JP5064684B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、積層ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、フィルムの塗布層面上に種々の表面機能層が積層されたときの視認性が優れ、フィルム中のオリゴマー量が少ない積層ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、ポリエステルフィルム上に接着性、帯電防止性等の各種機能を有する塗布層が設けられた積層ポリエステルフィルムが液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する)、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する)、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)等の表示部材製造用等をはじめ、各種光学用途等に使用されている。その用途の多様化に伴って、フィルムの加工条件や使用条件が多様化してきており、ポリエステルフィルムを加熱処理した際にフィルム内部に存在するオリゴマーが表面に析出し、製造工程内の汚染、透明性の悪化、表示画面の輝度むら等の不具合を生じる場合がある。
近年、IT(Information Technology)分野の躍進に伴い、LCD、PDP、有機EL等の表示部材製造時に使用される積層ポリエステルフィルムの品質向上と共にオリゴマーの析出に伴う各種不具合がさらに顕在化する傾向にある。
従来、オリゴマーの析出を防止する方法としては、固相重合により原料中に含まれるオリゴマーの低減を図ったり(特許文献1)、末端封鎖剤を用いてポリエステルフィルムの耐加水分解性を向上させたりするなどの方法が取られてきた。しかしながら、固相重合した原料であっても、フィルムの製造条件によっては、加熱によりオリゴマーが副生するなどの理由で効果が見られないなど、フィルム表面へのオリゴマーの析出防止を満足するところまでは至っていない。また、末端封鎖剤を用いた場合には、末端封鎖剤に起因する異物の発生、ポリマーの着色、固相重合性の悪化等の恐れがある。
また、LCD、PDP、有機EL等に用いられる光学用フィルムには優れた透明性、視認性が要求され、一般的にはハードコート層、反射防止層等の表面機能層を積層させて使用されている。基材としてポリエステルフィルムを使用する場合には、表面機能層との密着性を向上させるために、中間層として易接着性の塗布層が設けられる場合が一般的である。
近年、LCD、PDPなどの表示部材等の用途では、さらなる大画面化、高画質化、および高級性が求められ、それに伴って特に蛍光灯下での虹彩状色彩(干渉ムラ)の抑制に対する要求レベルが高くなってきている。また、蛍光灯は昼光色の再現性のため3波長形が主流となってきており、より干渉ムラが出やすくなっている。さらに、コストダウン等を達成するために反射防止層の簡素化への要求も高くなってきている。そのため、ポリエステルフィルム上に積層する塗布層の光学設計が重要になってきている。
一方、ポリエステルフィルムに積層する表面機能層との密着性を向上させるために設けられる塗布層としては、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂等が挙げられる。
上記のような従来の樹脂による塗布層では、屈折率が1.50前後に固定されてしまうため、反射防止フィルムを設計する際、反射防止の性能が制限され、外光反射による干渉ムラの発生を十分に抑えられない場合がある(特許文献2および3)。外光反射による干渉ムラが顕著に発生しているフィルムを、LCD、PDP、有機EL等の表示部材として使用すると、視認性の悪化による各種不具合がさらに顕在化する傾向にある。また、干渉ムラの顕著な発生は視認性を悪化させるばかりでなく、目の疲労や健康障害を起こす要因になることも考えられる。
干渉ムラを軽減させるために、塗布層の屈折率を上げるべく、水性ポリエステル樹脂と水溶性チタンあるいはジルコニウムのキレートあるいはアシレート化合物を主たる構成成分とする塗布液から形成されてなる塗布層を設ける従来の方法(特許文献4)では、積層する各種の表面機能層との密着性が十分でない場合がある。また、塗布層中に屈折率の高い金属酸化物を含有させることにより、塗布層の屈折率を上げる方法(特許文献5)もあるが、この場合は、フィルムの透明性が低下し、光学用フィルムとして十分な性能を発揮できない場合がある。
特開2003−119271号公報 特開平10−119215号公報 特開2000−246855号公報 特許第3632044号公報 特開2004−54161号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、外光反射による干渉ムラが軽減された、LCD、PDP、有機EL等の表示部材製造時用等、各種ディスプレイ構成部材料製造用ほか、各種光学用途に好適な積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる積層ポリエステルフィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、チタン触媒を用いて重合したポリエステル(A)と、ゲルマニウム触媒を用いた重合した、リン化合物を含有するポリエステル(B)とからなり、下記式(1)および(2)を同時に満足する量のチタン化合物およびリン化合物を含む少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ビスフェノールA構造を有するエポキシ化合物とメラミン化合物とを含有する塗布層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
1≦WTi≦20 …(1)
1≦W≦300 …(2)
(上記式中、WTiはポリエステルフィルム中のチタン元素含有量(ppm)、Wはポリエステルフィルム中のリン元素含有量(ppm)を示す)
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明において使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
また、本発明のポリエステルフィルムの少なくとも一層中には、チタン化合物およびリン化合物の双方を含有する必要がある。チタン元素含有量は、20ppm以下である必要があり、好ましくは10ppm以下であり、下限は通常1ppmであるが、好ましくは2ppmである。チタン化合物の含有量が多すぎると、ポリエステルを溶融押出する工程でオリゴマーが副生し、低オリゴマーで高度な透明性を有するフィルムを得ることができない場合がある。一方、リン元素含有量は、通常1ppm以上、好ましくは5ppm以上であり、上限は通常300ppm以下、好ましくは200ppm以下である。上記したチタンを特定量含有するとともに、リン化合物を含有させることにより、含有オリゴマーの低減に対して著しい効果を発揮できる。リン化合物の含有量が多すぎると、ゲル化が起こり、異物となってフィルムの品質を低下させる原因となることがある。本発明においては、チタン化合物、リン化合物を上記した範囲で含有する場合、オリゴマーの副生も防止でき、本発明の効果が高度に得られる。
また、上記チタン化合物およびリン化合物を含有する層中には、アンチモン元素を含まないことが好ましく、通常は100ppm以下、好ましくは60ppm以下、さらに好ましくは、10ppm以下である。アンチモン元素の量が多すぎると、溶融押出する際に、凝集して異物の原因となったり、フィルムが黒ずみ、透明性が損なわれたりする恐れがある。また、固相重合して低オリゴマーにしたポリエステルを溶融しフィルムにするときに、チタン化合物を含有するポリエステルの場合は、リン化合物を溶融時に含有させることにより、チタン化合物を効果的に失活させることができるため、アンチモン化合物を含有するポリエステルに比べて、オリゴマーの再発生による増加の程度を低下させることができる。
本発明のポリエステルは、溶融重合反応で得られたものであってもよいが、溶融重合後、チップ化したポリエステルを固相重合して得られた原料を用いれば、原料中に含まれるオリゴマー量が低減できるので好ましく使用される。
ポリエステルフィルム中に含まれるオリゴマー量は0.70重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.50重量%以下である。当該ポリエステル層中のオリゴマー量が少ない場合、本発明のポリエステルフィルム中に含まれるオリゴマー量の低減、また、フィルム表面へのオリゴマー析出防止効果が特に高度に発揮される。
本発明においては、通常のオリゴマー含有量のポリエステルからなる層の少なくとも片面の表面に、当該オリゴマー含有量の少ないポリエステルを共押出積層した構造を有するフィルムであってもよく、当該構造を有する場合、本発明で得られるオリゴマー析出の抑制効果を高度に発揮できる。
本発明のフィルムのポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として、粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜5μm、好ましくは0.01〜3μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、5μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において種々の表面機能層を塗設させる場合等に不具合が生じる場合がある。
さらにポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常5〜250μm、好ましくは10〜200μmの範囲である。
本発明のポリエステルの製造方法の好ましい例について説明するが、本発明は必ずしもこれに限定されない。ここではポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを用いた例を示すが、使用するポリエステルにより製造条件は異なる。

まず、常法に従って、テレフタル酸とエチレングリコールからエステル化し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換により、ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート(以下、BHTと省略する)を得る。次にこのBHT重合槽に移送し、減圧しながら温度を上昇させ、最終的に真空下で280℃に加熱して重合反応を進め、ポリエステルを得る。
本発明のポリエステルの極限粘度は、通常0.40〜0.90、好ましくは0.45〜0.80、さらに好ましくは0.50〜0.70の範囲である。極限粘度が0.40未満では、フィルムの機械的強度が弱くなる傾向があり、極限粘度が0.90を超える場合は、溶融粘度が高くなり、押出機に負荷がかかったり、製造コストがかかったりする等の問題が生じる場合がある。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においては積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来から公知の延伸方式を採用することができる。
さらに上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆるインラインコーティングを施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に、塗布層の厚みを延伸倍率により変化させることができるため、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
次に本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する塗布層の形成について説明する。塗布層に関しては、上述のインラインコーティングによりポリエステルフィルム上に設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用してもよく、両者を併用してもよい。なお、製造が安価に対応可能な点でインラインコーティングの方が好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に塗布層を高温で処理することができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明においては、下記式(1)および(2)を同時に満足する量のチタン化合物およびリン化合物を含む少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ビスフェノールA構造を有する化合物を含有する塗布層を有することを必須の要件とするものである。
1≦WTi≦20 …(1)
1≦W≦300 …(2)
(上記式中、WTiはポリエステルフィルム中のチタン元素含有量(ppm)、Wはポリエステルフィルム中のリン元素含有量(ppm)を示す)
本発明で用いるビスフェノールA構造を有する化合物とは、化合物中に下記式(3)によって示される構造を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。例えば、ビスフェノールA構造を有するエポキシ化合物、ポリエステル系化合物、アクリル系化合物、ポリウレタン系化合物等が挙げられる。
Figure 0005064684
(3)
また、本発明で用いられるビスフェノールA構造を有する化合物は、その化合物中で、式(3)によって示される構造の占める割合は、好ましくは重量比で5〜95%の範囲であり、より好ましくは10〜90%の範囲である。また、易接着性の塗布層全体に占める、式(3)で示される構造の割合は、好ましくは重量比で5〜80%の範囲、より好ましくは10〜70%の範囲、さらに好ましくは10〜50%の範囲である。これらの範囲より外れる場合は、易接着性能が不十分であったり、表面機能層を積層後の視認性が悪くなったりすることがある。なお、式(3)で示される構造の割合は、例えば、適当な溶剤または温水で樹脂または塗布層を溶解抽出し、クロマトグラフィーで分子量毎に分取し、NMRで構造を解析、さらに熱分解GC−MS(ガスクロマトグラフィー質量分析)で解析することにより求めることができる。
ビスフェノールA構造を有するエポキシ化合物としては、最も一般的には、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの反応によって得られるものが挙げられる。さらに、このようなエポキシ化合物と他の成分が共重合されていても構わない。例えば、アルキレン鎖やアルキレンオキサイドを導入したものが例示できる。また、本発明におけるビスフェノールA構造を有するエポキシ化合物は、通常は分子量300〜10000程度のものが使われる。なお、上記に例示したような化合物が共重合されたその他の化合物も、本発明におけるビスフェノールA構造を有する化合物に含まれる。
ビスフェノールA構造を有するポリエステル系化合物としては、例えば、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などを用いてなるポリエステルを例示することができる。すなわち、塗布層成分としてのポリエステル化合物は、多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物の、重縮合により得られる化合物を例示できるが、この多価ヒドロキシ化合物の一部若しくは全部として、かかるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を用いるという意味である。
また、特開平1−165633号公報に記載されている、いわゆるアクリルグラフトポリエステルや、ポリエステルポリオールをイソシアネートで鎖延長したポリエステルポリウレタンなどの、ポリエステル成分を有する複合高分子も、化合物中にビスフェノールA構造を導入していれば、本発明で用いる塗布層を構成する成分としてのポリエステルとして使用することができる。
ビスフェノールA構造を有するアクリル系化合物とは、アクリル系、メタアクリル系のモノマーに代表されるような、炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーからなる重合体に、ビスフェノールA構造を導入したものである。これらは、単独重合体あるいは共重合体いずれでも差し支えない。また、それら重合体と他のポリマー(例えばポリエステル、ポリウレタン等)との共重合体も含まれる。例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体である。あるいは、ポリエステル溶液、またはポリエステル分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にポリウレタン溶液、ポリウレタン分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にして他のポリマー溶液、または分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマー混合物)も含まれる。
上記の重合性モノマーからなる重合体に、ビスフェノールA構造を導入するには、例えば上記重合性モノマーのカルボキシル基に、ビスフェノールAや、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などを付加反応させたモノマーを、重合させる方法などがある。
ビスフェノールA構造を有するポリウレタン系化合物とは、ポリオールとポリイソシアネートよりなるポリウレタン樹脂の一部に、式(3)で示される構造を含有する化合物のことである。その製造法としては、公知の方法が適用でき、例えば、ポリオールと過剰のポリイソシアネートから、末端がイソシアネートであるプレポリマーを合成し、次いでこのプレポリマーを、鎖延長剤若しくは架橋剤と反応させて高分子量化させる方法などがある。このポリオールないしポリイソシアネートとして、ビスフェノールA構造を有する化合物を用いることで、ビスフェノールA構造を有するポリウレタン系化合物を得ることができる。
前期のビスフェノールA構造を有する化合物の中でも、反応性の官能基を有し、表面機能層とポリエステルフィルムとの密着性を向上させるという点において、エポキシ化合物がより好適に用いられる。
本発明において、前記のビスフェノールA構造を有する化合物以外の化合物、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル樹脂等の樹脂を本発明の効果に影響を与えない範囲で併用してもかまわない。また、メラミン化合物、オキサゾリン化合物等の架橋剤の併用も本発明の効果に影響を与えない範囲で併用することもできる。さらに、チタンキレート化合物、ジルコニウムアシレート化合物等の金属元素を有する化合物の併用も可能である。
また、塗布層の固着性、滑り性改良を目的として、不活性粒子を含有してもよく、具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、有機粒子等が挙げられる。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料等が含有されてもよい。
上述の一連の化合物を溶液または分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。
さらにインラインコーティングの場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
本発明における積層ポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルム上に設けられる塗布層の塗布量(乾燥後)に制限はないが、通常0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/mの範囲である。塗布量が0.005g/m未満の場合には、塗布厚みの均一性が不十分な場合がる。一方、1g/mを超えて塗布する場合には、滑り性低下等の不具合を生じる場合がある。
本発明において、塗布層を設ける方法はリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。一方、インラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明の積層ポリエステルフィルムの少なくとも片面に設けられた塗布層側の絶対反射率は、波長400〜800nmの任意の波長において4.0%以上、好ましくは4.5%以上であり、塗布層を積層しないポリエステルフィルムの絶対反射率未満であることが好ましい。絶対反射率が4.0%を下回る場合には、フィルムの塗布層上に、ハードコート層、反射防止層等の表面機能層を積層したときの反射防止能が悪化することにより、干渉ムラが強くなり、視認性が低下する場合がある。
本発明の積層ポリエステルフィルムによれば、種々の表面機能層を積層した際の反射防止能に優れた積層フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)ポリエステルフィルム層中のオリゴマー(環状三量体)含有量の測定
所定量のポリエステルフィルムをクロロホルム/1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(混合比:3/2)混合溶液に溶解した後、クロロホルム/メタノール(混合比:2/1)で再析出して濾過し、線状ポリエチレンテレフタレートを除いた後、得られた濾液中の溶媒を、エバポレータを用いて蒸発させ、得られた析出物を所定量のDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解させた。得られたDMFを、液体クロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してポリエステル中に含まれるオリゴマー(環状三量体)量を求め、この値を測定に用いたポリエステル量で割って、ポリエステルフィルム中に含まれるオリゴマー(環状三量体)量とした。液体クロマトグラフィーで求めるオリゴマー(環状三量体)量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。標準試料の作成は、あらかじめ分取したオリゴマー(環状三量体)を秤量し、秤量したDMFに溶解して作成した。なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製 MCI GEL ODS 1HU
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(4)フィルム中金属元素およびリン元素量の定量
蛍光X線分析装置((株)島津製作所社製型式「XRF−1500」を用いて、フィルムFP法により単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。なお、本方法での検出限界は、通常1ppm程度である。
(5)ポリエステルフィルムにおける一方の層表面からの反射率最小値の測定方法
あらかじめ、ポリエステルフィルムの測定裏面に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り、分光光度計(株式会社島津製作所社製UV−3100PC型)を使用して入射角5°で、塗布層が存在する場合は塗布層面を、波長範囲400〜800nm、サンプリングピッチ1nm、スリット幅2nm、スキャン速度低速の絶対反射率を測定し、その最小値を評価した。
(6)密着性の測定方法
積層ポリエステルフィルムの塗布層側に、日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標)と日本合成化学工業株式会社製の紫光(登録商標)の2:1混合液を塗布し、80℃で1分間乾燥し溶剤を除去した。次いで、フィルムを送り速度10m/分で走行させながら、水銀ランプを用いて照射エネルギー120W/cm、照射距離10cmの条件下で紫外線を照射し、表面機能層を有するフィルムを得た。当該フィルムに碁盤目のクロスカット(1mmの升目を100個)を施し、その上に18mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18)を貼り付け、180度の剥離角度で急激にはがした後、剥離面を観察し、剥離面積が20%未満ならば○、20%以上50%未満なら△、50%以上ならば×とした。
(7)反射防止能の評価方法
積層ポリエステルフィルム(塗布層が存在する場合は塗布層側)に、日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標)と日本合成化学工業株式会社製の紫光(登録商標)の2:1混合液を塗布し、80℃で1分間乾燥し溶剤を除去した。次いで、フィルムを送り速度10m/分で走行させながら、水銀ランプを用いて照射エネルギー120W/cm、照射距離10cmの条件下で紫外線を照射し、厚さ10μmの表面機能層を有するフィルムを得た。得られたフィルムを3波長光域型蛍光灯下で目視にて、干渉ムラを観察し、視認性が良好ならば○、視認性の悪化が確認できれば×とした。
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
〈ポリエステルの製造〉
製造例1(ポリエステルA0)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2.5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が0.06重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.55のポリエステル(A0)を得た。
製造例2(ポリエステルA1)
製造例1で得られたポリエステルA0を真空下220℃で固相重合し、極限粘度0.67のポリエステル(A1)を得た。
製造例3(ポリエステルB)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、正リン酸を添加した後、二酸化ゲルマニウム加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.63のポリエステルBを得た。
製造例4(ポリエステルC)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、平均粒子径2.5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が0.06重量%となるように添加し三酸化アンチモンを加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルチップを得た。このポリエステルの極限粘度は0.63であった。得られたポリエステルチップを真空下220℃で固相重合し、極限粘度0.67のポリエステルCを得た。
塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
ビスフェノールA構造を有するエポキシ化合物:(I)
ビスフェノールAとエピクロロヒドリンを水酸化ナトリウム存在下で反応させて得られた、平均分子量が約400のエポキシ化合物
ポリエステル樹脂:(II)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
ヘキサメトキシメチルメラミン:(III)
粒子:(IV) 平均粒径65nmのシリカゾル
実施例1:
製造例2で製造したポリエステルA1および製造例3で製造したポリエステルBを重量%でそれぞれ95:5の割合で混合した原料を290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。フィルム温度83℃で縦方向に3.7倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、下記表1に示す塗布液1を塗布し、テンターに導き、横方向に3.9倍の逐次二軸延伸を行った。その後、220℃で熱処理を行い、塗工量(乾燥後)が0.1g/mの塗布層を有する厚さ100μmの積層ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムの反射率を波長範囲400〜800nmで測定したところ、最小値で4.6%であった。表面機能層を積層後の干渉ムラを観察したところ、視認性は良好であった。このフィルムの特性を下記表2に示す。
実施例2、3
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、高い反射率を有し、表面機能層を積層後の干渉ムラを観察したところ、視認性は良好であった。
実施例
実施例1において、ポリエステルを変更し、得られたフィルム中のオリゴマー量、アンチモン元素量、チタン元素量、リン元素量が下記表2に示すように異なること以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。
比較例1〜3
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおり、比較例1のフィルムの反射率最小値が低下し、比較例2および3については、干渉ムラによる視認性の悪化や、表面機能層との密着性の悪化が見られた。
比較例
実施例1において、塗布層を設けなかった以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおり、干渉ムラによる視認性の悪化が見られた。
比較例
実施例1において、ポリエステルを変更し、得られたフィルム中のオリゴマー量、アンチモン元素量、チタン元素量、リン元素量が下表2に示すように異なること以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。
Figure 0005064684
なお、上記表1中の塗布液の濃度は10重量%とした。
Figure 0005064684
本発明のフィルムは、例えば、LCD、PDP、有機EL等、表示部材製造用等の光学用途のほか、視認性を重視する用途に好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. チタン触媒を用いて重合したポリエステル(A)と、ゲルマニウム触媒を用いた重合した、リン化合物を含有するポリエステル(B)とからなり、下記式(1)および(2)を同時に満足する量のチタン化合物およびリン化合物を含む少なくとも一軸方向に延伸されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ビスフェノールA構造を有するエポキシ化合物とメラミン化合物とを含有する塗布層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
    1≦WTi≦20 …(1)
    1≦W≦300 …(2)
    (上記式中、WTiはポリエステルフィルム中のチタン元素含有量(ppm)、Wはポリエステルフィルム中のリン元素含有量(ppm)を示す)
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