JP6408761B2 - 易接着層形成用水性接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステル樹脂を主たる成分とした易接着層形成用水性接着剤に関する。
ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフテレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性、透明性を有するため、磁気テープ、写真フィルム、包装フィルム、電子部品用フィルム、光学用フィルム、表面保護フィルム等の素材として幅広く用いられている。これらのフィルムは、磁性層、感光層、保護層、中間層、着色層等を積層して、別の被着体へ接着または粘着により貼付し多用されている。
最近、光学用途、特にディスプレイ(LCD やCRT)用途においては、ポリエステルフィルムにハードコート層、さらに反射防止層や汚れ防止層を積層したフィルムがディスプレイ表面に貼付され、画面保護の目的で使用され、ディスプレイ内部にはプリズムシート、光拡散シートなどでいずれも光学用として用いられている。
一般にハードコート層等を構成する成分はポリエステルフィルムに対して密着性が低く、これらを積層する際には、ポリエステルフィルムの表面処理が行われてきた。
表面処理としては、コロナ処理等の物理的処理が知られているが、これらの処理は、ハードコート層の密着性向上には不十分である。すなわち、ハードコート層を積層したポリエステルフィルムを過酷な環境条件、例えば急激な温度変化(熱衝撃)の環境で使用すると、ハードコート層とフィルム層の密着力が低下し剥がれる場合があった。また積層するハードコート層の樹脂成分によっても密着性低下が起こり、十分満足できるものではなかった。
一方で、ハードコート層を積層する前に、予めポリエステルフィルム表面に、易接着層を設けた後、易接着層上にハードコート層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1)。易接着層としては、例えば、水性分散化されたポリエステル樹脂等が用いられている。
特開2001−281423号公報
本発明者らは、光学用途に用いる易接着層としてのポリエステル樹脂水性分散体において研究開発を進める中で、易接着層の基本特性となる、易接着性、透明性などに加えて、様々な加工に対する耐久性(例えば耐屈曲性)も同時に求められることが分かってきた。
例えば、特許文献1のようなポリエステルフィルムに形成された易接着層は、水性分散化を容易にするための成分は耐水性が劣り、結果的に得られた易接着層の接着性は向上するが、水分の影響を受けやすいという問題があった。したがって、長期の使用において水分の影響を受けにくく耐久性に優れた易接着層を形成する必要があった。
本発明は、特にアクリル系コート層、シリコーン系コート層、ポリカーボネート層との易接着性に優れ、透明性、耐ブロッキング性、耐久性に優れた易接着被膜の形成が可能な易接着層形成用水性接着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)主としてジカルボン酸成分、グリコール成分から構成されるポリエステル樹脂(A)、ポリウレタン樹脂(C)ならびに水を含有し、実質的に乳化剤を含有しない易接着層形成用水性接着剤であって、前記ポリエステル樹脂(A)が、ガラス転移温度40℃以上、数平均分子量5000〜50000であり、ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸成分として、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸の含有量が1〜10モル%であり、ポリウレタン樹脂(C)が、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂であることを特徴とする易接着層形成用水性接着剤。
(2)ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分として、エーテル結合含有グリコールを20モル%以上含有することを特徴とする(1)の易接着層形成用水性接着剤。
(3)さらに架橋剤(B)を含有し、ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)が(A)/(B)=99.9/0.1〜75/25(質量比)の割合で含有することを特徴とする(1)または(2)の易接着層形成用水性接着剤。
(4)リエステル樹脂(A)とポリウレタン樹脂(C)を(A)/(C)=99/1〜40/60(質量比)の割合で含有することを特徴とする(1)〜(3)の易接着層形成用水性接着剤。
(5)ポリエーテル型ポリウレタン樹脂のポリエーテルポリオール成分が、ポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする(1)〜(4)の易接着層形成用水性接着剤。
(6)ポリエーテル型ポリウレタン樹脂のイソシアネート成分が、イソホロンジイソシアネートであることを特徴とする(1)〜(5)の易接着層形成用水性接着剤。
(7)さらに無機粒子(D)を含有することを特徴とする(1)〜(6)の易接着層形成用水性接着剤。
(8)(1)〜(7)の易接着層形成用水性接着剤から水性媒体を除去してなる易接着被膜。
(9)基材上に、(8)の易接着被膜を形成してなる積層体。
(10)被膜上に、さらにアクリル塗膜、シリコーン塗膜、ポリカーボネート塗膜から選ばれるいずれか1層を設けてなる(9)の積層体。
本発明によれば、特にアクリル系コート層、シリコーン系コート層、ポリカーボネート層との易接着性に優れ、透明性、耐ブロッキング性、耐久性に優れた易接着被膜の形成が可能な易接着層形成用水性接着剤が得られる。
また、このような易接着層形成用水性接着剤を用いた被膜を含む積層体は、特に液晶表示用の最外層フィルム、タッチパネルの最外層フィルム、プリズムコートのような内層フィルム等の光学用途で好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の易接着層形成用水性接着剤は、ポリエステル樹脂(A)、ポリウレタン樹脂(C)を水性分散化した水性接着剤であり、実質的に乳化剤を含有しないことを特徴とする。前記易接着層形成用水性接着剤には、後述する、架橋剤(B)、無機粒子(D)を含有してもよい。
本発明のポリエステル樹脂(A)は、主として、ジカルボン酸成分、グリコール成分から構成されるものである。また、ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移温度40℃以上、数平均分子量5000〜50000であり、ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸成分として、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸の含有量が1〜10モル%である。
スルホン酸塩基を有するジカルボン酸の含有率は、ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸成分100モル%に対して、1〜10モル%とすることが必要であり、3〜10モル%とすることが好ましく、4〜9モル%とすることがさらにより好ましい。スルホン酸塩基を有するジカルボン酸の含有率が1モル%未満である場合は、得られる易接着層形成用水性接着剤の安定性が低下し、また得られる樹脂被膜は易接着性が劣るものとなる。また、10モル%を超える場合は、易接着層形成用水性接着剤から得られる被膜の造膜性が低下するものとなる。
スルホン酸塩基を有するジカルボン酸としては、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホテレフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホテレフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホテレフタル酸、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、2,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸カリウム、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸リチウム、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホテレフタル酸ジメチル、5−カリウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−リチウムスルホイソフタル酸ジメチルが挙げられる。
ジカルボン酸成分において、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、本発明の特性を損なわない範囲であれば特に制限はなく用いることができる。そのようなジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−tert−ブチルイソフタル酸、ジフェン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸およびその無水物、テトラヒドロフタル酸およびその無水物等の脂環式ジカルボン酸が挙げられ、中でも、芳香族ジカルボン酸と飽和脂肪族ジカルボン酸を併用することが好ましい。ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸を用いる場合、易接着層形成用水性接着剤から得られる樹脂被膜の耐アルコール性を向上させる効果がある。また、ジカルボン酸成分として飽和脂肪族ジカルボン酸成分を用いる場合、易接着層形成用水性接着剤から得られる樹脂被膜の加工性を向上させる効果がある。その含有量は、ジカルボン酸成分において、芳香族ジカルボン酸成分と飽和脂肪族ジカルボン酸成分を合計した値が90〜100モル%とすることが好ましい。その際、芳香族ジカルボン酸成分と飽和脂肪族ジカルボン酸成分の比率は、(芳香族ジカルボン酸成分)/(飽和脂肪族ジカルボン酸成分)=70/30〜95/5(モル比)であることが好ましく、73/27〜93/7(モル比)であることがより好ましく、75/25〜90/10(モル比)であることがさらに好ましい。
グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロブタンジメタノール等の脂環族グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のエーテル結合含有グリコール、2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンのアルキレンオキシド付加体、ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンのアルキレンオキシド付加体が挙げられる。これらのグリコール成分は単独で用いてもよいし、併用してもよい。
グリコール成分としては、特にエーテル結合含有グリコールを多く含有することで、得られる易接着層形成用水性接着剤の易接着性を向上し、被膜の耐久性を向上することができる。エーテル結合含有グリコールを含有する場合は、グリコール成分100モル%に対して、20モル%以上含んでいることが好ましく、20〜75モル%含んでいることがより好ましく、30〜50モル%以上含んでいることがさらにより好ましい。
本発明においては、本発明の易接着層形成用水性接着剤の特性を損なわない範囲で、ヒドロキシカルボン酸成分を含有させてもよい。ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、2−ヒドロキシセバシン酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、2−メチル−2−ヒドロキシコハク酸、酒石酸、テトラヒドロキシアジピン酸、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸のアルキレンオキシド付加体が挙げられる。ヒドロキシモノカルボン酸を用いる場合、その含有量は、構成成分の合計100モル%のうち、50モル%以下とすることが好ましく、40モル%以下とすることがより好ましく、30モル%以下とすることがさらに好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)には、本発明の特性を損なわない範囲で、モノカルボン酸、モノアルコールを含有させてもよい。モノカルボン酸、モノアルコールを用いる場合、その含有量は、それぞれ、ジカルボン酸成分、グリコール成分100モル%に対して、1モル%未満とすることが好ましく、0.1モル%未満とすることがより好ましく、0モル%とすることがさらに好ましい。一般的に、モノカルボン酸、モノアルコールをエステル化反応前に仕込み、重縮合反応を進めた場合、分子鎖の延長を阻害し、結果として必要な分子量が得られなくなる。そのため、それから得られる樹脂被膜は造膜性が不足する場合がある。
モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、フェニル酢酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられ、モノアルコールとしては、例えば、セチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルアルコール、ステアリルアルコールが挙げられる。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)には、本発明の特性を損なわない範囲で、3官能以上のカルボン酸または3官能以上のアルコールを含有させてもよい。3官能以上のカルボン酸または3官能以上のアルコールをエステル化反応前に仕込む場合、その含有量は、それぞれ、ジカルボン酸成分またはグリコール成分100モル%に対して、5モル%以下とすることが好ましく、4モル%以下とすることがより好ましく、3モル%以下とすることがさらに好ましい。一般的に、3官能以上のカルボン酸または3官能以上のアルコールをエステル化反応前に仕込み、重縮合反応を進めた場合、得られるポリエステル樹脂(A)の分散度が広くなったり、ゲル化して重合ができなくなったりする場合があるため、その含有量は、それぞれ、ジカルボン酸成分、グリコール成分100モル%に対して、0〜1モル%とすることが好ましく、0〜0.8モル%とすることがより好ましく、0〜0.6モル%とすることがさらに好ましい。また、3官能以上のカルボン酸、3官能以上のアルコールを解重合時に用いる場合、その含有量は、それぞれ、ジカルボン酸成分またはグリコール成分100モル%に対して、0.2〜5モル%とすることが好ましく、0.4〜4.8モル%とすることがより好ましく、0.6〜4.6モル%とすることがさらに好ましい。
3官能以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸が挙げられ、3官能以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度としては、40℃以上とする必要があり、45〜75℃であることが好ましく、50〜65℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度を40℃以上とすることで、易接着層形成用水性接着剤から得られる樹脂被膜の耐ブロッキング性と易接着性に優れたものとなる。ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が40℃未満である場合、易接着層形成用水性接着剤から得られる樹脂被膜は耐ブロッキング性に劣るものとなる。ガラス転移温度が75℃以下となる場合は、得られる樹脂被膜の耐久性を向上させる効果がある。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、得られる樹脂被膜の造膜性や易接着性を向上させるため、5000〜50000であることが必要であり、7000〜30000であることが好ましく、9000〜25000であることがより好ましい。ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量が5000未満である場合、樹脂被膜の易接着性が劣るものとなる。数平均分子量が50000を超えると、水性分散体の安定性が劣るものとなる。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)の、分子量分布における分散度(以下、「分散度」と略称する場合がある。)は、2〜10であることが好ましく、2〜9であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましい。分散度とは、重量平均分子量を数平均分子量で除した値のことである。分散度を2〜10とすることにより、樹脂被膜の造膜性や易接着性が低下することを抑制することができる。なお、分散度が2未満となるポリエステル樹脂(A)は設計すること自体が困難である。
次に、ポリエステル樹脂(A)の製造方法について説明する。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)は、前記のモノマーを組み合わせて、公知の方法で製造することができる。例えば、全モノマー成分および/またはその低重合体を不活性雰囲気下で反応させてエステル化反応をおこない、引き続いて重縮合触媒の存在下、減圧下で、所望の分子量に達するまで重縮合反応を進め、不活性雰囲気下、3官能以上のカルボン酸を添加して解重合反応をおこなう方法を挙げることができる。
エステル化反応において、反応温度は180〜260℃とすることが好ましく、反応時間は2.5〜10時間とすることが好ましく、4〜6時間とすることがより好ましい。
重縮合反応において、反応温度は、220〜280℃とすることが好ましい。減圧度は、130Pa以下とすることが好ましい。減圧度が低いと、重縮合時間が長くなる場合がある。大気圧から130Pa以下に達するまで、60〜180分かけて徐々に減圧することが好ましい。
重縮合触媒としては、特に限定されないが、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、n−ブチルヒドロキシオキソスズ等の公知の化合物を挙げることができる。触媒の使用量は、ジカルボン酸成分1モルに対し、0.1〜20×10−4モルとすることが好ましい。
解重合において、反応温度は160〜280℃とすることが好ましく、160〜220℃とすることがより好ましく、反応時間は、0.5〜5時間とすることが好ましい。
次に、本発明のポリエステル樹脂水性分散体について説明する。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体は、ポリエステル樹脂(A)が水性媒体中に分散されてなる乳液状物である。ここで、水性媒体とは、水を含む液体からなる媒体であり、有機溶剤や塩基性化合物を含んでいてもよい。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体は、実質的に乳化剤を含有してはならない。本発明でいう乳化剤には、界面活性剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性物、水溶性高分子等が含まれる。本発明において、「実質的に含有しない」とは、本発明のポリエステル樹脂水性分散体の製造時に、乳化剤を積極的には添加しないことにより、結果的にこれらを含有していないことを意味する。こうした乳化剤は、含有量がゼロであることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエステル樹脂(A)成分100質量部に対して0.1質量部未満含まれていても差し支えない。水性分散体に乳化剤を0.1質量部以上含む場合は、樹脂被膜の耐水性が低下する。乳化剤を用いることにより、該ポリエステル樹脂(A)を容易に水性媒体に分散することができるが、一方で、このような配合は耐水性を著しく損ねる。
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフエート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェ−ト塩、ビニルスルホサクシネートが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイドープロピレンオキサイド共重合体等のポリオキシエチレン構造を有する化合物やソルビタン誘導体が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルべタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイドが挙げられる。
保護コロイド作用を有する化合物としては、例えば、ポリビニルアルコ−ル、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビエルピロリドンが挙げられる。
変性ワックス類としては、例えば、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックス等の数平均分子量が5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩 が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体中において、ポリエステル樹脂(A)の含有率は、5〜50質量%とすることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましく、15〜40質量%とすることがさらに好ましい。ポリエステル樹脂(A)の含有率を5〜50質量%とすることにより、ハンドリング性が向上する。また、分散しているポリエステル樹脂(A)が凝集しにくくなるため、保存安定性が向上する。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体において、ポリエステル樹脂(A)微粒子の体積平均粒径は、200nm未満とすることが好ましく、150nm未満とすることがより好ましく、100nm未満とすることがさらに好ましく、50nm未満とすることが最も好ましい。体積平均粒子径を200nm未満とすることにより、分散しているポリエステル樹脂(A)が凝集しにくくなるため、水性分散体の保存安定性が向上する。
次に、ポリエステル樹脂水性分散体の製造方法について説明する。
本発明におけるポリエステル樹脂水性分散体の製造方法としては、転相乳化法および自己乳化法が挙げられる。転相乳化法とは、ポリエステル樹脂(A)を有機溶剤に溶解させ(溶解工程)、このポリエステル樹脂溶液に塩基性化合物および水を添加して(転相乳化工程)有機溶剤を含有したポリエステル樹脂水性分散体を得る方法であり、より広範囲のポリエステル樹脂に対して好適に用いることができる。また、自己乳化法とは、ポリエステル樹脂(A)、塩基性化合物、有機溶剤、水を一括で仕込み、系内を攪拌しながら加熱することで、有機溶剤を含有したポリエステル樹脂水性分散体を得る方法であり、より容易に水性分散体を得ることができる。
自己乳化法では、用いる有機溶剤の含有比率を制御することによって、より分散効率や安定性の高い水性分散体を容易に製造できる。例えば、有機溶剤として、イソプロパノールを用いる場合、水性分散体のうちイソプロパノールの含有比率は、17〜27質量%にすることが好ましく、18〜26質量%とすることがより好ましく、19〜25質量%とすることがさらに好ましい。
本発明においては、特性を損なわない範囲であれば塩基性化合物を用いても良い。塩基性化合物としては、例えば、アンモニアや、エチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等の有機アミンが挙げられる。
本発明において、塩基性化合物を用いると、水性分散体の安定性や、得られる樹脂被膜の塗工性を向上させる傾向がある。また、塩基性化合物としては、水性分散体中のポリエステル樹脂(A)が加水分解反応を起こすことを極力抑制することができるため、3級アミンがより好ましい。
さらに、ポリエステル樹脂被膜から塩基性化合物を揮散させやすいことから、塩基性化合物は、沸点が150℃以下のものを用いることがさらに好ましい。このような塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンが挙げられる。
ポリエステル樹脂水性分散体の製造においては、上記の各乳化工程の後に、さらに、有機溶剤および/または塩基性化合物を除去する工程(脱溶剤工程)を設けてもよく、転相乳化法を用いる場合は、脱溶剤工程を設けた方が安定性は向上するため好ましい。なお、脱溶剤工程後の有機溶剤含有量は水性分散体の1質量%未満とすることが好ましく、0.5質量%未満とすることがより好ましく、0.3質量%未満とすることがさらに好ましい。
脱溶剤工程では、有機溶剤および塩基性化合物が含まれたポリエステル樹脂水性分散体を加熱し、有機溶剤と場合によっては塩基性化合物を除去してポリエステル樹脂水性分散体を得る。脱溶剤は、常圧、減圧下いずれでおこなってもよい。
ポリエステル樹脂水性分散体の製造において、適宜、未分散物や凝集物をろ過して取り除くためのろ過工程を設けてもよい。例えば、600メッシュのステンレス製フィルター(濾過精度25μm、綾織)を設置し、常圧ろ過、または、加圧(空気圧0.2MPa)ろ過をおこなえばよい。
本発明の易接着層形成用水性接着剤は、さらに、耐水性や易接着性向上のために、架橋剤(B)を含有することができる。
本発明で用いることのできる架橋剤(B)としては、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物及びその各種ブロックイソシアネート化合物、多官能アジリジン化合物、カルボジイミド基含有化合物、オキサゾリン基含有ポリマー、フェノール樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種類を使用しても2種類以上を併用してもよい。
架橋剤(B)を用いる場合は、水溶性、あるいは水分散性のものを用いることが、作業環境の面から好ましい。また、ポリエステル樹脂(A)の水性分散体と、水性の架橋剤(B)は容易に混合することができ、均一な易接着層形成用水性接着剤を得るために、水性の架橋剤(B)は好適に用いることができる。
本発明においてポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)の混合比は、(A)/(B)=99.9/0.1〜75/25(質量比)であることが好ましく、99/1〜80/20(質量比)であることがより好ましく、97/3〜85/15(質量比)であることがさらに好ましい。上記の範囲内である場合は、得られる樹脂被膜の耐水性、易接着性が向上するものとなる。
本発明の易接着層形成用水性接着剤は、さらに、易接着性向上のために、ポリウレタン樹脂(C)を含有することができる。
本発明で用いるポリウレタン樹脂(C)は、主鎖中にウレタン結合を含有する高分子であり、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応で得られるものである。
本発明におけるポリウレタン樹脂(C)としては、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。ポリエーテル型ポリウレタン樹脂とは、ポリエーテル成分としてポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート成分として各種ジイソシアネート、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートとから構成されるものである。
前記ポリエーテル型ポリウレタン樹脂を構成するポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレンポリオール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリオキシエチレン/プロピレンポリオールなどが挙げられる。中でもポリエチレングリコールとポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルジオールが入手しやすいため好ましく、易接着性が向上することからポリテトラメチレングリコールがより好ましい。ポリエーテルジオールの数平均分子量は特に限定されないが、1000〜20000であることが好ましく、2000〜17000であることがより好ましく、3000〜15000であることがさらに好ましい。ポリエーテルポリオール以外のポリオールを用いる場合には、本発明の効果を損なわない範囲で用いることができ、例えば、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等が挙げられる。
前記ポリエーテル型ポリウレタン樹脂を構成するポリイソシアネート成分としてのジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメチルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネートおよびこれらのアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。上記ジイソシアネートの中でも、イソホロンジイソシアネートを用いることによって、塗膜の耐水性をより向上させることが可能となり、特に高湿度下における塗膜の透明性、さらには、ハードコートを積層した後の透明性を向上することができる。特に湿熱耐久性の向上に対して顕著な効果を示す。
ポリウレタン樹脂(C)を用いる場合は、ポリウレタン樹脂(C)の水性分散体、あるいは水溶液として用いることが、作業環境の面から好ましい。また、ポリエステル樹脂(A)の水性分散体と、水性のポリウレタン樹脂(C)は容易に混合することができ、均一な易接着層形成用水性接着剤を得るために、水性のポリウレタン樹脂(C)を好適に用いることができる。
水性のポリウレタン樹脂(C)の製造方法は、特に制限はなく、一般的な方法を用いれば良い。例えば、ポリオール化合物と、親水性化合物と、ポリイソシアネート化合物とを反応させてイソシアネート末端プレポリマーを生成させ、その後、反応液と水とを混合することで水性のポリウレタン樹脂(C)を得ることができる。
本発明の易接着層形成用水性接着剤においてポリエステル樹脂(A)とポリウレタン樹脂(C)の混合比は、(A)/(C)=99/1〜40/60(質量比)であることが好ましく、95/5〜45/55(質量比)であることがより好ましく、90/10〜50/50であることがさらに好ましい。上記の範囲内である場合は、得られる樹脂被膜の耐久性、易接着性がさらに優れたものとなる。
本発明の易接着層形成用水性接着剤は、さらに、易滑性向上のために、無機粒子(D)を含有することができる。
本発明の易接着層形成用水性接着剤に配合できる無機粒子(D)としては、例えば、シリカ、タルク、マイカ、カオリン、膨潤性フッ素雲母、モンモリロナイト、ヘクトライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、カーボンブラック等を挙げることができる。中でも、耐熱性、得られる被膜の透明性の効果を発現させる効果の高い点で、シリカ、タルク、マイカ、カオリンが好ましく、さらに易滑性にも優れる点で、シリカが最も好ましい。
本発明で好ましく用いることのできるシリカは、SiOで表される二酸化ケイ素を主成分とするものであり、その製造方法により大別して、湿式法シリカと乾式法シリカの2つに分けられるがいずれも用いることができる。乾式法シリカは一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化珪素を水素および酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化珪素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化硅素と混合した状態で使用することができる。一方、湿式法シリカは、さらに製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカが凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件化で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、珪酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。
無機粒子(D)の平均粒子径は特に限定されるものではないが、0.01μm以上、20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上、15μm以下であることがより好ましく、0.02μm以上、10μm以下であることがさらに好ましい。平均粒子径が0.01μmであると分散体中に均一に分散させることが難しくなり、易滑性の効果を十分に発現させることができない。平均粒子径が20μmを超えると、易滑性が不十分となるばかりでなく透明性が損なわれる傾向がある。
無機粒子(D)は、必要に応じてシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、オルガノシロキサン等の反応性化合物によって表面処理をしてもよい。特にシランカップリング剤を好適に用いることができ、例えばビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
無機粒子(D)の配合は、ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)とポリウレタン樹脂(C)の質量の合計(A)+(B)+(C)に対して、{(A)+(B)+(C)}/(D)=99/1〜90/10(質量比)であることが好ましく、99/1〜92/8(質量比)であることがより好ましく、99/1〜95/5(質量比)であることがさらに好ましい。無機粒子(D)を上記の質量比で含有する場合、得られる樹脂被膜にさらに易滑性が付与出来る。
本発明の易接着層形成用水性接着剤を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、(1)ポリエステル樹脂(A)の水性分散体、水性架橋剤(B)、水性ポリウレタン樹脂(C)、無機粒子(D)の水分散液、を混合攪拌する方法、(2)ポリエステル樹脂(A)とポリウレタン樹脂(C)を予め混合した後、一括して水性媒体に添加し分散した後に無機粒子(D)の水分散液と水性架橋剤(B)を添加する方法などが挙げられる。中でも、(1)の方法は、易接着層形成用水性接着剤の安定性が十分に向上するため最も好ましい。
本発明の易接着層形成用水性接着剤は、さらに他の任意成分を配合することができる。配合可能な任意成分としては、例えば、レベリング剤、消泡剤や、その他増粘剤、着色顔料、水、アルコール等を挙げることができる。
本発明で用いることのできるレベリング剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系のレベリング剤が挙げられ、特にシリコーン系レベリング剤が、塗工液との相溶性、塗工適性、易接着性、耐ブロッキング性から好ましい。シリコーン系レベリング剤としては、例えば、反応性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン等が挙げられる。レベリング剤を用いることで塗工時のぬれ性の改善、塗膜の平滑化の向上を図ることができる。レべリング剤の配合は、本発明の易接着層形成用水性接着剤100質量部に対して1〜15質量部であることが好ましく、1〜13質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることがさらに好ましい。
本発明で用いることのできる消泡剤としては、例えば、アセチレングリコール系化合物やそのエチレンオキシド付加体が好ましい。具体的には、3,6−ジメチル−4−デシン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールおよびこれらにエチレンオキサイドを付加した化合物が有効である。消泡剤を用いることで塗工時に分散体中に混入する気泡発生を抑制、得られる塗膜の平滑性、透明性を向上することができる。消泡剤の配合は、本発明の易接着層形成用水性接着剤100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、1〜8質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。
本発明の易接着層形成用水性接着剤は、公知の塗工方法を用いて、各種基材に対し塗工被膜を形成することができる。
本発明の易接着層形成用水性接着剤で得られる易接着層の厚さは、0.05〜3μmであることが好ましく、0.1〜2.5μmであることがより好ましく、0.1〜1μmであることがさらに好ましい。易接着層の厚みが0.05μm未満であると、易接着性能を十分に向上させることが難しくなり、3μmを超えると透明性が損なわれる。
本発明の易接着層形成用水性接着剤を用いた樹脂被膜の形成方法は、例えば、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、カーテンフローコート法、ディッピング法、はけ塗り法等が挙げられ、これらの方法により各種基材表面に均一にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥および焼き付けのための加熱処理に供することにより、均一な塗膜を支持体表面に密着させて形成することができる。このときの加熱装置としては、通常の熱風循環型のオーブンや、赤外線ヒータなどを使用すればよい。また、加熱温度や加熱時間としては、被コーティング物である、支持体の種類などにより適宜選択されるものであるが、経済性を考慮した場合、加熱温度としては、通常60〜250℃であり、70〜230℃が好ましく、80〜200℃がより好ましい。加熱時間としては、通常1秒〜120分間であり、5秒〜100分が好ましく、10秒〜60分がより好ましい。
樹脂被膜を形成するための基材としては、例えば、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフィルム等が挙げられる。中でも、耐熱性、透明性に優れ、本発明の易接着層形成用水性接着剤との密着性を十分に向上させることができる点で、ポリエステルフィルムを好適に用いることができる。
以下、基材としてポリエステルフィルムを用いた場合について説明をする。なお、用いる基材としてはポリエステルフィルムに限定されるものではない。ポリエステルフィルム以外の基材を用いる場合についても、ポリエステルフィルムと同様にして易接着被膜が形成された積層体を得ることができる。
本発明で用いるポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから重縮合して得られる線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフテレート、ポリエチレン− 2 , 6 ナフタレンジカルボキシレート等が挙げられ、これらの共重合体またはこれと小割合の他樹脂とのブレンド物等も含まれる。
ポリエステルフィルムは、従来から知られている方法で製造することができる。例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステルを乾燥後、Tm〜(Tm+70)℃の温度(Tm:ポリエステルの融点)で押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、40〜90℃で急冷して未延伸フィルムを製造し、ついで該未延伸フィルムを(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(Tg:ポリエステルのガラス転移温度) で縦方向に2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、横方向に2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、必要に応じて180〜250℃の温度で1〜60秒間熱固定することにより製造できる。
ポリエステルフィルムの厚みは5〜250μmの範囲が好ましい。フィルムの厚みが5μm未満であると高温域での耐変形性(寸法安定性)に劣り、また250μmを超えると剛性が高すぎるという問題がある。
また必要により、ポリエステルフィルムに適当なフィラーを含有させることができる。このフィラーとしては、従来ポリエステルフィルムの滑り性付与剤として知られているものが挙げられ、その具体例としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カーボンブラック、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等が挙げられる。さらにポリエステル中には、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒なども適宜添加することができる。
本発明で用いるポリエステルフィルムは、上記ポリエステルフィルム上に少なくとも片面または両面に対し少なくとも一層の易接着被膜を形成することができる。
本発明において、易接着被膜が形成されたポリエステルフィルム(以下、易接着ポリエステルフィルムという)を製造する方法としては、延伸したフィルムに上記塗工液を塗布した後、乾燥する方法(ポストコート)や、2軸配向結晶化終了前のフィルムに塗工液を塗布し乾燥したのち、少なくとも一方向に延伸後、熱処理する方法(プリコート)などが挙げられる。
塗工液をフィルムに塗工する方法は、一般的な塗工方法が可能であり、例えばメイヤーバーコート、エアーナイフコート、リバースロールコート、リバースグラビアロールコート、グラビアロールコート、リップコート、ダイコートなどの方法が挙げられる。塗工液塗布量は、1〜10g/m2が好ましい。塗工後の乾燥条件は、50〜90℃、10〜60秒であることが好ましい。塗布、乾燥後に、フィルムを延伸する場合、延伸温度は、110〜130℃、延伸倍率は、3〜4倍であることが好ましい。さらに延伸後に、熱処理する場合、熱処理温度は、220〜240℃、時間は5〜15秒間が好ましい。
なお、塗工液や基材のポリエステルフィルムには、本発明の効果を防げない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、滑剤等の添加剤を配合しておいてもよい。
本発明の易接着ポリエステルフィルムはそのまま使用することもできるが、易接着被膜の形成面もしくは易接着被膜の非形成面に表面処理としてコロナ放電やイオンブローなどの表面処理を行ってもよい。
本発明において、易接着被膜が形成された積層体、例えば易接着ポリエステルフィルムの易接着被膜の形成面は、UV硬化インキ、UV硬化接着剤、ハードコート剤に代表される光硬化型樹脂、シリコーン系コート層に代表される熱硬化性樹脂、さらにはポリカーボネート樹脂に代表される熱可塑性樹脂に対する密着性に優れており、これらを塗膜として積層して用いることができる。
前記易接着被膜が形成された積層体において、易接着被膜の形成面に対し積層される塗膜として光硬化性樹脂を用いる場合、前記光硬化性樹脂の種類は特に限定はされないが、例えば、汎用性、取り扱い性の点で紫外線硬化型樹脂、特に紫外線硬化型ラジカル重合型樹脂が好ましい。このような紫外線硬化性樹脂は、各種基材に形成されるハードコート層、プリズムコート層として用いられている。
紫外線硬化性樹脂としては、例えばウレタン−アクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステル−アクリレート系などの樹脂を挙げることができる。特に、ハードコート層樹脂自身が基材の伸縮に追従するためには、ウレタン成分をソフトセグメントとして含んだアクリレート系の樹脂が好ましい。
さらに、塗膜の耐摩耗性の向上と硬化時の体積収縮率の減少のために、光硬化性樹脂中に無機微粒子を含有させることが望ましい。無機微粒子の具体例としては、シリカまたはチタン等の金属酸化物よりなる微粒子が挙げられる。なお、無機微粒子の含有量は光硬化性樹脂全体の20〜60質量%であることが好ましい。無機微粒子の含有量が20質量%未満であると耐摩耗性不良および紫外線硬化時の体積収縮率が高くなりフィルムにカールが発生する。また60質量%を超えると、ハードコート樹脂の伸縮性不良となり、屈曲によるクラックが入りやすくなる。無機微粒子の平均粒径は100nm以下であることが好ましい。平均粒径が100nmを超えると光沢度が上がりさらに透明性が低下することがある。また、ハードコート性向上のため、無機微粒子の表面には、光重合反応性を有する感光性基を導入することが好ましい。導入する感光性基としては単官能性または多官能性アクリレートが挙げられる。
本発明の易接着層形成用水性接着剤を用いた樹脂被膜は、易接着性、透明性、耐ブロッキング性、耐久性に優れているため、他の塗膜、例えばアクリル塗膜、シリコーン塗膜、ポリカーボネート塗膜を重ねて積層することが容易である。前記塗膜とは、各種積層体での傷つき防止のために設けられたハードコート層、プリズムが形成されたプリズム層等として用いられるものであり、各種電気、電子部品、特には光学用途材料として好適に使用ができる。このような光学用途材料としては、例えば、液晶表示用の最外層フィルム、タッチパネルの最外層フィルム、プリズムシートのような内層フィルム等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
なお、評価、測定方法は下記の通りである。
(1)ポリエステル樹脂の構成
高分解能核磁気共鳴装置(日本電子社製NMR;ECA‐500型)を用いて、1H−NMR分析することにより、それぞれの共重合成分のピーク強度から樹脂組成を求めた(分解能:500MHz、溶媒:重水素化トリフルオロ酢酸、温度:25℃)。また、1H−NMRスペクトル上に帰属・定量可能なピークが認められない構成モノマーを含む樹脂については、封管中230℃で3時間メタノール分解をおこなった後に、ガスクロマトグラム分析に供し、定量分析をおこなった。
(2)ポリエステル樹脂のガラス転移温度
ポリエステル樹脂を10mg秤量し、入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製DSC;Diamond DSC型、検出範囲:−50℃〜200℃)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定をおこない、得られた昇温曲線中の、低温側ベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度を求め、ガラス転移温度とした。
(3)ポリエステル樹脂の数平均分子量、重量平均分子量および分散度
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件でポリスチレン換算の数平均分子量、重量平均分子量を測定した。
[送液ユニット]:島津製作所社製LC−10ADvp
[紫外−可視分光光度計]:島津製作所社製SPD−6AV、検出波長:254nm
[カラム]:Shodex社製KF−803 1本、Shodex社製KF−804 2本を直列に接続して使用
[溶媒]:テトラヒドロフラン
[測定温度]:40℃
上記の数平均分子量(Mnとする)、および重量平均分子量(Mwとする)より、分散度を以下の式により求めた。
分散度=Mw/Mn
(4)水性分散体、または易接着層形成用水性接着剤の固形分濃度
水性分散体、または易接着層形成用水性接着剤を約1g秤量(Xgとする)し、これを150℃で2時間乾燥した後の残存物の質量を秤量(Ygとする)し、下記式により固形分濃度を求めた。
固形分濃度(質量%)=(Y/X)×100
(5)水性分散体、または易接着層形成用水性接着剤の体積平均粒径、数平均粒径
水性分散体、または易接着層形成用水性接着剤中の固形分濃度が0.1質量%になるように水で希釈し、レーザー回折式粒径測定装置(日機装社製MICROTRAC UPA;モデル9340−UPA型)を用いて、体積平均粒径、および数平均粒径を測定した。ポリエステル樹脂の屈折率は1.57、ポリエステル樹脂の密度は1.21g/cmと設定した。
(6)水性分散体、または易接着層形成用水性接着剤の安定性
水性分散体、または易接着層形成用水性接着剤を30g採取した後、50mLのガラス製サンプル瓶に密封し、25℃で90日保存した。保存後、サンプル瓶から上澄み液を採取し、固形分濃度を測定し、下記式より、沈殿物の割合を計算し、分散安定性の評価を行った。
沈殿物の割合(質量%)={保存前の固形分濃度(質量%)−保存後の固形分濃度(質量%)}/{保存前の固形分濃度(質量%)}
○:0.5質量%未満
△:1.0質量%未満
×:1.0質量%以上、あるいは、液全体が固化していて上澄みが採取できない
(7)樹脂被膜の造膜性
易接着層形成用水性接着剤を、二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製、厚さ50μm)のコロナ処理面に、卓上型コーティング装置(安田精機社製フィルムアプリケータ;No.542−AB型、バーコータ装着)を用いてコーティングした後、100℃に設定された熱風乾燥機中で2分間乾燥させることにより、膜厚が0.2μmの樹脂被膜を形成した。この樹脂被膜を目視にて観察し、外観を評価した。
また、上記記載の通り形成した樹脂被膜を、JIS Z1522に規定された粘着テープ(幅:18mm)を、一方の端部を残して樹脂被膜に貼りつけ、その上から消しゴムでこすって、粘着テープと樹脂被膜とを十分に接着させた後に、粘着テープの端部をフィルムに対して直角としてから瞬間的に引き剥がした。この引き剥がした粘着テープ面を表面赤外分光装置(パーキンエルマー社製FT−IR;SYSTEM2000型、Ge60°50×20×2mmプリズムを使用)で分析することにより、粘着テープ面に樹脂被膜が付着しているか否か、すなわち樹脂被膜が粘着テープにより剥離されているかにより分類し、密着性を評価した。
上記の2種類の評価より、総合的な樹脂被膜の造膜性を以下の基準で評価した。
なお、樹脂被膜の厚みは、厚み計(ユニオンツール社製MICROFINE)を用いて、フィルムの厚みを予め測定しておき、水性分散体を用いてフィルム上に樹脂被膜を形成した後、この樹脂被膜を有する基材の厚みを同様の方法で測定し、その差により求めた。
○:クラック、微細な凹凸、白化等の外観不良、および粘着テープによる樹脂被膜の剥離のいずれもが認められない。
△:粘着テープの剥離は見られないが、クラック、微細な凸凹、白化等の外観不良が認められる。
×:クラック、微細な凹凸、白化等の外観不良、および粘着テープによる樹脂被膜の剥離のいずれかが認められる。
(8)樹脂被膜の透明性
前記(7)と同様の操作をおこなって、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した後に、50mm×50mmの試験片に切り出し、濁度計(日本電色工業株式会社製NDH2000型)を用いて、JIS K7105に準拠した方法で拡散透過率(Td)、および、全光線透過率(Tt)を測定、下記式によりHzを算出した。算出されたHzについて、基材PETフィルム単独のHzと比較し評価した。なお、基材のPETフィルムのみで、Hzは4.2(%)であった。
Hz(%)=Td/Tt×100
○:Hzが4.2%未満となり、基材の透明性を損ねていなかった。
×:Hzが4.2%以上となり、基材の透明性を損ねた。
(9)樹脂被膜の耐ブロッキング性
前記(7)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した後、被膜形成面に別のPETフィルムを重ねた状態で500Paの荷重をかけ、38℃の雰囲気下で24時間放置後、25℃まで冷却した後、2枚のPETフィルムを手で剥がし、容易に剥がすことができるか否かにより下記のように分類し、耐ブロッキング性を評価した。
○:容易に剥がすことができ、全く融着跡が認められない。
△:剥離音がわずかにあるが、融着跡は認められない。
×:剥がす際にかなりの抵抗があり、融着跡が認められる。
(10)樹脂被膜の易滑性
前記(7)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した。ASTM D−1894に準じて、島津製作所社製オートグラフで樹脂被膜面の動摩擦係数(μk )を測定した。μkは、0.5未満であることが好ましい。
(11)樹脂被膜の易接着性
前記(7)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した。該樹脂被膜上に、アクリル系ハードコート樹脂(大日精化社製 セイカビームPHC)を同様に卓上型コーティング装置を用いて塗布し、低圧水銀灯UVキュア装置(東芝ライテック社製、40mW/cm、一灯式)でキュアリングを行い、厚さ3μmのハードコート層を形成した。この塗膜をJIS K−5600−5−6に準拠して、クロスカット法によって密着性を確認した。なお、「100/100」が、全く剥がれがなく、最も良い状態であり、「0/100」が、全てが剥がれ、最も良くない状態を示す。100/100〜90/100を合格とし、100/100〜95/100がより優れており、100/100〜98/100がさらにより優れており、100/100が最も優れていることを示す。
(12)樹脂被膜の耐久性
前記(10)と同様にして得られた積層体について、20℃、65RH%雰囲気下で1週間状態調節をおこない、調節後、JIS K−5600−5−1に準拠して、積層体の折り曲げ試験結果を下記のように分類し、耐久性を評価した。
○:直径5mmの折り曲げ試験で積層体に浮き、割れ、および剥がれが見られない。
△:直径5mmの折り曲げ試験では、積層体に浮き、割れ、剥がれのいずれかが見られるが、直径10mmでは浮き、割れ、および剥がれが見られない。
×:直径10mmの折り曲げ試験で積層体に浮き、割れ、剥がれのいずれかが見られる。
[ポリエステル樹脂の調製]
下記手順により、実施例および比較例で用いるポリエステル樹脂(a1)〜(a19)を得た。
調製例1
テレフタル酸2060g、イソフタル酸1096g、5−ナトリウムスルホイソフタル酸268g、エチレングリコール1490g、ジエチレングリコール1061gからなる混合物をオートクレーブ中で、240℃で4時間加熱してエステル化反応を行った。この時のモノマー成分の配合は、テレフタル酸:イソフタル酸:5−ナトリウムスルホイソフタル酸:エチレングリコール:ジエチレングリコール=62:33:5:120:50(モル比)とした。次いで、触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.57g(全酸成分の合計1モルあたり1.0×10−4モル)添加した後、系の温度を260℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、6時間後に系を窒素ガスで加圧状態にしておいてストランド状に樹脂を払い出し、水冷後、カッティングして、直径約3mm、長さ約3mmのペレット状のポリエステル樹脂(a1)を得た。
調製例2〜19
仕込組成を、表1のように変更した以外は、ポリエステル樹脂(a1)と同様にして、ポリエステル樹脂(a2)〜(a19)をそれぞれ得た。なお、ポリエステル樹脂(a5),(a8),(a12),(a13),(a16),(a18),(a19)はシート状に樹脂を払い出し、さらに、(a5),(a8),(a12),(a13),(a16),(a19)は、室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、粒状のポリエステル樹脂を得た。
なお、表1中の、略語は以下のものを示す。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
SIPA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸
EG:エチレングリコール
DEG:ジエチレングリコール
TEG:トリエチレングリコール
PTMG1000:分子量1000のポリテトラメチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
BAEO:2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンのエチレンオキシド付加体
得られたポリエステル樹脂(a1)〜(a19)の最終樹脂組成および特性値を表2に示す。
[ポリエステル樹脂水性分散体の調製]
下記手順により、ポリエステル樹脂水性分散体(A−1)〜(A−19)を得た。得られたポリエステル樹脂水性分散体(A−1)〜(A−19)につき各種評価を行った。
調製例20
ジャケット付きの、密閉が可能な円筒状ガラス容器(内容量3L)と、攪拌機(東京理科器械社製、「MAZELA NZ−1200」)を用い、ポリエステル樹脂(a1)を300g、イソプロパノールを100g、蒸留水を600gそれぞれガラス容器内に仕込み、攪拌翼の回転速度を300rpmに保って攪拌しながら、ジャケット内に熱水を通して昇温した。内温が80℃になった時点で昇温を止め、そこから攪拌を180分間続けた。攪拌中は内温を82±2℃に保つようおこなった。その後、ジャケット内に冷水を通し、回転速度を50rpmに下げて攪拌しつつ、25℃まで冷却した。
得られたポリエステル樹脂(a1)の分散体800gを丸底フラスコに仕込み、蒸留水を126g加えて、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、常圧で水性媒体を150g留去した。その後、室温まで冷却し、固形分濃度が30質量%となるようにイオン交換水を加えて、600メッシュのステンレス製フィルターによるろ過をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体(A−1)を得た。その評価結果を表3に示す。
調製例21〜38
ポリエステル樹脂の種類を、表3のように変更した以外は、調製例20と同様にして、ポリエステル樹脂水性分散体(A−2)〜(A−19)をそれぞれ得た。その評価結果を表3に示す。
比較例1
ポリエステル樹脂水性分散体(A−1)を易接着層形成用水性接着剤として用い、得ら
れた樹脂被膜につき、各種特性の評価を行った。その結果を表4に示す。
比較例2〜19
易接着層形成用水性接着剤として用いる、ポリエステル樹脂水性分散体を表4に示すよ
うに変更して、実施例1と同様にして各種特性の評価を行った。その結果を表4に示す。
(メラミン樹脂系架橋剤の水性分散体B−1)
メラミン樹脂系架橋剤としては、市販の日本サイテックインダストリーズ社製「サイメル325」(固形分濃度80質量%)を蒸留水中に混合し、固形分濃度25質量%としたものを使用した。
(水性のオキサゾリン基含有ポリマー系架橋剤B−2)
オキサゾリン基含有ポリマー系架橋剤としては、市販の日本触媒社製「エポクロス WS−700」(固形分濃度25質量%)を使用した。
調整例39
(ポリウレタン樹脂水性分散体C−1の製造)
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた反応器に、平均分子量1970のポリテトラメチレングリコールを345質量部、イソホロンジイソシアネートを77.8質量部、ジブチルチンジラウレートを0.03質量部仕込み、80℃で2時間反応させた。次いでこの反応液を50℃まで冷却した後、ジメチルプロパノールアミンを11.7質量部、トリエチルアミンを8.85質量部、アセトンを177質量部添加し3時間反応させた。さらにこの反応液にアセトンを175質量部加えて30℃まで冷却し、イソホロンジイソシアネートが13.4質量部、モノエタノ−ルアミンが1.07質量部、イソプロピルアルコールが87.9質量部、水が1039質量部からなる混合液を加えて高速攪拌し、この液よりアセトンとIPAを留去して、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂水性分散体(固形分濃度30質量%)C−1を得た。
(ポリエステル型ポリウレタン樹脂水性分散体C−2)
ポリウレタン樹脂水性分散体としては、市販のアデカ社製「アデカボンタイター UX−0666」(固形分濃度40質量%)を使用した。
(無機粒子の水性分散体D−1)
無機粒子の水性分散体として、市販の日産化学工業社製「スノーテックスC」(固形分濃度20質量%、粒子径20nm)を使用した。
(無機粒子の水性分散体D−2)
無機粒子の水性分散体として、市販の扶桑化学工業社製「PL−20」(固形分濃度20質量%、粒子径220nm)を使用した。
実施例
ポリエステル樹脂分散体(A−1)に含有するポリエステル樹脂(a1)、水系架橋剤
(B−1)に含有する架橋剤(b1)、ポリウレタン樹脂水性分散体(C−1)に含有す
るポリウレタン樹脂(c1)、無機粒子(d1)の質量比(以下、固形分質量比という)
が(a1)/(b1)/(c1)/(d1)=66.1/3.5/28.4/2.0とな
るように、ポリエステル樹脂分散体(A−1)221.7質量部、水性架橋剤(B−1)
14.0質量部、水性ポリウレタン樹脂(C−1)95.0質量部、無機粒子水性分散体
(D−1)10.0質量部を混合攪拌して易接着層形成用水性接着剤(S−1)を得た。
各種特性の評価を行った。その結果を表5に示す。
実施例11、比較例20、21
ポリエステル樹脂水性分散体、水性架橋剤、水性ポリウレタン樹脂、無機粒子の水分散
液の種類、またそれぞれの固形分質量比{(a)/(b)/(c)/(d)}を表5に示
すように変更した以外は、実施例16と同様にして、易接着層形成用水性接着剤(S−2
)〜(S−13)を得て、各種特性の評価を行った。その結果を表5に示す。
実施例12
易接着層形成用水性接着剤(S−1)を用い、卓上型コーティング装置の条件を変更す
る以外は、前記(7)樹脂被膜の造膜性の評価で行った手順と同様にして、二軸延伸PE
Tフィルム(ユニチカ社製、厚さ50μm)のコロナ処理面に、膜厚が0.05μmの樹
脂被膜を形成し、各種特性の評価を行った。その結果を表5に示す。なお、膜厚0.05
μmである樹脂被膜の評価方法は膜厚0.2μmの場合と同様にして行った。
実施例13
易接着層形成用水性接着剤(S−1)を用い、卓上型コーティング装置の条件を変更す
る以外は、前記(7)樹脂被膜の造膜性の評価で行った手順と同様にして、二軸延伸PE
Tフィルム(ユニチカ社製、厚さ50μm)のコロナ処理面に、膜厚が1μmの樹脂被膜
を形成し、各種特性の評価を行った。その結果を表5に示す。なお、膜厚1μmである樹
脂被膜の評価方法は膜厚0.2μmの場合と同様にして行った。
実施例14
まず、易接着層形成用水性接着剤(S−1)を準備した。厚さ260μmである未延伸
PETフィルムを90℃で縦方向に3倍に延伸し、次いで前記の易接着層形成用水性接着
剤(S−1)をバーコーターにより塗布(コーティング)した。次いで65℃で乾燥した
後、120℃で横方向に4.0倍延伸し、さらに続いて230℃で5秒間熱処理を行なっ
た。こうして逐次延伸により得られた厚さ25μmPETフィルムは膜厚0.2μmであ
る樹脂被膜を形成した。その後各種特性の評価を行った。その結果を表5に示す。
実施例1〜14は、所定の配合に従ったため、得られた易接着層形成用水性接着剤は安
定性が良く、易接着層形成用水性接着剤から得られる樹脂被膜は易接着性、透明性、耐ブ
ロッキング性、耐久性に優れた被膜を形成できた。特に、実施例1214については、ポリエステル樹脂(A)、架橋剤(B)、ポリウレタン樹脂(C)、無機粒子(D)をそれぞれ特定の配合で用いたため、易接着層形成用水性接着剤から得られる樹脂被膜は、特に、易接着性、耐久性、易滑性についてより優れた被膜を形成できることができた。
比較例16は、ポリエステル樹脂(A)のジカルボン酸成分において、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸が1モル%未満であったため、得られる易接着層形成用水性接着剤は安定性に劣り、またその易接着層形成用水性接着剤から得られる樹脂被膜は、易接着性に劣るものとなった。
比較例17は、ポリエステル樹脂(A)のジカルボン酸成分において、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸が10モル%を超えるものであったため、得られる樹脂被膜は造膜性に劣るものとなった。
比較例19は、数平均分子量が5000未満であったため、得られた樹脂被膜は、易接着性、耐久性に劣るものであった。

Claims (10)

  1. 主としてジカルボン酸成分、グリコール成分から構成されるポリエステル樹脂(A)、ポリウレタン樹脂(C)ならびに水を含有し、実質的に乳化剤を含有しない易接着層形成用水性接着剤であって、前記ポリエステル樹脂(A)が、ガラス転移温度40℃以上、数平均分子量5000〜50000であり、ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸成分として、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸の含有量が1〜10モル%であり、ポリウレタン樹脂(C)が、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂であることを特徴とする易接着層形成用水性接着剤。
  2. ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分として、エーテル結合含有グリコー
    ルを20モル%以上含有することを特徴とする請求項1記載の易接着層形成用水性接着剤
  3. さらに架橋剤(B)を含有し、ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)が(A)/(B
    )=99.9/0.1〜75/25(質量比)の割合で含有することを特徴とする請求項
    1または2に記載の易接着層形成用水性接着剤。
  4. リエステル樹脂(A)とポリウレタン樹脂(C)を(A)/(C)=99/1〜40/60(質量比)の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の易接着層形成用水性接着剤。
  5. ポリエーテル型ポリウレタン樹脂のポリエーテルポリオール成分が、ポリテトラメチレ
    ングリコールであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の易接着層形成用水性接着剤。
  6. ポリエーテル型ポリウレタン樹脂のイソシアネート成分が、イソホロンジイソシアネー
    トであることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の易接着層形成用水性接着剤。
  7. さらに無機粒子(D)を含有することを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の易接
    着層形成用水性接着剤。
  8. 請求項1〜7いずれか記載の易接着層形成用水性接着剤から水性媒体を除去してなる易
    接着被膜。
  9. 基材上に、請求項8記載の易接着被膜を形成してなる積層体。
  10. 被膜上に、さらにアクリル塗膜、シリコーン塗膜、ポリカーボネート塗膜から選ばれる
    いずれか1層を設けてなる請求項9記載の積層体。
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