JP2003105115A - 空洞含有ポリエステル系フィルム - Google Patents
空洞含有ポリエステル系フィルムInfo
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Abstract
溶の熱可塑性樹脂を含有する重合体混合物からなり、微
細な空洞を含有し、フィルム表面に垂直に切断した時の
断面における空洞の長さの平均(L1)と空洞の厚さの
平均(T1)の比(L1/T1)が7.0以上であり、
フィルム内部に含まれる空洞の数(n1)が30個/2
500μm2以上であり、見かけ比重が0.6〜1.3
4であることを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィ
ルム。 【効果】 本発明の空洞含有ポリエステル系フィルム
は、鮮明で、折れしわが発生せず、柔軟性があり、取扱
性に優れたものである。
Description
くい、フィルム内部に微細な空洞を多量に含有したポリ
エステル系フィルムに関する。
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度等に優
れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が進
められている。
ポリプロピレン、ポリエステル等が用いられているが、
この中でもポリエチレンテレフタレートを代表とするポ
リエステルは、耐熱性が高い点や、腰が強いという点で
優れており、広範な用途展開が可能である。
機能を有するフィルムを得る方法として、従来、(1)
微細な空洞をフィルム内部に多量に含有させる方法、
(2)通常の平坦なポリエステルフィルムを(2-1)サン
ドプラスト処理、(2-2)ケミカルエッチング処理、(2-
3)マット化処理(マット剤をバインダーとともに積層す
る方法)等によって粗面化する方法等が開示されてい
る。これらの中で(1)の微細な空洞をフィルム内部に
多量に含有させる方法は、フィルム自体を軽量化できた
り、フィルムに適度な柔軟性を付与できて、鮮明な印刷
や転写が可能になるという利点がある。
法として、従来、ポリエステルと相溶しないポリマーを
押出機で溶融混練し、ポリエステル中に当該ポリマーを
微粒子状に分散させたシートを得て、さらに当該シート
を延伸することによって微粒子の周囲に空洞を発生させ
る方法が開示されている。
ステルに非相溶のポリマーとしては、ポリオレフィン系
樹脂(例えば特開昭49−134755号公報)、ポリ
スチレン系樹脂(例えば特公昭49−2016号公報、
特公昭54−29550号公報)、ポリアリレート樹脂
(例えば特公昭58−28097号公報)等多数提案さ
れている。これらの中でポリプロピレンやポリスチレン
は、空洞ができやすい点や密度が低い点、安価である点
で特に好ましい。
洞含有フィルムは、内部に存在する空洞が厚いおよび/
または大きかったため、このフィルムを印画用に用いた
場合、連続して現像を行うとガイドロール等で折れしわ
が発生するという問題があった。例えば、特開昭63−
168441号公報に開示されている空洞は大きい。ま
たそれを改善するために、特開昭63−193938号
公報、特開平3−76727号公報には、空洞を小さく
するために界面活性剤やポリアルキレングリコール等を
添加することが開示されている。しかし、これらの低分
子量成分を混合すると、乳剤層に転移またはブリードア
ウトして、欠点が生じることがあった。
洞の大きさ等を適性化することによって、鮮明で、折れ
しわが発生せず、取扱性に優れた印画用基材を提供する
ことである。
発明者らが鋭意検討した結果、本発明を見出した。即
ち、本発明は、ポリエステルと当該ポリエステルに非相
溶の熱可塑性樹脂を含有する重合体混合物からなり、微
細な空洞を含有し、フィルム表面に垂直に切断した時の
断面における空洞の長さの平均(L1)と空洞の厚さの
平均(T1)の比(L1/T1)が7.0以上であり、
フィルム内部に含まれる空洞の数(n1)が30個/2
500μm2以上であり、見かけ比重が0.6〜1.3
4であることを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィ
ルムに関する。
ル系フィルムの少なくとも片面に下引き層を有すること
を特徴とする上記空洞含有ポリエステル系フィルムに関
する。
テル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂のうち少なくとも1種類以上
を含有してなるものである上記空洞含有ポリエステル系
フィルムに関する。また、本発明は、空洞含有ポリエス
テル系フィルムの片面に下引き層を有し、空洞含有ポリ
エステル系フィルムの下引き層を有する側と反対側の面
において、表面粗さが0.2μm以上、表面抵抗値が1
×107〜1×1013Ω/□であることを特徴とする上
記空洞含有ポリエステル系フィルムに関し、また、空洞
含有ポリエステル系フィルムの下引き層を有する側と反
対側の面に、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリアクリル系樹脂のうち少なくとも1種類以上を
含む層が設けられてなることを特徴とする上記空洞含有
ポリエステル系フィルムに関する。
レフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等
の芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール等のグリコールとを重
縮合させて得られるポリエステルである。
とグリコールとを直接反応させる方法、芳香族ジカルボ
ン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換
反応させた後重縮合させる方法、あるいは芳香族ジカル
ボン酸のジグリコールエステルを重縮合させる方法等に
よって製造することができる。
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、あるいはポリエチレン−2,6−ナフタレート等が
挙げられる。当該ポリエステルはホモポリマーであって
もよく、第三成分を共重合したものであっても良い。
ト単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン
−2,6−ナフタレート単位が、ポリエステル全体の7
0モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好まし
くは90モル%以上であるポリエステルが好ましい。
の熱可塑性樹脂は、空洞発現剤として用い、上記したポ
リエステルに非相溶性のものでなければならない。具体
的には、ポリスチレン系樹脂(例えばアイソタクチック
ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、アタ
クチックポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、耐衝撃性ポリスチレン(スチレンとオレフィンラバ
ーの混合物)等)、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリ
メチルペンテン、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状
オレフィンポリマー等)、ポリアクリル系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系
樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられ、ポリスチレン系
樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系樹脂が好ましい。これらは1種でも2種以上
でも用いることができる。なお、当該ポリエステルに非
相溶の熱可塑性樹脂は、ポリエステルに非相溶性である
ため、ポリエステル中に微粒子状に分散しうる。
(以下、空洞発現剤ともいう)の量は、目的とする空洞
の量によって異なってくるが、重合体混合物全体に対し
て(重合体混合物全体を100重量%としたとき)、好
ましくは3〜40重量%、より好ましくは5〜30重量
%である。3重量%未満では、空洞の発生量を多くする
ことに限界があり、目的の柔軟性、軽量性、描画性が得
にくくなる傾向がある。逆に、40重量%を越えると、
ポリエステルフィルムの持つ耐熱性や強度、特に腰の強
さが損なわれ易くなる傾向がある。
散効果のある高分子化合物(以下、空洞発現剤と区別
し、分散性樹脂ともいう)を併用することが好ましい。
も表面張力(表面エネルギー)の高いものを用いる。例
えば、ポリオレフィン系樹脂(前述と同様のもの等)や
シリコーン系樹脂等を空洞発現剤として用いた場合は、
ポリスチレン系樹脂(前述と同様のもの等)、ポリカー
ボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェニレン
エーテル系樹脂、マレイミドやカルボン酸等で変性した
ポリオレフィン系樹脂、マレイミドやカルボン酸等で変
性したポリスチレン系樹脂等を分散性樹脂として併用す
ることが好ましい。ポリスチレン系樹脂を空洞発現剤と
して用いた場合は、ポリカーボネート系樹脂、ポリアク
リル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、マレイミ
ドやカルボン酸等で変性したポリオレフィン系樹脂、マ
レイミドやカルボン酸等で変性したポリスチレン系樹脂
等を分散性樹脂として併用することが好ましい。
空洞発現剤を100重量%としたとき、好ましくは空洞
発現剤の20重量%以下、より好ましくは空洞発現剤の
10重量%以下である。20重量%を越えると、空洞発
現剤をより細かくする(ポリエステルに非相溶の熱可塑
性樹脂をより小さい粒子状に分散させる)ことができる
が、空洞発現能まで低下させる傾向がある。
高い樹脂に覆われてしまうため、分散性樹脂の量が多い
(20重量%を越える)と、ポリエステルは、その殆ど
が表面張力の高い分散性樹脂と界面を形成することにな
り、界面の接着力が高くなり、厚さの割には長さの短い
空洞が発現しやすくなる。しかし、分散性樹脂の添加量
を上記範囲内にすると、表面張力の高い分散性樹脂は、
表面張力の低い空洞発現剤を部分的にしか覆わなくな
り、および/または覆った分散性樹脂は非常に薄くな
り、実質的にポリエステルとの界面接着力には影響しに
くくなる。そのため空洞発現剤は細かくなっても、厚さ
の割には長さの長い空洞が発現する。このように高分子
化合物であっても、少量添加することにより、分散剤の
ような効果(ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂を、
ポリエステルに分散させる効果)が見られる。つまり、
空洞発現剤の含有量を多くして、分散性樹脂により空洞
発現剤を細かくすることがより好ましい。
相溶の熱可塑性樹脂を含有してなる重合体混合物は、例
えば、各樹脂のチップを混合し、押出機内で溶融混練し
た後に押出して固化する方法や、あらかじめ混練機によ
って両樹脂を混練したものをさらに押出機より溶融押出
して固化する方法や、ポリエステルの重合工程において
ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂を添加し、撹拌分
散して得たチップを溶融押出して固化する方法等によっ
て得ることができる。また、分散性樹脂を添加する場合
にも、上記と同様にして重合体混合物を得ることができ
る。
物(未延伸シート)は、通常、無配向もしくは弱い配向
状態のものである。このとき、ポリエステルに非相溶の
熱可塑性樹脂は、ポリエステル中に、球状、楕円球状ま
たは糸状等、様々な形状で分散した形態をとって存在す
る。
蔽性や描画性を向上させるために無機粒子等を含有させ
ることができる。無機粒子としては、特に限定されるも
のではなく、二酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、カ
オリン、タルク等が挙げられる。さらに、当該重合体混
合物には、用途に応じて着色剤、耐光剤、蛍光剤、帯電
防止剤等を添加することも可能である。
に、速度差をもったロール間での延伸(ロール延伸)
や、クリップに把持して拡げていくことによる延伸(テ
ンター延伸)や、空気圧によって拡げることによる延伸
(インフレーション延伸)等によって、少なくとも1軸
に配向処理することにより、空洞含有ポリエステル系フ
ィルム(以下、空洞含有フィルムともいう)とすること
ができる。また、好ましくは2軸以上延伸させることで
ある。つまり、重合体混合物を少なくとも1軸に配向処
理すると、分散されたポリエステルに非相溶の熱可塑性
樹脂とポリエステルとの界面で剥離が起こり(分散性樹
脂を添加した場合には、分散性樹脂とポリエステルとの
界面でも剥離が起こり)、重合体混合物中に空洞が多数
発生する。
熱によるカールやしわの入らないフィルムを得るために
も重要なポイントとなる。
伸条件を以下に示す。例えば、最も一般的に行われてい
る逐次2軸延伸方法(重合体混合物の連続シートを長手
方向にロール延伸した後に、幅方向にテンター延伸する
方法等)の場合、ロール延伸(縦延伸)においては、空
洞を多数発現させるため、温度を80〜100℃、倍率
を2.0〜5.0倍とし、その後にテンター延伸(横延
伸)を80〜140℃、倍率を2.8〜5倍とする。さ
らに、延伸後の熱処理を150℃以上で実施する(例え
ば、特開昭63−168441号公報、特開昭63−1
93938号公報、特開平2−80247号公報、特開
平2−284929号公報、特開平3−114817号
公報、特開平4−202540号公報)。しかし、この
方法では空洞の長さと厚みの比(長さ/厚み)が小さく
なる傾向にある。これは1つには横延伸の温度が低いこ
とにより、縦延伸で発生した空洞の変形が十分に起こり
にくいためである。例えば、ポリオレフィン樹脂(ポリ
メチルペンテン、ポリプロピレン等)やポリスチレン樹
脂等は、そのガラス転移温度が100℃以下であるた
め、縦延伸で発生した空洞は横延伸で変形していくが、
上記のように横延伸温度が140℃以下では、本発明の
目的に達するような十分に薄い空洞を得られるほど、空
洞の変形は起こりにくい。
た後、横延伸を2段に分けて行うことが好ましい。ま
ず、縦延伸は80〜100℃で2.0〜5.0倍延伸す
る。次いで、1回目の横延伸は100〜150℃で2.
0〜3.0倍延伸する。このとき、延伸倍率は縦延伸の
倍率よりも低くする。さらに、2回目の横延伸は180
〜230℃で1.2〜2.0倍延伸する。縦延伸は、前
述のようにフィルム中に空洞を発生させるために行うも
のである。1回目の横延伸は、十分に空洞の発現した2
軸延伸フィルムを得るために行い、2回目の横延伸は、
薄くて、縦横のバランスのとれた空洞にするために行う
ものである。なお、2回目の横延伸による空洞数の増加
は殆どない。また、1、2回目の横延伸倍率の合計が、
縦延伸倍率を越えても構わない。
のような条件下、熱処理を行うことが好ましい。熱処理
は、延伸終了後、通常200℃以上、好ましくは220
℃以上、より好ましくは230℃以上で行うことが好ま
しい。また、このときに2〜5%緩和させながら、熱固
定を行うことが好ましい。上記熱処理条件下で熱処理を
行えば、150℃でのフィルムの熱収縮率が2%未満と
いう好ましい空洞含有フィルムを得ることができる。ま
た、150℃でのフィルムの熱収縮率は、より好ましく
は1.7%未満、さらに好ましくは1.5%未満であ
る。
に垂直に切断した時の断面、つまり空洞含有フィルム表
面に垂直な任意の一方向に切り出した時のフィルム断面
における、空洞の長さの平均をL1、空洞の厚みの平均
をT1とした時、L1/T1が7.0以上であることが
必要であり、好ましくは10.0〜100、より好まし
くは13〜50である。L1/T1が7.0以上であれ
ば、フィルムの折れしわを防ぐことができ、比重を小さ
くすることもできる。ここで、図1に空洞含有フィルム
中の空洞を示す。1は空洞発現剤、2は空洞、3は空洞
の長さ、4は空洞の厚さである。
性樹脂を添加する場合はその添加量、フィルムの延伸条
件等を調節すること等により、調整することができる。
なお、空洞の長さの平均L1、空洞の厚みの平均T1
は、それぞれ後述のようにして測定したものである。
洞の数をn1とすると、n1は30個/2500μm2
以上であることが必要である。L1/T1が7.0未満
であっても空洞含有フィルム内部に含まれる空洞の数
(n1)が30個/2500μm2未満であるならば、
折れしわの問題は発生しないが、この場合は十分な空洞
が内部に発現していないため、軽量化が困難になるのみ
ならず、印画紙とした場合に柔軟性がなくなり、印画紙
の角が固くなり、扱うときに手を切りやすい、つき揃え
がしにくいといった弊害が起こる。
を添加する場合はその添加量、フィルムの延伸条件等を
調節すること等により、調整することができる。なお、
空洞の数n1は、後述のようにして測定したものであ
る。
かけ比重は0.6〜1.34であることが必要であり、
好ましくは0.8〜1.3、より好ましくは1.05〜
1.25である。0.6未満では、いかなる空洞でも熱
によるカールやしわがフィルムに発生する。1.34を
越えるとフィルムの軽量化が困難になるのみならず、印
画紙とした場合に柔軟性がなくなり、印画紙の角が固く
なり、扱うときに手を切りやすい、つき揃えがしにくい
といった弊害が起こる。
のようにして調整すること等により、調整することがで
きる。なお、見かけ比重は、後述のようにして測定した
ものである。
設けることもでき、これによりインキやコーティング剤
等の塗れ性や接着性を改良できる。当該塗布層に用いら
れる材料としては、ポリエステル系樹脂が好ましいが、
この他にも、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルウレタ
ン系樹脂、ポリアクリル系樹脂等の通常のポリエステル
フィルムの接着性を向上させる手段として利用されてい
る材料等が適用可能である。また、当該塗布層には、必
要に応じて、架橋剤、有機粒子、無機粒子等を添加する
こともできる。
ラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、ス
プレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコ
ート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート
方式等、通常用いられている方法が適用できる。また、
塗布層を設ける段階としては、配向処理を行う前でも後
でもよい。例えば、配向処理を行う前の重合体混合物
(未延伸フィルム)表面にあらかじめ塗布する方法、1
軸方向に配向させた空洞含有フィルム表面に塗布した後
さらに直角方向に配向させる方法、配向処理の終了した
空洞含有フィルム表面に塗布する方法等のいずれの方法
も可能である。塗布層の塗布量としては、好ましくは
0.01〜3.0g/m2(固形分)である。
ルムに他の層を積層して複合フィルムとすることもでき
る。例えば、空洞含有フィルムの片面または両面に他の
層を積層した、2層以上の複合フィルム等が挙げられ
る。また、上記塗布層を設けたものも複合フィルムであ
る。他の層に用いられる材料としては特に限定されない
が、例えば、合成樹脂等が挙げられる。複合フィルムの
製造方法は特に限定されるものではないが、生産性等の
点から、それぞれの層の原料を別々の押出機から押出
し、1つのダイスに導き、未延伸シートを得た後、少な
くとも1軸に配向させる、いわゆる共押出法による積層
が最も好ましい。
いが、好ましくは25〜250μmである。
層等の接着性向上のために、空洞含有フィルムの少なく
とも片面に下引き層を設けることが好ましい。
エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系
樹脂および塩化ビニリデン系樹脂等を少なくとも1種類
以上含む高分子材料等が挙げられる。また、ゼラチン等
も用いることができる。
酸とグリコールからなり、水に可溶、乳化または分散で
きるポリエステル系樹脂であり、当該酸成分とグリコー
ル成分とが共重合されたポリエステル共重合体である。
ン酸基含有ジカルボン酸と、その他のジカルボン酸等が
挙げられる。スルホン酸基含有ジカルボン酸としては、
スルホン酸金属塩含有ジカルボン酸等が挙げられる。ス
ルホン酸金属塩含有ジカルボン酸としては、スルホテレ
フタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル
酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5
−〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸等の金属塩
(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等)が挙げら
れ、好ましくはナトリウムスルホテレフタル酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸である。
含有量は、全ジカルボン酸成分に対して50〜0.5モ
ル%、好ましくは20〜1モル%である。50モル%を
越えると、ポリエステル共重合体の水に対する分散性は
良くなるが、耐水性が低下する傾向がある。ポリエステ
ル共重合体の水に対する分散性は、共重合組成、必要に
応じて添加する水溶性有機化合物の種類および量等によ
って異なるが、上記スルホン酸金属塩含有ジカルボン酸
成分の量は、水に対する分散性を損なわない限り少ない
方が好ましい。
酸金属塩を含まない通常ジカルボン酸であり、芳香族、
脂肪族、脂環族の各ジカルボン酸等が挙げられる。芳香
族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。脂環族ジ
カルボン酸としては、1,3−シクロペンタンジカルボ
ン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸等が挙げられる。ポリエステル共重合体の
機械的強度や耐水性等の点から、芳香族ジカルボン酸成
分を、全ジカルボン酸成分の40モル%以上含有するこ
とが好ましい。
の脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6
−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール等)、炭素数6〜12個の脂環族グリコ
ール(1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール等)、および両者の混合物
等が挙げられる他、芳香族グリコール(p−キシレング
リコール等)、ポリアルキレンエーテルグリコール類
(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等)等が挙げられ
る。
重縮合によって得られる。例えば、上記ジカルボン酸成
分およびグリコール成分を直接反応させ、水を留去して
エステル化した後に重縮合を行う直接エステル化法、あ
るいはジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリコー
ル成分を反応させ、メチルアルコールを留去してエステ
ル交換を行った後に重縮合を行うエステル交換法等によ
って得られる。この他に、溶液重縮合や界面重縮合等に
よっても共重合体が得られ、特に限定されるものではな
い。
酸化防止剤、滑り剤、無機微粒子、帯電防止剤等を加え
ることができる。また、前述のポリエチレングリコール
等のポリアルキレンエーテルグリコール類は、溶融重縮
合の際あるいは重合後に、溶融ブレンドして添加するこ
とができる。
(1)分子内に2個以上の活性水素原子を有する化合物
と(2)分子内に2個以上のイソシアネート基を有する
有機ポリイソシアネートを反応させるか、あるいは、
(1)および(2)にさらに(3)分子内に2個以上の
活性水素原子を有する鎖伸長剤を反応させて得られ、末
端にイソシアネート基を有する樹脂である。
末端または分子内に2個以上のヒドロキシル基、カルボ
キシル基、アミノ基あるいはメルカプト基を含むもの等
が挙げられ、好ましくはポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール
等が挙げられる。
ば、アルキレンオキサイド類(エチレンオキサイド、プ
ロピレンオキサイド等)、スチレンオキサイド、エピク
ロロヒドリン等を重合した化合物、あるいは上記オキサ
イド類のランダム共重合体、ブロック共重合体、あるい
は上記オキサイド類の多価アルコールへの付加重合を行
って得られた化合物等が挙げられる。
ルエステルポリオールとしては、主として直鎖状あるい
は分岐状の化合物が挙げられ、多価カルボン酸類(飽和
でも不飽和でもよく、例えばコハク酸、アジピン酸、フ
タル酸、無水マレイン酸等)等と、多価アルコール類
(飽和でも不飽和でもよく、例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
トリメチロールプロパン等)、比較的低分子量のポリア
ルキレンエーテルグリコール類(ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等)、あるいはこれらア
ルコール類の混合物とを、縮合することにより得られる
ものである。さらにポリエステルポリオールとしては、
ラクトンおよびヒドロキシ酸から得られるポリエステル
類等が挙げられ、ポリエーテルエステルポリオールとし
ては、あらかじめ製造されたポリエステル類に、エチレ
ンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド等を付加さ
せたポリエーテルエステル類等が挙げられる。
ては、トリレンジイソシアネートの異性体類;4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;イソホロ
ンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;あ
るいはこれら化合物を単一あるいは複数でトリメチロー
ルプロパン等とあらかじめ付加させたポリイソシアネー
ト類等が挙げられる。
グリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール等の多価アルコール類;エチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、ピペラジン等のジアミン類;モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアル
コール類;チオジエチレングリコール等のチオジグリコ
ール類;あるいは水等が挙げられる。
アクリル酸またはその誘導体を重合させるか、必要に応
じてアクリル酸(誘導体)以外のビニル基を有する単量
体をさらに重合させて得られるもの等が挙げられる。使
用される単量体としては、アクリル酸、メタアクリル酸
(以下、アクリル酸および/またはメタアクリル酸を
(メタ)アクリル酸ともいう)、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル〔例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ア
ミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル
酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル等〕、ヒドロキシメチル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、スチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム等が挙げら
れる。
ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン・アクリル酸エス
テル共重合体、塩化ビニリデン・メタアクリル酸エステ
ル共重合体、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合
体、またこれら共重合体に不飽和モノカルボン酸成分
((メタ)アクリル酸、クロトン酸等)を含む三元、四
元共重合体等が挙げられる。当該共重合体中の塩化ビニ
リデンの含有量は、塩化ビニリデン樹脂全体に対して7
0〜92モル%、好ましくは87〜92モル%である。
92モル%を越えると水性乳化液がゲル化し易くなり、
コーティング剤として早く使用しなければならない傾向
があり、70モル%未満であると乳剤層との接着力が低
下する傾向がある。
ンまたは分散液を、ポリエステルフィルム(空洞含有フ
ィルム)面に、インラインコート方式、オフラインコー
ト方式等によって塗布して形成される。用いられる溶媒
としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メ
チルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、イソプロピ
ルアルコール等の有機溶媒、水等が挙げられる。なお、
下引き層をポリエステルフィルムに設ける段階として
は、当該フィルムが未延伸、1軸延伸または2軸延伸以
上のいずれの状態の段階でもよい。
子材料)の塗布量は、2軸延伸後のフィルムに換算して
0.01〜5g/m2(固形分)が好ましい。2軸延伸
後にさらに1軸延伸をして得られるテンシライズドフィ
ルムの場合は、製品フィルムに対して塗布量は0.01
〜0.5g/m2(固形分)が好ましい。塗布量が0.
01g/m2未満の場合は、乳剤層等との接着性が十分
でなくなる傾向がある。塗布量が1g/m2を越える場
合は、上記溶液、エマルジョンまたは分散液(以下、こ
れらをまとめて単に塗布液ともいう)に、無機化合物
(例えばほうフッ化亜鉛等)、有機化合物等の微粒子等
を添加することによって、滑り性、耐ブロッキング性を
改良することができる。
布し易くするためには、塗布液にメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等の有機溶媒を添加して、
塗布液の表面張力を下げればよい。また、ポリエステル
フィルムに表面処理を施してもよく、表面処理として
は、火炎処理、紫外線照射、プラズマ処理、コロナ処理
等の放電処理、電子線や放射線による照射処理、化学薬
品処理等が挙げられる。上記各処理のうちコロナ放電処
理が簡便、短時間で効果的である。
布するには、公知の任意の方法が適用でき、塗布法とし
ては、ロールコート法、グラビアコート法、ロールブラ
シュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、バー
コート法、ブレードコート法、含浸法およびカーテンコ
ート法等が挙げられ、これらは単独で、または組合せて
適用される。なお、塗布後、通常乾燥させる。また、下
引き層は1層でも2層以上でも設けることができる。
下引き層を有する場合、空洞含有フィルムの下引き層を
有する側と反対側の面の表面粗さを0.2μm以上、好
ましくは0.3μm以上とすることが好ましく、これに
より、フィルムの滑り性を良好にすることができる。そ
のためには、前述したポリエステル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリアクリル系樹脂のうちの少なくとも1種
類以上から選ばれる樹脂を混合して、これを空洞含有フ
ィルムの下引き層を有する側と反対側の面に塗布するこ
とが好ましい。なお、表面粗さは後述のようにして測定
したものである。
する側と反対側の面の表面抵抗値を1×107〜1×1
013Ω/□とし、フィルムの帯電を防止することが好ま
しい。その方法は公知のポリエステル系フィルムで使用
されているもの等がそのまま利用できる。なお、表面抵
抗値は後述のようにして測定したものである。
は、さらに必要に応じて、乳剤層等を塗布等により下引
き層上に設けることができる。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
1重量%、一般用ポリスチレン樹脂(三井東圧化学
(株)製、T575−57U)25重量%、マレイミド
変性ポリスチレン樹脂(三井東圧化学(株)製、NH1
200)1重量%、平均粒径0.35μmのアナターゼ
型二酸化チタン(富士チタン(株)製、TA−300)
3重量%を原料とし、これらを2軸スクリュー押出機に
投入し、T−ダイスより290℃で溶融押出しし、静電
気的に冷却回転ロールに密着固化させ、重合体混合物の
未延伸シート(厚み約1100μm)を得た。次いで、
該未延伸シートをロール延伸機で80℃で3.1倍縦延
伸を行い、引き続きテンターで125℃で2.7倍横延
伸した後、引き続いてテンターで220℃で1.5倍延
伸した。その後、235℃で4%緩和させながら熱処理
し、内部に多数の空洞を含有する空洞含有ポリエステル
フィルム(厚み約100μm)を得た。
(株)製、バイロナールMD−16)0.9g、アクリ
ル系樹脂(アクリル酸エチル/メタアクリル酸メチル/
メタアクリル酸ヒドロキシエステル/メタアクリル酸グ
リシジル/ビニルスルホン酸ナトリウム=45/45/
6/2/2(重量%)の比で常法において重合したも
の)2g、ブロックイソシアネート(第一工業製薬
(株)製、エラストロンBN−11)0.2g、ほうフ
ッ化亜鉛(橋本化学(株)製)の10重量%水溶液0.
002g、イソプロピルアルコールと水の4:6(重量
比)溶液26.892gを用いて、下引き層(1) 用の溶
液を調製した。これを、上記基材フィルム(空洞含有ポ
リエステルフィルム)上に約0.05g/m2塗布量に
て塗布し、塗布後すぐに80℃で2分間、および130
℃で30秒間乾燥し、下引き層(1) を積層した。
写真用グレード)の10%水溶液25g、イソプロピル
アルコールと水の4:6(重量比)溶液25gを用い
て、下引き層(2) 用の溶液を調製した。これを、上記下
引き層(1) 上に約0.1g/m 2塗布し、塗布後すぐに
80℃で2分間、および130℃で30秒間乾燥し、下
引き層(2) を積層した。
加えて、B液の全量を150ccとした。A液にB液を
1分間で注入し、45℃で35分間熟成した後、冷却凝
固して裁断した。次いで15℃の水で2時間水洗の後、
ゼラチン20gを加えて全乳剤量を1.1kgとし、5
0℃で40分間、第2熟成を行った。次いで、上記写真
乳剤をファウンテンコータを使用して下引き層(2) 上に
塗布した後、乾燥し、写真乳剤層を積層した。このよう
にして写真印画用空洞含有ポリエステル系フィルムを得
た。
ポリエチレンテレフタレート樹脂75重量%、一般用ポ
リスチレン樹脂(三井東圧化学(株)製、T575−5
7U)2重量%、ポリプロピレン樹脂(三井東圧化学
(株)製、JHH−M)20重量%、平均粒径0.35
μmのアナターゼ型二酸化チタン(富士チタン(株)
製、TA−300)3重量%を原料とした以外は、実施
例1と同様にして、写真印画用空洞含有フィルムを得
た。
真乳剤層を設けた側と反対側の面に、さらに以下の層を
設け、写真印画用空洞含有フィルムを得た。共重合ポリ
エステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロンMD−1
6)2重量%、イソシアネート含有ポリウレタン樹脂
(第一工業製薬(株)製、エラストロン)2重量%、平
均粒子径2.5μmの球状シリカ粒子0.8重量%、帯
電防止剤としてジュリマー(アクリル系カチオン性ポリ
マー、日本純薬(株)製)1重量%を、水とイソプロピ
ルアルコールの7/3(重量比)混合溶液(94.2重
量%)に混合した。これを、ワイヤーバー(#5)で塗
布した後、80℃で2分間、170℃で30秒間乾燥さ
せた。
実施した以外は同様にして、写真印画用空洞含有フィル
ムを得た。
ポリエチレンテレフタレート樹脂76.5重量%、ポリ
プロピレン樹脂(三井東圧化学(株)製、JHH−M)
20重量%、分子量4000のポリエチレングリコール
(第一工業製薬(株)製)0.5重量%、平均粒径0.
35μmのアナターゼ型二酸化チタン(富士チタン
(株)製、TA−300)3重量%を原料とした以外
は、実施例1と同様にして、写真印画用空洞含有フィル
ムを得た。
ポリエチレンテレフタレート樹脂77重量%、ポリプロ
ピレン樹脂(三井東圧化学(株)製、JHH−M)20
重量%、平均粒径0.35μmのアナターゼ型二酸化チ
タン(富士チタン(株)製、TA−300)3重量%を
原料とした以外は、実施例1と同様にして、写真印画用
空洞含有フィルムを得た。
す。なお、2)〜4)は空洞含有フィルム(基材フィル
ム)について、5)〜11)は写真印画用空洞含有フィ
ルムについて、測定したものである。また、その結果を
表1〜3に示す。 1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルを、フェノール(6重量部)とテトラクロ
ロエタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測
定した。
の平均:T1 フィルムの断面の表層付近を走査型電子顕微鏡(日立製
作所製、S−510型)で2000倍に写真撮影した
後、空洞をトレーシングフィルムにトレースし、塗りつ
ぶした図を画像解析装置で画像処理を行い、空洞の長さ
の平均(L1)および厚さの平均(T1)をそれぞれ求
めた。このとき無機粒子から発現した空洞は無視した。
なお、画像解析処理装置として、イメージスキャナー
(セイコーエプソン製、GT-8000)を用いて、パーソナル
コンピューター マッキントッシュのソフトウエアーAd
obe Photoshop TM 2.5J に画像を取り込んで、同ソフト
ウエアーUltimage TM/242.1.1 にて画像解析を行った。 3)空洞の数:n1 2)の方法で撮影した写真の中央部のうち、厚さ50μ
m×長さ50μm中に含まれる空洞の数(個/2500μm
2)を数えた。
に切り出し、その厚みを50点測定して平均厚みをtμ
mとし、また、フィルムの重さを0.1mgまで測定し
てwgとし、下式により見かけ比重を算出した。
の初期弾性率を測定した。このときサンプルはチャック
間距離40mm、幅10mmで、引っ張り速度200m
m/分で測定長に対する応力を測定し、引っ張り開始直
後の実質的に正比例の部分から求めた。 6)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mmに切り取り、長
さ方向に200mm間隔で2点の印をつけ、5gの一定
張力下で固定し、印の間隔Aを測った。続いて、このフ
ィルムを無張力下で30分間、150℃の雰囲気中のオ
ーブンにいれた後、取り出し、上記と同様にして(5g
の一定張力下で固定して)印の間隔Bを測定し、下式に
より熱収縮率を算出した。 熱収縮率(%)={(A−B)/A}×100
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの全光
線透過率を測定した。この値が小さいほど隠蔽性が高
い。 8)しわの有無 フィルムを縦10cm、横1cmに切り取り、これを直
径3mmのテフロン(登録商標)管に巻き付けた。この
とき、フィルム全体のしわの様子を目視により、○:し
わがない、△:しわが少しある、×:しわがかなりある
という基準で評価した。
ム)の下引き層表面に、クロスカットを用いてカッター
ナイフで100分割の切り込みをいれ、その上にセロテ
ープ(ニチバン製、CT−18)を貼り、よく密着させ
た。次いで、セロテープを垂直に剥がし、サンプル表面
に残った個数(分割されたフィルムの個数)を数えた。
このときセロテープを剥がす速度は、基材フィルムが破
壊されない程度とした。 10)表面粗さ JIS−B0601−1982に準じ、サーフコム30
0A型表面粗さ計(東京精密製)を用い、触針径2μ
m、触針圧30mg、測定圧30mg、カットオフ0.
8mgで、中心線平均厚さを測定した。 11)表面抵抗 20℃、65RH%におけるフィルムの表面抵抗値を、
固有抵抗測定機(タケダ理研社製)で印加電圧500V
で測定した。
ムは、鮮明で、折れしわが発生せず、柔軟性があり、取
扱性に優れるものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリエステルと当該ポリエステルに非相
溶の熱可塑性樹脂を含有する重合体混合物からなり、微
細な空洞を含有し、フィルム表面に垂直に切断した時の
断面における空洞の長さの平均(L1)と空洞の厚さの
平均(T1)の比(L1/T1)が7.0以上であり、
フィルム内部に含まれる空洞の数(n1)が30個/2
500μm2以上であり、見かけ比重が0.6〜1.3
4であることを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィ
ルム。 - 【請求項2】 前記空洞含有ポリエステル系フィルムの
少なくとも片面に下引き層を有することを特徴とする請
求項1記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。 - 【請求項3】 下引き層が、ポリエステル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、塩化ビニリデン
系樹脂のうち少なくとも1種類以上を含有してなるもの
である請求項2記載の空洞含有ポリエステル系フィル
ム。 - 【請求項4】 空洞含有ポリエステル系フィルムの片面
に下引き層を有し、空洞含有ポリエステル系フィルムの
下引き層を有する側と反対側の面において、表面粗さが
0.2μm以上、表面抵抗値が1×107〜1×1013
Ω/□であることを特徴とする請求項2または3のいず
れかに記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。 - 【請求項5】 空洞含有ポリエステル系フィルムの下引
き層を有する側と反対側の面に、ポリエステル系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂のうち少なく
とも1種類以上を含む層が設けられてなることを特徴と
する請求項4記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
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- 2002-07-03 JP JP2002195084A patent/JP4032850B2/ja not_active Expired - Lifetime
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