JP2011230442A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも3層以上のポリエステル層からなる積層フィルムの片面に、4級アンモニウム塩含有ポリマー、ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーおよび架橋剤を含有する塗布液を塗布し、乾燥して得られた塗布層を有し、内部ヘーズが0.6%以下で、表面粗さRaが9nm以上であることを特徴とするポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則にもとづく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
(OL)の測定方法
あらかじめ、未処理の積層ポリエステルフィルムを空気中、180℃で1時間加熱する。その後、熱処理をした当該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmの箱の内面にできるだけ密着させて箱形の形状とする。塗布層を設けている場合は塗布層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルホルムアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m2)とする。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピー
なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
試料フィルムをJIS−K−7136に準じ、村上色彩技術研究所製ヘーズメーター「HM−150」により、フィルムヘーズを測定した。
試料フィルムにおいて、下記塗布剤組成からなる塗布剤を塗布層が設けられた面とは反対側の面に塗布する。その後、得られたフィルムを所定の熱処理条件(180℃、 1時間)で処理した後、(4)項と同様にして、フィルムヘーズを測定した。
《塗布剤組成》
コルコート社製 コルコートP
使用バー:♯3バー
乾燥条件:100℃ 1分間
JIS−K−7136に準じ、村上色彩技術研究所製ヘーズメーター「HM−150」により、試料フィルムの内部ヘーズを測定した。なお、エタノールを粗面補償溶媒として石英セルにて測定した。
中心線平均粗さRa(nm)をもって表面粗さとする。(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表したとき、次の式で与えられた値を〔nm〕で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表わした。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=(1/L)∫L 0|f(x)|dx
積層ポリエステルフィルムにおいて、塗布層とは反対側の面に、アルゴンガス95%と酸素ガス5%とからなる0.4Paの雰囲気下で、酸化インジウム95重量%、酸化スズ5重量%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法により、厚さ25nmの ITO膜(透明導電性薄膜)を形成した。また、ITO膜は150℃×1時間の加熱 処理により結晶化させた。得られたフィルムの透明性・視認性について、下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
◎:透明性・視認性、特に良好(実用上、問題ないレベル)
○:透明性・視認性良好(実用上、問題ないレベル)
×:透明性・視認性不良(実用上、問題あるレベル)
得られたフィルム表面を3波長蛍光灯下目視観察し、下記基準により、判定を行った。
○:目視可能な傷がほとんどなく良好
×:目視可能な傷が多数あり光学用フィルムとして見劣りする
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
[エステル(A)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.63、オリゴマー(環状三量体)の含有量は0.83重量%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、平均粒子径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を0.2部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は、極限粘度0.65、オリゴマー(環状三量体)含有量0.82重量%であった。
(化合物例)
・4級アンモニウム塩基含有ポリマー(A):
2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー
対イオン:メチルスルホネート 数平均分子量:30000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(B):
ポリエチレングリコール含有モノアクリレートポリマー 数平均分子量:20000
・架橋剤(C):メラミン架橋剤(DIC社製:ベッカミン「MAS」)
・粒子(D):アルミナ表面変性コロイダルシリカ(平均粒径:50nm)
・バインダー(E):ポリビニルアルコール(けん化度88モル%、重合度500)
上記ポリエステル(A)、(B)、をそれぞれ75%、25%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(A)100%の原料をB層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層(ABA)で、厚み構成比がA:B:A=2.5:20:2.5になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、横延伸乾燥後の塗布量が0.020g/m2となるよう塗布液1を塗布した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、フィルムをロール上に巻き上げ片面に塗布層を有する厚さ25μm、内部ヘーズ0.5%の積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。
実施例1において、塗布液1を塗布液2に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表2に示す。
実施例1において、塗布液1を塗布液3に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表2に示す。
実施例1において、塗布液1を塗布液4に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表2に示す。
実施例1において、塗布層を設けていないこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表2に示す。
実施例1において、A層の原料をポリエステル(A)/ポリエステル(B)=85/15としたこと以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表2に示す。
上記ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ90%、10%の割合で混合した混合原料をB層の原料とし、285℃で溶解した後、40℃に冷却したキャスティングドラム上に単層構成で押出し冷却固化させて無配向シートを得た以外は実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表2に示す。
上記ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ97%、3%の割合で混合した混合原料をB層の原料とした以外は、比較例5と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表2に示す。
Claims (1)
- 少なくとも3層以上のポリエステル層からなる積層フィルムの片面に、4級アンモニウム塩含有ポリマー、ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーおよび架橋剤を含有する塗布液を塗布し、乾燥して得られた塗布層を有し、内部ヘーズが0.6%以下で、表面粗さRaが9nm以上であることを特徴とするポリエステルフィルム。
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