JP3314814B2 - ヒートシール性空洞含有ポリエステル系フィルム - Google Patents
ヒートシール性空洞含有ポリエステル系フィルムInfo
- Publication number
- JP3314814B2 JP3314814B2 JP14146492A JP14146492A JP3314814B2 JP 3314814 B2 JP3314814 B2 JP 3314814B2 JP 14146492 A JP14146492 A JP 14146492A JP 14146492 A JP14146492 A JP 14146492A JP 3314814 B2 JP3314814 B2 JP 3314814B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester
- film
- volume
- heat
- cavities
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
録紙、包装材料などに用いる際、表面剥離強度や隠ぺい
性、白色性などが改良されたフィルム内部に微細な空洞
を多量に含有したヒートシール性を有するポリエステル
フィルムに関する。
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに
優れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が
進められている。ポリエステルを主原料とした紙と類似
した機能を有するフィルムを得る方法として、微細な空
洞をフィルム内部に多量に含有させる方法には、フィル
ム自体を軽量化できる点や適度な柔軟性を付与できて、
鮮明な印刷や転写が可能になるという利点がある。微細
な空洞をフィルム内部に生成させる方法として、従来、
ポリエステルと相溶しないポリマーを押出機で溶融混練
し、ポリエステル中に該ポリマーを微粒子に分散させた
シートを得て更に該シートを延伸することによって微粒
子の周囲に空洞を発生させる方法が開示されている。空
洞のために用いられるポリエステルに非相溶のポリマー
(以下、空洞発現剤と呼ぶ)としては、ポリオレフィン
系樹脂(たとえば特開昭49−134755号公報)や
ポリスチレン系樹脂(たとえば特公昭49−2016号
公報、特公昭54−29550号公報)が好ましい。こ
れまでの空洞含有ポリエステル系フィルムは、軽量性、
隠ぺい性、腰が強いなどの優れた性質があったが、ヒー
トシール性がないため製袋などの加工特性が悪かった。
点、即ち、空洞の分布を適性化することによって、印刷
や印字、複写などが鮮明でかつ耐久性があり、隠ぺい性
や白色性に優れ、かつヒートシール性を有する基材を提
供せんとするものである。
ステルに該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂が混合
された重合体混合物を少なくとも1軸に配向することに
より製造される微細な空洞を多数含有するポリエステル
系フィルムにおいて、表面から深さ3μmまでの表層に
含まれる空洞の含有率が4体積%以下であり、かつ全体
層の平均空洞含有率が、8体積%以上50体積%以下で
あるフィルムの少なくとも片面に、共重合ポリエステル
からなるヒートシール層を有することを特徴とする空洞
含有ポリエステルフィルムに関するものである。
に非相溶性の熱可塑性樹脂を混合させた重合体混合物
は、たとえば、各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融
混練した後、押出して固化することによって得られる方
法や、あらかじめ混練機によって両樹脂を混練したもの
を更に押出機より溶融押出して固化する方法や、ポリエ
ステルの重合工程においてポリエステルに非相溶性の熱
可塑性樹脂を添加し、かくはん分散して得たチップを溶
融押出して固化する方法などによっても得られる。
剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などを添加することも
可能である。得られた重合体混合物は、更に速度差をも
ったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップに把持
して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や空気
圧によって拡げることによる延伸(インフレーション延
伸)などによって少なくとも1軸に配向処理する。配向
処理することにより、ポリエステルと空洞発現剤の界面
で剥離が起こり空洞が発現する。したがってポリエステ
ルに混合させる該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹
脂の量は、目的とする空洞の量によって異なってくる
が、重合体混合物全体に対して3重量%〜35重量%が
好ましい。3重量%未満では、空洞の生成量を多くする
ことに限界があり、目的の柔軟性や軽量性や描画性が得
られない。逆に、40重量%以上では、ポリエステルフ
ィルムの持つ耐熱性や強度が著しく損なわれる。
洞の生成と密接に関係する。したがって本目的を達成す
るための条件はたとえば、もっとも一般的に行われてい
る逐次2軸延伸工程を例に挙げると、該重合体混合物の
連続シートを長手方向にロール延伸した後に、幅方向に
テンター延伸する逐次2軸延伸法の場合以下のようにな
る。ロール延伸においては多数の空洞を発生させるため
温度をポリエステルの2軸延伸温度+30℃以下、倍率
を1.2〜5倍とするのが好ましい。テンター延伸にお
いては破断せずに安定製膜するため温度を80〜140
℃、倍率を1.2〜5倍とするのが好ましい。延伸配向
処理した空洞含有フィルムは、130度以上好ましくは
180度以上で熱固定を行うと高温での寸法安定性を向
上させることができる。表層のみ空洞の量を少なくする
ためには、該重合体混合物中の該熱可塑性樹脂の分散粒
子を表層付近の方が中央部付近より細かくする方法が有
効であり、該ポリエステルと該熱可塑性樹脂の溶融粘度
特性や押出機より溶融押しだしするときの条件を選ぶこ
とによって得られる。
テルフィルムに共重合ポリエステルを少なくとも1種類
以上含むヒートシール層を少なくとも片面に設けること
である。ここでいう共重合ポリエステルとは酸性分の9
5〜50モル%がテレフタル酸残基でアルコール成分の
20〜70モル%がエチレングリコール残基からなり有
機溶剤可溶性の重合体である。ここで酸性分の残りの5
〜50モル%はアジピン酸、セバシン酸その他の脂肪族
二塩基酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ジフェニル
ジカルボン酸等の残基からなる。またアルコール成分の
残りの80〜30モル%は1・2−プロピレングリコー
ル、1・3−プロピレングリコール、1・3−ブタンジ
オール、1・4−ブタンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール等のグリコール残基からな
る。特に好ましくは脂肪族系の分岐グリコール、すなわ
ちネオペンチルグリコールやジェチルプロパンジオー
ル、などを用いるのがよいがこれに限定されるものでな
い。あるいはイソフタル酸共重合体であって結晶融解熱
が4cal /g 、以下好ましくは6cal /g 以下のものが
よい。本発明の共重合ポリエステルは、クロロホルム、
トルエン、キシレンなどの有機溶剤に溶融した後フィル
ムの少なくとも片面に塗布したり、また共押し出し方に
よる積層フィルムとすることが好ましいがこれに限定す
るものではない。
該空洞含有ポリエステルフィルムの耐熱性や機械的強度
を満足させるためである。本発明において、ポリエステ
ルに該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を混合
し、重合体混合物を得るのは、ポリエステル中に該ポリ
エステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の微細な粒子を分散
させて、次の配向処理によって生じる空洞の核を作るた
めである。本発明において表層3μmに含まれる空洞の
量を空洞率4体積%以下にするのは、表面強度を強くす
るためであり、表面強度が強くなることによって壁会に
対する強さも向上するためである。一方、全体層の平均
空洞率を8体積%以上にするのは、鮮明な印刷や転写が
できるような柔軟性を得るためである。
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。
ンデックス JIS−K7210に準じて200℃、荷重5kgで測
定した。
に切り出し、その厚みを50点測定し、平均厚みをtμ
mとし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、
フィルムの見かけ密度を下式によって計算した。 見かけ密度(g/cm 3 )=w/(5×5×t)×10000 また、固体の比重は固体の密度と4℃での水の密度
(0.999973g/cm 3 )との比と一般に定義さ
れ、水の密度は実質上1.00g/cm 3 とみなせるこ
とから、上記フィルムの見かけ密度を水の密度で除する
と、フィルムの見かけ比重は下記のように算出される。
真比重を表す。実施例中の計算において用いた真比重の
値は、ポリエチレンテレフタレート1.40、一般用ポ
リスチレン1.05、アナターゼ型二酸化チタン3.9
を用いた。
影した後、表層から深さ3μmまでの領域の空洞をトレ
ーシングフィルムにトレースし塗りつぶした図を画像解
析装置で画像処理を行い、空洞率を面積率で求め、この
値をそのまま体積%とし表示した。 ・使用した走査型電子顕微鏡 日立製作所製 S−510型の走査型電子顕微鏡 ・使用した画像解析処理装置 ルーゼックスIID(ニレコ株式会社)
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの光線
透過率を測定した。この値が小さいほど隠ぺい性が高
い。
ープ剥離テストにより表面剥離強度を評価した。剥離角
は空洞含有フィルムを平面に保ち約150度方向で行っ
た。剥離された空洞含有フィルムの面積より、以下のよ
うに差別化した。 クラス5・・・全体が剥離した クラス4・・・ほとんど剥離した クラス3・・・半分程度、剥離した クラス2・・・ほとんど剥離しない クラス1・・・まったく剥離しない
ート樹脂86重量%とメルトフローインデックス3.0
g/10分一般用ポリスチレン10重量%および平均粒
径0.3μmのアナターゼ型二酸化チタン4重量%を2
軸スクリュー押出機でT−ダイスより290℃で溶融押
出しし、静電気的に冷却回転ロールに密着固化し、引き
続きロール延伸機で80℃で3.5倍縦延伸を行い、引
き続きテンターで130℃で3.5倍延伸し、220℃
で3%緩和させながら熱固定し、内部に多数の空洞を含
有するポリエステルフィルムを得た。このときの重合体
混合物の融液の平均流速は8.8m/秒であった。見か
け比重は1.16、表層部の空洞率は1体積%、全体の
平均空洞率は16体積%、光線透過率は15%、厚み5
2μmであった。このフィルムの片面に酸成分としてテ
レフタル酸80モル%とセバシン酸20モル%を使用
し、グリコール成分としてエチレングリコール60モル
%とネオペンチルグリコール40モル%を使用した線状
共重合ポリエステル(軟化点125℃)と塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリル共重合体(サランレジンF216
旭ダウ┷製)を50/50(重量比)で混合し、溶媒
(テトラヒドロフラン/トルエン=70/30(重量
比)の混合溶液)に60℃で2時間加熱溶融した溶液を
2.38g/m2 塗布し、80℃30秒間乾燥し、コー
トフィルムを作製した。接着力は110g/cm、ヒー
トシール強度g/cm、コーティングフィルムを巻いた
後再び巻き戻してもブロッキングはしていなかった。
材フィルムから剥離するときの強度を引張試験機で測定
した。引っ張り速度200mm/分、剥離角180゜、
1cm幅で行った。
力でヒートシールしたフィルムを室温に24時間放置し
た後引っ張り試験機を用いて180゜の角度に200m
m/分の速度で引き剥した際のかかる力で評価した。
は、従来のポリスチレンやポリオレフィンを空洞発現剤
として用いて得られる空洞含有ポリエステルフィルムと
同様に、軽量性、柔軟性、隠ぺい性、艶消し性、描画性
などを有していると共に、従来の空洞含有ポリエステル
フィルムに比べ、ヒートシール性を有しているため加工
性に優れ比重、白度、表面塗れ性などが優れている。従
って本発明の空洞含有ポリエステルフィルムはラベル、
ポスター、記録紙、包装用材料などのきわめて広い分野
で使用できる。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリエステルに該ポリエステルに非相溶な
熱可塑性樹脂が混合された重合体混合物を少なくとも1
軸に配向することにより製造される微細な空洞を多数含
有するポリエステル系フィルムにおいて、表面から深さ
3μmまでの表層に含まれる空洞の含有率が4体積%以
下であり、かつ全体層の平均空洞含有率が、8体積%以
上50体積%以下であるフィルムの少なくとも片面に、
共重合ポリエステルからなるヒートシール層を有するこ
とを特徴とする空洞含有ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14146492A JP3314814B2 (ja) | 1992-06-02 | 1992-06-02 | ヒートシール性空洞含有ポリエステル系フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14146492A JP3314814B2 (ja) | 1992-06-02 | 1992-06-02 | ヒートシール性空洞含有ポリエステル系フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05329971A JPH05329971A (ja) | 1993-12-14 |
JP3314814B2 true JP3314814B2 (ja) | 2002-08-19 |
Family
ID=15292496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14146492A Expired - Lifetime JP3314814B2 (ja) | 1992-06-02 | 1992-06-02 | ヒートシール性空洞含有ポリエステル系フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3314814B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE340211T1 (de) * | 2002-02-14 | 2006-10-15 | Toyo Boseki | Wärmeschrumpfbare polyesterfolien |
CN113613877A (zh) * | 2019-03-22 | 2021-11-05 | 旭化成株式会社 | 灭菌用包装材料用无纺布 |
-
1992
- 1992-06-02 JP JP14146492A patent/JP3314814B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05329971A (ja) | 1993-12-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3296021B2 (ja) | 空洞含有ポリエステルフィルム | |
JP3314816B2 (ja) | ヒートシール性空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JPH02284929A (ja) | 白色ポリエステルフイルム | |
JP3314814B2 (ja) | ヒートシール性空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3303983B2 (ja) | 難燃性白色ポリエステルフィルム | |
JP3314815B2 (ja) | 空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3080190B2 (ja) | 空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3314825B2 (ja) | ガス遮断性空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3127462B2 (ja) | 空洞含有ポリエステルフイルム | |
JP3211895B2 (ja) | 空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3301492B2 (ja) | 空洞含有フィルム | |
JPH04202540A (ja) | 空洞含有ポリエステルフィルム | |
JP3314823B2 (ja) | 易接着性空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3185817B2 (ja) | 感熱記録用空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3296022B2 (ja) | 白色フィルム | |
JP3282678B2 (ja) | 空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3314822B2 (ja) | 空洞含有ポリエステル系フィルム積層体 | |
JP3314820B2 (ja) | ガス遮断性空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3327344B2 (ja) | 空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3319515B2 (ja) | 空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JPH09255806A (ja) | 空洞含有ポリエステルフイルム | |
JP3006755B2 (ja) | 空洞含有ポリエステルフイルム | |
JP3314824B2 (ja) | 空洞含有ポリエステル系フィルム積層体 | |
JP3314819B2 (ja) | 空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3132590B2 (ja) | 空洞含有ポリエステル系フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080607 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080607 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 8 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110607 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607 Year of fee payment: 10 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |