JPH1177933A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
積層ポリエステルフィルムInfo
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- JPH1177933A JPH1177933A JP9248303A JP24830397A JPH1177933A JP H1177933 A JPH1177933 A JP H1177933A JP 9248303 A JP9248303 A JP 9248303A JP 24830397 A JP24830397 A JP 24830397A JP H1177933 A JPH1177933 A JP H1177933A
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Abstract
層に代表されるポリビニルアルコール等の水溶性・親水
性樹脂を主成分とする機能層、写真感剤フィルムに代表
されるゼラチン等の水溶性・親水性樹脂を主成分とする
機能層等に対して優れた接着性を有する積層フィルムを
提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルム支持体の少なくと
も一方の表面に、塗布液を塗布し乾燥することにより易
接着樹脂層が形成され、当該易接着樹脂層が少なくとも
一軸方向に延伸されている積層ポリエステルフィルムで
あって、前記塗布液が、水系ポリウレタン(A)とビニ
ルアルコールユニットを主成分として含有する水溶性樹
脂(B)とを含有することを特徴とする積層ポリエステ
ルフィルム。
Description
フィルムに関するものである。詳しくは、本発明は、例
えばポリビニルアルコール等の水溶性・親水性樹脂を主
成分とする機能層との接着性に優れた積層ポリエステル
フィルムに関するものである。
あるいはポリエチレンナフタレート(PEN)に代表さ
れるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定
性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等の優れた特
性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種の
用途において支持フィルムとして使用されている。例え
ば、ポリエステルフィルムは、その少なくとも一方の表
面に磁性層等の機能層を塗布により設けた積層フィルム
として、磁気テープ等の用途に広く利用されている。
近年、主に工程上の安全性等の観点から、この機能層塗
布時の希釈溶剤の水系化への要望が高まりつつある。こ
の要望に対し、ポリビニルアルコール・ゼラチン等の水
溶性・親水性樹脂の各種機能層のバインダー樹脂として
の利用範囲が広がってきている。二軸延伸ポリエステル
フィルムは、その表面が高度に結晶化されているために
凝集力が強く、したがって、各用途における機能層とフ
ィルム表面との接着性が乏しいという欠点がある。かか
る欠点を解消するために、ポリエステルフィルムの表面
に結晶性の低いポリエステル層を共押出により積層する
方法、プライマーとして水分散性のポリエステル系樹脂
やアクリル樹脂を塗布する方法等が提案されている(特
公昭49−10243号公報、特開昭52−19786
号公報、特開昭52−19787号公報、特開昭54−
43017号公報等)。しかしながら、プライマーとし
てポリエステル系樹脂、アクリル樹脂を使用した支持フ
ィルムは、ポリビニルアルコール等の水溶性・親水性樹
脂を主成分とする機能層との接着性等に劣るという欠点
がある。
鑑みなされたものであり、その解決課題は、インクジェ
ット印刷における印刷インク受像層に代表されるポリビ
ニルアルコール等の水溶性・親水性樹脂を主成分とする
機能層、写真感剤フィルムに代表されるゼラチン等の水
溶性・親水性樹脂を主成分とする機能層等に対して優れ
た接着性を有する積層フィルムを提供することにある。
鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用することによ
り、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、ポ
リエステルフィルム支持体の少なくとも一方の表面に、
塗布液を塗布し乾燥することにより易接着樹脂層が形成
され、当該易接着樹脂層が少なくとも一軸方向に延伸さ
れている積層ポリエステルフィルムであって、前記塗布
液が、水系ポリウレタン(A)とビニルアルコールユニ
ットを主成分として含有する水溶性樹脂(B)とを含有
することを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存す
る。
本発明において、二軸延伸ポリエステルフィルム支持体
を構成するポリエステルとしては、例えば、構成単位の
80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエ
チレンテレフタレート(PET)、構成単位の80モル
%以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエ
チレン−2,6−ナフタレート(PEN)、構成単位の
80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテ
レフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート(PCT)等が挙げられる。その
他には、ポリエチレンイソフタレート、ポリ−1,4−
ブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。上
記の優位構成成分以外の共重合成分としては、例えば、
プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ポリアルキレング
リコール等のジオール成分、イソフタル酸、2,7−ナ
フタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸およびオキシモノカルボン酸等のエステル形成性誘
導体を使用することができる。また、ポリエステルとし
ては、単独重合体または共重合体のほかに、他の樹脂と
の小割合のブレンドも使用することができる。本発明に
おいて、ポリエステルフィルム支持体は、滑り性を付与
するため、突起形成剤として、添加粒子、析出粒子、そ
の他の触媒残渣等を含有していてもよい。これらの突起
形成剤の種類、大きさ、配合量は、目的とする滑り性、
透明性などに応じて適宜選択される。また、ポリエステ
ルフィルム支持体は、必要に応じ、帯電防止剤、安定
剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光線遮断剤、着色剤などを含有して
いてもよい。さらに、フィルムの白色化のため、酸化チ
タン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム等で代表される
白色顔料や、低密度化を目的としたポリエステルと非相
溶な樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リ−4−メチルペンテン等のようなボイド形成剤を含有
していてもよい。また、ポリエステルフィルム支持体
は、多層構造であってもよく、この場合、その一部の層
はポリエステル以外のポリマーで形成されていてもよ
い。本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステ
ルフィルム支持体の少なくとも一方の表面に、所定の塗
布液を塗布し乾燥することにより易接着樹脂層を設けて
なり、かつ当該易接着樹脂層が少なくとも一軸方向に延
伸されてなることに特徴の一つを有するものである。本
発明の最大の特徴は、易接着樹脂層を形成する塗布液
が、水系ポリウレタン(A)と、ビニルアルコールユニ
ットを主成分として含有する水溶性樹脂(B)とを含有
することにある。このような塗布液を用いて設けられた
易接着樹脂層は、二軸延伸ポリエステルフィルム支持体
と親水性樹脂からなる機能層の接着性を著しく高めるこ
とができる。以下、便宜上、ビニルアルコールユニット
を主成分として含有する水溶性樹脂を水溶性樹脂(B)
と記す。本発明で用いる水系ポリウレタン(A)は、通
常手法によって水分散体用として作られたものから選択
することができ、具体的には、以下のようなポリオール
成分、ポリイソシアネート成分、鎖長延長成分、架橋成
分等を原料とする通常の重合反応によって合成すること
ができる。ポリオール成分としては、ポリエステルジオ
ール、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルジオー
ル等から適宜選択することができる。具体的には、ポリ
エチレンテレフタレート系、ポリエチレンイソフタレー
ト系、ポリエチレンシクロヘキサンジカルボキシレート
系、ポリエチレンアジペート系、ポリヘキシレンアジペ
ート、ポリカプロラクトンのようなポリエステル類、ポ
リオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレング
リコール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキ
シテトラメチレングリコールのようなポリエーテル類、
アクリル系ポリオール、ひまし油などが挙げられる。ポ
リイソシアネート成分は、具体的には、キシリレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジ
ンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのよ
うな脂肪族系ジイソシアネート等、トリレンジイソシア
ネート、フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジ
イソシアネートのような芳香族系ジイソシアネート等が
挙げられる。これらイソシアネート成分の中で、本発明
の水系ポリウレタンについては、特に溶融時などの着色
特性の観点から脂肪族イソシアネートが好ましい。さら
には接着特性と耐ブロッキング特性を合わせて考慮する
と脂環式イソシアネートが好ましい。すなわち、芳香族
イソシアネートに比べ脂肪族イソシアネートを用いたポ
リウレタンの方が耐熱・耐光性に優れている。さらに脂
肪族イソシアネートの中でも脂環式イソシアネートを用
いたポリウレタンの方が、耐ブロッキング性・接着性に
優れている。鎖長延長剤または架橋剤としては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヒドラジ
ン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、水などが挙げられる。これら
に含まれる水分散性官能基ユニットは、構成される各ユ
ニットでどのように導入させてもよいが、例えば鎖長延
長剤としてジメチロールプロピオン酸等を用い、カルボ
ン酸を導入し、中和して塩とする方法等が用いられる。
本発明で用いることのできる水系ポリウレタンは、上記
に記載した範囲の構成単位からなる共重合ポリウレタン
であることが好ましい。水系ポリウレタンの平均分子量
(GPCによる)は特に制限はないが、通常5000以
上、好ましくは8000以上のものが用いられる。水系
ポリウレタンの平均分子量が5000未満では、易接着
樹脂層の耐水・機能層との接着性が低下することがあ
る。水系ポリウレタンのガラス転移温度(Tg)は20
℃以上、さらには30℃以上、特に40℃以上であるこ
とが好ましい。ガラス転移温度が20℃以下では、易接
着樹脂層としたときに十分な耐ブロッキング性が得られ
ないことがある。さらに水系ポリウレタンのガラス転移
温度は、140℃以下であることが好ましい。ガラス転
移温度が140℃を超えると、易接着樹脂層を基体ポリ
エステルフィルムと共に延伸される過程で十分な延伸適
性を得られないことがある。本発明で用いる水溶性樹脂
(B)を構成する成分であるポリビニルアルコールは、
通常の重合反応によって合成することによって得ること
ができる。本発明で用いられるポリビニルアルコール
は、水溶性であれば特に制限はない。本発明のポリビニ
ルアルコールの重合度は、特に限定されるものではない
が、通常100以上、好ましくは300〜40000の
ものが用いられる。重合度が100未満の場合易接着樹
脂層の耐水性が低下する。本発明のポリビニルアルコー
ルのけん化度は、特に限定されるものではないが、70
モル%以上、好ましくは70モル%以上、99.9モル
%以下であるポリ酢酸ビニルけん化物が実用上用いられ
る。本発明の水溶性樹脂(B)は、上述の一般的ポリビ
ニルアルコールユニットにアクリル・ビニル基等の重合
性不飽和官能基を有する低分子化合物を共重合している
ものや、酢酸ビニルとアクリル・ビニル基などの重合性
不飽和官能基を有する低分子化合物を共重合した後に脱
酢酸処理をしたものであってもよい。本発明において適
宜用いることが好ましいポリグリセロールポリグリシジ
ルエーテル(C)は、主としてグリセリンとエピクロロ
ヒドリンから合成されたもので、その平均分子量は特に
制限はないが、通常1200以下、好ましくは250〜
1000のものが用いられる。平均分子量が大きくなる
と、水溶性の程度が低下する傾向があり、水系塗布用と
して用いることができなくなることがある。グリシジル
化合物は、分子内にグリシジル基を少なくとも2以上、
好ましくは3以上含有するものである。さらにグリシジ
ル化合物は分子内に水酸基を少なくとも1以上、好まし
くは2以上含有するものである。これらの官能基は、易
接着樹脂層中では、熱により分子間・分子内のグリシジ
ル基ー水酸基間で縮合反応していてもよい。本発明のフ
ィルムの易接着樹脂層中には、前述の水系ポリウレタン
(A)または水溶性樹脂(B)とポリグリセロールポリ
グリシジルエーテル(C)との熱による反応生成物を含
む可能性がある。その反応形式は、任意の反応を含む
が、例えば以下の例が挙げられる。すなわち、水系ポリ
ウレタン(A)または水溶性樹脂(B)中の末端として
の水酸基、カルボン酸基あるいは水分散性改良のために
導入された水酸基、カルボン酸基、カルボン酸塩基等と
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(C)のグリ
シジル基との熱による異種分子間での縮合反応やポリグ
リセロールポリグリシジルエーテル(C)のグリシジル
基と水酸基の同一種分子間での縮合反応等が挙げられ
る。さらに本発明のフィルムの易接着樹脂層中には、滑
り性改良のために、必要に応じ不活性粒子(D)を含ん
でいてもよい。不活性粒子(D)としては、無機不活性
粒子、有機不活性粒子がある。無機不活性粒子として
は、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン等が挙げられる。有機不活性粒子として
は、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビ
ニル系樹脂による単独あるいは共重合体を含む微粒子、
またはこれらと架橋成分を複合した架橋粒子に代表され
る有機粒子が挙げられる。これらの不活性粒子は軟化温
度または分解温度が約200℃以上、さらには250℃
以上、特に300℃以上であることが好ましい。不活性
粒子(D)の平均粒径を(d)、易接着樹脂層の平均膜
厚を(L)とした際、比(d/L)が通常1/3以上、
さらには1/3〜3、特に1/2〜2の範囲となるよう
に選択することが好ましい。d/Lが1/3未満では、
滑り性が劣る傾向があり、3を超えると、粒子が脱落し
やすくなる傾向がある。本発明で用いる塗布液中の水系
ポリウレタン(A)、水溶性樹脂(B)およびポリグリ
セロールポリグリシジルエーテル(C)の混合比は下記
式およびを同時に満足することが好ましい。
水系ポリウレタン(A)成分が少なすぎると、基体ポリ
エステルフィルムとの間で十分な接着性が得られないこ
とがある。易接着層として十分な接着性を得るためには
10重量部以上含有することが好ましい。水溶性樹脂
(B)が少なすぎると、親水性樹脂からなる機能層との
間で十分な接着性が得られないことがある。易接着樹脂
層として十分な接着性を得るためには、10重量部以上
含有することが好ましい。ポリグリセロールグリシジル
エーテル(C)は、接着性、特に耐水接着性と耐ブロッ
キング性の改良の観点から前記(A)および(B)の混
合された塗布液中に適当量配合されていることが好まし
い。ポリグリセロールグリシジルエーテル(C)は多す
ぎると、易接着層の接着性を損なう恐れがある。本発明
のフィルムの易接着樹脂層の性能をさらに高度に発揮す
るため、具体的には、改良された耐水接着性付与および
易接着樹脂層の耐ブロッキング性改良の観点から、易接
着層を形成する塗布液中に化合物(C)を含有すること
が好ましい。本発明における易接着樹脂層には、必要に
応じて、上記の水系ポリウレタン以外の水溶性または水
分散性のバインダー樹脂を併用してもよい。かかるバイ
ンダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル
樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂等が挙げ
られる。これらは、それぞれの骨格構造が共重合等によ
り実質的に複合構造を有していてもよい。複合構造を持
つバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂変性
ポリエステル、アクリル樹脂変性ポリウレタン、ビニル
樹脂変性ポリエステル、ビニル樹脂変性ポリウレタン等
が挙げられる。易接着ポリエステル以外のバインダー成
分の配合量は、易接着樹脂層を形成する塗布液中の固形
分重量部で50重量部以下、さらには30重量部以下の
範囲が好ましい。さらに本発明のフィルムの易接着樹脂
層中には、必要に応じて、前述以外の架橋反応性化合物
を含んでいてもよい。架橋反応性化合物は、主に易接着
樹脂層に含まれる樹脂が有する官能基と架橋反応するこ
とで、易接着樹脂層の凝集性、表面硬度、耐擦傷性、耐
溶剤性、耐水性をさらに改良することができる。架橋反
応性化合物は反応性官能基が1分子中に2官能以上必ず
含まれる限りにおいて、低分子量化合物であっても、反
応性官能基を有する高分子重合体のいずれであってもよ
い。架橋反応性化合物の配合量は、易接着樹脂層を形成
する塗布液中の固形分重量部で20重量部以下の範囲、
さらには10重量部以下の範囲が好ましい。本発明の易
接着樹脂層は、界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増
粘剤、低分子帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等の添加剤を少量含
有していてもよい。これらの添加剤は単独で用いてもよ
いが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。本発明
のフィルムの易接着樹脂層は、ポリエステルフイルムの
片面だけに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
片面のみに形成する場合、その反対面には必要に応じて
易接着樹脂層と異なる層を形成させ、本発明の記録シー
ト用支持体にさらに他の特性を付与することもできる。
なお、塗布液のフイルムへの塗布性および接着性を改良
するため、塗布前のフイルムに化学処理や放電処理等を
施してもよい。また、本発明の記録シート用支持体の表
面特性をさらに改良するために、易接着樹脂層形成後に
放電処理を施してもよい。易接着樹脂層の厚さは、0.
01〜2μm、さらには0.02〜0.5μm、特に
0.03〜0.2μmの範囲が好ましい。易接着樹脂層
の厚さが0.01μm未満の場合は、十分な接着性が得
られない恐れがあり、2μmを超える場合は、耐ブロッ
キング性が不十分となる傾向がある。二軸延伸ポリエス
テルフィルムの製造方法としては、公知の方法を採用す
ることができる。例えば、予め乾燥したポリエステルチ
ップと必要な添加剤を混合して押出機にホッパー投入
し、押出機にて200〜300℃の温度で溶融混練し、
ダイからシート状に押し出して、約70℃以下のキャス
ティングドラム(回転冷却ドラム)上で急冷し未延伸シ
ートを得、得られたシートを縦およびまたは横方向に4
倍以上、好ましくは9倍以上の面積倍率で延伸し、さら
に120〜200℃の温度で熱固定を行う方法を採用す
ることができる。二軸延伸ポリエステルフイルムの表面
に易接着樹脂層を形成する方法は、ポリエステルフイル
ムを製造する工程中で易接着樹脂の塗布液を塗布する方
法が好適に採用される。具体的には、未延伸シート表面
に易接着樹脂層を形成する塗布液を塗布して乾燥する方
法、一軸延伸フイルム表面に易接着樹脂層を形成する塗
布液を塗布して乾燥する方法、二軸延伸フイルム表面に
易接着樹脂層を形成する塗布液を塗布してさらに延伸し
た後、乾燥する方法等が挙げられる。これらの中では、
未延伸フィルムまたは一軸延伸フイルム表面に易接着樹
脂層を形成する塗布液を塗布後、積層フィルムのフイル
ムに熱処理を行う過程で同時に塗布層を乾燥硬化する方
法が経済的である。また、易接着樹脂層を形成する方法
として、必要に応じ、前述の塗布方法の幾つかを併用し
た方法も採用し得る。具体的には、未延伸シート表面に
第一層を塗布して乾燥し、その後、一軸方向に延伸後、
第二層を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。この方
法で得たフィルムにおいては、フィルム表面を形成する
層が本発明の易接着樹脂層である積層フィルムで有れば
本発明の目的を達成する。ポリエステルフイルムの表面
に易接着樹脂の塗布液を塗布する方法としては、原崎勇
次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」
に示されるリバースロールコーター、グラビアコータ
ー、ロッドコーター、エアドクターコーター等を使用す
ることができる。本発明の易接着樹脂層の形成において
用いる塗布液は、通常、安全性や衛生性の観点から水を
主たる媒体として調整されていることが好ましい。水を
主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する
目的あるいは造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤
を含有していてもよい。有機溶剤は、主たる媒体である
水と混合して使用する場合、水に溶解する範囲で使用す
ることが必要である。有機溶剤は単独で用いてもよい
が、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明におけ
る各種の物性および特性の測定方法、定義は下記のとお
りである。また、実施例および比較例中、「部」および
「%」とあるのは、各「重量部」および「重量%」を意
味する。 (1)水性樹脂接着性1 水性樹脂:ポリビニルアセタール(積水化学製エスレッ
クKX−1、以下KX1と記載する)を易接着層表面に
塗布し乾燥する。塗布は、8重量%に調整されたKX1
をベーカー式アプリケーターを用いて塗布直後の溶液塗
布厚みが約127μmになるようにする。塗布後、速や
かにオーブン中で、100℃で4分間加熱し、塗布層を
乾燥させる。乾燥したKX1塗布層表面に、インクジェ
ットプリンター(キャノン製BJC−600J)で黒色
の印刷(12cm×12cmの面積)を施し、約12時
間風乾する(23℃,50%RH)。印刷表面にセロテ
ープ(ニチバン製18mm巾)を貼り、急速に剥離した
ときの剥離状況を目視観察し、以下の基準にて判定す
る。
に塗布し乾燥する。塗布は、8重量%に調整されたKX
1をベーカー式アプリケーターを用いて塗布直後の溶液
塗布厚みが約127μmになるようにする。塗布後、速
やかにオーブン中で、100℃で4分間加熱し、塗布層
を乾燥する。乾燥したKX1塗布層表面に、インクジェ
ットプリンター(キャノン製BJC−600J)の黒色
で印刷(12cm×12cmの面積)し、約12時間風
乾する(23℃,50%RH)。印刷表面に、1mm間
隔で100マスのクロスカットを施し、その上にセロテ
ープ(ニチバン製18mm巾)を貼り、急速に剥離した
ときの剥離状況を目視観察し、以下の基準にて判定す
る。
面を重ね、温度40℃、湿度80%RH、荷重10kg
/cm2 で20時間プレス処理を行い、ASTM D
1893により決められているプラスチックフィルム間
のブロッキング度を測定し定量化する手法に準拠し、プ
レスしたフィルム面をはがす際にかかる荷重からブロッ
キング度を求める。判定基準は以下のとおりである。
湿度80%RH、荷重10kg/cm2 で20時間プレ
ス処理を行い、ASTM D 1893により決められ
ているプラスチックフィルム間のブロッキング度を測定
し定量化する手法に準拠し、プレスしたフィルム面をは
がす際にかかる荷重からブロッキング度を求める。判定
基準は以下のとおりである。
いたバインダー樹脂等は下記のとおりである。 (化合物例) バインダー樹脂:A1 テレフタル酸(10モル%)、イソフタル酸(40モル
%)、エチレングリコール(8モル%)、ジエチレング
リコール(32モル%)、ネオペンチルグリコール(6
モル%)からなるポリエステルポリオールに、鎖延長剤
としてプロピオン酸ジメタノール(4モル)、イソシア
ネートとしてイソホロンジイソシアネートを含有する水
系ポリウレタン 水溶性樹脂:B1 けん化度=94モル%、重合度=500のポリビニルア
ルコール ポリグリセロールポリグリシジルエーテル:C1 デナコール EX−521(ナガセ化成製)、平均分子
量=1000 不活性粒子:D1 平均粒径0.05μmのシリカゾル 不活性粒子:D2 平均粒径0.02μmのシリカゾル 実施例1 常法に従ってエステル交換反応を行った後、エチレング
リコールに分散させた平均粒子径1.4μmのシリカ粒
子を添加した。次いで常法に従って重縮合反応を進め、
固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを得
た。このポリエチレンテレフタレートを280〜300
℃の温度で溶融押し出しし、静電密着法を併用しながら
冷却ドラム上にキャストし、厚さ約720μmの無定型
フィルムを得た。このフィルムを85℃で縦方向に3.
7倍延伸し、さらに100℃で横方向に3.9倍延伸
し、210℃で熱処理して、厚さ50μmの二軸延伸ポ
リエステルフィルムを得る工程中、ポリエステルフィル
ムの縦延伸後、横延伸前のフィルムの片面に上記化合物
例で示した水系ポリウレタン(A1)45重量部、水溶
性樹脂(B1)40重量部、ポリグリセロールポリグリ
シジルエーテル(デナコール EX−521:C1)1
0重量部および不活性粒子(シリカゾル:D1)5重量
部を含有する水分散体を調整し、延伸乾燥後の塗膜厚さ
が0.05μmになるように片面に塗布して積層フィル
ムを得た。 実施例2〜10および比較例1〜5 実施例1において、易接着樹脂層の組成を下記表1に示
すように変更した以外は、実施例1と同様にして積層フ
ィルムを得た。
フィルム、ラベル、プロッター用フィルム、写真用フィ
ルム、写真印画紙フィルムなど、バーコードラベル、磁
気カード、グラフィックアーツ用などの機能層としてポ
リビニルアルコール等の水性樹脂を含有する層が使用さ
れる全てに対して良好な接着性を有する積層フィルムを
提供することができ、その工業的価値は高い。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリエステルフィルム支持体の少なくと
も一方の表面に、塗布液を塗布し乾燥することにより易
接着樹脂層が形成され、当該易接着樹脂層が少なくとも
一軸方向に延伸されている積層ポリエステルフィルムで
あって、前記塗布液が、水系ポリウレタン(A)とビニ
ルアルコールユニットを主成分として含有する水溶性樹
脂(B)とを含有することを特徴とする積層ポリエステ
ルフィルム。 - 【請求項2】 塗布液がポリグリセロールポリグリシジ
ルエーテル(C)を含有することを特徴とする請求項1
記載の積層ポリエステルフィルム。 - 【請求項3】 易接着樹脂層が不活性粒子を含み、かつ
易接着樹脂層の厚さ(L)と不活性粒子の平均粒径
(d)が下記式を満足することを特徴とする請求項1
または2記載の積層ポリエステルフィルム。 【数1】1/3≦d/L … - 【請求項4】 塗布液中の樹脂(A)、(B)および
(C)の重量比が下記式およびを同時に満足するこ
とを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の積層ポリ
エステルフィルム。 【数2】1/9≦(A)/(B)≦9/1 … 1/1≦{(A)+(B)}/(C)≦100/1 …
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