JPH1024533A - 空洞含有熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

空洞含有熱可塑性樹脂フィルム

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JPH1024533A
JPH1024533A JP17876896A JP17876896A JPH1024533A JP H1024533 A JPH1024533 A JP H1024533A JP 17876896 A JP17876896 A JP 17876896A JP 17876896 A JP17876896 A JP 17876896A JP H1024533 A JPH1024533 A JP H1024533A
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JP
Japan
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film
thermoplastic resin
polyester
acid
resin
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JP17876896A
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English (en)
Inventor
Kenichi Mori
憲一 森
Katsuya Ito
勝也 伊藤
Toshitake Suzuki
利武 鈴木
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、空洞の形状を等方化することによ
り、熱によるカールが発生しないまた取扱性に優れた各
種の用途に使用できる基材に関する。 【解決手段】 微細空洞含有熱可塑性樹脂フィルムにお
いて、フィルムの縦方向の断面における空洞の長さの平
均(L1)と、その垂直方向すなわち横方向の断面にお
ける空洞の長さの平均(L2)の比(L1/L2)が、
2/3〜3/2であり、フィルムの厚みむらが5%以下
である基材フィルムの少なくとも片面にコート層を設
け、空洞含有率が5〜50体積%であることを特徴とす
る空洞含有熱可塑性樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱によるカールが
生じにくいフィルム内部に微細な空洞を多量に含有した
各種の用途の基材となる熱可塑性樹脂フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに
優れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が
進められている。合成紙の主原料としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステルなどが用いられてい
るがこの中でもポリエチレンテレフタレートを代表とす
るポリエステルは、耐熱性が高い点や、腰が強いという
点で優れており、広範な用途展開が可能である。
【0003】また、熱可塑性樹脂を主原料とするフィル
ムに、フィルムの特性を保持しつつ良好な印刷性等を付
加する方法も行われている。このような方法として、
(1)微細な空洞をフィルム内部に多量に含有させる方
法や通常の平坦なポリエステルフィルムを(2−1)サ
ンドプラスト処理や(2−2)ケミカルエッチング処理
や(2−3)マット化処理(マット剤をバインダーとと
もに積層する方法)などによって粗面化する方法、など
が開示されている。これらの中で、(1)の微細な空洞
をフィルム内部に多量に含有させる方法は、得られるフ
ィルムが軽量化され、適度な柔軟性、良好な筆記性、鮮
明な印刷・転写性を有する利点がある。
【0004】フィルム内部に微細な空洞を形成させる手
段として、主原料の熱可塑性樹脂に、これと相溶しない
熱可塑性樹脂を溶融混練して微粒子状に分散させたシー
トを製造し、このシートを延伸することによって微粒子
の周囲に空洞を発生させる方法が報告されている。空洞
のために用いられる、主原料の熱可塑性樹脂と非相溶性
の熱可塑性樹脂(以下、空洞発現剤と呼ぶ)としては、
ポリエステルを主原料として使用する場合、ポリオレフ
ィン系樹脂(たとえば特開昭49−134755号公
報)やポリスチレン系樹脂(たとえば特公昭49−20
16号公報、特公昭54−29550号公報)やポリア
リレート樹脂(たとえば特公昭58−28097号公
報)など多数提案されている。これらの中でポリプロピ
レンやポリスチレンは、空洞ができやすい点や密度が低
い点、安価である点で特に好ましい。従来技術で得られ
る微細空洞含有熱可塑性樹脂フィルムの空洞は、縦方向
よりも横方向に長くなる傾向があり、これにより各種用
途の基材として用いた場合、加工等において熱によるカ
ールが生じやすいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前期の欠
点、即ち、空洞を等方性にすることによって、熱による
カールが発生しない各種用途の基材を提供せんとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわちこれらを解決す
るための手段としての本発明の主旨は、微細空洞含有熱
可塑性樹脂フィルムにおいて、フィルムの縦方向の断面
における空洞の長さの平均(L1)と、その垂直方向す
なわち横方向の断面における空洞の長さの平均(L2)
の比(L1/L2)が2/3〜3/2であり、フィルム
の厚みむらが5%である基材フィルムの少なくとも片面
に、下引き層を設け、空洞含有率が5〜50体積%であ
ることを特徴とする空洞含有熱可塑性樹脂フィルムに関
する。
【0007】本発明の微細空洞含有熱可塑性樹脂フィル
ムの主原料熱可塑性樹脂としては、ポリエステルが好ま
しいが、他にポリプロピレン等も使用可能である。本発
明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボ
ン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコールのごときグリコールとを重縮合させて製造さ
れるポリエステルである。これらのポリエステルは芳香
族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させてからほ
か、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコー
ルとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、ある
いは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮
合させるなどの方法によって製造させる。かかるポリエ
ステルの代表例としてはポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンブチレンテレフタレートあるいはポリエチ
レン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。このポ
リエステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を
共重合したものであっても良い。いずれにしても本発明
においては、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテ
レフタレート単位あるいはエチレン−2、6−ナフタレ
ート単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以
上、更に好ましくは90モル%以上であるポリエステル
が好ましい。
【0008】本発明に用いられる主原料の熱可塑性樹脂
と非相溶の熱可塑性樹脂は、主原料として前掲のポリエ
ステルを使用する場合、これに非相溶性のものでなけれ
ばならない。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などが
あげられる。特にポリスチレン系樹脂、ポリメチルペン
テン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好
ましい。
【0009】本発明の該ポリエステルと該ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂を混合させた重合体混合物
は、たとえば、各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融
混練した後、押出して固化することによって得られる方
法や、あらかじめ混練機によって両樹脂を混練したもの
を更に押出機より溶融押出して固化する方法や、ポリエ
ステルの重合工程においてポリエステルに非相溶性の熱
可塑性樹脂を添加し、かくはん分散して得たチップを溶
融押出して固化する方法などによっても得られる。固化
して得られた重合体(未延伸シート)は通常、無配向も
しくは弱い配向状態のものである。また、ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂はポリエステル中に、球状も
しくは楕円球状、もしくは糸状など様々な形状で分散し
た形態をとって存在する。 主原料の熱可塑性樹脂に混
合させる、これと非相溶性の熱可塑性樹脂の量は、所望
の空洞量、採用する延伸温度等によって異なるが、一般
に重合体混合物全体に対して3重量%〜39重量%が好
ましく、特に6〜35重量%が好ましい。
【0010】3重量%未満では、生成する空洞量に限界
があって目的の柔軟性や軽量性や描画性が得られない場
合があり、逆に40重量%以上では、空洞の生成量が多
すぎて主原料熱可塑性樹脂の持つ特性、例えば、ポリエ
ステルフィルムの場合には耐熱性や強度、特に腰の強さ
等が損なわれる場合がある。該重合体混合物には、必要
に応じて隠ぺい性や描画性を向上させるため無機粒子を
含有することができる。これに適した無機粒子としては
二酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、カオリン、タル
クなどがあげられるが特に限定されるものではない。該
重合体混合物には、用途に応じて着色剤、耐光剤、蛍光
剤、帯電防止剤などを添加することも可能である。
【0011】本発明においては、表層と中心層を積層し
たいわゆる複合フィルムとすることとしてもよい。その
方法は特に限定されるものではない。しかし生産性を考
慮すると、表層と中心層の原料は別々の押出機から押出
し、1つのダイスに導き未延伸シートを得た後、少なく
とも1軸に配向させる、いわゆる共押出法による積層が
もっとも好ましい。
【0012】重合体混合物を配向処理する条件は、熱に
よるカールやしわの入らないフィルムを得るために重要
なポイントとなる。重合体混合物から本発明の微細空洞
含有熱可塑性樹脂フィルムを製造する好ましい製造方法
としては、例えば主原料がポリエステルの場合、以下の
方法がある。すなわち、重合体混合物から形成される未
延伸シートを従来通り縦方向に延伸した後、横延伸を2
段階以上の異なる温度で行う。横延伸は、まず、100
〜140℃で延伸倍率2.0〜2.8倍に延伸し、つい
で、140〜230℃、好ましくは160〜230℃
で、初めの倍率と掛け合わせた横延伸の合計延伸倍率が
3.0倍以上となるように延伸する。1回目の延伸は、
主に縦横にバランスの取れた空洞の形成に寄与し、2回
目の高温での延伸は、主に厚みむらを低下させるのに寄
与する。2回目の延伸では空洞の増大はほとんどない。
横延伸倍率の合計が縦延伸倍率を越えても差し支えな
い。
【0013】延伸後のフィルムは、更に熱処理するのが
好ましい。延伸後の熱処理は、以下の条件で実施するの
が望ましい。すなわち、延伸終了後200℃以上、好ま
しくは220℃以上、更に好ましくは230℃以上で熱
処理される。また、その際、フィルムを3〜8%緩和さ
せながら熱固定を行うのが好ましい。200℃未満の温
度又は3%未満の緩和率で熱固定を行った場合には、1
50℃での熱収縮率が2%未満、好ましくは1.7%未
満、更に好ましくは1.5%という好ましい性質を有す
る微細空洞含有熱可塑性樹脂フィルムは得られない。本
発明の微細空洞含有熱可塑性樹脂フィルムは、一般に微
細空洞含有熱可塑性樹脂フィルムとしての性能のために
必要量の空洞を含有していなければならない。これを空
洞含有率で示すと空洞含有率は5〜50体積%である。
空洞含有率が50体積%を超えると空洞の含有量が多す
ぎるため、強度が不足するなどフィルムとしての機能を
失い、空洞の形状にかかわらず熱によるカールが発生す
る。また、空洞含有率が5体積%未満では、空洞の含有
量が少なく、もはや空洞含有フィルムとはいえないもの
であり、そのため、熱によるカールは発生しないが、空
洞による柔軟性がなくなり扱うときに、手を切りやす
い、つき揃えがしにくいといった弊害がおこる。
【0014】本発明の空洞含有熱可塑性樹脂フィルムの
特定にL1/L2を使用したのは、空洞の縦と横のバラ
ンスを数値化するためであり、この値が2/3〜3/2
ではバランスが取れており、2/3未満では空洞が横長
であり、3/2以上では縦長である。バランスが悪い場
合、熱によるカールが発生する。
【0015】各種の用途に使用する場合にはフィルム表
面にコート層を設ける必要がある。例えば、印画紙のベ
ース基材として用いる場合にはゼラチンに接着するコー
ト層、印刷に使用される用紙の基材としてはインクの密
着性を持ったコート層、配送伝票の基材として使用する
場合には印鑑受理性等の機能を持ったコート層、インク
ジェットプリンター用記録媒体の基材としては親水性の
樹脂と密着性のあるコート層等、用途に応じて必要なコ
ート層が必要である。本発明のフィルムを使用する場合
にはコート層を設けたときに掛かる熱及び各種の用途で
使用される際に掛かる熱等によりカールが発生しない。
【0016】コート層は、ポリエステル系樹脂、ポリア
クリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂および塩化ビニルデ
ン系樹脂などを少なくとも1種類以上含む高分子材料の
溶液、エマルジョンまたは分散液をポリエステルフィル
ム面に塗布して形成される。コート層のポリエステル系
樹脂は、二塩基酸とグリコールからなり、水に可溶、乳
化または分散できるポリエステル樹脂であり、例えば二
塩基酸は全ジカルボン酸の50〜0・5モル%がスルホ
ン酸基含有のジカルボン酸であり、これら2種のジカル
ボン酸成分とグリコール成分とが共重合されたポリエス
テル共重合体である。上記スルホン酸金属塩含有ジカル
ボン酸としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソ
フタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン
−2,7−ジカルボン酸、5[4−スルホフエノキシ]
イソフタル酸等の金属塩があげられ、特に好ましいのは
5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホ
テレフタル酸である。これらのスルホン酸金属塩含有ジ
カルボン酸は、全ジカルボン酸成分に対して50〜0.
5モル%、好ましくは20〜1モル%であり、50モル
%を越えると水に対する分散性は良くなるとしても共重
合体の耐水性が低下する。ポリエステル共重合体の水の
中に対する分散性は、共重合組成、水溶性有機化合物の
種類及び量などによって異なるが、上記スルホン酸金属
塩基含有ジカルボン酸成分の量は水に対する分散性を損
なわない限り、少ない方がよい。
【0017】ルホン酸金属塩基を含まない通常ジカルボ
ン酸としては、芳香族、脂肪族、脂環族のそれぞれのジ
カルボン酸が用いられる。芳香族ジカルボン酸として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸などをあげることがで
きる。これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカルボン酸成
分の40モル%以上であることが好ましく、40モル%
未満であるとポリエステル共重合体の機械的強度や耐水
性が低下する。脂肪族、脂環族のジカルボン酸として
は、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1.3 −シクロ
ベンタンジカルボン酸、1.2 −シクロヘキサンジカルボ
ン酸、1.3 −シクロジカルボン酸、1.4 −シクロヘキサ
ンジカルボン酸などがあげられる。これらのひ芳香族ジ
カルボン酸成分を加えると接着性能が高められる場合も
あるが、一般にはポリエステル共重合体の機械的強度や
耐水性は悪くなる。
【0018】上記ジカルボン酸混合物に反応させるグリ
コール成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコー
ル、および6〜12個の脂環族グリコール、および両者
の混合物であり、エチレングリコール、1.2 −プロピレ
ングリコール、1.3 −プロパンジオール、1.4 −ブタン
ジオール、ネオベンルグリコール、1.6 −ヘキサンジオ
ール、1.2 −シクロヘキサンジメタノール、1.4 −シク
ロヘキサンジメタノール、p −キシレングリコールなど
があげられる。炭素数4個以上の脂肪族ジオールとして
は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールな
どがあげられ、またポリエーテルとしてはポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールなどがあげられる。ポリエステル共重
合体は、通常の溶融重縮合によって得られる。すなわち
前述のジカルボン酸成分およびグリコール成分を直接反
応させ水を留去してエステル化したのち重縮合を行う直
接エステル化法、あるいはジカルボン酸成分のジメチル
エステルとグリコール成分を反応させ、メチルアルコー
ルを留去してエステル交換を行ったのち重縮合を行うエ
ステル交換法によって得られる。このほかに溶液重縮合
や界面重縮合などによっても重合体が得られ、この発明
は上記いずれかの方法に限定されるものではない。溶融
重縮合の際には、必要に応じて酸化防止剤、滑り剤、無
機微粒子、帯電防止剤を加えることができる。前述した
ポリエチレングリコールなどのポリエーテルは、溶融重
縮合の際あるいは重合後に溶融ブレンドして添加するこ
とができる。
【0019】ポリウレタン樹脂としては、(1)分子内
に2個以上の活性水素原子を有する化合物、(2)分子
内に2個以上のイソシアネート基を有する、有機ポリイ
ソシアネート、あるいは(3)分子内に少なくとも2個
の活性水素原子を有する鎖伸長剤を反応せしめて得ら
れ、末端にイソシアネート基を有する化合物である。上
記(1)の化合物として一般に知られているのは、末端
又は分子内に2個以上のヒドロキシル基、カルボキシル
基、アミノ基あるいはメルカプト基を含むものであり、
特に好ましいのはポリエーテルポリオール、ポリエステ
ルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオールな
どが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、例
えばエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドな
どのアルキレンオキサイド類、あるいはスチレンオキサ
イドおよびエピクロルヒドリンなどを重合した化合物、
あるいはそれらのランダム共重合、ブロック共重合ある
いは多価アルコールへの付加重合を行って得られた化合
物などがある。
【0020】ポリエステルポリオールおよびポリエーテ
ルエステルポリオールとしては、主として直鎖状あるい
は分岐状の化合物が挙げられ、コハク酸、アジピン酸、
フタル酸及び無水マレイン酸などの多価の飽和および不
飽和カルボン酸無水物などとエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,6−ヘキサンジオールおよびトリ
メチロールプロパンなどの多価の飽和および不飽和のア
ルコール類、比較的低分子量のポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレンエ
ーテルグリコール類、あるいはそれらアルコール類の混
合物とを縮合することにより生成し得る。さらにポリエ
ステルポリオールとしては、ラクトンおよびヒドロキシ
酸から得られるポリエステル類が挙げられ、ポリエーテ
ルエステルポリオールとしてはあらかじめ製造されたポ
リエステル類に、エチレンオキサイドあるいはプロピレ
ンオキサイドなどを付加せしめたポリエーテルエステル
類が挙げられる。
【0021】上記(2)の有機ポリイソシアネートとし
ては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族
ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネートなど
の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソ
シアネートおよびおよび4,4’−ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート
類、あるいはそれら化合物を単一あるいは複数でトリメ
チロールプロパンなどとあらかじめ付加させたポリイソ
シアネート類が挙げられる。
【0022】上記(3)の少なくとも2個の活性水素を
有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール,1,4−ブタンジオールおよび1,6
−ヘキサンジオールなどのグリコール類、グリセリン、
トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールな
どの多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミンおよびピペラジンなどのジアミン類、モノ
エタノールアミンおよびジエタノールアミンなどのアミ
ノアルコール類、チオジエチレングリコールなどのチオ
ジグリコール類あるいは水などが挙げられる。
【0023】またポリアクリル系樹脂はアクリル酸もし
くはその誘導体および必要に応じてビニル基を有するア
クリル酸(誘導体)以外の単量体を重合させて得られ
る。使用される単量体としては、アクリル酸、メタアク
リル酸(以下、アクリル酸および/またはメタクリル酸
を(メタ)アクリル酸とする)(メタ)アクリル酸の低
級アルキルエステル(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘブチル、オクチル、
2−エチルヘキシルエステル)、メチルメタアクリレー
ト、ヒドロキシメチルアクリレート、スチレン、グリシ
ジルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアク
リレートなどを用いて調製される。塩化ビニリデン樹脂
としては、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリリデン・ア
クリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン・メタクリ
ル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン・アクリロニト
リル共重合体、またこれら共重合体にアクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸の成
分を含む三元、四元共重合体があげられる。
【0024】上記の高分子材料の水系分散体をポリエス
テルフィルムに塗布するには、未延伸、一軸延伸あるい
は二軸延伸のいずれの状態でもよく、その塗布はインラ
インコート、オフラインコートのいずれでもよい。コー
ト層を形成する高分子材料溶液の溶媒としては、水、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、ジ
メチルホルムアミドなどであり、これら溶液をインライ
ン方式、オフライン方式によって塗布される。ポリエス
テルフィルムに塗布される高分子材料の塗布量は、二軸
延伸後のフィルムに換算して0.01〜5g/m2 であ
る。二軸延伸後にさらに一軸延伸をして得られるテンシ
ライズドフィルムの場合は、製品フィルムに対して塗布
量は0.01〜0.5g/m2 が好ましい。塗布量が
0.01g/m2 未満の場合は各種のコート層との接着
性が十分でない。塗布量が1g/m 2 を越える場合は、
水系分散体に無機化合物、有機化合物の微粒子を添加す
ることによって滑り性、耐ブロッキング性を改良するこ
とができる。ポリエステルフィルムに水系分散体を均一
に塗布し易くするために、水系分散体にメチルアルコー
ル、エチルアルコールなどの有機溶媒を添加して表面張
力を下げればよい。
【0025】またポリエステルフィルムに表面処理を施
してもよく、表面処理としては、火炎処理、紫外線照
射、プラズマ処理、コロナ処理などの放電処理、電子線
や放射線による照射処理、化学薬品処理などがある。上
記各処理のうちコロナ放電処理が簡便、短時間で効果的
である。ポリエステルフィルムの表面に水系分散体を塗
布するには、公知の任意の方法が適用でき、塗布法とし
ては、ロールコート法、グラビアコート法、ロールブラ
シュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、バー
コート法、ブレードコート法、含浸法およびカーテンコ
ート法などが単独でまたは組合せて適用される。
【0026】また、コート層の中には、フィルムの滑り
性を良好にするため、表面粗さを0.2μm以上、好ま
しくは0.3μm以上とすることが好ましい。そのため
には前述したポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リアクリル樹脂のうちの少なくとも1種類以上から選ば
れる樹脂と粒子を混合して塗布することが好ましい。更
には表面抵抗値を1×107 〜1×1013とし、フィル
ムの帯電を防止することが好ましい。その方法は公知の
ポリエステル系フィルムで使用されているものがそのま
ま利用できる。
【0027】実施例 次に本発明の実施例および比較例を示す。本発明に用い
る測定・評価方法を以下に示す。 1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。
【0028】2)空洞含有率 フィルムを5.00cm×5.00cmの正方形に性格
に切り出し、その厚みを50点測定し平均厚みをtμm
とし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、下
式によって見掛け比重ρを計算した。 見かけ比重ρ(−)=w/5×5×t×10000 ついで、使用した原料の比重a1、a2、a3...及
び原料の混合質量%b1、b2、b3...より空洞含
有率vを下記の数式により計算した。 空洞含有率v(体積%)= 100−ρ×(b1/a1+b2/a2 +
b3/a3 +…)
【0029】3)空洞の長さの平均値 フィルムの断面の縦及び横の断面を走査型電子顕微鏡で
1000倍に拡大して撮影した後、フィルムの厚み方向
に対して垂直方向に空洞の長さを画像解析装置を用いて
測定した。 ・使用した走査型電子顕微鏡 日立製作所製 S−510型の走査型電子顕微鏡 ・使用した画像解析処理装置 セイコーエプソン社製 イメージスキャナー GT−8
000を用いて、パーソナルコンピューター マッキン
トッシュのソフトウエアー Adobe PhotoshopTM 2.5J
に360dpi、256段階グレーの条件で画像を取り
込んで、同ソフトウエアー Ultimage TM/242.1.1 にて
画像解析を行った。
【0030】4)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mmとり、200m
m間隔で印をつけ5gの一定張力下で固定し印の間隔A
を測る。続いて、無張力下で30分間、150℃の雰囲
気中のオーブンにいれた後の印の間隔Bを求め、以下の
式により熱収縮率とした。 熱収縮率(%)=(A−B)/A×100
【0031】5)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの全光
線透過率を測定した。この値が小さいほど隠ぺい性が高
い。
【0032】6)熱によるカールの有無 フィルムを縦10cm、横10cmに切り取り70℃に
保った恒温器に30秒放置し、取り出した後、フィルム
がカールせず、平坦である場合○、カールあるいは波打
ち状になる場合×とした。
【0033】7)厚みむら フィルムを10.00×10.00cmの正方形に切り
出し、その厚みを100点測定し、平均厚みをTμm、
最大の厚みをTmax μm、最小の厚みをTminμmと
し、下記の数式によって計算した。 厚みむらTV(%)=(Tmax−Tmin)/T×100
【0034】8)表面粗さ JIS−B0601−1982に準じ、サーフコム30
0A型表面粗さ計(東京精密製)を用い触針径2μm、
触針圧30mg、測定圧30mg、カットオフ0.8m
gで中心線平均厚さを測定した。
【0035】9)表面抵抗 20℃65RH%における表面抵抗値をタケダ理研社製
固有抵抗測定機で印加電圧500Vで行った。
【0036】10)密着性 表面にセロハンテープ(ニチバン(株)製)を貼ったの
ち、約180度の角度で一挙に剥がす。テープ側にコー
ト層が付着した場合には「×」、付着しない場合には
「○」と判断した。
【0037】実施例1 原料として固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂80重量%に一般用ポリスチレン樹脂(三井東
圧化学社製 T575−57U)15重量%、平均粒径
0.35μmのアナターゼ型二酸化チタン(富士チタン
社製 TA−300)5重量%を原料とし、2軸スクリ
ュー押出機に投入し、T−ダイスより290℃で溶融押
出しし、静電気的に冷却回転ロールに密着固化し、約1
000μmの重合体混合物の未延伸シートを得た。引き
続き該未延伸シートをロール延伸機で80℃で3.5倍
縦延伸を行い、引き続きテンターで125℃で2.7倍
横延伸したあと、引き続いてテンターで220℃で1.
3倍延伸した。その後に235℃で4%緩和させながら
熱処理し、内部に多数の空洞を含有するポリエステルフ
ィルムを得た。厚みは約100μmであった。 下びき層の作成 以下の溶液を調製し、上記基材フィルム上に約0.05
g/m2 塗布量にて塗布した 水分散系ポリエステル樹脂(東洋紡績社製 バイロナー
ル MD−16)・0.9g アクリル系樹脂(アクリル酸エチル/メタアクリル酸メ
チル/メタアクリル酸ヒドロキシエステル/メタアクリ
ル酸グリシジル/ビニルスルホン酸ナトリウム=45/
45/6/2/2(重量%)の比で常法において重合し
たもの)・・2g ブロックイソシアネート(第一工業製薬社製 エラスト
ロン BN−11)0.2g ほうフッ化亜鉛(橋本化学社製)の10重量%溶液・・
・・0.002g イソプロピルアルコールと水の4:6溶液・・・26.
892g 塗布後すぐに80℃ 2分間および130℃ 30秒間
乾燥させたのち、ポリビニルアルコール(クラレ(株)
製 PVA117)の10%水溶液をワイヤバーで約1
0g/m2 塗布した。塗布後すぐに120℃で2分間乾
燥した。
【0038】実施例2 実施例1の原料をA層の原料とし、B層の原料として固
有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂98
重量%、球状ゼオライト粒子(水沢化学社製JC−2
0)2重量%ととし、A、B層の原料を別々の2軸スク
リュー押出機に投入、混練し、T−ダイス内でB/A/
Bとなるように貼り合わせた後押出し、静電気的に冷却
ロールに密着させ未延伸シートを得た以外は実施例1と
まったく同様の方法において空洞含有フィルムを得た。
なお厚みはB/A/B=5/90/5μmであった。
【0039】実施例3 原料として固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂85重量%、結晶性ポリプロピレン(三井等圧
化学(株)製 FO−50F)10重量%、及び酸化チ
タン(TA−3000)5重量%用いた点を除いては実
施例1と同様にして空洞含有フィルムを得た。
【0040】比較例1、2、3 横延伸を1段のみとし、延伸温度をそれぞれ110、1
35及び180℃とし、延伸倍率をいずれも3.6倍と
した点を除いては実施例1と同様の方法において空洞含
有フィルムを得た。
【0041】実施例4 実施例1において設けたコート層反対面に以下のような
層を設けた。共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績製 バ
イロン MD−16)とイソシアネート含有ポリウレタ
ン樹脂(第一工業製薬製 エラストロン)をそれそれ2
重量%および平均粒子径2.5μmの球状シリカ粒子を
0.8重量%および帯電防止剤としてジュリマー(日本
純薬社製)を1重量%ほど水とイソプロピルアルコール
の7/3(重量比)混合溶液に混合し、ワイヤーバー
(#5)で塗布した。その後、80℃で2分間、170
℃で30秒間乾燥させた。
【0042】
【発明の効果】本発明の空洞含有ポリエステルフィルム
は、従来の物に比べ熱によるカールが発生が少なく、ま
た柔軟性があり取扱性に優れるものとなった。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細空洞含有熱可塑性樹脂フィルムにおい
    て、フィルムの縦方向の断面における空洞の長さの平均
    (L1)と、その垂直方向すなわち横方向の断面におけ
    る空洞の長さの平均(L2)の比(L1/L2)が、2
    /3〜3/2であり、フィルムの厚みむらが5%以下で
    ある基材フィルムの少なくとも片面にコート層を設け、
    空洞含有率が5〜50体積%であることを特徴とする空
    洞含有熱可塑性樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】コート層がポリエステル系樹脂、ポリウレ
    タン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、塩化ビニリデンのう
    ち少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする請求項
    1のフィルム。
JP17876896A 1996-07-09 1996-07-09 空洞含有熱可塑性樹脂フィルム Pending JPH1024533A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010522787A (ja) * 2007-03-27 2010-07-08 アグフア−ゲヴエルト 非透明な微孔形成された軸延伸されたフィルム、その製造方法およびそれを用いて透明なパターンを得る方法

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