JP2004359810A - 反射防止コート材用高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物及びディスプレイ - Google Patents
反射防止コート材用高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物及びディスプレイ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】基材表面に付設する、高屈折率薄膜と低屈折率薄膜との積層膜からなる反射防止コート材において、高屈折率薄膜を0.1μmレベルの塗膜として塗布する場合にも、透明で均一且つ耐溶剤性の塗膜形成が可能な紫外線硬化型組成物の提供。また、該組成物を使用した反射防止機能を有した透明基板の提供。
【解決手段】紫外線硬化性化合物であるマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物を主成分とし、且つ、ジアリルフタレートプレポリマーを含有する紫外線硬化型樹脂組成物とする。また、該組成物を使用して反射防止コート材とした基板とする。
【選択図】 なし
【解決手段】紫外線硬化性化合物であるマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物を主成分とし、且つ、ジアリルフタレートプレポリマーを含有する紫外線硬化型樹脂組成物とする。また、該組成物を使用して反射防止コート材とした基板とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CRT、液晶表示素子、プラズマディスプレイパネル、有機EL等の各種ディスプレイ、CCD等の光学デバイス、透明プラスチック類サングラスレンズ、度付メガネレンズ、カメラ用ファインダーレンズ等の光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車等の窓ガラス等の表面に反射防止機能を付与する為の反射防止用コート材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビ・パソコン・PDA(携帯端末)・携帯電話等のディスプレイには、ガラスやプラスチックの透明基板が用いられており、これらの透明基板を通して物体や文字、図形の視覚情報を捉えようとする場合に、これらの透明基板の表面で光が反射(片面で約5%程度の反射率)するために、内部の視覚情報が見え難かった。
【0003】
この様な透明基板における表面反射を防止して反射防止コート材とする方法としては、従来、ガラス基板においては、その表面に、蒸着やスパッタリング又はプラズマCVD法等の気相法により膜厚0.1μm程度のMgF2 やSiO2 等の薄膜を形成する方法、或いは、プラスチックレンズ等のプラスチック製品で採用している、表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工してハードコート層を形成した後、該層上にMgF2 やSiO2 等の薄膜を形成する方法等の各種ドライプロセスがあった。しかし、これらの方法はいずれも、その製造に関して、複雑なプロセスや大掛かりな装置等が必要であって、コストが高く、生産性が悪かった。
【0004】
前記ドライプロセスに代わる、低コスト・高生産性の反射防止コート材を形成する方法としては、金属酸化物微粒子を含むアクリル系紫外線硬化樹脂組成物で高屈折率層を形成し、その上に、シリカ・フッ素樹脂微粒子を含むアクリル系紫外線硬化樹脂組成物で低屈折率層を形成して積層膜とした、塗布方法により反射防止フイルムを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1、参照)。
【0005】
しかしながら、上記公報における方法では、バインダー成分として、光重合開始剤成分を必須成分とするアクリル系紫外線硬化型樹脂が用いられている。通常、このような系では、紫外線硬化後もかなりの量の光重合開始剤が未反応成分として系内に残存する。その為、硬化塗膜が高湿度下に曝露された場合、経時的に表面が曇ってくる現象(ブリード現象)が起き、問題であった。
【0006】
このため、反射防止フイルム用バインダー成分としては、光重合開始剤を含まずブリード現象も起き難い紫外線硬化型樹脂が必要である。
このような中で、光重合開始剤を含まない紫外線硬化型樹脂として、一分子中に2つ以上のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物が提案されている(例えば、特許文献2、参照)。
また、本発明者らは、ブリード現象の起こりにくい高屈折率紫外線硬化型樹脂として、分子中に臭素や硫黄等を持つアルコール成分等とマレイミドカルボン酸とのエステル化合物を提案した(すなわち、特許文献3および4、参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−350001号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開平11−124403号公報(第4頁)
【特許文献3】
特願2002−43074号公報(段落0012,0013,0031,0033)
【特許文献4】
特願2002−68390号公報(段落0004,0006,0038,0040)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高屈折率のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物を使用して反射防止コート材用の高屈折率層を形成しようとした場合、その層の厚みが約0.1μm程度にまで薄くなると、均一で透明な薄膜を透明基板上に形成することが困難になるという問題点があった。
【0009】
このため、本発明の第一番目の目的は、透明で均一な高屈折率薄膜が形成できると共に、前記高屈折率薄膜上に溶剤型塗料で低屈折率薄膜を積層する際、下層となる高屈折率薄膜を耐溶剤性にできる、高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物を提供することである。
【0010】
また、本発明の第二番目の目的は、低屈折率薄膜を上記高屈折率薄膜上に形成したことにより、干渉効果による反射防止機能を有する透明基板を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に、本発明者が検討した結果、高屈折率のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物にジアリルフタレートプレポリマーを含有させることで、均一で透明な0.1μmレベルの薄膜が形成でき、且つ耐溶剤性が良好な薄膜とすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、透明基材上に直接或いは中間層を介して高屈折率層と低屈折率層とを積層し、該隣接する高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を0.1以上にすることで反射防止機能を持たせた反射防止コート層の高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物において、前記組成物が、マレイミド骨格を持つ紫外線硬化型樹脂を主成分とし、且つ、ジアリルフタレートプレポリマーを含有する高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物である。
【0012】
ここで、ジアリルフタレートプレポリマーを含有させることにより、均一で透明な薄膜が形成出来る理由は、低分子量のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物では造膜性が不足して、0.1μmレベルの薄膜形成が出来ないが、それと相溶するジアリルフタレートプレポリマーが造膜性を補うものと推測される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の、反射防止コート材として使用する、高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物は、(A)マレイミドカルボン酸エステル構造を有する高屈折率の重合性化合物を主体とし、(B)ジアリルフタレートプレポリマー、(C)溶剤、(D)その他、の成分から構成される。
【0014】
(A)マレイミドカルボン酸エステル構造を有した高屈折率の重合性化合物
マレイミドカルボン酸とエステル化する為の多価アルコールとしては、一般式(1)で表されるフッ素以外のハロゲン置換芳香族化合物、一般式(2)で表される含硫黄芳香族化合物、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加体,ビスフェノールF−エチレンオキシド付加体,フルオレンジメタノール−エチレンオキシド付加体,ジヒドロキシビフェニル−エチレンオキシド付加体,ポリヒドロキシナフタレン−エチレンオキシド付加体等の一分子中に芳香族多環構造を持つアルキレンオキシド付加化合物等が挙げられる。硬化性、耐光性等の観点からは、一分子中に芳香族多環構造を持つアルキレンオキシド付加化合物をアルコール成分とするマレイミドカルボン酸エステルが好ましい。
【0015】
【化1】
(ここで、Xは、炭素数1〜9のフッ素以外のハロゲン原子で置換されても良いアルキレン基を表す。R1からR8は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素以外のハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、又はフッ素以外のハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルキル基を表し、R1からR8の少なくとも1つはフッ素以外のハロゲン原子である。R9,R10はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。m,nは、それぞれ独立して1以上の整数であり、m+n<9を満たす整数である)
【0016】
【化2】
(ここで、Xは、−S−、−S−S−、−SO2―、―SO2−O−、−SO−を表す。R1からR8は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素以外のハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素以外のハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルキル基、−SO−R12−(R12は炭素数1〜10のアルキル基)、−SO2−R13−(R13は炭素数1〜10のアルキル基)、−S−φ−(φは、アリール基)、−SO−φ−(φは、アリール基)、−SO2―φ−(φは、アリール基)を表す。X又はR1からR8の少なくとも1つは硫黄原子である。R9,R10はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。m,nは、それぞれ独立して1以上の整数であり、m+n<9を満たす整数である)
【0017】
一方、マレイミドカルボン酸としては、マレイミド酢酸、マレイミドプロピオン酸、マレイミド酪酸、マレイミドカプロン酸等が挙げられるが、重合性化合物の分子屈折を大きくする為には、マレイミド酢酸基を有する化合物を用いるのが好ましい。
【0018】
本発明に使用する高屈折率の重合性化合物の製造方法には、特に制限がなく、上記の多価アルコールとマレイミドカルボン酸との脱水縮合反応、マレイミドカルボン酸エステルとのエステル交換反応、マレイミドカルボン酸ハロゲン化物との脱ハロゲン化水素反応、或いはマレイミドカルボン酸をエポキシ化合物に開環付加させる反応等、公知のエステル合成反応によって製造することが出来る。エステル合成に際しては、酸触媒、脂肪族又は芳香族スルホン酸、チタンアルコキシド、シリコンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等のアルカリ性触媒以外の金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、金属酸化物等、公知慣用のエステル化触媒、或いはエステル交換触媒、脱ハロゲン化水素反応においてはナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、ピリジン、コリジンなどの公知慣用のハロゲン化水素スカベンジャーを使用することができる。エステル合成反応中にマレイミド基が熱重合するのを防止する為にはヒドロキノンや4−tert−ブチルカテコールなどの公知慣用の重合禁止剤を使用しても良い。
【0019】
(B)ジアリルフタレートプレポリマー
本発明の高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物には、有機溶剤に可溶であるジアリルフタレートプレポリマーを含有させる。ジアリルフタレートプレポリマーは、ジアリルオルソフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマーを線状に重合し、重量平均分子量(ポリスチレン換算値)が2万から6万に高分子化したものである。これは、極性溶剤にも良く溶解し、硬化物の屈折率もある程度大きい特徴がある。
市販品の一例としては、ダイソー社ダップA,ダップS,ダップK,イソダップ,イソダップIKがある。
【0020】
(C)溶剤
反射防止コート材は、一般的に図1,図2に示す様に、高屈折率材料と低屈折率材料とにより、それらの0.1μmレベルの薄膜を積層することにより形成される。従って、紫外線硬化型樹脂組成物で薄膜形成する場合には、塗布方法にも依存するが、固形分が10質量%以下となるように溶剤で希釈されて使用される。使用する溶剤は、上記の(A)及び(B)を溶解するものであれば良く、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の極性溶剤が好適に使用される。
【0021】
(D)その他の成分
本発明の高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物は、上記(A)+(B)+(C)で用いることも出来るが、硬化薄膜の耐擦傷性を向上する為に、D成分として、多官能アクリレートモノマーの併用が好ましい。使用できる多官能アクリレートモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、耐擦傷性、耐薬品性、耐熱性の点で、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
【0022】
また、本発明の組成物は、光重合開始剤を特に必要とはしないが、光硬化性をより向上する為に、D成分として、少量の光重合開始剤の併用を行っても良い。使用する光重合開始剤としては、開裂型光重合開始剤が好ましく。ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。これらの中では、特に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが透明性、硬化性の観点から好ましい。
【0023】
更には、反射防止コートされる透明基材の種類によっては、D成分として、界面活性剤や塗料添加剤を、相溶性を確保した上で、添加することが好ましい。例えば、フッ素系ノニオン界面活性剤、アルキレンオキシド変性シリコーン系界面活性剤、ビニル系又はアクリル系重合体塗料添加剤等を紫外線硬化型樹脂組成物に単独或いは併用して添加することにより、良好な塗布品質の薄膜を得ることが出来る。
【0024】
更にまた、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤等の耐光(候)性向上付与の為の添加剤を添加することにより、より一層の耐光(候)性向上を計ることも可能である。
【0025】
高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物の固形分中に占める(A)成分と(B)成分と(D)成分の割合は、それぞれ(A):50〜98質量%、(B):2〜25質量%、(D)多官能アクリレートモノマー等:0〜48質量%である。ここで、(D)成分中の光重合開始剤及び添加剤の使用量は、それぞれ5質量%以下、3質量%以下に制限する。
(B)成分の割合は、2質量%未満では造膜性が不十分となり、透明な薄膜を形成することが困難となる。また、25質量%を越えると耐溶剤性・硬化塗膜屈折率が低下することになり好ましくない。
(D)成分は、硬化塗膜の機械的強度を向上させる一方、屈折率から見ると低いものが多い。その為、(B)成分と同様に、硬化塗膜の屈折率低下を最小限に抑える様に、配合量が決定される。
【0026】
上記の高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物を透明基材に塗布する方法としては、特に制限はないが、ディップコート、スピンコート、ロールコート、ダイコート、スプレィコート等が挙げられる。高屈折率層の膜厚は、層の屈折率をn、膜厚をtとして、n×t=λ/4又はλ/2で計算される値で設定される。ここで、λは、光の波長を示し、人間の視感度が最も高いとされる550nmとするのが一般的である。
【0027】
反射防止コート材を形成する透明基材としては、ガラス基板以外に透明フィルムがあり、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、トリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリロニトリルフィルム等が使用できる。フィルム上に、反射防止コート材を形成した場合には、LCD等の薄型ディスプレィへの付着手段となる粘着材層をフィルム反対面に設けた反射防止フィルムに加工して利用する。
【0028】
なお、透明フィルムを基材に用いた場合には、反射防止コート層の機械的強度(鉛筆硬度)を向上させる為に、アンダーコート層として、一般的な紫外線硬化型ハードコート層を形成することが好ましい(図2、参照)。紫外線硬化型ハードコート組成物は、上記多官能アクリレートモノマーを主成分とし、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー及び光重合開始剤等からなるものである。
【0029】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の硬化には、通常の高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等を用いることができるが、特に薄膜の機械強度の点から高圧水銀灯を使用し、窒素雰囲気下にて硬化することが好ましい。
【0030】
低屈折率層を形成する為の材料としては、フッ素及びケイ素含有の紫外線硬化型樹脂組成物、特に、高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物と同様にフッ素含有多価アルコール又はケイ素含有多価アルコールとマレイミドカルボン酸のエステル化合物が好ましい。ここで、フッ素含有多価アルコール及びケイ素含有多価アルコールが低分子量である場合、高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物と同様に、0.1μmレベルの薄膜造膜性が劣る傾向にある。そのため、フッ素含有多価アルコール及びケイ素含有多価アルコールは、分子量800以上のものであることが好ましい。これらと相溶する他の構造の高分子樹脂成分が無い為である。また、材料として、MgF2 やSiO2 等の無機薄膜の使用も可能である。
【0031】
低屈折率層の膜厚は、層の屈折率をn、膜厚をtとして、n×t=λ/4で計算される値で設定される。ここで、λは、高屈折率層の場合と同様に、光の波長を示し、人間の視感度が最も高いとされる550nmとするのが一般的である。高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差は大きい程好ましいが、一般的に0.1以上が必要とされる。
【0032】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
《合成例1》(マレイミドカルボン酸エステル構造を有した高屈折率の重合性化合物)
冷却管、デカンタを設置した反応容器に、マレイミド酢酸48質量部、4,4‘−ビス(2−ヒドロキシエチル)ビスフェノールA(明成化学社製「AE−2」)41質量部、P−トルエンスルホン酸一水和物5質量部、トルエン300質量部、ハイドロキノン0.2質量部を仕込み、攪拌下、酸素含有率が7容量%の酸素/窒素混合ガスを反応混合物内に吹き込みながら、圧力65kPaの条件で、70℃まで昇温後8時間70℃を維持し、この間生成した水をデカンタを介して反応系外に除去した。その後、放冷して室温にて24時間放置した。反応混合物から沈殿物を濾別、得られた沈殿物から残留している溶剤を留去後、充填剤としてシリカゲル、溶剤としてクロロホルムとエタノールの容量比が98:2の混合溶剤を使用して、カラムクロマトグラフィーにより反応物を分離した。再度、溶剤を留去して、4,4‘−ビス(2−ヒドロキシエチル)ビスフェノールAのマレイミド酢酸エステル(化合物A)を得た。
【0033】
《合成例2》(マレイミドカルボン酸エステル構造を有した低屈折率の重合性化合物)
マレイミド酢酸クロライド94質量部、下記一般式(3)で表されるアウジモント社製フッ素含有ジオール「FLUOROLINK D10」100質量部、p−メトキシフェノール10質量部、トルエン2500質量部を反応容器に仕込み、攪拌しながら100℃まで昇温し、2時間100℃を維持した。次いで、ピリジン31質量部を30分かけて滴下し、更に2時間100℃を維持した。反応混合物からトルエンを留去し、残査を酢酸エチルに溶解後、再結晶化させた後、脱溶剤して、下記一般式(3)で表されるフッ素含有ジオールのマレイミド酢酸エステル(化合物B)を得た。
【0034】
【化3】
(ここで、p、qは整数であり、NMRにより測定した数平均分子量=1,000に見合う数であって、p+q<13である)
【0035】
〔実施例1〜3及び比較例1〜6〕
表1に示す固形分組成比で、溶剤をシクロヘキサノンとし、固形分3質量%としてガラス瓶に入れ、超音波にて約1時間処理して、高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物を調製した。
【0036】
【表1】
【0037】
ここで、表1中の固形分略称は、下記の通りである。
イソダップ:ダイソー社製ジアリルイソフタレートプレポリマー
ダップA:ダイソー社製ジアリルオルソフタレートプレポリマー
BR−87:三菱レイヨン社製アクリル樹脂「ダイヤナール」
ウレタンアクリレートオリゴマーC:分子量850のポリテトラメチレングリコール/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=1/2/2(モル比)のウレタン反応物
ウレタンアクリレートオリゴマーD:分子量2000のポリカプロラクトンジオール/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=1/2/2(モル比)のウレタン反応物
SMA−1440F:ARCOケミカル社製スチレン−マレイン酸部分エステル化樹脂
SMA−2652P:ARCOケミカル社製スチレン−マレイン酸部分エステル化樹脂
SMA−1000P:ARCOケミカル社製スチレン−マレイン酸樹脂
SMA−3000P:ARCOケミカル社製スチレン−マレイン酸樹脂
【0038】
(溶解状態の評価)
超音波にて固形分を溶解後、塗料の外観を目視にて評価した。
【0039】
(硬化膜外観)
表1の高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物をガラス基板上に滴下し、約1000min−1、の回転数にて4秒間スピン回転した。その後、60℃のオーブン中にて10分間の溶剤乾燥を行った後、窒素雰囲気下で、紫外線硬化を行った。なお、透明な硬化膜の厚みは、約0.17μmであった。
紫外線の硬化装置及び条件は、以下の通りである。
ランプ:アイグラフィックス社製高圧水銀灯H03−L31
ランプ入力電力:120W/cm
積算光量:0.5J/cm2(アイグラフィックス社製光量計UVPF−36にて)
【0040】
(耐溶剤性の評価)
上記硬化膜作製評価後に、硬化膜表面に溶剤(シクロヘキサノン)を滴下し、スピン回転した(上記と同一条件)。その後、硬化膜表面に溶剤滴下の跡がついていないこと、及び硬化塗膜にくもり等の外観変化が無い場合をOKとした。溶剤の作用により、硬化塗膜に外観上の変化が見られる場合をNGとした。
【0041】
(接着性の評価)
上記ガラス基板上に形成した硬化膜の接着性について、JIS K−5400に従い、碁盤目−セロファンテープ剥離試験を行った。100/100で塗膜が残存した場合をOKとし、それ以外に塗膜の剥離が見られた場合をNGとした。
【0042】
各高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物の溶解状態の評価結果及び硬化膜の外観・耐溶剤性・接着性の評価を表1に示した。
【0043】
表1の結果によれば、高屈折率のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物を使用して、反射防止の高屈折率層を形成しようとした場合に、高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物にジアリルフタレートプレポリマーを含有しない場合(比較例8)は、製膜性が不十分であり、ガラス基板上で「はじき」が見られ、透明な塗膜を形成することが出来なかった。一方、ジアリルフタレートプレポリマーを5〜20質量部含有すること(実施例1〜3)により、透明で耐溶剤性・接着性が良好な高屈折率薄膜が形成可能であった。また、アクリル樹脂、ウレタンアクリレートオリゴマー及びスチレンーマレイン酸部分エステル化樹脂を含有する場合(比較例1〜5)は、高屈折率のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物との相溶性が悪く、塗膜に「くもり」が見られ、より悪くは白濁して、透明な硬化薄膜を形成することが出来なかった。スチレンーマレイン酸樹脂を含有する場合(比較例6,7)は、透明な硬化膜が得られるものの、硬化膜の耐溶剤性が劣る傾向にあった。
【0044】
〔実施例4〕
上記実施例3の組成物を使用し、上記と同様にガラス基板上に0.17μmの硬化塗膜を形成した。この硬化薄膜の632.8nm(D線)に対する屈折率をフォトデバイス社製エリプソメータ「MARY−102MM」にて測定した処、nD25=1.56であった。また、上記化合物Bを1,3−ジオキソランに溶解して3質量%溶液を作製した。同様に、ガラス基板上に厚み0.11μmの硬化薄膜を形成し、屈折率を測定した処、nD25=1.39であった。次いで、実施例3の組成物を使用し、ガラス基板上に0.17μmの硬化塗膜を形成した後、更に、上記と同様に化合物Bの低屈折率塗膜を積層形成した。その基板の表面反射率を分光光度計(島津製作所社製UV−3100にて、入射角8度の相対鏡面反射率測定)にて、550nmの波長で測定した処、積層塗膜を形成したガラス基板の表面反射率は、0.5%であった。一方、積層塗膜を形成しないガラス基板単独の片面表面反射率は、4.3%であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物からなる薄膜は、透明で均一且つ耐溶剤性の良好な高屈折率硬化薄膜であると共に、低屈折率薄膜を該高屈折率薄膜上に形成することで、干渉効果による反射防止機能を有した積層薄膜とすることができる。また、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を使用して調製した反射防止基板は、高温高湿下でもブリードが少なく耐候性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物を使用して反射防止コート層を形成したガラス基板の例を示す縦断面模式図。
【図2】本発明の高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物を使用して反射防止コート層を形成したハードコート層を付設したフイルム基板の例を示す縦断面模式図。
【符号の説明】
1 透明基板(ガラス又はフイルム)
2 低屈折率層
3 高屈折率層
4 ハードコート層
【発明の属する技術分野】
本発明は、CRT、液晶表示素子、プラズマディスプレイパネル、有機EL等の各種ディスプレイ、CCD等の光学デバイス、透明プラスチック類サングラスレンズ、度付メガネレンズ、カメラ用ファインダーレンズ等の光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車等の窓ガラス等の表面に反射防止機能を付与する為の反射防止用コート材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビ・パソコン・PDA(携帯端末)・携帯電話等のディスプレイには、ガラスやプラスチックの透明基板が用いられており、これらの透明基板を通して物体や文字、図形の視覚情報を捉えようとする場合に、これらの透明基板の表面で光が反射(片面で約5%程度の反射率)するために、内部の視覚情報が見え難かった。
【0003】
この様な透明基板における表面反射を防止して反射防止コート材とする方法としては、従来、ガラス基板においては、その表面に、蒸着やスパッタリング又はプラズマCVD法等の気相法により膜厚0.1μm程度のMgF2 やSiO2 等の薄膜を形成する方法、或いは、プラスチックレンズ等のプラスチック製品で採用している、表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工してハードコート層を形成した後、該層上にMgF2 やSiO2 等の薄膜を形成する方法等の各種ドライプロセスがあった。しかし、これらの方法はいずれも、その製造に関して、複雑なプロセスや大掛かりな装置等が必要であって、コストが高く、生産性が悪かった。
【0004】
前記ドライプロセスに代わる、低コスト・高生産性の反射防止コート材を形成する方法としては、金属酸化物微粒子を含むアクリル系紫外線硬化樹脂組成物で高屈折率層を形成し、その上に、シリカ・フッ素樹脂微粒子を含むアクリル系紫外線硬化樹脂組成物で低屈折率層を形成して積層膜とした、塗布方法により反射防止フイルムを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1、参照)。
【0005】
しかしながら、上記公報における方法では、バインダー成分として、光重合開始剤成分を必須成分とするアクリル系紫外線硬化型樹脂が用いられている。通常、このような系では、紫外線硬化後もかなりの量の光重合開始剤が未反応成分として系内に残存する。その為、硬化塗膜が高湿度下に曝露された場合、経時的に表面が曇ってくる現象(ブリード現象)が起き、問題であった。
【0006】
このため、反射防止フイルム用バインダー成分としては、光重合開始剤を含まずブリード現象も起き難い紫外線硬化型樹脂が必要である。
このような中で、光重合開始剤を含まない紫外線硬化型樹脂として、一分子中に2つ以上のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物が提案されている(例えば、特許文献2、参照)。
また、本発明者らは、ブリード現象の起こりにくい高屈折率紫外線硬化型樹脂として、分子中に臭素や硫黄等を持つアルコール成分等とマレイミドカルボン酸とのエステル化合物を提案した(すなわち、特許文献3および4、参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−350001号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開平11−124403号公報(第4頁)
【特許文献3】
特願2002−43074号公報(段落0012,0013,0031,0033)
【特許文献4】
特願2002−68390号公報(段落0004,0006,0038,0040)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高屈折率のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物を使用して反射防止コート材用の高屈折率層を形成しようとした場合、その層の厚みが約0.1μm程度にまで薄くなると、均一で透明な薄膜を透明基板上に形成することが困難になるという問題点があった。
【0009】
このため、本発明の第一番目の目的は、透明で均一な高屈折率薄膜が形成できると共に、前記高屈折率薄膜上に溶剤型塗料で低屈折率薄膜を積層する際、下層となる高屈折率薄膜を耐溶剤性にできる、高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物を提供することである。
【0010】
また、本発明の第二番目の目的は、低屈折率薄膜を上記高屈折率薄膜上に形成したことにより、干渉効果による反射防止機能を有する透明基板を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に、本発明者が検討した結果、高屈折率のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物にジアリルフタレートプレポリマーを含有させることで、均一で透明な0.1μmレベルの薄膜が形成でき、且つ耐溶剤性が良好な薄膜とすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、透明基材上に直接或いは中間層を介して高屈折率層と低屈折率層とを積層し、該隣接する高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を0.1以上にすることで反射防止機能を持たせた反射防止コート層の高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物において、前記組成物が、マレイミド骨格を持つ紫外線硬化型樹脂を主成分とし、且つ、ジアリルフタレートプレポリマーを含有する高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物である。
【0012】
ここで、ジアリルフタレートプレポリマーを含有させることにより、均一で透明な薄膜が形成出来る理由は、低分子量のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物では造膜性が不足して、0.1μmレベルの薄膜形成が出来ないが、それと相溶するジアリルフタレートプレポリマーが造膜性を補うものと推測される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の、反射防止コート材として使用する、高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物は、(A)マレイミドカルボン酸エステル構造を有する高屈折率の重合性化合物を主体とし、(B)ジアリルフタレートプレポリマー、(C)溶剤、(D)その他、の成分から構成される。
【0014】
(A)マレイミドカルボン酸エステル構造を有した高屈折率の重合性化合物
マレイミドカルボン酸とエステル化する為の多価アルコールとしては、一般式(1)で表されるフッ素以外のハロゲン置換芳香族化合物、一般式(2)で表される含硫黄芳香族化合物、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加体,ビスフェノールF−エチレンオキシド付加体,フルオレンジメタノール−エチレンオキシド付加体,ジヒドロキシビフェニル−エチレンオキシド付加体,ポリヒドロキシナフタレン−エチレンオキシド付加体等の一分子中に芳香族多環構造を持つアルキレンオキシド付加化合物等が挙げられる。硬化性、耐光性等の観点からは、一分子中に芳香族多環構造を持つアルキレンオキシド付加化合物をアルコール成分とするマレイミドカルボン酸エステルが好ましい。
【0015】
【化1】
(ここで、Xは、炭素数1〜9のフッ素以外のハロゲン原子で置換されても良いアルキレン基を表す。R1からR8は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素以外のハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、又はフッ素以外のハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルキル基を表し、R1からR8の少なくとも1つはフッ素以外のハロゲン原子である。R9,R10はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。m,nは、それぞれ独立して1以上の整数であり、m+n<9を満たす整数である)
【0016】
【化2】
(ここで、Xは、−S−、−S−S−、−SO2―、―SO2−O−、−SO−を表す。R1からR8は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素以外のハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素以外のハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルキル基、−SO−R12−(R12は炭素数1〜10のアルキル基)、−SO2−R13−(R13は炭素数1〜10のアルキル基)、−S−φ−(φは、アリール基)、−SO−φ−(φは、アリール基)、−SO2―φ−(φは、アリール基)を表す。X又はR1からR8の少なくとも1つは硫黄原子である。R9,R10はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。m,nは、それぞれ独立して1以上の整数であり、m+n<9を満たす整数である)
【0017】
一方、マレイミドカルボン酸としては、マレイミド酢酸、マレイミドプロピオン酸、マレイミド酪酸、マレイミドカプロン酸等が挙げられるが、重合性化合物の分子屈折を大きくする為には、マレイミド酢酸基を有する化合物を用いるのが好ましい。
【0018】
本発明に使用する高屈折率の重合性化合物の製造方法には、特に制限がなく、上記の多価アルコールとマレイミドカルボン酸との脱水縮合反応、マレイミドカルボン酸エステルとのエステル交換反応、マレイミドカルボン酸ハロゲン化物との脱ハロゲン化水素反応、或いはマレイミドカルボン酸をエポキシ化合物に開環付加させる反応等、公知のエステル合成反応によって製造することが出来る。エステル合成に際しては、酸触媒、脂肪族又は芳香族スルホン酸、チタンアルコキシド、シリコンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等のアルカリ性触媒以外の金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、金属酸化物等、公知慣用のエステル化触媒、或いはエステル交換触媒、脱ハロゲン化水素反応においてはナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、ピリジン、コリジンなどの公知慣用のハロゲン化水素スカベンジャーを使用することができる。エステル合成反応中にマレイミド基が熱重合するのを防止する為にはヒドロキノンや4−tert−ブチルカテコールなどの公知慣用の重合禁止剤を使用しても良い。
【0019】
(B)ジアリルフタレートプレポリマー
本発明の高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物には、有機溶剤に可溶であるジアリルフタレートプレポリマーを含有させる。ジアリルフタレートプレポリマーは、ジアリルオルソフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマーを線状に重合し、重量平均分子量(ポリスチレン換算値)が2万から6万に高分子化したものである。これは、極性溶剤にも良く溶解し、硬化物の屈折率もある程度大きい特徴がある。
市販品の一例としては、ダイソー社ダップA,ダップS,ダップK,イソダップ,イソダップIKがある。
【0020】
(C)溶剤
反射防止コート材は、一般的に図1,図2に示す様に、高屈折率材料と低屈折率材料とにより、それらの0.1μmレベルの薄膜を積層することにより形成される。従って、紫外線硬化型樹脂組成物で薄膜形成する場合には、塗布方法にも依存するが、固形分が10質量%以下となるように溶剤で希釈されて使用される。使用する溶剤は、上記の(A)及び(B)を溶解するものであれば良く、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の極性溶剤が好適に使用される。
【0021】
(D)その他の成分
本発明の高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物は、上記(A)+(B)+(C)で用いることも出来るが、硬化薄膜の耐擦傷性を向上する為に、D成分として、多官能アクリレートモノマーの併用が好ましい。使用できる多官能アクリレートモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、耐擦傷性、耐薬品性、耐熱性の点で、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
【0022】
また、本発明の組成物は、光重合開始剤を特に必要とはしないが、光硬化性をより向上する為に、D成分として、少量の光重合開始剤の併用を行っても良い。使用する光重合開始剤としては、開裂型光重合開始剤が好ましく。ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。これらの中では、特に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが透明性、硬化性の観点から好ましい。
【0023】
更には、反射防止コートされる透明基材の種類によっては、D成分として、界面活性剤や塗料添加剤を、相溶性を確保した上で、添加することが好ましい。例えば、フッ素系ノニオン界面活性剤、アルキレンオキシド変性シリコーン系界面活性剤、ビニル系又はアクリル系重合体塗料添加剤等を紫外線硬化型樹脂組成物に単独或いは併用して添加することにより、良好な塗布品質の薄膜を得ることが出来る。
【0024】
更にまた、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤等の耐光(候)性向上付与の為の添加剤を添加することにより、より一層の耐光(候)性向上を計ることも可能である。
【0025】
高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物の固形分中に占める(A)成分と(B)成分と(D)成分の割合は、それぞれ(A):50〜98質量%、(B):2〜25質量%、(D)多官能アクリレートモノマー等:0〜48質量%である。ここで、(D)成分中の光重合開始剤及び添加剤の使用量は、それぞれ5質量%以下、3質量%以下に制限する。
(B)成分の割合は、2質量%未満では造膜性が不十分となり、透明な薄膜を形成することが困難となる。また、25質量%を越えると耐溶剤性・硬化塗膜屈折率が低下することになり好ましくない。
(D)成分は、硬化塗膜の機械的強度を向上させる一方、屈折率から見ると低いものが多い。その為、(B)成分と同様に、硬化塗膜の屈折率低下を最小限に抑える様に、配合量が決定される。
【0026】
上記の高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物を透明基材に塗布する方法としては、特に制限はないが、ディップコート、スピンコート、ロールコート、ダイコート、スプレィコート等が挙げられる。高屈折率層の膜厚は、層の屈折率をn、膜厚をtとして、n×t=λ/4又はλ/2で計算される値で設定される。ここで、λは、光の波長を示し、人間の視感度が最も高いとされる550nmとするのが一般的である。
【0027】
反射防止コート材を形成する透明基材としては、ガラス基板以外に透明フィルムがあり、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、トリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリロニトリルフィルム等が使用できる。フィルム上に、反射防止コート材を形成した場合には、LCD等の薄型ディスプレィへの付着手段となる粘着材層をフィルム反対面に設けた反射防止フィルムに加工して利用する。
【0028】
なお、透明フィルムを基材に用いた場合には、反射防止コート層の機械的強度(鉛筆硬度)を向上させる為に、アンダーコート層として、一般的な紫外線硬化型ハードコート層を形成することが好ましい(図2、参照)。紫外線硬化型ハードコート組成物は、上記多官能アクリレートモノマーを主成分とし、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー及び光重合開始剤等からなるものである。
【0029】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の硬化には、通常の高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等を用いることができるが、特に薄膜の機械強度の点から高圧水銀灯を使用し、窒素雰囲気下にて硬化することが好ましい。
【0030】
低屈折率層を形成する為の材料としては、フッ素及びケイ素含有の紫外線硬化型樹脂組成物、特に、高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物と同様にフッ素含有多価アルコール又はケイ素含有多価アルコールとマレイミドカルボン酸のエステル化合物が好ましい。ここで、フッ素含有多価アルコール及びケイ素含有多価アルコールが低分子量である場合、高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物と同様に、0.1μmレベルの薄膜造膜性が劣る傾向にある。そのため、フッ素含有多価アルコール及びケイ素含有多価アルコールは、分子量800以上のものであることが好ましい。これらと相溶する他の構造の高分子樹脂成分が無い為である。また、材料として、MgF2 やSiO2 等の無機薄膜の使用も可能である。
【0031】
低屈折率層の膜厚は、層の屈折率をn、膜厚をtとして、n×t=λ/4で計算される値で設定される。ここで、λは、高屈折率層の場合と同様に、光の波長を示し、人間の視感度が最も高いとされる550nmとするのが一般的である。高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差は大きい程好ましいが、一般的に0.1以上が必要とされる。
【0032】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
《合成例1》(マレイミドカルボン酸エステル構造を有した高屈折率の重合性化合物)
冷却管、デカンタを設置した反応容器に、マレイミド酢酸48質量部、4,4‘−ビス(2−ヒドロキシエチル)ビスフェノールA(明成化学社製「AE−2」)41質量部、P−トルエンスルホン酸一水和物5質量部、トルエン300質量部、ハイドロキノン0.2質量部を仕込み、攪拌下、酸素含有率が7容量%の酸素/窒素混合ガスを反応混合物内に吹き込みながら、圧力65kPaの条件で、70℃まで昇温後8時間70℃を維持し、この間生成した水をデカンタを介して反応系外に除去した。その後、放冷して室温にて24時間放置した。反応混合物から沈殿物を濾別、得られた沈殿物から残留している溶剤を留去後、充填剤としてシリカゲル、溶剤としてクロロホルムとエタノールの容量比が98:2の混合溶剤を使用して、カラムクロマトグラフィーにより反応物を分離した。再度、溶剤を留去して、4,4‘−ビス(2−ヒドロキシエチル)ビスフェノールAのマレイミド酢酸エステル(化合物A)を得た。
【0033】
《合成例2》(マレイミドカルボン酸エステル構造を有した低屈折率の重合性化合物)
マレイミド酢酸クロライド94質量部、下記一般式(3)で表されるアウジモント社製フッ素含有ジオール「FLUOROLINK D10」100質量部、p−メトキシフェノール10質量部、トルエン2500質量部を反応容器に仕込み、攪拌しながら100℃まで昇温し、2時間100℃を維持した。次いで、ピリジン31質量部を30分かけて滴下し、更に2時間100℃を維持した。反応混合物からトルエンを留去し、残査を酢酸エチルに溶解後、再結晶化させた後、脱溶剤して、下記一般式(3)で表されるフッ素含有ジオールのマレイミド酢酸エステル(化合物B)を得た。
【0034】
【化3】
(ここで、p、qは整数であり、NMRにより測定した数平均分子量=1,000に見合う数であって、p+q<13である)
【0035】
〔実施例1〜3及び比較例1〜6〕
表1に示す固形分組成比で、溶剤をシクロヘキサノンとし、固形分3質量%としてガラス瓶に入れ、超音波にて約1時間処理して、高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物を調製した。
【0036】
【表1】
【0037】
ここで、表1中の固形分略称は、下記の通りである。
イソダップ:ダイソー社製ジアリルイソフタレートプレポリマー
ダップA:ダイソー社製ジアリルオルソフタレートプレポリマー
BR−87:三菱レイヨン社製アクリル樹脂「ダイヤナール」
ウレタンアクリレートオリゴマーC:分子量850のポリテトラメチレングリコール/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=1/2/2(モル比)のウレタン反応物
ウレタンアクリレートオリゴマーD:分子量2000のポリカプロラクトンジオール/トリレンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=1/2/2(モル比)のウレタン反応物
SMA−1440F:ARCOケミカル社製スチレン−マレイン酸部分エステル化樹脂
SMA−2652P:ARCOケミカル社製スチレン−マレイン酸部分エステル化樹脂
SMA−1000P:ARCOケミカル社製スチレン−マレイン酸樹脂
SMA−3000P:ARCOケミカル社製スチレン−マレイン酸樹脂
【0038】
(溶解状態の評価)
超音波にて固形分を溶解後、塗料の外観を目視にて評価した。
【0039】
(硬化膜外観)
表1の高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物をガラス基板上に滴下し、約1000min−1、の回転数にて4秒間スピン回転した。その後、60℃のオーブン中にて10分間の溶剤乾燥を行った後、窒素雰囲気下で、紫外線硬化を行った。なお、透明な硬化膜の厚みは、約0.17μmであった。
紫外線の硬化装置及び条件は、以下の通りである。
ランプ:アイグラフィックス社製高圧水銀灯H03−L31
ランプ入力電力:120W/cm
積算光量:0.5J/cm2(アイグラフィックス社製光量計UVPF−36にて)
【0040】
(耐溶剤性の評価)
上記硬化膜作製評価後に、硬化膜表面に溶剤(シクロヘキサノン)を滴下し、スピン回転した(上記と同一条件)。その後、硬化膜表面に溶剤滴下の跡がついていないこと、及び硬化塗膜にくもり等の外観変化が無い場合をOKとした。溶剤の作用により、硬化塗膜に外観上の変化が見られる場合をNGとした。
【0041】
(接着性の評価)
上記ガラス基板上に形成した硬化膜の接着性について、JIS K−5400に従い、碁盤目−セロファンテープ剥離試験を行った。100/100で塗膜が残存した場合をOKとし、それ以外に塗膜の剥離が見られた場合をNGとした。
【0042】
各高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物の溶解状態の評価結果及び硬化膜の外観・耐溶剤性・接着性の評価を表1に示した。
【0043】
表1の結果によれば、高屈折率のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物を使用して、反射防止の高屈折率層を形成しようとした場合に、高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物にジアリルフタレートプレポリマーを含有しない場合(比較例8)は、製膜性が不十分であり、ガラス基板上で「はじき」が見られ、透明な塗膜を形成することが出来なかった。一方、ジアリルフタレートプレポリマーを5〜20質量部含有すること(実施例1〜3)により、透明で耐溶剤性・接着性が良好な高屈折率薄膜が形成可能であった。また、アクリル樹脂、ウレタンアクリレートオリゴマー及びスチレンーマレイン酸部分エステル化樹脂を含有する場合(比較例1〜5)は、高屈折率のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する重合性化合物との相溶性が悪く、塗膜に「くもり」が見られ、より悪くは白濁して、透明な硬化薄膜を形成することが出来なかった。スチレンーマレイン酸樹脂を含有する場合(比較例6,7)は、透明な硬化膜が得られるものの、硬化膜の耐溶剤性が劣る傾向にあった。
【0044】
〔実施例4〕
上記実施例3の組成物を使用し、上記と同様にガラス基板上に0.17μmの硬化塗膜を形成した。この硬化薄膜の632.8nm(D線)に対する屈折率をフォトデバイス社製エリプソメータ「MARY−102MM」にて測定した処、nD25=1.56であった。また、上記化合物Bを1,3−ジオキソランに溶解して3質量%溶液を作製した。同様に、ガラス基板上に厚み0.11μmの硬化薄膜を形成し、屈折率を測定した処、nD25=1.39であった。次いで、実施例3の組成物を使用し、ガラス基板上に0.17μmの硬化塗膜を形成した後、更に、上記と同様に化合物Bの低屈折率塗膜を積層形成した。その基板の表面反射率を分光光度計(島津製作所社製UV−3100にて、入射角8度の相対鏡面反射率測定)にて、550nmの波長で測定した処、積層塗膜を形成したガラス基板の表面反射率は、0.5%であった。一方、積層塗膜を形成しないガラス基板単独の片面表面反射率は、4.3%であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物からなる薄膜は、透明で均一且つ耐溶剤性の良好な高屈折率硬化薄膜であると共に、低屈折率薄膜を該高屈折率薄膜上に形成することで、干渉効果による反射防止機能を有した積層薄膜とすることができる。また、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を使用して調製した反射防止基板は、高温高湿下でもブリードが少なく耐候性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物を使用して反射防止コート層を形成したガラス基板の例を示す縦断面模式図。
【図2】本発明の高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物を使用して反射防止コート層を形成したハードコート層を付設したフイルム基板の例を示す縦断面模式図。
【符号の説明】
1 透明基板(ガラス又はフイルム)
2 低屈折率層
3 高屈折率層
4 ハードコート層
Claims (5)
- 透明基材上に直接或いは中間層を介して高屈折率層と低屈折率層とを積層し、該隣接する高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を0.1以上にすることで反射防止機能を持たせた反射防止コート層の高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物において、前記組成物が、マレイミド骨格を持つ紫外線硬化型樹脂を主成分とし、且つ、ジアリルフタレートプレポリマーを含有することを特徴とする高屈折率層形成用の紫外線硬化型樹脂組成物。
- ジアリルフタレートプレポリマーの含有率が、紫外線硬化型樹脂組成物の固形分中で、2〜25質量%である請求項1記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
- 透明プラスチックフイルム上に、請求項1記載の紫外線硬化型樹脂組成物を使用して硬化膜を形成した反射防止フィルム。
- 請求項3記載の反射防止フイルムの少なくとも一方の面に粘着剤層または接着剤層を設け、その粘着剤層または接着剤層により、請求項3記載の反射防止フイルムを貼合したディスプレイ。
- 透明基材としてのガラス成形品上に、請求項1記載の紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜を形成したガラス製ディスプレイ。
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JP2003159584A JP2004359810A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | 反射防止コート材用高屈折率紫外線硬化型樹脂組成物及びディスプレイ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007181996A (ja) * | 2006-01-09 | 2007-07-19 | Mitsubishi Polyester Film Copp | 積層ポリエステルフィルム |
CN105785491A (zh) * | 2016-05-23 | 2016-07-20 | 浙江水晶光电科技股份有限公司 | 反射滤光片及车载平视显示系统 |
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2003
- 2003-06-04 JP JP2003159584A patent/JP2004359810A/ja active Pending
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