JP2011140562A - ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のPENフィルムの生産性、コストなどの問題を解決し、一般的なポリエステルフィルムに金属を含まない、熱硬化性かつ環境調和型の塗布層を工夫して施すことでPENと同等以上の低オリゴマー性能を有し、安価なポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 ポリエステルフィルムの一方の面に、四級アンモニウム塩基含有ポリマー、ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーおよび架橋剤を含有する塗布層(A)を有し、当該塗布層上に、シリコーン樹脂とメラミン樹脂とアルキド樹脂を含む混合物で形成された塗布層(B)を有し、当該塗布層(B)の厚みが100〜500nmであることを特徴とするポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、低オリゴマー性を有するポリエステルフィルムに関するものである。
近年、太陽電池、フラットパネルディスプレイ、有機EL、電子ペーパーなどの需要が高まっている。これらに使われる部材としては、ハイバリア性能を有するフィルムが必要である。そのような部材におけるハイバリア性の1つの重要なファクターは、低オリゴマー(以下、OLと略記する場合がある)性である。現在までに、低OL性能が優れるフィルムとして、ポリエチレンナフタレート(以後、PENと略記する場合がある)フィルムが代表的なものとして知られているが、PENフィルムに匹敵するようなポリエステルフィルムはまだ開発されていない。
PENフィルムと同程度以上の低OL性能を有するポリエステルフィルムを得るためには、ポリエステルの構造、結晶性などの特徴から、特殊な添加剤や特殊なコーティングなどの高い技術が必要とされる。例えば、既存のポリエステルフィルムの微粒子の調整でベース自体のオリゴマー量を減らす、また、厚みにもよるが、低オリゴマー性能を有する塗布層(A)を設け、さらに、その上に塗布層(A)と相性が良い塗布層(B)を適宜選択する、などの設計ができ、それらを上手く組み合わせることができるならば、PEN並み以上の低オリゴマー性能を有するポリエステルフィルムを得ることが可能となる。また、この塗布層(B)では有機金属化合物を触媒として用いるようなものが数多く知られているが、金属を用いない環境調和型のものであればなお良い。
フィルムのOL量が多い場合、上記部材に用いる際に必要なシリカなどの蒸着過程における加熱で、フィルム表面にOLが多く析出してしまい、蒸着が上手くできないという問題が起こってくる。また、このようにシリカ蒸着を考慮に入れると、上記のように任意選択した塗布層(A)や塗布層(B)はシリカとの相性が良くなければならず、より高度である。
さらに、高透明が必要とされる光学用途等に用いられる場合、析出した表面OLのために表面性状が悪くなったり、透明性が低下したりすることなどが問題となってくる。
PENフィルムは優れた低OL性を有するため、上記用途で多く用いられているが、生産性とコストの点で問題ある。PEN代替フィルムとして、安価な汎用ポリエステルフィルムが使われることは非常に魅力的であり、産業の発展に繋がると期待できるが、いまだ達成されていない。
特開2005−112875号公報 特開2006−143793号公報 特願2009−248474号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、従来のPENフィルムの生産性、コストなどの問題を解決し、一般的なポリエステルフィルムに金属を含まない、熱硬化性かつ環境調和型の塗布層を工夫して施すことでPENと同等以上の低OL性能を有し、安価なポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は上記実情に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの一方の面に、四級アンモニウム塩基含有ポリマー、ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーおよび架橋剤を含有する塗布層(A)を有し、当該塗布層上に、シリコーン樹脂とメラミン樹脂とアルキド樹脂とを含む混合物で形成された塗布層(B)を有し、当該塗布層(B)の厚みが100〜500nmであることを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、PENフィルムと同等以上の性能を持つポリエステルフィルムを提供することができ、の応用が期待できるため、その工業的価値は高い。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルフィルムを構成する、ポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよいが、ハイバリア性への応用を考えるならば、2層、3層、4層またはそれ以上の多層であった方が好ましい。
本発明において使用するポリエステルは、生産コストの削減や工程作業容易化を追及した結果、ホモポリエステルであることが好ましい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。
本発明のフィルム中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されているような耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.1〜2μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、易滑性を十分に付与できない場合がある。一方、3μmを超える場合には、フィルムの製膜時に、その粒子の凝集物のために透明性が低下することがあるほか、破断などを起こしやすくなり、生産性の面で問題になることがある。
さらにポリエステル中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合には、フィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常10〜350μm、好ましくは50〜250μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルム製造に関しては、同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
次に本発明におけるポリエステルフィルムを構成する塗布層(A)の形成について説明する。塗布層(A)に関してはポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよく、両者を併用してもよい。製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であり、塗布層(A)の厚みを延伸倍率により変化させることができるという点でインラインコーティングが好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に塗布層を高温で処理することができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明において、塗布層(A)中には、粘着剤層中へのオリゴマー成分の進入防止を図ることを目的として、四級アンモニウム塩基含有ポリマーを含有することを必須の要件とするものである。
本発明において使用する4級アンモニウム塩基含有ポリマーに関しては、分子中の主鎖や側鎖に、4級アンモニウム塩基を含む構成要素を有するものが対象となる。具体例としては、ピロリジウム環、アルキルアミンの4級化物、さらにこれらをアクリル酸やメタクリル酸と共重合したもの、N−アルキルアミノアクリルアミドの4級化物、ビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩、2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。さらに、これらを組み合わせたり、あるいは他のバインダーポリマーと共重合させたりしても構わない。また、これら4級アンモニウム塩の対イオンとなるアニオンとしては、例えば、ハロゲン、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、硝酸等のイオンが挙げられる。中でも、ハロゲン以外の対イオンが、特に耐熱性が良好となる点で本発明の用途上好ましい。
また、4級アンモニウム塩基含有ポリマーの分子量に関して、分子量が低すぎる場合は、塗布層中から容易に除去されて経時的に性能が低下、或いは塗布層のブロッキング等の不具合を生じる場合がある。また、分子量が低いと耐熱安定性に劣る場合がある。
かかる観点より、4級アンモニウム塩基含有ポリマーの数平均分子量は、通常、1000以上、好ましくは2000以上、さらに好ましくは5000以上である。一方、数平均分子量が高すぎる場合は、塗布液の粘度が高くなりすぎる等の不具合を生じる場合があるので、数平均分子量の上限は500、000以下を目安にするのが好ましい。また、これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
塗布層(A)中における四級アンモニウム塩基含有ポリマーの配合量は20〜70重量%の範囲であるのが好ましく、さらに好ましくは40〜70重量%の範囲である。当該範囲を外れる場合、所望するオリゴマー封止効果を得るのが困難になる場合がある。
本発明において、塗布層(A)形成時における延伸追従性を良好とすることを目的として、塗布層中にはポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーを含有することを必須とする。具体的には、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(ポリエチレグリコール単位の重合度は4〜14の範囲が好ましい)、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリブチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート等を出発原料とする重合体が例示される。
本発明で用いるポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーの数平均分子量は、通常1000以上、好ましくは2000以上、さらに好ましくは5000以上である。一方、数平均分子量が高すぎる場合は、塗布液の粘度が高くなりすぎる等の不具合を生じる場合がある。かかる観点より、数平均分子量の上限は500、000以下を目安にするのが好ましい。また、これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリエステルフィルムを構成する塗布層(A)に関して、四級アンモニウム塩基含有ポリマーおよびポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーは混合物であってもよいし、あらかじめ、共重合されていてもよく、本発明の要旨を損なわない範囲においては特に限定されるわけではない。また、共重合化させる場合には、従来公知の製造方法を用いることができる。
本発明において、塗布層(A)中には塗布層のさらなる耐久性向上を目的として、架橋剤を併用する必要がある。具体例として、メチロール化またはアルキロール化した尿素、メラミン、グアナミン、オキサゾリン、エポキシ化合物、アクリルアミド、ポリアミド化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、イソシアネート化合物、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネートカップリング剤、ポリカルボジイミド等が挙げられる。
架橋剤の中でも、特に本発明の用途上、塗布性、耐久密着性が良好となる点で、メラミン架橋剤が好ましい。メラミン架橋剤としては、特に限定されるものではないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全エーテル化した化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。
また、メラミン架橋剤は、単量体、あるいは2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。上記エーテル化に用いる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを好ましく使用することができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン、メチロール基型メラミン、メチロール基型メチル化メラミン、完全アルキル型メチル化メラミンなどを用いることができる。それらの中でもメチロール化メラミンが最も好ましい。さらに、メラミン架橋剤の熱硬化促進を目的として、例えば、p−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を併用することもできる。
本発明において用いるオキサゾリン架橋剤としては、分子内にオキサゾリン環を持つ化合物であり、オキサゾリン環を有するモノマーや、オキサゾリン化合物を原料モノマーの1つとして合成されるポリマーも含まれる。
本発明で用いるイソシアネート化合物としては、分子内にイソシアネート基を持つ化合物を指し、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートや、これらの重合体、誘導体等が挙げられる。
本発明で用いるエポキシ化合物としては、例えば、分子内にエポキシ基を含む化合物、そのプレポリマーおよび硬化物が挙げられる。代表的な例は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの縮合物である。特に、低分子ポリオールのエピクロロヒドリンとの反応物は、水溶性に優れたエポキシ樹脂を与える。
これらの架橋剤は、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。さらにインラインコーティングへの適用等を配慮した場合、水溶性または水分散性を有することが好ましい。
本発明において、本発明の要旨を損なわない範囲において、塗布層中にバインダーポリマーを併用することも可能である。
本発明において使用する「バインダーポリマー」とは高分子化合物安全性評価フロースキーム(昭和60年11月 化学物質審議会主催)に準じて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が1000以上の高分子化合物で、かつ造膜性を有するものと定義する。
バインダーポリマーの具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル(ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等)、ポリウレタン樹脂、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。
塗布層(A)中の成分の分析は、例えば、TOF−SIMS等の表面分析によって行うことができる。
インラインコーティングによって塗布層を設ける場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
本発明のポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルム上に設けられる塗布層(A)の膜厚は、通常0.002〜1.0g/m、好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.01〜0.2g/mの範囲である。膜厚が0.002g/m未満の場合は十分な密着性が得られない可能性があり、1.0g/mを超える場合は、外観や透明性、フィルムのブロッキング性が悪化する可能性がある。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、塗布層(A)を設ける方法は、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を挙げることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層(A)を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては、特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
一方、インラインコーティングにより塗布層(A)を設ける場合、通常、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
次に塗布層(B)の形成について説明する。塗布層(B)に関しては上述の塗布延伸法(インラインコーティング)を用いてもよく、一旦製造した上述塗布層を有するポリエステルフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用してもよく、何れの手法を採用してもよい。
本発明は、塗布層(A)を形成する樹脂は、塗布層(B)形成材料を有機溶剤に溶解した塗工液を塗布層(A)上に塗工する工程において、有機溶剤によって溶解し難いことが好ましい。塗布層(A)が有機溶剤に容易に溶解すると、塗布層(B)の成分変化を起こしたり、表面形状が悪くなったり、成分凝集を発生させたりする等の不具合を生じる可能性がある。
塗布層(B)を形成する樹脂としては、シリコーン樹脂とメラミン樹脂とアルキド樹脂とを含む混合液を用いる必要があり、これらの樹脂混合物は、加熱により硬化する。樹脂の混合比率は特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂90〜50%、メラミン樹脂50〜5%、アルキド樹脂30〜1%のそれぞれの範囲であると好適である。
本発明におけるシリコーン樹脂を構成する化合物の具体例として、メチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4− エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(β− アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロペノキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジイソプロペノキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−シアノエチルメチルジメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、sec− ブチルシリケートおよびt−ブチルシリケートを例示することができる。
本発明で使用するメラミン化合物としては、アルキロールまたはアルコキシアルキロール化したメラミン系化合物であるメトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン等が例示され、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できる。
本発明におけるアルキド化合物とは、油脂、酸、ポリアルコール、グリセリンの反応物である。以下から選ばれる油脂、酸、ポリアルコールを適宜選択することで、硬さ、強さ、耐薬品性を自由に変えた化合物を生成することができる。アルキド化合物の原料として、油脂では、大豆油、ヤシ油、亜麻仁油などが、酸では、無水フタル酸、無水マレイン酸、アジピン酸などが、さらに、ポリアルコールでは、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコールなどがそれぞれ挙げられる。
また、塗布層(B)形成材料を溶解させる有機溶剤として、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、シクロヘキサノンおよび酢酸エチル等が一般的に用いられるため、塗布層(A)はこれらに難溶であると、さらに好適である。
塗布層(B)形成材料を溶解する有機溶剤はメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノンおよび酢酸エチルから選択された少なくとも一種を含有するものが好ましい。
さらに塗布層(B)の固着性、滑り性改良を目的として、無機系粒子を含有してもよく、具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等が挙げられる。
また、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤発泡剤、染料等が含有されてもよい。
本発明の要旨を越えない範囲において、分散性改良、造膜性改良等を目的として、使用する有機溶剤は一種類のみでもよく、適宜、二種類以上を使用してもよい。
本発明において、塗布層(B)の塗布量(乾燥後)は、100〜500nm、好ましくは200〜500nmの範囲である。塗布量が100nm未満の場合には、塗布厚みの均一性が不十分であり、熱処理後、塗布層(B)表面から析出するオリゴマー量が多くなる。一方、500nmを超えると、オリゴマー封止性能はあっても、塗膜が脆く、塗布後、乾燥工程、次いで巻取り工程の中でキズが発生しやすく、また、フィルム外観が曇りやすい。
本発明において、塗布層(B)の表面粗さ(Sa)は10nm以下であることが好ましい。表面粗さが10nmを超えると、オリゴマー封止性能が低下する傾向がある。さらに、封止性能を発揮させるためには、好ましくはSaが8nm以下である。このSaを制御する方法として、塗布前の塗液中でクラスター(会合体)をできるだけ生成させないことが重要である。検討の結果、溶液ヘーズが通常1.0以下、好ましくは0.5以下であれば、上記のSaを制御できることが分かった。
本発明において、塗布層(B)を設ける方法はリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層(B)を形成する際の硬化条件に関しては、通常120℃以上で熱処理するが、好ましくは120〜200℃で3〜40秒間、さらに好ましくは120〜160℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行う。120℃以上で加熱処理されない場合、OLの析出量が多くなる傾向がある。
本発明おいて、オリゴマーとは、熱処理後、結晶化してフィルム表面に析出する低分子量物のうちの環状三量体と定義する。
本発明のポリエステルフィルムを熱処理(180℃、10分間)した後、塗布層(B)表面からジメチルホルムアミドにより抽出されるオリゴマー量は、通常0.20mg/m以下であり、好ましくは0.10mg/m以下、さらに好ましくは0.01mg/m以下である。オリゴマー量が0.20mg/mを超える場合、例えば、ハイバリア性フィルム用途におけるシリカ蒸着効率の低下、液晶構成部材製造時、粘着剤層保護用途に使用した場合における粘着剤の透明性低下、粘着剤層の粘着力低下、あるいは光学的評価を伴う検査工程において支障を来たす等の不具合を生じることがある。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)ポリエステルフィルムの透過率測定
JIS − K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−300Aによりポリエステルフィルムの全光線透過率を測定した。次のような基準で判断する。
○:88.6%よりも高い透過率
△:88.1〜88.6%の範囲内の透過率の低下
×:88.1%よりも低い透過率
(4)ポリエステルフィルムのヘーズ(濁度)測定
JIS − K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−300Aによりポリエステルフィルムの全光線透過率を測定した。次のような基準で判断する。
○:2.0%より値が低い
△:2.0〜2.5%
×:2.5%より値が高い
(5)塗布層(B)のコート厚み
ポリエステルフィルムの断面を凍結超薄切片法にて切り出し、RuO染色による染色超薄切片法により、日立製作所製透過型電子顕微鏡H−7100FA型を用い、加速電圧100kVにて積層膜部の観察、写真撮影を行った。その断面写真から積層膜の厚みを測定した。
(6)塗布液の溶液ヘーズの測定
日本電色製のヘーズメーターNDH−300Aを用い、石英セルに塗布液を入れ、透過法により測定した。3回の測定平均値を採用した。
(7)表面粗さ測定
東陽テクニカ製のAFM Nano−Rを用い、ポリエステルフィルムに塗布液を塗工し、乾燥後したものを測定試料とした。コンタクトモードにより、測定範囲5μm×5μmで表面粗さSa(nm)を測定した。3回の平均値を用いた。
(8)塗布層(B)を設けたフィルムの外観、見た目評価
塗布膜の厚みによる外観の不具合を評価した。以下基準に従って評価を行った。
○:透明性が高く綺麗なもの
△:少し白っぽい
×:白く曇っている
(9)塗布層(B)表面から抽出されるオリゴマーの測定
あらかじめ、未熱処理の離型フィルムを空気中、180℃で10分間加熱する。その後、熱処理をした該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmの箱の内面にできるだけ密着させて箱形の形状とする。塗布層を設けている場合は塗布層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルホルムアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m)とする。
DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。標準試料の作成は、あらかじめ分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し作成した。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
表面オリゴマー量の良し悪しを、次のような基準で判断する。
○:0.15mg/mより値が低い
△:0.15〜0.20mg/m
×:0.20mg/mより値が高い
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.61に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.61のポリエステル(A)を得た。
<ポリエステル(B)の製造方法>
ポリエステル(A)の製造方法において、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.0μmのシリカ粒子0.2部を加えて、極限粘度0.61に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いて、極限粘度0.61のポリエステル(B)を得た。
〈ポリエステルの製造〉
ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ77%、23%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.7倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、次に下記塗布剤を塗布量(乾燥後)が0.03g/mになるように塗布した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、230℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、塗布層(A)を有する厚さ25μm(表層4μm、中間層21μm)、固有粘度0.61のポリエステルフィルム(I)を得た。
なお、塗布層(A)を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・4級アンモニウム塩基含有ポリマー(A1):
2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー
対イオン:メチルスルホネート 数平均分子量:30000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(B1):
ポリエチレングリコール含有モノアクリレートポリマー 数平均分子量:20000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(B2):
オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート ポリマー 数平均分子量:32000
・架橋剤(C1):メラミン架橋剤 (DIC社製:ベッカミン「MAS」)
・架橋剤(C2):オキサゾリン架橋剤(日本触媒製:エポクロス「WS500」)
・粒子(D1):アルミナ表面変性コロイダルシリカ(平均粒径:50nm)
・粒子(D2):コロイダルシリカ(平均粒径:70nm)
得られたポリエステルフィルムについて、下記塗布剤を塗布量(乾燥後)が0.29g/mになるようにリバースグラビアコート方式により塗布した後、120℃、10秒間熱処理した。
塗布層(B)を構成する塗布剤組成は以下のとおりである。
《塗布剤組成》
SHC900(GE東芝シリコーン社製固形分30%)(A):0.2重量%(溶媒100重量%に対して)
トルエン/MEK/シクロヘキサノン=3/3/4混合溶媒で希釈し6重量%とした。
実施例2〜5:
実施例1において、塗布厚みを変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。作製したポリエステルフィルムは表1に示すとおりであった。
Figure 2011140562
比較例2〜5:
実施例1において、塗布厚みを変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。作製したポリエステルフィルムは表2に示すとおりであった。比較例1は、塗布層(B)を設けない場合の比較である。
Figure 2011140562
本発明のポリエステルフィルムは、例えば、ハイバリア性部材、LCD、PDP、有機EL等、表示部材製造用等の光学用途のほか、フィルム表面にオリゴマー起因の異物が存在することを極端に嫌う用途へ好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. ポリエステルフィルムの一方の面に、四級アンモニウム塩基含有ポリマー、ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーおよび架橋剤を含有する塗布層(A)を有し、当該塗布層上に、シリコーン樹脂とメラミン樹脂とアルキド樹脂を含む混合物で形成された塗布層(B)を有し、当該塗布層(B)の厚みが100〜500nmであることを特徴とするポリエステルフィルム。
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