JP6408761B2 - 易接着層形成用水性接着剤 - Google Patents
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Description
表面処理としては、コロナ処理等の物理的処理が知られているが、これらの処理は、ハードコート層の密着性向上には不十分である。すなわち、ハードコート層を積層したポリエステルフィルムを過酷な環境条件、例えば急激な温度変化(熱衝撃)の環境で使用すると、ハードコート層とフィルム層の密着力が低下し剥がれる場合があった。また積層するハードコート層の樹脂成分によっても密着性低下が起こり、十分満足できるものではなかった。
(2)ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分として、エーテル結合含有グリコールを20モル%以上含有することを特徴とする(1)の易接着層形成用水性接着剤。
(3)さらに架橋剤(B)を含有し、ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)が(A)/(B)=99.9/0.1〜75/25(質量比)の割合で含有することを特徴とする(1)または(2)の易接着層形成用水性接着剤。
(4)ポリエステル樹脂(A)とポリウレタン樹脂(C)を(A)/(C)=99/1〜40/60(質量比)の割合で含有することを特徴とする(1)〜(3)の易接着層形成用水性接着剤。
(5)ポリエーテル型ポリウレタン樹脂のポリエーテルポリオール成分が、ポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする(1)〜(4)の易接着層形成用水性接着剤。
(6)ポリエーテル型ポリウレタン樹脂のイソシアネート成分が、イソホロンジイソシアネートであることを特徴とする(1)〜(5)の易接着層形成用水性接着剤。
(7)さらに無機粒子(D)を含有することを特徴とする(1)〜(6)の易接着層形成用水性接着剤。
(8)(1)〜(7)の易接着層形成用水性接着剤から水性媒体を除去してなる易接着被膜。
(9)基材上に、(8)の易接着被膜を形成してなる積層体。
(10)被膜上に、さらにアクリル塗膜、シリコーン塗膜、ポリカーボネート塗膜から選ばれるいずれか1層を設けてなる(9)の積層体。
また、このような易接着層形成用水性接着剤を用いた被膜を含む積層体は、特に液晶表示用の最外層フィルム、タッチパネルの最外層フィルム、プリズムコートのような内層フィルム等の光学用途で好適に用いることができる。
本発明の易接着層形成用水性接着剤は、ポリエステル樹脂(A)、ポリウレタン樹脂(C)を水性分散化した水性接着剤であり、実質的に乳化剤を含有しないことを特徴とする。前記易接着層形成用水性接着剤には、後述する、架橋剤(B)、無機粒子(D)を含有してもよい。
なお、評価、測定方法は下記の通りである。
高分解能核磁気共鳴装置(日本電子社製NMR;ECA‐500型)を用いて、1H−NMR分析することにより、それぞれの共重合成分のピーク強度から樹脂組成を求めた(分解能:500MHz、溶媒:重水素化トリフルオロ酢酸、温度:25℃)。また、1H−NMRスペクトル上に帰属・定量可能なピークが認められない構成モノマーを含む樹脂については、封管中230℃で3時間メタノール分解をおこなった後に、ガスクロマトグラム分析に供し、定量分析をおこなった。
ポリエステル樹脂を10mg秤量し、入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製DSC;Diamond DSC型、検出範囲:−50℃〜200℃)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定をおこない、得られた昇温曲線中の、低温側ベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度を求め、ガラス転移温度とした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件でポリスチレン換算の数平均分子量、重量平均分子量を測定した。
[送液ユニット]:島津製作所社製LC−10ADvp
[紫外−可視分光光度計]:島津製作所社製SPD−6AV、検出波長:254nm
[カラム]:Shodex社製KF−803 1本、Shodex社製KF−804 2本を直列に接続して使用
[溶媒]:テトラヒドロフラン
[測定温度]:40℃
上記の数平均分子量(Mnとする)、および重量平均分子量(Mwとする)より、分散度を以下の式により求めた。
分散度=Mw/Mn
水性分散体、または易接着層形成用水性接着剤を約1g秤量(X1gとする)し、これを150℃で2時間乾燥した後の残存物の質量を秤量(Y1gとする)し、下記式により固形分濃度を求めた。
固形分濃度(質量%)=(Y1/X1)×100
水性分散体、または易接着層形成用水性接着剤中の固形分濃度が0.1質量%になるように水で希釈し、レーザー回折式粒径測定装置(日機装社製MICROTRAC UPA;モデル9340−UPA型)を用いて、体積平均粒径、および数平均粒径を測定した。ポリエステル樹脂の屈折率は1.57、ポリエステル樹脂の密度は1.21g/cm3と設定した。
水性分散体、または易接着層形成用水性接着剤を30g採取した後、50mLのガラス製サンプル瓶に密封し、25℃で90日保存した。保存後、サンプル瓶から上澄み液を採取し、固形分濃度を測定し、下記式より、沈殿物の割合を計算し、分散安定性の評価を行った。
沈殿物の割合(質量%)={保存前の固形分濃度(質量%)−保存後の固形分濃度(質量%)}/{保存前の固形分濃度(質量%)}
○:0.5質量%未満
△:1.0質量%未満
×:1.0質量%以上、あるいは、液全体が固化していて上澄みが採取できない
易接着層形成用水性接着剤を、二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製、厚さ50μm)のコロナ処理面に、卓上型コーティング装置(安田精機社製フィルムアプリケータ;No.542−AB型、バーコータ装着)を用いてコーティングした後、100℃に設定された熱風乾燥機中で2分間乾燥させることにより、膜厚が0.2μmの樹脂被膜を形成した。この樹脂被膜を目視にて観察し、外観を評価した。
また、上記記載の通り形成した樹脂被膜を、JIS Z1522に規定された粘着テープ(幅:18mm)を、一方の端部を残して樹脂被膜に貼りつけ、その上から消しゴムでこすって、粘着テープと樹脂被膜とを十分に接着させた後に、粘着テープの端部をフィルムに対して直角としてから瞬間的に引き剥がした。この引き剥がした粘着テープ面を表面赤外分光装置(パーキンエルマー社製FT−IR;SYSTEM2000型、Ge60°50×20×2mmプリズムを使用)で分析することにより、粘着テープ面に樹脂被膜が付着しているか否か、すなわち樹脂被膜が粘着テープにより剥離されているかにより分類し、密着性を評価した。
上記の2種類の評価より、総合的な樹脂被膜の造膜性を以下の基準で評価した。
なお、樹脂被膜の厚みは、厚み計(ユニオンツール社製MICROFINE)を用いて、フィルムの厚みを予め測定しておき、水性分散体を用いてフィルム上に樹脂被膜を形成した後、この樹脂被膜を有する基材の厚みを同様の方法で測定し、その差により求めた。
○:クラック、微細な凹凸、白化等の外観不良、および粘着テープによる樹脂被膜の剥離のいずれもが認められない。
△:粘着テープの剥離は見られないが、クラック、微細な凸凹、白化等の外観不良が認められる。
×:クラック、微細な凹凸、白化等の外観不良、および粘着テープによる樹脂被膜の剥離のいずれかが認められる。
前記(7)と同様の操作をおこなって、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した後に、50mm×50mmの試験片に切り出し、濁度計(日本電色工業株式会社製NDH2000型)を用いて、JIS K7105に準拠した方法で拡散透過率(Td)、および、全光線透過率(Tt)を測定、下記式によりHzを算出した。算出されたHzについて、基材PETフィルム単独のHzと比較し評価した。なお、基材のPETフィルムのみで、Hzは4.2(%)であった。
Hz(%)=Td/Tt×100
○:Hzが4.2%未満となり、基材の透明性を損ねていなかった。
×:Hzが4.2%以上となり、基材の透明性を損ねた。
前記(7)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した後、被膜形成面に別のPETフィルムを重ねた状態で500Paの荷重をかけ、38℃の雰囲気下で24時間放置後、25℃まで冷却した後、2枚のPETフィルムを手で剥がし、容易に剥がすことができるか否かにより下記のように分類し、耐ブロッキング性を評価した。
○:容易に剥がすことができ、全く融着跡が認められない。
△:剥離音がわずかにあるが、融着跡は認められない。
×:剥がす際にかなりの抵抗があり、融着跡が認められる。
前記(7)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した。ASTM D−1894に準じて、島津製作所社製オートグラフで樹脂被膜面の動摩擦係数(μk )を測定した。μkは、0.5未満であることが好ましい。
前記(7)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した。該樹脂被膜上に、アクリル系ハードコート樹脂(大日精化社製 セイカビームPHC)を同様に卓上型コーティング装置を用いて塗布し、低圧水銀灯UVキュア装置(東芝ライテック社製、40mW/cm、一灯式)でキュアリングを行い、厚さ3μmのハードコート層を形成した。この塗膜をJIS K−5600−5−6に準拠して、クロスカット法によって密着性を確認した。なお、「100/100」が、全く剥がれがなく、最も良い状態であり、「0/100」が、全てが剥がれ、最も良くない状態を示す。100/100〜90/100を合格とし、100/100〜95/100がより優れており、100/100〜98/100がさらにより優れており、100/100が最も優れていることを示す。
前記(10)と同様にして得られた積層体について、20℃、65RH%雰囲気下で1週間状態調節をおこない、調節後、JIS K−5600−5−1に準拠して、積層体の折り曲げ試験結果を下記のように分類し、耐久性を評価した。
○:直径5mmの折り曲げ試験で積層体に浮き、割れ、および剥がれが見られない。
△:直径5mmの折り曲げ試験では、積層体に浮き、割れ、剥がれのいずれかが見られるが、直径10mmでは浮き、割れ、および剥がれが見られない。
×:直径10mmの折り曲げ試験で積層体に浮き、割れ、剥がれのいずれかが見られる。
下記手順により、実施例および比較例で用いるポリエステル樹脂(a1)〜(a19)を得た。
テレフタル酸2060g、イソフタル酸1096g、5−ナトリウムスルホイソフタル酸268g、エチレングリコール1490g、ジエチレングリコール1061gからなる混合物をオートクレーブ中で、240℃で4時間加熱してエステル化反応を行った。この時のモノマー成分の配合は、テレフタル酸:イソフタル酸:5−ナトリウムスルホイソフタル酸:エチレングリコール:ジエチレングリコール=62:33:5:120:50(モル比)とした。次いで、触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.57g(全酸成分の合計1モルあたり1.0×10−4モル)添加した後、系の温度を260℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、6時間後に系を窒素ガスで加圧状態にしておいてストランド状に樹脂を払い出し、水冷後、カッティングして、直径約3mm、長さ約3mmのペレット状のポリエステル樹脂(a1)を得た。
仕込組成を、表1のように変更した以外は、ポリエステル樹脂(a1)と同様にして、ポリエステル樹脂(a2)〜(a19)をそれぞれ得た。なお、ポリエステル樹脂(a5),(a8),(a12),(a13),(a16),(a18),(a19)はシート状に樹脂を払い出し、さらに、(a5),(a8),(a12),(a13),(a16),(a19)は、室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、粒状のポリエステル樹脂を得た。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
SIPA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸
EG:エチレングリコール
DEG:ジエチレングリコール
TEG:トリエチレングリコール
PTMG1000:分子量1000のポリテトラメチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
BAEO:2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンのエチレンオキシド付加体
下記手順により、ポリエステル樹脂水性分散体(A−1)〜(A−19)を得た。得られたポリエステル樹脂水性分散体(A−1)〜(A−19)につき各種評価を行った。
ジャケット付きの、密閉が可能な円筒状ガラス容器(内容量3L)と、攪拌機(東京理科器械社製、「MAZELA NZ−1200」)を用い、ポリエステル樹脂(a1)を300g、イソプロパノールを100g、蒸留水を600gそれぞれガラス容器内に仕込み、攪拌翼の回転速度を300rpmに保って攪拌しながら、ジャケット内に熱水を通して昇温した。内温が80℃になった時点で昇温を止め、そこから攪拌を180分間続けた。攪拌中は内温を82±2℃に保つようおこなった。その後、ジャケット内に冷水を通し、回転速度を50rpmに下げて攪拌しつつ、25℃まで冷却した。
得られたポリエステル樹脂(a1)の分散体800gを丸底フラスコに仕込み、蒸留水を126g加えて、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、常圧で水性媒体を150g留去した。その後、室温まで冷却し、固形分濃度が30質量%となるようにイオン交換水を加えて、600メッシュのステンレス製フィルターによるろ過をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体(A−1)を得た。その評価結果を表3に示す。
ポリエステル樹脂の種類を、表3のように変更した以外は、調製例20と同様にして、ポリエステル樹脂水性分散体(A−2)〜(A−19)をそれぞれ得た。その評価結果を表3に示す。
ポリエステル樹脂水性分散体(A−1)を易接着層形成用水性接着剤として用い、得ら
れた樹脂被膜につき、各種特性の評価を行った。その結果を表4に示す。
易接着層形成用水性接着剤として用いる、ポリエステル樹脂水性分散体を表4に示すよ
うに変更して、実施例1と同様にして各種特性の評価を行った。その結果を表4に示す。
メラミン樹脂系架橋剤としては、市販の日本サイテックインダストリーズ社製「サイメル325」(固形分濃度80質量%)を蒸留水中に混合し、固形分濃度25質量%としたものを使用した。
オキサゾリン基含有ポリマー系架橋剤としては、市販の日本触媒社製「エポクロス WS−700」(固形分濃度25質量%)を使用した。
(ポリウレタン樹脂水性分散体C−1の製造)
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた反応器に、平均分子量1970のポリテトラメチレングリコールを345質量部、イソホロンジイソシアネートを77.8質量部、ジブチルチンジラウレートを0.03質量部仕込み、80℃で2時間反応させた。次いでこの反応液を50℃まで冷却した後、ジメチルプロパノールアミンを11.7質量部、トリエチルアミンを8.85質量部、アセトンを177質量部添加し3時間反応させた。さらにこの反応液にアセトンを175質量部加えて30℃まで冷却し、イソホロンジイソシアネートが13.4質量部、モノエタノ−ルアミンが1.07質量部、イソプロピルアルコールが87.9質量部、水が1039質量部からなる混合液を加えて高速攪拌し、この液よりアセトンとIPAを留去して、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂水性分散体(固形分濃度30質量%)C−1を得た。
ポリウレタン樹脂水性分散体としては、市販のアデカ社製「アデカボンタイター UX−0666」(固形分濃度40質量%)を使用した。
無機粒子の水性分散体として、市販の日産化学工業社製「スノーテックスC」(固形分濃度20質量%、粒子径20nm)を使用した。
無機粒子の水性分散体として、市販の扶桑化学工業社製「PL−20」(固形分濃度20質量%、粒子径220nm)を使用した。
ポリエステル樹脂分散体(A−1)に含有するポリエステル樹脂(a1)、水系架橋剤
(B−1)に含有する架橋剤(b1)、ポリウレタン樹脂水性分散体(C−1)に含有す
るポリウレタン樹脂(c1)、無機粒子(d1)の質量比(以下、固形分質量比という)
が(a1)/(b1)/(c1)/(d1)=66.1/3.5/28.4/2.0とな
るように、ポリエステル樹脂分散体(A−1)221.7質量部、水性架橋剤(B−1)
14.0質量部、水性ポリウレタン樹脂(C−1)95.0質量部、無機粒子水性分散体
(D−1)10.0質量部を混合攪拌して易接着層形成用水性接着剤(S−1)を得た。
各種特性の評価を行った。その結果を表5に示す。
ポリエステル樹脂水性分散体、水性架橋剤、水性ポリウレタン樹脂、無機粒子の水分散
液の種類、またそれぞれの固形分質量比{(a)/(b)/(c)/(d)}を表5に示
すように変更した以外は、実施例16と同様にして、易接着層形成用水性接着剤(S−2
)〜(S−13)を得て、各種特性の評価を行った。その結果を表5に示す。
易接着層形成用水性接着剤(S−1)を用い、卓上型コーティング装置の条件を変更す
る以外は、前記(7)樹脂被膜の造膜性の評価で行った手順と同様にして、二軸延伸PE
Tフィルム(ユニチカ社製、厚さ50μm)のコロナ処理面に、膜厚が0.05μmの樹
脂被膜を形成し、各種特性の評価を行った。その結果を表5に示す。なお、膜厚0.05
μmである樹脂被膜の評価方法は膜厚0.2μmの場合と同様にして行った。
易接着層形成用水性接着剤(S−1)を用い、卓上型コーティング装置の条件を変更す
る以外は、前記(7)樹脂被膜の造膜性の評価で行った手順と同様にして、二軸延伸PE
Tフィルム(ユニチカ社製、厚さ50μm)のコロナ処理面に、膜厚が1μmの樹脂被膜
を形成し、各種特性の評価を行った。その結果を表5に示す。なお、膜厚1μmである樹
脂被膜の評価方法は膜厚0.2μmの場合と同様にして行った。
まず、易接着層形成用水性接着剤(S−1)を準備した。厚さ260μmである未延伸
PETフィルムを90℃で縦方向に3倍に延伸し、次いで前記の易接着層形成用水性接着
剤(S−1)をバーコーターにより塗布(コーティング)した。次いで65℃で乾燥した
後、120℃で横方向に4.0倍延伸し、さらに続いて230℃で5秒間熱処理を行なっ
た。こうして逐次延伸により得られた厚さ25μmPETフィルムは膜厚0.2μmであ
る樹脂被膜を形成した。その後各種特性の評価を行った。その結果を表5に示す。
定性が良く、易接着層形成用水性接着剤から得られる樹脂被膜は易接着性、透明性、耐ブ
ロッキング性、耐久性に優れた被膜を形成できた。特に、実施例1〜5、12〜14については、ポリエステル樹脂(A)、架橋剤(B)、ポリウレタン樹脂(C)、無機粒子(D)をそれぞれ特定の配合で用いたため、易接着層形成用水性接着剤から得られる樹脂被膜は、特に、易接着性、耐久性、易滑性についてより優れた被膜を形成できることができた。
Claims (10)
- 主としてジカルボン酸成分、グリコール成分から構成されるポリエステル樹脂(A)、ポリウレタン樹脂(C)ならびに水を含有し、実質的に乳化剤を含有しない易接着層形成用水性接着剤であって、前記ポリエステル樹脂(A)が、ガラス転移温度40℃以上、数平均分子量5000〜50000であり、ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸成分として、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸の含有量が1〜10モル%であり、ポリウレタン樹脂(C)が、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂であることを特徴とする易接着層形成用水性接着剤。
- ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分として、エーテル結合含有グリコー
ルを20モル%以上含有することを特徴とする請求項1記載の易接着層形成用水性接着剤
。 - さらに架橋剤(B)を含有し、ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)が(A)/(B
)=99.9/0.1〜75/25(質量比)の割合で含有することを特徴とする請求項
1または2に記載の易接着層形成用水性接着剤。 - ポリエステル樹脂(A)とポリウレタン樹脂(C)を(A)/(C)=99/1〜40/60(質量比)の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の易接着層形成用水性接着剤。
- ポリエーテル型ポリウレタン樹脂のポリエーテルポリオール成分が、ポリテトラメチレ
ングリコールであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の易接着層形成用水性接着剤。 - ポリエーテル型ポリウレタン樹脂のイソシアネート成分が、イソホロンジイソシアネー
トであることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の易接着層形成用水性接着剤。 - さらに無機粒子(D)を含有することを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の易接
着層形成用水性接着剤。 - 請求項1〜7いずれか記載の易接着層形成用水性接着剤から水性媒体を除去してなる易
接着被膜。 - 基材上に、請求項8記載の易接着被膜を形成してなる積層体。
- 被膜上に、さらにアクリル塗膜、シリコーン塗膜、ポリカーボネート塗膜から選ばれる
いずれか1層を設けてなる請求項9記載の積層体。
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