JP5243584B2 - 積層ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
所定量のポリエステルフィルムをクロロホルム/1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(混合比:3/2)混合溶液に溶解した後、クロロホルム/メタノール(混合比:2/1)で再析出して濾過し、線状ポリエチレンテレフタレートを除いた後、得られた濾液中の溶媒を、エバポレータを用いて蒸発させ、得られた析出物を所定量のDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解させた。得られたDMFを、液体クロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してポリエステル中に含まれるオリゴマー(環状三量体)量を求め、この値を測定に用いたポリエステル量で割って、ポリエステルフィルム中に含まれるオリゴマー(環状三量体)量とした。液体クロマトグラフィーで求めるオリゴマー(環状三量体)量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を秤量し、秤量したDMFに溶解して作成した。なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製 MCI GEL ODS 1HU
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
蛍光X線分析装置((株)島津製作所社製型式「XRF−1500」を用いて、フィルムFP法により単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。なお、本方法での検出限界は、通常1ppm程度である。
予め、ポリエステルフィルムの測定裏面に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り、分光光度計(株式会社島津製作所社製UV−3100PC型)を使用して入射角5°で塗布層面を波長範囲400〜800nm、サンプリングピッチ1nm、スリット幅2nm、スキャン速度低速の絶対反射率を測定し、その最小値を評価した。
積層ポリエステルフィルムの塗布層側に、日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標)と日本合成化学工業株式会社製の紫光(登録商標)の2:1混合液を塗布し、80℃で1分間乾燥し溶剤を除去した。次いで、フィルムを送り速度10m/分で走行させながら、水銀ランプを用いて照射エネルギー120W/cm、照射距離10cmの条件下で紫外線を照射し、厚さ10μmの表面機能層を有するフィルムを得た。得られたフィルムを3波長光域型蛍光灯下で目視にて、干渉ムラを観察し、視認性が良好ならば○、視認性の悪化が確認できれば×とした。
〈ポリエステルの製造〉
製造例1(ポリエステルA0)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2.5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が0.06重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.55のポリエステル(A0)を得た。
製造例1で得られたポリエステルA0を真空下220℃で固相重合し、極限粘度0.67のポリエステル(A1)を得た。
製造例3(ポリエステルA2)
製造例1で得られたポリエステルA0を、製造例2と同様な方法で、固相重合の時間を変更することにより、極限粘度0.68のポリエステル(A2)を得た。
製造例4(ポリエステルA3)
製造例1で得られたポリエステルA0を、製造例2と同様な方法で、固相重合の時間を変更することにより、極限粘度0.70のポリエステル(A3)を得た。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、正リン酸を添加した後、二酸化ゲルマニウム加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.63のポリエステルBを得た。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、平均粒子径2.5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が0.06重量%となるように添加し三酸化アンチモンを加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.63のポリエステルCを得た。
(化合物例)
ポリエステル樹脂:(I)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
ヘキサメトキシメチルメラミン:(II)
粒子:(III )平均粒径65nmのシリカゾル
製造例2で製造したポリエステルA1および製造例5で製造したポリエステルBを重量%でそれぞれ95:5の割合で混合した原料を290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。フィルム温度83℃で縦方向に3.7倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、下記表1に示す塗布液1を塗布し、テンターに導き、横方向に3.9倍の逐次二軸延伸を行った。その後、220℃で熱処理を行い、塗工量(乾燥後)が0.1g/m2の塗布層を有する厚さ100μmの積層ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムの反射率を波長範囲400〜800nmで測定したところ、最小値で4.5%であった。表面機能層を積層後の干渉ムラを観察したところ、視認性は良好であった。このフィルムの特性を下表2に示す。
実施例1において、ポリエステルを変更し、得られたフィルム中にオリゴマー量、アンチモン元素量、チタン元素量、リン元素量が下表2に示すように異なること以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、塗布剤組成を表1、2に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、高い反射率を有し、表面機能層を積層後の干渉ムラを観察したところ、視認性は良好であった。
実施例1において、塗布剤組成を表1、2に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおり、干渉ムラによる視認性の悪化が見られた。
実施例1において、塗布層を設けなかった以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおり、干渉ムラによる視認性の悪化が見られた。
実施例1において、ポリエステルを変更し、得られたフィルム中にオリゴマー量、アンチモン元素量、チタン元素量、リン元素量が下表2に示すように異なること以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。
Claims (1)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有し、当該塗布層の絶対反射率が波長400〜800nmの任意の波長に対して4.0%以上である積層ポリエステルフィルムの製造方法であり、チタン触媒を用いて重合した、リン化合物を含有しないポリエステル(A)と、ゲルマニウム触媒を用いて重合した、リン化合物を含有するポリエステル(B)とを混合した、実質的にアンチモン元素を含有しないポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を設けることを特徴とする積層ポリエステルフィルムの製造方法。
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