JP2007130956A - 光学用積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ベンゾオキサジノン系の紫外線吸収剤を含有するポリエステルフィルム支持体の少なくとも片面に塗布層を有し、当該塗布層の絶対反射率が波長400〜800nmの任意の波長に対して4.0%以上であり、フィルム光線透過率が波長380nmにおいて5.0%以下であることを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明における光学用積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても積層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
官能基群:アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、アルコキシル基、アリールオキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、ニトロ基
上記構造式で表される化合物の中でも、本発明においては、2、2’−(1、4−フェニレン)ビス[4H−3、1−ベンゾオキサジン−4−オン]が特に好ましい。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則にもとづく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
分光光度計(株式会社島津製作所社製UV−3100PC型)により、スキャン速度を低速、サンプリングピッチを2nm、波長300〜700nm領域で連続的に光線透過率を測定し、380nm波長での光線透過率を検出した。
分光式測色計SE−2000(日本電色(株)製)にて、C光源、2度視野にて、透過法、1枚でのサンプルの色調(L*,a*,b*)を測定し、b*値にて黄味の程度を評価した。
あらかじめ、ポリエステルフィルムの測定裏面に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り、分光光度計(株式会社島津製作所社製UV−3100PC型)を使用して入射角5°で塗布層面を波長範囲400〜800nm、サンプリングピッチ1nm、スリット幅2nm、スキャン速度低速の絶対反射率を測定し、その最小値を評価した。
紫外線吸収剤を含まない一般タイプのポリエステルフィルムであるO300E100(三菱化学ポリエステルフィルム(株)社製 ダイアホイル(登録商標))を標準サンプルとしてA4カット版に切りだし白い台紙のうえに置き、同様に白い台紙の上に置いた紫外線吸収剤含有フィルムサンプルの色調を下記基準により評価した。
○:色調が標準サンプル並み(色調良好)
△:フィルムがやや着色している(色調やや良好)
×:フィルムの着色が著しく実用性に欠ける(色調不良)
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
積層ポリエステルフィルムの塗布層側に、日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標)と日本合成化学工業株式会社製の紫光(登録商標)の2:1混合液を塗布し、80℃で1分間乾燥し溶剤を除去した。次いで、フィルムを送り速度10m/分で走行させながら、水銀ランプを用いて照射エネルギー120W/cm、照射距離10cmの条件下で紫外線を照射し、厚さ10μmの表面機能層を有するフィルムを得た。得られたフィルムを3波長光域型蛍光灯下で目視にて、干渉ムラを観察し、視認性が良好ならば○、視認性の悪化が確認できれば×とした。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.63であった。
ポリエステル(A)を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75ポリエステル(B)を得た。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、平均粒子径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を0.2部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は、極限粘度0.65であった。
ポリエステル(A)をベント付き二軸押出機に供して、紫外線吸収剤として2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン](CYTEC社製 CYASORB UV−3638 分子量 369 ベンゾオキサジン系)を10重量%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、紫外線吸収剤マスターバッチポリエステル(D)を作成した。得られたポリエステル(D)の極限粘度は、0.59であった。
(化合物例)
ポリエステル樹脂:(A)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
ウレタン樹脂:(B)エステル系ポリウレタン
下記の方法で得られた水性ポリウレタン系樹脂水性塗料を使用した。すなわち、先ず、テレフタル酸664部、イソフタル酸631部、1,4−ブタンジオール472部、ネオペンチルグリコール447部から成るポリエステルポリオールを得た。次いで、得られたポリエステルポリオールに、アジピン酸321部、ジメチロールプロピオン酸268部を加え、ペンダントカルボキシル基含有ポリエステルポリオールAを得た。さらに、上記のポリエステルポリオールA1880部にヘキサメチレンジイソシアネート160部を加えて水性ポリウレタン系樹脂水性塗料を得た。
ヘキサメトキシメチルメラミン:(C)
チタン化合物:(D1) チタントリエタノールアミネート
チタン化合物:(D2) チタンラクテート
粒子:(E) 平均粒径65nmのシリカゾル
実施例1:
実施例1において、ポリエステル層および塗布液を表2に示す構成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表3に示すとおり、高い反射率を有し、表面機能層を積層後の干渉ムラを観察したところ、視認性は良好であった。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布液6に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムの反射率を波長範囲400〜800nmで測定したところ、最小値で3.6%であった。反射防止層を積層後に干渉ムラが発生し、視認性が悪化してしまった。このフィルムの特性を下記表3に示す。
実施例1において、塗布層を設けなかった以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表3に示すとおり、干渉ムラが発生し、視認性が悪化してしまった。
実施例1において、ポリエステル層を表2に示す構成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表3に示すとおり、380nmの透過率が高いものとなってしまった。
Claims (3)
- ベンゾオキサジノン系の紫外線吸収剤を含有するポリエステルフィルム支持体の少なくとも片面に塗布層を有し、当該塗布層の絶対反射率が波長400〜800nmの任意の波長に対して4.0%以上であり、フィルム光線透過率が波長380nmにおいて5.0%以下であることを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムが少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、中間層にベンゾオキサジン系の紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
- 色調b*値が1.5以下であることを特徴とする請求項1または2記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
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