JP6467927B2 - 両面金属積層フィルム - Google Patents
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Description
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
あらかじめ、両面塗布フィルムを空気中、150℃で90分間加熱する。その後、熱処理をした当該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmの箱の内面にできるだけ密着させて箱形の形状とする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルホルムアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m2)とする。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)(A面)。
反対面側(B面)も上記と同様の要領にて測定を行い、塗布層表面から抽出されるオリゴマー量(OL)を求めた。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
試料フィルムをJIS−K−7136に準じ、村上色彩研究所製「HM−150」により、フィルムヘーズを測定した。
試料フィルムを所定の熱処理条件(150℃、90分間)で処理した後、(5)項と同様にして、フィルムヘーズを測定した。
(5)項と(6)項の測定値よりフィルムヘーズ変化率(加熱ヘーズ、ΔH)を算出した。
ΔH=(H1)−(H0)
両面塗布フィルムにおいて、フィルム表面上に反応性スパッタリング法により、厚さ20nmの酸化銅層を形成した。当該酸化銅層上にパターン化されているフォトレジストを塗布して乾燥硬化した後、得られた酸化銅層を4%の塩化第2鉄水溶液に浸漬して、3mm幅に酸化銅層が残るようにエッチング処理した。得られたパターン化された酸化銅層は150℃×90分間の加熱処理により結晶化させた。次に、株式会社島津製作所製「Ezgraph」を使用し、JIS C 5016に定めるように、90度方向での引っ張り試験を行い、金属層に対する密着力を測定し、下記判定基準により、判定を行った(A面)。反対面側(B面)も上記と同様の要領にて測定を行い、下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
〇:密着力が0.5N/mm以上であり、密着性良好(実用上、問題ないレベル)
△:密着力が0.3〜0.4N/mmの範囲であり、密着性は普通(実用上、問題になる場合があるレベル)
×:密着力が0.2N/mm以下であり、密着性不良(実用上、問題あるレベル)
両面塗布フィルムにおいて、フィルム表面上に焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法により、厚さ20nmの酸化銅層を形成した。当該酸化銅層上にパターン化(最細部:12μm)されているフォトレジストを塗布して乾燥硬化した後、得られた酸化銅層を4%の塩化第2鉄水溶液に浸漬してエッチング処理した。得られたパターン化された酸化銅層は150℃×90分間の加熱処理により結晶化させた。得られたパターン化後の酸化銅層の最細部となる箇所を光学顕微鏡(キーエンス社製 デジタルマイクロスコープ 型番:VHX−200)にて倍率40倍で100箇所検査し、ITOの断線の有無を検査し、以下の基準にて透明導電膜パターン化後の配線断線性を評価した。(A面)
反対面側(B面)も上記と同様の要領にて検査を行い、下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
○:銅配線の断線が確認されない
△:銅配線の断線は確認されないが、配線のひび割れ現象が確認される
× :銅配線の断線が1箇所以上で確認される
実施例および比較例で得られた、各両面金属積層フィルムにおいて、金属層に対する密着性、酸化銅層パターン化後の配線断線評価につき、下記判定基準により、総合評価を行った。
《判定基準》
○:金属層に対する密着性、酸化銅層パターン化後の配線断線評価がすべて○(実用上、問題ないレベル)
△:金属層に対する密着性、酸化銅層パターン化後の配線断線評価の内、少なくとも一つが△(実用上、問題になる場合があるレベル)
×:金属層に対する密着性、酸化銅層パターン化後の配線断線評価の内、少なくとも一つが×(実用上、問題あるレベル)
<ポリエステル(I)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(I)の極限粘度は0.63であった。
ポリエステル(I)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径1.6μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(I)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(II)を得た。得られたポリエステル(II)は、極限粘度0.65であった。
ポリエステル(I)、(II)をそれぞれ90%、10%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(I)を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種2層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出しし、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、下記表1に示す塗布剤組成からなる塗布層を乾燥後の塗工量が片面で0.012g/m2となるように、フィルム両面(フィルム走行方向に対して、上面がA面、下面がB面)に塗布した後に、テンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に弛緩し、厚さ25μm(表層2.5μm、中間層20μm)の塗布層が設けられた両面塗布フィルムを得た。得られた両面塗布フィルムは加熱処理によるオリゴマー析出量が少なく、このフィルムの特性を下記表2に示す。
なお、塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
・4級アンモニウム塩基含有ポリマー(A1):
2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー
対イオン:メチルスルホネート 数平均分子量:30000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(B1):
ポリエチレングリコール含有モノアクリレートポリマー 数平均分子量:20000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(B2):
オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレートポリマー 数平均分子量:32000
・架橋剤(C):メラミン架橋剤(DIC社製:ベッカミン「MAS」)
・粒子(D):アルミナ表面変性コロイダルシリカ(平均粒径:50nm)
・バインダー(E):ポリビニルアルコール(けん化度88モル%、重合度500)
実施例1において、塗布層を下記表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面塗布フィルムを得た。得られた両面塗布フィルムの特性を下記表2に示す。
実施例1において、塗布層を設けない以外は実施例1と同様にして製造し、両面塗布フィルムを得た。得られた両面塗布フィルムの特性を下記表2に示す。
実施例1において、塗布層組成を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面塗布フィルムを得た。得られた両面塗布フィルムの特性を下記表2に示す。
Claims (6)
- ポリエステルフィルムの両面に、四級アンモニウム塩基含有化合物、ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー、および架橋剤を含有する塗布液から形成されてなる塗布層を有し、当該塗布層上にそれぞれ金属層が積層されてなることを特徴とするフレキシブル両面プリント配線基板。
- 塗布層中のポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーの含有量が5〜40重量%である請求項1に記載のフレキシブル両面プリント配線基板。
- 塗布層を構成する架橋剤がメラミン架橋剤であり、塗布層中に含有されるメラミン架橋剤の配合量が10〜60重量%である請求項1または2に記載のフレキシブル両面プリント配線基板。
- 塗布層の塗布量(乾燥後)が0.005〜1g/m 2 である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキシブル両面プリント配線基板。
- 塗布層が塗布延伸法(インラインコーティング)により形成されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のフレキシブル両面プリント配線基板。
- 金属層が銅層である請求項1〜5のいずれか1項に記載のフレキシブル両面プリント配線基板。
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