JPH06179765A - 空洞含有ポリエステル系フイルム - Google Patents

空洞含有ポリエステル系フイルム

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JPH06179765A
JPH06179765A JP3032067A JP3206791A JPH06179765A JP H06179765 A JPH06179765 A JP H06179765A JP 3032067 A JP3032067 A JP 3032067A JP 3206791 A JP3206791 A JP 3206791A JP H06179765 A JPH06179765 A JP H06179765A
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勝也 伊藤
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敦 多賀
Katsufumi Kumano
勝文 熊野
Katsuro Kuze
勝朗 久世
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細な空洞を多量含有し、かつ表面が劈開
しがたいポリエステル系フイルムを得る。 【構成】 主としてエチレンテレフタレート繰返し単
位から構成されたポリエステルとそれに非相溶な熱可塑
性樹脂との混合物が延伸された空洞含有フイルムであっ
て、表面から深さ3μmまでの層に含まれる空洞が4体
積%以下であり、かつ全体層の平均空洞率が8体積%以
上である空洞含有ポリエステル系フイルム。 【効果】 表面強度が強い空洞含有ポリエステルフイ
ルムでありラベル、ポスター、記録紙、包装材料等に好
適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラベル、ポスター、記
録紙、包装材料の基材として用いる際、上から粘着テー
プを貼った後、はがしても、基材表面が劈開しないよう
な、表面の強度に優れた微細な空洞を多量に含有したポ
リエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面平滑性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに
優れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が
進められている。合成紙の主原料としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステルなどが用いられてい
るが、この中でもポリエチレンテレフタレートを代表と
するポリエステルは、耐熱性が高い点や、腰が強いとい
う点で優れており、広範な用途展開が可能である。
【0003】ポリエステルを主原料とした紙と類似した
機能を有するフイルムを得る方法として、従来(1)微
細な空洞をフイルム内部に多量に含有させる方法や通常
の平坦なポリエステルフイルムを(2−1)サンドプラ
スト処理や(2−2)ケミカルエッチング処理や(2−
3)マット化処理(マット剤をバインダーとともに積層
する方法)などによって表面を粗面化する方法、などが
開示されている。これらの中で、(1)の微細な空洞を
フイルム内部に多量に含有させる方法には、フイルム自
体を軽量化できる点や適度な柔軟性を付与できて、鮮明
な印刷や転写が可能になるという利点がある。
【0004】微細な空洞をフイルム内部に生成させる方
法として、従来、ポリエステルと相溶しないポリマーを
押出機で溶融混練し、ポリエステル中に該ポリマーを微
粒子状に分散させたシートを得て更に該シートを延伸す
ることによって微粒子の周囲に空洞を発生させる方法が
開示されている。空洞発生のため用いられるポリエステ
ルに相溶しないポリマー(以下、空洞発現剤と呼ぶ)と
しては、ポリオレフィン系樹脂(たとえば特開昭49−
134755号公報)やポリスチレン系樹脂(たとえば
特公昭49−2016号公報、特公昭54−29550
号公報)やポリアリレート樹脂(たとえば特公昭58−
28097号公報)など多数提案されている。これらの
中でポリスチレンとポリプロピレンは、空洞ができやす
い点や安価である点で好ましい。
【0005】しかし、こうして得られた空洞含有ポリエ
ステルフイルムは、表面に粘着テープを貼った後、はが
そうとすると表面が劈開してしまうという欠点がある。
また空洞含有ポリエステルフイルムを粘着加工したりラ
ミネート加工して、ラベルや包装材料に用いたとき、基
材が劈開しやすいという欠点もある。こうした欠点に対
して表面に劈開に対して強い層を共押し出し法やラミネ
ート法やコート法で積層することが、対策として考えら
れるが、こうした方法には新たな設備投資や加工工程が
必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は微細空洞を多
量に含有し、かつ表面の強度か強い空洞含有ポリエステ
ル系フイルムを単層の押し出し工程からなる延伸フイル
ム製造工程で製造し、ラベル、ポスター、記録紙、包装
材料の基材として好適な基材を提供せんとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、主とし
てエチレンテレフタレート繰り返し単位から構成された
ポリエステルに該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂
が混合された重合体混合物を少なくとも1軸に配向する
ことにより製造される微細な空洞を多数有する空洞含有
ポリエステル系フイルムにおいて、表面から深さ3μm
までの表層に含まれる空洞が4体積%以下であり、かつ
全体層の平均空洞率が8体積%以上であることを特徴と
する空洞含有ポリエステル系フイルムに関するものであ
る。
【0008】本発明における主としてエチレンテレフタ
レート繰り返し単位から構成されたポリエステルとは、
テレフタル酸および又はその誘導体とエチレングリコー
ルとから重合反応によって得られたエチレンテレフタレ
ート繰り返し単位を好ましくは70モル%以上含む熱可
塑性ポリエステルである。該ポリエステルは、その他の
ジカルボン酸成分、および/またはジオール成分、およ
び/またはオキシカルボン酸成分が共重合されていても
かまわない。また該ポリエステルは、ポリブチレンテレ
フタレート、および/またはポリエチレン2,6−ナフ
タレートおよび/またはポリシクロヘキシレンジメチレ
ンテレフタレートなどのポリエステルが配合されていて
もかまわない。該ポリエステルは、常法により、溶融重
合させることによって製造できるが、これに限定される
ものではなくその他の重合法によって得られるポリエス
テルであっても良い。該ポリエステルの重合度は、固有
粘度にして0.3〜1.2のものが好ましい。
【0009】本発明における該ポリエステルに非相溶な
熱可塑性樹脂とは、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、セ
ルロース系樹脂、石油樹脂、合成ゴム、天然ゴム、ポリ
カーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレー
ト系樹脂、ポリエーテル系樹脂などがあげられる。すな
わち該ポリエステルと混合し、溶融混練するとミクロ相
分離し、海島構造を形成する樹脂である。好ましくは、
該ポリエステルと溶融押出しを行う時にそれ自身分解し
にくく、また該ポリエステルと反応しにくいものが良
い。又、該熱可塑性樹脂は、該ポリエステルとの重合体
混合物にした時該ポリエステル中に0.1〜50μmの
粒子径で分散するものが好ましい。更に該重合体混合物
を延伸する際に該ポリエステルと該熱可塑性樹脂の粒子
の界面ではくりが生じて、空洞ができやすいものが好ま
しい。例えばポリスチレン系樹脂が好適である。
【0010】ポリスチレン系樹脂とは、スチレンモノマ
ーを重合して得られるポリスチレンホモポリマーおよび
他のモノマーを共重合したスチレンの繰返し単位を主と
するランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共
重合である。さらにかかるポリマーに他のポリマーを配
合したブレンド物やポリマーアロイも含まれる。例え
ば、一般用の非晶性ポリスチレン、立体規則性のある結
晶性ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニ
トリルスチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン樹脂などが挙げられる。
【0011】本発明の該ポリエステルと該熱可塑性樹脂
を混合させた重合体混合物は、たとえば、各樹脂のチッ
プを混合し押出機内で溶融混練した後、押出しして固化
することによって得られる。この他にも予じめ混練機に
よって両樹脂を混練したものを更に押出機より溶融押出
しして、固化する方法や、ポリエステルの重合工程にお
いて熱可塑性樹脂を添加し、攪拌分散して得たチップを
溶融押出しして固化する方法などによっても得られる。
固化して得た重合体は通常、無配向もしくは弱い配向状
態のものである。また、該ポリエステル中に該熱可塑性
樹脂が、球状もしくは楕円球状、もしくは糸状など様々
な形状で分散した形態をとっている。その分散径は、球
状のもので直径、0.1〜30μmである。
【0012】更に、本発明における表層のみ空洞が少な
い空洞含有フイルムを得るためには、該熱可塑性樹脂の
粒子の分散状態が厚み方向に対して分布を持ち、中心層
の粒子径に比べ、表層付近の粒子径の方が小さい様な分
布になっていることが好ましい。分散状態が厚み方向に
対して分布を持った熱可塑性樹脂の粒子を含有した該ポ
リエステル樹脂の重合体混合物のシートは、該ポリエス
テルと該熱可塑性樹脂の溶融時の粘弾性と押出し条件を
選ぶことによって得られる。たとえば、押出しダイのス
リットで働く剪断応力を通常より高くすることによって
通常は、厚み方向に均一な熱可塑性樹脂の分散状態を、
表層付近には通常の熱可塑性樹脂の粒子径の10分の1
以下である微小な粒子が存在し、中央付近には通常の粒
子径の粒子が存在する様な重合体混合物のシートを得る
ことができる。
【0013】該重合体混合物には、用途に応じて顔料、
着色剤、耐光剤、螢光剤、帯電防止剤などを添加するこ
とも可能である。こうして得た重合体混合物は、更に速
度差をもったロール間での延伸(ロール延伸)やクリッ
プに把持して拡げていくことによる延伸(テンター延
伸)や空気圧によって拡げることによる延伸(インフレ
ーション延伸)などによって少なくとも1軸に配向処理
する。このときに分散された該ポリスチレン系樹脂と該
ポリエステルとの界面ではく離が起こり重合体混合物に
空洞が多数発生する。したがって該ポリエステルに混合
させる該ポリスチレン系樹脂の量は、目的とする空洞の
量によって異なってくるが、重合体混合物全体に対して
1重量%〜35重量%が好ましい。1重量%未満では、
ポイドの生成量を多くすることに限界があり、目的の柔
軟性や軽量性や描画性が得られない。逆に、40重量%
以上では、ポリエステルフイルムの持つ耐熱性や強度が
著しく損なわれる。また、表面強度が強く劈開しにくい
空洞含有フイルムを得ることも難しくなる。
【0014】該重合体混合物を配向処理する条件も空洞
の生成と密接に関連がある。たとえば最も一般的に行わ
れている逐次2軸延伸工程を例に挙げると、該重合体混
合物の連続シートを長手方向にロール延伸した後に巾方
向にテンター延伸する逐次2軸延伸法の場合、ロール延
伸の温度は50〜140℃、倍率は1.2倍〜5倍が、
テンター延伸の温度は60〜150℃、倍率は1.2〜
5倍が好ましい。
【0015】延伸の温度を厚み方向で分布を持たせ、表
層を中心層より高い温度で延伸することによって本発明
の表層のみ空洞が少ない空洞含有フイルムを得ることも
可能である。1軸のみに配向させた空洞含有フイルムの
方が2軸に配向させた空洞含有フイルムより、表面の強
度や劈開のしにくさの点で優れている。しかし、縦方向
と横方向の機械的強度のバランスや厚みの均一性、など
においては2軸配向させた空洞含有フイルムの方が好ま
しい。更に延伸配向処理した空洞含有フイルムは、13
0℃以上好ましくは180℃以上で熱固定処理を行うと
高温での寸法安定性を向上させることができる。熱固定
処理を行うと、延伸によって発生した空洞は一般に縮小
する。表層のみを高温にすることによって表層のみの空
洞を縮少させ、本発明の表層のみ空洞の少ない空洞含有
フイルムを得ることも可能である。又、一軸方向にのみ
配向させた空洞含有フイルムは、収縮性フイルムや易引
裂き性フイルムなどに有用である。本発明は、配向処理
によって空洞を発生させた空洞含有ポリエステルフイル
ムに関するものであるので、少なくとも1軸に配向させ
ることが必要である。
【0016】かくして得られた空洞含有ポリエステル系
フイルムは、表面から深さ3μmまでの表層に含まれる
空洞の空洞率が4体積%以下であり、かつ全体層の平均
空洞率が8体積%以上であることが必要である。表面か
ら深さ3μmまでの表層に含まれる空洞が4体積%より
多い場合、十分な表面の強度やへき開に対する強度が得
られない。また空洞率が4体積%以下である表層の厚み
が3μmより薄い場合も十分な表面の強度や劈開に対す
る強さが得られない。従って本発明では、中央部より空
洞の少ない表層部分は、深さが3μm以上であり、そこ
に含まれる空洞の空洞率は4体積%以下である必要があ
る。
【0017】更に全体層としては、空洞の平均空洞率が
8体積%以上である必要がある。全体層の平均空洞率が
8体積%より少ない場合、空洞含有フイルム特有の柔軟
性が不十分となり、鮮明な印刷や転写ができなくなる。
またフイルム自体の軽量化の効果も少なくなる。全体層
の平均空洞率は、50体積%以下が好適であり、平均空
洞率が50体積%以上の空洞含有フイルムはそれ自体延
伸工程での破断が多発するため製造しにくく、できたフ
イルムも表面の強度や引張り強度などが不十分となり好
ましくない。
【0018】更に好ましくは、本発明の該空洞含有ポリ
エステルフイルムの少なくとも片面に塗布層を設けるこ
とによってインキやコーティング剤などの濡れ性や接着
性が改良される。該塗布層を構成する化合物としては、
ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウ
レタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル
系樹脂などの通常のポリエステルフイルムの接着性を向
上させる手段として開示されている化合物が適用可能で
ある。
【0019】また塗布層を設ける方法としては、グラビ
アコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレ
イコート方式、カーテンコート方式、エアーナイフコー
ト方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方
式など通常用いられている方法が適用できる。塗布する
段階としては、配向処理を行う前の混合重合体物表面に
予め塗布する方法、1軸方向に配向した空洞含有フイル
ム表面に塗布し、それを更に直角方向に配向させる方
法、配向処理の終了した空洞含有フイルム表面に塗布す
る方法などのいづれの方法も可能である。
【0020】塗膜層の厚みは、目的のレベルにより異な
るが通常0.01〜10μmである。該塗布層には目的
に応じて適宜、着色剤、マット化剤、帯電防止剤、紫外
線吸収剤、架橋剤などを加えることも可能である。かく
して得られた空洞含有ポリエステルフイルムは、従来提
案されているポリスチレンやポリプロピレンを空洞発現
剤として用いた空洞含有ポリエステルフイルムに比べて
表面の強度や劈開に対する強度が優れているため、本発
明の空洞含有ポリエステルフイルムを基材として用いた
場合、表面の強度が強く、また劈開しにくいラベル、ポ
スター、記録用紙、包装材料などが得られる。
【0021】
【作用】本発明において、主としてエチレンテレフタレ
ートくり返し単位から構成されたポリエステルを用いる
のは、該空洞含有ポリエステルフイルムの耐熱性や機械
的強度を満足させるためである。本発明において、該ポ
リエステルに該熱可塑性樹脂を混合し、重合体混合物を
得るのは、該ポリエステル中に該ポリスチレン系樹脂の
微細な粒子を分散させて、次の配向処理によって生じる
空洞の核を作るためである。
【0022】本発明において、該重合体混合物を少なく
とも1軸に配向するのは、重合体混合物に多数の微細な
空洞を発生させるためである。空洞を発生させることに
よってフイルムは軽量化でき、作業性が良くなり、面積
当りの価格も安くなる。又空洞を含有することによって
柔軟性が増し、印刷、転写を行う時に鮮明な印刷、印字
が可能となる。更に空洞を含有することによって、光線
隠蔽性や白さが得られる。また、フイルム表面にも該ポ
リスチレン系樹脂に由来する突起が多数形成され、鉛筆
やボールペンによる筆記が可能になる。
【0023】本発明において表層3μmに含まれる空洞
の量を空洞率4体積%以下にするのは、表面の強度を強
くするためであり、表面の強度が強くなることによって
へき開に対する強さも向上する。一方、全体層の平均空
洞率を8体積%以上にするのは、鮮明な印刷や転写がで
きるような柔軟性を得るためである。
【0024】表層のみ空洞の量を少なくするには、該重
合体混合物中の該熱可塑性樹脂の分散粒子を表層付近の
方が中央付近より細かくする方法が有効であり、該ポリ
エステルと該熱可塑性樹脂の溶融粘度特性や押出し機よ
り溶融押出しする時の条件を選ぶことによって得られ
る。該重合体混合物の表層付近と中央部とで該熱可塑性
樹脂の分散粒子径が異なってくるのは、押出しダイス内
での剪断応力によるものであると思われるが明確ではな
い。
【0025】又、延伸時に厚み方向に延伸温度の分布を
持たせ、表層付近の空洞発生量を抑制することも可能で
ある。更に空洞の発生したフイルムを高温で処理するこ
とによって表層付近の空洞のみを縮少させることも可能
である。
【0026】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を示す。本
発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。 1) ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。 2) ポリスチレン系樹脂のメルトフローインデックス JIS K−7210に準じて200℃、荷重5Kgで
測定した。
【0027】3) 空洞含有フイルムの表層の空洞率 フイルムの断面の表層付近を走査型電子顕微鏡で写真撮
影した後、表層から深さ3μmまでの領域の空洞をトレ
ーシングフイルムにトレースし塗りつぶした図を画像解
析装置で画像処理を行い、空洞率を面積率で求め、この
値をそのまま体積%とし表示した。 ・使用した走査型電子顕微鏡 日立製作所製 S−510型の走査型電子顕微鏡 ・使用した画像解析処理装置 ルーゼックスIID(ニレコ株式会社製) 4) 空洞含有フイルムの中央部の空洞率 3)と同様の方法で中央付近の厚さ20μmの領域につ
いて求めた。
【0028】5) フイルムの見掛け比重 フイルムを5.00cm×5.00cmの正方形に正確
に切り出して、それの厚みを50点測定し平均厚みtμ
mとし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、
下式によって計算した。 見掛け比重(−)=W/5×5×t×10000 6) フイルムの平均空洞率 下式によって計算した。 平均空洞率(体積%)= 100×(1−真比容積/見掛け比容積) 但し、 真比容積=x1 /d1 +x2 /d2 +x3 /d3 +……
+xi /di +… 見掛け比容積=1/フイルムの見掛け比重 上式におけるxi はi成分の重量分率、di はi成分の
真比重を表わす。実施例中の計算において用いた真比重
の値は、ポチエチレンテレフタレート1.40、アナタ
ーゼ型二酸化チタン3.90、一般用ポリスチレン樹脂
1.050.91を用いた。
【0029】7) 空洞含有フイルムの隠蔽性 JIS K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フイルムの光線
透過率を測定した。この値が小さいほど隠蔽性が高い。
通常用いられている静電複写用パルプ紙を測定したとこ
ろ27%であった。 8) 表面強度 セロテープ(18mm巾、ニチバン製)を用い、セロテ
ープはくりテストにより表面強度を評価した。はくり角
は空洞含有フルイムを平面に保ち約150°方向で行っ
た。はくりされた空洞含有フイルムの面積より、以下の
ように差別化した。 クラス5・・・全体がはくりされた クラス4・・・ほとんどはくりされた クラス3・・・半分程度、はくりされた クラス2・・・ほとんどはくりしない クラス1・・・全くはりしない
【0030】実施例1 原料として(1)固有粘度0.62のポリエチレンテレ
フタレート樹脂86重量%(2)メルトフローインデッ
クス1.8g/10分の一般用ポリスチレン10重量%
(3)アナターゼ型二酸化チタン4重量%を2軸スクリ
ュー押出機でT−ダイスより285℃で溶融押出しし、
静電気力で冷却回転ロールに密着固化し、約600μm
の重合体混合物の未延伸シートを得た。この時、T−ダ
イススリット間の間隙は2.0mmで、その部分での重
合体混合物の融液の平均流速は8.5m/秒であった。
ひき続き、該未延伸シートをロール延伸機を用い80℃
で3.5倍縦方向に延伸を行い、次いでテンターを用い
130℃で3.5倍横延伸を行い、更に220℃で3%
緩和させながら熱固定を行った。得られた空洞含有フイ
ルムの表層の空洞率は1体積%、中央部は18体積%、
全体の平均空洞率は16体積%であった。また空洞の少
ない部分は表層から約5μmの深さまで存在していた。
本実施例で得られた空洞含有フイルムは、表面の強度が
優れていた。尚、本実施例の重合体混合物の未延伸シー
トの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、中央部
のポリスチレンの分散粒子径が平均4.8μmであるの
に対して、表層付近分散粒子径は、平均0.6μmであ
った。
【0031】実施例2 実施例1において吐出量を上げることによって厚さ約1
200μmの重合体混合物の未延伸シートを得た後、同
様に延伸した後、熱固定を行い厚さ約105μmの空洞
含有フイルムを得た。得られた空洞含有フイルムの表層
の空洞率は1体積%、中央部は18体積%、全体の平均
空洞率は17体積%であった。また空洞の少ない部分は
表層から約8μmの深さまで存在した。本実施例で得ら
れた空洞含有フイルムは表面の強度が優れていた。
【0032】比較例1 実施例1においてT−ダイススリット間の間隙を4.0
mmにし、スリット間での重合体混合物の融液の平均流
速は4.2m/秒にして、厚さ約600μmの重合体混
合物の未延伸シートを得た後、同様に延伸した後熱固定
を行い、厚さ約600μmの空洞含有フイルムを得た。
得られた空洞含有フイルムの表層の空洞率は12体積
%、中央部は20体積%、全体の平均空洞率は19体積
%であった。本比較例で得られた空洞含有フイルムは表
面の強度が悪かった。尚、本比較例の重合体混合物の未
延伸シートの断面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、ポリスチレンの分散粒子径は平均5.9μmで、厚
み方向に対してほぼ均一に分散していた。
【0033】比較例2 比較例1において重合体混合物の未延伸シートを得る
際、冷却ロールへの引取り速度を比較例1の半分にする
ことによって厚さ約1200μmの重合体混合物の未延
伸シートを得た後、同様にして厚さ約107μmの空洞
含有フイルムを得た。得られた空洞含有フイルムの表層
の空洞率は13体積%、中央部は18体積%、全体の平
均空洞率は18体積%であった。本比較例で得られた空
洞含有フイルムの表面強度は悪いものであった。
【0034】実施例3 原料として(1)固有粘度0.62のポリエチレンテレ
フタレート樹脂90重量部(2)メルトフローインデッ
クス1.8g/10分の一般用ポリスチレン10重量%
を用い、実施例1と同様に厚さ約51μmの空洞含有フ
イルムを得た。得られた空洞含有フイルムの表層の空洞
率は1体積%、中央部は17体積%、全体の平均空洞率
は15体積%であった。また空洞の少ない部分は表層か
ら約6μmの深さまで存在した。本実施例で得られた空
洞含有フイルムは、表面の強度が優れていた。
【0035】実施例4 実施例3において吐出量を上げることによって厚さ約1
03μmの空洞含有フイルムを得た。得られた空洞含有
フイルムの表層の空洞率は1体積%、中央部は16体積
%、全体の平均空洞率は15体積%であった。また空洞
の少ない部分は表層から約10μmの深さまで存在し
た。本実施例で得られた空洞含有フイルムは表面の強度
が優れていた。
【0036】比較例3 実施例3の同じ組成の原料を用い、比較例1と同様にT
−ダイススリット間を4.0mmにし、スリット間での
重合体混合物の融液の平均流速を約8.7m/分にして
厚さ約600μmの重合体混合物の未延伸シートを得た
後、同様にして厚さ約52μmの空洞含有フイルムを得
た。得られた空洞含有フイルムの表層の空洞率は10体
積%、中央部は17体積%、全体の平均空洞率は16体
積%であった。本比較例で得られた空洞含有フイルムの
表面の強度は悪いものであった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の空洞含有ポリエステル系フイル
ムは、空洞を実質的に含有しない2軸延伸ポリエステル
フイルムにない、軽量性、柔軟性、隠蔽性を有している
とともに、従来提案されているポリプロピレンやポリス
チレンを空洞発現剤として用いて得られる空洞含有ポリ
エステルフイルムに比べて表面の強度が優れている。ま
た、従来提案されている積層によって表面の強度を改良
する方法を適用する必要がないので、単層の押出し設備
でも表面の強度が優れた空洞含有ポリエステル系フイル
ムが得られる。従って本発明の空洞含有ポリエステル系
フイルムは、ラベル、ポスター、記録紙、包装材料など
の広い分野で使用でき、得られる製品は耐久性のあるも
のが期待できる。
フロントページの続き (72)発明者 熊野 勝文 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 久世 勝朗 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてポリエチレンテレフタレートく
    り返し単位から構成されたポリエステルに該ポリエステ
    ルに非相溶な熱可塑性樹脂が混合された重合体混合物を
    少なくとも1軸に配向することにより製造される微細な
    空洞を多数有する空洞含有ポリエステル系フイルムにお
    いて、表面から深さ3μmまでの表層に含まれる空洞の
    空洞率が、4体積%以下であり、かつ全体層の平均空洞
    率が、8体積%以上50体積%以下であることを特徴と
    する空洞含有ポリエステル系フイルム。
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