JPH0625274B2 - 空洞含有ポリエステルフィルム - Google Patents

空洞含有ポリエステルフィルム

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JPH0625274B2
JPH0625274B2 JP2338600A JP33860090A JPH0625274B2 JP H0625274 B2 JPH0625274 B2 JP H0625274B2 JP 2338600 A JP2338600 A JP 2338600A JP 33860090 A JP33860090 A JP 33860090A JP H0625274 B2 JPH0625274 B2 JP H0625274B2
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polyester
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敦 多賀
敏郎 山田
勝文 熊野
明人 濱野
勝朗 久世
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ラベル、ポスター、記録紙、包装材料などに
用いる際、インキやコート剤などの濡れ性と接着性が改
良されたフイルム内部に微細な空洞を多量に含有した描
画性を有するポリエステルフイルムに関する。
(従来の技術) 合成樹脂を主原料とした紙代替物である合成紙は、天然
紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、表面平滑性、印
刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに優れている。
近年、これらの長所を活かした用途展開が進められてい
る。
合成紙の主原料としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステルなどが用いられているが、この中でも
ポリエチレンテレフタレートを代表とするポリエステル
は、耐熱性が高い点や、腰が強いという点で優れてお
り、広範な用途展開が可能である。
ポリエステルを主原料とした紙と類似した機能を有する
フイルムを得る方法として、従来(1)微細な空洞をフイ
ルム内部に多量に含有させる方法や通常の平坦なポリエ
ステルフイルムを(2−1)サンドプラスト処理や(2
−2)ケミカルエッチング処理や(2−3)マット化処
理(マット剤をバインダーとともに積層する方法)など
によって表面を粗面化する方法、などが開示されてい
る。
これらの中で、(1)の微細な空洞をフイルム内部に多量
に含有させる方法には、フイルム自体を軽量化できる点
や適度な柔軟性を付与できて、鮮明な印刷や転写が可能
になるという利点がある。
微細な空洞をフイルム内部に生成させる方法として、従
来、ポリエステルと相溶しないポリマーを押出機で溶融
混練し、ポリエステル中に該ポリマーを微粒子状に分散
させたシートを得て更に該シートを延伸することによっ
て微粒子の周囲に空洞を発生させる方法が開示されてい
る。
空洞発生のため用いられるポリエステルに相溶しないポ
リマー(以下、空洞発現剤と呼ぶ)としては、ポリオレ
フィン系樹脂(たとえば特開昭49‐134755号公報)やポ
リスチレン系樹脂(たとえば特公昭49‐2016号公報、特
公昭54‐29550号公報)やポリアリレート樹脂(たとえ
ば特公昭58‐28097号公報)など多数提案されている。
これらの中でポリスチレンとポリプロピレンは、空洞が
できやすい点や安価である点で好ましい。しかし、ポリ
スチレンまたはポリプロピレンを空洞発現剤として得ら
れた空洞含有ポリエステルフイルムは、空洞発現剤や空
洞の大きさ、厚み等が不適切であると、製膜中の破断や
テンターのクリップはずれが多数回起こるため、生産性
が著しく劣るという欠点があった。また、フイルムの厚
さ方向の強度が劣るため、テープなどを接着した後にそ
れを剥がすと、フイルム表層も共に剥げるという欠点も
あった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は前記の欠点、即ち空洞含有ポリエステルフイル
ム内部の空洞発現剤や空洞の大きさ、厚み等を改良する
ことにより、生産性を向上させ、表層の強度が高く描画
性の良い記録紙などに好適な材料を提供せんとするもの
である。
(課題を解決するための手段) 即ち本発明は、ポリエステルとポリエステルに非相溶性
の熱可塑性樹脂が混合された重合体混合物を少なくとも
1軸に配向することにより製造される微細な空洞を多数
有する空洞含有ポリエステルフイルムにおいて、該フイ
ルム中に存在するポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹
脂の長軸径が1〜50μm、厚さが10μm以下、長軸径と
厚さの比が2〜100であることを特徴とした空洞含有ポ
リエステルフイルムに関するものである。
ここで図1〜8に空洞、ポリエステルに非相溶性の熱可
塑性樹脂及びこれらの長軸径、厚み等を示す。
本発明でいうポリエステルとはテレフタル酸、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボ
ン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、1,4‐ブタンジオール、ネオペンチル
グリコールのごときグリコールとを重縮合させて製造さ
れるポリエステルである。これらのポリエステルは芳香
族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させて製造さ
れるほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグ
リコールとをエステル交換反応させた後重縮合させる
か、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステ
ルを重縮合させる等の方法によって製造される。かかる
ポリエステルの代表例としてはポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレートあるいはポリエチレ
ン−2,6‐ナフタレートなどが挙げられる。このポリ
エステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を共
重合したものであってもよい。いずれにしても本発明に
おいては、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレ
フタレート単位あるいはエチレン−2,6‐ナフタレー
ト単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に
好ましくは90モル%以上であるポリエステルが好まし
い。
本発明に用いられるポリエステルに非相溶性の熱可塑性
樹脂は、上記したポリエステルに非相溶性のものであれ
ば制限なく用いることができるが、300℃以下で融解す
るものであり、かつ、押出し温度において安定性の良好
なものが好ましい。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、アイオノマー樹
脂EPラバー等の共重合ポリオレフィン樹脂、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリルニトリル共重合体、スチレン−
ブタジエン−アクリルニトリル共重合体等のポリスチレ
ン系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアクリルニトリル系樹脂等を挙げることができ
る。これらの中で、ポリオレフィン系樹脂及びポリスチ
レン系樹脂が特に好適である。
本発明の該ポリエステルと該ポリエステルに非相溶性の
熱可塑性樹脂を混合させた重合体混合物は、たとえば、
各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融混練した後、押
出して固化することによって得られる。この他にも予じ
め混練機によって両樹脂を混練したものを更に押出機よ
り溶融押出しして、固化する方法や、ポリエステルの重
合工程においてポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂
を添加し、撹拌分散して得たチップを溶融押出しして固
化する方法などによっても得られる。固化して得た重合
体は通常、無配向もしくは弱い配向状態のものである。
また、該ポリエステル中に該ポリエステルに非相溶性の
熱可塑性樹脂が、球状もしくは楕円球状、もしくは糸状
など様々な形状で分散した形態をとっている。その分散
径は、球状のもので直径、0.1〜30μmである。該重合
体混合物には、用途に応じて顔料、着色剤、耐光剤、螢
光剤、帯電防止剤などを添加することも可能である。こ
うして得た重合体混合物は、更に速度差をもったロール
間での延伸(ロール延伸)やクリップに把持して拡げて
いくことによる延伸(テンター延伸)や空気圧によって
拡げることによる延伸(インフレーション延伸)などに
よって少なくとも1軸に配向処理する。このときに分散
された該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂と該ポ
リエステルとの界面ではく離が起こり重合体混合物に空
洞が多数発生する。
したがって該ポリエステルに混合させる該ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂の量は、目的とする空洞の量
によって異なってくるが、重合体混合物全体に対して1
重量%〜35重量%が好ましい。1重量%未満では、ボイ
ドの生成量を多くすることに限界があり、目的の柔軟性
や軽量性や描画性が得られない。逆に、40重量%以上で
は、ポリエステルフイルムの持つ耐熱性や強度が著しく
損なわれる。
本発明における最も重要な点として、該フイルム中に存
在するポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径
が1〜50μm、厚さが10μm以下、長軸径と厚さの比が
2〜100であることである。
ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径が50μ
m以上、厚さが10μm以上になると、発現する空洞が大
きくなりすぎるため、フイルムの厚さ方向の強度が劣
り、(従来の技術)の項で記したようなフイルム表層の
剥離の原因や、生産時の破断の原因となる。また、ポリ
エステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径と厚さの比
が2未満では、ポリエステルとポリエステルに非相溶性
の熱可塑性樹脂の接合面が小さくなるためにフイルムの
厚さ方向の強度が劣り(従来の技術)の項で記したよう
なフイルム表層の剥離の原因となる。更にポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径が1μm未満又は長
軸径と厚さの比が100以上では、空洞含有率が低くなり
好ましくない。
該重合体混合物を配向処理する条件は、空洞の生成と密
接に関連がある。したがって本目的を達するための条件
はたとえば、最も一般的に行われている逐次2軸延伸工
程を例に挙げると、該重合体混合物の連続シートを長手
方向にロール延伸した後に巾方向にテンター延伸する逐
次2軸延伸法の場合以下の様になる。ロール延伸におい
ては多数の空洞を発生させるため、温度を該ポリエステ
ルに非相溶性の熱可塑性樹脂の2次転移温度+10℃以
下、倍率を1.2〜5倍とするのが好ましい。テンター延
伸においては破断せずに安定製膜するため、温度を該ポ
リエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の2次転移温度+
10℃以上、倍率を1.2〜5倍とするのが好ましい。
したがって、該ポリエステルに混合させる該ポリエステ
ルに非相溶性の熱可塑性樹脂は2次転移温度が70〜130
℃の範囲であることが好ましく、それに相当する樹脂に
は例えばポリスチレンやポリメチルペンテン等が挙げら
れる。
延伸配向処理した空洞含有フイルムは、130℃以上好ま
しくは180℃以上で熱固定処理を行うと高温での寸法安
定性を向上させることができる。
又、一軸方向にのみ配向させた空洞含有フイルムは、収
縮性フイルムや易引裂き性フイルムなどに有用である。
本発明は、配向処理によって空洞を発生させた空洞含有
ポリエステルフイルムに関するものであるので、少なく
とも1軸に配向させることが必要である。
(作 用) 本発明において、主としてエチレンテレフタレートくり
返し単位から構成されたポリエステルを用いるのは、該
空洞含有ポリエステルフイルムの耐熱性や機械的強度を
満足させるためである。
本発明において、該ポリエステルに該ポリエステルに非
相溶性の熱可塑性樹脂を混合し、重合体混合物を得るの
は、該ポリエステル中に該ポリエステルに非相溶性の熱
可塑性樹脂の微細な粒子を分散させて、次の配向処理に
よって生じる空洞の核を作るためである。
本発明において、該重合体混合物を少なくとも1軸に配
向するのは、重合体混合物に多数の微細な空洞を発生さ
せるためである。空洞を発生させることによってフイル
ムの軽量化でき、作業性が良くなり、面積当りの価格も
安くなる。又空洞を含有することによって柔軟性が増
し、印刷、転写を行う時に鮮明な印刷、印字が可能とな
る。更に空洞を含有することによって、光線隠蔽性や白
さが得られる。また、フイルム表面にも該ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂に由来する突起が多数形成さ
れ、鉛筆やボールペンによる筆記が可能になる。
特に本発明において重要であるのは、該フイルム中に存
在するポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径
が1〜50μm、厚さ10μm以下、長軸径と厚さの比が2
〜100であることである。
ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径が50μ
m以上、厚さが10μm以上になると、発現する空洞が大
きくなりすぎるため、フイルムの厚さ方向の強度が劣
り、(従来の技術)の項で記したようなフイルム表層の
剥離の原因や、生産時の破断の原因となる。また、ポリ
エステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径と厚さの比
が2未満では、ポリエステルとポリエステルに非相溶性
の熱可塑性樹脂の接合面が小さくなるためにフイルムの
厚さ方向の強度が劣り(従来の技術)の項で記したよう
なフイルム表層の剥離の原因となる。
更にポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径が
1μm未満又は長軸径と厚さの比が100以上ては、空洞
含有率が低くなり好ましくない。
(実施例) 次に本発明の実施例及び比較例を示す。
本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定し
た。
2)フイルム中のポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂
の長軸径、厚さ及び長軸径と厚さの比 フイルムを断面方向にミクロトームで切り出し、四酸化
ルテニウム(ルテニウムクロライドハイドライトと次亜
塩素酸ナトリウムを反応させたもの)で染色したものを
透過型電子顕微鏡(日本電子製 JEM‐200CX型)で20か
所写真を撮り、それぞれを画像処理装置ルーゼックスII
D(ニレコ社製)で測定、集計した。この場合、ポリエ
ステル、ポリスチレン又は、ポリメチルペンテン及び空
洞の違いは四酸化ルテニウムの染色の度合が以下のよう
に異なる点から判断した。
ポリエステル…薄い灰色 ポリスチレン…白色 ポリメチルペンテン…濃い灰色 空洞…黒色 3)空洞の長軸径 2)項に同じ 4)フイルムの見掛け比重 フイルムを5.00cm×5.00cmの正方形に正確に切り出し
て、それの厚みを50点測定し平均厚みtμmとし、それ
の重さを0.1mgまで測定しwgとし、下式によって計算し
た。
見掛け比重(−)=W/5×5×t×10000 5)フイルムの空洞含有率 下式によって計算した。
空洞含有率(体積%)= 100×(1−真比容積/見掛け比容積) 但し、 真比容積=x1/d1+x2/d2+x3/d3+…+x1/d1+… 見掛け比容積=1/フイルムの見掛け比重 上式におけるx1はi成分の重量分率、d1はi成分の真比
重を表わす。
実施例中の計算において用いた真比重の値は、ポリエチ
レンテレフタレート1.40、アナターゼ型二酸化チタン3.
90、一般用ポリスチレン樹脂1.05、ポリメチルペンテン
樹脂0.83を用いた。
6)フイルムの表面剥離強度 フイルム表面にテープ(ニチバン社製 セロテープCT‐
18)を5cm貼りつけ、十分密着させる。その後、フイル
ムが動いたりしないためにテープの周囲を手で押さえ、
フイルムと平行方向にテープを剥ぐ。その剥いだテープ
の面積に対するフイルム付着面積の割合により以下のよ
うにランク分けした。
○……0〜10% △……11〜70% ×……71%以上 実施例1 原料として(1)固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂90重量%と(2)メルトフローインデックス3.0g
/10分一般用ポリスチレン10重量%を、2軸スクリュー
押出機でTーダイスより285℃で溶融押出しし、静電気
的に冷却回転ロールに密着同化し、ひき続きロール延伸
機で80℃で3.2倍縦延伸を行い、更にひき続きテンター
で140℃で3.4倍横延伸し、220℃で熱固定し、半透明の
ポリエステルフイルムを得た。
このフイルムの空洞含有率は11体積%であり、テープに
よる表層剥離は全く起こらなかった。また破断は全くな
かった。
実施例2 実施例1においてポリエチレンテレフタレート樹脂を90
重量%から82重量%減らし、アナターゼ型二酸化チタン
8重量%(予め(1)の樹脂の一部と混練したもの)を加
えた以外は全く同様にして、白色不透明の空洞含有フイ
ルムを得た。これの空洞含有率は18体積%であり、テー
プによる表層剥離は全く起こさず製膜中に破断はなかっ
た。フイルム内部を観察すると、大部分はポリスチレン
が偏平な状態で存在する空洞であるが、二酸化チタンが
存在する空洞もみられた。
実施例3 実施例2においてポリエチレンテレフタレート樹脂を82
重量%から72重量%に減らし、一般用ポリスチレンを10
重量%から20重量%に増やした以外は全く同様にして、
白色不透明の空洞含有フイルムを得た。これの空洞含有
率は29体積%であり、テープによる表層剥離はほとんど
起こさず、また製膜中に破断はほとんどなかった。フイ
ルム内部を観察すると、ポリスチレンが偏平な形で存在
する空洞が多数みられた。
実施例4 実施例1において、一般用ポリスチレンのかわりにポリ
メチルペンテンを用いた以外は全く同様にして半透明の
ポリエステルフイルムを得た。これの空洞含有率は18体
積%であり、テープによる表層剥離は全く起こらなかっ
た。また製膜中破断は全くなかった。
比較例1 実施例2においてポリエチレンテレフタレート樹脂を90
重量%から52重量%に減らし、一般用ポリスチレンを10
重量%から40重量%に増やした以外は全く同様にして空
洞含有フイルムを得た。これの空洞含有率は38重量%で
テープにより表面剥離を起こした。また、製膜中の破断
は多数回あった。フイルム内部を観察するとポリスチレ
ンと空洞の長軸径が大きくなっていることがわかった。
比較例2 実施例2においてテンターの温度を100℃にした以外は
全く同様にして空洞含有フイルムを得た。これの空洞含
有率は21重量%でテープによる表層剥離を比較例1より
も少ないが起こした。
フイルム内部を観察すると、実施例2に比べてポリスチ
レンが球に近い形のものがいくつかみられた。
比較例3 実施例2においてテンターの温度を90℃にした以外は全
く同様にして空洞含有フイルムを得た。これの空洞含有
率は24重量%でテープによる表層剥離を起こした。また
製膜中は破断が多発した。フイルム内部を観察すると実
施例2、比較例2に比べて、ポリスチレンが球形になっ
ていた。
比較例4 実施例3においてテンターの温度を100℃にした以外は
全く含有フイルムを得た。これの空洞含有率は28重量%
でテープによる表層剥離を起こした。また製膜中は破断
が多発した。
フイルム内部を観察するとポリスチレンの厚さが10μm
以上のものもみられ、実施例3に比べて空洞の長軸径が
大きくなっていた。
比較例5 実施例2においてロール延伸機の温度を80℃から120℃
に上げた以外は全く同様にして空洞含有フイルムを得
た。これの空洞含有率は3体積%であった。フイルム内
部を観察するとポリスチレンが長軸方向に糸状に伸び、
空洞がほとんどみられなかった。
(発明の効果) 本発明の空洞含有ポリエステルフイルムおよびその積層
体は、従来のポリスチレンやポリプロピレンを空洞発現
剤として用いて得られる空洞含有ポリエステルフイルム
と同様に、通常の空泡を含まないポリエステルフイルム
に無い、軽量性、柔軟性、隠蔽性、艷消し性、描画性な
どを有しているとともに、従来のポリスチレンやポリプ
ロピレンを空洞発現剤として用いて得られる空洞含有ポ
リエステルフイルムに比べ、該フイルム製造時において
製膜中の破断やテンターでのクリップはずれ等の発生頻
度が押えられており生産性が高く、低コストで製造で
き、かつ空洞発現剤の空洞の大きさ、厚み等が適切であ
るため、テープなどによる表層剥離も起こさず描画性に
も優れている。
従って本発明の空洞含有ポリエステルフイルムは、ラベ
ル、ポスター、記録紙、包装材料などの極めて広い分野
で使用できる。
【図面の簡単な説明】
図1.重合体混合物の未延伸シートの断面方向の模式図 図2.図1の未延伸シートを延伸した後の断面の方向の
模式図 図3.延伸したフイルム中のポリエステルに非相溶性の
熱可塑性樹脂と空洞の断面方向の模式図 図4.延伸したフイルム中のポリエステルに非相溶性の
熱可塑性樹脂の断面方向の模式図 図5.重合体混合物の未延伸シートの表面の模式図 図6.図5の未延伸シートを延伸した後の表面の模式図 図7.延伸したフイルム中のポリエステルに非相溶性の
熱可塑性樹脂と空洞の表面の模式図 図8.延伸したフイルム中のポリエステルに非相溶性の
熱可塑性樹脂の表面の模式図 なお図中の記号は以下のように定義する。 1……フイルム中のポリエステル 2……フイルム中のポリエステルに非相溶性の熱可塑性
樹脂 3……フイルム中の空洞 a……空洞の長軸径 b……空洞の厚さ c……空洞の短軸径 d……ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の長軸径 e……ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の厚さ f……ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の短軸径 x……フイルムの厚さ方向 Y……フイルムの短軸方向 Z……フイルムの長軸方向 ここでフイルムの長軸と短軸は任意の方向とし、a≧
c、d≧fとなるように定義する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:00 (72)発明者 濱野 明人 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 積株式会社総合研究所内 (72)発明者 久世 勝朗 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 積株式会社総合研究所内 審査官 野村 康秀

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルとポリエステルに非相溶性の
    熱可塑性樹脂が混合された重合体混合物を少なくとも1
    軸に配向することにより得られる微細な空洞を多数有す
    る空洞含有ポリエステルフイルムにおいて、該フイルム
    中に存在するポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の
    長軸径が1〜50μm、厚さが10μm以下、長軸径と厚さ
    の比が2〜100であることを特徴とした空洞含有ポリエ
    ステルフイルム。
JP2338600A 1990-11-30 1990-11-30 空洞含有ポリエステルフィルム Expired - Lifetime JPH0625274B2 (ja)

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