードコート塗料、UV塗料、ヒートシール性付
与組成物、無機質皮膜形成性物質等、特に磁性塗料に対
し優れた接着性を有しかつ粘着性のないプライマー層を
有する易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法
を提供することができる。
転写や脱落がなく、ポリエステルフイルムに塗布される
種々の被覆物、例えばオフセットインキ、グラビヤイン
キ、シルクスクリーンインキ、UVインキ、磁性塗料、
粘着剤、電子写真トナー、ケミカルマット塗料、ジアゾ
塗料、ハードコート塗料、UV塗料、ヒートシール性付
与組成物、無機質皮膜形成性物質等、特に磁性塗料に対
し優れた接着性を有しかつ粘着性のないプライマー層を
有する易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法
を提供することができる。
【図1】プライマー層の転写性を評価する熱延伸テスト
機の模式図である。
機の模式図である。
1 アンワインダー 2 加熱ロール 3 冷却ロール 4 ワインダー 5,6 ニップロール
Claims (2)
- 【請求項1】 縦方向に延伸したポリエステルフイルム
の少なくとも片面に120℃でのビカット硬度が3×1
0-4〜60×10-4g・f/μm以上の水性ポリウレタ
ンを主成分とする水性塗液を塗布し、次いで乾燥、横方
向の延伸を行い、さらに縦方向への再延伸、所望により
横方向への再延伸を行い、そして熱固定を行うことを特
徴とする易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方
法。 - 【請求項2】 塗膜の120℃における伸度が100%
以上である請求項1記載の易接着性高強度ポリエステル
フイルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14925093A JPH071574A (ja) | 1993-06-21 | 1993-06-21 | 易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14925093A JPH071574A (ja) | 1993-06-21 | 1993-06-21 | 易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH071574A true JPH071574A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=15471160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14925093A Pending JPH071574A (ja) | 1993-06-21 | 1993-06-21 | 易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH071574A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5823815A (en) * | 1996-04-02 | 1998-10-20 | Harness System Technologies Research, Ltd. | Structure of interconnecting units with respective connectors |
JP2006289985A (ja) * | 2000-08-12 | 2006-10-26 | Lg Chemical Co Ltd | 多成分系複合フィルム、それを含む高分子分離膜及びそれを含む高分子電解質システム |
-
1993
- 1993-06-21 JP JP14925093A patent/JPH071574A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5823815A (en) * | 1996-04-02 | 1998-10-20 | Harness System Technologies Research, Ltd. | Structure of interconnecting units with respective connectors |
JP2006289985A (ja) * | 2000-08-12 | 2006-10-26 | Lg Chemical Co Ltd | 多成分系複合フィルム、それを含む高分子分離膜及びそれを含む高分子電解質システム |
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