JPH08324097A - インクジェット記録用フィルム - Google Patents

インクジェット記録用フィルム

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JPH08324097A
JPH08324097A JP7134569A JP13456995A JPH08324097A JP H08324097 A JPH08324097 A JP H08324097A JP 7134569 A JP7134569 A JP 7134569A JP 13456995 A JP13456995 A JP 13456995A JP H08324097 A JPH08324097 A JP H08324097A
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JP
Japan
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film
resin
inkjet recording
base film
layer
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7134569A
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English (en)
Inventor
Katsuya Ito
勝也 伊藤
Toru Kotani
徹 小谷
Toshitake Suzuki
利武 鈴木
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録用に用いる際、プリンタ
ーにおいてカールやしわが入りにくく、大型印字物を折
り畳んで保管する場合でもかさばらないインクジェット
記録用フィルムを得る。 【構成】 厚さ80μm以下の基材フィルム上の少なく
とも片面にインク受容層を設け、全体の厚みが95μm
以下、カール指数10以下であることを特徴とするイン
クジェット記録用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録用
に用いる際、プリンターでのカールやしわが入りにく
く、大型印字物を折り畳んで保管する場合でもかさばら
ないインクジェット記録用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに
優れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が
進められている。
【0003】また近年、電子スチルカメラあるいはコン
ピュータの普及とともに、それらの画像を紙面等に記録
するためのハードコピー技術が急速に発展した。これら
ハードコピーの究極の目標は銀塩写真であり、特に、色
再現性、画像密度、光沢、耐候性などをいかに銀塩写真
に近づけるかが、開発の課題となっている。ハードコピ
ーの記録方法には、銀塩写真によって画像を表示したデ
ィスプレーを直接撮影するもののほか、昇華型熱転写方
式、インクジェット方式、静電転写型方式など多種多様
の方式が知られている。
【0004】インクジェット方式によるプリンターは、
フルカラー化が容易なことや印字騒音が低いことなどか
ら、近年急速に普及しつつある。インクジェット方式
は、ノズルから被記録材に向けてインク液滴を高速で射
出するものであり、インク中に多量の溶媒を含む。この
ため、インクジェットプリンター用の記録シートは、速
やかにインクを吸収し、しかも優れた発色性を有するこ
とが要求される。
【0005】これらのインクジェットプリンター用の記
録シートは、基材が天然紙のものがもっとも普及してい
る。しかし、インクが記録シートに吸収されたときに基
材である紙にしわが入り、画像の美観が損なわれ易い問
題があった。
【0006】そこで、この問題を解決するために、ポリ
オレフィンのフィルムや高分子フィルムを基材とする合
成紙が提案されている。合成紙の基材としてポリエチレ
ンテレフタレートを代表とするポリエステルは、耐熱性
が高い点や、腰が強いという点で優れている。
【0007】しかし、従来の高分子フィルムを基材とす
るインクジェット記録用紙はカールしやすかったため、
プリンター中でしわが寄ったりしてプリント物の美観が
良好ではなかった。この対策としては、基材フィルムを
厚くする対策などがとられている。しかし、それではロ
ール状に巻いたときに嵩が大きくなり、大量の印字を必
要とする用途には不向きであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
課題を解決し、薄くてもプリンタ中でトラブルを発生せ
ず、しかも美観の良好な印刷画像が得られるインクジェ
ット記録用フィルムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録用フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面にイ
ンク受容層を有し、該基材フィルムの厚さが80μm以
下であり、全体の厚みが95μm以下であり、そして
カール指数が10以下である。そのことにより上記目的
が達成される。
【0010】本発明の好ましい実施態様においては、上
記基材フィルムと前記インク受容層との間にさらに中間
層を有し、そして、該中間層がポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂およびポリアクリル樹脂からなる群より選
択される少なくとも1種の樹脂を含む。
【0011】本発明の好ましい実施態様においては、上
記基材フィルムの一方の面に前記インク受容層を有し、
該基材フィルムの他方の面に易滑層を有し、そして該易
滑層の中心線2次元表面粗さが該インク受容層の中心線
2次元表面租さよりも小さい。
【0012】本発明の好ましい実施態様においては、上
記易滑層がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂および
ポリアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも
1種の樹脂および帯電防止剤を含む。
【0013】本発明の好ましい実施態様においては、イ
ンクジェット記録用フィルムが、フィルム内部に微細な
空洞を多数有し、そして見かけ比重が0.6以上1.3
以下である。
【0014】本発明の好ましい実施態様においては、上
記基材フィルムが内部に微細な空洞を多数有する。
【0015】本発明の好ましい実施態様においては、上
記基材フィルムがポリエステル樹脂を主要成分とする。
【0016】本発明の好ましい実施態様においては、上
記基材フィルムがインクジェット記録用フィルムが、ポ
リエステル樹脂と該樹脂に非相溶性の熱可塑性樹脂およ
び/または粒子とを含有する少なくとも1種のフィルム
用樹脂を少なくとも2軸方向に延伸することによって得
られる。
【0017】本発明の好ましい実施態様においては、イ
ンクジェット記録用フィルムが、光線透過率が30%以
下である。
【0018】本発明は、また、上記のインクジェット記
録用フィルムのインク受容層にインクジェット記録用イ
ンクが吸収されているインクジェット記録フィルムであ
る。以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0019】本発明のインクジェト記録用フィルムは、
基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも片面上に
インク受容層とを有する。
【0020】本発明に用いられる基材フィルムは主とし
て樹脂でなり、該樹脂としては、特に限定されないが、
例えばポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニル系樹
脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂などを用
い得る。好ましくは、ポリエステル系樹脂が用いられ
る。
【0021】本発明に用い得るポリエステル樹脂は、好
適には少なくとも1種のジオールと少なくとも1種のジ
カルボン酸とから合成される飽和または不飽和ポリエス
テルであり、得られるポリエステルは、単独重合体、共
重合体、2種以上の単独重合体の混合物、2種以上の共
重合体の混合物、または少なくとも1種の単独重合体と
少なくとも1種の共重合体との混合物であり得る。
【0022】ジオールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、1,
4−ジヒドロキシヘキサン、1,4−ジヒドロキシメチ
ルシクロヘキサン、ヒドロキノン、p−キシリレングリ
コール、2,5−ジクロロ−p−キシリレングリコール
などが用いられ得る。これらは単独または2種以上混合
して用いられ得る。
【0023】ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジオン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,
3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1−カルボキシメチル−4−シクロ
ヘキサンカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
2,5−ジブロモテレフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、1,2−ビス(4’−カルボキ
シフェノキシ)エタン、ビス(p−カルボキシフェニ
ル)メタン、4,4’−スルホン−ジフェニルジカルボ
ン酸などが用いられ得る。これらは単独または2種以上
混合して用いられ得る。
【0024】上記ジオールとジカルボン酸の組み合わせ
は特に限定されないが、ジカルボン酸において、芳香族
ジカルボン酸をジカルボン酸全体の70モル%以上、好
ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%
以上用いることが好ましい。上記ポリエステル樹脂は、
例えば、ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる
方法、ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールと
をエステル交換反応させた後重縮合させる方法あるいは
ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させる方
法によって製造され得る。本発明に用い得るポリエステ
ル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6
−ナフタレートまたはこれらの混合物などを挙げること
ができる。
【0025】基材フィルムの厚さは80μm以下、好ま
しくは厚さ55μm以下である。基材フィルムと後述の
インク受容層などを合わせたフィルム全体の厚さは、9
5μm以下、好ましくは80μm以下である。基材フィ
ルムの厚さが80μmまたは全体の厚みが95μmを越
えると、フィルムをロール状に巻いたときに、長さの割
に巻き径が大きくなり大量の印字をするときにロールの
交換頻度が高くなる。本発明のフィルムのカール指数は
10以下、好ましくは5以下である。カール指数が10
を越えると、印字時にプリンター内部でしわの発生、用
紙づまりなどのトラブルが発生しやすく、また印字物が
カールにより見づらくなる。
【0026】本明細書に記載の「カール指数」とは、所
定のフィルムを所定の条件下に置いたときにフィルムが
カールする尺度をいう。詳細には、10cm×10cm
にサンプルを切り取り、これを、23℃、湿度65%の
環境下で平らな台の上に24時間放置する。そのときカ
ールしたフィルムの端から台までの距離(mm)をカール
指数とする。従って、本発明においては、カール指数は
小さいほどフィルムはカールし難いことを意味する。
【0027】上記要件を満たすインクジェット記録用フ
ィルムを得るための方法は、特に限定されない。好まし
くは、フィルム中に微細な空洞を有し、縦方向および横
方向の配向のバランスがとれたフィルムを用いて達成さ
れ得る。
【0028】フィルム中に微細な空洞を形成する方法と
しては、当該技術分野で公知の方法がいずれも用いられ
得る。好ましくは、基材フィルム用樹脂とそれに非相溶
性の熱可塑性樹脂および/または無機または有機粒子と
を均一に混合し、得られた混合物を通常の方法を用いて
製膜し、次いで得られたフィルムを少なくとも1軸に配
向する方法である。
【0029】基材フィルム用樹脂に非相溶性の熱可塑性
樹脂としては、ポリエステルに非相溶性の樹脂ならばい
ずれも好適に用い得る。そのような樹脂としては、例え
ば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン
系樹脂、セルロース系樹脂などを挙げることができる。
好ましくは、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルペンテン
またはポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂であ
る。基材フィルムに添加し得る粒子としては、前記樹脂
の粒子、有機白色顔料または無機粒子を用い得る。無機
粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カ
ルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カー
ボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタンなどを用い得る。
【0030】基材フィルムに含まれる非相溶性樹脂およ
び/または粒子の量は、目的とする空洞の数によって異
なるが、全体に対して3重量%〜39重量%が好まし
く、特に5〜15重量%が好ましい。3重量%未満で
は、空洞の生成量を多くすることに限界があり、目的の
柔軟性や軽量性あるいは描画性が得られない。39重量
%より多いと、フィルムの延伸性が著しく損なわれる
他、耐熱性や強度、腰の強さが損なわれる。また、粒子
径の範囲は、0.01μm〜20μm、好ましくは0.
1μm〜10μmである。上記範囲を外れると、形成さ
れる空洞の大きさのばらつきが大きくなるため、フィル
ムの特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0031】本発明のフィルムを得るための製造方法お
よび製造条件は、フィルムを構成する樹脂の種類、フィ
ルムの用途、目的とするフィルムの厚みなどに応じて適
宜選択され得る。好適に用い得る基材フィルムの製造方
法およびその条件として、例えば、未延伸フィルムを加
熱して、縦方向に1段または多段で3.0倍以上延伸し
た後、縦方向に3%以上の緩和処理を施し、次いで緩和
処理後の縦延伸倍率以上の倍率で横延伸および熱処理を
行い得る。
【0032】上記製造方法において、最初の縦延伸工程
は、周速の異なる2本あるいは多数本のロールを用いて
フィルムを延伸し得る。このときの加熱手段としては、
加熱ロールを用いる方法、非接触の加熱方法を用いる方
法またはそれらを併用した方法を用い得る。
【0033】フィルムとフィルム内部の非相溶性樹脂ま
たは粒子との界面において空洞を多数発現させるため
に、加熱温度は、例えば、ポリエステルのTg(2次転
移温度)+10℃〜Tg+50℃の範囲が好ましい。
【0034】延伸倍率は、3.0倍以上、好ましくは
3.2〜5.0倍の範囲である。延伸倍率が、3.0倍
以下では、フィルム内部に微細空洞を十分に発現させて
フィルムの見掛け比重を1.3以下とすることが困難と
なる。また、縦倍率が5倍を超えると、その後の緩和処
理を十分に行うことが困難になる。
【0035】縦延伸後の緩和処理は、緩和に先立って行
われた縦延伸倍率によって変わるが、縦方向に、通常、
3%以上、好ましくは5%以上施す。より好ましい緩和
率は、緩和後の縦延伸倍率が2.8〜3.5となるよう
に決定され得る。通常、少なくとも3%以上の緩和処理
を施さないと、次工程での横延伸性が著しく不良とな
る。また、緩和処理を行わなくても等方性を有するフィ
ルムの製造は可能であるが、この場合には、0.6〜
1.3の範囲の見かけ比重を有する空洞含有フィルムを
製造することは困難である。
【0036】緩和処理を行う方法としては、一旦フィル
ムを冷却した後、オーブン中で80℃〜150℃に再加
熱する方法、縦延伸直後に冷却することなくロール間で
緩和処理を施す方法、あるいは60℃〜100℃に加熱
した駆動ロール群あるいはフリーロール群の問で緩和処
理を施す方法、あるいはこれらを適宜組み合わせた方法
などを用い得る。好ましくは、縦延伸直後に冷却するこ
となく緩和処理を施す方法を主体とする緩和処理を行う
方法である。これにより均一な緩和処理を効率よく行い
得る。
【0037】横延伸は、フィルムを、例えばテンターに
導入して、縦緩和処理後に達成される縦延伸倍率以上の
倍率、好ましくは縦延伸倍率から縦延伸倍率+1.0ま
での範囲で延伸することにより行われ得る。横延伸倍率
が緩和処理後の縦延伸倍率より小さいと、面内複屈折率
を+0.04以下とすることが困難である。
【0038】好ましい横延伸温度は、縦延伸・縦緩和処
理工程における最高温度からポリエステルの融点
(Tm)−10℃までの範囲である。
【0039】このようにして得られた2軸延伸フィルム
は、必要に応じて熱処理が施され得る。熱処理はテンタ
ー中で行うのが好ましい。熱処理温度は、ポリエステル
の融点(Tm)−50℃からTmまでの範囲が好ましい。
また、熱処理と並行して、再横延伸、横方向の緩和など
を行い得る。
【0040】上記のような延伸方法により、基材フィル
ムの配向が縦方向および横方向に均等にバランスする。
この時の面内複屈折率は、−0.02〜+0.04が好
ましい。これにより、カール指数の低いフィルムが得ら
れる。
【0041】このような基材フィルムを用いない場合、
例えばフィルムの片面または両面にカールを矯正するよ
うなコート層を設ける方法がある。しかし、この方法で
は、矯正するためには厚いコート層を必要とするため、
フィルム全体の厚みが大きくなる。その結果、折り曲げ
た時の保管性が不良となる。
【0042】基材フィルムは、単層または2層以上の複
合層であり得る。複合層とすることにより、基材フィル
ムの性質を改良、例えば、基材フィルムとインク受容層
との接着性を改良、あるいは基材フィルムに易滑性を付
与し得る。基材フィルムを複合層とする方法は、当該技
術分野で公知の方法であれば限定されないが、例えば、
共押出法などを用い得る。
【0043】本発明のフィルムは、隠蔽性を向上させる
ために、基材フィルム中あるいは非相溶性樹脂中に無機
または有機粒子が添加され得る。無機粒子としては、例
えば、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウ
ム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブ
ラック、酸化亜鉛、酸化チタン、有機白色顔料等を用い
得る。有機粒子としては、スチレン樹脂粒子、アクリル
樹脂粒子などを用い得る。粒子の粒子径は、通常、0.
1μm〜5μmである。
【0044】本発明に用いられるインク受容層は、樹脂
を主成分として含む。使用し得る樹脂としては、インク
と親和性を有するものなら限定されない。例えば、ポリ
ビニルアルコール、アクリル樹脂、スチレン−アクリル
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、デンプン、
ポリビニルブチラール、ゼラチン、カゼイン、アイオノ
マー、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエステ
ル樹脂、フェノール樹脂、メラニン樹脂、エポキシ樹
脂、スチレン−ブタジエンゴムなどを用い得る。これら
は、単独または1種以上混合して用い得る。さらに、イ
ンク受容層にメラニン樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネ
ート含有ポリウレタン樹脂などを含有させることにより
インク受容層の硬化および耐水性を向上させ得る。ま
た、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、
ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、酸化チタン、有機白色顔料、ベンゾグア
ナミン粒子、架橋ポリスチレン、架橋アクリル粒子、水
酸化アルミニウムなどの粒子を受容層に含有させ得る。
これにより、易滑性、インク吸収性、表面光沢性などを
コントロールし得る。インク受容層は、1層または2層
以上の複合層であり得る。
【0045】基材フィルムとインク受容層との間に中間
層を設けることにより、基材フィルムとインク受容層と
の接着性を向上させ得る。中間層を構成する主成分とし
ては、通常のフィルムの接着性を向上させる手段として
当業者には公知の樹脂、例えばポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系
樹脂を用い得る。
【0046】中間層に用い得るポリエステル樹脂は、ジ
カルボン酸とグリコールとから形成され、水に可溶、乳
化または分散され得るポリエステル樹脂が好ましい。水
に可溶、乳化または分散をポリエステル樹脂に付与する
ために、例えば、スルホン酸基を有するジカルボン酸を
用い得る。
【0047】スルホン酸基を有するジカルボン酸として
は、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4
−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジ
カルボン酸、5−[4−スルホフェノキシ]イソフタル
酸、またはこれらの金属塩を用い得る。5−スルホイソ
フタル酸ナトリウムまたはスルホテレフタル酸ナトリウ
ムが好ましい。
【0048】ポリエステル樹脂の水への分散性は、スル
ホン酸基を有するジカルボン酸の使用以外にも、ジカル
ボン酸の種類、ジカルボン酸とグリコールと重合比、樹
脂中に存在する水溶性有機化合物の種類および量などに
よっても変わり得る。従って、スルホン酸基を有するジ
カルボン酸の使用量は水に対する分散性を損なわない限
り、少ない方がよい。スルホン酸基を有するジカルボン
酸の使用量は、全ジカルボン酸に対して0.5〜50モ
ル%、好ましくは1〜20モル%である。50モル%を
越えると水に対する分散性は良くなるが、得られる樹脂
の耐水性が低下する。
【0049】スルホン酸基を有するジカルボン酸と共に
用い得るスルホン酸基を含まないジカルボン酸として、
芳香族、脂肪族または脂環族のジカルボン酸を挙げるこ
とができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸などを用い得る。芳香族ジカルボン酸は
全ジカルボン酸の40モル%以上であることか好まし
い。40モル%未満であると得られるポリエステル共重
合体の機械的強度や耐水性が低下する。
【0050】脂肪族または脂環族のジカルボン酸として
は、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,3−シク
ロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸などを用い得る。これ
らの脂肪族または脂環族ジカルボン酸を用いると、得ら
れるポリエステル樹脂の接着性能が高められる場合もあ
るが、一般には樹脂の機械的強度や耐水性が悪くなる。
【0051】グリコール成分としては、脂肪族グリコー
ル、脂環族グリコール、および両者の混合物を用い得
る。グリコールとして、エチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンルグリコール、1,
6−へキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタ
ノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キ
シレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを挙
げることができる。中間層に用い得るポリエステル樹脂
の製造は、当業者に公知のポリエステル製造方法、例え
ば、ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させて生成
する水を留去しながら重縮合を行う直接エステル化法、
ジカルボン酸のジメチルエステルとグリコールとを反応
させ、生成するメチルアルコールを留去しながら重縮合
を行うエステル交換法などの溶融重縮合によって得られ
得る。このほかに溶液重縮合や界面重縮合なども用い得
る。
【0052】溶融重縮合法を用いる場合、重合の際に必
要に応じて酸化防止剤、滑り剤、無機微粒子、帯電防止
剤を加え得る。
【0053】中間層に用い得るポリウレタン樹脂は、
(1)分子内に2個以上の活性水素を有する化合物と
(2)分子内に2個以上のイソシアネート基を有する有
機ポリイソシアネート、および必要に応じて(3)分子
内に少なくとも2個の活性水素を有する鎖伸長剤とを反
応させて得られ、末端にイソシアネート基を有する。
【0054】上記(1)の分子内に2個以上の活性水素
を有する化合物は、末端または分子内に2個以上のヒド
ロキシル基、カルボキシル基、アミノ基あるいはメルカ
プト基を有し得る。このような化合物として、ポリエー
テルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリエ
ーテルエステルポリオールを用い得る。
【0055】ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどの
アルキレンオキサイド類、スチレンオキサイド、または
エピクロルヒドリンを重合単位とする重合体あるいはラ
ンダムまたはブロック共重合体、スチレンオキサイドま
たはエピクロルヒドリンと多価アルコールとの付加重合
体を挙げることができる。
【0056】ポリエステルポリオールとしては、コハク
酸、アジピン酸、フタル酸及び無水マレイン酸などの多
価の飽和および不飽和カルボン酸無水物と多価の飽和お
よび不飽和のアルコール類との反応生成物、およびラク
トンおよびヒドロキシ酸から得られるポリエステル類を
用い得る。
【0057】アルコール類として、例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、1、4−ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1、6−へキサンジオ
ールおよびトリメチロールプロパンを挙げることができ
る。
【0058】ポリエーテルエステルポリオールとして
は、コハク酸、アジピン酸、フタル酸及び無水マレイン
酸などの多価の飽和および不飽和カルボン酸無水物とポ
リアルキレンエーテルグリコール類または上記アルコー
ル類との反応生成物、およびポリエステル類に、エチレ
ンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドなどを付加
させたポリエーテルエステル類を用い得る。
【0059】ポリアルキレンエーテルグリコール類とし
て、例えば、低分子量のポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコールを挙げることができる。
【0060】上記ポリエステルポリオールおよびポリエ
ーテルエステルポリオールは、直鎖状あるいは分岐状で
あり得る。
【0061】上記(2)の有機ポリイソシアネートとし
ては、トルイレンジイソシアネートの異性体類;4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族
ジイソシアネート類;キシリレンジイソシアネートなど
の芳香族脂肪族ジイソシアネート類;イソホロンジイソ
シアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;あるいは
単一または複数のこれら化合物とトリメチロールプロパ
ンなどとの付加生成物であるポリイソシアネート類を用
い得る。
【0062】上記(3)の少なくとも2個の活性水素を
有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオールなどのグリコール類;グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価
アルコール類;エチレンジアミン、へキサメチレンジア
ミン、ピペラジンなどのジアミン類;モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミンなどのアミノアルコール類;
ジエチレンチオグリコールなどのジチオグリコール類;
あるいは水などを用い得る。
【0063】中間層に用い得るアクリル系樹脂として
は、アクリル酸あるいはメタクリル酸および/またはそ
れらのエステルを重合して得られる樹脂を用い得る。必
要に応じてビニル基を有する他の単量体を共重合させ得
る。
【0064】アクリル酸またはメタアクリル酸のエステ
ルとして、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、
アミル、へキシル、へプチル、オクチル、2−エチルヘ
キシル、ヒドロキシメチルおよびグリシジルエステルを
挙げることができる。
【0065】中間層は、上記樹脂の他に、必要に応じ
て、0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上の平均
粒径を有する粒子を含有し得る。粒子を含有することに
より描画性が向上する。このような粒子としては、例え
ば、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、
ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、酸化チタン、有機白色顔料、架橋アクリ
ル粒子、架橋スチレン粒子を用い得る。0.1μm未満
では鉛筆での描画性が不足する場合がある。
【0066】本発明のフィルムは、インク受容層を有す
る面と反対面に易滑層を有し得る。この易滑層は上記中
間層と同様の成分および方法を用いて形成され得る。易
滑層は、内部に帯電防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤
などを含有し得る。この場合、易滑層の中心線2次元表
面粗さはインク受容層の中心線2次元表面粗さよりも小
さいほうが好ましい。大きいとインク受容層と易滑層の
滑りが悪く、プリンター内部での用紙の搬送性が不良に
なる。
【0067】上記インク受容層、中間層および易滑層を
基材フィルムに付与する方法としては、グラビアコード
方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレーコート
方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブ
レードコート方式、リバースロールコート方式などの各
種コート方法、および押し出し積層、押し出し塗装など
の通常用いられている方法を使用し得る。これらの層の
形成は、フィルムの延伸前、縦延伸後、全ての延伸処理
の終了後のいずれかに行われ得る。
【0068】こうして得られるフィルムの見かけ比重
は、含まれる空洞の個数とその体積に依存して変わり得
るが、通常、0.6〜1.3、好ましくは0.9〜1.
3、より好ましくは1.05〜1.27である。見かけ
比重が0.6未満では空洞含有率が大きすぎるため、基
材フィルムの強度が著しく損なわれ、フィルム表面のワ
レやシワが生じやすくなる。見かけ比重が1.3を超え
ると、空洞含有率が小さくなりすぎるため、基材フィル
ムのクッション性や柔軟性等の空洞を含有することによ
って生じる特性が損なわれる。
【0069】
【作用】本発明のインクジェット記録用フィルムは、基
材フィルムと該基材フィルムの少なくとも片面に形成さ
れたインク受容層を有する所定の厚みのフィルムであ
り、そのカール指数が10以下である。このようなフィ
ルムの基材フィルムはフィルム内に微細な空洞を有し得
る。基材フィルムは、樹脂および/または粒子を含む未
延伸フィルムを加熱して、縦方向に1段または多段で
3.0倍以上延伸した後、縦方向に3%以上の緩和処理
を施し、次いで緩和処理後の縦延伸倍率以上の倍率で横
延伸および熱処理を行って調製され、空洞を有する基材
フィルムの見かけ比重は、0.6〜1.3であり、面内
複屈折率は−0.02〜+0.04である。また、基材
フィルムの厚さは80μm以下、基材フィルムと塗布層
を合わせたフィルム全体の厚さは、95μm以下であ
る。
【0070】このようなフィルムは、フィルムを構成す
るポリマー分子の配向等方性に優れる。そのため、従来
のインクジェット記録用フィルムと比べると、薄くても
カールが起こりにくい。また、フィルムが中間層を有す
る場合は、基材フィルムとインク受容層との接着性に優
れる。フィルムが易滑層を有する場合は、フィルムの搬
送性に優れる。
【0071】
【実施例】以下、本発明のインクジェット記録用フィル
ムについて実施例により詳細に説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0072】本発明に用いる測定・評価方法を以下に示
す。
【0073】(1)フィルムの厚さ ピーコック製ダイヤルゲージを用いて測定した。
【0074】(2)見かけ比重 5cm×5cmの正方形フィルムの厚さを50点測定し
て、その平均値をtμmとする。他方、上記フィルムの
重量を0.1mgの精度で測定してwgとする。下式によって
見かけ比重を算出した。
【0075】
【数1】
【0076】(3)表面粗さ JIS−B0601−1982に準じ、サーフコム30
0A型表面粗さ計(東京精密製)を用い触針径2μm、
触針圧30mg、測定圧30mg、カットオフ0.8mgで中
心線平均厚さを測定した。
【0077】(4)熱収縮率 幅10mm、長さ250mmのフィルムに、200mmの間隔
で印をつけ、このフィルムを5gの一定張力下で固定し
て印の間隔Aを測った。続いて、張力を解放して、15
0℃の雰囲気中のオーブンに30分間置いた後の印の間
隔Bを求めた。そして、以下の式により熱収縮率を算出
した。
【0078】
【数2】
【0079】(5)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用いて、フィルムの光
線透過率を測定した。この値が小さいほどフィルムの隠
ぺい性が高い。
【0080】(6)プリンターでのしわの有無 インクジェットプリンター(HP650C)を用いて、
A1版のフィルムに地図を印字し、この時しわが発生し
なければ○、発生すれば×とした。
【0081】(7)折り曲げ後の印字物の保管性 インクジェットプリンター(HP650C)を用いて、
A1版のフィルムに地図を印字し、このフィルムを縦、
横2回ずつ折り曲げておよそA5版の大きさに折り畳ん
だ。このとき印字フィルムが実質的に折り畳んだままの
状態にあれば○、折り畳んだところから元の状態に返っ
たり、反ったら×とした。
【0082】(8)搬送性 インクジェットプリンター(HP650C)を用いて、
A1版のフィルムに地図を印字し、この時、フィルムの
搬送が一定で印字が列で重複したり、抜けたりしなけれ
ば○、すれば×とした。
【0083】(9)カール指数 10cm×10cmにサンプルを切り取り、これを、2
3℃、湿度65%の環境下で平らな台の上に24時間放
置する。そのときカールしたフィルムの端から台までの
距離(mm)を測定してカール指数とした。
【0084】(実施例1)固有粘度0.62のポリエチ
レンテレフタレート樹脂83重量%に汎用ポリスチレン
(三井東圧化学(株)製T570−57U)10重量
%、ポリプロピレン樹脂(三井東圧化学(株)製JHH
−M)3重量%および平均粒径0.3μm(電顕法)の
アナターゼ型二酸化チタン(富士チタン製TA−30
0)4重量%からなる混合物を押出機に供給し、290
℃で溶融押し出し、次いで、押し出し物を30℃の冷却
ドラム上に静電密着法を用いてキャスティングして、厚
さ500ミクロンの未延伸フィルムを調製した。
【0085】この未延伸フィルムを70℃に加熱したロ
ールによって予熱し、赤外線ヒーターを用いてさらに加
熱し、次いで、周速の異なるロール間で縦方向に3.7
倍延伸した。このとき、高速ロール(延伸ロール)の温
度を70℃とした。延伸終了後直ちに、延伸フィルムを
冷却することなく、ロール間で14%の緩和処理を施し
た。緩和後の縦延伸倍率は3.2となった。
【0086】次いで、縦緩和終了後のフィルムをテンタ
ーに導き、140℃で8秒間予熱した後、同じ温度で横
方向に3.6倍延伸した。延伸後、フィルムを220℃
で5秒間熱処理し、同温度でさらに横方向に8%再延伸
し、次いで、同温度で5秒間熱処理した。
【0087】このようにして、空洞を有する厚さ45ミ
クロンの基材フィルムを得た。
【0088】この基材フィルムの両面に、イソシアネー
ト含有ポリウレタン樹脂(第一工業製薬製エラストロ
ン)2重量%と帯電防止剤としてのカチオン系アクリル
樹脂(日本純薬(株)製ジュリマー)2重量部と平均粒
子径2.5μmの球状シリカ粒子0.8重量%とを含む
水とイソプロピルアルコールの7/3(重量比)混合溶
液を、ワイヤーバー(#5)で塗布した。塗布後、フィ
ルムを80℃で2分間、次いで170℃で30秒間乾燥
させた。
【0089】得られたフィルムの片面に、さらに、ポリ
ビニルアルコール(クラレ(株)製PVA117)20
重量部とイソシアネート含有ポリウレタン樹脂(第一工
業製薬製エラストロン)10重量部と平均粒子径2.5
μmの球状シリカ粒子20重量部とを水230重量部に
溶解させて得たPVA溶液を、乾燥後16g/cm2となる
ようにワイヤーバーで塗布して、インクジェット記録用
フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に
示す。
【0090】(実施例2)固有粘度0.62のポリエチ
レンテレフタレート樹脂83重量%に、汎用ポリスチレ
ン(三井東圧化学(株)製T570−57U)10重量
%、ポリプロピレン樹脂(三井東圧化学(株)製JHH
−M)3重量%および平均粒径0.3μm(電顕法)の
アナターゼ型二酸化チタン4重量%からなる混合物を押
し出し機に供給して押し出した(A層)。他方、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂97重量%に球状ゼオライト
粒子(水沢化学(株)製JC−20)3重量%からなる
混合物を別の押し出し機に供給し、そしてT−ダイに導
いて押し出した(B層)。これらをフィードブロックに
導き、そして貼り合わせた。続いて、実施例1と同様に
して延伸処理して空洞含有フィルムを得た。得られたフ
ィルムの厚さは、A層が40μm、B層が5μmであっ
た。
【0091】得られたフィルムのA層側に実施例1と同
様にして塗布層を形成し、インクジェット記録用フィル
ムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0092】(実施例3)実施例1の基材フィルムの片
面に、イソシアネート含有ポリウレタン樹脂(第一工業
製薬製エラストロン)2重量%と平均粒子径2.5μm
の球状シリカ粒子0.8重量%とを含む水とイソプロピ
ルアルコールの7/3(重量比)混合溶液を、ワイヤー
バー(#5)で塗布した。塗布後、フィルムを80℃で
2分間、次いで170℃で30秒間乾燥させた。
【0093】得られた塗布面にさらに、ポリビニルアル
コール(クラレ(株)製PVA117)20重量部およ
びイソシアネート含有ポリウレタン樹脂(第一工業製薬
製エラストロン)10重量部および平均粒子径2.5μ
mの球状シリカ粒子20重量部を水230重量部に溶解
させて得たPVA溶液を、乾燥後20g/cm2となるよう
にワイヤーバーで塗布した。
【0094】上記塗布面の反対面に、ポリエステル樹脂
(東洋紡績製バイロンMD−16)2重量%とイソシア
ネート基含有ポリウレタン樹脂(第一工業製薬製エラス
トロン)2重量%と平均粒子径2.5μmの球状シリカ
粒子4重量%とを含む水とイソプロピルアルコールの7
/3(重量比)混合溶液を、ワイヤーバー(#5)で塗
布した。塗布後、フィルムを80℃で2分間、次いで1
70℃で30秒間乾燥させてインクジェット記録用フィ
ルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示
す。
【0095】(比較例1)縦延伸倍率を3.7倍として
縦緩和処理を行わないこと、および横延伸倍率を3.2
倍として再構延伸を行わないこと以外は、実施例1と同
様にして基材フィルムを調製し、そしてインクジェット
記録用空洞含有フィルムを得た。得られたフィルムの評
価結果を表1に示す。
【0096】(比較例2)縦延伸倍率を3.2倍とし、
縦緩和処理を行わないこと以外は、実施例1と同様にし
てインクジェット記録用空洞含有フィルムを得た。得ら
れたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0097】(比較例3)実施例2の基材フィルムの厚
みを100μmとしたこと以外は、実施例2と同様にし
て、インクジェット記録用フィルムを得た。得られたフ
ィルムの評価結果を表1に示す。
【0098】(比較例4)比較例2の基材フィルムの両
面に、イソシアネート含有ポリウレタン樹脂(第一工業
製薬製エラストロン)2重量%と平均粒子径2.5μm
の球状シリカ粒子0.8重量%とを含む水とイソプロピ
ルアルコールの7/3(重量比)混合溶液を、ワイヤー
バー(#5)で塗布した。その後、80℃で2分間、次
いで、170℃で30秒間乾燥させた。
【0099】さらにこの塗布面上に(両面とも)ポリビ
ニルアルコール(クラレ(株)製PVA117)20重
量部とイソシアネート含有ポリウレタン樹脂(第一工業
製薬製エラストロン)10重量部と平均粒子径2.5μ
mの球状シリカ粒子20重量%とを水230重量部に溶
解させて得たPVA溶液を、乾燥後20g/m2となるよう
にワイヤーバーで塗布して、インクジェット記録用フィ
ルムを得た。評価結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】表1からわかるように、実施例1〜3のフ
ィルムは、複屈折率が0であり、配向が等方的であるこ
とを示している。さらにカール指数は2と小さかった。
そのため実施例1〜3のフィルムは、しわおよび保管性
に優れていた。
【0102】比較例3のフィルムは、複屈折率が0でカ
ール指数が2と小さいが、フィルムが125μmと厚い
ため保管性に劣っていた。他の比較例1、2および4の
フィルムは、いずれも複屈折率が大きく、またカール指
数が10を越えるため、しわ、保管性に劣っていた。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、インクジェット記録用
に用いる際、プリンターにおいてカールやしわが入りに
くく、大型印字物を折り畳んで保管する場合でもかさば
らないインクジェット記録用フィルムが得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/40 B32B 27/40 B41J 2/01 B41J 3/04 101Y

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの少なくとも片面にインク
    受容層を有するインクジェット記録用フィルムであっ
    て、 該基材フィルムの厚さが80μm以下であり、 全体の厚みが95μm以下であり、そしてカール指数が
    10以下である、インクジェット記録用フィルム。
  2. 【請求項2】 前記基材フィルムと前記インク受容層と
    の間にさらに中間層を有し、そして、該中間層がポリエ
    ステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリアクリル樹脂
    からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含
    む、請求項1に記載のインクジェット記録用フィルム。
  3. 【請求項3】 前記基材フィルムの一方の面に前記イン
    ク受容層を有する請求項1または2に記載のインクジェ
    ット記録用フィルムであって、該基材フィルムの他方の
    面に易滑層を有し、そして該易滑層の中心線2次元表面
    粗さが該インク受容層の中心線2次元表面租さよりも小
    さい、インクジェット記録用フィルム。
  4. 【請求項4】 前記易滑層がポリエステル樹脂、ポリウ
    レタン樹脂およびポリアクリル樹脂からなる群より選択
    される少なくとも1種の樹脂および帯電防止剤を含む、
    請求項3に記載のインクジェット記録用フィルム。
  5. 【請求項5】 フィルム内部に微細な空洞を多数有し、
    そして見かけ比重が0.6以上1.3以下である、請求
    項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 前記基材フィルムが内部に微細な空洞を
    多数有する、請求項5に記載のインクジェット記録用フ
    ィルム。
  7. 【請求項7】 前記基材フィルムがポリエステル樹脂を
    主要成分とする、請求項1から6のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録用フィルム。
  8. 【請求項8】 前記基材フィルムがポリエステル樹脂と
    該樹脂に非相溶性の熱可塑性樹脂および/または粒子と
    を含有する少なくとも1種のフィルム用樹脂を少なくと
    も2軸方向に延伸することによって得られる、請求項1
    から7のいずれかに記載のインクジェット記録用フィル
    ム。
  9. 【請求項9】 光線透過率が30%以下である、請求項
    1から8のいずれかに記載のインクジェット記録用フィ
    ルム。
  10. 【請求項10】 インクジェット記録フィルムであっ
    て、請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット
    記録用フィルムのインク受容層にインクジェット記録用
    インクが吸収されている、フィルム。
JP7134569A 1995-05-31 1995-05-31 インクジェット記録用フィルム Withdrawn JPH08324097A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980087488A (ko) * 1997-05-30 1998-12-05 시바타 미노루 기록재
JP2000335096A (ja) * 1999-05-31 2000-12-05 Toyobo Co Ltd 記録材

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KR19980087488A (ko) * 1997-05-30 1998-12-05 시바타 미노루 기록재
JP2000335096A (ja) * 1999-05-31 2000-12-05 Toyobo Co Ltd 記録材

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