JPH1031814A - 磁気カードおよび磁気カード用空洞含有熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

磁気カードおよび磁気カード用空洞含有熱可塑性樹脂フィルム

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JPH1031814A
JPH1031814A JP18777496A JP18777496A JPH1031814A JP H1031814 A JPH1031814 A JP H1031814A JP 18777496 A JP18777496 A JP 18777496A JP 18777496 A JP18777496 A JP 18777496A JP H1031814 A JPH1031814 A JP H1031814A
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JP
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film
cavities
magnetic card
polyester
acid
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JP18777496A
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Katsuya Ito
勝也 伊藤
Kenichi Mori
憲一 森
Toshitake Suzuki
利武 鈴木
Katsuhiko Nose
克彦 野瀬
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、カールが生じにくいフィルム内部
に微細な空洞を多量に含有するフィルムの片面に磁気層
を設けた磁気カードおよび磁気カード用微細空洞含有熱
可塑性フィルムに関する。 【解決手段】 微細空洞含有熱可塑性樹脂フィルムにお
いて、フィルムの縦方向の断面における空洞の長さの平
均(L1)とその垂直方向すなわち横方向の断面におけ
る空洞の長さの平均(L2)の比(L1/L2)が2/
3〜3/2であり、空洞含有率が5〜50体積%であ
り、フィルムの厚みムラが5%以下である基材フィルム
の少なくとも片面に磁気層を設けたことを特徴とする磁
気カード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カールが生じにく
いフィルム内部に微細な空洞を多量に含有するフィルム
の片面に磁気層を設けた磁気カードおよび磁気カード用
微細空洞含有熱可塑性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに
優れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が
進められている。合成紙の主原料としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステルなどが用いられてい
るがこの中でもポリエチレンテレフタレートを代表とす
るポリエステルは、耐熱性が高い点や、腰が強いという
点で優れており、広範な用途展開が可能である。ポリエ
ステルを主原料とした紙と類似した機能を有するフィル
ムを得る方法として、従来(1)微細な空洞をフィルム
内部に多量に含有させる方法や通常の平坦なポリエステ
ルフィルムを(2−1)サンドプラスト処理や(2−
2)ケミカルエッチング処理や(2−3)マット化処理
(マット剤をバインダーとともに積層する方法)などに
よって粗面化する方法、などが開示されている。これら
の中で、(1)の微細な空洞をフィルム内部に多量に含
有させる方法には、フィルム自体を軽量化できる点や適
度な柔軟性を付与できて、鮮明な印刷や転写が可能にな
るという利点がある。微細な空洞をフィルム内部に生成
させる方法として、従来、ポリエステルと相溶しないポ
リマーを押出機で溶融混練し、ポリエステル中に該ポリ
マーを微粒子に分散させたシートを得て更に該シートを
延伸することによって微粒子の周囲に空洞を発生させる
方法が開示されている。空洞のために用いられるポリエ
ステルに非相溶のポリマー(以下、空洞発現剤と呼ぶ)
としては、ポリオレフィン系樹脂(たとえば特開昭49
−134755号公報)やポリスチレン系樹脂(たとえ
ば特公昭49−2016号公報、特公昭54−2955
0号公報)やポリアリレート樹脂(たとえば特公昭58
−28097号公報)など多数提案されている。これら
の中でポリプロピレンやポリスチレンは、空洞ができや
すい点や密度が低い点、安価である点で特に好ましい。
従来技術で得られる微細空洞含有熱可塑性樹脂フィルム
の空洞は、縦方向よりも横方向に長くなる傾向にあり、
これにより磁気カードおよび磁気カード用フィルムとし
た場合、熱によるカールが生じやすいという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前期の欠
点、即ち、空洞を等方化することにより、カールが発生
しにくい磁気カードおよび磁気カード用空洞含有フィル
ムを提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわちこれらを解決す
るための手段としての本発明の主旨は、微細空洞含有熱
可塑性樹脂フィルムにおいて、フィルムの縦方向の断面
における空洞の長さの平均(L1)とその垂直方向すな
わち横方向の断面における空洞の長さの平均(L2)の
比(L1/L2)が2/3〜3/2であり、空洞含有率
が5〜50体積%であり、フィルムの厚みムラが5%以
下である基材フィルムの少なくとも片面に磁気層を設け
たことを特徴とする磁気カードおよび磁気カード用空洞
含有フィルムに関する。
【0005】本発明におけるポリエステルとは、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごと
き芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、1、4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重
縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポ
リエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接
反応させてからほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエ
ステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮
合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコー
ルエステルを重縮合させるなどの方法によって製造させ
る。かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレート
あるいはポリエチレン−2、6−ナフタレートなどが挙
げられる。このポリエステルはホモポリマーであっても
よく、第三成分を共重合したものであっても良い。いず
れにしても本発明においては、エチレンテレフタレート
単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−
2、6−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましく
は80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であ
るポリエステルが好ましい。
【0006】本発明に用いられるポリエステルに非相溶
性の熱可塑性樹脂は、上記したポリエステルに非相溶性
のものでなければならない。具体的には、ポリスチレン
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロー
ス系樹脂などがあげられる。特にポリスチレン系樹脂、
ポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂が好ましい。
【0007】本発明の該ポリエステルと該ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂を混合させた重合体混合物
は、たとえば、各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融
混練した後、押出して固化することによって得られる方
法や、あらかじめ混練機によって両樹脂を混練したもの
を更に押出機より溶融押出して固化する方法や、ポリエ
ステルの重合工程においてポリエステルに非相溶性の熱
可塑性樹脂を添加し、かくはん分散して得たチップを溶
融押出して固化する方法などによっても得られる。固化
して得られた重合体(未延伸シート)は通常、無配向も
しくは弱い配向状態のものである。また、ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂はポリエステル中に、球状も
しくは楕円球状、もしくは糸状など様々な形状で分散し
た形態をとって存在する。
【0008】該重合体混合物には、必要に応じて隠ぺい
性や描画性を向上させるため無機粒子を含有することが
できる。そのための無機粒子としては二酸化チタン、二
酸化珪素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミ
ニウム、ゼオライト、カオリン、タルクなどがあげられ
るが特に限定されるものではない。該重合体混合物に
は、用途に応じて着色剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤
などを添加することも可能である。こうして得た重合体
混合物は、更に速度差をもったロール間での延伸(ロー
ル延伸)やクリップに把持して拡げていくことによる延
伸(テンター延伸)や空気圧によって拡げることによる
延伸(インフレーション延伸)などによって少なくとも
1軸に配向処理する。このときに分散された該ポリエス
テルに非相溶性の熱可塑性樹脂とポリエステルとの界面
で剥離が起こり重合体混合物に空洞が多数発生する。
【0009】したがってポリエステルに混合させる空洞
発現剤の量は、目的とする空洞の量によって異なってく
るが、重合体混合物全体に対して3重量%〜39重量%
が好ましく、特に5〜30重量%が好ましい。3重量%
未満では、空洞の生成量を多くすることに限界があり、
目的の柔軟性や軽量性や描画性が得られない。逆に、4
0重量%以上では、ポリエステルフィルムの持つ耐熱性
や強度、特に腰の強さが著しく損なわれる。いずれにし
ても空洞発現剤の含有量を多くして、分散性樹脂により
細かくすることが本発明において重要である。本発明に
おいては、表層と中心層を積層したいわゆる複合フィル
ムとすることとしてもよい。その方法は特に限定される
ものではない。しかし生産性を考慮すると、表層と中心
層の原料は別々の押出機から押出し、1つのダイスに導
き未延伸シートを得た後、少なくとも1軸に配向させ
る、いわゆる共押出法による積層がもっとも好ましい。
【0010】該重合体混合物を配向処理する条件は、熱
によるカールやしわの入らないフィルムを得るために重
要なポイントとなる。通常の空洞含有ポリエステルフィ
ルムの延伸条件はたとえば、もっとも一般的に行われて
いる逐次2軸延伸工程を例に挙げると、該重合体混合物
の連続シートを長手方向にロール延伸した後に、幅方向
にテンター延伸する逐次2軸延伸法の場合以下のように
なる。ロール延伸(縦延伸)においては空洞を多数発現
させるため温度を80〜100℃、倍率を2.0〜5.
0とし、その後にテンター延伸(横延伸)を80〜14
0℃、倍率を2.8〜5倍とする。さらに、延伸後の熱
処理を150℃以上で実施することとなっている(例え
ば、特開昭63−168441号公報、同63−193
938号公報、特開平2−80247号公報、同2−2
84929号公報、3−114817号公報、同4−2
02540号公報)。
【0011】しかし、本発明においては、横延伸を2段
に分けて行う。1回目のそれは100〜140℃で2.
0〜2.8倍延伸する。このとき延伸倍率は縦延伸の倍
率よりも低くする。さらにそのあと2回目のそれは14
0〜230℃、好ましくは160℃〜230℃で1.2
〜2.0倍延伸する。1回目の延伸は十分に空洞の発現
した2軸延伸フィルムを得るために、また2回目の延伸
は薄くて、縦横のバランスのとれた空洞にするためのも
のである。2回目の延伸による空洞の増大はほとんどな
く、おもに厚みムラを低下させるのに寄与する。1、2
回目の横延伸倍率の合計が縦延伸倍率をこえても構わな
い。さらに本発明においては、延伸後の熱処理条件を以
下に述べる方法で実施することが好ましい。熱処理は延
伸終了後、200℃以上、好ましくは220℃以上、さ
らに好ましくは230℃以上で行わなくてはならない。
また、このときに2〜5%緩和させながら熱固定を行わ
なくてはならない。200℃未満または3%未満では1
50℃の熱収縮率が2%未満、好ましくは1.7%未
満、さらに好ましくは1.5%未満の空洞含有フィルム
は得られない。本発明においては、空洞含有率を5〜5
0体積%、好ましくは8〜30体積%である。50体積
%を越えると強度が不足し、カールが発生しやすい。5
体積%未満では、空洞による柔軟性がなくなる。 L1
/L2が2/3〜3/2であることが好ましい。2/3
未満では空洞が横長であり、3/2を越えると縦長であ
り、バランスが悪くカールが発生しやすい。
【0012】本発明においては下引き層として、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂および塩化ビニルデン系樹脂などを少なくとも1種類
以上含む高分子材料の溶液、エマルジョンまたは分散液
をポリエステルフィルム面に塗布して形成される。下引
層のポリエステル系樹脂は、二塩基酸とグリコールから
なり、水に可溶、乳化または分散できるポリエステル樹
脂であり、例えば二塩基酸は全ジカルボン酸の50〜0
・5モル%がスルホン酸基含有のジカルボン酸であり、
これら2種のジカルボン酸成分とグリコール成分とが共
重合されたポリエステル共重合体である。上記スルホン
酸金属塩含有ジカルボン酸としては、スルホテレフタル
酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4
−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5[4−
スルホフエノキシ]イソフタル酸等の金属塩があげら
れ、特に好ましいのは5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、ナトリウムスルホテレフタル酸である。これらのス
ルホン酸金属塩含有ジカルボン酸は、全ジカルボン酸成
分に対して50〜0.5モル%、好ましくは20〜1モ
ル%であり、50モル%を越えると水に対する分散性は
良くなるとしても共重合体の耐水性が低下する。
【0013】ポリエステル共重合体の水の中に対する分
散性は、共重合組成、水溶性有機化合物の種類及び量な
どによって異なるが、上記スルホン酸金属塩基含有ジカ
ルボン酸成分の量は水に対する分散性を損なわない限
り、少ない方がよい。スルホン酸金属塩基を含まない通
常ジカルボン酸としては、芳香族、脂肪族、脂環族のそ
れぞれのジカルボン酸が用いられる。芳香族ジカルボン
酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などをあげるこ
とができる。これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカルボ
ン酸成分の40モル%以上であることが好ましく、40
モル%未満であるとポリエステル共重合体の機械的強度
や耐水性が低下する。脂肪族、脂環族のジカルボン酸と
しては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1.3 −シ
クロベンタンジカルボン酸、1.2 −シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1.3 −シクロジカルボン酸、1.4 −シクロヘ
キサンジカルボン酸などがあげられる。これらのひ芳香
族ジカルボン酸成分を加えると接着性能が高められる場
合もあるが、一般にはポリエステル共重合体の機械的強
度や耐水性は悪くなる。
【0014】上記ジカルボン酸混合物に反応させるグリ
コール成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコー
ル、および6〜12個の脂環族グリコール、および両者
の混合物であり、エチレングリコール、1.2 −プロピレ
ングリコール、1.3 −プロパンジオール、1.4 −ブタン
ジオール、ネオベンルグリコール、1.6 −ヘキサンジオ
ール、1.2 −シクロヘキサンジメタノール、1.4 −シク
ロヘキサンジメタノール、p −キシレングリコールなど
があげられる。炭素数4個以上の脂肪族ジオールとして
は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールな
どがあげられ、またポリエーテルとしてはポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールなどがあげられる。
【0015】ポリエステル共重合体は、通常の溶融重縮
合によって得られる。すなわち前述のジカルボン酸成分
およびグリコール成分を直接反応させ水を留去してエス
テル化したのち重縮合を行う直接エステル化法、あるい
はジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリコール成
分を反応させ、メチルアルコールを留去してエステル交
換を行ったのち重縮合を行うエステル交換法によって得
られる。このほかに溶液重縮合や界面重縮合などによっ
ても重合体が得られ、この発明は上記いずれかの方法に
限定されるものではない。溶融重縮合の際には、必要に
応じて酸化防止剤、滑り剤、無機微粒子、帯電防止剤を
加えることができる。前述したポリエチレングリコール
などのポリエーテルは、溶融重縮合の際あるいは重合後
に溶融ブレンドして添加することができる。
【0016】ポリウレタン樹脂としては、(1)分子内
に2個以上の活性水素原子を有する化合物、(2)分子
内に2個以上のイソシアネート基を有する、有機ポリイ
ソシアネート、あるいは(3)分子内に少なくとも2個
の活性水素原子を有する鎖伸長剤を反応せしめて得ら
れ、末端にイソシアネート基を有する化合物である。上
記(1)の化合物として一般に知られているのは、末端
又は分子内に2個以上のヒドロキシル基、カルボキシル
基、アミノ基あるいはメルカプト基を含むものであり、
特に好ましいのはポリエーテルポリオール、ポリエステ
ルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオールな
どが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、例
えばエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドな
どのアルキレンオキサイド類、あるいはスチレンオキサ
イドおよびエピクロルヒドリンなどを重合した化合物、
あるいはそれらのランダム共重合、ブロック共重合ある
いは多価アルコールへの付加重合を行って得られた化合
物などがある。ポリエステルポリオールおよびポリエー
テルエステルポリオールとしては、主として直鎖状ある
いは分岐状の化合物が挙げられ、コハク酸、アジピン
酸、フタル酸及び無水マレイン酸などの多価の飽和およ
び不飽和カルボン酸無水物などとエチレングリコール、
ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールおよび
トリメチロールプロパンなどの多価の飽和および不飽和
のアルコール類、比較的低分子量のポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレン
エーテルグリコール類、あるいはそれらアルコール類の
混合物とを縮合することにより生成し得る。さらにポリ
エステルポリオールとしては、ラクトンおよびヒドロキ
シ酸から得られるポリエステル類が挙げられ、ポリエー
テルエステルポリオールとしてはあらかじめ製造された
ポリエステル類に、エチレンオキサイドあるいはプロピ
レンオキサイドなどを付加せしめたポリエーテルエステ
ル類が挙げられる。
【0017】上記(2)の有機ポリイソシアネートとし
ては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族
ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネートなど
の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソ
シアネートおよびおよび4,4’−ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート
類、あるいはそれら化合物を単一あるいは複数でトリメ
チロールプロパンなどとあらかじめ付加させたポリイソ
シアネート類が挙げられる。
【0018】上記(3)の少なくとも2個の活性水素を
有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール,1,4−ブタンジオールおよび1,6
−ヘキサンジオールなどのグリコール類、グリセリン、
トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールな
どの多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミンおよびピペラジンなどのジアミン類、モノ
エタノールアミンおよびジエタノールアミンなどのアミ
ノアルコール類、チオジエチレングリコールなどのチオ
ジグリコール類あるいは水などが挙げられる。
【0019】またポリアクリル系樹脂はアクリル酸もし
くはその誘導体および必要に応じてビニル基を有するア
クリル酸(誘導体)以外の単量体を重合させて得られ
る。使用される単量体としては、アクリル酸、メタアク
リル酸(以下、アクリル酸および/またはメタクリル酸
を(メタ)アクリル酸とする)(メタ)アクリル酸の低
級アルキルエステル(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘブチル、オクチル、
2−エチルヘキシルエステル)、メチルメタアクリレー
ト、ヒドロキシメチルアクリレート、スチレン、グリシ
ジルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアク
リレートなどを用いて調製される。
【0020】また下引き層の塩化ビニリデン樹脂として
は、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリリデン・アクリル
酸エステル共重合体、塩化ビニリデン・メタクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共
重合体、またこれら共重合体にアクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸の成分を含
む三元、四元共重合体があげられる。共重合体中の塩化
ビニリデンの含有量は70モル%以上、特に87〜92
モルが好ましい。92モル%を越えると水性乳化液がゲ
ル化し易くなり、コーテイング剤として早く使用しなけ
ればならない、また72モル%未満であると写真乳剤層
との接着力が低下する。
【0021】上記の高分子材料の水系分散体をポリエス
テルフィルムに塗布するには、未延伸、一軸延伸あるい
は二軸延伸のいずれの状態でもよく、その塗布はインラ
インコート、オフラインコートのいずれでもよい。下引
層を形成する高分子材料溶液の溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、ジメチ
ルホルムアミドなどの有機溶媒であり、これら溶液をイ
ンライン方式、オフライン方式によって塗布される。ポ
リエステルフィルムに塗布される高分子材料の塗布量
は、二軸延伸後のフィルムに換算して0.01〜5g/
2 が好ましい。塗布量が0.01g/m2 未満の場合
は磁気層との接着性が十分でない。塗布量が1g/m2
を越える場合は、水系分散体に無機化合物、有機化合物
の微粒子を添加することによって滑り性、耐ブロッキン
グ性を改良することができる。
【0022】又ゴミ等の異物を加工工程での引き付け易
い挙動を抑制するために微細空洞含有フィルムの少なく
とも片面が23℃、65%RH下で表面抵抗にして5×
10 12Ω/□以下であることが好ましい。表面抵抗を5
×1012Ω/□以下にする方法とし微細空洞含有フィル
ムの制電剤を練り込むか又は少なくとも片面に制電剤を
塗布積層する方法がある。制電剤としては、カチオン
系、アニオン系、ノニオン系又は両性の界面活性剤の外
に、ポリマーとしてスルホン酸基(又はその塩)、リン
酸基(又はその塩)を有するモノマーから得られるポリ
マーが好ましく、とりわけビニル基含有アルキレンオキ
シドを共重合したポリマーが好ましい。又、例えばジメ
チルジアリルアンモニウムクロリドなどの第4級アンモ
ニウム塩を有するモノマーの重合物または共重合物も好
ましい。
【0023】ポリエステルフィルムに水系分散体を均一
に塗布し易くするために、水系分散体にメチルアルコー
ル、エチルアルコールなどの有機溶媒を添加して表面張
力を下げればよい。またポリエステルフィルムに表面処
理を施してもよく、表面処理としては、火炎処理、紫外
線照射、プラズマ処理、コロナ処理などの放電処理、電
子線や放射線による照射処理、化学薬品処理などがあ
る。上記各処理のうちコロナ放電処理が簡便、短時間で
効果的である。ポリエステルフィルムの表面に水系分散
体を塗布するには、公知の任意の方法が適用でき、塗布
法としては、ロールコート法、グラビアコート法、ロー
ルブラシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート
法、バーコート法、ブレードコート法、含浸法およびカ
ーテンコート法などが単独でまたは組合せて適用され
る。以上に説明した下引層の上に磁気層を設ける。その
方法は公知の方法が使用できる。
【0024】実施例 次に本発明の実施例および比較例を示す。本発明に用い
る測定・評価方法を以下に示す。 1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。
【0025】2)空洞含有率 フィルムを5.00cm×5.00cmの正方形に性格
に切り出し、その厚みを50点測定し平均厚みをtμm
とし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、下
式によって計算した。 見かけ比重(−)=(w/5×5×t)×10000 ついで、使用した原料の比重a1、a2、a3・・およ
び原料の混合質量%b1、b2、b3・・より空洞含有
率を下式により計算した。 空洞含有率(体積%)= 100−見かけ比重×(b1/a1+b2
/a2 +b3/a3 +…)
【0026】3)空洞の長さの平均値 フィルムの断面の表層付近を走査型電子顕微鏡で200
0倍に写真撮影した後、空洞をトレーシングフィルムに
トレースし塗りつぶした図を画像解析装置で画像処理を
行い、それぞれ求めた。 ・使用した走査型電子顕微鏡 日立製作所製 S−510型の走査型電子顕微鏡 ・使用した画像解析処理装置 セイコーエプソン社製イメージスキャナー GT−80
00を用いて、パーソナルコンピューター マッキント
ッシュのソフトウエアー Adobe Photoshop TM2.5J に
画像を取り込んで、同ソフトウエアー Ultimage TM/24
2.1.1 にて画像解析を行った。
【0027】4)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学社製)を用い、フィルムの全
光線透過率を測定した。この値が小さいほど隠ぺい性が
高い。
【0028】5)カールの有無 カードを市販テレホンカードの大きさに切り、70℃に
保った恒温器に1分放置し、取り出した後、カードがカ
ールしなければ○、すれば×とした。
【0029】6)厚みムラ カードを10cm×10cmの正方形に切り出し、その
厚みを100点測定し、平均厚みをTμm、最大厚みを
Tmaxμm、最小の厚みをTminμmとし、下式に
より求めた。 厚みムラ(%)=(Tmax−Tmin)/T×100
【0030】7)表面固有抵抗 タケダ理研社製表面抵抗測定器で印加電圧500V、2
3℃、65×RHの条件下で測定した。
【0031】実施例1 原料として固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂80重量%に一般用ポリスチレン樹脂(三井東
圧化学社製 T575−57U)15重量%、平均粒径
0.35μmのアナターゼ型二酸化チタン(富士チタン
社製 TA−300)5重量%を原料とし、2軸スクリ
ュー押出機に投入し、T−ダイスより288℃で溶融押
出しし、静電気的に冷却回転ロールに密着固化し、約1
300μmの重合体混合物の未延伸シートを得た。引き
続き該未延伸シートをロール延伸機で80℃で3.5倍
縦延伸を行い、引き続きテンターで125℃で2.7倍
横延伸したあと、引き続いてテンターで220℃で1.
3倍延伸した。その後に235℃で4%緩和させながら
熱処理し、内部に多数の空洞を含有するポリエステルフ
ィルムを得た。厚みは約125μmであった。このフィ
ルムの上にポリエステル系樹脂(MD−16 東洋紡績
社製)2重量%とブロックイソシアネート含有ウレタン
樹脂(BN−11 第一工業製薬社製)を2重量%を水
48重量%、イソプロピルアルコール48重量%を混合
し、フィルム上に塗布し、160℃で2分乾燥した。塗
布量は0.4g/m2 であった。
【0032】さらにこの塗布層の上に以下のようにし
て、磁気層を設けた。 組成 Co−γ−Fe2 3 100重量部 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 15重量部 ウレタン変性飽和ポリエステル樹脂 15重量部 α−アルミナ 3重量部 カーボンブラック 1重量部 メチルエチルケトン 105重量部 トルエン 105重量部 シクロヘキサノン 105重量部 磁気層調整方法 上記磁気塗料組成物をボールミルで約12時間混合分散
した後、パルミチン酸1重量部、ドデシルステアレート
2重量部、オレイン酸2重量部を加えて、さらに30分
間混合分散した。ついで、トリイソシアネート化合物の
酢酸エチル溶液(固形分75重量%)を10重量部加
え、1時間混合分散し、磁性塗料を調整した。この磁性
塗料を乾燥後の厚さで4μmとなるように塗布し、磁場
配向処理を施した後、60℃で乾燥し、次いでカレンダ
ー処理を行い、さらに60℃で72時間エージングし硬
化反応させた。 これを市販テレホンカードと同じ大き
さに切り、磁気カードとした。
【0033】比較例1 実施例3において、横延伸の条件を125℃で1回だけ
実施した以外は全く同様の方法において磁気カードを得
た。
【0034】実施例2 実施例1において、空洞含有ポリエステルフィルムの磁
気コートする反対面にメチルメタクリレート/スチレン
スルホン酸ソーダ/ポリオキシエチレングリコールモノ
メタクリレート(60モル/20モル/20モル)の水
分散物(固形文で3重量%)を塗布し、乾燥した以外は
実施例1と同様に行った結果、表面比抵抗2×109 Ω
/□であり、加工工程上ゴミの付着はなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明の磁気カードおよび磁気カード用
微細空洞含有熱可塑性フィルムは、カールが生じにくい
フィルム内部に微細な空洞を多量に含有するものとなっ
た。
【0036】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野瀬 克彦 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡 績株式会社本社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細空洞含有熱可塑性樹脂フィルムにおい
    て、フィルムの縦方向の断面における空洞の長さの平均
    (L1)とその垂直方向すなわち横方向の断面における
    空洞の長さの平均(L2)の比(L1/L2)が2/3
    〜3/2であり、空洞含有率が5〜50体積%であり、
    フィルムの厚みムラが5%以下である基材フィルムの少
    なくとも片面に磁気層を設けたことを特徴とする磁気カ
    ード。
  2. 【請求項2】磁気層とフィルムとの間にポリエステル系
    樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、塩化
    ビニリデンのうち少なくとも1種類以上を含む中間層を
    設けたことを特徴とする請求項1の磁気カード。
  3. 【請求項3】微細空洞含有熱可塑性樹脂フィルムにおい
    て、フィルムの縦方向の断面における空洞の長さの平均
    (L1)とその垂直方向すなわち横方向の断面における
    空洞の長さの平均(L2)の比(L1/L2)が2/3
    〜3/2であり、空洞含有率が5〜50体積%であり、
    フィルムの厚みムラが5%以下である基材フィルムから
    なる請求項1または2の磁気カード用フィルム。
  4. 【請求項4】微細空洞含有フィルムの少なくとも片面の
    表面比抵抗が5×1012Ω/□以下である事を特徴とす
    る請求項1または2の磁気カード用フィルム。
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