JP3799562B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、積層ポリエステルフィルムに関するものである。詳しくは、本発明は、例えばポリビニルアルコール等の水溶性・親水性樹脂を主成分とする機能層との接着性に優れた積層ポリエステルフィルムに関するものである。
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(PET)あるいはポリエチレンナフタレート(PEN)に代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等の優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種の用途において支持フィルムとして使用されている。例えば、ポリエステルフィルムは、その少なくとも一方の表面に磁性層等の機能層を塗布により設けた積層フィルムとして、磁気テープ等の用途に広く利用されている。 近年、主に工程上の安全性等の観点から、この機能層塗布時の希釈溶剤の水系化への要望が高まりつつある。この要望に対し、ポリビニルアルコール・ゼラチン等の水溶性・親水性樹脂の各種機能層のバインダー樹脂としての利用範囲が広がってきている。
二軸延伸ポリエステルフィルムは、その表面が高度に結晶化されているために凝集力が強く、したがって、各用途における機能層とフィルム表面との接着性が乏しいという欠点がある。かかる欠点を解消するために、ポリエステルフィルムの表面に結晶性の低いポリエステル層を共押出により積層する方法、プライマーとして水分散性のポリエステル系樹脂やアクリル樹脂を塗布する方法等が提案されている(特公昭49−10243号公報、特開昭52−19786号公報、特開昭52−19787号公報、特開昭54−43017号公報等)。
しかしながら、プライマーとしてポリエステル系樹脂、アクリル樹脂を使用した支持フィルムは、ポリビニルアルコール等の水溶性・親水性樹脂を主成分とする機能層との接着性等に劣るという欠点がある。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、インクジェット印刷における印刷インク受像層に代表されるポリビニルアルコール等の水溶性・親水性樹脂を主成分とする機能層、写真感剤フィルムに代表されるゼラチン等の水溶性・親水性樹脂を主成分とする機能層等に対して優れた接着性を有する積層フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用することにより、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルム支持体の少なくとも一方の表面に、塗布液を塗布し乾燥することにより易接着樹脂層が形成され、当該易接着樹脂層が少なくとも一軸方向に延伸されている積層ポリエステルフィルムであって、前記塗布液が、水系ポリウレタン(A)とビニルアルコールユニットを主成分として含有する水溶性樹脂(B)とを含有することを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、二軸延伸ポリエステルフィルム支持体を構成するポリエステルとしては、例えば、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート(PET)、構成単位の80モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、構成単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)等が挙げられる。その他には、ポリエチレンイソフタレート、ポリ−1,4−ブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。
上記の優位構成成分以外の共重合成分としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸およびオキシモノカルボン酸等のエステル形成性誘導体を使用することができる。また、ポリエステルとしては、単独重合体または共重合体のほかに、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することができる。
本発明において、ポリエステルフィルム支持体は、滑り性を付与するため、突起形成剤として、添加粒子、析出粒子、その他の触媒残渣等を含有していてもよい。これらの突起形成剤の種類、大きさ、配合量は、目的とする滑り性、透明性などに応じて適宜選択される。
また、ポリエステルフィルム支持体は、必要に応じ、帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光線遮断剤、着色剤などを含有していてもよい。さらに、フィルムの白色化のため、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム等で代表される白色顔料や、低密度化を目的としたポリエステルと非相溶な樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−4−メチルペンテン等のようなボイド形成剤を含有していてもよい。
また、ポリエステルフィルム支持体は、多層構造であってもよく、この場合、その一部の層はポリエステル以外のポリマーで形成されていてもよい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルム支持体の少なくとも一方の表面に、所定の塗布液を塗布し乾燥することにより易接着樹脂層を設けてなり、かつ当該易接着樹脂層が少なくとも一軸方向に延伸されてなることに特徴の一つを有するものである。
本発明の最大の特徴は、易接着樹脂層を形成する塗布液が、水系ポリウレタン(A)と、ビニルアルコールユニットを主成分として含有する水溶性樹脂(B)とを含有することにある。このような塗布液を用いて設けられた易接着樹脂層は、二軸延伸ポリエステルフィルム支持体と親水性樹脂からなる機能層の接着性を著しく高めることができる。以下、便宜上、ビニルアルコールユニットを主成分として含有する水溶性樹脂を水溶性樹脂(B)と記す。
本発明で用いる水系ポリウレタン(A)は、通常手法によって水分散体用として作られたものから選択することができ、具体的には、以下のようなポリオール成分、ポリイソシアネート成分、鎖長延長成分、架橋成分等を原料とする通常の重合反応によって合成することができる。
ポリオール成分としては、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルジオール等から適宜選択することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート系、ポリエチレンイソフタレート系、ポリエチレンシクロヘキサンジカルボキシレート系、ポリエチレンアジペート系、ポリヘキシレンアジペート、ポリカプロラクトンのようなポリエステル類、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシテトラメチレングリコールのようなポリエーテル類、アクリル系ポリオール、ひまし油などが挙げられる。
ポリイソシアネート成分は、具体的には、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのような脂肪族系ジイソシアネート等、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートのような芳香族系ジイソシアネート等が挙げられる。
これらイソシアネート成分の中で、本発明の水系ポリウレタンについては、特に溶融時などの着色特性の観点から脂肪族イソシアネートが好ましい。さらには接着特性と耐ブロッキング特性を合わせて考慮すると脂環式イソシアネートが好ましい。すなわち、芳香族イソシアネートに比べ脂肪族イソシアネートを用いたポリウレタンの方が耐熱・耐光性に優れている。さらに脂肪族イソシアネートの中でも脂環式イソシアネートを用いたポリウレタンの方が、耐ブロッキング性・接着性に優れている。
鎖長延長剤または架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水などが挙げられる。
これらに含まれる水分散性官能基ユニットは、構成される各ユニットでどのように導入させてもよいが、例えば鎖長延長剤としてジメチロールプロピオン酸等を用い、カルボン酸を導入し、中和して塩とする方法等が用いられる。
本発明で用いることのできる水系ポリウレタンは、上記に記載した範囲の構成単位からなる共重合ポリウレタンであることが好ましい。
水系ポリウレタンの平均分子量(GPCによる)は特に制限はないが、通常5000以上、好ましくは8000以上のものが用いられる。水系ポリウレタンの平均分子量が5000未満では、易接着樹脂層の耐水・機能層との接着性が低下することがある。
水系ポリウレタンのガラス転移温度(Tg)は20℃以上、さらには30℃以上、特に40℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が20℃以下では、易接着樹脂層としたときに十分な耐ブロッキング性が得られないことがある。さらに水系ポリウレタンのガラス転移温度は、140℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が140℃を超えると、易接着樹脂層を基体ポリエステルフィルムと共に延伸される過程で十分な延伸適性を得られないことがある。
本発明で用いる水溶性樹脂(B)を構成する成分であるポリビニルアルコールは、通常の重合反応によって合成することによって得ることができる。
本発明で用いられるポリビニルアルコールは、水溶性であれば特に制限はない。本発明のポリビニルアルコールの重合度は、特に限定されるものではないが、通常100以上、好ましくは300〜40000のものが用いられる。重合度が100未満の場合易接着樹脂層の耐水性が低下する。本発明のポリビニルアルコールのけん化度は、特に限定されるものではないが、70モル%以上、好ましくは70モル%以上、99.9モル%以下であるポリ酢酸ビニルけん化物が実用上用いられる。
本発明の水溶性樹脂(B)は、上述の一般的ポリビニルアルコールユニットにアクリル・ビニル基等の重合性不飽和官能基を有する低分子化合物を共重合しているものや、酢酸ビニルとアクリル・ビニル基などの重合性不飽和官能基を有する低分子化合物を共重合した後に脱酢酸処理をしたものであってもよい。
本発明において適宜用いることが好ましいポリグリセロールポリグリシジルエーテル(C)は、主としてグリセリンとエピクロロヒドリンから合成されたもので、その平均分子量は特に制限はないが、通常1200以下、好ましくは250〜1000のものが用いられる。平均分子量が大きくなると、水溶性の程度が低下する傾向があり、水系塗布用として用いることができなくなることがある。グリシジル化合物は、分子内にグリシジル基を少なくとも2以上、好ましくは3以上含有するものである。さらにグリシジル化合物は分子内に水酸基を少なくとも1以上、好ましくは2以上含有するものである。これらの官能基は、易接着樹脂層中では、熱により分子間・分子内のグリシジル基ー水酸基間で縮合反応していてもよい。
本発明のフィルムの易接着樹脂層中には、前述の水系ポリウレタン(A)または水溶性樹脂(B)とポリグリセロールポリグリシジルエーテル(C)との熱による反応生成物を含む可能性がある。その反応形式は、任意の反応を含むが、例えば以下の例が挙げられる。すなわち、水系ポリウレタン(A)または水溶性樹脂(B)中の末端としての水酸基、カルボン酸基あるいは水分散性改良のために導入された水酸基、カルボン酸基、カルボン酸塩基等とポリグリセロールポリグリシジルエーテル(C)のグリシジル基との熱による異種分子間での縮合反応やポリグリセロールポリグリシジルエーテル(C)のグリシジル基と水酸基の同一種分子間での縮合反応等が挙げられる。
さらに本発明のフィルムの易接着樹脂層中には、滑り性改良のために、必要に応じ不活性粒子(D)を含んでいてもよい。
不活性粒子(D)としては、無機不活性粒子、有機不活性粒子がある。無機不活性粒子としては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、炭酸カルシウム、酸化チタン等が挙げられる。有機不活性粒子としては、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂による単独あるいは共重合体を含む微粒子、またはこれらと架橋成分を複合した架橋粒子に代表される有機粒子が挙げられる。これらの不活性粒子は軟化温度または分解温度が約200℃以上、さらには250℃以上、特に300℃以上であることが好ましい。
不活性粒子(D)の平均粒径を(d)、易接着樹脂層の平均膜厚を(L)とした際、比(d/L)が通常1/3以上、さらには1/3〜3、特に1/2〜2の範囲となるように選択することが好ましい。d/Lが1/3未満では、滑り性が劣る傾向があり、3を超えると、粒子が脱落しやすくなる傾向がある。
本発明で用いる塗布液中の水系ポリウレタン(A)、水溶性樹脂(B)およびポリグリセロールポリグリシジルエーテル(C)の混合比は下記式▲2▼および▲3▼を同時に満足することが好ましい。
【数3】
1/9≦(A)/(B)≦9/1 …▲2▼
1/1≦{(A)+(B)}/(C)≦100/1 …▲3▼
水系ポリウレタン(A)成分が少なすぎると、基体ポリエステルフィルムとの間で十分な接着性が得られないことがある。易接着層として十分な接着性を得るためには10重量部以上含有することが好ましい。水溶性樹脂(B)が少なすぎると、親水性樹脂からなる機能層との間で十分な接着性が得られないことがある。易接着樹脂層として十分な接着性を得るためには、10重量部以上含有することが好ましい。
ポリグリセロールグリシジルエーテル(C)は、接着性、特に耐水接着性と耐ブロッキング性の改良の観点から前記(A)および(B)の混合された塗布液中に適当量配合されていることが好ましい。ポリグリセロールグリシジルエーテル(C)は多すぎると、易接着層の接着性を損なう恐れがある。本発明のフィルムの易接着樹脂層の性能をさらに高度に発揮するため、具体的には、改良された耐水接着性付与および易接着樹脂層の耐ブロッキング性改良の観点から、易接着層を形成する塗布液中に化合物(C)を含有することが好ましい。
本発明における易接着樹脂層には、必要に応じて、上記の水系ポリウレタン以外の水溶性または水分散性のバインダー樹脂を併用してもよい。かかるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂等が挙げられる。これらは、それぞれの骨格構造が共重合等により実質的に複合構造を有していてもよい。複合構造を持つバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂変性ポリエステル、アクリル樹脂変性ポリウレタン、ビニル樹脂変性ポリエステル、ビニル樹脂変性ポリウレタン等が挙げられる。
易接着ポリエステル以外のバインダー成分の配合量は、易接着樹脂層を形成する塗布液中の固形分重量部で50重量部以下、さらには30重量部以下の範囲が好ましい。
さらに本発明のフィルムの易接着樹脂層中には、必要に応じて、前述以外の架橋反応性化合物を含んでいてもよい。架橋反応性化合物は、主に易接着樹脂層に含まれる樹脂が有する官能基と架橋反応することで、易接着樹脂層の凝集性、表面硬度、耐擦傷性、耐溶剤性、耐水性をさらに改良することができる。架橋反応性化合物は反応性官能基が1分子中に2官能以上必ず含まれる限りにおいて、低分子量化合物であっても、反応性官能基を有する高分子重合体のいずれであってもよい。
架橋反応性化合物の配合量は、易接着樹脂層を形成する塗布液中の固形分重量部で20重量部以下の範囲、さらには10重量部以下の範囲が好ましい。
本発明の易接着樹脂層は、界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、低分子帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等の添加剤を少量含有していてもよい。これらの添加剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
本発明のフィルムの易接着樹脂層は、ポリエステルフイルムの片面だけに形成してもよいし、両面に形成してもよい。片面のみに形成する場合、その反対面には必要に応じて易接着樹脂層と異なる層を形成させ、本発明の記録シート用支持体にさらに他の特性を付与することもできる。なお、塗布液のフイルムへの塗布性および接着性を改良するため、塗布前のフイルムに化学処理や放電処理等を施してもよい。また、本発明の記録シート用支持体の表面特性をさらに改良するために、易接着樹脂層形成後に放電処理を施してもよい。
易接着樹脂層の厚さは、0.01〜2μm、さらには0.02〜0.5μm、特に0.03〜0.2μmの範囲が好ましい。易接着樹脂層の厚さが0.01μm未満の場合は、十分な接着性が得られない恐れがあり、2μmを超える場合は、耐ブロッキング性が不十分となる傾向がある。
二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、予め乾燥したポリエステルチップと必要な添加剤を混合して押出機にホッパー投入し、押出機にて200〜300℃の温度で溶融混練し、ダイからシート状に押し出して、約70℃以下のキャスティングドラム(回転冷却ドラム)上で急冷し未延伸シートを得、得られたシートを縦およびまたは横方向に4倍以上、好ましくは9倍以上の面積倍率で延伸し、さらに120〜200℃の温度で熱固定を行う方法を採用することができる。
二軸延伸ポリエステルフイルムの表面に易接着樹脂層を形成する方法は、ポリエステルフイルムを製造する工程中で易接着樹脂の塗布液を塗布する方法が好適に採用される。具体的には、未延伸シート表面に易接着樹脂層を形成する塗布液を塗布して乾燥する方法、一軸延伸フイルム表面に易接着樹脂層を形成する塗布液を塗布して乾燥する方法、二軸延伸フイルム表面に易接着樹脂層を形成する塗布液を塗布してさらに延伸した後、乾燥する方法等が挙げられる。これらの中では、未延伸フィルムまたは一軸延伸フイルム表面に易接着樹脂層を形成する塗布液を塗布後、積層フィルムのフイルムに熱処理を行う過程で同時に塗布層を乾燥硬化する方法が経済的である。
また、易接着樹脂層を形成する方法として、必要に応じ、前述の塗布方法の幾つかを併用した方法も採用し得る。具体的には、未延伸シート表面に第一層を塗布して乾燥し、その後、一軸方向に延伸後、第二層を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。この方法で得たフィルムにおいては、フィルム表面を形成する層が本発明の易接着樹脂層である積層フィルムで有れば本発明の目的を達成する。
ポリエステルフイルムの表面に易接着樹脂の塗布液を塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター等を使用することができる。
本発明の易接着樹脂層の形成において用いる塗布液は、通常、安全性や衛生性の観点から水を主たる媒体として調整されていることが好ましい。水を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する目的あるいは造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は、主たる媒体である水と混合して使用する場合、水に溶解する範囲で使用することが必要である。有機溶剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明における各種の物性および特性の測定方法、定義は下記のとおりである。また、実施例および比較例中、「部」および「%」とあるのは、各「重量部」および「重量%」を意味する。
(1)水性樹脂接着性1
水性樹脂:ポリビニルアセタール(積水化学製エスレックKX−1、以下KX1と記載する)を易接着層表面に塗布し乾燥する。塗布は、8重量%に調整されたKX1をベーカー式アプリケーターを用いて塗布直後の溶液塗布厚みが約127μmになるようにする。塗布後、速やかにオーブン中で、100℃で4分間加熱し、塗布層を乾燥させる。乾燥したKX1塗布層表面に、インクジェットプリンター(キャノン製BJC−600J)で黒色の印刷(12cm×12cmの面積)を施し、約12時間風乾する(23℃,50%RH)。印刷表面にセロテープ(ニチバン製18mm巾)を貼り、急速に剥離したときの剥離状況を目視観察し、以下の基準にて判定する。
【表1】
10%未満剥離 :○(良好)
10%以上、50%未満剥離 :△(普通)
50%以上剥離 :×(不良)
(2)水性樹脂接着性2
水性樹脂:ポリビニルアセタールKX1を易接着層表面に塗布し乾燥する。塗布は、8重量%に調整されたKX1をベーカー式アプリケーターを用いて塗布直後の溶液塗布厚みが約127μmになるようにする。塗布後、速やかにオーブン中で、100℃で4分間加熱し、塗布層を乾燥する。乾燥したKX1塗布層表面に、インクジェットプリンター(キャノン製BJC−600J)の黒色で印刷(12cm×12cmの面積)し、約12時間風乾する(23℃,50%RH)。印刷表面に、1mm間隔で100マスのクロスカットを施し、その上にセロテープ(ニチバン製18mm巾)を貼り、急速に剥離したときの剥離状況を目視観察し、以下の基準にて判定する。
【表2】
20%未満剥離 :○(優秀)
20%以上、80%未満剥離 :△( 良 )
80%以上剥離 :×(不良)
(3)耐ブロッキング特性1
支持体フィルムの易接着層面と未処理のPETフィルム面を重ね、温度40℃、湿度80%RH、荷重10kg/cm2 で20時間プレス処理を行い、ASTM D 1893により決められているプラスチックフィルム間のブロッキング度を測定し定量化する手法に準拠し、プレスしたフィルム面をはがす際にかかる荷重からブロッキング度を求める。判定基準は以下のとおりである。
【表3】
50g以上100g未満 :○(優秀)
100g以上250g未満 :△( 良 )
250g以上 :×(不良)
(4)耐ブロッキング特性2
支持体フィルムの易接着層面同士を重ね、温度40℃、湿度80%RH、荷重10kg/cm2 で20時間プレス処理を行い、ASTM D 1893により決められているプラスチックフィルム間のブロッキング度を測定し定量化する手法に準拠し、プレスしたフィルム面をはがす際にかかる荷重からブロッキング度を求める。判定基準は以下のとおりである。
【表4】
50g以上100g未満 :○(優秀)
100g以上250g未満 :△( 良 )
250g以上 :×(不良)
実施例・比較例において、易接着樹脂層形成のために用いたバインダー樹脂等は下記のとおりである。
(化合物例)
バインダー樹脂:A1
テレフタル酸(10モル%)、イソフタル酸(40モル%)、エチレングリコール(8モル%)、ジエチレングリコール(32モル%)、ネオペンチルグリコール(6モル%)からなるポリエステルポリオールに、鎖延長剤としてプロピオン酸ジメタノール(4モル)、イソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートを含有する水系ポリウレタン
水溶性樹脂:B1
けん化度=94モル%、重合度=500のポリビニルアルコール
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル:C1
デナコール EX−521(ナガセ化成製)、平均分子量=1000
不活性粒子:D1
平均粒径0.05μmのシリカゾル
不活性粒子:D2
平均粒径0.02μmのシリカゾル
実施例1
常法に従ってエステル交換反応を行った後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径1.4μmのシリカ粒子を添加した。次いで常法に従って重縮合反応を進め、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを得た。このポリエチレンテレフタレートを280〜300℃の温度で溶融押し出しし、静電密着法を併用しながら冷却ドラム上にキャストし、厚さ約720μmの無定型フィルムを得た。このフィルムを85℃で縦方向に3.7倍延伸し、さらに100℃で横方向に3.9倍延伸し、210℃で熱処理して、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得る工程中、ポリエステルフィルムの縦延伸後、横延伸前のフィルムの片面に上記化合物例で示した水系ポリウレタン(A1)45重量部、水溶性樹脂(B1)40重量部、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(デナコール EX−521:C1)10重量部および不活性粒子(シリカゾル:D1)5重量部を含有する水分散体を調整し、延伸乾燥後の塗膜厚さが0.05μmになるように片面に塗布して積層フィルムを得た。
実施例2〜10および比較例1〜5
実施例1において、易接着樹脂層の組成を下記表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
【表5】
Figure 0003799562
【表6】
Figure 0003799562
【発明の効果】
本発明の積層フィルムによれば、OHPフィルム、ラベル、プロッター用フィルム、写真用フィルム、写真印画紙フィルムなど、バーコードラベル、磁気カード、グラフィックアーツ用などの機能層としてポリビニルアルコール等の水性樹脂を含有する層が使用される全てに対して良好な接着性を有する積層フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルム支持体の少なくとも一方の表面に、塗布液を塗布し乾燥することにより易接着樹脂層が形成され、当該易接着樹脂層が少なくとも一軸方向に延伸されている積層ポリエステルフィルムであって、前記塗布液が、水系ポリウレタン(A)とビニルアルコールユニットを主成分として含有する水溶性樹脂(B)とを含有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
  2. 塗布液がポリグリセロールポリグリシジルエーテル(C)を含有することを特徴とする請求項1記載の積層ポリエステルフィルム。
  3. 易接着樹脂層が不活性粒子を含み、かつ易接着樹脂層の厚さ(L)と不活性粒子の平均粒径(d)が下記式▲1▼を満足することを特徴とする請求項1または2記載の積層ポリエステルフィルム。
    Figure 0003799562
  4. 塗布液中の樹脂(A)、(B)および(C)の重量比が下記式▲2▼および▲3▼を同時に満足することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の積層ポリエステルフィルム。
    Figure 0003799562
JP24830397A 1997-06-12 1997-09-12 積層ポリエステルフィルム Expired - Fee Related JP3799562B2 (ja)

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