JP3132590B2 - 空洞含有ポリエステル系フィルム - Google Patents

空洞含有ポリエステル系フィルム

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラベル、ポスター、記
録紙、包装材料などに用いる際、隠ぺい性、白色性、光
沢度などが改良され、かつ、その生産性が大きく向上し
たフィルム内部に微細な空洞を多量に含有した描画性を
有する積層ポリエステル系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面平滑性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに
優れてる。近年、これらの長所を活かした用途展開が進
められている。合成紙の主原料としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル等が用いられている
が、この中でもポリエチレンテレフタレートを代表とす
るポリエステルが耐熱性が高い点や、腰が強いという点
で優れており、広範な用途展開が可能である。
【0003】ポリエステルを主原料とした紙と類似した
機能を有するフィルムを得る方法として、従来(1)微
細な空洞をフィルム内部に多量に含有させる方法や通常
の平坦なポリエステルフィルムを(2−1)サンドプラ
スト処理や(2−2)ケミカルエッチング処理や(2−
3)マット化処理(マット剤をバインダーとともに積層
する方法)などによって粗面化する方法、などが開示さ
れている。これらの中で、(1)の微細な空洞をフィル
ム内部に多量に含有させる方法には、フィルム自体を軽
量化できる点や適度な柔軟性を付与できて、鮮明な印刷
や転写が可能になるという利点がある。
【0004】微細な空洞をフィルム内部に生成させる方
法として、従来、ポリエステルと相溶しないポリマーを
押出機で溶融混練し、ポリエステル中に該ポリマーを微
粒子に分散させたシートを得て更に該シートを延伸する
ことによって微粒子の周囲に空洞を発生させる方法が開
示されている。
【0005】空洞のために用いられるポリエステルに非
相溶のポリマー(以下、空洞発現剤と呼ぶ)としては、
ポリオレフィン系樹脂(たとえば特開昭49−1347
55号公報)やポリスチレン系樹脂(たとえば特公昭4
9−2016号公報、特公昭54−29550号公報)
やポリアリレート樹脂(たとえば特公昭58−2809
7号公報)など多数提案されている。これらの中でポリ
プロピレンやポリスチレンは、空洞ができやすい点や密
度が低い点、安価である点で特に好ましい。しかし、ポ
リスチレンまたはポリプロピレンを空洞含有剤として得
られた空洞含有ポリエステルフィルムは、印刷、印字な
どの後加工を行う際、インキやコーティング液のはじき
やむらが生じるという欠点があった。またインキやコー
ト剤の接着力も不十分であるという欠点があった。
【0006】それらの欠点を改良する方法として、該ポ
リスチレン系樹脂のn−ヘキサン抽出分を5重量%以下
のものを用いることが提案されている(特願平2−95
941)。しかしこのようなポリスチレン系樹脂は、押
出機内での流動性や押出の安定性を向上させるための添
加剤を除くため、あらかじめ有機溶媒等で洗浄処理する
必要がありそのためコスト高になるという問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前期の欠
点、即ち、ポリエステル内でのポリスチレン系樹脂の分
散状態をより均一にすることにより隠ぺい性や白色度に
むらが少なく、印刷性やインクの接着性が良好で、かつ
安定した生産の可能なラベル、ポスター、記録紙などに
好適な基材を提供せんとするものである。
【0008】即ち、本発明はポリエステルにポリスチレ
ン系樹脂が混合された重合体混合物を少なくとも1軸に
配向することにより製造される微細な空洞を多数含有す
る中心層Aの片面又は両面に熱可塑性樹脂からなる表層
Bを設け、かつフィルム全体の密度が0.96〜1.1
5g/cm 3 であることを特徴とする空洞含有ポリエス
テルフィルムに関するものである。
【0009】本発明におけるポリエステルとは、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごと
き芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、1、4ーブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重
縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポ
リエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接
反応させてからほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエ
ステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮
合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコー
ルエステルを重縮合させるなどの方法によって製造させ
る。かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレート
あるいはポリエチレンー2、6ーナフタレートなどが挙
げられる。このポリエステルはホモポリマーであっても
よく、第三成分を共重合したものであっても良い。いず
れにしても本発明においては、エチレンテレフタレート
単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレンー
2、6ーナフタレート単位が70モル%以上、好ましく
は80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であ
るポリエステルが好ましい。
【0010】本発明に用いられるポリスチレン系樹脂と
は、スチレンモノマーを重合して得られるポリスチレン
ホモポリマーおよび他のモノマーを共重合したスチレン
の繰り返し単位を主とするランダム共重合体、ブロック
共重合体、グラフト共重合体である。さらにかかるポリ
マーに他のポリマーを配合したブレンド物やポリマーア
ロイも含まれる。たとえば、一般用の非晶性のポリスチ
レン、立体規則性のある結晶性のポリスチレン、耐衝撃
性ポリスチレン、アクリルニトリルスチレン共重合体、
アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂などが挙
げられる。これらのポリスチレン樹脂は、あらかじめn
−ヘプタンなどの有機溶媒で洗浄処理をする必要はない
が、したものを用いても構わない。また特に本発明にお
いて重要な点は、ポリエステルにポリスチレン系樹脂が
混合された重合体混合物を少なくとも1軸に配向するこ
とにより製造される微細な空洞を多数含有する中心層の
片面または両面に表面層を設けることにある。
【0011】本発明の該ポリエステルと該ポリスチレン
系樹脂を混合させた重合体混合物は、たとえば、各樹脂
のチップを混合し押出機内で溶融混練した後、押出して
固化することによって得られる方法や、あらかじめ混練
機によって両樹脂を混練したものを更に押出機より溶融
押出して固化する方法や、ポリエステルの重合工程にお
いてポリエステルにポリスチレン系樹脂を添加し、かく
はん分散して得たチップを溶融押出して固化する方法な
どによっても得られる。固化して得られた重合体(未延
伸シート)は通常、無配向もしくは弱い配向状態のもの
である。また、ポリエステルにポリスチレン系樹脂はポ
リエステル中に、球状もしくは楕円球状、もしくは糸状
など様々な形状で分散した形態をとって存在する。
【0012】該重合体混合物には、用途に応じて着色
剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などを添加することも
可能である。こうして得た重合体混合物は、更に速度差
をもったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップに
把持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や
空気圧によって拡げることによる延伸(インフレーショ
ン延伸)などによって少なくとも1軸に配向処理する。
このときに分散された該ポリエステルにポリスチレン系
樹脂とポリエステルとの界面で剥離が起こり重合体混合
物に空洞が多数発生する。したがって中心層のポリエス
テルに混合させる該ポリスチレン系樹脂の量は、目的と
する空洞の量によって異なってくるが、重合体混合物全
体に対して3〜40重量%が好ましい。3重量%未満で
は、空洞の生成量を多くすることに限界があり、目的の
柔軟性や軽量性や描画性が得られない。逆に40重量%
を越えると、ポリエステルフィルムの持つ耐熱性や強度
が著しく損なわれる。
【0013】本発明において重要な点は、中心層のポリ
スチレン系樹脂の添加剤などによる印刷性やインクの接
着性の低下の影響を表面に生じさせないように、表層を
設けることである。よってこの条件を満足するものであ
れば、どのような基材を熱可塑性樹脂に用いても構わな
い。例としては、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹
脂、ポリアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙
げられるが、好ましくはポリエステル樹脂である。本発
明においては、以上述べた表層と中心層を積層するが、
その方法は特に限定されるものではない。しかし生産性
を考慮すると、表層と中心層の原料は別々の押出機から
押出し、1つのダイスに導き未延伸シートを得た後、少
なくとも1軸に配向させる、いわゆる共押出法による積
層がもっとも好ましい。その際、延伸後のフィルムの表
層Bの厚みは0.5μm以上、好ましくは1μm以上で
あることが好ましい。0.5μm未満では、ポリスチレ
ン系樹脂の添加剤の影響を受け印刷性やインクの接着性
の低下の影響を受けてしまう。
【0014】また必要に応じて表層に無機粒子を0.0
5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%含有するこ
とにより、表面光沢の少ないフィルムを得ることが可能
である。用いる無機粒子は二酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、二酸化珪素、酸化マグヌシウム、酸化アルミニウ
ム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、タルク、カオリ
ンなど、あるいはこれらの混合物が挙げられる。これら
の無機粒子は必要に応じて、中心層にもまたは中心層と
表層の両方に含有することも可能である。
【0015】さらにフィルム表面に塗布層を設けること
によって、インキやコーティング剤などの塗れ性や接着
性がさらに改良される。該塗布層を構成する化合物とし
ては、ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、
ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリ
ル系樹脂などの通常のポリエステルフィルムの接着性を
向上させる手段として開示させている化合物が適用可能
である。また塗布層を設ける方法としては、グラビアコ
ート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコ
ート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方
式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式な
ど通常用いられている方法が適用できる。塗布する段階
としては、配向処理を行う前の混合重合体物表面にあら
かじめ塗布する方法、1軸方向に配向した空洞含有フィ
ルム表面に塗布し、それを更に直角方向に配向させる方
法、配向処理の終了した空洞含有フィルム表面に塗布す
る方法などのいずれの方法も可能である。
【0016】該重合体混合物を配向処理する条件は、空
洞の生成と密接に関係する。したがって本目的を達成す
るための条件はたとえば、もっとも一般的に行われてい
る逐次2軸延伸工程を例に挙げると、該重合体混合物の
連続シートを長手方向にロール延伸した後に、幅方向に
テンター延伸する逐次2軸延伸法の場合以下のようにな
る。ロール延伸においては多数の空洞を発生させるため
温度をポリエステルの2次転移温度+30℃以下、倍率
を1.2〜5倍とするのが好ましい。テンター延伸にお
いては破断せずに安定製膜するため温度を80〜140
℃、倍率を1.2〜5倍とするのが好ましい。ただし、
これらの方法に限られるものではない。延伸配向処理し
た空洞含有フィルムは、130度以上好ましくは180
度以上で熱固定を行うと高温での寸法安定性を向上させ
ることができる。また、1軸方向にのみ配向させた空洞
含有フィルムは、収縮性フィルムや易引き裂きフィルム
などに有用である。本発明は、配向処理によって空洞を
発生させた空洞含有ポリエステルフィルムに関するもの
であるので、少なくとも1軸に配向させることが必要で
ある。
【0017】
【作用】本発明において、ポリエステルを用いるのは、
該空洞含有ポリエステルフィルムの耐熱性や機械的強度
を満足させるためである。本発明において、ポリエステ
ルに該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を混合
し、重合体混合物を得るのは、ポリエステル中に該ポリ
エステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の微細な粒子を分散
させて、次の配向処理によって生じる空洞の核を作るた
めである。本発明において、該重合体混合物を少なくと
も1軸に配向するのは、重合体混合物に多数の微細な空
洞を発生させるためである。空洞を発生させることによ
ってフィルムは軽量化でき、作業性が良くなり、面積当
たりの価格も安くなる。また空洞を含有することによっ
て柔軟性が増し、印刷、転写を行うときに鮮明な印刷、
印字が可能となる。更に空洞を含有することによって、
光線隠ぺい性や白さが得られる。
【0018】実施例 次に本発明の実施例及び比較例を示す。本発明に用いる
測定・評価方法を以下に示す。 1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。 2)ポリスチレン系樹脂中のn−ヘキサン抽出分の量 ポリスチレン系樹脂10gをソックスレー抽出器を用
い、n−ヘキサンで24時間抽出を行った後、n−ヘキ
サンを蒸発乾固さし、残量から抽出分の重量%を求め
た。 3)ポリスチレン系樹脂のメルトフローインデックス JIS−K7210に準じて200℃、荷重5kgで測
定した。 4)密度 フィルムを5.00cm×5.00cmの正方形に正確
に切り出し、その厚みを50点測定し平均厚みをtμm
とし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、下
式によって計算した。
【0019】
【数1】
【0020】
【数2】 ただし、
【0021】
【数3】
【0022】
【数4】
【0023】6)表面の水の接触角 20℃、60%相対湿度の雰囲気のもとで、接触角測定
器CA−A(協和科学社製)を用い、水接触角を測定し
た。この値が小さいほど、空洞含有フィルムの表面の水
性インキや極性溶媒系インキに対する塗れ性がよいこと
を示している。 7)水性インキの塗布後のはじき 水性インキアクアカラー39藍(東洋インキ製造社製)
をグラビアコーターで、乾燥後のインキ層の厚さが3μ
mになるように空洞含有フィルム上に塗布、乾燥後、目
視でインキのはじきを観察し、はじきの有無を判定し
た。 8)水性インキのセロテープ剥離テスト 7)で得られた水性インキを塗布乾燥した空洞含有フィ
ルムを用い、水性インキと空洞含有フィルムの接着性を
セロテープ剥離テストによって調べた。剥離角は、空洞
含有フィルムを平面に保ち、約150度方向で行った。
剥離後、インキの残っている面積を画像処理装置ルーゼ
ックスIID(ニレコ社製)で測定し、%で表示した。
この値が大きいほど、空洞含有フィルムとインキとの接
着力が強いと考えられる。
【0024】9)グロス JIS−Z8741−1983に準じ、グロスメータV
GS−1001DP(日本電色工業社製)を用い、入射
角および反射角60゜における値を測定した。この値が
高いほど、光沢度が高くなることを示す。 10)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学社製)を用い、フィルムの光
線透過率を測定した。この値が小さいほど隠ぺい性が高
い。 11)表面粗さ JIS−B0601−1982に準じ、サーフコム30
0A型表面粗さ計(東京精密社製)を用い触針径2μ
m、触針圧30mg、測定圧30mg、カットオフ0.
8mgで中心線平均厚さを測定した。 12)フィルムの表面剥離強度 フィルム表面にテープ(ニチバン社製、セロテープCT
−18)を5cm貼り付け、十分密着させ、60℃で2
4時間保存する。その後、フィルムが動いたりしないよ
うにテープの周囲を手で抑え、フィルムと平行にテープ
を剥ぐ。その剥いだテープの面積に対するフィルムの付
着面積の割合により以下のようにランク分けした。 ○・・・・0〜10% △・・・11〜50% ×・・・50%以上
【0025】実施例1 中心層Aには、原料として固有粘度0.64のポリエチ
レンテレフタレート樹脂85重量%とメルトフローイン
デックス3.5g/10分でn−ヘキサン抽出分の量が
6.9gである一般用ポリスチレン15重量%の割合で
配合したポリエステル組成物を、表層Bには、原料とし
て固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート樹脂
87重量%とアナターゼ型二酸化チタン13重量%の割
合で配合したポリエステル組成物をそれぞれ個別の押出
機により294℃で溶融し1つのダイスに導き押出し
し、静電気的に冷却回転ロールに密着固化し、引き続き
ロール延伸機で88℃で3.3倍縦延伸を行い、引き続
きテンターで128℃で3.3倍延伸し、220℃で熱
固定し、内部に多数の空洞を含有するポリエステルフィ
ルムを得た。このフィルムの水性インキの印刷適性も、
はじきが無く、接着性も良好であった。
【0026】実施例2 実施例1において、B層をポリエチレンテレフタレート
樹脂のみを用いた以外はまったく同様の方法において、
空洞含有ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの
印刷適性も、はじきが無く、接着性も良好であった。 実施例3 実施例1において、A層のポリスチレン樹脂の含有量を
22重量%とし、厚みをB/A/Bで5/90/5μm
にした以外はまったく同様の方法において空洞含有ポリ
エステルフィルムを得た。このフィルムの印刷適性も、
はじきが無く、接着性も良好であった。 実施例4 実施例1において、B層の二酸化チタンのかわりに炭酸
カルシウムを30重量%含有し、厚みをB/A/Bで3
/34/3μmにした以外は、まったく同様の方法にお
いて空洞含有ポリエステルフィルムを得た。このフィル
ムの印刷適性も、はじきが無く、接着性も良好であっ
た。
【0027】比較例1 実施例1において、A層のみの単膜の空洞含有ポリエス
テルフィルムを得た。水性インキを印刷した際にインキ
のはじきが発生すると共に、インキの接着性も不十分で
あった。 比較例2 実施例1において、厚みをB/A/Bで0.1/50/
0.1とした以外はまったく同様の方法において空洞含
有ポリエステルフィルムを得た。水性インキを印刷した
際に部分的にインキのはじきがみられた。 比較例3 実施例1において、A層のポリエチレンテレフタレート
樹脂を98重量%、ポリスチレン樹脂を2重量%にした
以外はまったく同様の方法において空洞のほとんど含有
していないフィルムを得た。密度が高く本発明の主旨と
はまったく異なるものであった。
【0028】実施例5 実施例1で得た空洞含有ポリエステルフィルムに、溶剤
系ポリエステル接着剤バイロン(東洋紡績社製)とポリ
ウレタン系硬化剤タケネートD110N(武田薬品社
製)を固形重量比で250:1の割合になるように混合
したコート剤をグラビアコーターで塗布した。乾燥後の
塗膜の厚さは0.2μmであった。この塗膜面に水性イ
ンキを印刷したところ、インキのはじきもなく接着性も
きわめて良好であった。 比較例4 比較例1で得た空洞含有ポリエステルフィルムに、実施
例5とまったく同様にコート剤を塗布し、水性インキを
印刷をしたところ、インキのはじきはなかったが接着力
は不十分であった。
【0029】
【発明の効果】本発明の空洞含有ポリエステルフィルム
は、従来のポリスチレンやポリオレフィンを空洞発現剤
として用いて得られる空洞含有ポリエステルフィルムと
同様に、軽量性、柔軟性、隠ぺい性、描画性などを有し
ていると共に、従来の空洞含有ポリエステルフィルムに
比べ、空洞発現剤であるポリスチレン系樹脂を限定せず
に用いることができるため、安価でかつ印刷性や水性イ
ンキの接着性に優れたものとなった。よってラベル、ポ
スター、記録紙、包装用材料などのきわめて広い分野で
使用できる。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−182349(JP,A) 特開 昭61−146539(JP,A) 特開 平3−261555(JP,A) 特開 平2−80247(JP,A) 特開 平2−26739(JP,A) 特表 平6−500642(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルにポリスチレン系樹脂が混
    合された重合体混合物を少なくとも1軸に配向すること
    により製造される微細な空洞を多数含有する中心層
    (A)の片面又は両面に熱可塑性樹脂からなる表層
    (B)を設け、かつフィルム全体の密度が0.96〜
    1.15g/cm 3 であることを特徴とする空洞含有ポ
    リエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 表層(B)に無機粒子を0.05〜40
    重量%含有したことを特徴とする請求項1の空洞含有ポ
    リエステルフィルム。
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