JP6379674B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばタッチパネル用透明導電膜形成用として、車載用、スマートフォンなど、各種用途に好適である積層体に関するものである。
従来、タッチパネル用途においては、位置検出方法により、抵抗膜方式、静電容量方式等の各種方式が採用されている。それらの中でも、多点検出が可能で、光線透過率が高いこと、かつ分解能が高く応答速度が速いことが特徴である静電容量方式の普及が増加する傾向にある。静電容量方式のタッチパネルには表面型と投影型の2つの方式がある。表面型はカバー、透明導電層、ガラス基板の3層から成る構成となっており、投影型は、ガラスやプラスチック製のフィルム、透明電極層、演算処理を行うICを搭載した基板層から構成される。
透明導電性積層体の製造工程においては、パターニング工程を経てから、加熱加工されるのが一般的である。まずは、透明導電性膜を形成するために、スパッタリング法等によりITO膜を形成する。その後、フォトレジスト法等により、ITO膜をパターン化し、(非特許文献)150℃、あるいは180℃程度の温度で熱処理してITO膜を結晶化させ、パターン化された透明導電性積層体を得る。
従来は、透明導電性積層体の製造工程における150℃、あるいは180℃程度の温度で熱処理する際に析出するオリゴマーを抑制するため、アンカー層とは反対の塗布層の面上にハードコート層を形成し光学特性・視認性の点で光学部材用として適する塗布フィルムを形成して、粘着剤を介して貼り合せることで積層体を形成している。
透明導電性積層体のパターン化された箇所については、タッチパネル部材に仕上げた際に、ITO膜とその下に位置するポリエステル基材層との間の光学特性差に起因して筋状に見える場合がある。特に蛍光灯などの反射光にかざした場合にパターン部の筋が顕著に見られ、タッチパネルディスプレイの最終製品に仕上げた場合の外観品位が落ちることとなるため、近年はITO膜のパターン幅をより狭く設計する傾向がある。
ポリエステルフィルム基材には、通常、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として粒子を配合している。粒子をより多く添加し、ポリエステルフィルム基材の表面粗さを高く設計すれば、当該基材の加工時のハンドリング性は上昇するが、ITOパターン部分に粒子の凝集体が存在する場合、フォトレジスト法によるITO層の一様なパターン化に悪影響を及ぼすことがある。特に近年のパターン幅がより狭く設計されたタイプの透明導電性積層体では、パターン化不良の不具合を頻発する傾向がある。
一方、ポリエステル基材に粒子を配合しないと、各工程でのロールパスをフィルムが通過する際に発生する傷がフィルム全面に発生し、良好な外観を有する透明導電膜基材用積層体を加工することは極めて困難である。
特開2007−200823号公報 特開2013−54517号公報 特開2013−35210号公報 特開2011−20266号公報
タッチパネルの技術動向 株式会社東レリサーチセンター(2011年9月 第1刷発行)
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、フォトレジスト法などによりITO膜をパターン化する際、パターン幅がより狭く設計されたタイプの透明導電性積層体に使用された時でも、パターン化不良等の不具合が発生し難く、また、透明導電性膜を積層する製造工程における、150℃、あるいは180℃程度の温度で熱処理する際に析出するオリゴマーを抑制するための塗布層上にハードコート層を形成しなくても光学特性・視認性の点で光学部材用として好適な積層体、例えば、透明導電膜形成用として、ガラス代替が可能なフィルム積層体を提供することにある。
本発明者は、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定構成を採用すれば、上記課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、両面塗布フィルム、粘着剤層、両面塗布フィルムの順に積層され、85℃、85%RH雰囲気下に200時間放置した後のヘーズ変化率(ΔH)が0.5%以下である積層体であって、当該両面塗布フィルムは何れも、塗布層(A)/多層ポリエステルフィルム/塗布層(B)の順に積層されており、厚さが9〜50μmであり、当該多層ポリエステルフィルムは、少なくとも3層からなり、下記式(1)および(2)を同時に満足し、当該多層ポリエステルフィルムにおける両外層は何れも、平均粒径0.1〜0.6μmの粒子を0.05〜1.0重量%含有し、厚が3μm以下であり、当該塗布層(A)が、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー、および架橋剤を含有する塗布液により設けられた塗布層であり、当該塗布層(B)が、当該塗布層(A)とは異なる塗布層であることを特徴とする積層体に存する。
0<Ti≦20 …(1)
0≦P ≦300 …(2)
(上記式中、Tiは多層ポリエステルフィルム中のチタン元素量(ppm)、Pはリン元
素量(ppm)を意味する)
本発明に使用する積層体によれば、フォトレジスト法などによりITO膜をパターン化する際、パターン幅がより狭く設計されたタイプでも、パターン化不良等の不具合が発生しない。また、塗布層(B)であるアンカー層とは反対面の塗布層(A)の面上にハードコート層を形成しなくても光学特性・視認性の点で光学部材用として良好である塗布フィルムを、粘着剤を介して貼り合せた事を特徴とする積層体は、透明導電膜形成用として好適に使用でき、ガラス代替として好適であるため、その工業的価値は非常に高い。
本発明に使用する積層体を構成する塗布フィルムは、少なくとも3層構成の多層ポリエステルフィルムを基材とすることが必要である。本発明にいう多層ポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押し出される、いわゆる押出法により、押し出されたポリエステルフィルムであって、必要に応じ、縦方向および横方向の二軸方向に配向させたフィルムである。
本発明において、ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト(PEN)等が例示される。
また、本発明に使用する塗布フィルムに用いるポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体である。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、および、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または、二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノーネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
本発明において、塗布フィルムを構成する多層ポリエステルフィルム中には、オリゴマーの析出を抑制するために、チタン化合物(Ti)およびリン化合物(P)を使用する必要があり、当該化合物の含有量に関して、下記式(1)および(2)を同時に満足する必要がある。
0<Ti≦20 …(1)
0≦P ≦300 …(2)
(上記式中、Tiは多層ポリエステルフィルム中のチタン元素量(ppm)、Pはリン元素量(ppm)をそれぞれ意味する)
Tiに関しては、好ましくは2〜10ppmの範囲である。Tiが上記(1)式の上限を超える場合、ポリエステルを溶融押出する工程でオリゴマーが副生し、低オリゴマーで且つ高透明性を有するフィルムが得られない。また、光学用途等、特に塗布フィルムの色調を重視する用途に対応困難になる。一方、Pに関しては、好ましくは5〜200ppm、さらに好ましくは0〜100ppmの範囲がよい。Pが上記(2)式の上限を超える場合、ポリエステル製造時にゲル化が発生し、異物となってフィルムの品質を低下させ、例えば、タッチパネル用途等、光学的評価を伴う検査工程に対応困難になる。上記式(1)および(2)を同時に満足することにより、多層ポリエステルフィルム中の含有オリゴマー量低減に対して、顕著な効果を奏することが可能となる。
また、上記チタン化合物およびリン化合物を含有する層中には、実質的にアンチモン元素を含まないことが好ましく、通常は10ppm以下、好ましくは5ppm以下、最も好ましくは実質的に含まない、すなわち1ppm以下である。アンチモン元素の量が多すぎると、溶融押出する際に上記リン化合物によって還元され、凝集して異物の原因となる、あるいはフィルムが黒ずみ、透明性が不十分となる場合がある。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する多層ポリエステルフィルム中、チタン化合物およびリン化合物を前述の範囲内で含む層を構成するポリエステルは、溶融重合反応で得られたものであってもよいが、溶融重合後、チップ化したポリエステルを固相重合して得られた原料を用いれば、原料中に含まれるオリゴマー量が低減できるので好ましく使用される。
本発明に使用する塗布フィルム多層ポリエステルフィルム中、チタン化合物およびリン化合物を前述の範囲内で含む層中に含まれるオリゴマー量は、0.7重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0.3重量%以下である。当該ポリエステル層中に含まれるオリゴマー量が少ない場合、本発明の多層ポリエステルフィルム中に含まれるオリゴマー量の低減、また、フィルム表面へのオリゴマー析出防止効果が特に高度に発揮される。
本発明に使用する塗布フィルムにおいては、通常のオリゴマー含有量のポリエステルからなる層の少なくとも片側の表面に、かかるオリゴマー含有量の少ないポリエステルを共押出積層した構造を有するフィルムであってもよく、かかる構造を有する場合、本発明で得られるオリゴマー析出の抑制効果を高度に発揮できる。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する多層ポリエステルフィルムにおいては、少なくとも3層の多層構成である必要があり、両最表層のポリエステル層の軟化点が中間層の軟化点以上であることが好ましく、さらに好ましくは両最表層のポリエステル層と中間層との軟化点の差が3℃以上、特に好ましくは5℃以上である。
当該条件を満足するための具体的手法として、好ましくは両外層を構成するポリエステル層中におけるオリゴマー(エステル環状三量体)含有量が0.5重量%以下であるポリエステルを80%以上含有することにより、前記軟化点の差を発現することが可能となる。オリゴマー含有量が0.5重量%を超えたポリエステルを使用した場合、もしくはその含有量が80%未満だった場合、塗布フィルムが150℃、あるいは180℃程度の温度での熱処理や、高い張力がかかる条件下でのスパッタリング工程や、高温高湿雰囲気下での耐久性試験など、過酷な条件下での加工工程で使用される際、塗布フィルム自体のフィルムヘーズが大きく上昇し、加工後、光学特性、あるいは視認性の点で光学部材用として不適当となる場合がある。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する多層ポリエステルフィルムは、少なくとも3層のポリエステル層から構成される多層ポリエステルフィルムである必要があり、かつ両外層のポリエステル層厚みが3μm以下である必要がある。好ましくは当該ポリエステル層厚みに関しては2μm以下である。両外層を構成するポリエステル層厚みが3μmを超える場合、塗布フィルムを熱処理した後、所望する内部ヘーズを有する塗布フィルムを得るのが困難である。
本発明に使用する塗布フィルムおいては、チタン化合物を含む、前記オリゴマー含有量の少ないポリエステルを用いて、特に両外層を構成するポリエステル層厚みを各々、3μm以下にして積層させた場合、得られるフィルム自体のフィルムヘーズをより小さく抑えることが可能となり、高透明な積層体が必要とされる光学用途、例えば、タッチパネル用として好適である。
本発明に使用する塗布フィルムにおいて、フィルム表面の最大粗さ(St)は、それぞれの面が10〜100nmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは10〜50nmである。当該最大粗さ(St)が10nm未満の場合には、フィルム表面が平滑になりすぎて、多層ポリエステルフィルム製膜工程においてキズが多発する傾向がある。一方、100nmを超える場合は、パターン化した透明導電膜上において、特に配線幅が4μm以下の、非常に細くパターン化された箇所で、透明導電層の結晶化工程で配線の断線が発生する頻度が高くなる傾向がある。また、塗布フィルムを、粘着剤を介して貼り合せ積層体にした際に、積層体のヘーズが大きく上昇し、光学特性、あるいは視認性の点で光学部材用として不適当となる場合がある。
本発明に使用する塗布フィルムにおいて、多層構成の両外層中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、平均粒径が0.1〜0.6μmの粒子を配合する必要がある。配合する粒子は1種類のみが好ましく、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。
さらに両外層中の粒子含有量は、通常、0.05〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲である。粒子含有量が0.05重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合がありフィルム加工時に傷等の外観不良が生じる。一方、1.0重量%を超えて添加する場合、フィルム透明性が不十分な場合がある。
さらに、本発明に使用する多層ポリエステルフィルムを構成する最外層のポリエステル層中には、傷つき防止あるいは易滑性付与を目的として、酸化アルミニウム粒子を使用することが好ましい。酸化アルミニウム粒子の平均粒径が前記範囲を外れる場合には、傷つき防止効果あるいは易滑性が乏しくなる場合がある。
本発明において使用する酸化アルミニウム粒子の具体例として、例えば、無水塩化アルミニウムを原料に火炎加水分解により製造されるγ型、δ型酸化アルミニウム等が挙げられる。
本発明において、ポリエステルに粒子を配合する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明の積層体を構成する塗布フィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、薄膜のガラス代替用という用途上、9〜50μmであるのが好ましく、さらに好ましくは12〜38μmの範囲であるのがよい。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
さらに上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明に使用する塗布フィルムにおいて、多層構成のポリエステルフィルムは延伸工程中、および/またはその後のフィルムに、本発明の主旨を損なわない範囲において、接着性、帯電防止性、滑り性、離形性等の機能を付与するために、フィルム表面に塗布層を形成したりコロナ処理等の表面処理を施したりしてもよい。
本発明に使用する塗布フィルムにおいて、その上に加工されるコート層との密着性の向上、加工時の滑り性向上などを目的として塗布層を設けてもよい。塗布層に関しては、ポリエステルフィルムの製膜工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよい。製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であることから、インラインコーティングが好ましく用いられる。
本発明に使用する塗布フィルムの塗布層は、界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機粒子、無機粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等の添加剤を含有していてもよい。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(A)中には、熱的ダメージにより、オリゴマーの析出を抑制させるため、4級アンモニウム塩基含有ポリマー(A1)を含有することを必須の要件とするものである。
本発明の要旨を損なわない範囲において、本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(A)中には4級アンモニウム塩基を有する化合物を併用することができる。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(A)中において使用する4級アンモニウム塩基を有する化合物に関しては、分子中の主鎖や側鎖に、4級アンモニウム塩基を含む構成要素を有するものが対象となる。具体例としては、ピロリジウム環、アルキルアミンの4級化物、さらにこれらをアクリル酸やメタクリル酸と共重合したもの、N−アルキルアミノアクリルアミドの4級化物、ビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩、2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。さらに、これらを組み合わせたり、あるいは他のバインダーポリマーと共重合させたりしても構わない。また、これら4級アンモニウム塩の対イオンとなるアニオンとしては例えば、ハロゲン、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、硝酸等のイオンが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン以外の対イオンが、特に耐熱性が良好となる点でこのましい。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(A)においては、4級アンモニウム塩基を有する化合物は高分子化合物であることが望ましい。分子量が低すぎる場合は、塗布層中から容易に除去されて経時的に性能が低下、あるいは塗布層のブロッキング等の不具合を生じる場合がある。また、分子量が低いと耐熱安定性に劣る場合がある。かかる観点より、4級アンモニウム塩基を有する化合物の数平均分子量は通常、1000以上、好ましくは2000以上、さらに好ましくは5000以上であることがよい。一方、数平均分子量が高すぎる場合は、塗布液の粘度が高くなりすぎる等の不具合を生じる場合がある。かかる観点より、数平均分子量の上限は500000以下を目安にするのが好ましい。また、これらの化合物は単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
本発明に使用する塗布フィルムの塗布層(A)中における四級アンモニウム塩基含有ポリマー(A)の配合量は20〜70重量%の範囲であるのが好ましく、さらに好ましくは40〜70重量%の範囲であるのがよい。当該範囲を外れる場合、所望するオリゴマーの封止効果を得るのが困難になる場合がある。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(A)において、従来よりもさらに高度な塗布性を確保することにより、塗布層形成時における延伸追従性を良好とすることを目的として、塗布層を構成するポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーを含有することを必須とするものである。
具体的には、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(ポリエチレグリコール単位の重合度は4〜14の範囲が好ましい)、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリブチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート等を出発原料とする重合体が例示される。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(A)におけるポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーの数平均分子量は、通常1000以上であり、好ましくは2000以上、さらに好ましくは5000以上である。一方、数平均分子量が高すぎる場合は、塗布液の粘度が高くなりすぎる等の不具合を生じる場合がある。かかる観点より、数平均分子量の上限は500000を目安にするのが好ましい。また、これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(A)において、ポリエチレングリコール含有ポリマーの含有量については、延伸追従性を良好とするために、5〜40重量%の範囲が好ましい。当該範囲を外れる場合、塗布層形成時における延伸追従性が不十分になる等の不具合を生じる場合がある。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(A)を構成する塗布層に関して、四級アンモニウム塩基含有ポリマーおよびポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーは混合物であってもよいし、あらかじめ共重合されたものでもよく、本発明の要旨を損なわない範囲であれば、特に限定されるわけではない。また、共重合化させる場合には従来公知の製造方法を用いることができる。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(A)を構成する塗布層中には塗布層のさらなる耐久性向上を目的として、架橋剤を併用する必要がある。具体例として、メチロール化またはアルキロール化した尿素、メラミン、グアナミン、アクリルアミド、ポリアミド化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネートカップリング剤、ポリカルボジイミド等が挙げられる。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(A)中の架橋剤の中でも、特に本発明の用途上、塗布性、耐久密着性が良好となる点で、メラミン架橋剤が好ましい。メラミン架橋剤としては、特に限定されるものではないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全エーテル化した化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。
また、メラミン架橋剤は、単量体、あるいは2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。上記エーテル化に用いる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを好ましく使用することができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン、メチロール基型メラミン、メチロール基型メチル化メラミン、完全アルキル型メチル化メラミンなどを用いることができる。その中でもメチロール化メラミンが最も好ましい。さらに、メラミン架橋剤の熱硬化促進を目的として、例えば、p−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を併用することもできる。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(A)を構成する塗布層中に含有されるメラミン架橋剤の配合量は、通常1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲である。当該範囲を外れる場合、塗布層の耐久密着性が不十分な場合がある。
さらに塗布層(A)の固着性、滑り性改良を目的として、粒子を含有するのが好ましい。具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等が挙げられる。
塗布層(A)中における粒子の配合量は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。かかる配合量が0.5重量%未満では、耐ブロッキング性が不十分となる場合があり、一方、10重量%を超えると、フィルムの透明性が低下する場合がある。
また、本発明の要旨を損なわない範囲において、塗布層中には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤発泡剤、染料等が含有されてもよい。
また、本発明に使用する塗布フィルムを光学用として用いる場合、着色剤、導電材料等を加えてもよく、さらにその上に、外光の映り込みや静電気による電撃、ゴミ付着防止、さらには電磁波シールドを目的とした機能性多層薄膜を形成してもよい。
また、本発明に使用する塗布フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等を混合することができる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、蛍光増白剤、潤滑剤、遮光剤、マット化剤、および染料、顔料などの着色剤等を配合してもよい。また、必要に応じ、フィルムの滑り性や耐摩耗性を改良する目的などのために、ポリエステルに対し、不活性な無機または有機の微粒子などを配合することもできる。
塗布延伸法(インラインコーティング)の場合、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固型分濃度を0.1重量%〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。
また、本発明の要旨を越えない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤としては、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール等の脂肪族または脂環族アルコール類、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、n−ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。有機溶剤は一種類のみでもよく、適宜、二種類以上を使用してもよい。
本発明に使用する塗布フィルム上に設けられる塗布層(A)の乾燥後の塗布量は通常0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.005〜0.1g/mの範囲である。塗布量が0.005g/m未満の場合には、塗布厚みの均一性が不十分な場合があり、熱処理後、塗布層表面から析出するオリゴマーの量が多くなる場合がある。一方、1g/mを超えて塗布する場合には、滑り性低下や積層体の視認性悪化等の不具合を生じる場合がある。
本発明に使用する塗布フィルムにおいて、塗布外観の向上、オリゴマーの析出防止性の向上等を目的として、本発明の要旨を損なわない範囲において、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等のバインダーポリマーを併用することも可能である。
本発明に使用する塗布フィルムにおいて、塗布層を設ける方法はリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート、スプレーコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明に使用する塗布フィルムを構成するポリエステルフィルムには予め、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
従来、ポリエステルフィルム基材を使用した塗布フィルムを、粘着剤を介して貼り合わした積層体の場合、白曇り現象が発生し、繊細な画像を表示できない問題を抱えている。本発明者は、塗布フィルムを構成する多層ポリエステルフィルム基材における最表面の最大粗さ(St)が積層体自体のヘーズ上昇の原因の一つであると考えた。
本発明に使用する塗布フィルムの熱処理後の塗布層(A)の表面、および熱処理後の塗布層(B)の表面の最大粗さ(St)は10〜100nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50nmである。
積層体において、フィルム最表面の最大粗さ(St)を低く抑えることと、150℃、あるいは180℃程度の温度での熱処理や、高い張力がかかる条件下でのスパッタリング工程や、高温高湿雰囲気下での耐久性試験など、過酷な条件下での加工工程で使用される際、塗布フィルムからのオリゴマー析出によりヘーズが大きく上昇し、例えば、透明導電膜用に使用した場合、白曇り現象を解決することが可能である。
本発明に使用する積層体において、内部ヘーズは0.2%以下であるのが好ましく、さらに好ましくは0.1%以下がよい。当該範囲を外れる場合には、積層体のヘーズが上がり、白曇り現象が発生する等の不具合を生じる場合がある。
本発明の積層体のヘーズは、通常0.7%以下であり、好ましくは0.4%以下である。さらに、恒湿槽中、85℃、85%RH雰囲気下において200時間放置した後のヘーズ変化率(ΔH)は、0.5%以下であり、好ましくは0.3%以下である。ΔHが0.5%を超えると、湿熱処理によるオリゴマーの析出が多くなり、本発明の積層体の用途で使用する際の視認性が悪化する。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(B)の表面には透明導電膜を積層するのが好ましい。その際、透明導電膜の結晶化工程においては、150℃、1時間あるいは180℃、90分等の高温雰囲気下に塗布フィルムが晒されることにより、塗布フィルムを構成するポリエステルフィルム基材由来のオリゴマーが熱処理後、塗布フィルム表面に析出、結晶化することにより、新たに突起を形成すると考えられる。その結果、パターン化した透明導電膜用積層体において、導電膜が存在する箇所と存在しない箇所との段差が大きく、見栄えが悪くなる問題が指摘されていると推察される(例えば、特許文献2)。
かかる不具合に関して、本発明者らは、塗布フィルム由来のオリゴマーが熱処理後、粗大突起を形成しない程度にまで低減させることが可能であれば、かかる問題点を解決できることを知見した。
本発明に使用する塗布フィルムを構成する塗布層(B)の表面には、透明導電膜を積層するのが好ましい。塗布層(B)組成に関しては、塗布層(A)とは異なる組成のものであって、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シロキサン系ポリマー、有機シラン縮合物などが挙げられる。これらの組成物は、1種類で用いても良いし、本発明の主旨を損なわない範囲において、2種類以上を併用してもよい。
また、多層ポリエステルフィルムと塗布層(B)の間には、密着性向上、外観向上などの目的でアンカーコーティングを施すことも可能である。特にアンカーコーティング層の構成材料としては特に限定されないが、例えば、無機物の中では酸化珪素、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウムなどが好適に用いられる。有機物の中ではアクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、有機シラン系ポリマーなどが好適に用いられる。
透明導電膜の構成材料としては、透明性、耐久性、耐候性の観点から金属酸化物が好適に使用されるが、特にインジウム錫酸化物(ITO)、アンチモン含有インジウム錫酸化物(ATO)、酸化錫、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム亜鉛酸化物(In−ZnO)などが特に好ましく使用される。
透明導電膜の形成方法については、特に限定されるわけではなく、従来公知の方法を採用することができる。具体的には真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
形成された透明導電膜は、エッチング処理してパターン化される。パターンの形状は最終製品であるタッチパネルの設計に依存するが、パターン化部の最細部は2μm〜20μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、4μm〜12μmの範囲である。パターン化部の最細部が2μm未満の場合、導通部が細すぎ、少しの衝撃で断線する可能性が高くなる傾向にある。一方、パターン化部の最細部が20μmを越える場合は、パターン部の筋が顕著に見られ、タッチパネルディスプレイ最終製品に仕上げた場合の外観品位が落ちることがある。
エッチング処理によりパターン化された透明導電膜は、加熱処理されて結晶化する。加熱処理の温度は通常、100℃〜150℃の範囲であることが好ましい。100℃未満の場合は透明導電膜の結晶化が十分に進行しない可能性が高く、一方、150℃を越える温度の場合は、塗布フィルムからオリゴマーが析出して積層体の透明性が落ちてしまうなどの副次的弊害が発生する可能性がある。しかしながら、近年、透明導電膜形成工程において、生産性向上の観点より、透明導電膜結晶化工程において、熱処理温度をさらに高温化させることで、熱処理時間の短縮を図る傾向にあり、上述のオリゴマー析出の不具合がさらに深刻な問題になる状況にある。
本発明の積層体は、上述した両面に塗布層を有するフィルムを、粘着剤層を介して貼り合わせたものであり、粘着剤層としては、塗布層(A)および(B)との接着性に優れ、さらに透明導電膜との接着性に優れるものが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)および粒度分布
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則にもとづく沈降法によって粒子の大きさを測定し、平均粒径を求めた。平均粒径の測定法と同様にして粒度分布を求めた。すなわち、等価球分布における大粒子側から積算を行い、下記式から粒度分布比(R)を算出した。
(r)=粒子積算重量が25%のときの粒径/粒子積算重量が75%のときの粒径
(3)ポリエステル原料に含有される含有オリゴマー量の測定方法
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させる。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加える。沈殿物を濾過により除去し、さらに沈殿物をクロロホルム/メタノールの比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、その後、乾固させる。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値をクロロホルム/HFIP混合溶媒に溶解させたポリエステル原料量で割って、含有オリゴマー量(重量%)とする。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(エステル環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し作成した。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。
なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(4)積層ポリエステル層の厚み
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
(5)ポリエステルフィルム中の金属元素およびリン元素量の定量
蛍光X線分析装置((株)島津製作所社製型式「XRF−1500」を用いて、下記表1に示す条件下で、フィルムFP法により単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。なお、本方法での検出限界は、通常1ppm程度である。
Figure 0006379674
(6)多層ポリエステルフィルムの各ポリエステル層の軟化点測定
あらかじめ(4)項の要領にて試料フィルムの層構成を確認した後、露出したフィルム断面において、各ポリエステル層の中央部1箇所をNano NaviII/E−Sweep/nano−TA2(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いて、下記測定条件により測定を行い、N=3の平均値をもって、ポリエステル層の軟化点とした。
なお、測定値に関しては、得られた測定チャートより、昇温カーブと降温カーブとの各々のカーブにおける接線を引き、接線の交点を求めた。
次に得られた交点を通り、測定温度軸と垂直に交わる点をもって、軟化点とした。
《測定条件》
昇温速度:5℃/sec
探針:サーマルカンチレバーAN2−200
測定温度範囲:常温(23℃)〜300℃
測定雰囲気:大気圧
(7)塗布フィルムの内部ヘーズ
試料フィルムをJIS−K−7136に準じ、スガ試験株式会社製(タッチパネル式ヘーズコンピューター HZ−2)ヘーズメーターを用いてエタノール溶液を充填したガラス製セルのヘーズ値を0%とし、試験片を同セル中に浸漬した状態で測定した。
(8)積層体ヘーズの測定
試料積層体をJIS−K−7136に準じ、村上色彩技術研究所製ヘーズメーター「HM−150」により、積層体ヘーズを測定した。
(9)透明導電膜パターン化後の配線断線評価
塗布フィルムにおいて、塗布層(B)上にアルゴンガス95%と酸素ガス5%とからなる0.4Paの雰囲気下で、酸化インジウム95重量%、酸化スズ5重量%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法により、厚さ25nmのITO膜(透明導電性薄膜)を形成した。当該ITO膜上にパターン化(最細部:4μm、8μm、12μm、20μm)されているフォトレジストを塗布して乾燥硬化した後、得られたITO膜を4%の塩化水素水溶液(和光純薬工業製)に浸漬してエッチング処理した。得られたパターン化されたITO膜は180℃×90分間の加熱処理により結晶化させた。
得られたパターン化後のITO膜の最細部となる箇所を光学顕微鏡(キーエンス社製 デジタルマイクロスコープ 型番:VHX−200)にて倍率40倍で100箇所検査し、ITOの断線の有無を検査し、以下の基準にて透明導電膜パターン化後の配線断線性を評価した。
《判定基準》
○:ITO配線の断線が確認されない
△:ITO配線の断線は確認されないが、配線のひび割れ現象が確認される
× :ITO配線の断線が1箇所以上で確認される
(10)積層体の視認性評価方法
得られた積層体の透明性・視認性について、下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
○:透明性・視認性良好(実用上、問題ないレベル)
×:透明性・視認性不良(実用上、問題あるレベル)
(11)塗布フィルムの加工適性(実用特性代用評価)
(9)項でのスパッタリング加工時に、加工部分のフィルム平面性を目視で評価した。
《判定基準》
○:フィルムの加工部分が幅方向全体にわたりうねり、シワの発生なく良好に加工できている
△:フィルムの加工部分が幅方向において、部分的にうねり、シワが発生する場合がある
×:フィルムの加工部分にうねり、シワ等の発生し、幅方向で均一に加工できていない
(12)フィルム表面の最大粗さ(St)測定
試料フィルムの測定面を、直接位相検出干渉法、いわゆるマイケルソンの干渉を利用した2光束干渉法を用いた、非接触表面計測システム「マイクロマップ社製Micromap512)」により表面粗さ(St)を計測した。なお、測定波長は530nmとし、対物レンズは20倍を用いて、20°視野計測し、計12点計測した計測値の内、その最大値と最小値を除く計10点の平均値を採用しその表面粗さ(St)とした。上記測定方法により、塗布フィルムにおいて、熱処理前の塗布層(A)が設けられていないフィルム表面、熱処理前の塗布層(B)が設けられていないフィルム表面、および、塗布層(A)と塗布層(B)を設けた後に180℃、90分間熱処理した後における、塗布層(A)と塗布層(B)表面の最大粗さ(St)とを各々測定した。
(13)積層体の耐久性評価(実用特性代用評価)
積層体を、恒湿槽中、85℃、85%RH雰囲気下において、200時間放置した後、(8)項の方法でフィルムヘーズを測定した(ヘーズ1)。同じサンプルで未処理の状態のフィルムヘーズ(ヘーズ2)との差を持って、ΔHを算出した。
ΔH=(ヘーズ1)−(ヘーズ2)
ΔHが低いほど、湿熱処理によるオリゴマーの析出が少なく、良好であることを示す。
(14)積層体のフィルム平面性評価(実用特性代用評価)
積層体を一片が10cmの正方形になるように切り出して、測定用試料とした後、この試料を150℃に設定した熱風式循環炉内で、60分間熱処理する。次に試料を水平な台に置き、平面性に関して、官能評価を行った。
(判定基準)
○:フィルム平面性良好(実用上、問題ないレベル)
×:うねりが発生するなど、フィルム平面不良(実用上、問題あるレベル)
上記判定により、熱処理後の積層体平面性評価を行うことで、より、高精度なフィルム積層体を得ることが可能となる。
〈ポリエステルの製造〉
[ポリエステル(I)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.59、オリゴマー(エステル環状三量体)含有量0.89重量%のポリエステル(I)を得た。
[ポリエステル(II)の製造方法]
ポリエステル(I)を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.72、オリゴマー(エステル環状三量体)含有量0.46重量%のポリエステル(II)を得た。
[ポリエステル(III)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、正リン酸を添加した後、二酸化ゲルマニウムを加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度は0.63のポリエステル(III)を得た。
[ポリエステル(IV)の製造方法]
ポリエステル(I)の製造方法において、平均粒子径0.3μmのエチレングリコールに分散させた酸化アルミニウム粒子を粒子のポリエステルに対する含有量が1.5重量%となるように添加する以外は同様にして製造し、ポリエステル(IV)を得た。得られたポリエステル(IV)は、極限粘度0.59、オリゴマー(エステル環状三量体)含有量0.87重量%であった。
[ポリエステル(V)の製造方法]
酸化アルミニウム粒子に関して、平均粒径が0.04μmと異なる以外はポリエステル(IV)と同様にして製造し、ポリエステル(V)を得た。得られたポリエステル(V)は、極限粘度0.59、オリゴマー(エステル環状三量体)含有量0.87重量%であった。
[ポリエステル(VI)の製造方法]
酸化アルミニウム粒子に関して、平均粒径が0.8μmと異なる以外はポリエステル(IV)と同様にして製造し、ポリエステル(VI)を得た。得られたポリエステル(VI)は、極限粘度0.59、オリゴマー(エステル環状三量体)含有量0.87重量%であった。
実施例1:
上記ポリエステル(II)、(III)、(IV)をそれぞれ89.5%、10%、0.5%の割合で混合した混合原料をa層の原料とし、ポリエステル(I)100%の原料をb層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、a層を最外層(表層)、b層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層(aba)で、積層ポリエステルフィルム厚み構成比がa:b:a=2:19:2になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た
いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、下記塗布剤組成からなる塗布層(A)を乾燥後の塗工量が0.010g/mとなるように塗布した後に、この縦延伸フィルムをテンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、225℃で5秒間、熱処理を行った後、フィルムをロールに巻き上げ、塗布層(A)が設けられた塗布フィルムを得た。
の後、下記層組成から構成される塗布層(B)を、乾燥後の塗布量が0.1g/mになるようにオフラインにて塗布し、塗布フィルムを得た
られた塗布フィルムの塗布層(B)上にアルゴンガス95%と酸素ガス5%とからなる0.4Paの雰囲気下で、酸化インジウム95重量%、酸化スズ5重量%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法により、厚さ25nmのITO膜(透明導電性薄膜)を形成した。当該ITO膜上にパターン化されているフォトレジストを塗布して乾燥硬化した後、得られたITO膜を4%の塩化水素水溶液(和光純薬工業製)に浸漬してエッチング処理した。得られたパターン化されたITO膜は180℃×90分間の加熱処理により結晶化させその上にアクリル系光学用透明粘着剤を積層し(粘着層積層側)厚さ5μmの粘着層を形成した
して、粘着層を介して、得られた塗布フィルム(粘着層貼り合せ側)の塗布層(A)が粘着層面に接するように貼り合せて本発明の積層体を得た。なお、パターン化されたITO膜に関して、一方はフィルム幅方向と平行に、他方はフィルム長手方向と平行に配置されており、構成的に一方から目視すると格子状に見える構成になっている。
積層体構成:ITO層/塗布層B/ポリエステルフィルム/塗布層A/粘着層/ITO層/塗布層B/ポリエステルフィルム/塗布層A
[塗布液の調製]
塗布層(A)を構成する化合物例は以下のとおりである。
なお、塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・4級アンモニウム塩基含有ポリマー(A1):
2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー
対イオン:メチルスルホネート 数平均分子量:30000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(B1):
ポリエチレングリコール含有モノアクリレートポリマー 数平均分子量:20000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(B2):
オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレートポリマー 数平均分子量:32000
・架橋剤(C):メラミン架橋剤(DIC社製:ベッカミン「MAS」)
・粒子(D):アルミナ表面変性コロイダルシリカ(平均粒径:50nm)
・バインダー(E):ポリビニルアルコール(けん化度88モル%、重合度500)
〈塗布層(B)組成〉
コルコートP(コルコート社製)
イソプロピルアルコールを用いて、1%濃度溶液に調製した。
実施例2〜12:
実施例1において、塗布層(A)、原料配合、厚み構成が異なる以外は実施例1と同様にして製造し、積層体を得た。
実施例13:
実施例1において、粘着層の両面に塗布層(A)が向かい合うように貼り合わされる以外は実施例1と同様にして製造し、積層体を得た。
実施例14:
実施例1において、粘着層を介して貼り合せる塗布フィルム(粘着層貼り合せ側)の厚さが異なる以外は実施例1と同様にして製造し、積層体を得た。
実施例15:
実施例1において、粘着層を介して貼り合わせる塗布フィルム(粘着層貼り合わせ側)の厚さを変える以外は実施例1と同様にして製造し、積層体を得た。
実施例16:
実施例1において、塗布層(A)の塗布量を変更すること以外は実施例1と同様の方法で積層体を得た。
比較例1:
実施例1において、a層の原料としてポリエステル(I)(IV)をそれぞれ99.5%、0.5%の割合で混合した以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。
比較例2〜4:
実施例1において、塗布層(A)を変更する以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。
比較例5:
実施例1において、厚み構成比がa:b:a=2:5:2とし、得られるフィルム厚さをμmとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。
比較例6:
実施例1において、厚み構成比がa:b:a=2:71:2とし、得られるフィルム厚さを75μmとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。
比較例7:
実施例1において、厚み構成比がa:b:a=4:15:4としたこと以外は、実施例1と同様の方法で、積層体を得た。
比較例8〜10:
実施例1において、a層の原料が異なる以外は実施例1と同様の方法で積層体を得た。
比較例11:
実施例1において、表層のポリエステル(IV)をポリエステル(V)に変更した結果、塗布層が設けられていないフィルム表面が極端に平坦になり、フィルム加工適性において、滑り性低下に伴う、シワが発生し、実用上問題あるレベルであった。
比較例12:
実施例1において、表層のポリエステル(IV)をポリエステル(VI)に変更した結果、塗布層が設けられていないフィルム表面が粗面化し、透明導電膜パターン化後の配線断線評価において、線幅4μmの加工には対応困難な状であった。
上記実施例および比較例で得られた各積層体の特性を下記表2〜6に示す。
Figure 0006379674
Figure 0006379674
Figure 0006379674
Figure 0006379674
Figure 0006379674


本発明の積層体は、光学用ガラス代替として、例えばタッチパネル用透明導電膜形成用として、車載用、スマートフォンなど、各種用途に好適に利用することができる。

Claims (2)

  1. 両面塗布フィルム、粘着剤層、両面塗布フィルムの順に積層され、85℃、85%RH雰囲気下に200時間放置した後のヘーズ変化率(ΔH)が0.5%以下である積層体であって
    該両面塗布フィルムは何れも、塗布層(A)/多層ポリエステルフィルム/塗布層(B)の順に積層されており、厚さが9〜50μmであり、
    当該多層ポリエステルフィルムは、少なくとも3層からなり、下記式(1)および(2)を同時に満足し、
    当該多層ポリエステルフィルムにおける両外層は何れも、平均粒径0.1〜0.6μmの粒子を0.05〜1.0重量%含有し、厚が3μm以下であり、
    当該塗布層(A)が、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー、および架橋剤を含有する塗布液により設けられた塗布層であり、
    当該塗布層(B)が、当該塗布層(A)とは異なる塗布層であることを特徴とする積層体。
    0<Ti≦20 …(1)
    0≦P ≦300 …(2)
    (上記式中、Tiは多層ポリエステルフィルム中のチタン元素量(ppm)、Pはリン元素量(ppm)を意味する)
  2. 前記多層ポリエステルフィルムの両外層を構成するポリエステル層の軟化点は、中間層の軟化点以上であ請求項1に記載の積層体。
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