JP2014231143A - 塗布フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温での加熱処理加工後においても表面平滑性を損なわない塗布フィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも3層以上の積層構造を有するポリエステルフィルムであり、一方の表層に粒子を含有し、当該表層面に四級アンモニウム塩基含有ポリマーおよび多価アルデヒド化合物を含有する塗布液により形成された塗布層を有し、180℃で3時間加熱後の塗布層表面の中心線平均粗さが0.005μm以下であり、かつ塗布層表面の突起高さと突起数(Y)との関係を表す分布曲線が突起高さ0.01〜0.07μmの範囲で下記式(1)を満足し、かつ塗布層表面の突起高さ0.08μm以上の突起数が200個/mm2以下であることを特徴とする塗布フィルム。
−(logY2−logY1)/0.25≧5…(1)
(上記式中、Y1およびY2は、フィルム表面の突起高さが0.05μmおよび0.30μmのフィルム表面の突起数(個/mm2)をそれぞれ表す)
【選択図】 なし
【解決手段】 少なくとも3層以上の積層構造を有するポリエステルフィルムであり、一方の表層に粒子を含有し、当該表層面に四級アンモニウム塩基含有ポリマーおよび多価アルデヒド化合物を含有する塗布液により形成された塗布層を有し、180℃で3時間加熱後の塗布層表面の中心線平均粗さが0.005μm以下であり、かつ塗布層表面の突起高さと突起数(Y)との関係を表す分布曲線が突起高さ0.01〜0.07μmの範囲で下記式(1)を満足し、かつ塗布層表面の突起高さ0.08μm以上の突起数が200個/mm2以下であることを特徴とする塗布フィルム。
−(logY2−logY1)/0.25≧5…(1)
(上記式中、Y1およびY2は、フィルム表面の突起高さが0.05μmおよび0.30μmのフィルム表面の突起数(個/mm2)をそれぞれ表す)
【選択図】 なし
Description
本発明は、高平滑性を有し、かつスパッタリング時の耐久性良好であり、特に液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどの薄型ディスプレイ用基板として、好適な塗布フィルムに関するものである。
従来、フレキシブルディスプレイ等へ使用される金属薄膜配線の形成には、基材上に金属薄膜がスパッタリングで形成され、エッチングによるパターンニング後、280℃以上の高温下で加熱処理加工されることが一般的であった。そのため、当該用途に用いる基材としては高温での加工が可能なガラス、ポリイミドなどの耐熱材料を使用する必要があった。しかし、近年、加工技術の進歩に伴い、加工温度の低温化が進行し、200℃を下回る領域での金属薄膜形成・加工が可能になってきた。そのため、従来は高温での加工ゆえに使用することが困難であった材料がフレキシブルディスプレイ用基材として使用可能になってきている。
その中でも特にポリエステルフィルムは安価であり機械的特性等にも優れるため、高価なガラス、ポリイミド等の代替材料として注目されており、各メーカーにおいて、検討が精力的に行われている状況にある。
一方、表示装置の高精細化や高機能化に伴い、配線パターンは複雑化する傾向にある。例えば、タッチパネルでは、多点入力(マルチタッチ)が可能な投影型静電容量方式のタッチパネルや、マトリックス型の抵抗膜方式タッチパネルが近年脚光を浴びている。これらの方式のタッチパネルでは、透明導電性薄膜が、所定形状(例えば短冊状)にパターン化されて透明電極を形成し、各透明電極とIC等の制御手段との間にパターン配線が形成される。このように、配線のパターンが複雑化する一方で、引き回し配線が視認されないように周辺部が加飾された領域をより狭くして、表示装置における表示領域の面積比率を高めること(狭額縁化)も要求される傾向にある。
そのため、金属薄膜配線の精細化が進むに伴い、金属薄膜配線の厚さも益々薄膜化する傾向にある。金属薄膜配線の薄膜化に伴い、基材であるポリエステルフィルムの表面特性の影響が、得られる表示装置の電気特性を大きく左右する状況にある。
従来、まったく問題とならなかった基板表面の微細な凹凸により、金属薄膜配線の断線等の欠陥が加工歩留まり低下につながる等、深刻な問題となっている。そのため、高度に表面を平滑に設計されたポリエステルフィルムが必要とされる状況にある。
例えば、フレキシブルデバイス用基板として用いる場合、フィルムの表面設計を非常に高平滑にすることが提案されている(特許文献1)。しかし、中心線平均粗さ(Ra)では極稀に存在する粗大突起が致命的な欠陥となる場合があり、その平滑性の管理指標として、Raだけでは必ずしも十分ではなかった。
またポリエステルフィルムの表面を平滑に設計すると、該ポリエステルフィルム製造がより困難となり、特にロールの形態に巻上げる工程で巻きずれ等の不具合がおきやすくなる傾向にある。
ロール巻上げ工程での巻きずれ等の発生を抑えるべく、片面の表面粗度を低く、反対面の表面粗度を高く設計し、表裏で表面粗度の異なるフィルムとなるように設計したポリエステルフィルムも提案されている(特許文献2、特許文献3)。しかしながら、粗面の表面粗度を制御しなかった場合は、ロール形態に巻き上げたときに粗面の表面突起が平滑面に転写してしまい、形成した金属薄膜配線の品質を落としてしまう欠点があり、また粗面の表面粗度を調整してロール形態に巻き上げたときに粗面の影響が平滑面に及ばないよう設計した場合は、両面の表面粗度が平滑すぎることにより、ポリエステルフィルム製膜時に発生するキズなどの表面欠陥の併発を防止するのが困難な状況にある。
さらに、ポリエステルフィルム使用上の問題点として、従来よりもさらに過酷な高温の熱ダメージがフィルム表面に加わる、例えば、スパッタリング処理工程を経た場合には、フィルム中に含有されるエステル環状3量体がフィルム表面に析出・結晶化することにより、フィルム表面で、新たに突起を形成し、結果的にフィルム表面の表面粗さが大きくなってしまい、熱処理前の高平滑性を維持するのが困難な状況にあった。
そのため、金属薄膜配線形成用の基材としてポリエステルフィルムを用いるためには表面粗度を低く設計するのみでは不十分であり、高温の熱ダメージを経ても、高度なレベルで表面平滑性を維持することが可能なポリエステルフィルムが必要とされる状況にある。
そのため、金属薄膜配線形成用の基材としてポリエステルフィルムを用いるためには表面粗度を低く設計するのみでは不十分であり、高温の熱ダメージを経ても、高度なレベルで表面平滑性を維持することが可能なポリエステルフィルムが必要とされる状況にある。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、フレキシブルディスプレイ用基板として、例えば、金属薄膜配線形成に用いた場合には、スパッタリング処理等、高温での熱ダメージを加えた熱処理工程を経た後においても、熱処理前の表面平滑性を維持することが可能な塗布フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなるポリエステルフィルムを用いることによれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも3層以上の積層構造を有するポリエステルフィルムであり、両表層には粒子を含有し、片面に四級アンモニウム塩基含有ポリマーおよび多価アルデヒド化合物を含有する塗布液を塗布・乾燥して形成された塗布層を有し、180℃で3時間加熱後の塗布層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.005μm以下であり、かつ塗布層表面の突起高さと突起数(Y)との関係を表す分布曲線が突起高さ0.01〜0.07μmの範囲で下記式(1)を満足し、かつ塗布層表面の突起高さ0.08μm以上の突起数が200個/mm2以下であることを特徴とする塗布フィルムに存する。
−(logY2−logY1)/0.25≧5…(1)
(上記式中、Y1およびY2は、フィルム表面の突起高さが0.05μmおよび0.30μmのフィルム表面の突起数(個/mm2)をそれぞれ表す)
−(logY2−logY1)/0.25≧5…(1)
(上記式中、Y1およびY2は、フィルム表面の突起高さが0.05μmおよび0.30μmのフィルム表面の突起数(個/mm2)をそれぞれ表す)
本発明の塗布フィルムによれば、フレキシブルディスプレイ等に使用される金属薄膜配線形成用の基板として好適であり、高温での加熱加工後においても表面平滑性を損なわない塗布フィルムを提供することができ、その工業的な利用価値は高い。
本発明の塗布フィルムは、少なくとも3層以上の多層構成であることを必須の要件とするものである。本発明にいう塗布フィルムとは、押出口金から溶融押し出される、いわゆる押出法により、押し出されたポリエステルフィルムであって、必要に応じ、縦方向および横方向の二軸方向に配向させたフィルムである。
本発明において、ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト(PEN)等が例示される。
また、本発明で用いるポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体である。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、および、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または、二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノーネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる
また、本発明の塗布フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等を混合することができる。また、導電材料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、蛍光増白剤、潤滑剤、遮光剤、マット化剤、および染料、顔料などの着色剤等を配合してもよい。また、必要に応じ、フィルムの滑り性や耐摩耗性を改良する目的などのために、ポリエステルに対し、不活性な無機または有機の微粒子などを配合することもできる。さらにその上に静電気による電撃、ゴミ付着防止、さらには電磁波シールドを目的とした機能性多層薄膜を形成してもよい。
本発明の塗布フィルムのフィルム厚さは、特に限定されるわけではないが、9〜75μmが好ましく、さらに好ましくは12〜50μmがよい。フィルム厚さが9μm未満の場合、加工時、フィルムのハンドリングが難しくなる場合がある。また、フィルム厚さが75μmを超える場合、フィルムの厚さムラの絶対値が大きくなるに伴い、フィルム表面の均一性が損なわれる場合がある。
本発明の塗布フィルムは、塗布層側の最表層の厚さを1μm以上とすることが好ましく、より好ましくは2μm以上である。最表層の厚さが1μm未満の場合、ポリエステルの表面特性に内層の影響が現れてしまうことがある。
本発明の塗布フィルムの塗布層側の最表層中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を含有することを必須の要件とする。特に酸化アルミニウム粒子を配合するのが好ましい。添加する酸化アルミニウム粒子の平均一次粒子径は5〜100nmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは30〜100nmの範囲である。平均一次粒子径が5nm未満の場合は、平滑面の微細な凹凸構造を発現させることができない。また平均一次粒径が100nmを超える場合は、所望する表面粗度を達成できない場合がある。
また、酸化アルミニウム粒子の添加量は1000〜15000ppmの範囲が好ましく、さらに好ましくは2000〜5000ppmの範囲である。酸化アルミニウム粒子の添加量が1000ppm未満の場合は、塗布層表面の微細な凹凸構造を発現させることができないのみでなく、併せて十分な耐擦傷性も実現できない恐れがある。また、添加量が15000ppmを超える場合は酸化アルミナ粒子同士が凝集体を生成し、フィルム表面の表面突起となり、金属薄膜配線形成時に欠陥が生じる原因となる恐れがある。
また、本発明の塗布フィルムの塗布層側の表面粗さ(Ra)は、0.005μm以下であることを必須の要件とする。Raに関して、好ましくは0.002μm以下である。塗布層表面の表面粗さ(Ra)が0.001μm未満である場合は、ポリエステルフィルム製造時および当該ポリエステルフィルムの加工時にフィルム表面が平滑すぎて巻き取り工程で巻きずれ等の不具合が発生しやすくなる。一方、塗布層表面の表面粗さ(Ra)が5nmを超える場合は、金属薄膜配線の形成時に表面突起起因の欠陥が発生する。なお、そのフィルムの巻き取り性を考慮した場合にRaの下限は0.001μm以上であるのが好ましい。
本発明の塗布フィルムの塗布層を設けない側の最表層中も、易滑性の付与を主たる目的として、易滑性付与可能な粒子を添加することを必須の要件とする。例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。添加する粒子の平均一次粒子径は5〜500nmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは30〜500nmの範囲である。平均一次粒子径が5nm未満の場合、ポリエステルフィルム製造時および当該ポリエステルフィルムの加工時にフィルム表面が平滑すぎて巻き取り工程で巻きずれ等の不具合が発生する場合がある。平均一次粒子径が500nmを超える場合は、当該ポリエステルフィルム巻取り時に塗布層を設けない側の突起形状が塗布層表面側に転写することにより、塗布層表面の平滑性が不十分になる場合がある。
また、本発明の塗布フィルムの塗布層を設けない側の最表層中に添加する粒子の添加量は1000〜30000ppmの範囲が好ましく、さらに好ましくは2000〜10000ppmの範囲である。粒子の添加量が1000ppm未満の場合は、フィルムの十分な巻き取り性を実現させることができない可能性がある。また、添加量が30000ppmを超える場合は粒子濃度が高くなりすぎ、粒子同士が凝集体を生成し、フィルム表面に突起形状が形成され、金属薄膜配線の形成時に当該突起起因の欠陥が発生する可能性がある。
本発明において、ポリエステルに粒子を配合する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
さらに、本発明の塗布フィルムにおいて最表層に用いるポリエステルは熱処理後のフィルム表面平滑性を高度に維持するために、エステル環状3量体含有量を0.5重量%以下とすることが好ましい。エステル環状3量体含有量が0.5%を超えたポリエステルを使用した場合、その生成されるポリエステルが高温・長時間の熱処理や、高いテンション下でのスパッタリング工程や、高温高湿雰囲気下での耐久性試験など、過酷な条件下での加工工程で使用される際、フィルム表面にエステル環状3量体が析出し結晶化することで、フィルム表面の突起となり、金属薄膜形成時に欠陥が生じる原因となる可能性がある。
本発明の塗布フィルムの塗布層を設けない側の表面粗さ(Ra)は、0.010〜0.030μmの範囲が好ましい。当該表面粗さ(Ra)が0.010μm未満の場合には、ポリエステルフィルム製造時および当該ポリエステルフィルムの加工時にフィルム表面が平滑すぎて巻き取り工程で巻きずれ等の不具合が発生する場合があり、表面粗さ(Ra)が0.030μmを超える場合は、当該ポリエステルフィルム巻取り時に粗面側の突起形状が塗布層表面側に転写することにより、塗布層表面の平滑性が不十分になる場合がある。
また、本発明において、ポリエステルフィルムに含有されるカルシウム化合物、珪素化合物の含有量は100ppm以下であることが好ましい。これら化合物はポリエステルフィルム製造工程中にポリエステルフィルム表面からの脱離することがあり、特に100ppm以上含有される場合は、塗布フィルムの製造時にこれら化合物の脱離物のフィルムへの巻込みが高い頻度で発生し、ポリエステルフィルムの当該部分は表面平坦性を失うこととなり、該フィルムを加工して製造した製品の欠陥となる可能性がある。
本発明において、ポリエステルフィルムに含有されるアンチモン化合物の含有量は100ppm以下であることが好ましい。アンチモン化合物はポリエステルフィルム製造時にポリエステルフィルム内で凝集物塊となる場合があり、特に100ppm以上含有される場合は高い頻度でアンチモン化合物の凝集物が発生することとなり、当該凝集物はポリエステルフィルム表面に新たに微小な突起を形状するため、高平滑なフィルム表面を用いて加工する場合、例えば、金属薄膜配線形成時には断線等の不具合を生じる可能性がある。
本発明のポリエステルフィルムは延伸工程中及び、またはその後のフィルムに接着性、帯電防止性、滑り性、離形性等の機能を付与するために、フィルムの片面または両面に塗布層を形成したりコロナ処理等の表面処理を施したりしてもよい。
本発明の塗布フィルムにおいて、その上に加工される層との密着性の向上、加工時の滑り性向上などを目的として塗布層を設けてもよい。塗布層に関しては、ポリエステルフィルムの製膜工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよい。製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であることから、インラインコーティングが好ましく用いられる。
本発明における塗布フィルムを構成する塗布層に関して以下に説明する。
本発明において、塗布フィルムの塗布層に関して、四級アンモニウム塩基含有ポリマーおよび多価アルデヒド化合物を含有する塗布液から形成される塗布層を有することを必須の要件とする。
また、本発明の主旨を損なわない範囲において、塗布フィルムを構成する塗布層中には4級アンモニウム塩基を有する化合物を併用することができる。
本発明において使用する4級アンモニウム塩基を有する化合物に関しては、分子中の主鎖や側鎖に、4級アンモニウム塩基を含む構成要素を有するものが対象となる。具体例としては、ピロリジウム環、アルキルアミンの4級化物、さらにこれらをアクリル酸やメタクリル酸と共重合したもの、N−アルキルアミノアクリルアミドの4級化物、ビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩、2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。さらに、これらを組み合わせたり、あるいは他のバインダーポリマーと共重合させたりしても構わない。また、これら4級アンモニウム塩の対イオンとなるアニオンとしては例えば、ハロゲン、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、硝酸等のイオンが挙げられる。中でも、ハロゲン以外の対イオンが、特に耐熱
性が良好となる点でこのましい。
性が良好となる点でこのましい。
本発明においては、4級アンモニウム塩基を有する化合物は高分子化合物である。分子量が低すぎる場合は、塗布層中から容易に除去されて経時的に性能が低下、あるいは塗布層のブロッキング等の不具合を生じる場合がある。また、分子量が低いと耐熱安定性に劣る場合がある。かかる観点より、4級アンモニウム塩基を有する化合物の数平均分子量は通常、1000以上、好ましくは2000以上、さらに好ましくは5000以上であることがよい。一方、数平均分子量が高すぎる場合は、塗布液の粘度が高くなりすぎる等の不具合を生じる場合がある。かかる観点より、数平均分子量の上限は500000以下を目安にするのが好ましい。また、これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
塗布層中における4級アンモニウム塩基含有ポリマーの配合量は、20〜70重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは40〜70重量%の範囲である。当該範囲を外れる場合、所望するエステル環状3量封止効果を得るのが困難になる場合がある。
本発明における塗布フィルムにおいて、従来のものよりもさらに高度な塗布性を確保することにより、塗布層形成時における延伸追従性を良好とすることを目的として、塗布層を構成するポリエチレングリコール含有ポリマーを含有することを必須とするものである。具体的には、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(ポリエチレグリコール単位の重合度は4〜14の範囲が好ましい。)、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリブチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート等を出発原料とする重合体が例示される。
本発明におけるポリエチレングリコール含有ポリマー(b)の数平均分子量は通常、1000以上、好ましくは2000以上、さらに好ましくは5000以上であることがよい。一方、数平均分子量が高すぎる場合は、塗布液の粘度が高くなりすぎる等の不具合を生じる場合がある。かかる観点より、数平均分子量の上限は500000以下を目安にするのが好ましい。また、これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明における塗布フィルムを構成する塗布層において、さらに延伸追従性を良好とするために、ポリエチレングリコール含有アルキルアクリレートポリマーを使用するのがよい。アルキル鎖の鎖長については、ポリマーとして重合可能な範囲であれば、特に限定されるわけではない。本発明における塗布層を構成するポリエチレングリコール含有ポリマーの含有量については延伸追従性を良好とするために5〜40重量%の範囲が好ましい。当該範囲を外れる場合、塗布層形成時における延伸追従性が不十分になる等の不具合を生じる場合がある。
本発明における塗布フィルムを構成する塗布層に関して、4級アンモニウム塩基含有ポリマーおよびポリエチレングリコール含有ポリマーは混合物であってもよいし、あらかじめ、共重合されていてもよく、本発明の主旨を損なわない範囲であれば、特に限定されるわけではない。また、共重合化させる場合には従来公知の製造方法を用いることができる。
本発明における塗布フィルムを構成する塗布層中には塗布層のさらなる耐久性向上を目的として、架橋剤を併用する必要がある。具体例として、メチロール化またはアルキロール化した尿素、メラミン、グアナミン、アクリルアミド、ポリアミド化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネートカップリング剤、ポリカルボジイミド等が挙げられる。
架橋剤の中でも、特に本発明の用途上、塗布性、耐久密着性が良好となる点で、メラミン架橋剤が好ましい。メラミン架橋剤としては、特に限定されるものではないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全エーテル化した化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。
また、メラミン架橋剤は、単量体、あるいは2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。上記エーテル化に用いる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを好ましく使用することができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン、メチロール基型メラミン、メチロール基型メチル化メラミン、完全アルキル型メチル化メラミンなどを用いることができる。その中でもメチロール化メラミンが最も好ましい。さらに、メラミン架橋剤の熱硬化促進を目的として、例えば、p−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を併用することもできる。
本発明における塗布フィルムを構成する塗布層中に含有されるメラミン架橋剤の配合量は、通常1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲である。当該範囲を外れる場合、塗布層の耐久密着性が不十分な場合がある。
さらに塗布層の固着性、滑り性改良を目的として、粒子(d)を含有するのが好ましい。具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等が挙げられる。
塗布層中における粒子の配合量は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。かかる配合量が0.5重量%未満では、耐ブロッキング性が不十分となる場合があり、一方、10重量%を超えると、フィルムの透明性が低下する場合がある。
また、本発明の主旨を損なわない範囲において、塗布層中には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤発泡剤、染料等が含有されてもよい。
塗布延伸法(インラインコーティング)の場合、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固型分濃度を0.1重量%〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて塗布フィルムを製造するのが好ましい。
また、本発明の要旨を越えない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤としては、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール等の脂肪族または脂環族アルコール類、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、n−ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。有機溶剤は一種類のみでもよく、適宜、二種類以上を使用してもよい。
本発明における塗布フィルム上に設けられる塗布層の塗布量(乾燥後)は通常0.005〜1g/m2、好ましくは0.005〜0.5g/m2、さらに好ましくは0.005〜0.1g/m2の範囲である。塗布量が0.005g/m2未満の場合には、塗布厚みの均一性が不十分な場合があり、熱処理後、塗布層表面から析出するエステル環状3量体量が多くなる場合がある。一方、1g/m2を超えて塗布する場合には、滑り性低下等の不具合を生じる場合がある。
本発明における塗布フィルムにおいて、塗布外観の向上、エステル環状3量体量析出防止性の向上等を目的として、本発明の主旨を損なわない範囲において、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等のバインダーポリマーを併用することも可能である。
本発明において、塗布層を設ける方法はリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート、スプレーコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明における塗布フィルムを構成するポリエステルフィルムには予め、
コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明における塗布フィルムを熱処理(180℃、3時間)した後における塗布層表面のRaは0.005μm以下である必要があり、さらに好ましくは0.002μm以下がよい。塗布層表面のRaが0.005μmを超える場合、熱処理により析出したエステル環状3量体に起因する、新たに形成された微小な表面突起により、フィルム上に金属薄膜配線を形成した場合、断線する等の不具合を生じる場合がある。そのため、高度なレベルで平滑性が要求される用途、例えば、フレキシブルディスプレイの基板用部材として、不適となる場合がある。
本発明の塗布フィルム塗布フィルムを熱処理(180℃、3時間)した後における塗布層表面の突起高さと突起数(Y)との関係を表す分布曲線が突起高さ0.01〜0.07μmの範囲で下記式(1)を満足する必要がある。
−(logY2−logY1)/0.25≧5…(1)
(上記式中、Y1およびY2は、フィルム表面の突起高さが0.05μmおよび0.30μmのフィルム表面の突起数(個/mm2)をそれぞれ表す)
−(logY2−logY1)/0.25≧5…(1)
(上記式中、Y1およびY2は、フィルム表面の突起高さが0.05μmおよび0.30μmのフィルム表面の突起数(個/mm2)をそれぞれ表す)
上記範囲を外れる場合、高平滑な表面を必要とされる用途、例えば、フレキシブルディスプレイ用基板に対応困難になる。
さらに上記(1)式を満足した上で、塗布層表面の突起高さ0.08μm以上の突起数が200個/mm2以下であることを同時に満足することで、より高平滑な表面を有する用途に対応可能となる。突起高さ0.08μm以上の突起数はさらに好ましくは50個/mm2以下である。
また、本発明の塗布フィルムに関して、着色剤、導電材料等を加えてもよく、さらにその上に静電気による電撃、ゴミ付着防止、さらには電磁波シールドを目的とした機能性多層薄膜を形成してもよい。
本発明の塗布フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等を混合することができる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、蛍光増白剤、潤滑剤、遮光剤、マット化剤、および染料、顔料などの着色剤等を配合してもよい。また、必要に応じ、フィルムの滑り性や耐摩耗性を改良する目的などのために、ポリエステルに対し、不活性な無機または有機の微粒子などを配合することもできる。
本発明における塗布フィルムの塗布層表面に例えば金属薄膜配線を形成する際に、事前に平坦化層やガスバリア層を設けても良い。本実施形態におけるバリア層として用いることができる無機薄膜の材質の具体例としてSi,Al,In,Sn,Zn,Ti,Cu,Ce,Mg,La,Cr,Ca,Zr,Taから選ばれる1種以上を含む酸化物、窒化物、酸化窒化物またはハロゲン化物を主成分とするものなどが例示されるが、本発明においては特にこれに限定されるものではない。 無機バリア層は1層であっても2層であってもよく、連続成膜されていてもよい。Si,Ta,Alから選ばれる1種以上を含む酸化物、窒化物または酸化窒化物を主成分とする場合には、水蒸気の透過防止に特に効果がある。
バリア層は、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの真空等で成膜するPVD(物理蒸着)法、プラズマ等によるCVD(化学蒸着)法、またはゾルゲル法などで作製することができる。中でもスパッタリング法で作製すると、密着力が高く、緻密でガスバリア性の高い膜が得られ易く好ましい。
また、無機ガスバリア層の成膜工程は、枚葉あるいはロール・ツー・ロールいずれも適用できる。プラスチックフィルム上で成膜を行うため、ロール・ツー・ロールで行うと生産性が向上するため好ましい。
ケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物のスパッタリング成膜は、DC(直流)スパッタリング法、RF(高周波)スパッタリング法、またはこれにマグネトロンスパッタリングを組み合わせた方法、さらに中間的な周波数領域を用いたデュアルマグネトロン(DMS)スパッタリング法などの従来技術を、単独でまたは組み合わせて用いることができる。スパッタリング雰囲気中には、He、Ne、Ar、Kr、Xe等の不活性ガス、酸素、窒素のうち少なくとも1種のプロセスガスを用いることができる。
また、DCスパッタリングやDMSスパッタリングでケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物のスパッタリングを行う際には、そのターゲットにSiを用いることができる。プロセスガス中に酸素や窒素を導入することで、ケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物の薄膜を作ることができる。
RF(高周波)スパッタリング法でこれらを成膜する場合は、SiO2やSi3N4などのセラミックターゲットを用いることもできる。生産性の観点から、Siターゲットを用い、DCスパッタリングやDMSスパッタリング等で、酸素や窒素を導入しながら成膜することが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)ポリエステル中に含有される粒子の平均粒径(d50:μm)の測定方法
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測
定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測
定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)熱処理前後の塗布フィルムの表面粗さ(Ra)
(株)小坂研究所製表面粗さ測定機「SE−3F」によって得られた断面曲線から、基準長さ(2.5mm)だけ抜き取った部分(以下、抜き取り部分という)の平均線に平行2直線で抜き取り部分を挟んだ時、この2直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定してその値をマイクロメートル(μm)単位で表したものを抜き取り部分の最大高さとした。最大高さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の最大高さの平均値で表した。なお、この時使用した触針の半径は2.0μmとし、荷重は30mg、カットオフ値は0.08mmとした。
(株)小坂研究所製表面粗さ測定機「SE−3F」によって得られた断面曲線から、基準長さ(2.5mm)だけ抜き取った部分(以下、抜き取り部分という)の平均線に平行2直線で抜き取り部分を挟んだ時、この2直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定してその値をマイクロメートル(μm)単位で表したものを抜き取り部分の最大高さとした。最大高さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の最大高さの平均値で表した。なお、この時使用した触針の半径は2.0μmとし、荷重は30mg、カットオフ値は0.08mmとした。
(4)塗布フィルムのヘーズ(濁度)
JIS−K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計「NDH−20D」により、フィルムのヘーズを測定した。
JIS−K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計「NDH−20D」により、フィルムのヘーズを測定した。
(5)耐擦傷性
太平理化工業(株)社製のRUBBING TESTERを使用し、専用のフェルトで試料表面を荷重200gで10往復摩擦させた。摩擦後の表面を目視で観察し、以下の評価基準で耐擦傷性を評価した。
○:キズが確認できない
△:キズが少し確認できる
×:キズが多く確認できる
太平理化工業(株)社製のRUBBING TESTERを使用し、専用のフェルトで試料表面を荷重200gで10往復摩擦させた。摩擦後の表面を目視で観察し、以下の評価基準で耐擦傷性を評価した。
○:キズが確認できない
△:キズが少し確認できる
×:キズが多く確認できる
(6)巻取り性
ポリエステルフィルム製造時のフィルムのロール巻取り性を以下の評価基準で評価した。
○:巻取り性は良好
△:フィルムの滑り性はやや不足し、巻取り性は多少劣る
×:フィルムの滑り性は不足し、巻きズレ等発生し、巻取り性に問題がある
ポリエステルフィルム製造時のフィルムのロール巻取り性を以下の評価基準で評価した。
○:巻取り性は良好
△:フィルムの滑り性はやや不足し、巻取り性は多少劣る
×:フィルムの滑り性は不足し、巻きズレ等発生し、巻取り性に問題がある
(7)塗布フィルム中の珪素化合物、カルシウム化合物、アンチモン化合物の含有量の測定
蛍光X線分析装置((株)島津製作所社製型式「XRF−1500」を用いて、フィルムFP法(Fundamental Parameter Method)により単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。なお、本方法での検出限界は、通常1ppm程度である。
蛍光X線分析装置((株)島津製作所社製型式「XRF−1500」を用いて、フィルムFP法(Fundamental Parameter Method)により単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。なお、本方法での検出限界は、通常1ppm程度である。
(8)塗布フィルムのスパッタリング加工適性
試料フィルムの塗布層表面上に下記塗布剤組成から構成される塗布層(2)を乾燥後の塗布厚みが0.02g/m2になるように設けた。次に、塗布層(2)上にDCスパッタ成膜を行うスパッタロールコート装置により、酸素を反応ガスに用いた、リアクティブスパッタでSiをターゲットとして、膜厚50nmのSiOx(xは1.5〜1.8)を成膜しバリア層を設けた。得られた試料フィルムのバリア層表面の表面粗度を(3)項と同様にして測定し、下記判定基準により判定を行った。
《塗布層(2)組成》
コルコートP(コルコート社製)
(判定基準)
◎:Raが2nm以下
○:Raが5nm以下
×:Raが5nmを越える
××:Raが20nmを越える
○以上は実用上、問題ないレベルである。
試料フィルムの塗布層表面上に下記塗布剤組成から構成される塗布層(2)を乾燥後の塗布厚みが0.02g/m2になるように設けた。次に、塗布層(2)上にDCスパッタ成膜を行うスパッタロールコート装置により、酸素を反応ガスに用いた、リアクティブスパッタでSiをターゲットとして、膜厚50nmのSiOx(xは1.5〜1.8)を成膜しバリア層を設けた。得られた試料フィルムのバリア層表面の表面粗度を(3)項と同様にして測定し、下記判定基準により判定を行った。
《塗布層(2)組成》
コルコートP(コルコート社製)
(判定基準)
◎:Raが2nm以下
○:Raが5nm以下
×:Raが5nmを越える
××:Raが20nmを越える
○以上は実用上、問題ないレベルである。
(9)塗布フィルム表面の分布曲線および突起高さ0.08μm以上の突起数測定
菱化システム社製のマイクロマップ(型式:MN537N−M100)を用いて、測定波長560nm、対物レンズ10倍の測定条件下、試料フィルムの表面粗さ測定を行った。本発明で言う突起高さ(X、(μm))は突起個数が最大になる面の高さを0レベルとして、このレベルからの高さをもって突起高さとし、各突起高さにおける突起数の関係を図式化し、分布曲線として表した。
菱化システム社製のマイクロマップ(型式:MN537N−M100)を用いて、測定波長560nm、対物レンズ10倍の測定条件下、試料フィルムの表面粗さ測定を行った。本発明で言う突起高さ(X、(μm))は突起個数が最大になる面の高さを0レベルとして、このレベルからの高さをもって突起高さとし、各突起高さにおける突起数の関係を図式化し、分布曲線として表した。
〈ポリエステルの製造〉
[ポリエステル(A0)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A0)の極限粘度は0.65であった。
[ポリエステル(A0)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A0)の極限粘度は0.65であった。
[ポリエステル(A1)の製造方法]
ポリエステル(A0)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、平均粒子径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を粒子のポリエステルに対する含有量が0.6重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行い、ポリエステル(A1)を得た。
ポリエステル(A0)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、平均粒子径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を粒子のポリエステルに対する含有量が0.6重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行い、ポリエステル(A1)を得た。
[ポリエステル(A2)の製造方法]
ポリエステル(A1)の製造方法において、添加する粒子種を平均粒子径0.7μmのエチレングリコールに分散させた炭酸カルシウム粒子とし、ポリエステルに対する含有量を2.0重量%とした以外は、ポリエステル(A1)の製造方法と同じ方法でポリエステル(A2)を得た。
ポリエステル(A1)の製造方法において、添加する粒子種を平均粒子径0.7μmのエチレングリコールに分散させた炭酸カルシウム粒子とし、ポリエステルに対する含有量を2.0重量%とした以外は、ポリエステル(A1)の製造方法と同じ方法でポリエステル(A2)を得た。
[ポリエステル(B0)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、4時間重縮合反応を行った。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップを得た。極限粘度は0.55であった。得られたポリエステルチップを220℃で固相重合し、極限粘度0.65のポリエステル(B0)を得た。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、4時間重縮合反応を行った。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップを得た。極限粘度は0.55であった。得られたポリエステルチップを220℃で固相重合し、極限粘度0.65のポリエステル(B0)を得た。
[ポリエステル(B1)の製造方法]
ポリエステル(B0)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、平均粒子径60nmのエチレングリコールに分散させた酸化アルミニウム粒子を粒子のポリエステルに対する含有量が1.5重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行い、ポリエステル(B1)を得た。
ポリエステル(B0)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、平均粒子径60nmのエチレングリコールに分散させた酸化アルミニウム粒子を粒子のポリエステルに対する含有量が1.5重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行い、ポリエステル(B1)を得た。
[ポリエステル(B2)の製造方法]
ポリエステル(B1)の製造方法において、添加する粒子種を平均粒子径0.4μmのジビニルベンゼン架橋ポリスチレン粒子とし、ポリエステルに対する含有量を0.5重量%とした以外は、ポリエステル(B1)の製造方法と同じ方法でポリエステル(B2)を得た。
ポリエステル(B1)の製造方法において、添加する粒子種を平均粒子径0.4μmのジビニルベンゼン架橋ポリスチレン粒子とし、ポリエステルに対する含有量を0.5重量%とした以外は、ポリエステル(B1)の製造方法と同じ方法でポリエステル(B2)を得た。
[ポリエステル(C0)の製造方法]
ポリエステル(B0)を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75、エステル環状3量含有量0.46重量%のポリエステル(C0)を得た。
ポリエステル(B0)を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75、エステル環状3量含有量0.46重量%のポリエステル(C0)を得た。
実施例1:
上記ポリエステル(C0)、(B1)をそれぞれ80.0重量%、20.0重量%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(B0)100%の原料をB層の原料とし、ポリエステル(C0)、(B2)をそれぞれ50.0重量%、50.0重量%の割合で混合した混合原料をC層の原料とし、3台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層、C層を最外層(表層)、B層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、3種3層(ABC)で、厚み構成比がA:B:C=2:27:2になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの平滑面に下記表1に示す塗布液1を乾燥後膜厚が0.1μmとなるように塗布し、この縦延伸フィルムをテンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、フィルムをロール上に巻き上げ厚さ31μmの塗布フィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表2、3に示す。
上記ポリエステル(C0)、(B1)をそれぞれ80.0重量%、20.0重量%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(B0)100%の原料をB層の原料とし、ポリエステル(C0)、(B2)をそれぞれ50.0重量%、50.0重量%の割合で混合した混合原料をC層の原料とし、3台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層、C層を最外層(表層)、B層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、3種3層(ABC)で、厚み構成比がA:B:C=2:27:2になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの平滑面に下記表1に示す塗布液1を乾燥後膜厚が0.1μmとなるように塗布し、この縦延伸フィルムをテンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、フィルムをロール上に巻き上げ厚さ31μmの塗布フィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表2、3に示す。
なお、塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・4級アンモニウム塩基含有ポリマー(a1):
2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー
対イオン:メチルスルホネート 数平均分子量:30000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(b1):
ポリエチレングリコール含有モノアクリレートポリマー 数平均分子量:20000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(b2):
オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレートポリマー 数平均分子量:32000
・架橋剤(c):メラミン架橋剤(DIC社製:ベッカミン「MAS」)
・粒子(d):アルミナ表面変性コロイダルシリカ(平均粒径:50nm)
・バインダー(e):ポリビニルアルコール(けん化度88モル%、重合度500)
(化合物例)
・4級アンモニウム塩基含有ポリマー(a1):
2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー
対イオン:メチルスルホネート 数平均分子量:30000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(b1):
ポリエチレングリコール含有モノアクリレートポリマー 数平均分子量:20000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(b2):
オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレートポリマー 数平均分子量:32000
・架橋剤(c):メラミン架橋剤(DIC社製:ベッカミン「MAS」)
・粒子(d):アルミナ表面変性コロイダルシリカ(平均粒径:50nm)
・バインダー(e):ポリビニルアルコール(けん化度88モル%、重合度500)
実施例2:
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B0)、(B1)をそれぞれ80.0重量%、20.0重量%の割合で混合し、C層の原料として、ポリエステル(B0)、(B2)をそれぞれ50.0重量%、50.0重量%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B0)、(B1)をそれぞれ80.0重量%、20.0重量%の割合で混合し、C層の原料として、ポリエステル(B0)、(B2)をそれぞれ50.0重量%、50.0重量%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例3:
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(A0)、(B1)をそれぞれ80.0重量%、20.0重量%の割合で混合し、B層の原料としてポリエステル(A0)を使用し、C層の原料として、ポリエステル(A0)、(B2)をそれぞれ50.0重量%、50.0重量%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(A0)、(B1)をそれぞれ80.0重量%、20.0重量%の割合で混合し、B層の原料としてポリエステル(A0)を使用し、C層の原料として、ポリエステル(A0)、(B2)をそれぞれ50.0重量%、50.0重量%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例4:
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B0)、(B1)をそれぞれ30.0重量%、70.0重量%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B0)、(B1)をそれぞれ30.0重量%、70.0重量%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例5:
実施例1において、C層の原料としてポリエステルポリエステル(B0)、(B2)をそれぞれ30.0重量%、70.0重量%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例1において、C層の原料としてポリエステルポリエステル(B0)、(B2)をそれぞれ30.0重量%、70.0重量%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例6:
実施例1において、B層の原料としてポリエステルポリエステル(B0)、(A0)をそれぞれ70.0重量%、30.0重量%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例1において、B層の原料としてポリエステルポリエステル(B0)、(A0)をそれぞれ70.0重量%、30.0重量%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例7:
実施例1において、C層の原料としてポリエステル(B0)、(B1)をそれぞれ80.0重量%、20.0重量%の割合で混合した混合原料を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例1において、C層の原料としてポリエステル(B0)、(B1)をそれぞれ80.0重量%、20.0重量%の割合で混合した混合原料を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例8:
実施例1において、C層の原料としてポリエステル(B0)、(A1)をそれぞれ50.0重量%、50.0重量%の割合で混合した混合原料を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例1において、C層の原料としてポリエステル(B0)、(A1)をそれぞれ50.0重量%、50.0重量%の割合で混合した混合原料を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例9〜12:
実施例1において、平滑面に塗布する塗布剤1を表1に示す塗布液2〜5に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例1において、平滑面に塗布する塗布剤1を表1に示す塗布液2〜5に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
比較例1:
実施例1において、平滑面に塗布剤1を塗布しない以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの特性を下記表2、3に示す。熱処理後、エステル環状3量由来の新たな突起形成が確認された。
実施例1において、平滑面に塗布剤1を塗布しない以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの特性を下記表2、3に示す。熱処理後、エステル環状3量由来の新たな突起形成が確認された。
比較例2:
実施例2において、平滑面に塗布剤1を塗布しない以外は実施例2と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの特性を下記表2、3に示す。熱処理後、エステル環状3量由来の新たな突起形成が確認された。
実施例2において、平滑面に塗布剤1を塗布しない以外は実施例2と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの特性を下記表2、3に示す。熱処理後、エステル環状3量由来の新たな突起形成が確認された。
比較例3:
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B0)、(B1)をそれぞれ96.0重量%、4.0重量%の割合で混合した混合原料をA層の原料としたこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B0)、(B1)をそれぞれ96.0重量%、4.0重量%の割合で混合した混合原料をA層の原料としたこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
比較例4:
実施例2において、A層の原料としてポリエステル(A0)、(A2)をそれぞれ70.0重量%、30.0重量%の割合で混合した混合原料を使用し、C層の原料としてポリエステル(A0)、(A2)をそれぞれ70.0重量%、30.0重量%の割合で混合した混合原料を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例2において、A層の原料としてポリエステル(A0)、(A2)をそれぞれ70.0重量%、30.0重量%の割合で混合した混合原料を使用し、C層の原料としてポリエステル(A0)、(A2)をそれぞれ70.0重量%、30.0重量%の割合で混合した混合原料を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
比較例5:
実施例2において、A層の原料としてポリエステル(A0)、(A1)をそれぞれ70.0重量%、30.0重量%の割合で混合した混合原料を使用し、C層の原料としてポリエステル(A0)、(A1)をそれぞれ70.0重量%、30.0重量%の割合で混合した混合原料を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
実施例2において、A層の原料としてポリエステル(A0)、(A1)をそれぞれ70.0重量%、30.0重量%の割合で混合した混合原料を使用し、C層の原料としてポリエステル(A0)、(A1)をそれぞれ70.0重量%、30.0重量%の割合で混合した混合原料を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。
比較例6〜8:
実施例1において、平滑面に塗布する塗布剤1を表1に示す塗布液6〜8に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。本塗布フィルムを熱処理後、エステル環状3量由来の新たな突起形成が確認された。
実施例1において、平滑面に塗布する塗布剤1を表1に示す塗布液6〜8に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2、3に示す。本塗布フィルムを熱処理後、エステル環状3量由来の新たな突起形成が確認された。
本発明の塗布フィルムは、フレキシブルディスプレイ用として、例えば、金属薄膜配線形成基材として、高温での加熱処理加工後においても、高度なレベルにおいて、表面平滑性を損なわない塗布フィルムを提供することが可能である。
Claims (2)
- 少なくとも3層以上の積層構造を有するポリエステルフィルムであり、一方の表層には粒子を含有し、当該表層面に四級アンモニウム塩基含有ポリマーおよび多価アルデヒド化合物を含有する塗布液を塗布・乾燥して形成された塗布層を有し、180℃で3時間加熱後の塗布層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.005μm以下であり、かつ塗布層表面の突起高さと突起数(Y)との関係を表す分布曲線が突起高さ0.01〜0.07μmの範囲で下記式(1)を満足し、かつ塗布層表面の突起高さ0.08μm以上の突起数が200個/mm2以下であることを特徴とする塗布フィルム。
−(logY2−logY1)/0.25≧5…(1)
(上記式中、Y1およびY2は、フィルム表面の突起高さが0.05μmおよび0.30μmのフィルム表面の突起数(個/mm2)をそれぞれ表す) - フレキシブルデバイス基板用である請求項1記載の塗布フィルム。
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- 2013-05-28 JP JP2013111409A patent/JP2014231143A/ja active Pending
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