JP5528645B1 - ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム - Google Patents

ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム Download PDF

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Abstract

基材フィルムの少なくとも一方の面に、粒子を含有する第1ハードコート層を備え、第1ハードコート層の表面に前記粒子からなる突起が100μm当たり300〜4000個の密度で存在しており、第1ハードコート層の表面の中心線平均粗さ(Ra1)が30nm未満であり、ヘイズ値が1.5%未満であることを特徴とするハードコートフィルム。透明性が高く、かつ滑り性と耐ブロッキング性の良好なハードコートフィルムを提供する。

Description

本発明は、透明性が高く、かつ滑り性と耐ブロッキング性の良好なハードコートフィルムに関し、詳細には透明導電性フィルムに好適なハードコートフィルムに関する。
基材フィルムにハードコート層が積層されたハードコートフィルムは、ディスプレイやタッチパネルの表面保護として、あるいはタッチパネル用電極フィルム(タッチパネル用透明導電性フィルム)のベースフィルムとして用いられている。これらの用途に使用されるハードコートフィルムは、透明性が高く、かつ滑り性と耐ブロッキング性が良好であることが要求される。
ハードコートフィルムあるいはポリエステルフィルムの滑り性や耐ブロッキング性を改良するために、表面に突起を設けることが提案されている(特許文献1、2)
特開平7−314628号公報 特開2000−211082号公報
しかしながら、上記特許文献に開示されている技術では、透明性、滑り性および耐ブロッキング性を同時に十分に満足させるまでには至っていない。
従って、本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑み、透明性が高く、かつ滑り性と耐ブロッキング性の良好なハードコートフィルムを提供することにある。本発明の他の目的は、透明導電性フィルムに好適なハードコートフィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の1)〜15)のいずれかの構成によって達成される。
1)基材フィルムの少なくとも一方の面に、粒子を含有する第1ハードコート層を備え、第1ハードコート層の表面に前記粒子からなる突起が100μm当たり300〜4000個の密度で存在しており、第1ハードコート層の表面の中心線平均粗さ(Ra1)が30nm未満であり、ヘイズ値が1.5%未満であることを特徴とするハードコートフィルム。
2)前記粒子の平均粒子径(r)が0.05〜0.5μmである、1)に記載のハードコートフィルム。
3)第1ハードコート層の厚み(d)に対する前記粒子の平均粒子径(r)の比率(r/d)が0.01〜0.30である、1)または2)に記載のハードコートフィルム。
4)前記突起の平均直径が0.03〜0.3μmであり、前記突起の平均高さが0.03〜0.3μmである、1)〜3)のいずれかに記載のハードコートフィルム。
5)前記突起の平均間隔が0.10〜0.70μmである、前記1)〜4)のいずれかに記載のハードコートフィルム。
6)第1ハードコート層の厚み(d)が0.5μm以上10μm未満である、1)〜5)のいずれかに記載のハードコートフィルム。
7)基材フィルムと第1ハードコート層との間に樹脂層を有し、前記樹脂層は、その厚みが0.005〜0.3μmで、かつ平均粒子径が樹脂層の厚みの1.3倍以上である粒子を含有する、1)〜6)のいずれかに記載のハードコートフィルム。
8)基材フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであり、基材フィルムと第1ハードコート層との間に、屈折率が1.55〜1.61である樹脂層を有する、1)〜7)のいずれかに記載のハードコートフィルム。
9)基材フィルムと第1ハードコート層との間に、ぬれ張力が52mN/m以下である樹脂層を有する、1)〜8)のいずれかに記載のハードコートフィルム。
10)第1ハードコート層の厚みが2μm未満である、9)に記載のハードコートフィルム。
11)第1ハードコート層に含有される粒子が、粒子の表面自由エネルギーを小さくするための表面処理が施された無機粒子、および粒子の表面が疎水化処理された無機粒子からなる群の中から選ばれる少なくとも1種である、1)〜10)のいずれかに記載のハードコートフィルム。
12)前記粒子の表面自由エネルギーを小さくするための表面処理が施された無機粒子を得るための表面処理が下記(I)または(II)である、11)に記載のハードコートフィルム。
(I)下記の一般式(1)で示されるフッ素原子を有するオルガノシラン化合物、該オルガノシランの加水分解物、および該オルガノシランの加水分解物の部分縮合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1つの化合物で表面処理する。
2n+1−(CH−Si(Q) ・・・・一般式(1)
(一般式(1)において、nは1〜10の整数、mは1〜5の整数を表す。Qは炭素数1〜5のアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。)
(II)下記一般式(2)で示される化合物で処理し、更に下記一般式(3)で示されるフッ素化合物で表面処理する。
B−R−SiR (OR3−n ・・・・一般式(2)
D−R−Rf ・・・・一般式(3)
(一般式(2)および(3)において、BおよびDはそれぞれ独立に反応性部位を表し、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキレン基、あるいは前記アルキレン基から導出されるエステル構造を表し、RおよびRはそれぞれ独立に水素あるいは炭素数が1から4のアルキル基を表し、Rfはフルオロアルキル基を表し、nは0から2の整数を表す。)
13)前記粒子の表面が疎水化処理された無機粒子を得るための疎水化処理に用いられる疎水性化合物が、炭素数4以上のフルオロアルキル基と反応性部位とを有するフッ素化合物、炭素数8以上の炭化水素基と反応性部位とを有する長鎖炭化水素化合物、およびシロキサン基と反応性部位とを有するシリコーン化合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1つの化合物である、11)に記載のハードコートフィルム。
14)第1ハードコート層に含有される粒子がシリカ粒子である、1)〜13)のいずれかに記載のハードコートフィルム。
15)前記基材フィルムの第1ハードコート層が設けられた面とは反対面に第2ハードコート層を備え、第2ハードコート層の表面には粒子からなる突起が実質的に存在せず、かつ第2ハードコート層の表面の中心線平均粗さ(Ra2)が25nm以下である、1)〜14)のいずれかに記載のハードコートフィルム。
16)上記1)〜15)のいずれかに記載のハードコートフィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜を備える透明導電性フィルム。
本発明によれば、透明性が高く、かつ滑り性と耐ブロッキング性の良好なハードコートフィルムを提供することができる。本発明のハードコートフィルムは透明導電性フィルムのベースフィルムに好適である。
図1は、走査型電子顕微鏡で観察された第1ハードコート層表面の観察図の一例である。 図2は、第1ハードコート層表面の突起の平面形状を模式的に表した図である。 図3は、図1の第1ハードコート層表面を模式的に表した模式図である。 図4は、図3の一部を省略した模式図である。
本発明の一実施態様に係るハードコートフィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に第1ハードコート層を有する。この第1ハードコート層は粒子を含有し、第1ハードコート層の表面に粒子による突起(以下、単に「突起」ということがある)を100μm当たり300〜4000個有する。この第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)が30nm未満である。このような本実施態様のハードコートフィルムは、ヘイズ値が1.5%未満である。
第1ハードコート層の表面に突起を第1ハードコート層表面の単位面積(100μm)当たり300〜4000個有することにより、滑り性および耐ブロッキング性が良好となる。
突起の個数密度の範囲は、100μm当たり400〜3500個の範囲が好ましく、500〜3000個の範囲がより好ましく、600〜3000個の範囲がさらに好ましく、特に700〜2500個の範囲が好ましい。
粒子の個数密度が100μm当たり300個未満となると、滑り性や耐ブロッキング性が低下する。一方、粒子の個数密度が100μm当たり4000個を越えると、第1ハードコート層表面の平滑性が低下し、ヘイズ値が大きくなり、ハードコートフィルムの透明性が低下する。
本実施態様のハードコートフィルムは、上記したように第1ハードコート層表面に比較的多くの突起を有しながら、第1ハードコート層表面は比較的平滑でかつハードコートフィルムのヘイズ値が小さいことが特徴の1つである。具体的には、本実施態様における第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)は30nm未満であり、かつハードコートフィルムのヘイズ値は1.5%未満であることが重要である。
第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)は、25nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、18nm以下が特に好ましい。下限の中心線平均粗さ(Ra1)は、滑り性および耐ブロッキング性を確保するという観点から5nm以上が好ましく、7nm以上がより好ましく、9nm以上が特に好ましい。
第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)が30nm以上となると平滑性が低下し、ハードコートフィルムの透明性が低下する。すなわち、ハードコートフィルムのヘイズ値が大きくなる。
本実施態様のハードコートフィルムは、高い透明性を実現するという観点からヘイズ値が1.5%未満であることが重要である。本実施態様のハードコートフィルムのヘイズ値は、さらに1.1%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましい。下限のヘイズ値は小さいほど好ましいが、現実的には0.01%程度である。
第1ハードコート層表面に突起を100μm当たり300〜4000個有し、かつ第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)を30nm未満とし、かつハードコートフィルムのヘイズ値を1.5%未満とするには、第1ハードコート層に平均粒子径(r)が0.05〜0.5μmである粒子を含有させて、この粒子を第1ハードコート層の表面近傍に比較的多く存在させることにより第1ハードコート層表面に突起を形成させることが好ましい。
更に、第1ハードコート層に含有される粒子の平均粒子径(r)(μm)と第1ハードコート層の厚み(d)(μm)の比率(r/d)が0.01〜0.30であることが好ましい。これによって、第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)が小さくなり、ハードコートフィルムのヘイズ値も小さくなる。
以下、ハードコートフィルムを構成する各構成要素について詳細に説明する。
[基材フィルム]
基材フィルムには、プラスチックフィルムが好ましく用いられる。基材フィルムを構成する材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、およびこれら樹脂を混合および/または共重合したものが挙げられる。これらの樹脂を未延伸にて、または一軸延伸もしくは二軸延伸してフィルムとしたものを基材フィルムとして適用することができる。
上記した基材フィルムの中でも、ポリエステルフィルムは透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、耐薬品性などに優れており、特にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が好ましく用いられる。
基材フィルムの厚みの範囲は、20〜300μmの範囲が適当であり、30〜200μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲がより好ましい。
基材フィルムは、少なくとも第1ハードコート層が積層される面に以下に示すような樹脂層を有していることが好ましい。つまり、基材フィルムと第1ハードコート層との間に以下に示す樹脂層を有していることが好ましい。
[樹脂層]
基材フィルムと第1ハードコート層の密着性を強化するために、基材フィルムは少なくとも第1ハードコート層が積層される面に樹脂層が設けられていることが好ましい。
樹脂層は、樹脂を主成分として含有する層である。具体的には、樹脂層は、樹脂を樹脂層の固形分総量100質量%に対して50質量%以上含有する層である。樹脂層を形成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独あるいは複数種併用することができる。
樹脂層は、基材フィルムと第1ハードコート層との間に介在し、基材フィルムと第1ハードコート層との密着性を向上させるという観点から、樹脂としてポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群の中から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。特に、樹脂層は樹脂として少なくともポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
樹脂層における樹脂の含有量は、樹脂層の固形分総量100質量%に対して60質量%以が好ましく、70質量%以上がより好ましく、特に80質量%以上が好ましい。上限に関しては、樹脂層における樹脂の含有量は95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
また、樹脂層は2層構成にて形成されていてもよい。2層構成の場合は、基材フィルム側から順にポリエステル樹脂を主成分とする第1樹脂層とアクリル樹脂を主成分とする第2樹脂層で構成されることが好ましい。2層構成について詳細は後述する。
樹脂層は、ハードコートフィルムの製造工程における適度な滑り性や巻き取り性を確保するという観点から、粒子を含有することが好ましい。
樹脂層に含有される粒子としては特に限定されないが、シリカ粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、ゼオライト粒子などの無機粒子や、アクリル粒子、シリコーン粒子、ポリイミド粒子、テフロン(登録商標)粒子、架橋ポリエステル粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋重合体粒子、コアシェル粒子などの有機粒子が挙げられる。これらの中でもシリカ粒子が好ましく、特にコロイダルシリカが好ましい。
樹脂層に含有される粒子は、その平均粒子径が樹脂層の厚みより大きいことが好ましい。具体的には、平均粒子径は樹脂層の厚みの1.3倍以上が好ましく、1.5倍以上がより好ましく、2.0倍以上が特に好ましい。上限は20倍以下が好ましく、15倍以下がより好ましく、10倍以下が特に好ましい。
このような平均粒子径が樹脂層の厚みより大きい粒子を含有する樹脂層に、第1ハードコート層を直接に積層することにより、滑り性および耐ブロッキング性が更に向上する。
樹脂層に含有される粒子の平均粒子径は樹脂層の厚み設計に応じて適宜選択されるが、具体的には平均粒子径の範囲は0.02〜1μmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.7μmの範囲がより好ましく、特に0.1〜0.5μmの範囲が好ましい。平均粒子径が0.02μm未満であると滑り性や耐ブロッキング性が低下することがある。平均粒子径が1μmを越えると粒子が脱落したり、透明性が低下したり、あるいは外観が悪化することがある。
樹脂層の厚みの範囲は、0.005〜0.3μmの範囲であることが好ましい。樹脂層の厚みが0.005μm未満の場合は、基材フィルムと第1ハードコート層との密着性が低下する。また、樹脂層の厚みが0.3μmより大きくなると第1ハードコート層を積層した後の耐ブロッキング性が低下することがある。樹脂層の厚みは、さらに0.01μm以上が好ましく、0.015μm以上がより好ましく、特に0.02μm以上が好ましい。上限に関し、樹脂層の厚みは0.25μm以下が好ましく、0.2μm以下が好ましく、特に0.15μm以下が好ましい。樹脂層が複数存在する場合は、全ての樹脂層の厚みを合計した値が上記厚みの条件を充足することが好ましい。
樹脂層における粒子の含有量の範囲は、樹脂層の固形分総量100質量%に対して0.05〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜8質量%の範囲がより好ましく、特に0.5〜5質量%の範囲が好ましい。樹脂層における粒子の含有量が0.05質量%未満であると、良好な滑り性や耐ブロッキング性が得られないことがあり、粒子の含有量が10質量%を越えると、透明性が低下したり、第1ハードコート層の塗布性が悪化したり、基材フィルムと第1ハードコート層との密着性が低下することがある。
樹脂層は、さらに架橋剤を含有することが好ましい。樹脂層は上述の樹脂と架橋剤を含有する熱硬化層であることが好ましい。樹脂層をこのような熱硬化層とすることにより、基材フィルムと第1ハードコート層との密着性をさらに向上させることができる。樹脂層を熱硬化するときの条件(加熱温度、時間)は特に限定されないが、加熱温度は70℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、150℃以上が特に好ましく、200℃以上が最も好ましい。上限に関し、加熱温度は300℃以下が好ましい。加熱時間の範囲は5〜300秒の範囲が好ましく、10〜200秒の範囲がより好ましい。
上記架橋剤としては、例えばメラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系架橋剤、アクリルアミド系架橋剤、ポリアミド系樹脂、アミドエポキシ化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などが挙げられる。これらの中でも、ラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤が好ましく、特にメラミン系架橋剤が好ましい。
メラミン系架橋剤としては、例えばイミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、イミノ基型メラミン樹脂、メチロール化メラミン樹脂が好ましく用いられる。
樹脂層における架橋剤の含有量の範囲は、樹脂層の固形分総量100質量%に対して0.5〜40質量%の範囲が好ましく、1〜30質量%の範囲がより好ましく、特に2〜20質量%の範囲が好ましい。
基材フィルム上に樹脂層を介して第1ハードコート層を積層して得られるハードコートフィルムの反射色はニュートラルな無色の色相が好ましい。この観点から、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を用いた場合、樹脂層の屈折率の範囲は1.55〜1.61の範囲が好ましく、1.56〜1.60の範囲がより好ましく、1.57〜1.59の範囲が特に好ましい。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の屈折率は一般に1.62〜1.70程度であり、樹脂層の屈折率を上記の範囲(1.55〜1.61)とすることにより、ハードコートフィルムの反射色をニュートラルな無色に近づけることができる。つまり、PETフィルムの屈折率(np)と樹脂層の屈折率(nr)との差(np−nr)は、0.02〜0.1の範囲であることが好ましく、0.03〜0.09の範囲であることがより好ましく、0.04〜0.08の範囲であることが特に好ましい。
樹脂層の屈折率を1.55〜1.61とするには、樹脂として分子中にナフタレン環を含むポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ナフタレン環を含むポリエステル樹脂は、例えば、共重合成分として1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの多価カルボン酸を使用することによって合成することができる。
樹脂層における分子中にナフタレン環を含むポリエステル樹脂の含有量の範囲は、全樹脂総量100質量%に対して5〜70質量%の範囲が好ましく、10〜60質量%の範囲がより好ましい。
樹脂層は、基材フィルム上にウェットコーティング法で塗布し、熱硬化して積層されることが好ましい。さらに基材フィルムの製造工程内で樹脂層をウェットコーティング法で塗布する、いわゆるインラインコーティング法によって塗布し、熱硬化して積層されることが好ましい。ウェットコーティング法としては、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法等が挙げられる。
前述したように、樹脂層は2層構成のものを採用することができる。かかる2層構成の樹脂層は、1つの塗布液を1回塗布し、その乾燥過程で自己相分離を生起させて形成されることが好ましい。つまり、第1樹脂層の主成分(ポリエステル樹脂)と第2樹脂層の主成分(アクリル樹脂)とを含有する塗布液を塗布し、その乾燥過程でそれぞれの成分の自己相分離を利用して第1樹脂層と第2樹脂層を形成する方法を採用することが好ましい。
この相分離方法を実施するに際し、第1樹脂層の主成分(ポリエステル樹脂)と第2樹脂層の主成分(アクリル樹脂)との表面エネルギー差を大きくすることが好ましい。つまり、表面エネルギーの高いポリエステル樹脂と表面エネルギーの低いアクリル樹脂を用いることが好ましい。特に、ポリエステル樹脂の表面エネルギーを高くするために、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
樹脂層が2層構成の場合、基材フィルムと第1ハードコート層との密着性を強化し、ハードコートフィルムの反射色をニュートラルな無色に近づけるという観点から、第1樹脂層の厚みが第2樹脂層の厚みより大きいことが好ましい。第1樹脂層の厚みは第2樹脂層の厚みの1.5倍以上が好ましく、2.0倍以上がより好ましく、特に3.0倍以上が好ましい。
第1樹脂層の厚みの範囲は、具体的には0.02〜0.2μmの範囲が好ましく、0.03〜0.15μmの範囲がより好ましく、特に0.05〜0.12μmの範囲が好ましい。第2樹脂層の厚みの範囲は0.005〜0.1μmの範囲が好ましく、0.01〜0.07μmの範囲がより好ましく、特に0.01〜0.05μmの範囲が好ましい。
基材フィルムと第1ハードコート層との間に設けられる樹脂層は、その表面のぬれ張力が52mN/m以下であることが好ましい。つまり、本発明では、第1ハードコート層が塗工される樹脂層表面のぬれ張力が52mN/m以下であることが好ましい。このような樹脂層上に直接に第1ハードコート層を積層することにより、第1ハードコート層表面に粒子による突起が形成されやすくなり、その結果滑り性および耐ブロッキング性が更に向上する。ここで、ぬれ張力は、JIS−K−6768に規定される物性値である。
上記の基材フィルムと第1ハードコート層との間にぬれ張力が52mN/m以下である樹脂層を設ける態様は、第1ハードコート層の厚みが比較的小さい場合に有効である。第1ハードコート層の厚みが小さくなると、第1ハードコート層に含有される粒子の絶対量も小さくなる。しかし、ぬれ張力が52mN/m以下である樹脂層上に第1ハードコート層を積層することにより、第1ハードコート層に含有される粒子が表面近傍に偏在しやすくなり、その結果効率よく突起を形成することができるようになる。この態様は、第1ハードコート層の厚みが2μm未満の場合に有効であり、更に第1ハードコート層の厚みが1.7μm以下の場合に特に有効である。
上記の観点から、樹脂層表面のぬれ張力は、更に50mN/m以下が好ましい。一方、基材フィルムと第1ハードコート層との密着性を確保するという観点から、樹脂層表面のぬれ張力の下限は、35mN/m以上が好ましく、37mN/m以上がより好ましく、40mN/m以上が特に好ましい。樹脂層表面のぬれ張力が35mN/m未満となると、第1ハードコート層の密着性が低下することがある。
樹脂層表面のぬれ張力を52mN/m以下に制御し、かつ基材フィルムと第1ハードコート層との密着性を向上させるという観点から、樹脂層に含有させる樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群の中から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。これらの樹脂の中でも更にポリエステル樹脂および/またはアクリル樹脂を用いることが好ましく、特に樹脂として少なくともポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
また樹脂層表面のぬれ張力は、上記した架橋剤の種類や含有量を調整することによっても制御することができる。例えば、架橋剤の含有量が多くなると樹脂層表面のぬれ張力は小さくなる傾向にあり、逆に架橋剤の含有量が少なくなると樹脂層表面のぬれ張力は大きくなる傾向にある。
[第1ハードコート層]
第1ハードコート層は粒子を含有し、その粒子による突起が第1ハードコート層表面に形成されている。第1ハードコート層表面における突起の個数密度は、第1ハードコート層表面の単位面積(100μm)当たり300〜4000個である。さらに突起の個数密度の範囲は、100μm当たり400〜3500個の範囲が好ましく、500〜3000個の範囲がより好ましく、600〜3000個の範囲がさらに好ましく、特に700〜2500個の範囲が好ましい。
第1ハードコート層に含有される粒子の平均粒子径(r)の範囲は、0.05〜0.5μmの範囲が好ましく、0.06〜0.4μmの範囲がより好ましく、特に0.07〜0.3μmの範囲が好ましい。
第1ハードコート層に含有される粒子の平均粒子径(r)が0.05μm未満であると、第1ハードコート層表面に十分な大きさの突起が形成されず、滑り性および耐ブロッキング性が十分に改良されないことがある。平均粒子径(r)が0.5μmを越えると、第1ハードコート層表面の平滑性が低下し、中心線平均粗さ(Ra1)が30nm以上となったり、ハードコートフィルムのヘイズ値が1.5%以上となり透明性が低下するなどの不都合が生じることがある。
第1ハードコート層に含有される粒子の平均粒子径(r)は、第1ハードコート層の厚み(d)に対して十分に小さいことが好ましい。つまり、粒子の平均粒子径(r)と第1ハードコート層の厚み(d)の比率は、0.01〜0.30の範囲が好ましい。このような粒子を第1ハードコート層の表面近傍に比較的多く存在させて第1ハードコート層表面に、上記したように比較的多くの突起を形成させることが好ましい。これによって、第1ハードコート層表面の平滑性を低下させずに、滑り性と耐ブロッキング性を向上させることができる。
第1ハードコート層に含有される粒子の平均粒子径(r)と第1ハードコート層の厚み(d)の比率(r/d)の範囲は、更に、0.01〜0.20の範囲が好ましく、0.01〜0.15の範囲がより好ましく、0.02〜0.10の範囲が特に好ましく、0.02〜0.08の範囲が最も好ましい。
上述したような粒子によって第1ハードコート層表面に形成される突起の平均直径の範囲は、0.03〜0.3μmの範囲が好ましい。さらに、突起の平均直径の範囲は0.04〜0.25μmの範囲が好ましく、0.05〜0.2μmの範囲が好ましい。これによって、透明性を低下させずに滑り性および耐ブロッキング性を向上させることができる。
突起の平均高さの範囲は、0.03〜0.3μmの範囲が好ましい。さらに突起の平均高さの範囲は、0.04〜0.25μmの範囲が好ましく、0.05〜0.2μmの範囲が好ましい。これによって、透明性を低下させずに滑り性および耐ブロッキング性を向上させることができる。
第1ハードコート層の表面に形成される突起の形状は特に限定されないが、円形もしくは円形に近い平面形状を有することが好ましい。ここで、突起の平面形状は、第1ハードコート層の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したときの平面形状を指す。
図1は、第1ハードコート層の走査型電子顕微鏡による表面写真の一例である。第1ハードコート層の表面には、粒子による突起11が形成されている。
図2は、第1ハードコート層表面の突起の平面形状を模式的に表した図である。
突起の平面形状が円形に近いとは、図2に示す模式図において、突起11の最大径(Lmax)を表す線分と中心Lcで直交する突起11の径(Lmin)と、突起11の最大径(Lmax)との比率(Lmin/Lmax)が、0.65以上であることを意味する。
上記の比率(Lmin/Lmax)は、0.70以上が好ましく、0.80以上がより好ましく、特に0.85以上が好ましい。上限は1.0である。
図1の表面写真における突起の平面形状はいずれも、円形もしくは上記定義による「円形に近い」形状である。
本明細書において、突起の直径とは、図2に示す最大径(Lmax)を意味する。突起の平均直径は、図1に示すような第1ハードコート層の走査型電子顕微鏡による表面写真から求めることができる。
本明細書において、突起の高さとは、突起の頂点から第1ハードコート層表面までの長さを意味する。突起の平均高さは、第1ハードコート層の透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影された断面写真から測定することができる。
第1ハードコート層の表面における突起の平均間隔の範囲は、0.10〜0.70μmの範囲が好ましく、0.15〜0.50μmの範囲がより好ましく、特に0.20〜0.40μmの範囲が好ましい。これによって、透明性を低下させずに滑り性および耐ブロッキング性を向上させることができる。
突起の平均間隔は、第1ハードコート層の走査型電子顕微鏡による表面写真から求めることができる。図3は、第1ハードコート層の走査型電子顕微鏡による表面写真を模式化した図である。図3を用いて突起の平均間隔の測定方法を説明する。
先ず、横方向に一本の直線20を引き、更に横方向の直線20に直交する縦方向の直線30を引く。次に、横方向の直線20に乗っている(すなわち、直線20に接触する)突起の全てについて、隣接する突起との間隔を測定する。同様の操作を縦方向の直線30についても行う。このようにして得られた全ての突起の間隔(距離)を平均する。
突起の平均間隔の測定方法について、図4を用いて詳細に説明する。
図4は、図3における横方向の直線20または縦方向の直線30に乗っている突起のみを選択し編集したものである。図4において、横方向の直線20に乗っている突起は、符号1〜5で示す5個である。隣接する突起の間隔とは、例えば突起1と該突起1に隣接する突起2との距離Pである。同様に、突起2と突起3の間隔、突起3と突起4の間隔、突起4と突起5の間隔を計測して、横方向の直線20に乗っている全ての粒子について隣接する突起間の間隔を計測する。
同様にして、縦方向の直線30に乗っている全ての突起についても隣接する突起間の間隔を計測する。
上記の操作を、横方向の直線の位置および縦方向の直線の位置をそれぞれ3回変更して実施し、得られた全ての突起間隔を平均したものを突起の平均間隔とする。
図1に示されているように、第1ハードコート層表面における個々の突起は、それぞれ1個の粒子によって形成されていることが好ましい。これによって、第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)を30nm未満に調整すること、およびハードコートフィルムのヘイズ値を1.5%未満に調整することが容易になる。複数の粒子が凝集した状態で突起を形成すると、第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)やハードコートフィルムのヘイズ値が大きくなる傾向にあり、好ましくない。
第1ハードコート層における粒子の含有量の範囲は、第1ハードコート層の固形分総量100質量%に対して2.5〜17質量%の範囲が好ましく、3〜15質量%の範囲がより好ましく、特に4〜12質量%の範囲が好ましい。
前述したように、第1ハードコート層の厚み(d)に対して平均粒子径(r)が十分に小さい粒子を第1ハードコート層に含有させて、粒子を第1ハードコート層の表面近傍に比較的多く存在させて第1ハードコート層表面に比較的多くの突起を形成させることが好ましい。
粒子を第1ハードコート層の表面近傍に存在させるには、第1ハードコート層の形成過程で粒子を表面近傍に移動(浮上)させる必要がある。これは、例えば、粒子の表面自由エネルギーを小さくするための表面処理が施された粒子、あるいは粒子の表面を疎水化するための疎水化処理が施された粒子を用いることによって可能となる。これらの処理が施される粒子としては無機粒子が好ましく、特にシリカ粒子が好ましい。
第1ハードコート層に含有される粒子としては、無機粒子が好ましく用いられる。無機粒子としては、Si,Na,K,Ca,およびMgから選択される元素を含む無機粒子が好ましく挙げられる。さらに好ましくは、シリカ粒子(SiO)、アルカリ金属フッ化物(NaF,KFなど)、およびアルカリ土類金属フッ化物(CaF、MgFなど)から選ばれる化合物を含む無機粒子が挙げられるが、耐久性などの点からシリカ粒子が特に好ましい。
上記の粒子の表面自由エネルギーを小さくするための表面処理としては、下記の一般式(1)で示されるフッ素原子を有するオルガノシラン化合物、該オルガノシランの加水分解物、および該オルガノシランの加水分解物の部分縮合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1つの化合物で表面処理する方法が挙げられる。
2n+1−(CH−Si(Q)
・・・・一般式(1)
(一般式(1)において、nは1〜10の整数、mは1〜5の整数を表す。Qは炭素数1〜5のアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。)
一般式(1)の化合物として、具体的には下記の化合物を例示することができる。
CHCHSi(OCH
13CHCHSi(OCH
17CHCHSi(OCH
13CHCHCHSi(OCH
13CHCHCHCHSi(OCH
13CHCHSi(OC
17CHCHCHSi(OC
13CHCHCHCHSi(OC
13CHCHSiCl
13CHCHSiBr
13CHCHCHSiCl
13CHCHSi(OCH)Cl
また、無機粒子の表面自由エネルギーを小さくするための他の表面処理として、下記一般式(2)で示される化合物で処理し、更に下記一般式(3)で示されるフッ素化合物で表面処理する方法が挙げられる。
B−R−SiR (OR3−n
・・・・一般式(2)
D−R−Rf
・・・・一般式(3)
(一般式(2)および(3)において、BおよびDはそれぞれ独立に反応性部位を表し、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキレン基、あるいは前記アルキレン基から導出されるエステル構造を表し、RおよびRはそれぞれ独立に水素あるいは炭素数が1から4のアルキル基を表し、Rfはフルオロアルキル基を表し、nは0から2の整数を表す。)
BおよびDで表される反応性部位としては、例えばビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基などが挙げられる。
一般式(2)の具体例としては、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシブチルトリメトキシシラン、アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、アクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン及びこれら化合物中のメトキシ基が他のアルコキシル基あるいは水酸基に置換された化合物を含むものなどが挙げられる。
一般式(3)の具体例としては、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロオロプロピルアクリレート、2−パーフルオロブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、パーフルオロオクチルメチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロデシルエチルアクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−3−メトキシブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−パーフルオロブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、パーフルオロオクチルメチルメタクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−3−メチルブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1−トリフルオロメチルトリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレートなどが挙げられる。
前述した粒子表面に疎水化処理を施すための疎水性化合物としては、例えば分子中に疎水基と反応性部位とを有する化合物が挙げられる。疎水性化合物の疎水基は、一般に疎水的な機能を有すれば特に限定されないが、疎水基の具体例としては、例えば炭素数4以上のフルオロアルキル基、炭素数8以上の炭化水素基、及びシロキサン基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基が例示される。
上記の反応性部位としては、光または熱などのエネルギーを受けて発生したラジカルなどにより化学反応する部位であり、具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基などの光または熱などのエネルギーを受けて化学反応する反応性部位を有することがより好ましい。
つまり、粒子表面に疎水化処理を施すための疎水性化合物としては、炭素数4以上のフルオロアルキル基と反応性部位とを有する化合物(フッ素化合物)、炭素数8以上の炭化水素基と反応性部位とを有する化合物(長鎖炭化水素化合物)、およびシロキサン基と反応性部位とを有する化合物(シリコーン化合物)からなる群の中から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
長鎖炭化水素化合物は、分子中に疎水基である炭素数8以上の炭化水素基と、反応性部位とを有する化合物を表す。炭素数8以上の炭化水素基は、炭素数が8以上30以下であることが好ましい。また炭素数8以上の炭化水素基は、直鎖構造、分岐構造、脂環構造を問わず選択することができる。長鎖炭化水素化合物としてより好ましくは、炭素数10以上22以下の直鎖状のアルキルアルコール、アルキルエポキシド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アルキルカルボキシレート(酸無水物及びエステル類を含む)、などを用いることができる。
長鎖炭化水素化合物の具体例としては、オクタノール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ステアリルアルコール、などの多価アルコール、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシオクチルアクリレート、2−ヒドロキシオクチルメタクリレート、などのアクリレート(メタクリレート)、オクチルトリメトキシシランなどのアクリルシラン、などが挙げられる。
シリコーン化合物としては、分子中に疎水基であるシロキサン基と、反応性部位とを有する化合物が挙げられる。シリコーン化合物の反応性部位は、アクリロイルオキシ基やメタクリロイルオキシ基が好ましく用いられる。
またシロキサン基としては、下記一般式(4)で示されるポリシロキサン基が好ましく用いられる。
−(Si(R)(R)−O)
・・・・一般式(4)
(一般式(4)において、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル−オキシプロピル基、2−アクリロキシ−3−ヒドロキシプロピル−オキシプロピル基、末端にアクリロイルオキシ基やメタクリロイルオキシ基を有するポリエチレングリコールプロピルエーテル基、あるいは末端ヒドロキシ基を有するポリエチレングリコールプロピルエーテル基を示し、mは10〜200の整数を表す。)
疎水基として一般式(4)で表されるポリシロキサン基を有するシリコーン化合物の具体例は、下記一般式(5)で表されるジメチルシロキサン基と、さらに反応性部位とを有する化合物が挙げられる。一般式(5)のジメチルシロキサン基と、さらに反応性部位とを有するシリコーン化合物の具体例として、X−22−164B,X−22−164C,X−22−5002、X−22−174D、X−22−167B(以上商品名、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
Figure 0005528645
・・・・一般式(5)
(式中、Rは炭素数1以上7以下のアルキルを表し、kは0または1の整数を表し、mは10〜200の整数を表す。)
また、疎水基として一般式(4)で表されるポリシロキサン基と反応性部位とを有するシリコーン化合物の別の具体例は、一般式(6)で表される、3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル−オキシプロピル基とメチル基とを有する化合物、一般式(7)で表される、2−アクリロキシ−3−ヒドロキシプロピル−オキシプロピル基とメチル基とを有する化合物を例示することができる。
Figure 0005528645


・・・・一般式(6)
Figure 0005528645


・・・・一般式(7)
(一般式(6)および(7)において、Rは炭素数1以上7以下のアルキルを表し、kは0または1の整数を表し、mは10〜200のいずれかの整数を表す。)
さらに疎水基として一般式(4)で表されるポリシロキサン基と反応性部位とを有するシリコーン化合物の別の具体例は、一般式(8)で表される、末端にアクリロイルオキシ基やメタクリロイルオキシ基を有するポリエチレングリコールプロピルエーテル基とメチル基とを有する化合物、一般式(9)で表される、末端にヒドロキシ基を有するポリエチレングリコールプロピルエーテル基とメチル基とを有する化合物を例示できる。
Figure 0005528645
・・・・一般式(8)
Figure 0005528645


・・・・一般式(9)
(一般式(8)および(9)において、Rは炭素数1以上7以下のアルキルを表し、kは0または1の整数を表し、xは1〜10の整数を表し、mは10〜200の整数を表す。)
炭素数4以上のフルオロアルキル基と反応性部位とを有するフッ素化合物について説明する。ここで、フルオロアルキル基は、直鎖構造または分岐構造のいずれであってもよい。またフルオロアルキル基としては、炭素数4以上8以下であることが好ましい。このようなフッ素化合物としては、フルオロアルキルアルコール、フルオロアルキルエポキシド、フルオロアルキルハライド、フルオロアルキルアクリレート、フルオロアルキルメタクリレート、フルオロアルキルカルボキシレート(酸無水物及びエステル類を含む)、などを用いることができる。これらの中でも、フルオロアルキルアクリレート、フルオロアルキルメタクリレートが好ましく、例えば、前述の一般式(3)で例示された化合物中から炭素数4以上のフルオロアルキル基を有する化合物を用いることができる。
フッ素化合物中のフルオロアルキル基の数は必ずしも一つである必要はなく、フッ素化合物は複数のフルオロアルキル基を有してもよい。
第1ハードコート層は、ハードコートフィルム表面に傷が発生するのを抑制するために硬度が高いことが好ましく、JIS K5600−5−4(1999年)で定義される鉛筆硬度がH以上であるものが好ましい。なお、鉛筆硬度の上限は9H程度である。
第1ハードコート層は、樹脂として熱硬化性樹脂あるいは活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことが好ましく、特に活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことが好ましい。ここで、活性エネルギー線硬化性樹脂とは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線によって重合されて硬化する樹脂を意味する。
活性エネルギー線硬化性樹脂を得るための重合性化合物としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基等の重合性官能基を有する化合物(モノマーやオリゴマー)が挙げられる。
第1ハードコート層は、上記重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成されたものであることが好ましい。
以下に、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)を例示するが、これらの化合物に限定されない。尚、以下の説明において、「・・・(メタ)アクリレート」なる表現は、「・・・アクリレート」と「・・・メタクリレート」との2つの化合物を含む。
モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ(メタ)アクリレート等の単官能アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)トリアクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパン安息香酸エステル等の多官能アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタンアクリレート等を挙げることができる。
上記したモノマーの中でも、1分子中に重合性官能基を3個以上有する多官能モノマーが好ましく用いられる。
オリゴマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルキット(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記オリゴマーの中でも、1分子中に重合性官能基を3個以上有する多官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく用いられる。かかる多官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、市販されているものを使用することができる。例えば、共栄社化学(株)製のウレタンアクリレートAHシリーズ、ウレタンアクリレートATシリーズ、ウレタンアクリレートUAシリーズ、根上工業(株)製のUN−3320シリーズ、UN−900シリーズ、新中村化学工業(株)製のNKオリゴUシリーズ、ダイセル・ユーシービー社製のEbecryl1290シリーズなどが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性組成物における重合性化合物の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、更に60質量%以上であることが好ましく、特に70質量%以上であることが好ましい。上限は97質量%以下好ましく、95質量%以下がより好ましい。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合は、活性エネルギー線硬化性組成物は光重合開始剤を含むことが好ましい。かかる光重合開始剤の具体例としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
また、光重合開始剤は一般に市販されており、それらを使用することができる。例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(登録商標)184、イルガキュア907、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア127、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173等、日本シイベルヘグナー(株)製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46等、日本化薬(株)製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。
上記光重合開始剤の含有量の範囲は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して0.1〜10質量%の範囲が適当であり、0.5〜8質量%の範囲が好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物は、更に各種添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、粒子分散剤、有機系帯電防止剤、滑剤、着色剤、顔料等を含有することができる。
活性エネルギー線硬化性組成物は、第1ハードコート層表面に突起を形成するための粒子を含有する。かかる粒子としては、前述した表面処理あるいは疎水化処理が施された粒子が好ましく用いられる。活性エネルギー線硬化性組成物における粒子の含有量の範囲は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して2.5〜17質量%の範囲が好ましく、3〜15質量%の範囲がより好ましく、特に4〜12質量%の範囲が好ましい。
第1ハードコート層の屈折率の範囲は、1.48〜1.54の範囲であることが好ましく、1.50〜1.54の範囲がより好ましい。上述した活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより第1ハードコート層を形成することにより、屈折率が1.48〜1.54の範囲の第1ハードコート層を得ることができる。
第1ハードコート層の厚みの範囲は、0.5μm以上10μm未満の範囲が適当であるが、0.8μm以上7μm以下の範囲が好ましく、1μm以上5μm以下の範囲がより好ましく、特に1μm以上3μm以下が好ましい。
第1ハードコート層の厚みが0.5μm未満となると第1ハードコート層の硬度が低下し、傷が入りやすくなる。また、第1ハードコート層の厚みが10μm以上となると、滑り性や耐ブロッキング性が低下したり、カールが大きくなったり、透過率が低下するなどの不都合が生じる場合がある。
[ハードコートフィルム]
ハードコートフィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に第1ハードコート層を有する。ハードコートフィルムは、基材フィルムの片面のみに第1ハードコート層を有していてもよいし、基材フィルムの両面に第1ハードコート層を有していてもよい。
また、ハードコートフィルムの他の好ましい態様として、基材フィルムの一方の面に第1ハードコート層を有し、基材フィルムの他方の面に(つまり、基材フィルムの第1ハードコート層が設けられた面とは反対面に)第2ハードコート層を有するハードコートフィルムが挙げられる。
なお、基材フィルムの他方の面に積層される第2ハードコート層が、基材フィルムの一方の面に積層される第1ハードコート層と全く同一の構成を採る場合(即ち、基材フィルムの両面に第1ハードコート層をそれぞれ積層する場合)であっても、一方の面の第1ハードコート層と区別するために第2ハードコート層と言うことがある。
[第2ハードコート層]
以下、基材フィルムの他方の面に設けられる第2ハードコート層について説明する。
第2ハードコート層は、ハードコートフィルム表面に傷が発生するのを抑制するために硬度が高いことが好ましく、JIS K5600−5−4(1999年)で定義される鉛筆硬度がH以上であることが好ましく、2H以上がより好ましい。なお、鉛筆硬度の上限は9H程度である。
第2ハードコート層の表面は比較的平滑でクリアーであることが好ましい。例えば、第2ハードコート層の表面の中心線平均粗さ(Ra2)は、25nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、特に15nm以下が好ましい。下限は特に限定されないが、現実的には1nm程度である。
第2ハードコート層は、第2ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra2)を25nm以下とするために、第2ハードコート層は平均粒子径が0.5μmより大きい粒子を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、第2ハードコート層が、平均粒子径が0.5μmより大きい粒子を実質的に含有しないとは、第2ハードコート層を形成するための塗布液(例えば、活性エネルギー線硬化性組成物)に平均粒子径が0.5μmより大きい粒子を意図的に添加しないことを意味する。
第2ハードコート層の表面は、比較的平滑でクリアーであることが好ましい。従って、第2ハードコート層の表面には粒子による突起は実質的に存在しないことが好ましい。ここで、第2ハードコート層の表面に粒子による突起は実質的に存在しないとは、第2ハードコート層表面の単位面積(100μm)当たりの突起の個数が100個以下であることを意味する。好ましくは、第2ハードコート層表面の単位面積(100μm)当たりの突起の個数は50個以下であり、より好ましくは30個以下であり、特に0個が好ましい。
第2ハードコート層は、平均粒子径が0.5μm以下の粒子を含有することができるが、上記の観点から第2ハードコート層に含有される粒子の平均粒子径を調整することが好ましい。
第2ハードコート層に粒子を含有させる場合は、粒子の平均粒子径は0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。このような粒子の含有量の範囲は、第2ハードコート層の固形分総量100質量%に対して0.1〜15質量%の範囲が適当であり、0.5〜10質量%の範囲がより好ましく、特に1〜8質量%の範囲が好ましい。
第2ハードコート層は、樹脂として熱硬化性樹脂あるいは活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことが好ましく、特に活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことが好ましい。ここで、活性エネルギー線硬化性樹脂とは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線によって重合されて硬化された樹脂を意味する。
活性エネルギー線硬化性樹脂を得るための重合性化合物としては、前述の第1ハードコート層の中で説明したものと同様のものを用いることができる。
第2ハードコート層は、第1ハードコート層と同様に重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成されたものであることが好ましい。
第2ハードコート層の屈折率の範囲は、1.48〜1.54の範囲であることが好ましく、1.50〜1.54の範囲がより好ましい。第2ハードコート層を、上述した活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成することにより、屈折率が1.48〜1.54の範囲の第2ハードコート層を得ることができる。
第2ハードコート層の厚みの範囲は、0.5μm以上10μm未満の範囲が適当であるが、0.8μm以上7μm以下の範囲が好ましく、1μm以上5μm以下の範囲がより好ましく、特に1μm以上3μm以下が好ましい。
第2ハードコート層の厚みが0.5μm未満となると第2ハードコート層の硬度が低下し、傷が入りやすくなる。また、第2ハードコート層の厚みが10μm以上となると、滑り性や耐ブロッキング性が低下したり、カールが大きくなったり、透過率が低下するなどの不都合が生じる場合がある。
基材フィルムと第2ハードコート層との密着性を強化するために、前述の樹脂層を基材フィルムと第2ハードコート層との間に介在させることが好ましい。
[透明導電性フィルム]
本実施態様のハードコートフィルムは、透明導電性フィルムのベースフィルムとして好適である。つまり、本実施態様のハードコートフィルムをベースフィルムとして用いた透明導電性フィルムは、本実施態様のハードコートフィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜が積層されたものである。
透明導電膜は、ハードコートフィルムのどちらか一方の面のみに積層されていてもよいし、両方の面に積層されていてもよい。
本発明のハードコートフィルムをベースフィルムとして用いた透明導電性フィルムの構成例の幾つかを以下に例示するが、本発明はこれらに限定されない。
i)第1ハードコート層/樹脂層/基材フィルム/樹脂層/第1ハードコート層/透明導電膜
ii)透明導電膜/第1ハードコート層/樹脂層/基材フィルム/樹脂層/第1ハードコート層/透明導電膜
iii)第1ハードコート層/樹脂層/基材フィルム/樹脂層/第2ハードコート層/透明導電膜
iv)透明導電膜/第1ハードコート層/樹脂層/基材フィルム/樹脂層/第2ハードコート層
v)透明導電膜/第1ハードコート層/樹脂層/基材フィルム/樹脂層/第2ハードコート層/透明導電膜
上記の構成例の中でも、i)もしくはiii)が好ましい。つまり、透明導電膜の積層工程や加工工程におけるハードコートフィルムの滑り性や耐ブロッキング性を確保するという観点から、一方の第1ハードコート層には透明導電膜は積層せず露出させておくことが好ましい。
また更に、透明導電膜を積層する面のハードコート層は比較的平滑でクリアーであることが好ましい。従って、iii)の構成例において、第2ハードコート層の表面の中心線平均粗さ(Ra2)は25nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、特に15nm以下が好ましい。上記したように透明導電膜の積層する面のハードコート層(例えば第2ハードコート層)の表面が比較的平滑でクリアーであることにより、透明導電性フィルムの透明性が向上するので好ましい。
[透明導電膜]
透明導電性層を形成する材料としては、例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウム錫)、ATO(酸化アンチモン錫)等の金属酸化物、金属ナノワイヤー(例えば銀ナノワイヤー)、カーボンナオチューブが挙げられる。これらの中でも、ITOが好ましく用いられる。
透明導電膜の厚みは、表面抵抗値を10Ω/□以下の良好な導電性を確保するという観点から、10nm以上であることが好ましく、15nm以上であることがより好ましく、特に20nm以上であることが好ましい。一方、透明導電膜の厚みが大きくなりすぎると、色味(着色)が強くなったり、透明性が低下するという不都合が生じることがあるので、透明導電膜の厚みの上限は、60nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、特に40nm以下が好ましい。
透明導電膜の形成方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライ製膜法(気相製膜法)、あるいはウェットコーティング法が挙げられる。
上記のようにして製膜された透明導電膜はパターン化されていてもよい。パターン化は、透明導電性フィルムが適用される用途に応じて、各種のパターンを形成することができる。なお、透明導電膜のパターン化により、パターン部と非パターン部が形成されるが、パターン部の形状としては、例えば、ストライプ状、格子状等が挙げられる。
透明導電膜のパターン化は、一般的にはエッチングによって行われる。例えば、透明導電膜上にパターン状のエッチングレジスト膜を、フォトリソグラフィ法、レーザー露光法、あるいは印刷法により形成した後エッチング処理することにより、透明導電膜がパターン化される。透明導電膜がパターン化された後、エッチングレジスト膜がアルカリ水溶液で剥離除去される。
エッチング液としては、従来から公知のものが用いられる。例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、およびこれらの混合物、ならびにそれらの水溶液が用いられる。
エッチングレジスト膜の剥離除去に用いられるアルカリ水溶液としては、1〜5質量%の水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。
[屈折率調整層]
上記透明導電性フィルムの構成例において、透明導電膜は第1ハードコート層あるいは第2ハードコート層の上に直接に積層されてもよいが、透明導電膜と第1ハードコート層あるいは第2ハードコート層との間に屈折率調整層を介在させることが好ましい。以下、屈折率調整層について説明する。
屈折率調整層は、1層のみで構成されてもよいし、2層以上の積層構成であってもよい。屈折率調整層は、その上に積層される透明導電膜の反射色や透過色を調整するための機能、あるいはパターン化された透明導電膜のパターン部が視認される、いわゆる「骨見え」を抑制するための機能を有する層である。
屈折率調整層の構成としては、例えば、屈折率(n1)が1.60〜1.80の高屈折率層の1層構成、屈折率(n2)が1.30〜1.53の低屈折率層の1層構成、あるいは上記高屈折率層と低屈折率層との積層構成(低屈折率層が透明導電膜側に配置)などが挙げられる。
上記高屈折率層の屈折率(n1)の範囲は、さらに1.63〜1.78の範囲が好ましく、1.65〜1.75の範囲がより好ましい。上記低屈折率層の屈折率(n2)は、さらに1.30〜1.50の範囲が好ましく、1.30〜1.48の範囲がより好ましく、1.33〜1.46の範囲が特に好ましい。
屈折率調整層の厚み(複数層の積層構成の場合は合計厚みを指す)は、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、120nm以下が特に好ましく、100nm以下が最も好ましい。下限の厚みは30nm以上が好ましく、40nm以上がより好ましく、50nm以上が特に好ましく、60nm以上が最も好ましい。
透明導電膜がパターン化されている場合は、「骨見え」を抑制するという観点から、屈折率調整層は高屈折率層と低屈折率層との積層構成であることが好ましい。この場合、高屈折率層の光学厚みと低屈折率層の光学厚みの合計(nm)が、(1/4)λ(nm)を満足することが好ましい。ここで、光学厚み(nm)とは屈折率と実際の層の厚み(nm)の積であり、λは可視光領域の波長範囲である380〜780(nm)である。
本明細書において、高屈折率層の光学厚み(nm)と低屈折率層の光学厚み(nm)の合計が(1/4)λ(nm)を満足するとは、以下の式1を満足することである。尚、式中、n1は高屈折率層の屈折率、d1は高屈折率層の厚み(nm)、n2は低屈折率層の屈折率、d2は低屈折率層の厚み(nm)を表す。
(380nm/4)≦(n1×d1)+(n2×d2)≦(780nm/4)
95nm≦(n1×d1)+(n2×d2)≦195nm ・・・(式1)
つまり、高屈折率層の光学厚み(n1×d1)と低屈折率層の光学厚み(n2×d2)との合計は、95nm以上195nm以下であることが好ましい。
さらに、高屈折率層の光学厚みと低屈折率層の光学厚みの合計の範囲は95〜163nmの範囲がより好ましく、95〜150nmの範囲が特に好ましく、特に100〜140nmの範囲が最も好ましい。
高屈折率層は、例えば屈折率が1.65以上の金属酸化物微粒子を含有する活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成することができる。ここで活性エネルギー線硬化性組成物は、前述の第1ハードコート層で説明した重合性化合物および光重合開始剤を含有する組成物である。
金属酸化物微粒子としては、チタン、ジルコニウム、亜鉛、錫、アンチモン、セリウム、鉄、インジウム等の金属酸化物粒子が挙げられる。金属酸化物微粒子の具体例としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、リンドープ酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等が挙げられ、これらの金属酸化物微粒子は単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。上記金属酸化物微粒子の中でも、特に酸化チタンおよび酸化ジルコニウムが、透明性を低下させずに屈折率を高めることができるので好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物における金属酸化物微粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。上限は70質量%以下が好ましく、60質量%以下が好ましい。
低屈折率層は、例えば、低屈折率材料として低屈折率無機粒子および/または含フッ素化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成することができる。ここで活性エネルギー線硬化性組成物は、前述の第1ハードコート層で説明した重合性化合物および光重合開始剤を含有する組成物である。
低屈折率無機粒子としては、シリカやフッ化マグネシウム等の無機粒子が好ましい。さらにこれらの無機粒子は中空状や多孔質のものが好ましい。このような低屈折率無機粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、特に30質量%以上が好ましい。上限は70質量%以下が好ましく、60質量%以下が好ましく、特に50質量%以下が好ましい。
含フッ素化合物としては、含フッ素モノマー、含フッ素オリゴマー、含フッ素高分子化合物が挙げられる。ここで、含フッ素モノマーあるいは含フッ素オリゴマーは、分子中に前述の重合性官能基(炭素−炭素二重結合基を含む官能基)とフッ素原子とを有するモノマーあるいはオリゴマーである。
含フッ素モノマー、含フッ素オリゴマーとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、βー(パーフロロオクチル)エチル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類、 ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,2−トリフルオロエチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニルエチレングリコールなどのジ−(α−フルオロアクリル酸)フルオロアルキルエステル類が挙げられる。
含フッ素高分子化合物としては、例えば、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等である。架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。
含フッ素化合物の含有量は活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。上限は95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下が特に好ましい。
含フッ素化合物の中でも、含フッ素モノマー、含フッ素オリゴマーが好ましく用いられる。含フッ素モノマーおよび含フッ素オリゴマーは、分子中に重合性官能基を有しているので、低屈折率層の緻密な架橋構造の形成に寄与するとともに低屈折率化することができる。
[タッチパネル]
本実施態様のハードコートフィルムをベースフィルムとする透明導電性フィルムは、タッチパネルの構成部材の1つとして好ましく用いられる。
抵抗膜式タッチパネルは、通常、上部電極と下部電極がスペーサーを介して配置された構成となっているが、本実施態様のハードコートフィルムをベースフィルムとする透明導電性フィルムは、上部電極および下部電極のどちらか一方あるいは両方に用いることができる。
また、静電容量式タッチパネルは、通常、パターン化されたX電極とY電極で構成されるが、本実施態様のハードコートフィルムをベースフィルムとする透明導電性フィルムは、X電極およびY電極のどちらか一方あるいは両方に用いることができる。
タッチパネルに使用される透明導電性フィルムは、透明性および加工性(滑り性や耐ブロッキング性)が良好なことが要求されるが、本実施態様のハードコートフィルムをベースフィルムとする透明導電性フィルムは、上記特性を十分に満足することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、本実施例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
(1)各層の屈折率の測定
それぞれの塗布液をシリコンウエハー上にスピンコーターにて塗工形成した塗膜(乾燥厚み約2μm)について、25℃の温度条件下で位相差測定装置(ニコン(株)製:NPDM−1000)で589nmの屈折率を測定した。
また、基材フィルム(PETフィルム)の屈折率は、JIS K7105(1981)に準じて、アッベ屈折率計で589nmの屈折率を測定した。
(2)樹脂層の厚みの測定
樹脂層が積層された基材フィルムの断面を超薄切片に切り出し、RuO染色、OsO 染色、あるいは両者の二重染色による染色超薄切片法により、TEM(透過型電子顕微鏡)で断面構造が目視可能な以下の条件にて観察し、その断面写真から樹脂層の厚みを測定する。尚、測定個所は粒子が存在しない部分である。なお、5箇所を測定して、その平均値を樹脂層の厚みとした。
・測定装置:透過型電子顕微鏡(日立(株)製 H−7100FA型)
・測定条件:加速電圧 100kV
・試料調整:凍結超薄切片法
・倍率:30万倍
(3)第1および第2ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層の厚みの測定
ハードコートフィルムの断面を超薄切片に切り出し、TEM(透過型電子顕微鏡)で加速電圧100kVにて観察(1〜30万倍の倍率で観察)し、その断面写真から厚みを測定する。尚、第1ハードコート層のように表面に突起を有する層については、突起が存在しない部分における厚みである。厚みの測定は5箇所で行い、その平均値を厚みとした。
(4)第1ハードコート層に含有される粒子の平均粒子径の測定
第1ハードコート層の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察(約1万〜10万倍)し、その断面写真から、無作為に選択した30個の粒子のそれぞれの最大長さを計測し、それらを平均した値を平均粒子径とした。
(5)樹脂層に含有される粒子の平均粒子径の測定
基材フィルムに積層された樹脂層表面を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて倍率一万倍で観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえばケンブリッジインストルメント製QTM900)に結び付け、観察箇所を変えてデータを取り込み、合計粒子数5000個以上となったところで次の数値処理を行ない、それによって求めた数平均径dを平均粒径(直径)とした。
d=Σdi /N
ここでdi は粒子の等価円直径(粒子の断面積と同じ面積を持つ円の直径)、Nは個数である。
(6)第1および第2ハードコート層の表面の中心線平均粗さ(Ra1、Ra2)の測定
JIS B0601(1982)に基づき、触針式表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)を用いて測定した。
<測定条件>
送り速さ;0.5mm/s
評価長さ;8mm
カットオフ値λc;0.08mm
(7)第1ハードコート層表面における突起個数の計測
ハードコートフィルムのカットサンプル(20cm×15cm)を用意し、このカットサンプルの第1ハードコート層の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)にて5箇所撮影(約1万〜10万倍)し、5つの画像(表面写真)を作製する。次に、5つの画像それぞれについて、画像の1μm四方(面積1μm)もしくは2μm四方(面積4μm)の範囲に存在する突起の個数を計測し、面積100μm当たりの個数に換算し、平均した。尚、突起個数を計測する面積は、撮影倍率に応じて適宜変更する。
(8)第1ハードコート層表面における突起の平均直径の測定
ハードコートフィルムの第1ハードコート層の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)にて撮影(約1万〜10万倍)して画像(表面写真)を作成する。次に、この画像の中から無作為に選択した30個の突起の直径(最大長さ)を測定し、平均した。
(9)第1ハードコート層表面における突起の平均高さの測定
ハードコートフィルムのカットサンプル(20cm×15cm)を用意し、このカットサンプルの第1ハードコート層の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)にて5箇所撮影(約1万〜10万倍)し、5つの断面写真を作製する。次に、5つの断面写真に存在する全ての突起の高さを測定し、平均した。
(10)突起の平均間隔
ハードコートフィルムの第1ハードコート層の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)にて撮影(約1万〜10万倍)し、画像(表面写真)を作製する。この画像に横方向と縦方向に直交するそれぞれ1本ずつの直線を引く。次に、横方向の1本の直線上に乗っている(直線に接触する)突起の全てについて、隣接する突起との間隔を測定する。同様の操作を縦方向の1本の直線についても行う。この操作を、横方向の直線の位置および縦方向の直線の位置をそれぞれ3回変更して実施し、得られた全ての突起間隔を平均する。
(11)ハードコートフィルムの測定
JIS K 7136(2000)に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−2000」を用いて測定した。測定に際し、ハードコートフィルムの第1ハードコート層の反対面(すなわち第2ハードコート層が設けられている面)の表面に光が入射するように配置する。
(12)ハードコートフィルムの全光線透過率
JIS−K7361(1997年)に基づき、濁度計NDH2000(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(13)ハードコートフィルムの反射色の目視評価
ハードコートフィルムの第2ハードコート層の面に黒粘着テープ(日東電工製“ビニルテープNo.21 トクハバ 黒”)を貼り付け、第1ハードコート層の面の反射色を暗室三波長蛍光灯下にて目視にて観察し、以下の基準で行った。
同様に、ハードコートフィルムの第1ハードコート層の面に黒粘着テープ(日東電工製“ビニルテープNo.21 トクハバ 黒”)を貼り付け、第2ハードコート層の面の反射色を暗室三波長蛍光灯下にて目視にて観察し、以下の基準で行った。
A:反射色がニュートラルでほぼ無色である。
C:反射色が着色を呈している。
(14)滑り性の評価
ハードコートフィルムを切断して2枚のシート片(20cm×15cm)を作製した。2枚のシート片の第1ハードコート層の面と第2ハードコート層の面が向き合うように2枚のシート片を僅かにずらして重ね合わせて平滑な台上の置き、下方のシート片を指で台上に固定し、上方のシート片を手で滑らせる方法で滑り性の良否判定を行った。測定環境は23℃、55%RHである。
A:上方のシート片の滑り性が良好である。
B:上方のシート片の滑り性は劣るが比較的良好である。
C:上方のシート片が滑らない。
(15)耐ブロッキング性の評価
ハードコートフィルムを切断して2枚のシート片(20cm×15cm)を作製する。この2枚のシートの第1ハードコート層面と第2ハードコート層面とが向き合うようにして重ね合わせる。次に、2枚のシート片を重ね合わせた試料をガラス板で挟み込み、約3kgの重りを載せて、50℃、90%(RH)の雰囲気下に48時間放置する。次に、重ね合わせ面を目視により観察しニュートンリングの発生状況を確認した後、両者を剥離し、以下の基準で評価した。
A:剥離前はニュートンリングが発生しておらず、剥離時には剥離音を立てずに軽く剥離される。
B:剥離前は一部ニュートンリングが発生しており、剥離時には小さな剥離音を立てながら剥離される。
C:剥離前は全面にニュートンリングが発生しており、剥離時には大きな剥離音を立てて剥離される。
(16)第1および第2ハードコート層の鉛筆硬度
ハードコートフィルムの第1ハードコート層の表面と第1ハードコート層の表面について、それぞれJIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定した。荷重は750g、速度は30mm/minである。測定装置は、新東科学(株)製の表面性硬度計(HEIDON;タイプ14DR)を用いた。測定時の環境は、23℃±2℃、相対湿度55%±5%である。
(17)透明導電膜パターンの視認性
黒い板の上にサンプルを置き、目視により透明導電膜のパターン部が視認できるかどうか以下の基準で評価した。
A:パターン部が視認できない。
C:パターン部が視認できる。
(18)樹脂層のぬれ張力の測定
樹脂層が積層された基材フィルムを常態(23℃、相対湿度50%)の雰囲気下で6時間シーズニングして、同雰囲気下でJIS−K−6768(1999)に準拠して測定した。
<樹脂層形成用塗布液>
(樹脂層形成用塗布液a)
固形分質量比で、Tg(ガラス転移温度)が120℃のポリエステル樹脂aを26質量%、Tgが80℃のポリエステル樹脂bを54質量%、メラミン系架橋剤を18質量%、粒子を2質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・ポリエステル樹脂a;2,6−ナフタレンジカルボン酸43モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸7モル%、エチレングリコールを含むジオール成分50モル%を共重合して得られたポリエステル樹脂
・ポリエステル樹脂b;テレフタル酸38モル%、トリメリット酸12モル%、エチレングリコールを含むジオール成分50モル%を共重合して得られたポリエステル樹脂
・メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ
(樹脂層形成用塗布液b)
固形分質量比で、下記のアクリル樹脂を80質量%、メラミン系架橋剤を18質量%、粒子を2質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・アクリル樹脂(下記の共重合組成からなるアクリル樹脂)
メチルメタクリレート 63重量%
エチルアクリレート 35重量%
アクリル酸 1重量%
N−メチロールアクリルアミド 1重量%
・メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ
<表面処理シリカ粒子分散液>
(表面処理シリカ粒子分散液A)
コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製の「オルガノシリカゾル IPA−ST−ZL」)150質量部に、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン13.7質量部と10質量%蟻酸水溶液1.7質量部を混合し、70℃にて1時間撹拌した。次いで、フッ素化合物(HC=CH−COO−CH−(CFF)13.8質量部および2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.57質量部を加えた後、60分間90℃にて加熱撹拌して分散液を得た。
(表面処理シリカ粒子分散液B)
コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製の「オルガノシリカゾル IPA−ST−ZL」)150質量部に、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン13.7質量部と10質量%蟻酸水溶液1.7質量部を混合し、70℃にて1時間撹拌した。次いで、疎水性化合物としてフッ素化合物(HC=CH−COO−CH−(CFF)を9質量部とシリコーン化合物(大日本インキ化学工業株式会社製の「PC−4131」)を4.8質量部、および2,2−アゾビスイソブチロニトリルを0.57質量部加えた後、60分間90℃にて加熱撹拌して分散液を得た。
(表面処理シリカ粒子分散液C)
コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製の「オルガノシリカゾル IPA−ST−ZL」)330質量部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)8質量部、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン(GE東芝シリコーン(株)製)2質量部、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.5質量部加え混合した後に、イオン交換水9質量を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8質量部を添加した。次に、この分散液にシクロヘキサノンを添加しながら、圧力20kPaで減圧蒸留による溶媒置換を行って分散液を得た。
(表面処理シリカ粒子分散液D)
コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製の「オルガノシリカゾル MEK−ST−2040」)150質量部に、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン13.7質量部と10質量%蟻酸水溶液1.7質量部を混合し、70℃にて1時間撹拌した。次いで、フッ素化合物(HC=CH−COO−CH−(CFF)13.8質量部および2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.57質量部を加えた後、60分間90℃にて加熱撹拌して分散液を得た。
(表面処理シリカ粒子分散液E)
コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製の「オルガノシリカゾル MEK−ST−L」)150質量部に、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン13.7質量部と10質量%蟻酸水溶液1.7質量部を混合し、70℃にて1時間撹拌した。次いで、フッ素化合物(HC=CH−COO−CH−(CFF)13.8質量部および2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.57質量部を加えた後、60分間90℃にて加熱撹拌して分散液を得た。
[実施例1]
下記の要領でハードコートフィルムを作製した。
<樹脂層積層PETフィルムの作製>
屈折率1.65で厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の両面に、それぞれ樹脂層をPETフィルムの製造工程内でインラインコーティングした。つまり、長手方向に一軸延伸されたPETフィルムの両面にそれぞれ樹脂層形成用塗布液aをバーコート法で塗布し100℃で乾燥後、引き続き幅方向に二軸延伸し、230℃で20秒間加熱処理を施し熱硬化させて、両面に樹脂層が積層されたPETフィルムを作製した。PETフィルムの両面に積層された樹脂層はそれぞれ、屈折率が1.59で、厚みが0.09μmであった。
<第1および第2ハードコート層の積層>
両面に樹脂層が積層されたPETフィルムの一方の面の樹脂層上に下記の活性エネルギー線硬化性組成物aをグラビアコート法で塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射し硬化させて、第1ハードコート層を形成した。この第1ハードコート層は、厚みが2.6μm、屈折率が1.51であった。
次いで、PETフィルムの他方の面(第1ハードコート層が積層された面とは反対面)の樹脂層上にも活性エネルギー線硬化性組成物aを用いて上記と同様にして第2ハードコート層を形成して、ハードコートフィルムを作製した。この第2ハードコート層は、厚みが2.6μm、屈折率が1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物a>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、アクリレート化合物(東亜合成株式会社製の「アロニックスM111」)37質量部、表面処理シリカ粒子分散液Aを固形分換算で8質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して調製した。
[実施例2]
第2ハードコート層を下記の活性エネルギー線硬化性組成物bに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第2ハードコート層の厚みは2.6μmで、屈折率は1.52であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物b>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート48質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)47質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に分散・溶解して調製した。
[実施例3]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物cに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物c>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート87質量部、表面処理シリカ粒子分散液Bを固形分換算で8質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して調製した。
[実施例4]
第2ハードコート層を上記の活性エネルギー線硬化性組成物bに変更する以外は、実施例3と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第2ハードコート層の厚みは2.6μmで、屈折率は1.52であった。
[実施例5]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物dに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物d>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート87質量部、表面処理シリカ粒子分散液Cを固形分換算で8質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの質量比は8:2の混合溶剤)に分散・溶解して調製した。
[実施例6]
第2ハードコート層を上記の活性エネルギー線硬化性組成物bに変更する以外は、実施例5と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第2ハードコート層の厚みは2.6μmで、屈折率は1.52であった。
[実施例7]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物eに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物e>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、アクリレート化合物(東亜合成株式会社製の「アロニックスM111」)37質量部、表面処理シリカ粒子分散液Dを固形分換算で8質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して調製した。
[実施例8]
第2ハードコート層を上記の活性エネルギー線硬化性組成物bに変更する以外は、実施例7と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第2ハードコート層の厚みは2.6μmで、屈折率は1.52であった。
[実施例9]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物fに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物f>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、アクリレート化合物(東亜合成株式会社製の「アロニックスM111」)37質量部、表面処理シリカ粒子分散液Eを固形分換算で8質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して調製した。
[実施例10]
第2ハードコート層を上記の活性エネルギー線硬化性組成物bに変更する以外は、実施例9と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第2ハードコート層の厚みは2.6μmで、屈折率は1.52であった。
[比較例1]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物gに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物g>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート87質量部、シリカ粒子(日産化学工業株式会社製の「オルガノシリカゾル IPA−ST−ZL」)を固形分換算で8質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの質量比は8:2の混合溶剤)に分散・溶解して調製した。
[比較例2]
第2ハードコート層を上記の活性エネルギー線硬化性組成物bに変更する以外は、比較例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第2ハードコート層の厚みは2.6μmで、屈折率は1.52であった。
[比較例3]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物hに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.52であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物h>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート87質量部、ポリメチルメタクリレート粒子(綜研化学(株)製の「MX−150H」)を固形分換算で8質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの質量比は8:2の混合溶剤)に分散・溶解して調製した。
[比較例4]
第2ハードコート層を上記の活性エネルギー線硬化性組成物bに変更する以外は、比較例3と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第2ハードコート層の厚みは2.6μmで、屈折率は1.52であった。
[実施例11]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物iに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物i>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート54質量部、アクリレート化合物(東亜合成株式会社製の「アロニックスM111」)37質量部、表面処理シリカ粒子分散液Aを固形分換算で4質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して調製した。
[実施例12]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物jに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物j>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート52質量部、アクリレート化合物(東亜合成株式会社製の「アロニックスM111」)37質量部、表面処理シリカ粒子分散液Aを固形分換算で6質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して調製した。
[実施例13]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物kに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物k>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、アクリレート化合物(東亜合成株式会社製の「アロニックスM111」)35質量部、表面処理シリカ粒子分散液Aを固形分換算で10質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して調製した。
[実施例14]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物lに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物l>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、アクリレート化合物(東亜合成株式会社製の「アロニックスM111」)33質量部、表面処理シリカ粒子分散液Aを固形分換算で12質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して調製した。
[比較例5]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物mに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物m>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート56質量部、アクリレート化合物(東亜合成株式会社製の「アロニックスM111」)37質量部、表面処理シリカ粒子分散液Aを固形分換算で2質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して調製した。
[比較例6]
第1および第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の活性エネルギー線硬化性組成物nに変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物n>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート45質量部、アクリレート化合物(東亜合成株式会社製の「アロニックスM111」)30質量部、表面処理シリカ粒子分散液Aを固形分換算で20質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して調製した。
[比較例7]
実施例1の樹脂層積層PETフィルムの作製において、樹脂層形成用塗布液を樹脂層形成用塗布液bに変更する以外は、実施例1と同様にして両面に樹脂層が積層されたPETフィルムを作製した。PETフィルムの両面に積層された樹脂層はそれぞれ、屈折率が1.52で、厚みが0.09μmであった。
<第1および第2ハードコート層の積層>
上記の樹脂層積層PETフィルムに、比較例5と同様にして第1および第2ハードコート層を積層して、ハードコートフィルムを作製した。第1および第2ハードコート層の厚みはそれぞれ2.6μmで、屈折率はそれぞれ1.51であった。
[ハードコートフィルムの評価]
上記で得られた実施例および比較例のハードコートフィルムについて、第1および第2ハードコート層の構成を表1に示し、これらのハードコートフィルムの評価結果を表2に示す。
Figure 0005528645
Figure 0005528645
また、上記実施例および比較例の中の代表的なサンプルについて、第1ハードコート層の表面における突起の平均直径、平均高さおよび平均間隔を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0005528645
上記結果から、実施例1〜14においては、第1ハードコート層表面に突起が単位面積(100μm)当たり300〜10000個形成されているので、滑り性および耐ブロッキング性が良好であるといえる。また、第1および第2ハードコート層の中心線平均粗さ(Ra1、Ra2)が30nm未満であり、ハードコートフィルムのヘイズ値が1.5%未満と小さくなっており、透明性が良好であるので、全光線透過率が高いといえる。
[実施例15〜24]
実施例1〜10のハードコートフィルムの第2ハードコート層の面に、透明導電膜としてITO膜を厚みが25nmとなるようにスパッタリング法で積層して、透明導電性フィルムを作製した。これらの透明導電性フィルムについて滑り性と耐ブロッキング性を評価した。その結果を表4に示す。
Figure 0005528645
尚、透明導電性フィルムの滑り性および耐ブロッキング性の評価は、前述の「(14)滑り性の評価」および「(15)耐ブロッキング性の評価」において、第1ハードコート層の面と透明導電膜の面とが向き合うように重ねるように変更した以外は同様にして評価した。
実施例15〜24の透明導電性フィルムはいずれも、滑り性および耐ブロッキング性とも良好であった。
[実施例25〜29]
実施例2、4、6、8および10のハードコートフィルムの第2ハードコート層の面に、下記の高屈折率層と低屈折率層をこの順に積層し、次いで低屈折率層の上に下記の透明導電膜を形成して、静電容量式タッチパネル用の透明導電性フィルムを作製した。
<高屈折率層の積層>
下記の高屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物をグラビアコート法により塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させて厚みが50nmの高屈折率層を形成した。この高屈折率層の屈折率は1.68であった。
(高屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート21質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)21質量部、酸化ジルコニウム55質量部、および光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)3質量部を有機溶剤(プロピレングリコールモノメチルエータル)に分散あるいは溶解して調製した。
<低屈折率層の積層>
下記の低屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物をグラビアコート法により塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させて厚みが40nmの低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.40であった。
(低屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物)
ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニルエチレングリコール87質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)3質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に分散あるいは溶解して調製した。
<透明導電膜の積層>
ITO膜を厚みが25nmとなるようにスパッタリング法で積層し、格子状パターンにパターン加工(エッチング処理)して透明導電膜を形成した。
[評価]
実施例25〜29の透明導電性フィルムについて、滑り性、耐ブロッキング性および透明導電膜パターンの視認性を評価した。その結果を表5に示す。
Figure 0005528645
尚、透明導電性フィルムの滑り性および耐ブロッキング性の評価は、前述の「(14)滑り性の評価」および「(15)耐ブロッキング性の評価」において、第1ハードコート層の面と透明導電膜の面とが向き合うように重ねるように変更した以外は同様にして評価した。
実施例25〜29の透明導電性フィルムはいずれも、良好な滑り性、耐ブロッキング性および透明導電膜パターンの視認性を示した。
[実施例31〜40]
以下に示すように、ぬれ張力の異なる5種類の樹脂層形成用塗布液を用意した。
(樹脂層形成用塗布液c;ぬれ張力42mN/m)
固形分質量比で、下記のポリエステル樹脂cを27質量%、ポリエステル樹脂dを54質量%、メラミン系架橋剤を18質量%、粒子を1質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・ポリエステル樹脂c;2,6−ナフタレンジカルボン酸43モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸7モル%/エチレングリコール45モル%/ジエチレングリコール5モル%で構成されているポリエステル樹脂。
・ポリエステル樹脂d;テレフタル酸38モル%/トリメリット酸12モル%/エチレングリコール45モル%/ジエチレングリコール5モル%で構成されているポリエステル樹脂。
・メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
(樹脂層形成用塗布液d;ぬれ張力44mN/m)
固形分質量比で、下記のポリエステル樹脂eを42質量%、アクリル樹脂aを42質量%、エポキシ系架橋剤を6質量%、界面活性剤を9質量%、粒子を1質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・ポリエステル樹脂e;テレフタル酸35モル%/イソフタル酸11モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸4モル%/エチレングリコール45モル%/ジエチレングリコール4モル%/ポリエチレングリコール(繰り返し単位数n=23)1モル%で構成されているポリエステル樹脂。
・アクリル樹脂a;メチルメタクリレート75モル%/エチルアクリレート18モル%/N−メチロールアクリルアミド4モル%/メトキシポリエチレングリコール(繰り返し単位数n=10)メタクリレート3モル%で構成されているアクリル樹脂。
・エポキシ系架橋剤;1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミン)シクロヘキサン
・界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
(樹脂層形成用塗布液e;ぬれ張力48mN/m)
固形分質量比で、下記のポリエステル樹脂fを40質量%、アクリル樹脂bを40質量%、メラミン系架橋剤を10質量%、界面活性剤を9質量%、粒子を1質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・ポリエステル樹脂f;テレフタル酸30モル%/イソフタル酸15モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%/エチレングリコール30モル%/1,4−ブタンジオール20モル%で構成されているポリエステル樹脂。
・アクリル樹脂b;メチルメタクリレート75モル%/エチルアクリレート22モル%/アクリル酸1モル%/N−メチロールアクリルアミド2モル%で構成されているアクリル樹脂
・メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」
・界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
(樹脂層形成用塗布液f;ぬれ張力51mN/m)
固形分質量比で、下記のポリエステル樹脂gを45質量%、アクリル樹脂cを45質量%、メラミン系架橋剤を5質量%、界面活性剤を4質量%、粒子を1質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・ポリエステル共重合体g:テレフタル酸32モル%/イソフタル酸12モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル%/エチレングリコール46モル%/ジエチレングリコール4モル%で構成されているポリエステル共重合体。
・アクリル樹脂c:メチルメタクリレート70モル%/エチルアクリレート22モル%/N−メチロールアクリルアミド4モル%/N,N−ジメチルアクリルアミド4モル%で構成されているアクリル共重合体。
・メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」
・界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
(樹脂層形成用塗布液g;ぬれ張力53mN/m)
固形分質量比で、ウレタン樹脂を85質量%、エポキシ系架橋剤を5質量%、界面活性剤を9質量%、粒子を1質量%混合して塗布液を調製した。
・ウレタン樹脂;大日本インキ化学工業(株)製の「ハイドランAP−20」
・エポキシ系架橋剤;トリエチレングリコールジグリシジルエーテル
・界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
[実施例31]
下記の要領でハードコートフィルムを作製した。
<樹脂層積層PETフィルムの作製>
屈折率1.65で厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の両面に、それぞれ樹脂層をPETフィルムの製造工程内でインラインコーティングした。つまり、長手方向に一軸延伸されたPETフィルムの両面にそれぞれ樹脂層形成用塗布液cをバーコート法で塗布し100℃で乾燥後、引き続き幅方向に二軸延伸し、230℃で20秒間加熱処理を施し熱硬化させて、両面に樹脂層が積層されたPETフィルムを作製した。PETフィルムの両面に積層された樹脂層の厚みはそれぞれ0.08μmであった。
<第1および第2ハードコート層の積層>
両面に樹脂層が積層されたPETフィルムの一方の面の樹脂層上に、実施例1で用いた活性エネルギー線硬化性組成物aをグラビアコート法で塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射し硬化させて、第1ハードコート層を形成した。この第1ハードコート層の厚みは、1.6μmであった。
次いで、PETフィルムの他方の面(第1ハードコート層が積層された面とは反対面)の樹脂層上に、実施例2で用いた活性エネルギー線硬化性組成物bを上記と同様にして第2ハードコート層を形成して、ハードコートフィルムを作製した。この第2ハードコート層の厚みは1.6μmであった。
[実施例32〜35]
樹脂層形成用塗布液を表6のように変更する以外は、実施例31と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
[実施例36〜40]
第1ハードコート層の厚みを2.6μmに変更すること、および第2ハードコート層の厚みを2.6μmに変更すること以外は、実施例31〜35と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
[ハードコートフィルムの評価]
上記で得られた実施例31〜40のハードコートフィルムについて、第1および第2ハードコート層の構成を表6に示し、これらのハードコートフィルムの評価結果を表7に示す。
Figure 0005528645
Figure 0005528645
上記結果から、ぬれ張力が52mN/m以下である樹脂層上に直接に第1ハードコート層を積層することにより、第1ハードコート層表面に粒子による突起が形成されやすいことが分かる(単位面積当たりの突起個数が多くなることが分かる)。そして、樹脂層表面のぬれ張力の影響は、第1ハードコート層の厚みが2μm未満の場合に顕著になることが分かる。つまり、ぬれ張力が52mN/m以下である樹脂層上に直接に第1ハードコート層を積層する態様は、第1ハードコート層の厚みが2μm未満の場合に、第1ハードコート層に含有される粒子が表面近傍に偏在しやすく、その結果、効率よく粒子による突起が形成される。また、第1ハードコート層の厚みを2μm未満とすることにより、ヘイズ値がより小さくなり透明性が向上する。
1〜5 突起
11 突起
20 横方向の直線
30 縦方向の直線

Claims (17)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面に、粒子を含有する第1ハードコート層を備え、第1ハードコート層の表面に前記粒子からなる突起が100μm当たり300〜4000個の密度で存在しており、第1ハードコート層の表面の中心線平均粗さ(Ra1)が30nm未満であり、ヘイズ値が1.5%未満であることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記粒子の平均粒子径(r)が0.05〜0.5μmである、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 第1ハードコート層の厚み(d)に対する前記粒子の平均粒子径(r)の比率(r/d)が0.01〜0.30である、請求項1または2に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記突起の平均直径が0.03〜0.3μmであり、前記突起の平均高さが0.03〜0.3μmである、請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  5. 前記突起の平均間隔が0.10〜0.70μmである、請求項1〜4のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  6. 第1ハードコート層の厚み(d)が0.5μm以上10μm未満である、請求項1〜5のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  7. 前記基材フィルムと第1ハードコート層との間に厚みが0.005〜0.3μmである樹脂層を備え、該樹脂層が、厚みの1.3倍以上の平均粒子径を有する粒子を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  8. 前記基材フィルムがポリエチレンテレフタレートからなり、前記基材フィルムと第1ハードコート層との間に屈折率が1.55〜1.61の樹脂層を備えている、請求項1〜7のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  9. 前記基材フィルムと第1ハードコート層との間に、ぬれ張力が52mN/m以下である樹脂層を備えている、請求項1〜8のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  10. 第1ハードコート層の厚みが2μm未満である、請求項9に記載のハードコートフィルム。
  11. 第1ハードコート層に含有される前記粒子が無機物からなり、該粒子の表面に対し表面自由エネルギーを小さくするための処理または疎水化処理が施されている、請求項1〜10のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  12. 第1ハードコート層に含有される前記粒子の表面に対し、一般式1(C2n+1−(CH−Si(Q))で示されるオルガノシラン化合物、該オルガノシラン化合物の加水分解物、または該加水分解物の部分縮合物を用いて、表面自由エネルギーを小さくする処理が施されている、請求項11に記載のハードコートフィルム。
    但し、一般式1において、nは1〜10の整数、mは1〜5の整数を表し、Qは炭素数1〜5のアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。
  13. 第1ハードコート層に含有される前記粒子の表面が、一般式2(B−R−SiR (OR3−n)で示される化合物を用いて処理された後に、一般式3(D−R−Rf)で示されるフッ素化合物を用いて処理されることにより疎水化されている、請求項11に記載のハードコートフィルム。
    但し、一般式2および3において、BおよびDはそれぞれ独立に反応性部位を表し、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキレン基、または該アルキレン基から導出されるエステル構造を表し、RおよびRはそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rfはフルオロアルキル基を表し、nは0〜2の整数を表す。
  14. 第1ハードコート層に含有される前記粒子の表面が、炭素数4以上のフルオロアルキル基と反応性部位とを有するフッ素化合物、炭素数8以上の炭化水素基と反応性部位とを有する長鎖炭化水素化合物、またはシロキサン基と反応性部位とを有するシリコーン化合物を用いて処理されることにより疎水化されている、請求項11に記載のハードコートフィルム。
  15. 第1ハードコート層に含有される前記粒子がシリカ粒子である、請求項1〜14のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  16. 前記基材フィルムの第1ハードコート層が設けられた面とは反対面に第2ハードコート層を備え、第2ハードコート層の表面には粒子からなる突起が実質的に存在せず、かつ第2ハードコート層の表面の中心線平均粗さ(Ra2)が25nm以下である、請求項1〜15のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載のハードコートフィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜を備える透明導電性フィルム。
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